JPH06167023A - 振動式杭打機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動式杭打機に杭をチャッキングする際に、
杭の吊り上げ量を少なくして、上方にある障害物がある
場合でも、容易に杭のチャッキング作業が出来るように
することにある。 【構成】 振動式杭打機を構成する回転装置の回転装置
本体と回転体の一部を開閉自在とすると共に、回転装置
本体の下方に設けられるハンガーに吊持される起振機に
一方が開口する開口部を設け、さらに起振機に杭つかみ
装置を備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、振動杭打機、詳しく
は土木建築現場などにおいて杭を土中に打ち込んだりす
るための油圧又は機械の振動式杭打機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、杭の地中への打ち込みは、パワー
ショベルなどの掘削機のアームの先端に取付られる振動
機に、そのチャックで杭の上端を挾持して吊持しなが
ら、該杭に振動を与えて杭を打っていた。したがって、
杭の打ち込み可能な長さが、パワーショベルのブーム及
びアームの伸長可能範囲内の長さのものに限られてしま
って、長尺の杭が打てない欠点を有していた。このた
め、当出願人は、前述の欠点を解決するため、打つべき
杭を縦方向から杭打機に通し、その杭の適宜な中間位置
で挾持してチャッキングすることで杭の長さに制限され
ない油圧振動式杭打機を提案した（特願昭６１−１９４
１９１号）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この提
案した油圧振動式杭打機にあって、縦方向から杭を挿入
するようにしたが、この油圧振動式杭打機は、パワーシ
ョベル等に取付られているので、杭のチャッキング時そ
の位置までクレーンで運び且つ下端が振動式杭打機の上
方まで吊り上げ、そして下端から振動式杭打機の回転装
置側から挿入しなければならなかった。これでは駅舎な
どの杭打ち工事にあって、屋根がある場合などクレーン
による持ち上げ作業時に、該屋根に当り、杭の吊り上げ
できずに、振動式杭打機に杭を装着（チャッキング）出
来ない欠点を有していた。

【０００４】そこで、この発明では、振動式杭打機に杭
をチャッキングする際に、杭の吊り上げ量を少なくして
上方にある障害物がある場合でも、容易に杭のチャッキ
ング作業が出来るようにした振動式杭打機を提供しよう
とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明に係る振動式杭
打機は、吊持杆が回転自在に設けられる回転装置と、こ
の回転装置の下方にハンガーを介して吊持され、振動を
起こす起振機と、この起振機の下方に固着され、杭をチ
ャッキングする杭つかみ装置を具備する振動式杭打機に
おいて、前記回転装置は、中央が空間となっている回転
装置本体に回転自在に回転体が設けられ、この回転体及
び回転装置本体の一部を開閉自在とすると共に、前記ハ
ンガー及び起振機に一方が開口する開口部を設けたこと
にある。また回転体又は回転装置本体のどちらか一方に
回転源を固定し、この回転源により回転されるピニオン
を回転源が取付られていない側の前記回転装置本体又は
回転体に設けられたラックに噛合させるようにしたこと
にある。

【０００６】

【作用】したがって、振動式杭打機へ杭のチャッキング
するには、まず回転体及び回転装置本体の一部を開き、
そして、クレーンに吊持して杭を運び、横方向から内部
に収納し、それから回転体及び回転装置本体を閉じると
共に、杭つかみ装置を動かしてチャッキングする。また
回転源を駆動させることで、杭つかみ装置を回転させ、
杭の方向を任意に変更できる。

【０００７】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図１において、自走式振動杭打装置１の全体が
示され、車輪２は左右に並設して配されている（一方を
図示せず。）。この車輪２は、一般的な公知の構造のも
ので、土木機械に用いられているもので、下記する駆動
装置３からの駆動力により回転される。

【０００８】駆動装置３は、図示しないが内燃機関を持
ち、その駆動力が直接又は図示しないが油圧ポンプを介
して油圧として送り出され、上記車輪２のみならず下記
する機器の動力源となっている。この駆動装置３は、前
記車輪２に対し回転自在（３６０度旋回する）となって
いる。

【０００９】また、この駆動装置３の両側には、第１の
油圧シリンダ４が設けられ、図示しない操作装置によっ
て水平方向にそのピストンロッド５が伸縮される。この
ピストンロッド５，５の先端には、垂直方向へ伸びるガ
イド具６と、これに並列に第２の油圧シリンダ７，７の
ピストンロッド８が連結されている。

【００１０】ガイド具６は、断面Ｃの字状となって、内
部に反駆動装置側が開口の係合溝９が形成されている。
この溝９内には、下記するスライドする係合板１４が摺
動自在に配されている。

【００１１】第２の油圧シリンダ７，７は、ピストンロ
ッド８，８が前述したごとく、第１の油圧シリンダ７，
７のピストンロッド５に軸１１を介して取付られ、ま
た、第２のシリンダ本体１２，１２には、下記する吊持
具１３が固着されている。

【００１２】吊持具１３は、その基端が前述したように
第２の油圧シリンダ７，７のシリンダ本体１２，１２に
固着されていると共に、ガイド具６に係合する係合板１
４が係合しており、第２の油圧シリンダ７，７の駆動に
より、ガイド具６にガイドされながら上下方向へ変移さ
れるものである。また、この吊持具１３の先端に、下記
する振動式杭打機１５が取付られている。

【００１３】振動式杭打機１５は、前記吊持具１３に吊
持されるもので、吊持具１３の先端は二股に分かれ、下
記する回転装置２４に回転自在に取付られている。回転
装置２４は、中央が空洞で円形の回転装置本体２５と、
その回転装置本体２５の外周に形成の溝２６に嵌合する
回転体２７とより成り、この回転体２７が回転しやすい
ように軸受２９が介在され、この回転体２７に、該回転
体２７から外へ突出するブラケット２８に前記したよう
に吊持具１３の先端が取付られている。

【００１４】回転装置２４の回転装置本体２５は、その
中心に中心孔３０が形成され、その中心孔にガイド用の
ガイド板３１が設けられている。これにより杭が上方か
ら挿入するのに便利なものとなっている。また、この回
転装置２４の回転体２７には、該回転体２７に固着の取
付板３２を介して油圧源から導かれる圧油によって回転
される回転源となる油圧モータ３３が取付られ、該油圧
モータ３３のピニオン３４は下記するラック３５に噛合
している。ラック３５は、前記回転装置の回転装置本体
２５の外周に固着され、前記のようにピニオン３４が噛
合しているので、油圧モータ３３が回転すると、回転装
置本体２５が回転される。

【００１５】また、前記回転装置本体２５及び回転体２
７はその一部が切り離され、一方にヒンジを４０，４１
を持つ扉２５ａ，２７ａを備えている。この扉２５ａ
は、その先端に、連結孔４２ａを有し、また前記扉２７
ａは、その先端に連結孔４３ａを有している。この両連
結孔４２ａ及び４３ａに対応する回転装置本体２５及び
回転体２７位置に、連結孔４２ｂ，４３ｂが形成されて
いる。即ち、連結孔４２ａと４２ｂとに通してピン４４
を挿入することで、回転装置本体２５が一体化され、ま
た、連結孔４３ａと４３ｂとに通してピン４５を挿入す
ることで回転体２７が一体化される。なおこのピン４４
及び４５は、連結孔４２ａ，４２ｂ及び４３ａ，４３ｂ
に対し、挿入及び取り出し自在である。

【００１６】ハンガー３７は、前記回転装置２４の下方
に配されたもので、回転装置本体２５に固着され、中心
付近から一方が開口の開口溝４７が形成されると共に、
該ハンガー３７にはゴム等からなるダンパー３８を介し
て下記する起振機３９をその内部に吊持している。

【００１７】起振機３９は、油圧モータにより複数の偏
心重錐を回転させて振動させる公知の構造の起振部５０
をケース５１内に有している。このケース５１の中心付
近から一方が開口する開口溝５２が縦方向に設けられて
いる。この開口溝５２と前記ハンガー３７の開口溝４７
と回転装置の中心孔３０とで一連の杭収納部５３が形成
されている。

【００１８】杭つかみ装置５４は、前記起振機５０のプ
レート５１に固着され、縦方向に適宜な空間を有して対
向のチャッキングプレート５５ａ，５５ｂと、一方のチ
ャッキングプレート５５ｂを動かす第３の油圧シリンダ
５６とより成り、該第３の油圧シリンダ５６を動かすこ
とで、チャッキングプレート５５ａ，５５ｂ間に杭が挾
持される。

【００１９】上述の構成において、まず杭を打つには、
自走式振動杭打装置１を車輪２を駆動させて、所望する
位置を移動させる。そして、回転装置２４の回転装置本
体２５の扉２５ａ及び回転体２７の扉２７ａをピン４４
及び４５を連結孔４２ａ，４２ｂ及び４３ａ，４３ｂか
ら引きぬくことで、ヒンジ４０，４１を介して回転させ
て、該扉２５ａ，２７ａを開くことができる。即ち、杭
収納部５３が片側（横方向）から開口するように露出す
る。この後に、他のクレーンで吊り上げた杭を、振動式
杭打機１５の杭収納部５３内に横方向に移動させながら
入れる。そして更に扉２５ａ，２７ａを閉め、ピン４４
及び４５をそれぞれの連結孔４２ａ，４２ｂ及び４３
ａ，４３ｂ内に入れて一体化させる。その後に、チャッ
キングプレート５５ａ，５５ｂにて杭をチャッキングす
る。そして杭をチャッキングしたままで、自走式振動杭
打装置１を杭打ち現場の所定位置に運び、必要によって
は第１の油圧シリンダ４，４を駆動させ、さらに、必要
によっては、油圧モータ３３を回転させ、杭つかみ装置
５４を回転させる。この回転によって、杭の向きを適宜
修正させることができる。この位置の修正は、異形の杭
を打つときに便利である。そして、打ち込み作業を開始
すべく、起振機３９を稼動させる。これにより杭は打ち
込まれる。

【００２０】なお、回転源たる油圧モータ３３を用いて
起振機３９を回転させる例を示しているが、このような
ものでなく、電動機でも良いものである。また、自走手
段として車輪を設けているが、これに限らずキャタピラ
ーであっても良いものである。さらに、振動杭打機は、
自走式車両に設けられているが、これに限らず、パワー
ショベルなどのブームなどに吊持されるような構造でも
良いものである。

【００２１】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、回転
装置を構成する回転装置本体及び回転体の一部を開ける
ことで、杭を横方向から振動式杭打機内部に装着できる
ため、上方に障害物があってクレーンにより吊り上げ不
可能な領域にあっても使用可能であり、杭打作業の作業
性を高めることができる。

【００２２】さらに、振動式杭打機を杭をつかみながら
油圧モータたる回転源を用いて回転させることで、杭の
方向に任意の方向に回転させることができ、方向性の調
整ができる利点を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例の斜視図である。

【図２】同上の振動式杭打機の拡大断面図である。

【図３】同上の振動式杭打機の平面図である。

【符号の説明】

１ 自走式振動杭打装置 ２ 車輪 ３ 駆動装置 ４ 第１のシリンダ ７ 第２の油圧シリンダ １３ 吊持具 １５ 振動式杭打機 ２４ 回転装置 ２５ａ，２７ａ 扉 ３３ 油圧モータ ３９ 起振機 ４２ａ，４２ｂ 連結孔 ４３ａ，４３ｂ 連結孔 ４４ ピン ４５ ピン ４７ 開口溝 ５２ 開口溝 ５３ 杭収納部 ５４ 杭つかみ装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吊持手段が回転自在に設けられる回転装
   置と、この回転装置の下方にハンガーを介して吊持さ
   れ、振動を起こす起振機と、この起振機の下方に固着さ
   れ、杭をチャッキングする杭つかみ装置を具備する振動
   式杭打機において、 前記回転装置は、中央が空間となっている回転装置本体
   に回転自在に回転体が設けられ、この回転体及び回転装
   置本体の一部を開閉自在とすると共に、前記ハンガー及
   び起振機に一方が開口する開口部を設けていることを特
   徴とする振動式杭打機。
2. 【請求項２】 回転体又は回転装置本体のどちらか一方
   に回転源を固定し、この回転源により回転されるピニオ
   ンを回転源が取付られていない側の前記回転装置本体又
   は回転体に設けられたラックに噛合させるようにした請
   求項１記載の振動式杭打機。