JPH06166809A - 導電性フィルム又はシート - Google Patents
導電性フィルム又はシートInfo
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- JPH06166809A JPH06166809A JP32018292A JP32018292A JPH06166809A JP H06166809 A JPH06166809 A JP H06166809A JP 32018292 A JP32018292 A JP 32018292A JP 32018292 A JP32018292 A JP 32018292A JP H06166809 A JPH06166809 A JP H06166809A
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- Japan
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- sheet
- conductive
- thermoplastic elastomer
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- conductive film
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ポリカーボネート樹脂の優れた耐熱性を保持
しつつ表面平滑性、成形加工性、強度に優れ、かつ安定
した導電性能を有する導電性シート又はフィルムを提供
することを目的とする。 【構成】 (a)熱可塑性芳香族ポリカーボネート樹脂
80〜95重量%、(b)熱可塑性エラストマー 5
〜20重量%よりなる樹脂組成物100重量部に対し
て、(c)n−ジブチルフタレート(DBP)吸油量が
300ml/100g以上の導電性カーボンブラック5
〜20重量部を分散含有することを特徴とする厚みが2
mm以下の導電性フィルム又はシート。
しつつ表面平滑性、成形加工性、強度に優れ、かつ安定
した導電性能を有する導電性シート又はフィルムを提供
することを目的とする。 【構成】 (a)熱可塑性芳香族ポリカーボネート樹脂
80〜95重量%、(b)熱可塑性エラストマー 5
〜20重量%よりなる樹脂組成物100重量部に対し
て、(c)n−ジブチルフタレート(DBP)吸油量が
300ml/100g以上の導電性カーボンブラック5
〜20重量部を分散含有することを特徴とする厚みが2
mm以下の導電性フィルム又はシート。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面平滑性、成形加工
性、導電性能、強度に優れた導電性フィルム又は導電性
シート、特に複写機用転写ロール、徐電ロール、又はI
Cトレー用シートとして好適な導電性フィルム又はシー
トに関する。
性、導電性能、強度に優れた導電性フィルム又は導電性
シート、特に複写機用転写ロール、徐電ロール、又はI
Cトレー用シートとして好適な導電性フィルム又はシー
トに関する。
【0002】
【従来の技術】導電性樹脂組成物はコンピューター、複
写機などの電機、電子機器の部品として広く利用されて
おり、中でも芳香族ポリカーボネート樹脂をベースとし
た組成物は耐熱性、寸法安定性及び機械物性が優れてい
るので大きな期待がかかっている。このような芳香族ポ
リカーボネート樹脂に導電性を付与する方法として、カ
ーボンブラック、カーボン繊維、黒鉛などの導電性物質
を添加することが知られている。しかし、この方法では
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の機械物性が著しく
低下するため、芳香族ポリアルキレンテレフタレート樹
脂(特開平2−196854)、またはスチレンーブタ
ジエン系共重合体(平2−199143)、あるいはA
BSに代表されるゴム含有熱可塑性樹脂(特開平1−2
04962)などを配合して機械物性、特に曲げ物性、
及び衝撃強度の向上を図ろうとする特許が多数出願され
ている。そして、このような芳香族ポリカーボネート樹
脂組成物は、必要とする用途において種々の形状に成形
されているが、厚みが2mm以下といった薄いフィルム状
物、又はシート状物とした時に、表面平滑性、成形加工
性、導電性能及び強度の全てにおいて優れたものは未だ
得られていない。
写機などの電機、電子機器の部品として広く利用されて
おり、中でも芳香族ポリカーボネート樹脂をベースとし
た組成物は耐熱性、寸法安定性及び機械物性が優れてい
るので大きな期待がかかっている。このような芳香族ポ
リカーボネート樹脂に導電性を付与する方法として、カ
ーボンブラック、カーボン繊維、黒鉛などの導電性物質
を添加することが知られている。しかし、この方法では
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の機械物性が著しく
低下するため、芳香族ポリアルキレンテレフタレート樹
脂(特開平2−196854)、またはスチレンーブタ
ジエン系共重合体(平2−199143)、あるいはA
BSに代表されるゴム含有熱可塑性樹脂(特開平1−2
04962)などを配合して機械物性、特に曲げ物性、
及び衝撃強度の向上を図ろうとする特許が多数出願され
ている。そして、このような芳香族ポリカーボネート樹
脂組成物は、必要とする用途において種々の形状に成形
されているが、厚みが2mm以下といった薄いフィルム状
物、又はシート状物とした時に、表面平滑性、成形加工
性、導電性能及び強度の全てにおいて優れたものは未だ
得られていない。
【0003】特に、ポリカーボネート樹脂に導電性付与
を目的としてDBP吸油量が300ml/100g以上
の導電性カーボンブラックを配合して製造された導電性
樹脂組成物をフィルム状、あるいはシート状に成形した
場合、安定した導電性は得られるが、導電性カーボンブ
ラック自体が難分散性であるため未分散の凝集塊によ
り、その成形品の表面状態は目視で確認可能な突起が無
数に有り、表面平滑性に優れた導電性シート、あるいは
導電性フィルムを得ることは困難である。また比較的良
分散性であるDBP吸油量が300ml/100g未満
の導電性カーボンブラックを使用した場合には、得られ
るシート、又はフィルムの表面平滑性は向上するもの
の、安定した導電性を得るにはカーボンブラックを多量
に配合しなければならず、そのため機械強度が著しく低
下するという問題がある。即ち、ポリカーボネート樹脂
に安定した導電性の付与を目的として導電性カーボンブ
ラックを配合してフィルム状、又はシート状に成形する
場合は使用する導電性カーボンブラックのDBP吸油量
により表面平滑性、あるいは樹脂組成物の強度のどちら
かを犠牲にせざるを得なかった。
を目的としてDBP吸油量が300ml/100g以上
の導電性カーボンブラックを配合して製造された導電性
樹脂組成物をフィルム状、あるいはシート状に成形した
場合、安定した導電性は得られるが、導電性カーボンブ
ラック自体が難分散性であるため未分散の凝集塊によ
り、その成形品の表面状態は目視で確認可能な突起が無
数に有り、表面平滑性に優れた導電性シート、あるいは
導電性フィルムを得ることは困難である。また比較的良
分散性であるDBP吸油量が300ml/100g未満
の導電性カーボンブラックを使用した場合には、得られ
るシート、又はフィルムの表面平滑性は向上するもの
の、安定した導電性を得るにはカーボンブラックを多量
に配合しなければならず、そのため機械強度が著しく低
下するという問題がある。即ち、ポリカーボネート樹脂
に安定した導電性の付与を目的として導電性カーボンブ
ラックを配合してフィルム状、又はシート状に成形する
場合は使用する導電性カーボンブラックのDBP吸油量
により表面平滑性、あるいは樹脂組成物の強度のどちら
かを犠牲にせざるを得なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリカーボ
ネート樹脂の優れた耐熱性を保持しつつ表面平滑性、成
形加工性、強度に優れ、かつ安定した導電性能を有する
導電性シート又はフィルムを提供することを目的とす
る。
ネート樹脂の優れた耐熱性を保持しつつ表面平滑性、成
形加工性、強度に優れ、かつ安定した導電性能を有する
導電性シート又はフィルムを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ポリカ
ーボネート樹脂と熱可塑性エラストマーの極めて限定さ
れた比率の組み合わせに着目し、かつ特定の導電性カー
ボンブラックを用いることにより、上記課題を効率的に
解決でき、優れた特性を有する2mm以下の厚さの導電性
シート、又は導電性フィルムを提供できるとの知見に基
づいてなされたのである。すなわち、本発明は、(a)
熱可塑性芳香族ポリカーボネート樹脂 80〜95重量
%、(b)熱可塑性エラストマー 5〜20重量%より
なる樹脂組成物100重量部に対して、(c)n−ジブ
チルフタレート(DBP)吸油量が300ml/100
g以上の導電性カーボンブラック5〜20重量部を分散
含有することを特徴とする厚みが2mm以下の導電性フィ
ルム又はシートを提供する。本発明で使用する芳香族ポ
リカーボネート樹脂は、ビスフェノールAに代表される
ジヒドロキシアリール化合物をホスゲンや炭酸エステル
などと反応させることにより製造されるが、本発明では
適当なものを市場で入手できる。このうち、 300℃,
1.2kg荷重にて測定したときのメルトフローレート(M
FR)が3〜30g/10分、好ましくは6〜20g/
10分の範囲の芳香族ポリカーボネート樹脂がよい。メ
ルトフローレートが30g/10分を越えるとフィルム
強度が低下し、3g/10分未満では加工性、生産性が
低下するからである。
ーボネート樹脂と熱可塑性エラストマーの極めて限定さ
れた比率の組み合わせに着目し、かつ特定の導電性カー
ボンブラックを用いることにより、上記課題を効率的に
解決でき、優れた特性を有する2mm以下の厚さの導電性
シート、又は導電性フィルムを提供できるとの知見に基
づいてなされたのである。すなわち、本発明は、(a)
熱可塑性芳香族ポリカーボネート樹脂 80〜95重量
%、(b)熱可塑性エラストマー 5〜20重量%より
なる樹脂組成物100重量部に対して、(c)n−ジブ
チルフタレート(DBP)吸油量が300ml/100
g以上の導電性カーボンブラック5〜20重量部を分散
含有することを特徴とする厚みが2mm以下の導電性フィ
ルム又はシートを提供する。本発明で使用する芳香族ポ
リカーボネート樹脂は、ビスフェノールAに代表される
ジヒドロキシアリール化合物をホスゲンや炭酸エステル
などと反応させることにより製造されるが、本発明では
適当なものを市場で入手できる。このうち、 300℃,
1.2kg荷重にて測定したときのメルトフローレート(M
FR)が3〜30g/10分、好ましくは6〜20g/
10分の範囲の芳香族ポリカーボネート樹脂がよい。メ
ルトフローレートが30g/10分を越えるとフィルム
強度が低下し、3g/10分未満では加工性、生産性が
低下するからである。
【0006】本発明で使用する熱可塑性エラストマーと
しては、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポ
リエステル系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン
系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エ
ラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーがあ
げられる。 ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとしては、A硬
度では80以上、D硬度では30〜60が好ましい。市
販品ではエラストラン(日本エラストラン)、パラプレ
ン(日本ポリウレタン)、パンデックス(大日本インキ
化学工業)、タケラック(武田バーディッシュウレタ
ン)、レザミン(大日精化工業)、ペレセン(エム・デ
ィー化成)、デスモパン(住友バイエルウレタン)が代
表例としてあげられる。 ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、A硬
度では80以上、D硬度では30〜60が好ましい。市
販品ではハイトレル(東レ・デュポン)、ペルプレン−
P,S(東洋紡績)、グリラックス(大日本インキ化
学)、ローモッド(エンジニアリングプラスチック)、
ARNITEL-E,-P,-Z (AKZO)、RITEFLEX(Celanese
/Hosechst)、PIBIFLEX(Montedison)、ELASTUF
(Goodyear)、ECTAR(Eastman)、ARNITEL-S (AK
ZO)があげられる。 ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、A
硬度では80以上、D硬度では30〜60が好ましい。
市販品では住友TPE(住友化学)、ミラストマー(三
井石油化学)、サーモラン(JSR・三菱油化)が代表
例としてあげられる。 ポリスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、A硬
度では80以上、D硬度では30〜60が好ましい。市
販品ではカリフレックスTR,クレイトンG(シェル化
学)、ラバロン(三菱油化)、住友TPE−SB(住友
化学工業)、エラストマーAR(アロン化成)、タフプ
レン(旭化成工業)、ソフプレンT(Philips Petrol
eum-日本エラストマー)、JSR TR,JSR SI
S(日本合成ゴム)、電化STR(電気化学工業)など
が代表例としてあげられる。
しては、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポ
リエステル系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン
系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エ
ラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーがあ
げられる。 ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとしては、A硬
度では80以上、D硬度では30〜60が好ましい。市
販品ではエラストラン(日本エラストラン)、パラプレ
ン(日本ポリウレタン)、パンデックス(大日本インキ
化学工業)、タケラック(武田バーディッシュウレタ
ン)、レザミン(大日精化工業)、ペレセン(エム・デ
ィー化成)、デスモパン(住友バイエルウレタン)が代
表例としてあげられる。 ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、A硬
度では80以上、D硬度では30〜60が好ましい。市
販品ではハイトレル(東レ・デュポン)、ペルプレン−
P,S(東洋紡績)、グリラックス(大日本インキ化
学)、ローモッド(エンジニアリングプラスチック)、
ARNITEL-E,-P,-Z (AKZO)、RITEFLEX(Celanese
/Hosechst)、PIBIFLEX(Montedison)、ELASTUF
(Goodyear)、ECTAR(Eastman)、ARNITEL-S (AK
ZO)があげられる。 ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、A
硬度では80以上、D硬度では30〜60が好ましい。
市販品では住友TPE(住友化学)、ミラストマー(三
井石油化学)、サーモラン(JSR・三菱油化)が代表
例としてあげられる。 ポリスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、A硬
度では80以上、D硬度では30〜60が好ましい。市
販品ではカリフレックスTR,クレイトンG(シェル化
学)、ラバロン(三菱油化)、住友TPE−SB(住友
化学工業)、エラストマーAR(アロン化成)、タフプ
レン(旭化成工業)、ソフプレンT(Philips Petrol
eum-日本エラストマー)、JSR TR,JSR SI
S(日本合成ゴム)、電化STR(電気化学工業)など
が代表例としてあげられる。
【0007】ポリアミド系熱可塑性エラストマーとし
ては、A硬度では80以上、D硬度では30〜60が好
ましい。市販品としてはダイアミドPAE(ダイセル−
ヒュルス)、グリラックス(大日本インキ化学)、ペバ
ックス(東レ)が代表例としてあげられる。 上記のエラストマーの中でも成形加工性の点からポリオ
レフィン系可塑性エラストマー、あるいはポリエステル
系熱可塑性エラストマーが好ましく、最も好ましいのは
ポリオレフィン系可塑性エラストマーである。本発明で
使用する導電性カーボンブラックは、少量の添加で樹脂
組成物に必要とする導電性を付与できるものであり、具
体的にはDBP吸油量が300ml/100g以上、好ま
しくは300〜550ml/100gのものである。この
範囲以下では目的とする導電性を得るには多量のカーボ
ンブラックを添加しなければならない。そのため、フィ
ルム状、又はシート状に成形した際に強度が著しく低下
し実使用にたえられない。かかる導電性カーボンブラッ
クとしてはファーネスブラックが挙げられ、中でも不純
物が少なく、導電性に優れているケッチェンブラック・
インターナショナル社製のケッチェンブラックEC、ケ
ッチェンブラックEC−600JDが好適である。
ては、A硬度では80以上、D硬度では30〜60が好
ましい。市販品としてはダイアミドPAE(ダイセル−
ヒュルス)、グリラックス(大日本インキ化学)、ペバ
ックス(東レ)が代表例としてあげられる。 上記のエラストマーの中でも成形加工性の点からポリオ
レフィン系可塑性エラストマー、あるいはポリエステル
系熱可塑性エラストマーが好ましく、最も好ましいのは
ポリオレフィン系可塑性エラストマーである。本発明で
使用する導電性カーボンブラックは、少量の添加で樹脂
組成物に必要とする導電性を付与できるものであり、具
体的にはDBP吸油量が300ml/100g以上、好ま
しくは300〜550ml/100gのものである。この
範囲以下では目的とする導電性を得るには多量のカーボ
ンブラックを添加しなければならない。そのため、フィ
ルム状、又はシート状に成形した際に強度が著しく低下
し実使用にたえられない。かかる導電性カーボンブラッ
クとしてはファーネスブラックが挙げられ、中でも不純
物が少なく、導電性に優れているケッチェンブラック・
インターナショナル社製のケッチェンブラックEC、ケ
ッチェンブラックEC−600JDが好適である。
【0008】本発明の導電性シートを構成する各成分の
割合は (a)熱可塑性芳香族ポリカーボネート樹脂80〜95
重量%(以下、%と略称する)、好ましくは83〜93
%、(b)熱可塑性エラストマー5〜20%、好ましく
は7〜17%、(c)DBP吸油量が300ml/100
g以上の導電性カーボンブラックを(a)成分+(b)
成分100重量部に対して5〜20重量部、好ましくは
5〜15重量部の割合で配合される。 上記の配合において(a)成分が上記範囲より多い場合
はフィルム又はシートの表面平滑性が損なわれるので好
ましくない。また(b)成分が上記範囲より多い場合は
耐熱性が低下するので好ましくない。成分(c)が上記
範囲より少ない場合はフィルム又はシートの表面固有抵
抗値が 1.0×1013Ω以上になり導電性フィルム又は導電
性シートとしての役目を果たさなくなり、上記範囲より
多い場合は成形加工性、強度が低下する。本発明の導電
性フィルム又は導電性シートには、特に本発明の目的と
する性質を阻害しない限り通常の樹脂組成物に配合され
る付加的成分、例えば酸化防止剤や滑剤などを添加する
ことができる。
割合は (a)熱可塑性芳香族ポリカーボネート樹脂80〜95
重量%(以下、%と略称する)、好ましくは83〜93
%、(b)熱可塑性エラストマー5〜20%、好ましく
は7〜17%、(c)DBP吸油量が300ml/100
g以上の導電性カーボンブラックを(a)成分+(b)
成分100重量部に対して5〜20重量部、好ましくは
5〜15重量部の割合で配合される。 上記の配合において(a)成分が上記範囲より多い場合
はフィルム又はシートの表面平滑性が損なわれるので好
ましくない。また(b)成分が上記範囲より多い場合は
耐熱性が低下するので好ましくない。成分(c)が上記
範囲より少ない場合はフィルム又はシートの表面固有抵
抗値が 1.0×1013Ω以上になり導電性フィルム又は導電
性シートとしての役目を果たさなくなり、上記範囲より
多い場合は成形加工性、強度が低下する。本発明の導電
性フィルム又は導電性シートには、特に本発明の目的と
する性質を阻害しない限り通常の樹脂組成物に配合され
る付加的成分、例えば酸化防止剤や滑剤などを添加する
ことができる。
【0009】本発明の導電性フィルム又は導電性シート
は、通常の溶融混練法、即ち単軸押出し機、二軸押出し
機などを用いて調製することができる。この導電性ポリ
カーボネート樹脂組成物の成形方法は一般に使用されて
いるTダイ押出し成形機、あるいはインフレーション成
形機を使用してフィルム状あるいはシート状に成形する
ことができる。本発明の導電性フィルム又はシートを成
形する前の混練または成形に際しては、組成物の温度を
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系
熱可塑性エラストマーを使用した場合には220℃〜2
40℃、またポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポ
リエステル系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱
可塑性エラストマーを使用した場合には200℃〜22
0℃に抑えるのが望ましい。なお本発明でいう導電性フ
ィルムは厚さが700μ以下、好ましくは500〜20
μ、特に好ましくは300〜30μである。又、導電性
シートは、厚さが2mm以下、好ましくは2mm〜900μ
である。
は、通常の溶融混練法、即ち単軸押出し機、二軸押出し
機などを用いて調製することができる。この導電性ポリ
カーボネート樹脂組成物の成形方法は一般に使用されて
いるTダイ押出し成形機、あるいはインフレーション成
形機を使用してフィルム状あるいはシート状に成形する
ことができる。本発明の導電性フィルム又はシートを成
形する前の混練または成形に際しては、組成物の温度を
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系
熱可塑性エラストマーを使用した場合には220℃〜2
40℃、またポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポ
リエステル系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱
可塑性エラストマーを使用した場合には200℃〜22
0℃に抑えるのが望ましい。なお本発明でいう導電性フ
ィルムは厚さが700μ以下、好ましくは500〜20
μ、特に好ましくは300〜30μである。又、導電性
シートは、厚さが2mm以下、好ましくは2mm〜900μ
である。
【0010】
【発明の効果】本発明の導電性フィルム又は導電性シー
トには、熱可塑性エラストマーと共に特定の導電性カー
ボンブラックが配合さているので、表面平滑性、成形加
工性、強度に優れ、かつ高い表面固有抵抗値の領域でも
振れの小さく、かつ優れた導電性能を有する。従って、
表面平滑性が重要視される複写機用転写フィルムや徐電
ロールとして好適に使用することができ、また、ICト
レーや電機、電子部品などへも幅広く応用することがで
きる。次に実施例により本発明を説明する。
トには、熱可塑性エラストマーと共に特定の導電性カー
ボンブラックが配合さているので、表面平滑性、成形加
工性、強度に優れ、かつ高い表面固有抵抗値の領域でも
振れの小さく、かつ優れた導電性能を有する。従って、
表面平滑性が重要視される複写機用転写フィルムや徐電
ロールとして好適に使用することができ、また、ICト
レーや電機、電子部品などへも幅広く応用することがで
きる。次に実施例により本発明を説明する。
【0011】
実施例 表−1に示す組成物を二軸押し出し機にて混練し、次い
で造粒化した後、インフレーション成形により厚さ60
μmの導電性フィルムを成形した。又、Tダイ押し出し
成形機により厚さ1mmのシートを成形した。なお混練お
よび成形に際しては組成物の温度を、ポリオレフィン系
熱可塑性エラストマーを使用した場合には 240℃に、ポ
リエステル系熱可塑性エラストマーを使用した場合には
220℃に維持した。使用した原料を次に示す。ホ゜リカーホ゛ネート 樹脂:住友ダウ社製「カリバー」(商標名) 密度 1.20g/cm3, MFR=6, 15, 22, 60ホ゜リオレフィン 系熱可塑性エラストマー:三井石油化学社製「ミラス
トマー M-4800NW」(商標名) 密度 0.89g/cm3, D硬度 47ホ゜リエステル 系熱可塑性エラストマー:東洋紡績社製「ペルプレン
P-40B」(商標名) 密度 1.12g/cm3, D硬度 38カーホ゛ンフ゛ラック :ケッチェンブラック・インターナショナル
社製 「ケッチェンブラック EC−600JD」(商標名) DBP吸油量 495ml/100g 「ケッチェンブラック EC」(商標名) DBP吸油量 360ml/100g
で造粒化した後、インフレーション成形により厚さ60
μmの導電性フィルムを成形した。又、Tダイ押し出し
成形機により厚さ1mmのシートを成形した。なお混練お
よび成形に際しては組成物の温度を、ポリオレフィン系
熱可塑性エラストマーを使用した場合には 240℃に、ポ
リエステル系熱可塑性エラストマーを使用した場合には
220℃に維持した。使用した原料を次に示す。ホ゜リカーホ゛ネート 樹脂:住友ダウ社製「カリバー」(商標名) 密度 1.20g/cm3, MFR=6, 15, 22, 60ホ゜リオレフィン 系熱可塑性エラストマー:三井石油化学社製「ミラス
トマー M-4800NW」(商標名) 密度 0.89g/cm3, D硬度 47ホ゜リエステル 系熱可塑性エラストマー:東洋紡績社製「ペルプレン
P-40B」(商標名) 密度 1.12g/cm3, D硬度 38カーホ゛ンフ゛ラック :ケッチェンブラック・インターナショナル
社製 「ケッチェンブラック EC−600JD」(商標名) DBP吸油量 495ml/100g 「ケッチェンブラック EC」(商標名) DBP吸油量 360ml/100g
【0012】このようにして得られた導電性フィルム、
又は導電性シートの表面平滑性、導電性能、強度、耐熱
性、成形加工性を以下のようにして評価した。 (1)表面平滑性(カトーテック社製 KES−FBシ
ステムFB−4) 表面粗さ計により表面の凹凸が 5μm未満を○、それ以
上を×として評価した。 (2)導電性能 (表面固有抵抗値:Ω) ASTM D-257 に準拠して10点の試料について測定を行
い、最大値、最小値を求めた。 (3)強度 フィルムを折り曲げて折り目から切れない場合を○、切
れた場合を×とした。 (4)耐熱性 荷重たわみ温度(JIS K-7207に準拠)にて評価した。 (5)成形加工性 混練時、インフレーション成形時あるいはTダイ押し出
し成形時における押し出し安さ、成形のしやさから評価
し、良好な場合を○、不良の場合を×とした。組成とと
もにインフレーション成形フィルムの結果を表−1、T
ダイ押し出し成形シートの結果を表−2に示す。
又は導電性シートの表面平滑性、導電性能、強度、耐熱
性、成形加工性を以下のようにして評価した。 (1)表面平滑性(カトーテック社製 KES−FBシ
ステムFB−4) 表面粗さ計により表面の凹凸が 5μm未満を○、それ以
上を×として評価した。 (2)導電性能 (表面固有抵抗値:Ω) ASTM D-257 に準拠して10点の試料について測定を行
い、最大値、最小値を求めた。 (3)強度 フィルムを折り曲げて折り目から切れない場合を○、切
れた場合を×とした。 (4)耐熱性 荷重たわみ温度(JIS K-7207に準拠)にて評価した。 (5)成形加工性 混練時、インフレーション成形時あるいはTダイ押し出
し成形時における押し出し安さ、成形のしやさから評価
し、良好な場合を○、不良の場合を×とした。組成とと
もにインフレーション成形フィルムの結果を表−1、T
ダイ押し出し成形シートの結果を表−2に示す。
【0013】
【表1】 表−1 ──────────────────────────────────── 本発明品No. 1 2 3 4 5 6 7 8 ──────────────────────────────────── a)ホ゜リカーホ゛ネート(MFR=15) 90 − − 90 90 90 90 85 〃 (MFR=6) − 90 − − − − − − 〃 (MFR=22) − − 90 − − − − − b)ミラストマー M-4800NW 10 10 10 10 10 10 − 15 ヘ゜ルフ゜レン P-40B − − − − − − 10 − ──────────────────────────────────── c)ケッチェンフ゛ラック EC-600JD 7 7 7 9 5 − 7 7 ケッチェンフ゛ラック EC − − − − − 15 − − ─────────────────────────────────── 表面平滑性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 表面固有抵抗値(Ω) 最大値 4x104 4x104 4x104 4x103 4x10114x103 5x104 4x104 最小値 3x104 3x104 3x104 2x103 3x10102x103 1x104 3x104 強 度 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 耐熱性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 加工性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ──────────────────────────────────── 表中の成分a)及びb)の量は、%であり、成分c)の量は成
分a)及びb)の合計量を100 重量部とした時の重量部であ
る(以下、同じ)。
分a)及びb)の合計量を100 重量部とした時の重量部であ
る(以下、同じ)。
【0014】
【表2】 表−2 実施例(Tダイ押し出しシート) ──────────────────────────────────── 1 2 3 4 5 6 7 8 ──────────────────────────────────── a)ホ゜リカーホ゛ネート 90 − − 90 90 90 90 85 (MFR=15) 〃 (MFR=6) − 90 − − − − − − 〃 (MFR=22) − − 90 − − − − − b)ミラストマー 10 10 10 10 10 10 − 15 M-4800NW ヘ゛ルフ゜レン P-40B − − − − − − 10 − ──────────────────────────────────── c)ケッチェンフ゛ラック 7 7 7 − 5 − 7 7 EC-600JD ケッチェンフ゛ラック EC − − − 8 − 15 − − ──────────────────────────────────── 表面平滑性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 表面固有抵抗値(Ω) 最大値 4x102 4x102 4x102 8x104 5x109 4x102 7x103 4x103 最小値 2x102 3x102 2x102 2x104 3x108 2x102 2x103 3x103 強 度 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 耐熱性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 加工性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ────────────────────────────────────
【0015】比較例 表−3、及び表−4に記載の組成物を使用した以外は、
実施例と同様にして、比較用導電性フィルム又は、導電
性シートを得た。実施例と同様にして性能を評価しイン
フレーション成形フィルムの結果を表−3、Tダイ押し
出し成形シートの結果を表−4に示す。なお、比較例に
は実施例で使用した原料の他に以下に示す原料を追加し
た。ホ゜リカーホ゛ネート 樹脂:住友ダウ社製「カリバー」(商標名) 密度 1.20g/cm3, MFR=60ホ゜リフ゛チレンテレフタレート 樹脂:三菱化成工業社製「ノバドゥー
ル5020」(商標名) 密度 1.31g/cm3, MFR=4
実施例と同様にして、比較用導電性フィルム又は、導電
性シートを得た。実施例と同様にして性能を評価しイン
フレーション成形フィルムの結果を表−3、Tダイ押し
出し成形シートの結果を表−4に示す。なお、比較例に
は実施例で使用した原料の他に以下に示す原料を追加し
た。ホ゜リカーホ゛ネート 樹脂:住友ダウ社製「カリバー」(商標名) 密度 1.20g/cm3, MFR=60ホ゜リフ゛チレンテレフタレート 樹脂:三菱化成工業社製「ノバドゥー
ル5020」(商標名) 密度 1.31g/cm3, MFR=4
【0016】
【表3】 表−3 ─────────────────────────────────── 比較品No 1 2 3 4 5 6 7 8 ─────────────────────────────────── a)ホ゜リカーホ゛ネート 100 − − 90 90 90 97 78 (MFR=15) 〃 (MFR=6) − 100 − − − − − − 〃 (MFR=22) − − 100 − − − − − 〃 (MFR=60) − − − − − − − − b)ミラストマー − − − − 10 10 3 22 M-4800NW ホ゜リフ゛チレンテレフタレート − − − 10 − − − − (MFR=4) ─────────────────────────────────── c)ケッチェンフ゛ラック 7 7 7 7 − 3 7 7 EC-600JD ケッチェンフ゛ラック EC − − − − 23 − − − ─────────────────────────────────── 表面平滑性 × × × × − ○ × ○ 表面固有抵抗値(Ω) 最大値 8x106 9x107 2x106 5x104 − − 81x105 3x104 最小値 1x104 6x105 5x103 5x103 − >1015 24x104 7x103 強 度 ○ ○ × × − ○ ○ ○ 耐熱性 ○ ○ ○ ○ − ○ ○ × 加工性 ○ ○ ○ ○ × ○ ○ ○ ───────────────────────────────────
【0017】
【表4】 表−4 比較例(Tダイ押し出しシート)
Claims (3)
- 【請求項1】(a)熱可塑性芳香族ポリカーボネート樹
脂 80〜95重量%、(b)熱可塑性エラストマー
5〜20重量%よりなる樹脂組成物100重量部に対し
て、(c)n−ジブチルフタレート(DBP)吸油量が
300ml/100g以上の導電性カーボンブラック5
〜20重量部を分散含有することを特徴とする厚みが2
mm以下の導電性フィルム又はシート。 - 【請求項2】 熱可塑性エラストマーがポリオレフィン
系熱可塑性エラストマーである請求項1記載の導電性フ
ィルム又はシート。 - 【請求項3】 請求項1記載の複写機用転写ロール、徐
電ロール、又はICトレー用シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32018292A JPH06166809A (ja) | 1992-11-30 | 1992-11-30 | 導電性フィルム又はシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32018292A JPH06166809A (ja) | 1992-11-30 | 1992-11-30 | 導電性フィルム又はシート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06166809A true JPH06166809A (ja) | 1994-06-14 |
Family
ID=18118617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32018292A Pending JPH06166809A (ja) | 1992-11-30 | 1992-11-30 | 導電性フィルム又はシート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06166809A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100788544B1 (ko) * | 2002-12-27 | 2007-12-26 | 주식회사 삼양사 | 난연성 및 대전방지성을 갖는 열가소성 수지 조성물 |
US8148456B2 (en) | 2006-08-15 | 2012-04-03 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Conductive resin composition and conductive sheets comprising the same |
-
1992
- 1992-11-30 JP JP32018292A patent/JPH06166809A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100788544B1 (ko) * | 2002-12-27 | 2007-12-26 | 주식회사 삼양사 | 난연성 및 대전방지성을 갖는 열가소성 수지 조성물 |
US8148456B2 (en) | 2006-08-15 | 2012-04-03 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Conductive resin composition and conductive sheets comprising the same |
JP5295770B2 (ja) * | 2006-08-15 | 2013-09-18 | 電気化学工業株式会社 | 導電性樹脂組成物を用いた導電性シート |
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