JPH0616957A - 羽毛微細粉末から成る有機顔料 - Google Patents

羽毛微細粉末から成る有機顔料

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JPH0616957A
JPH0616957A JP17718392A JP17718392A JPH0616957A JP H0616957 A JPH0616957 A JP H0616957A JP 17718392 A JP17718392 A JP 17718392A JP 17718392 A JP17718392 A JP 17718392A JP H0616957 A JPH0616957 A JP H0616957A
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JP
Japan
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feather
fine
powder
colored
organic pigment
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JP17718392A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Kawaguchi
芳広 川口
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Ishihara Chemical Co Ltd
Original Assignee
Ishihara Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 羽毛をアルコール系溶媒に浸漬し、石臼式回
転磨砕を施した後ボールミル式粉砕をして羽毛微細粉末
を得る。必要に応じて、さらにこの微細粉末に対し、タ
ール色素により、または酸性および/または塩基性染料
により染色を施して着色羽毛微細粉末とする。あるい
は、有色脂溶性ビタミンを含浸させて脂溶性ビタミンを
含有する着色羽毛微細粉末とする。これらの羽毛微細粉
末を有機顔料として配合した香粧品、塗料、印刷用イン
キ、プラスチック成型品、ゴム成型品などが製造され
る。 【効果】 このような有機顔料を配合した化粧料は、皮
膚に対する密着性が高く、化粧持ちが良く、しかも皮膚
への負担が少ない。また、このような有機顔料を配合し
た印刷用インキは、光沢が優れている上に、紙に対する
付着性が向上し、インキ粒子がプリンターのノズルにつ
まることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、羽毛微細粉末の製造方
法、得られた微細粉末にさらに染色を施した着色羽毛微
細粉末あるいは得られた微細粉末に有色脂溶性ビタミン
を含浸させた羽毛微細粉末およびこれらの微細粉末の用
途に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、工業的に生産され汎用されている
顔料は、その代表的な品種が100種をこえ、化粧品、
塗料、印刷インキ、プラスチック、絵の具をはじめ多く
の分野で利用されている。
【0003】そもそも人類がはじめて顔料を使ったのは
有史以前のことと言われている。それは天然の無機顔料
でいろいろの金属の酸化物や硫化物であった。現在では
これに加えて、分類上、無機合成顔料や金属粉、有機天
然染料系顔料、有機合成顔料などがある。
【0004】顔料とは一口で言って水に溶けない色粉で
ある。水に溶ける色粉は染料である。顔料とは水や溶媒
に溶けない、有色微粒子状の無機または有機化合物で、
展色料と混和して塗膜もしくは成型物などの組成物に美
しい色彩を与えるものである。
【0005】無機顔料はその成分として元素単体よりな
るもの、およびZn,Pb,Ti,Sb,Cd,Fe,
As,Mg,Al,Co,Cr等の酸化物、硫化物、硫
酸塩が大部分であり、その他にクロム酸塩、珪酸塩等も
ある。酸化物としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモ
ン白、鉄黒、ベンガラ、鉛丹および酸化クロム、硫化物
としては、リトポン、硫化亜鉛、カドミウムイエロー、
雄黄、銀朱、カドミウムレッド、アンチモン朱、硫酸塩
としては、硫酸バリウム、石膏、硫酸鉛、炭酸塩として
は、炭酸バリウム、炭酸石灰粉、鉛白、炭酸マグネシウ
ム、水酸化物としては、アルミナホワイト、サチン白、
クロム酸塩としては、黄鉛、亜鉛黄、クロム酸バリウム
がある。
【0006】これら無機顔料は発色成分が無機物であっ
て、一般に隠蔽力は大きいが色相は鮮明ではなく、各用
途に応じた色彩を得るには有機顔料の使用が必要とな
る。
【0007】一方、有機顔料を化学構造よりながめる
と、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、フタロシアニン
顔料、ファナール類などに分類される。アゾ系顔料の主
なものとしては、ブリリアントカーミンBS、レーキカ
ーミンFB、ブリリアントファストスカーレット、レー
キレッド4R、バラレッド、パーマネントレッドR、フ
ァストレッド、レーキボルド5B、バーミリオン、トル
イジンマルーン、ファストブルーRS、ベンジジンイエ
ロー、レーキレッドD、レーキレッドR、ウオッチング
レッド、レーキボルドー10B、ボンマルーンLL、ボ
ンマルーンMなどがある。フタロシアニン顔料として
は、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、フ
タロシアニングリーンなどがある。またファナール類と
しては、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレ
ーキなどがある。
【0008】有機顔料は無機顔料に比し一般的に色相鮮
明で、着色力が大きいが、無機顔料に比べて耐溶媒性が
劣るものが多い。
【0009】しかし、このように多くの顔料があるにも
関わらず、化粧品に使用できるものは制限されている。
使用許可されている顔料の中で、無機顔料は、厚生省告
示第322号に13品目、有機顔料は、厚生省令第30
号にタール色素の中で顔料としては22品目と染色レー
キ(アルミニウムレーキ)43品目が認められているに
すぎない。
【0010】実用上、これら以外にも安全性があり使用
感の高い顔料の開発は望まれており、さらに品質の良い
化粧品への配合が期待される。
【0011】特に、昨今の天然指向の中にも関わらず、
基礎化粧品の有効成分などには天然物が配合されてきて
いるが、ファウンデーション類に用いる顔料には未だ天
然由来物質が利用されるに至っていない。
【0012】かつては、魚類タチウオの魚鱗粉や貝殻の
粉砕物の利用が試みられたが、実用上の色彩面や使用感
などの点において一面的な利用でしかなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】白色顔料を基本とし、
従来になくファウンデーション用基剤としての機能を有
した天然素材の探索が必要である。また顔料として色彩
面でのバリエーション維持できるよう彩度の高い色をは
じめ、数多くの色相を提供しうる素材が理想的である。
【0014】
【課題を解決するための手段】実際、各色相、色調、彩
度、明度のものを天然素材から引用するには、あまりに
も数が多すぎる。そこで本発明者は、まず白色素材を天
然から引用することとした。
【0015】しかし、この白色素材は既存の安全性の確
認された上述に記載の法定タール色素を用い、彩度の高
い色をはじめ各色相の色に着色できるものであること
が、本課題を解決しうるものとなる。
【0016】このような白色素材は、顔料としての使用
ゆえ、微細粉末として得られなくてはならない。しか
も、各法定タール色素で染色される成分であるべきだ。
【0017】そのため本発明者は、タンパク質の中で基
本的に水に不溶性で、天然界において外観上白色で存在
していることの多い羽毛ケラチンに着目した。羽毛は、
特に食肉用のニワトリの屠殺が大量の羽毛を排出し、そ
の後一部が細断され家畜用飼料などとして配合利用され
ているにすぎない。したがって、羽毛を工業的に有効利
用することは、近年の省資源、資源有効利用の観点から
も非常に好ましいことである。
【0018】このような羽毛の利用に際し、まず羽毛を
極めて微細な粉末とする必要がある。具体的には、予備
洗浄を行ない、微粉砕工程のため石臼式磨砕そして連続
してボールミル式磨砕を実施し、濾過洗浄、乾燥処理を
行なうものである。次いで、法定タール色素による染
色、脂溶性ビタミンの含浸そして紫外線吸収剤の担持な
どにより、化粧品用顔料としての特色を保持させるもの
である。
【0019】本発明は、上記の知見に基づいてなされた
ものであり、羽毛をアルコール系溶媒に浸漬し、石臼式
回転磨砕を施した後、ボールミル式粉砕をすることによ
って得られた羽毛微細粉末である。また、本発明は、こ
のようにして得られた羽毛微細粉末に対し、タール色素
により染色を施したか、あるいは酸性および/または塩
基性染料により染色を施した着色羽毛微細粉末、並びに
有色脂溶性ビタミンを含有させた羽毛微細粉末に関す
る。さらに、本発明は、これらの羽毛微細粉末および着
色羽毛微細粉末のうち少なくとも1つを用いることを特
徴とする工業用有機顔料を提供する。さらに加えて、本
発明は、上記羽毛微細粉末および着色羽毛微細粉末のう
ち少なくとも1つを有機顔料として配合することを特徴
とする香粧品、塗料、印刷用インキ、プラスチックおよ
びゴム成型品をも提供する。
【0020】以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】予備洗浄においては水洗にひきつづくアル
コール系溶媒による洗浄がなされる。アルコール洗浄の
意味は、羽毛に本来付着している油脂分を溶解除去する
目的もあるが、水になじみの悪い羽毛を次の石臼式磨砕
を湿式で処理するのに良好な浸漬物を提供するものであ
る。アルコール洗浄の利点は、水洗後の水分の残存を問
題とせずアルコールへの完全置換を必要としない点にも
あり、このアルコール洗浄から磨砕、粉砕の一貫した工
程においてのアルコール濃度については、0.01〜9
9.99%とすることができる。しかし、羽毛の殺菌消
毒効果も同時にとり行える30〜70%が実用上好まし
いものである。使用アルコールについては飽和、不飽和
の脂肪族および芳香族のモノ,ジ,そして多価アルコー
ルなどの広範な種類のものを使用できるが、好ましくは
エタノール、イソプロパノールであり、さらに日本薬局
方収載のものを70%エタノール、30%,50%イソ
プロパノールとして用いることができる。
【0022】次いで、石臼式磨砕機へ投入するケラチン
物質は、前記最終アルコール浸漬物とすることができ
る。磨砕機は上下2枚の特殊グラインダーによって構成
され、固定された上部グラインダーと回転する下部グラ
インダーの間に生じる衝撃、剪断、圧縮、ころがり摩擦
等の力により原料を粉砕するものである。用いるグライ
ンダーには、従来通りのものも使用できるが、最近、開
発された無気孔で割れない特性を有するセラミックスの
ものが適している。投入するケラチン物質のアルコール
浸漬物は、その浸漬比率が1:0.5(固体:分散媒(v
/v))以上であれば良く、好ましくは1:1から1:10
までの範囲での使用が好ましい。運転に際して、一度磨
砕されたものを繰り返し磨砕機に投入する連続磨砕処理
も効果的である。さらに、連続磨砕処理の間にアルコー
ル分散媒を交換することは、洗浄効果をさらに促進する
ものである。
【0023】石臼式磨砕を終えた磨砕物は、そのままボ
ールミル式粉砕機に投入する。ボールミル式粉砕には円
筒の中に被粉砕物と粉砕媒体(例えばジルコニアボー
ル)を入れて、円筒内の回転軸の動きにより回転粉砕す
るか、円筒を振動させて粉砕する方法を利用することが
できる。本工程においても被粉砕物であるケラチン物質
のアルコール浸漬比率は、前工程と同様のものとする。
本工程からの粉砕物の分離回収には、粉砕媒体のボール
の直径より小さい枡目のふるいを通してボールを捕捉し
ておき、下段に設けたマイクロフィルターで粉砕物懸濁
液を濾過することにより行う。ボールの洗浄と濾集粉砕
物は、アルコールまたは他の揮発性有機溶媒により、羽
毛由来の残存油脂分を洗浄除去後、乾燥され羽毛微細粉
末とされる。この最終段階での洗浄は、元の羽毛の容積
が小さくなっており、また逆に表面積が大きくなってお
り、油脂分の溶解除去にとって効果的とされ、洗浄溶媒
も各々単独もしくは併用できるが、好ましくはアセト
ン、エーテルを使用することが望ましい。
【0024】本発明の着色工程においては、白色羽毛微
細粉末に1重量部に対し、水10から5000重量部の
浴比が選択され、特に水1000重量部の浴比が好まし
い。白色羽毛微細粉末に対し、法定タール色素を0.1
から100重量%(対羽毛パウダー重量)を染料として
用い、染色助剤として界面活性剤を0.1から100重
量%(対羽毛パウダー重量)で用いる。好ましくは、法
定タール色素の量を3重量%(対羽毛パウダー重量)で
浴中濃度として0.003%、界面活性剤の量を2重量
%(対羽毛パウダー重量)で、浴中濃度として0.00
2%での使用がなされる。
【0025】本発明において用いられる界面活性剤とし
ては、ほとんどすべてのものを用いることができるが、
染料として法定タール色素を使用する多くの場合、陽イ
オン界面活性剤および非イオン界面活性剤を用いること
が望ましい。さらに好ましくは化粧品等に使用すること
のできる多価アルコール脂肪酸エステル、酸化エチレン
付加型の各種非イオン界面活性剤をいずれかひとつか、
もしくは組み合わせて使用できる。
【0026】多価アルコール脂肪酸エステルとしては、
ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコ
ール脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
【0027】酸化エチレン付加型の非イオン界面活性剤
としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチ
レングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロー
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリ
オキシエチレンミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンラ
ノリン誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン・ア
ミド、単一鎖長ポリオキシエチレンアルキルエーテルな
どを挙げることができる。
【0028】ついで羽毛微細粉末が脂溶性物質を含浸す
ることを利用し、各種脂溶性ビタミンを助剤として有機
溶剤を用いたり、上記界面活性剤を用いて効果的に含浸
させることができる。脂溶性ビタミンには有色物が多
く、これら含浸羽毛微細粉末を化粧料として肌に塗布し
た場合、脂溶性ビタミンの有する機能に加えて染色効果
も得られる。
【0029】さらに羽毛微細粉末に対して紫外線吸収剤
を吸着させることができる。市販の紫外線吸収剤ならい
ずれのものでも良く、荷電を有するものなら染色工程と
同様に、荷電を有さない脂溶性の高いものならアルコー
ル類およびその他有機溶剤を用いて含浸させることがで
きる。
【0030】本発明の効果としては、このようにして得
られた白色羽毛微細粉末および着色羽毛微細粉末が、フ
ァウンデーション類の化粧料として用いられた場合、皮
膚に対して密着性が高く、化粧持ちが良く、さらに豊富
で好ましい色彩を与えうるという特徴がある。
【0031】また、本羽毛微細粉末は、上述のように色
素を吸着するので、化粧品組成物中の遊離色素が皮膚の
中まで浸透せず、皮膚への負担が少なくなるという特徴
を有している。さらに、紫外線吸収物質のタンパク成分
であり、粉末性状なので、紫外線を散乱させる効果が期
待される。
【0032】昔から、羽毛は服飾、寝具などに用いら
れ、素肌との接触の面でもなじみやすい。さらに、羽毛
のしなやかさのイメージは、化粧品としてうってつけで
あり、その微細粉末は使用感にも優れている。
【0033】さらに、本発明の白色羽毛微細粉末は、酸
性および/または塩基性染料により染色を施すことによ
って、着色羽毛微細粉末とすることもできる。この場
合、使用する酸性染料あるいは塩基性染料としては、特
に制限されることなくどのようなものでも利用すること
ができる。本発明の白色羽毛微細粉末は、内部はマトリ
ックス構造を有していて親油性物質を含有することがで
きる一方で、表面は両性電解質であり、水溶性染料と容
易に結合することができる。このため、どのような酸性
染料および塩基性染料をも使用することが可能である。
【0034】このようにして得られた着色羽毛微細粉末
および染色を施さない白色羽毛微細粉末は、従来の顔料
と異なり、色の混合が容易で微妙な色合を出すことがで
きるため、種々の産業分野におけるカラーのニーズに対
応することができる。このため、本発明の羽毛微細粉末
を1種もしくは2種以上用いて各種の工業用有機顔料を
製造することができる。更に、本発明の羽毛微細粉末の
1種もしくは2種以上を有機顔料として配合して、香粧
品を始めとして、塗料、印刷用インキ、プラスチック成
型品、ゴム成型品等の各種製品を製造することが可能で
ある。この場合、着色染料としては法定タール色素もそ
の他の染料もどちらも使うことができる。
【0035】本発明の羽毛微細粉末の1種もしくは2種
以上を有機顔料として配合して製造した塗料は、従来品
に比べて光沢が向上する。また、本発明の羽毛微細粉末
の1種もしくは2種以上を有機顔料として配合して製造
した印刷用インキは、光沢および紙に対する付着性が向
上し、しかも連乾性である。さらに、従来の着色有機顔
料は粒子が大きくプリンターのノズルにつまることが少
なくないが、本発明の羽毛微細粉末を有機顔料として用
いた印刷用インキはその粒子がノズルにつまることがな
い。したがって、カラー印刷のプリンター用インキとし
て特に優れており、将来のカラープリンター用インキと
して極めて有望である。
【0036】さらに、本発明の羽毛微細粉末の1種もし
くは2種以上を有機顔料として配合して製造したプラス
チック成型品やゴム成型品は、従来の着色成型品に比べ
て、微妙な色調を出すことができるばかりでなく、有機
顔料のプラスチックやゴムに対する付着性の点でも優れ
ている。
【0037】以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明
はこれらの実施例によって何ら限定されるものではな
い。
【0038】
【実施例】
[実施例1]水洗したニワトリ羽毛約100gをエタノ
ール1リットルに浸漬し、石臼式回転磨砕機(マスコロ
イダー:増幸産業(株)製)を用い、1,200rpm で
磨砕処理を実施し羽毛磨砕物のエタノール浸漬物を得
た。この磨砕物を再度、石臼式回転磨砕機を用い磨砕処
理を実施する。このような循環石臼式回転磨砕処理を4
回繰り返した。その後、得られたエタノール浸漬羽毛磨
砕物は振動ボールミルを用いさらに磨砕処理を1時間行
った。この振動ボールミル磨砕は、エタノール浸漬状態
での湿式で行われ、使用ボールに直径6mmのジルコニア
ボールを使用した。こうして得られたエタノール浸漬羽
毛微細粉末は、濾過により回収され、次いでエーテル、
アセトン、エタノールにより洗浄濾過を順次行った。そ
して乾燥後、羽毛微細粉末を得た。このものは顕微鏡観
察により、数ミクロンの微細粉末であることを確認し
た。
【0039】[実施例2]水洗したニワトリ羽毛約10
0gをエタノール1リットルに浸漬し、石臼式回転磨砕
機(マスコロイダー:増幸産業(株)製)を用い、1,
200rpm で磨砕処理を実施し羽毛磨砕物のエタノール
浸漬物を得た。この磨砕物を再度、石臼式回転磨砕機を
用い磨砕処理を実施する。このような循環石臼式回転磨
砕処理を4回繰り返した。その後、得られたエタノール
浸漬羽毛磨砕物は振動ボールミルを用いさらに磨砕処理
を1時間行った。この回転ボールミル磨砕は、エタノー
ル浸漬状態での湿式で行われ、使用ボールに直径6mmの
ジルコニアボールを使用し、回転数1,200rpm にて
実施された。こうして得られたエタノール浸漬羽毛微細
粉末は、濾過により回収され、次いでエーテル、アセト
ン、エタノールにより洗浄濾過を順次行った。そして乾
燥後、羽毛微細粉末を得た。このものは、顕微鏡観察に
より、数ミクロンの微細粉末であることを確認した。
【0040】[実施例3]食用赤色203号0.3gと
蛋白浸透剤としてソルビタンモノオレエート0.2gを
精製水1リットルに溶解し染色浴を行なった。実施例1
で得られた白色微細粉末10gを染色浴中に加え、均一
に撹拌、分散させた。その後、浴を常温から90度に昇
温し、数分間加熱した。染色後、吸引濾過により、染色
粉末を精製水にて色落ちしなくなるまで水洗し、乾燥し
た。
【0041】[実施例4]赤色201号0.3gと蛋白
浸透剤としてソルビタンモノオレエート0.2gを2%
酢酸に溶解し、染色浴を行なった。実施例1で得られた
白色羽毛微細粉末10gを染色浴中に加え、均一に撹
拌、分散した。その後、浴を常温から90度に昇温し、
20分間加熱した。染色後、吸引濾過により染色粉末を
精製水にて色落ちしなくなるまで水洗し、乾燥した。
【0042】[実施例5]赤色2号0.3gと蛋白浸透
剤としてソルビタンモノオレエート0.2gを2%酢酸
に溶解し、染色浴を行なった。実施例2で得られた白色
羽毛微細粉末10gを染色浴中に加え、均一に撹拌、分
散した。その後、浴を常温から90度に昇温し、20分
間加熱した。染色後、吸引濾過により染色粉末を精製水
にて色落ちしなくなるまで水洗し、乾燥した。
【0043】[実施例6]青色1号0.3gと蛋白浸透
剤としてソルビタンモノオレエート0.2gを2%酢酸
に溶解し、染色浴を行なった。実施例1で得られた白色
羽毛微細粉末10gを染色浴中に加え、均一に撹拌、分
散した。その後、浴を常温から90度に昇温し、20分
間加熱した。染色後、吸引濾過により、染色粉末を精製
水にて色落ちしなくなるまで水洗し、乾燥した。
【0044】[実施例7]青色1号0.3gをエタノー
ル1リットルに溶解し、実施例2で得られた白色微細粉
末10gを加え、均一に撹拌、分散した。その後、常温
から50度に昇温し、20分間加熱した。染色後、吸引
濾過により、染色粉末を精製水にて色落ちしなくなるま
で水洗し、乾燥した。
【0045】[実施例8]青色1号0.3gを2%酢酸
/エタノール(1:1)1リットルに溶解し、さらに蛋
白浸透剤としてソルビタンモノオレエート0.2gを添
加溶解する。この染色浴中へ実施例1で得られた白色羽
毛微細粉末10gを加え、均一に撹拌、分散する。その
後、常温から60度に昇温し、20分間加熱する。染色
後、吸引濾過により、染色粉末を精製水にて色落ちしな
くなるまで水洗し、乾燥する。
【0046】[実施例9]紫色201号0.3gを5%
のポリジメチルシロキサンを含有するイソプロパノール
1リットルに溶解する。この染色浴中へ実施例2で得ら
れた白色羽毛微細粉末10gを加え、均一に撹拌、分散
する。その後、常温から60度に昇温し、20分間加熱
する。染色後、吸引濾過により、染色粉末を精製水にて
色落ちしなくなるまで水洗し、乾燥する。
【0047】[実施例10] 1.イソプロピルミリステート 12部 2.スクワラン 5 3.ラノリン 7 4.ミクロクリスタリンワックス 3 5.未処理二酸化チタン 15 6.パラオキシ安息香酸ブチル 0.1 7.カオリン 5 8.タルク 3 9.実施例1の着色羽毛微細粉末 8 10.香料 0.1 11.精製水 36.7 12.プロピレングリコール 5 13.パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (製法)1から6を80度で均一に溶解し、11から1
3を加えて乳化した。その後、7から10を添加し、撹
拌分散しながら冷却してクリームファンデーションを製
造した。
【0048】[実施例11] 1.ヒマシ油 30部 2.グリセリルジイソステアレート 10 3.キャンデリラロウ 8 4.固型パラフィン 20 5.実施例2の着色羽毛微細粉末 14 6.精製水 15 7.グリセリン 3 (製法)1から4までを80度で均一に溶解し、次いで
5を添加し撹拌した。その後、6と7を加えて乳化し
た。撹拌を継続しつつ成型容器中に充填し冷却し口紅を
得た。
【0049】[実施例12]p−アミノ安息香酸エチル
0.3gを精製水/エタノール(1:1)1リットルに
溶解し、さらに蛋白浸透剤としてソルビタンモノオレエ
ート0.2gを添加溶解した。この浴中へ実施例1で得
られた白色羽毛微細粉末10gを加え、均一に撹拌分散
した。その後、常温から60度に昇温し、20分間加熱
した。さらに吸引濾過により、紫外線吸収剤結合担持羽
毛微細粉末を精製水にて十分洗浄した。
【0050】
【発明の効果】本発明の白色羽毛微細粉末および着色羽
毛微細粉末の少なくとも1つを有機顔料として配合した
ファウンデーション等の化粧料は、皮膚に対する密着性
が高く、化粧持ちが良い。しかも、本発明の羽毛微細粉
末は化粧品組成物中の遊離色素が皮膚の中まで浸透せ
ず、皮膚への負担が少ないという特徴も有している。さ
らに、本発明の羽毛微細粉末は、紫外線吸収物質のタン
パク成分であり、粉末性状なので、紫外線を散乱させる
効果が期待できる。
【0051】また、本発明の白色羽毛微細粉末および着
色羽毛微細粉末の少なくとも1つを有機顔料として配合
した塗料、印刷用インキ、プラスチック成型品、ゴム成
型品等は、光沢に優れており、豊富な色彩の製品が得ら
れる。特に、上記の有機顔料を配合した印刷用インキ
は、光沢の向上に加えて、紙に対する付着性も向上し、
インキ粒子がプリンターのノズルにつまることがないの
で、カラープリンター用インキとして極めて好適であ
る。
【0052】さらに、実施例12で得られたような紫外
線吸収剤結合担持羽毛微細粉末に関しては、羽毛微細粉
末が紫外線吸収物質のタンパク成分であり、これに汎用
の紫外線吸収剤を結合担持させることで相乗効果が期待
される。また汎用の紫外線吸収剤は、従来の配合使用状
況では、濃度的にも制限があり十分な効果をあげている
とはいえず、本発明により使用量を少なくしても効果を
上げることのできる方法は、特に化粧品向けとしてうっ
てつけである。またこのような効果は、羽毛微細粉末の
表面にその両性荷電であることを利用し、紫外線吸収剤
の局所濃度を高めることにより可能である。なお、実施
例12で得られた紫外線吸収剤結合担持羽毛微細粉末
は、さらに種々の顔料を用いて自由に着色することがで
きる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 羽毛をアルコール系溶媒に浸漬し、石臼
    式回転磨砕を施した後、ボールミル式粉砕することによ
    って得られた羽毛微細粉末。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の羽毛微細粉末に対し、
    タール色素により染色を施した着色羽毛微細粉末。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の羽毛微細粉末に対し、
    酸性および/または塩基性染料により染色を施した着色
    羽毛微細粉末。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の羽毛微細粉末に対し、
    有色脂溶性ビタミンを含浸させた羽毛微細粉末。
  5. 【請求項5】 請求項1から4に記載の羽毛微細粉末お
    よび着色羽毛微細粉末のうち少なくとも1つを用いるこ
    とを特徴とする工業用有機顔料。
  6. 【請求項6】 請求項1から4に記載の羽毛微細粉末お
    よび着色羽毛微細粉末のうち少なくとも1つを有機顔料
    として配合することを特徴とする香粧品。
  7. 【請求項7】 請求項1から4に記載の羽毛微細粉末お
    よび着色羽毛微細粉末のうち少なくとも1つを有機顔料
    として配合することを特徴とする塗料、印刷用インキ、
    プラスチックおよびゴム成型品。
JP17718392A 1992-07-03 1992-07-03 羽毛微細粉末から成る有機顔料 Pending JPH0616957A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100457357B1 (ko) * 1995-06-06 2005-01-27 디 유나이티드 스테이스 오브 아메리카, 애즈 레프리젠티드 바이세크리트리, 디파트먼트 오브 어그리컬쳐 새털로제조된섬유및섬유제품

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KR100457357B1 (ko) * 1995-06-06 2005-01-27 디 유나이티드 스테이스 오브 아메리카, 애즈 레프리젠티드 바이세크리트리, 디파트먼트 오브 어그리컬쳐 새털로제조된섬유및섬유제품

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