JPH06166507A - アルゴンガスの精製方法 - Google Patents

アルゴンガスの精製方法

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JPH06166507A
JPH06166507A JP4341500A JP34150092A JPH06166507A JP H06166507 A JPH06166507 A JP H06166507A JP 4341500 A JP4341500 A JP 4341500A JP 34150092 A JP34150092 A JP 34150092A JP H06166507 A JPH06166507 A JP H06166507A
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argon gas
oxygen
hydrogen
concentration
tank
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JP4341500A
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English (en)
Inventor
Kazuo Haruna
一生 春名
Masaru Uno
優 宇野
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Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B23/00Noble gases; Compounds thereof

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  • Catalysts (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】不純物として少なくとも酸素を含有する粗アル
ゴンガスを精製する方法において、カーボンモレキュ
ラーシーブを充填した吸着槽中に粗アルゴンガスを導
き、該ガス中に含まれる酸素を圧力変動吸着法により吸
着除去する工程、前記の工程により酸素が吸着除去
された高濃度アルゴンガス中に残存する酸素を水素の存
在下に触媒反応により水に転化する工程、および前記
の工程により転化した水分を乾燥して除去する工程を
有することを特徴とするアルゴンガスの精製方法、並び
にそれに用いる精製装置。 【効果】本発明によると、触媒反応に要する高価な水素
の量を従来より大幅に少なくすることができる。また、
高濃度アルゴンガスをリサイクルする必要がなくなり、
また触媒槽および乾燥装置を小さくすることができる。
さらに過熱による触媒の劣化も少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルゴンガスの精製方
法に関する。さらに詳しくは、不純物として少なくとも
酸素を含む粗アルゴンガスを原料とし、該ガス中に含ま
れる酸素を圧力変動吸着法(プレッシャースイング法、
以下「PSA法」という)により吸着除去し、さらに残
留する少量の酸素を水に転化して除去することを特徴と
するアルゴンガスの精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】従来、ア
ルゴンガスの精製方法としては、以下の方法が知られて
いる。例えば、PSA法を用いる場合、空気深冷分離装
置の精留塔から抜き出されたアルゴン、酸素、窒素の混
合ガスを原料ガスとし、この原料ガスを加熱加圧して窒
素吸着剤が充填された窒素吸着塔から酸素吸着剤が充填
された酸素吸着塔に順次流し、製品アルゴンガスを得る
方法がある(特開昭58−167411号公報)。しか
し、この方法は空気深冷分離装置からの比較的高濃度の
酸素および低濃度のアルゴンを含有するガスを対象とし
ており、窒素と酸素を各々別個のPSA装置を用いて順
次除去しようとしている為、操作が複雑なものとなって
いる。
【0003】また、空気を原料とし2種の吸着剤を個別
に充填した装置で複数回のPSA操作を組み合わせて高
濃度のアルゴンガスを得る方法がある(特開平3−16
4410号公報)。しかしながら、このようなPSA法
のみによる方法では、完全に酸素を除去することは困難
である。
【0004】一方、前記のように高濃度のアルゴンを含
有する粗アルゴンガスから高濃度アルゴンガスを得る方
法としては、粗アルゴンガス中に含まれる酸素を水素添
加により水に転化し、除去する方法が知られている。こ
の方法では、例えば、空気深冷分離装置の粗アルゴン精
留塔で得られたアルゴン97%、酸素2%、窒素1%の
組成を有する粗アルゴンガスを精製する場合、該ガス中
に含有される酸素量の2倍量に相当する量の水素をこれ
に添加し、含有されている酸素を触媒槽で水に転化さ
せ、これを乾燥機で除去して精製する。しかしながら、
この方法によると酸素を実質的に完全に除去できるが、
粗アルゴンガス中で約2%を占める酸素を水に転化させ
るには、粗アルゴンガスに対し、約4%の濃度に相当す
る水素が必要となる。従って、この方法によりアルゴン
ガスの精製を行う場合、通常深冷分離法は、1000N
3 /hr以上という大容量で運転されるため、精製に
は多量の水素が必要となり、別途大規模な水素供給設備
が必要となる。
【0005】前記した粗アルゴンガスを原料とする従来
のアルゴンガスの精製方法は、不純物として含まれる酸
素を完全に除去できない、あるいは多量の水素を必要と
する他、触媒槽で生成する多量の水を除去するため大型
の乾燥装置を必要とする等、無駄の多い方法であった。
また、含有される酸素の濃度が高い場合、そのまま水素
と反応させると、触媒槽は400℃に近い温度にまで上
昇する。このため、充填されている触媒の耐熱性を考え
ると、触媒槽での反応による温度上昇を抑制するため
に、触媒槽から排出される脱酸素後の高濃度アルゴンガ
スの一部をリサイクルして原料の粗アルゴンガス中の酸
素濃度を1%以下に希釈させることが必要であった。こ
の方法では、高濃度アルゴンガスの一部をリサイクルす
るため、ガス量が増大し、触媒槽及び乾燥装置をより大
きなものにせざるを得ない。本発明の目的は、このよう
な従来法が有する上記の問題点を解決したアルゴンガス
の精製方法および精製装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記した状
況に鑑み、不純物として少なくとも酸素を含有する粗ア
ルゴンガスの精製方法について鋭意検討した。その結
果、90%以上のアルゴンを含有する粗アルゴンガスか
ら該ガス中の酸素をPSA法により吸着除去して粗アル
ゴンガス中に含有される酸素を約1/20以下の濃度に
まで減少させ、その後、水素を添加して残留する少量の
酸素を水に転化すれば水素の使用量を大幅に減らすこと
ができると共に、上記高濃度アルゴンガスの一部リサイ
クルが不要となること、生成する水分量も大幅に少なく
なるため触媒槽や乾燥装置を小さくすることができるこ
とを見出し、本発明の完成に至った。
【0007】即ち、本発明の要旨は、 (1)不純物として少なくとも酸素を含有する粗アルゴ
ンガスを精製する方法において、 カーボンモレキュラーシーブを充填した吸着槽中に
粗アルゴンガスを導き、該ガス中に含まれる酸素を圧力
変動吸着法により吸着除去する工程、 前記の工程により酸素が吸着除去された高濃度ア
ルゴンガス中に残存する酸素を水素の存在下に触媒反応
により水に転化する工程、および 前記の工程により転化した水分を乾燥して除去す
る工程 を有することを特徴とするアルゴンガスの精製方法、お
よび (2)不純物として少なくとも酸素を含有する粗アルゴ
ンガスの精製装置において、粗アルゴンガスを所定の温
度および圧力に調整する装置と、前記装置により所定の
温度および圧力に調整された粗アルゴンガス中の酸素を
吸着除去するカーボンモレキュラーシーブを充填した吸
着槽と、該吸着槽により酸素が吸着除去された高濃度ア
ルゴンガスを溜めるバッファータンクと、該バッファー
タンクより排出される高濃度アルゴンガスに水素を供給
する水素供給装置と、該高濃度アルゴンガス中の酸素量
の2倍モルの水素量を算出する演算器および該演算器か
らの指令に基づき所定の水素量を流すように調整する水
素流量調節手段を備えた水素供給調節装置と、水素が供
給された高濃度アルゴンガス中の酸素を水に転化するた
めの触媒槽と、該触媒槽において生成した水分を乾燥除
去する乾燥装置とを具備したことを特徴とする粗アルゴ
ンガスの精製装置に関する。
【0008】本発明の精製方法の対象となる原料ガスと
しては、例えば空気深冷分離装置の粗アルゴン精留塔よ
り回収される粗アルゴンガスであって、不純物として酸
素、窒素等を含有する粗アルゴンガス等が挙げられる。
粗アルゴンガス中のアルゴン濃度は90%以上、好まし
くは95%以上のものが、本発明の精製方法に好適に用
いられる。アルゴン濃度が90%より低い場合には、た
とえ本発明の方法を実施しても残留する酸素濃度が高く
なり、後の触媒反応を行うのに多量の水素を必要とする
ことになり、本発明の効果がえられない。
【0009】本発明のアルゴンガスの精製方法を図1に
基づいて説明する。図1は本発明のアルゴンガスの精製
方法に用いる装置の一例の概念図であり、1は粗アルゴ
ンガスを所定の温度に調整する温度調整装置、2は粗ア
ルゴンガスを所定の圧力に調整する圧力調整装置、3は
カーボンモレキュラーシーブを充填した吸着槽、4は該
吸着槽より排出される脱酸素後の高濃度アルゴンガスを
溜めるバッファータンク、5は該バッファータンクを出
た高濃度アルゴンガスに水素を供給する水素供給装置、
6は水素が供給された高濃度アルゴンガス中の酸素を水
に転化するための触媒槽、7は転化した水を乾燥除去す
る乾燥装置、8は高濃度アルゴンガスの流量および該ガ
ス中の酸素濃度に基づき酸素量の2倍モルの水素量を算
出する演算器、9は該演算器からの指令に基づき所定の
水素量を流すように調整する水素流量調節手段としての
水素流量調節弁を表す。
【0010】以下、空気深冷分離装置の粗アルゴン精留
塔より回収される、90%以上のアルゴンを含有する粗
アルゴンガスを精製する場合について説明する。例え
ば、前記したアルゴン97%、酸素2%、窒素1%の組
成を有する粗アルゴンガスは、粗アルゴン精留塔を出た
時点では通常−180〜−185℃という極低温であ
り、このままの温度で次の吸着操作を行うことはできな
い。このため、1の温度調整装置により吸着に適当な温
度である0〜30℃の範囲の温度に調整する。この温度
調整には例えば乾燥装置7から排出される精製アルゴン
ガスの熱量が用いられ、該ガスと熱交換することにより
温度調整が行われる。
【0011】次に、前記0〜30℃の温度に調整された
粗アルゴンガスは、2の圧力調整装置により吸着に適し
た圧力である2〜10kg/cm2 G、好ましくは2〜
8kg/cm2 Gの圧力にまで圧縮され、カーボンモレ
キュラーシーブを充填した吸着槽3中に導かれる。2k
g/cm2 G未満であると吸着剤による酸素の吸着が不
十分となり、10kg/cm2 Gを越えて使用してもこ
れに見合う効果が得られず経済的でない。該吸着槽には
3〜4オングストローム(A)の細孔径を有するように
均一化されたカーボンモレキュラーシーブが充填されて
いる。このような均一な細孔径を有するカーボンモレキ
ュラーシーブを用いることにより、細孔内でのガス拡散
速度の差により酸素とアルゴンを分離することが可能と
なる。このような吸着槽の数は1槽でもまた2槽以上で
もよいが、効率的な連続運転が可能であることから2槽
以上設けることが好ましい。
【0012】図1では吸着槽が2槽の場合を例示する
が、例えば吸着槽が2槽の場合、粗アルゴンガスを前記
した2〜10kg/cm2 G、好ましくは2〜8kg/
cm2Gの圧力にまで圧縮した後、吸着槽3Aまたは吸
着槽3Bに1〜2分間の時間で交互に供給し、粗アルゴ
ンガス中に含まれる酸素を吸着させる。3〜4Aの細孔
径を有するカーボンモレキュラーシーブには1〜2分間
の短時間であれば、アルゴンより酸素の方がより早く細
孔内への拡散吸着が可能であり、この特性のために粗ア
ルゴンガス中の酸素が優先的に吸着剤のカーボンモレキ
ュラーシーブに吸着され、吸着槽出口より排出されるガ
ス中の酸素濃度は約0.1%以下にまで低下させること
ができる。
【0013】吸着槽3Aでの吸着が終了すると吸着槽3
Aは、脱着の終了したもう一方の吸着槽3Bと各々の上
部と下部同士を接続して均圧にする。次に吸着槽3Aの
圧力を大気圧まで降圧させ、吸着した酸素を脱着し、カ
ーボンモレキュラーシーブの再生を行なう。再生工程に
おいて脱着した酸素により酸素濃度の増加したアルゴン
ガスは吸着槽3Aの下部から放出され粗アルゴン精留塔
にリサイクル回収する。この場合、吸着槽3A下部より
脱着放出されるガス中には高濃度のアルゴンが含有され
ており、回収されたアルゴンガスは粗アルゴン精留塔で
精留され、粗アルゴンガスとして再び本発明のアルゴン
ガス精製方法の原料として供される。
【0014】本発明における圧力変動吸着法による上記
の脱酸素方法の具体的な操作工程を図2〜図5に基づ
き、2つの吸着槽を用いた場合を例にして、更に詳しく
説明する。本発明において、粗アルゴンガス中の酸素を
連続して吸着除去するためには、前記したカーボンモレ
キュラーシーブを充填した吸着槽3Aおよび3Bが用い
られる。粗アルゴンガスは、まず吸着槽3Aに導入さ
れ、以下の4つの工程からなる操作方法により脱酸素さ
れ高濃度アルゴンガスとなり各吸着槽出口から排出さ
れ、バッファータンク4へ蓄えられ、その後、触媒槽6
へ送り出される。
【0015】操作工程−1 図2に示すように、2〜10kg/cm2 Gに圧縮され
た粗アルゴンガスは、切換弁V−1を通じて吸着槽3A
に導入され、酸素含量が0.1%以下にまで吸着除去さ
れた後、高濃度アルゴンガスとして、吸着槽3Aの出口
より排出され、切換弁V−7を通じてバッファータンク
4へ蓄えられ、その後、触媒槽6へ送り出される。その
間、吸着槽3Bは、ほぼ大気圧にまで降圧脱着され切換
弁V−4を通じて吸着槽3B入口より排出される酸素と
アルゴンは粗アルゴン塔へ回収される。
【0016】操作工程−2 図3に示すように、粗アルゴンガス導入後1〜2分で最
大吸着圧力にまで上昇した吸着槽3Aとほぼ大気圧にま
で降圧・脱着された吸着槽3Bとは、切換弁V−5およ
び切換弁V−6を通じて均圧化される。
【0017】操作工程−3 図4に示すように、切換弁V−5および切換弁V−6を
閉じた後、均圧によって圧力の上昇した吸着槽3Bに、
粗アルゴンガスを切換弁V−2を通じて導入し、酸素を
吸着させる。脱酸素された高濃度アルゴンガスが吸着槽
3B出口より排出され、切換弁V−8を通じてバッファ
ータンク4へ蓄えられ、触媒槽6へ導入される。一方、
吸着槽3Aは、切換弁V−3を通じて降圧脱着が行わ
れ、吸着槽3A入口より排出され酸素とアルゴンは粗ア
ルゴン塔へ回収される。
【0018】操作工程−4 図5に示すように、操作工程−2と同様に圧力の高い吸
着槽3Bとほぼ大気圧まで降圧・脱着された吸着槽3A
とを切換弁V−5及び切換弁V−6を通じて均圧する。
上記の4つの工程を1サイクルとしてこれを繰り返すこ
とにより順次酸素を吸着除去させ、粗アルゴンガスの脱
酸素が行われる。なお、上記の吸着・脱着を吸着槽1槽
で行う場合、同様の吸着・脱着操作を吸着槽1槽につき
交互に行えばよい。
【0019】以上のようにして脱酸素後、吸着槽3Aお
よび3Bの上部より排出され、バッファータンク4に貯
えられた高濃度アルゴンガスは、5の水素供給装置より
水素の供給を受ける。触媒槽6においては、該ガス中に
含まれる残留酸素が水素と触媒反応して水に転化し、次
いで乾燥装置7により乾燥・除去される。このとき、吸
着槽3Aおよび3Bの上部より排出された高濃度アルゴ
ンガス中の酸素濃度は0.1%以下にまで低下してお
り、残留酸素の2倍モルの水素を添加し、後述の触媒を
充填した触媒槽6で酸素を還元して水に転化する。反応
に要する水素は高濃度アルゴンガスに対して0.2%以
下でよいことになるため、従来の酸素還元法のみの場合
に比べて水素の使用量が約1/20で済み、水素の使用
量を大幅に少なくできるという効果が得られる。
【0020】このとき高濃度アルゴンガス中の酸素の量
の2倍モルに相当する水素の量をできるだけ正確に決定
し、添加するのが好ましい。そのため本発明において
は、バッファータンク4出口の高濃度アルゴンガスのガ
ス流量および該ガス中の酸素濃度を検知し、検知した数
値から所要の水素量を算出する演算器8、および前記演
算器からの指令に基づいて所要の水素量を流すように調
整する水素流量調節弁9を設けている。かくして、過剰
の水素が高濃度アルゴンガス中に流入することがなく、
還元反応に必要な量の水素のみが導入されることとな
り、本発明の精製方法を好適に行うことができる。
【0021】触媒槽6において用いられる触媒種として
は、従来公知の還元触媒が挙げられパラジウム、白金等
の貴金属触媒が例示される。また、触媒反応(還元反
応)は通常、0〜100℃、好ましくは20〜70℃の
温度範囲で行われる。0℃未満では、触媒反応速度が遅
くなり、100℃を越えると触媒の寿命が短かくなるお
それがあるため好ましくない。本発明では、酸素濃度が
0.1%以下にまで低下しているため還元反応による温
度上昇は20℃程度であり、触媒の過熱による劣化は特
に問題となることはない。
【0022】乾燥装置7としては、生成した水分が乾燥
・除去できるものであれば特に限定されず、種々の形式
のものが用いられる。但し、触媒槽6からの排出ガスが
加熱状態であることを考慮するとシリカゲル、アルミナ
等の脱湿剤を充填したカラム型式のものが好適に用いら
れる。
【0023】以上、本発明の精製方法について説明した
が、本発明のアルゴンガス精製装置は、前記の精製方法
を好適に行えるように構成されたものである。即ち、本
発明のアルゴンガス精製装置は、粗アルゴンガスを所定
の温度および圧力に調整する装置と、前記装置により所
定の温度および圧力に調整された粗アルゴンガス中の酸
素を吸着除去するカーボンモレキュラーシーブを充填し
た吸着槽と、該吸着槽により酸素が吸着除去された高濃
度アルゴンガスを溜めるバッファータンクと、該バッフ
ァータンクより排出される高濃度アルゴンガスに水素を
供給する装置であって該高濃度アルゴンガス中の酸素濃
度を検知し酸素量の2倍モルの水素量を算出する演算器
および該演算器からの指令に基づき所定の水素量を流す
ように調整する水素流量調節手段を備えた水素供給装置
と、水素が供給された高濃度アルゴンガス中の酸素を水
に転化するための触媒槽と、該触媒槽において生成した
水分を乾燥除去する乾燥装置とを具備したものである。
【0024】各構成装置等について以下に説明するが、
これらは前記の精製方法における条件等が得られるもの
であれば特に限定されることはなく、公知の装置等が用
いられる。粗アルゴンガスを所定の温度および圧力に調
整する装置としては、温度調整装置として例えば熱交換
機が用いられる。また、圧力調整装置として例えば圧縮
機が用いられる。カーボンモレキュラーシーブを充填し
た吸着槽は前記のものが用いられる。
【0025】水素供給装置は、吸着槽により酸素が吸着
除去された高濃度アルゴンガスに水素を供給する装置で
あり、例えば水素ボンベ、メタノール分解水素発生装
置、アンモニア分解水素発生装置等が使用される。水素
供給調節装置は、高濃度アルゴンガス中の酸素量の2倍
モルの水素量を算出する演算器および該演算器からの指
令に基づき所定の水素量を流すように調整する水素流量
調節手段を備えている。このような演算器としては、高
濃度アルゴンガスの流量および該ガス中の酸素濃度に基
づき酸素量の2倍モルの水素量を算出することができれ
ば特に限定されることはない。
【0026】触媒槽は、水素が供給された高濃度アルゴ
ンガス中の酸素を水に転化するためのものであり、乾燥
装置は触媒槽において生成した水分を乾燥除去するもの
であり、これらは前記のものが用いられる。
【0027】以上、本発明の精製方法、精製装置につい
て説明したが、本発明は前記した圧力変動吸着法による
脱酸素操作を、吸着槽3Aおよび吸着槽3Bについて交
互に行い、脱酸素後のわずかに残存する酸素についての
み、従来行われていた水素添加による触媒反応により水
に転化し、乾燥装置により除去することを特徴とする。
本発明の方法を空気深冷分離装置の粗アルゴンガス精留
塔より回収される、不純物として酸素、窒素を含有する
粗アルゴンガスに適用すると、連続して純度99%以上
の高濃度のアルゴンガスを効率よく得ることができる。
【0028】かくして得られた高濃度アルゴンガスは、
水素や窒素その他微量の不純物を含有するが、これらの
不純物を除去してさらに純度の高いアルゴンガスを得る
には、純アルゴン精留塔により精留する方法が用いら
れ、これにより純アルゴンガスが得られる。この場合、
純アルゴン精留塔の上部からは、不純物成分が抜き出さ
れ、精留塔下部からは99.999%の液体純アルゴン
が得られる。
【0029】本発明の精製方法を従来法と比較すると以
下のようになる。深冷分離法による従来のアルゴンガス
の製法では、粗アルゴンガス中の酸素を水素を添加する
ことによって触媒反応させて水とした後除去していた。
深冷分離法は大量の生産を目的としているため、例えば
1000Nm3 /hrの粗アルゴンガスを処理する場
合、濃度2%の酸素を除去するためには40Nm3 /h
rの水素が必要であり、大規模な水素供給設備が別途必
要となる。また、触媒槽は白金系の触媒を充填するが酸
素濃度が高い場合、燃焼温度が400℃近くになるので
触媒槽での反応上昇温度が小さくなるよう脱酸素後の製
品ガスを一部リサイクルして粗アルゴンガス中の酸素濃
度を低下させることが必要である。その結果、触媒槽
は、ガス滞留時間を確保する必要があるため400リッ
トル以上の触媒量が必要となる。また、乾燥装置の処理
ガス量は、リサイクルガス量を加えて2000Nm3
hr以上となる。
【0030】これに対して、本発明の精製方法では、前
記の酸素濃度の粗アルゴンガスを用いた場合において
も、吸着槽より排出される高濃度アルゴンガス中の酸素
濃度は0.1%以下にまで除去されており、後の触媒反
応に要する水素の添加量を従来の約1/20にまで少な
くすることができる。また、触媒槽での水素との反応温
度も100℃以下となるため、脱酸素後の高濃度アルゴ
ンガスを希釈用にリサイクルする必要がなくなる。その
ため触媒槽は約1/2以下に、乾燥装置は数十%小さく
することができる。触媒の過熱による劣化も少ないため
問題となることはない。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定
されるものではない。
【0032】実施例1 図1〜図5に示した2槽の吸着槽からなる吸着装置を用
いて粗アルゴンガス中の酸素を連続して吸着除去した。
直径65mmφ、高さ600mmの吸着槽3A,3Bの
2槽には各々ドイツカーボテック社製の3〜4Aの細孔
径を有するように均一化されたカーボンモレキュラーシ
ーブを750gずつ充填した。吸着槽3Aおよび3Bに
は口径8mmφの電磁弁を図2〜図5のごとく8個連結
した。吸着槽の出口ラインには直径80mmφ、高さ1
000mmのバッファータンク4を設け、バッファータ
ンクの下流側には60mlのパラジウム触媒を充填した
触媒槽6を設けた。また、前記触媒槽入口近くの水素導
入口には、演算器8からの指令に基づきバッファータン
ク4から排出される高濃度アルゴンガス中の酸素に対応
した量の水素量に調整する水素流量調節弁9を備えたマ
スフローコントローラーを通じて水素ボンベから供給で
きるように配管を設置した。さらに、触媒槽出口には5
50gのアルミナを充填した乾燥装置7を設けた。
【0033】原料ガスとして、アルゴン97%、酸素2
%、窒素1%の組成を有する粗アルゴンガスを用い、こ
れを7kg/cm2 Gまで圧縮し、前記カーボンモレキ
ュラーシーブの充填された吸着槽3Aに615Nリット
ル/hrのガス量で導入した。このとき、粗アルゴンガ
スの温度は25℃であった。
【0034】圧力変動吸着法により1サイクル2分間と
して粗アルゴンガス中の酸素を吸着除去した。バッファ
ータンクから排出される高濃度アルゴンガス量は296
Nリットル/hrであり、高濃度アルゴンガス中の酸素
濃度は、0.08%であった。また水素ボンベから48
0ml/hrの水素が水素流量調節弁9より水素導入口
を経て触媒槽6へ導入された。触媒槽6での還元反応温
度は42℃であり、乾燥装置7から排出される高濃度ア
ルゴンガス中のアルゴン濃度は99.0%であった。該
ガス中には酸素は検出されなかった。
【0035】
【発明の効果】本発明によると、酸素濃度が数%の粗ア
ルゴンガスを原料として用いた場合、吸着槽より排出さ
れる高濃度アルゴンガス中の酸素濃度を0.1%以下に
低下させ、次いで残存する酸素を水に転化させるため、
触媒反応に要する水素量を従来より大幅に少なくするこ
とができる。また、触媒槽での反応温度も低くできるた
め、高濃度アルゴンガスをリサイクルする必要がなくな
り、また触媒槽および乾燥装置を小さくすることができ
る。さらに過熱による触媒の劣化も少ない。なかでも、
高価な水素の使用量を大幅に削減できたことは、多大な
効果をもたらすものであり、本発明の工業的価値をより
大きなものとしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のアルゴンガスの精製方法に用
いる装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】図2は、本発明のアルゴンガスの精製方法に用
いる吸着装置の操作工程−1を説明する概略構成図であ
る。
【図3】図3は、本発明のアルゴンガスの精製方法に用
いる吸着装置の操作工程−2を説明する概略構成図であ
る。
【図4】図4は、本発明のアルゴンガスの精製方法に用
いる吸着装置の操作工程−3を説明する概略構成図であ
る。
【図5】図5は、本発明のアルゴンガスの精製方法に用
いる吸着装置の操作工程−4を説明する概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1 温度調整装置 2 圧力調整装置 3 吸着槽 3A 吸着槽 3B 吸着槽 4 バッファータンク 5 水素供給装置 6 触媒槽 7 乾燥装置 8 演算器 9 水素流量調節弁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物として少なくとも酸素を含有する
    粗アルゴンガスを精製する方法において、 カーボンモレキュラーシーブを充填した吸着槽中に
    粗アルゴンガスを導き、該ガス中に含まれる酸素を圧力
    変動吸着法により吸着除去する工程、 前記の工程により酸素が吸着除去された高濃度ア
    ルゴンガス中に残存する酸素を水素の存在下に触媒反応
    により水に転化する工程、および 前記の工程により転化した水分を乾燥して除去す
    る工程を有することを特徴とするアルゴンガスの精製方
    法。
  2. 【請求項2】 粗アルゴンガス中のアルゴンの濃度が9
    0%以上である請求項1記載の精製方法。
  3. 【請求項3】 圧力変動吸着法が、粗アルゴンガスを2
    〜10kg/cm2の圧力にまで加圧して酸素を吸着さ
    せた後、大気圧まで降圧して酸素を脱着させて吸着剤を
    再生する方法である請求項1記載の精製方法。
  4. 【請求項4】 カーボンモレキュラーシーブが3〜4オ
    ングストロームの細孔径を有するものである請求項1記
    載の精製方法。
  5. 【請求項5】 触媒反応が、触媒としてパラジウムまた
    は白金を用い、0〜100℃で行うものである請求項1
    記載の精製方法。
  6. 【請求項6】 不純物として少なくとも酸素を含有する
    粗アルゴンガスの精製装置において、粗アルゴンガスを
    所定の温度および圧力に調整する装置と、前記装置によ
    り所定の温度および圧力に調整された粗アルゴンガス中
    の酸素を吸着除去するカーボンモレキュラーシーブを充
    填した吸着槽と、該吸着槽により酸素が吸着除去された
    高濃度アルゴンガスを溜めるバッファータンクと、該バ
    ッファータンクより排出される高濃度アルゴンガスに水
    素を供給する水素供給装置と、該高濃度アルゴンガス中
    の酸素量の2倍モルの水素量を算出する演算器および該
    演算器からの指令に基づき所定の水素量を流すように調
    整する水素流量調節手段を備えた水素供給調節装置と、
    水素が供給された高濃度アルゴンガス中の酸素を水に転
    化するための触媒槽と、該触媒槽において生成した水分
    を乾燥除去する乾燥装置とを具備したことを特徴とする
    粗アルゴンガスの精製装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012101976A (ja) * 2010-11-10 2012-05-31 Sumitomo Seika Chem Co Ltd アルゴンガスの精製方法および精製装置

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JP2012101976A (ja) * 2010-11-10 2012-05-31 Sumitomo Seika Chem Co Ltd アルゴンガスの精製方法および精製装置

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