JPH06168854A - 積層型固体電解コンデンサとその製造方法 - Google Patents

積層型固体電解コンデンサとその製造方法

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JPH06168854A
JPH06168854A JP32085392A JP32085392A JPH06168854A JP H06168854 A JPH06168854 A JP H06168854A JP 32085392 A JP32085392 A JP 32085392A JP 32085392 A JP32085392 A JP 32085392A JP H06168854 A JPH06168854 A JP H06168854A
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 積層型固体電解コンデンサのモールド樹脂外
装時の漏れ電流特性の劣化を防止する。 【構成】 陽極部6間に予め補強樹脂13を充填した
後、モールド樹脂外装12を施すことにより、モールド
注入時の圧力によってコンデンサ素子5が変形すること
を防止して、モールド樹脂外装時の漏れ電流特性を改善
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層型固体電解コンデ
ンサ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】弁作用を有する金属箔を陽極とし、それ
に誘電体酸化皮膜を形成し、その上に固体電解質層及び
導電体層を形成して、これを陽極とする構造の固体電解
コンデンサが存在している。この種の固体電解コンデン
サにおいては、高容量化のために、この固体電解コンデ
ンサを複数個積層し、一体化した積層型固体電解コンデ
ンサが知られている。
【0003】例えば、特開昭59−132614号公報
の従来例1では図3に示すように、酸化皮膜を形成した
金属箔1の両面の所定の位置に絶縁体層2を形成して、
金属箔1の表面を陽極部6と陰極部7になる部分に区分
し、陰極部7の酸化皮膜上には、固体電解質層3を形成
してコンデンサ素子5を形成する。複数個のコンデンサ
素子5を絶縁体層2同士を接着して積層し、かつ陰極部
7,7間に導電体層4を形成して一体化した構造になっ
ている。
【0004】しかし、従来例1の積層型固体電解コンデ
ンサにおいて、導電体層4の形成は、積層したコンデン
サ素子5を導電体の溶解した溶液中に浸漬し、乾燥固化
して行うので、各コンデンサ素子5の陰極部7間に空間
が残りやすい。このような空間が存在する場合、モール
ド樹脂外装を施すと、モールド注入時の圧力によって、
この空間がつぶれて陰極部7が変形し、酸化皮膜が破壊
して漏れ電流特性が劣化するという問題点がある。
【0005】これに対し、実開平1−118429号公
報,特開平3−8312号公報の従来例2では図4に示
すように、金属箔1の所定位置に絶縁体層2を形成して
金属箔1の表面を陽極部6と陰極部7に区分する。その
後、陰極部7には酸化皮膜,固体電解質層3,導電体層
4を順次形成して、コンデンサ素子5を形成する。その
後、陰極部7に導電性接着剤8を塗布して所定個数を積
層し、高温で加圧,硬化させて一体化する。各コンデン
サ素子5の陰極部7間は、加圧して一体化するので、前
述のような空間は発生しないため、この部分での漏れ電
流特性の劣化は生じない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来例2の積層型固体
電解コンデンサにおいては、固体電解質層3及び導電体
層4の厚さが絶縁体層2の厚さより薄いと、積層時に陰
極部7間を加圧する際にコンデンサ素子5が変形し、漏
れ電流特性が劣化するため、通常、固体電解質層3及び
導電体層4は絶縁体層2より厚く作られる。このため、
積層後に陰極部7の積層間には空間が残らないが、陰極
部6の絶縁体層2間には、空間が生じてしまう。
【0007】従って、従来例2の積層型固体電解コンデ
ンサにモールド外装を施すと、モールド注入時の圧力に
よって、この空間がつぶれてコンデンサ素子5の陽極部
6と陰極部7の境界付近が変形し、その部分の酸化皮膜
が破壊して漏れ電流特性が劣化するという問題点があっ
た。
【0008】本発明の目的は、モールド樹脂外装時の漏
れ電流特性の劣化を防止した積層型固体電解コンデンサ
とその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る積層型固体電解コンデンサは、コンデ
ンサ素子と、補強樹脂と、モールド樹脂外装とを有する
積層型固体電解コンデンサであって、コンデンサ素子
は、誘電体酸化皮膜の形成された表面が絶縁体層により
陽極部と陰極部とに区分され、陰極部には、固体電解質
層及び導電体層が積層形成されたものであり、該コンデ
ンサ素子は、陰極部に塗布された導電性接着剤を介して
相互に上下に複数積層され、補強樹脂は、積層されたコ
ンデンサ素子の陽極部相互間に生じる隙間内に充填され
たものであり、モールド樹脂外装は、積層されたコンデ
ンサ素子の周囲を被覆し、気密封止するものである。
【0010】また、本発明に係る積層型固体電解コンデ
ンサの製造方法は、コンデンサ素子積層工程と、補強樹
脂注入工程と、モールド工程とを有する積層型固体電解
コンデンサの製造方法であって、コンデンサ素子は、誘
電体酸化皮膜の形成された表面が絶縁体層により陽極部
と陰極部とに区分され陰極部には、固体電解質層及び導
電体層が積層形成されたものであり、コンデンサ素子積
層工程は、コンデンサ素子の陰極部に導電性接着剤を塗
布し、該接着剤で相互の陰極部間を接合して、複数のコ
ンデンサ素子を上下に複数積層するものであり、補強樹
脂注入工程は、積層されたコンデンサ素子の陽極部相互
間に生じる隙間内に補強樹脂を注入充填するものであ
り、モールド工程は、積層されたコンデンサ素子の周囲
をモールド樹脂で被覆し、気密封止するものである。
【0011】また、本発明に係る積層型固体電解コンデ
ンサは、コンデンサ素子と、補強樹脂と、モールド樹脂
外装とを有する積層型固体電解コンデンサであって、コ
ンデンサ素子は、誘電体酸化皮膜の形成された表面が絶
縁体層により陽極部と陰極部とに区分され、陰極部に
は、固体電解質層及び導電体層が積層形成されたもので
あり、該コンデンサ素子は、陰極部に塗布された導電性
接着剤を介して相互に上下に複数積層され、補強樹脂
は、積層されたコンデンサ素子の陽極部相互間に生じる
隙間内に充填されるとともに、積層されたコンデンサ素
子の周囲を被覆するものであり、モールド樹脂外装は、
積層されたコンデンサ素子の周囲に付着した補強樹脂の
表面を被覆し、気密封止するものである。
【0012】また、本発明に係る積層型固体電解コンデ
ンサの製造方法は、コンデンサ素子積層工程と、補強樹
脂注入工程と、モールド工程とを有する積層型固体電解
コンデンサの製造方法であって、コンデンサ素子は、誘
電体酸化皮膜の形成された表面が絶縁体層により陽極部
と陰極部とに区分され、陰極部には、固体電解質層及び
導電体層が積層形成されたものであり、コンデンサ素子
積層工程は、コンデンサ素子の陰極部に導電性接着剤を
塗布し、該接着剤で相互の陰極部間を接合して、複数の
コンデンサ素子を上下に複数積層するものであり、補強
樹脂注入工程は、積層されたコンデンサ素子の陽極部相
互間に生じる隙間内に補強樹脂を注入充填し、かつ積層
されたコンデンサ素子の周囲を補強樹脂で被覆するもの
であり、モールド工程は、積層されたコンデンサ素子の
周囲に付着した補強樹脂の表面をモールド樹脂で被覆
し、気密封止するものである。
【0013】
【作用】積層されたコンデンサ素子の陽極部相互間に生
じる隙間内に補強樹脂が注入充填されるため、モールド
成型時にコンデンサ素子の陽極部と陰極部との境界に変
形が生じることはなく、コンデンサ素子の酸化皮膜が破
壊して漏れ電流特性が劣化するという問題を回避するこ
とが可能となる。
【0014】
【実施例】次に本発明について図面を参照して説明す
る。
【0015】(実施例1)図1は、本発明の実施例1を
示す図である。
【0016】図1(A),(B)に示すように、まず、
個々のコンデンサ素子を製造する。コンデンサ素子を製
造するには、長さ4mm,幅3mm,厚さ150μmの
アルミニウムからなる金属箔1の表面をエッチングして
誘電体酸化皮膜を形成し、金属箔1の所定位置に樹脂剤
を塗布して絶縁体層2を形成して、金属箔1の表面を陽
極部6と陰極部7とに区分する。
【0017】その後、陰極部7には、周知の方法によ
り、導電性高分子あるいは無機半導体、例えばポリピロ
ールからなる固体電解質層3と、グラファイト及び銀ペ
ーストからなる導電体層4とを順次積層形成して、コン
デンサ素子5を形成する。
【0018】次に図1(C)に示すように、個々のコン
デンサ素子5の陽極部6に金属板9あるいは突起付金属
板10を抵抗溶接した後、個々のコンデンサ素子5の陰
極部7に導電性接着剤8を塗布して所定個数(図では3
枚)を積層し、150℃の恒温槽で加圧しながら硬化し
て陰極部7を一体化する。
【0019】一方、陰極部6は、突起付金属板10の突
起のある側からレーザをあて積層方向に掃引して、金属
板9,突起付金属板10と金属箔1とを溶融して、一体
化する。
【0020】次に積層によって生じた陽極部6間の空間
に補強樹脂13を充填する。補強樹脂13には、熱硬化
性のエポキシ樹脂を用い、側面から液状のエポキシ樹脂
の入ったシリンジをあてて陽極部間に注入する方法、あ
るいは液状のエポキシ樹脂を側面から滴下する方法を用
いて陽極部6間に補強樹脂13を充填し、150℃の恒
温槽内で硬化させる。
【0021】その後、リードフレーム11と陽極部6
は、突起付金属板10の突起部との抵抗溶接によって接
続し、リードフレーム11と陰極部7は、導電性接着剤
8によって接続した後、モールド樹脂外装12を施して
気密封止し、チップ形状の積層型固体電解コンデンサを
完成する。
【0022】(実施例2)図2は、本発明の実施例2を
示す断面図である。本実施例では、個々のコンデンサ素
子5,5,…を積層して一体化するまでは実施例1と同
一の製造過程を経て行う。
【0023】次に本実施例では、補強樹脂を充填する前
に、コンデンサ素子5の金属板10をリードフレーム1
1に接合するとともにコンデンサ素子5の導電体層4を
リードフレーム11に導電性接着剤8を介して接合す
る。
【0024】次にリードフレーム11の露出した両面に
粘着テープを貼り、液状のエポキシ樹脂の入った容器中
にリードフレームごと浸漬して陽極部6間に補強樹脂1
3を充填するとともに、コンデンサ素子表面全体にも補
強樹脂13を塗布する。
【0025】その後、容器から引き上げてリードフレー
ム11に貼った粘着テープをはがし、150℃の恒温槽
内で補強樹脂13を硬化させる。
【0026】次に補強樹脂13の表面にモールド樹脂外
装12を施して気密封止し、チップ形状の積層型固体電
解コンデンサを完成する。
【0027】実施例2では、リードフレーム単位で補強
樹脂を充填できるので、実施例1の個々の素子に補強樹
脂を充填するのに比べて生産性を向上できるという利点
がある。
【0028】表1は本発明の実施例1,実施例2,及び
従来例2のモールド樹脂外装後の漏れ電流特性の不良率
を示したものである。表1から明らかなように、実施例
1,実施例2の何れも、モールド樹脂外装後の漏れ電流
特性の不良率は減少しており、これにより歩留りを向上
できる。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、積層によ
ってコンデンサ素子の陽極部間に生じる空間に補強樹脂
を充填することにより、モールド樹脂外装を施しても漏
れ電流特性の劣化を防止できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、本発明の実施例1に係るコンデンサ
素子を示す断面図、(B)はコンデンサ素子の傾斜図、
(C)は本発明の実施例1に係る積層型固体電解コンデ
ンサを示す断面図である。
【図2】本発明の実施例2に係る積層型固体電解コンデ
ンサを示す断面図である。
【図3】従来例1を示す断面図である。
【図4】従来例2を示す断面図である。
【符号の説明】
1 金属箔 2 絶縁体層 3 固体電解質層 4 導電体層 5 コンデンサ素子 6 陽極部 7 陰極部 8 導電性接着剤 9 金属板 10 突起付金属板 11 リードフレーム 12 モールド樹脂外装 13 補強樹脂

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンデンサ素子と、補強樹脂と、モール
    ド樹脂外装とを有する積層型固体電解コンデンサであっ
    て、 コンデンサ素子は、誘電体酸化皮膜の形成された表面が
    絶縁体層により陽極部と陰極部とに区分され、陰極部に
    は、固体電解質層及び導電体層が積層形成されたもので
    あり、 該コンデンサ素子は、陰極部に塗布された導電性接着剤
    を介して相互に上下に複数積層され、 補強樹脂は、積層されたコンデンサ素子の陽極部相互間
    に生じる隙間内に充填されたものであり、 モールド樹脂外装は、積層されたコンデンサ素子の周囲
    を被覆し、気密封止するものであることを特徴とする積
    層型固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 コンデンサ素子積層工程と、補強樹脂注
    入工程と、モールド工程とを有する積層型固体電解コン
    デンサの製造方法であって、 コンデンサ素子は、誘電体酸化皮膜の形成された表面が
    絶縁体層により陽極部と陰極部とに区分され陰極部に
    は、固体電解質層及び導電体層が積層形成されたもので
    あり、 コンデンサ素子積層工程は、コンデンサ素子の陰極部に
    導電性接着剤を塗布し、該接着剤で相互の陰極部間を接
    合して、複数のコンデンサ素子を上下に複数積層するも
    のであり、 補強樹脂注入工程は、積層されたコンデンサ素子の陽極
    部相互間に生じる隙間内に補強樹脂を注入充填するもの
    であり、 モールド工程は、積層されたコンデンサ素子の周囲をモ
    ールド樹脂で被覆し、気密封止するものであることを特
    徴とする積層型固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 コンデンサ素子と、補強樹脂と、モール
    ド樹脂外装とを有する積層型固体電解コンデンサであっ
    て、 コンデンサ素子は、誘電体酸化皮膜の形成された表面が
    絶縁体層により陽極部と陰極部とに区分され、陰極部に
    は、固体電解質層及び導電体層が積層形成されたもので
    あり、 該コンデンサ素子は、陰極部に塗布された導電性接着剤
    を介して相互に上下に複数積層され、 補強樹脂は、積層されたコンデンサ素子の陽極部相互間
    に生じる隙間内に充填されるとともに、積層されたコン
    デンサ素子の周囲を被覆するものであり、 モールド樹脂外装は、積層されたコンデンサ素子の周囲
    に付着した補強樹脂の表面を被覆し、気密封止するもの
    であることを特徴とする積層型固体電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 コンデンサ素子積層工程と、補強樹脂注
    入工程と、モールド工程とを有する積層型固体電解コン
    デンサの製造方法であって、 コンデンサ素子は、誘電体酸化皮膜の形成された表面が
    絶縁体層により陽極部と陰極部とに区分され、陰極部に
    は、固体電解質層及び導電体層が積層形成されたもので
    あり、 コンデンサ素子積層工程は、コンデンサ素子の陰極部に
    導電性接着剤を塗布し、該接着剤で相互の陰極部間を接
    合して、複数のコンデンサ素子を上下に複数積層するも
    のであり、 補強樹脂注入工程は、積層されたコンデンサ素子の陽極
    部相互間に生じる隙間内に補強樹脂を注入充填し、かつ
    積層されたコンデンサ素子の周囲を補強樹脂で被覆する
    ものであり、 モールド工程は、積層されたコンデンサ素子の周囲に付
    着した補強樹脂の表面をモールド樹脂で被覆し、気密封
    止するものであることを特徴とする積層型固体電解コン
    デンサの製造方法。
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