JPH0616792A - ε−カプロラクトンとグリコリドの共重合体の製造方法 - Google Patents

ε−カプロラクトンとグリコリドの共重合体の製造方法

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JPH0616792A
JPH0616792A JP17087292A JP17087292A JPH0616792A JP H0616792 A JPH0616792 A JP H0616792A JP 17087292 A JP17087292 A JP 17087292A JP 17087292 A JP17087292 A JP 17087292A JP H0616792 A JPH0616792 A JP H0616792A
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Japan
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copolymer
caprolactone
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glycoside
glycolide
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JP17087292A
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Mitsuo Miura
光雄 三浦
Takayasu Fujimori
嵩泰 藤森
Sadanori Isahaya
禎則 伊佐早
Takashi Onozawa
隆 小野澤
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、流動性、射出成形性などの性質に優
れたε−カプロラクトンとグリコリドとの共重合体の製
造方法。 【構成】 表面更新性に優れた高粘度溶液攪拌機を備え
た重合反応機でε−カプロラクトンの低分子オリゴマー
を250℃以下の温度で生成させ、次いでこれにグリコ
リドを添加して100℃以上の温度で共重合体とする。
これに酸無水物又は酸ハロゲン化物を添加して重合反応
を停止させた後未反応物を減圧下に除去して目的の共重
合体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルムおよび成形体
として熱安定性に優れるε−カプロラクトン(以後単に
カプロラクトンと略称することがある。)とグリコリド
との共重合体の新規な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】環状エステルの単独重合体、あるいは共
重合体は生体適合材料として、合成外科用品の製造に利
用されている。環状エステルとしてはラクチド、グリコ
リド、カプロラクトンなどが広く用いられる。ε−カプ
ロラクトンとグリコリドとの共重合体は、たとえば、米
国特許第3867190号:4700704号:460
5730号:4994074号に開示するような合成吸
収性縫合糸の製造において公知である。グリコリド単独
重合体では強靭なファイバーが得られるものの柔軟性に
乏しく、さらに柔軟性の高い材料としてε−カプロラク
トンとの共重合体が開発されてきた。上記環状エステル
の重合体を生成せしめるための通常の重合方法は開環重
合によるものであり、開環重合は溶液重合でも塊状重合
でもよいが、塊状重合が好ましく用いられる。金属塩、
金属酸化物が公知の重合触媒であり、生体適合材料の製
造にはスズ系の触媒、特にオクタン酸スズが通常用いら
れる。
【0003】また特開平3ー269013号公報には縫
合糸を最終製品として、カプロラクトン量を20〜30
%となるように含み、触媒としてオクタン酸スズを用い
てなるフィラメントに加熱成形できる結晶性共重合体の
製造方法が開示されている。それによると、反応は通常
の槽型反応器を用い2段階で行われ、第一段でカプロラ
クトンとグリコリドの共重合オリゴマーを生成させるこ
とが必要条件であり、つづいてカプロラクトンとグリコ
リドを添加して所望のブロック共重合体を得ている。こ
のようにして得られた共重合体は、末端処理をしていな
いために熱安定性に欠陥があり、成形温度において解重
合したり、重合後に加熱処理するとエステル交換が進行
して融点が変動してしまうばかりでなく、未反応のカプ
ロラクトンのポリマーからの除去に際しては、得られた
ポリマーを冷却した後粉砕し低温で長時間(例えば11
0℃、16時間)の減圧処理工程が必要となっている。
また使用している反応器は高粘度溶融樹脂の撹拌効果に
乏しいため、もともと高収率に均一な重合を完結させる
上には欠陥があるものであり、同時に溶融状態で未反応
モノマーを撹拌下に除去する工程には不向きであるもの
と言える。
【0004】このように、ε−カプロラクトンとグリコ
リドとの共重合体は、合成外科用品ことに縫合糸として
開発されているが、従来技術では不充分な重合反応器で
構成モノマーを2段階でそれぞれに特異的な組成で供給
することが必要であり、また熱安定性が不充分なため未
反応モノマーの除去方法が複雑であるなど工業的な製造
に適した方法とは言えない。これらの先行技術は外科用
手術材料への小量生産で狭い範囲の利用が目的であり、
包装材料や成形体などへの一般的な利用が意図されてお
らず、広い利用に適した耐熱性、熱安定性、流動性、射
出成形性などの性能改良と、操作性に優れた共重合体の
製造方法の開発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、包装
材料や成形体などに利用できる、耐熱性、熱安定性、流
動性、射出成形性などの性質に優れるε−カプロラクト
ンとグリコリドとの共重合体の新規な製造方法を提供す
ることにある。従来の技術では、重合反応機は高収率に
重合を完結させる上で不充分であり、また、重合反応は
構成モノマーを2段階でそれぞれに特異的な組成で供給
することが必要とされ、また未反応モノマーの除去は樹
脂の冷却粉砕後に長時間を必要とするなど、製造工程が
煩雑であり工業的な製造に適した方法とは言えない。本
発明は、このような問題点を解決しようとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは熱
安定性に優れる成形可能な、ε−カプロラクトンとグリ
コリドの共重合体を高収率で製造する方法について鋭意
検討した結果、すくなくとも原料供給口、重合体取り出
し口および高真空下に蒸気を排出できる排気口を持ち、
かつ表面更新性に優れる高粘度溶液撹拌機を備えてなる
重合反応機を用いて重合せしめ、得られた共重合体に酸
無水物または酸塩化物を作用させることにより熱安定性
に優れるε−カプロラクトンとグリコリドの共重合体を
高収率で製造することが出来ることを見いだし、本発明
を完成させた。すなわち、本発明は、ε−カプロラクト
ンとグリコリドを金属塩または金属酸化物触媒の存在下
に重合させて、ε−カプロラクトンとグリコリドの共重
合体を製造するにあたり原料供給口、共重合体の取り出
し口、高真空下に蒸気を排出できる排気口および表面更
新性に優れる高粘度溶液撹拌機を備えた重合反応機を使
用し、最初にε−カプロラクトンの低分子オリゴマー
(インヘレント粘度が0.1〜1.5dl/g)を25
0℃以下の温度で生成せしめ、次いでこの低分子オリゴ
マーにグリコリドを添加して100℃以上の温度で、共
重合体への高転化率を与えるに十分な時間重合せしめ、
得られた共重合体に溶融状態で一般式(1)または
(2)、
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1およびR2は、炭素数が1〜
6の低級アルキル基またはハロゲン化アルキル基を示
す。またR3は炭素数が2〜20のアルキル基またはハ
ロゲン化アルキル基をXは塩素、臭素または沃素原子を
示す。)で表される酸無水物または酸ハロゲン化物を添
加して重合反応を停止させ、ついで、未反応モノマーを
減圧下に撹拌除去することを特徴とするε−カプロラク
トンとグリコリドとの共重合体の製造方法である。
【0009】本発明に使用される重合機は高粘性流体中
で充分な転化率の共重合体を得るために必要な撹拌効果
が得られ、また、該共重合体に添加物を均一に混合し、
あるいは反応させることを考慮し、さらに特にポリマー
の溶融状態で未反応モノマー類を減圧下に除去するに充
分な表面更新性に優れる高粘度用撹拌機を備えたもので
あることが必要である。すなわち、該共重合体の製造に
際しては、塊状重合に好適な高粘度用重合機の使用が好
ましい。
【0010】このような重合形式としては、低粘度用の
撹拌機を備えた重合反応器であらかじめ低分子量体を生
成せしめる前段重合と、つづいて高粘性の高分子量体を
混合するに充分な撹拌効果を示す撹拌機を備えた重合反
応機による後段重合によって構成してもよいが、あるい
は、高粘性の高分子量体を混合するに充分な撹拌効果を
示す撹拌機を備えた重合反応機だけであってもよい。反
応装置の形態としては、縦型あるいは横型でもよくある
いは塔型でもよい。また、連続的に重合体を押しだしな
がら、重合を完結させ未反応モノマーを除去する構造の
ものでもよい。また、場合によっては、さらに、押出機
を接続して生成樹脂をペレット化することも可能であ
る。
【0011】このような目的に好適な重合反応機として
は、たとえばヘリカルリボン型の撹拌翼を備えた高粘度
用重合機、あるいは、ニーダータイプの混合機、さらに
は、二軸押出機等が例示される。これらの重合反応機を
用いて反応を行うに際しては、少なくとも反応原料等の
供給口および真空装置に結合した蒸気排出口さらに重合
物の取り出し口を備えることが好ましい。
【0012】本発明の重合反応は溶融状態で行われる
が、共重合体の融点と共重合体の分解反応および着色な
どを考慮して100〜250℃、好ましくは100〜2
00℃で行われる。すなわち本発明の重合反応はε−カ
プロラクトンの低分子オリゴマーを250℃以下の温度
で生成させ、次いで該低分子オリゴマーにグリコリドを
添加して100℃以上の温度で少なくとも90%の共重
合体への転化率を与えるために十分な時間にわたり行わ
れる。該低分子オリゴマーの重合度はインヘレント粘度
で0.1〜1.5dl/gの範囲に調整されるが、0.
1〜1.0dl/gの範囲が好ましい。インヘレント粘
度0.1dl/g以下では最終的にランダムな共重合体
となり、1.5dl/g以上では各モノマーの単独重合
体の割合が多くなり得られた重合体はブレンド物の性質
を示すので好ましくない。
【0013】本発明で使用される重合触媒は、公知重合
触媒である金属塩、金属酸化物を通常0.004〜0.
02重量%用いるが、例えば、塩化スズ、酢酸スズ、ジ
ブチルスズオキシド、オクタン酸スズ等が例示される。
また、重合開始剤は環状エステルの開環反応を開始する
官能基をもつ公知開始剤から選ばれ、ヘキサンジオー
ル、ラウリルアルコール、グリコール酸などが例示され
る。
【0014】本発明で使用される重合停止剤である酸無
水物または酸ハロゲン化物は、重合体の水酸基末端を不
活性なアルキル基末端として末端を封止して反応を停止
するものであり、一般式(1)または(2)においてR
1,R2は炭素数1から4のアルキル基あるいはハロゲ
ン化アルキル基であり、たとえば、無水酢酸、無水プロ
ピオン酸、クロトン酸無水物、トリフルオロ酢酸無水
物、ペンタフルオロプロピオン酸無水物、塩化プロピオ
ニル、塩化イソペンタノイル、塩化ヘキサノイル、塩化
オクタノイル、塩化ステアロイルなどが例示されるが、
無水酢酸が好ましく用いられる。
【0015】重合停止剤の混合は160〜200℃で行
われる。また、停止剤の添加に際しては、停止剤を反応
に不活性な有機溶媒で希釈してもよい。停止剤の添加量
は共重合体の末端を封止するために十分な量であればよ
く、少なくとも重合反応の開始剤の当倍モル以上を添加
することが好ましいが特に上限はない。
【0016】本発明の共重合体からの未反応モノマーと
上記末端停止反応の際の反応生成物および過剰の停止剤
の除去は、撹拌下に100mmHg以下、好ましくは1
0mmHg以下の真空度で110℃〜200℃、好まし
くは160〜200℃の操作温度で行われる。
【0017】本発明の共重合体を重合反応機から取り出
すには、溶融状態で重合体を押しだして排出してもよい
が、未反応モノマーを除去しながら連続的に重合体を押
しだし排出させることも可能である。また、場合によっ
ては、未反応モノマーを除去したのち連続的に冷却して
粉砕加工することもできる。
【0018】
【本発明の作用および効果】本発明は、熱安定性に優れ
る成形可能な、ε−カプロラクトンとグリコリドとの共
重合体を高収率で製造する方法を提供するものである
が、これらの優れた効果の顕現は、表面更新性に優れる
高粘度用反応機を用いε−カプロラクトンとグリコリド
を順次供給して重合せしめ、得られた共重合体に酸無水
物または酸塩化物を作用させることによりポリマー末端
を封止したことによるものと考えられる。
【0019】
【実施例】次に実施例および比較例により本発明をさら
に詳細に説明するが共重合体の粘度は、ヘキサフルオロ
イソプロパノールを溶媒として0.1g/dlの濃度に
おいて、30℃でウベローデ粘度計を用いて測定した。
また、共重合体の融点は、セイコー電子(株)製DSC
−200を用いて測定した。
【0020】実施例1 蒸気排出口と原料供給口を備えた容量100mlのステ
ンレス製卓上ニーダー(入江商会製PBV−0.1型)
に120℃で水分量15ppmのε−カプロラクトン
23.2g(0.203モル)とオクタン酸スズ0.0
097g(0.024ミリモル)およびヘキサンジオー
ル0.02gを仕込み、乾燥窒素で3回置換した。毎分
90回転の速度で撹拌しながら、15分かけて200℃
に昇温し2分間保持した。反応物の僅かな試料0.5g
を窒素雰囲気下に取り出した。試料は0.2dl/gの
インヘレント粘度を有していた。ついで、グリコリド3
4.8g(0.30モル)を添加し、200℃で撹拌下
に3時間反応を行った。同様に反応物の試料0.5gを
窒素雰囲気下に取り出した。試料は1.25dl/gの
インヘレント粘度を有し、DSCによる融点測定で17
5℃の融点を有していた。ついで、1.14gの無水酢
酸を添加し、200℃で1時間撹拌した。
【0021】つづいて、撹拌しながら反応器内を減圧に
し、最終的に2mmHgとして未反応モノマーを1時間
で留出させた。溶融重合混合物から1.2gのε−カプ
ロラクトンと、若干量の酢酸と無水酢酸が留出した。反
応率は98%であり、生成共重合体のε−カプロラクト
ンとグリコリドの組成比は39:61である。重合生成
物は172℃の融点を有し、1.2dl/gのインヘレ
ント粘度を有していた。得られた重合体の1gを215
℃で20分間加熱処理後に固有粘度を測定すると、1.
09dl/gのインヘレント粘度であった。また、重合
体を熱プレスによりシート状に成形し、力学強度を測定
したところ、26MPaの引張強度を有し、伸び率は8
0%以上であり0.35GPaの弾性率を有していた。
【0022】比較例1 乾燥した多頚ガラス反応器に、120℃で水分量15p
pmのε−カプロラクトン 23.2g(0.203モ
ル)とオクタン酸スズ0.0097g(0.024ミリ
モル)およびヘキサンジオール0.02gを仕込み、乾
燥窒素で3回置換した。錨型撹拌翼を用い毎分60回転
の速度で撹拌しながら、15分かけて200℃に昇温し
2分間保持した。反応物の僅かな試料0.5gを窒素雰
囲気下に取り出した。試料は0.2dl/gのインヘレ
ント粘度を有していた。ついで、グリコリド34.8g
(0.30モル)を添加し、200℃で撹拌下に3時間
反応を行った。反応混合物の粘度が高まるにつれて、均
一な撹拌効果が得られず撹拌器に樹脂が固着した。反応
後、反応物の試料0.5gを窒素雰囲気下に取り出し
た。試料はDSCによる融点測定で205℃、165℃
の融点を有しており不均一な重合体であった。
【0023】比較例2 実施例1と同様の反応を行いグリコリド添加後3時間の
重合で、1.2dl/gのインヘレント粘度を有し、D
SCによる融点測定で177℃の融点を有する共重合体
を調整した。ついで、無水酢酸を添加せず、200℃で
撹拌しながら1時間反応を続けた後、反応物の僅かな試
料0.5gを窒素雰囲気下に取り出した。試料は融点1
60℃を有し、0.98dl/gのインヘレント粘度を
有していた。反応終了後、重合体を反応器より取り出し
細かく粉砕した後に、110℃で16時間減圧下で未反
応モノマーを除去することにより多少の未反応重合モノ
マーを留出させた。重合物から1.1gのε−カプロラ
クトンが留出した。重合生成物は157℃の融点を有
し、0.85dl/gのインヘレント粘度を有してい
た。得られた重合体の1gを215℃で20分間加熱処
理後に固有粘度を測定すると、0.58dl/gのイン
ヘレント粘度であった。また、重合体を熱プレスにより
シート状に成形したところ、発泡がみられる脆いシート
しか得られなかった。
【0024】実施例2 蒸気排出口と原料供給口を備えた容量100mlのステ
ンレス製卓上ニーダー(入江商会製PBV−0.1型)
に120℃で水分量15ppmのε−カプロラクトン
23.2g(0.203モル)とオクタン酸スズ0.0
097g(0.024ミリモル)およびヘキサンジオー
ル0.02gを仕込み、乾燥窒素で3回置換した。毎分
60回転の速度で撹拌しながら、15分かけて200℃
に昇温し15分間保持した。反応物の僅かな試料0.5
gを窒素雰囲気下に取り出した。試料は1.5dl/g
のインヘレント粘度を有していた。ついで、グリコリド
34.8g(0.30モル)を添加し、200℃で撹拌
下に3時間反応を行った。実施例1と同様に反応物の試
料0.5gを窒素雰囲気下に取り出した。試料はDSC
による融点測定で61℃と220℃のシャープな融点を
有しており、ポリカプロラクトンとポリグリコリドの混
合体となっていた。
【0025】実施例3 触媒としてオクタン酸第一スズにかえてジブチルスズオ
キシドを用いた他は、実施例1と同様の操作により共重
合体を調整した。重合生成物は170℃の融点を有し、
1.2dl/gのインヘレント粘度を有していた。得ら
れた重合体の1gを215℃で20分間加熱処理後に固
有粘度を測定すると、1.11dl/gのインヘレント
粘度であった。また、重合体を熱プレスによりシート状
に成形し、力学強度を測定したところ、25MPaの引
張強度を有し、伸び率は90%以上であり0.33GP
aの弾性率を有していた。
【0026】実施例4 反応温度および操作温度を180℃とした他は、実施例
1と同様の操作により共重合体を調整した。重合生成物
は175℃の融点を有し、1.1dl/gのインヘレン
ト粘度を有していた。得られた重合体の1gを215℃
で20分間加熱処理後に固有粘度を測定すると、1.0
1dl/gのインヘレント粘度であった。また、重合体
を熱プレスによりシート状に成形し、力学強度を測定し
たところ、26MPaの引張強度を有し、伸び率は90
%以上であり0.34GPaの弾性率を有していた。
【0027】実施例5 無水酢酸の添加量を0.3gとしキシレン2mlで希釈
した他は、実施例1と同様の操作により共重合体を調整
した。重合生成物は177℃の融点を有し、1.2dl
/gのインヘレント粘度を有していた。得られた重合体
の1gを215℃で20分間加熱処理後に固有粘度を測
定すると、1.11dl/gのインヘレント粘度であっ
た。また、重合体を熱プレスによりシート状に成形し、
力学強度を測定したところ、25MPaの引張強度を有
し、伸び率は90%以上であり0.36GPaの弾性率
を有していた。
【0028】実施例6 無水酢酸にかえて無水プロピオン酸を1.3g添加した
他は、実施例1と同様の操作により共重合体を調製し
た。重合生成物は170℃の融点を有し、1.2dl/
gのインヘレント粘度を有していた。得られた共重合体
の1gを215℃で20分間加熱処理後に固有粘度を測
定すると1.15dl/gのインヘレント粘度であっ
た。また、共重合体を熱プレスによりシート状に成形
し、力学強度を測定したところ、25MPaの引張強度
を有し、伸び率は150%以上であり0.36GPaの
弾性率を有していた。
【0029】実施例7 無水酢酸にかえてヘキサノイルクロライドを1.0g添
加した他は、実施例5と同様の操作により共重合体を調
製した。共重合生成物は175℃の融点を有し、1.2
dl/gのインヘレント粘度を有していた。得られた共
重合体の1gを215℃で20分間加熱処理後に固有粘
度を測定すると、1.13dl/gのインヘレント粘度
であり熱的に安定であった。
【0030】実施例8 ε−カプロラクトンの重合条件を170℃、10分間と
してε−カプロラクトンオリゴマーの粘度を0.18d
l/gに調整した他は、実施例1と同様の操作により共
重合体を調製した。共重合生成物は169℃の融点を有
し、1.15dl/gのインヘレント粘度を有してい
た。得られた共重合体の1gを215℃で20分間加熱
処理後に固有粘度を測定すると、1.12dl/gのイ
ンヘレント粘度であり熱的に安定であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野澤 隆 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ε−カプロラクトンとグリコリドを金属
    塩または金属酸化物触媒の存在下に重合させて、ε−カ
    プロラクトンとグリコリドの共重合体を製造するにあた
    り原料供給口、共重合体の取り出し口、高真空下に蒸気
    を排出できる排気口および表面更新性に優れる高粘度溶
    液撹拌機を備えた重合反応機を使用し、最初にε−カプ
    ロラクトンの低分子オリゴマー(インヘレント粘度が
    0.1〜1.5dl/g)を250℃以下の温度で生成
    せしめ、次いでこの低分子オリゴマーにグリコリドを添
    加して100℃以上の温度で、共重合体への高転化率を
    与えるに十分な時間重合せしめ、得られた共重合体に溶
    融状態で、一般式(1)または(2)、 【化1】 (式中、R1およびR2は、炭素数が1〜6の低級アル
    キル基またはハロゲン化アルキル基を示す。またR3は
    炭素数が2〜20のアルキル基またはハロゲン化アルキ
    ル基をXは塩素、臭素または沃素原子を示す。)で表さ
    れる酸無水物または酸ハロゲン化物を添加して重合反応
    を停止させ、次いで未反応モノマーを減圧下に撹拌除去
    することを特徴とする共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表される酸無水物が無水
    酢酸である請求項1記載の共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 触媒がオクタン酸第一スズである請求項
    1記載の共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 未反応モノマーの除去を200℃以下の
    温度で除去できる減圧度で行う請求項1記載の共重合体
    の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH06228289A (ja) * 1993-02-04 1994-08-16 Toyobo Co Ltd 脂肪族ポリエステルの製造方法
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