JPH0616609A - 新規ケイ皮酸アミド誘導体、その製造法及び該化合物を有効成分とするシロアリ防除剤 - Google Patents

新規ケイ皮酸アミド誘導体、その製造法及び該化合物を有効成分とするシロアリ防除剤

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JPH0616609A
JPH0616609A JP17327892A JP17327892A JPH0616609A JP H0616609 A JPH0616609 A JP H0616609A JP 17327892 A JP17327892 A JP 17327892A JP 17327892 A JP17327892 A JP 17327892A JP H0616609 A JPH0616609 A JP H0616609A
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ラブンミ・ラジデ
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 バンレイシ科植物 Xylopia aethiopica の種
子の抽出物から単離された新規ケイ皮酸アミド誘導体、
その製造法及び該化合物を有効成分とするシロアリ防除
剤。 【効果】 天然由来の化合物又はその合成類縁体で安全
性が高く、シロアリに対して摂食抑制作用を示すケイ皮
酸アミド誘導体が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規ケイ皮酸アミド誘
導体、その製造法及び該化合物を有効成分とするシロア
リ防除剤に関する。
【0002】
【従来の技術】シロアリによる家屋、樹木の被害は近年
増加の一途をたどっており、経済上重大な問題となって
いる。このようなシロアリに対して、従来は、家屋等が
既に被害を受けた後、毒性化合物(殺シロアリ剤(termi
ticide) )又は液体窒素で燻蒸消毒することにより死滅
させていた。
【0003】しかしながら、この毒性燻蒸剤の使用は環
境上重大な問題となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、シロアリに
対する天然由来の摂食阻害因子で、シロアリが該化合物
と接触した時にシロアリの摂食を妨げることにより、シ
ロアリの成長及び生存能力を阻害し得る化合物を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、バンレイシ科植物
Xylopia aethiopica の種子の抽出物並びに該抽出物か
ら単離されたケイ皮酸アミド誘導体及びその合成類縁体
がシロアリに対して摂食抑制作用を示すことを見出し、
その知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明の第1は、一般式(1):
【0007】
【化5】 Aryl−CH=CHCONHCH2 CH2 −R (1) (式中、Arylは、水酸基、低級アルコキシ基及びメチレ
ンジオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種以
上で置換されたフェニル基を表し、Rは水酸基で置換さ
れたフェニル基又は炭素数10〜20のアルキル基を表
す。)で示されるケイ皮酸アミド誘導体である。
【0008】前記式(1)において、Arylで表される置
換フェニル基における置換基である低級アルコキシ基と
は炭素数1〜6のアルコキシ基をいい、例えばメトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基が挙
げられる。また、Rで表されるアルキル基としては、特
に炭素数12〜18のアルキル基が好ましい。
【0009】前記式(1)で示される本発明の化合物の
具体例としては、例えば以下の化合物が挙げられる。 (1) N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−
3−ヒドロキシ−4−メトキシケイ皮酸アミド(以下
「T22−5A」という。) (2) N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−
3,4−ジヒドロキシケイ皮酸アミド(以下「T22−
6A」という。) (3) N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−
3,4−メチレンジオキシケイ皮酸アミド(以下「T2
2−5AH−1」という。) (4) N−オクタデシル−3,4−メチレンジオキシケイ
皮酸アミド(以下「T22−5AH−2」という。) 本発明の化合物のうち、T22−5A及びT22−6A
は、例えば、バンレイシ科植物 Xylopia aethiopica
種子を溶媒で抽出し、該抽出物から該化合物を採取する
ことにより製造することができる。
【0010】即ち、本発明の第2は、バンレイシ科植物
Xylopia aethiopica の種子を溶媒で抽出し、該抽出物
から一般式(1’):
【0011】
【化6】 Aryl−CH=CHCONHCH2 CH2 −R (1’) (式中、Arylは、3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニ
ル基又は3,4−ジヒドロキシフェニル基を表し、Rは
4−ヒドロキシフェニル基を表す。)で示されるケイ皮
酸アミド誘導体を採取することを特徴とする該ケイ皮酸
アミド誘導体の製造法である。
【0012】本発明の製造法で用いる抽出溶媒として
は、特に制限はないが、好ましくはメタノール、アセト
ン、クロロホルム、酢酸エチルが挙げられる。抽出に際
して、該植物の種子は、そのまま用いることもできる
が、破砕又は粉砕して溶媒との接触を高めることが好ま
しい。また、抽出前にヘキサン等の炭化水素系溶媒で脱
脂することが好ましい。
【0013】抽出温度は、好ましくは室温ないし溶媒の
常圧下での沸点の範囲内であり、抽出時間は、抽出温度
等により異なり、適宜選択すればよい。抽出物からの該
ケイ皮酸アミド誘導体の分離・精製は、例えば、シリカ
ゲルを用いた薄層クロマトグラフィー、カラムクロマト
グラフィーにより行うことができる。
【0014】また、本発明の化合物は化学的に合成する
こともできる。即ち、本発明の第3は、一般式(2):
【0015】
【化7】 Aryl−CH=CHCOX (2) (式中、Arylは、水酸基、低級アルコキシ基及びメチレ
ンジオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種以
上で置換されたフェニル基を表し、Xはハロゲン原子を
表す。)で示される酸ハロゲン化物を一般式(3):
【0016】
【化8】 NH2 CH2 CH2 −R (3) (式中、Rは水酸基で置換されたフェニル基又は炭素数
10〜20のアルキル基を表す。)で示されるアミン類と反
応させることを特徴とする前記ケイ皮酸アミド誘導体の
製造法である。
【0017】前記式(2)において、Xで示されるハロ
ゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子が挙げら
れる。この製造法で原料として用いる前記酸ハロゲン化
物(2)は、対応するケイ皮酸誘導体を塩化チオニル等
でハロゲン化することにより容易に製造することができ
る。
【0018】本発明の化合物及び前記抽出物は、シロア
リに対して摂食抑制作用を示し、シロアリ防除剤として
有用である。即ち、本発明の第4は、前記式(1)で示
されるケイ皮酸アミド誘導体を有効成分として含むシロ
アリ防除剤であり、本発明の第5は、バンレイシ科植物
Xylopia aethiopica の種子の抽出物を有効成分として
含むシロアリ防除剤である。
【0019】前記有効成分は、単独で用いてもよく、ま
た2種以上を混合して用いてもよい。これらの有効成分
は、そのまま用いることもできるが、通常はこれを水又
は適当な有機溶媒で希釈して、水溶剤、油剤として用い
てもよく、更に乳化剤、浸透剤、安定剤、増量剤、結合
剤、噴射剤等を添加して乳剤、粉剤、粒剤、エアゾール
等の剤形として用いてもよい。
【0020】製剤中の有効成分の濃度及び製剤の施用量
は、剤形、適用法、木材処理か土壌処理か、予防か駆除
か、シロアリの種類、シロアリによる被害の程度等に応
じてより適宜選択すればよい。本発明のシロアリ防除剤
は、ヤマトシロアリ、イエシロアリ等のシロアリ類の防
除に極めて有効である。
【0021】本発明のシロアリ防除剤は、有効成分その
もの又はその製剤をシロアリの発生箇所や巣、シロアリ
の被害を防止すべき土台、柱等の建築部材、建造物、そ
の周辺の土壌等に対して塗布、吹き付け、浸漬、注入、
散布、混合等することにより施用することができる。ま
た、シロアリの発生と被害の状況に応じて他のシロアリ
防除剤と組み合わせて用いることもできる。シロアリに
よる被害は、通常、木材腐朽菌による腐朽と同時に進行
する場合が多いので、特に防腐剤を併用することは有益
である。その他、防徽剤等を併用することもできる。
【0022】本発明のシロアリ防除剤は、シロアリの予
防及び駆除に有用であるが、そのシロアリに対する摂食
抑制作用から、予防により適している。本発明のシロア
リ防除剤は、その有効成分が天然由来の化合物又はその
類縁体であり、有害な重金属類やハロゲン類等を含んで
いないので、自然環境において蓄積・濃縮を起こすおそ
れがない。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定される
ものではない。 (実施例1) 抽出物の調製 原料としてナイジェリア連邦共和国のオグボモショ地方
で採集したバンレイシ科(Annonaceae)植物 Xylopia aet
hiopica の乾燥果実85g を用いた。さや(pod)から種子
を取り出し、粉砕して粉状物16g を得た。これをヘキサ
ン50mlで脱脂した後、メタノールで抽出した。残渣を濾
去し、溶媒を減圧下で留去して褐色固体粗抽出物を得
た。
【0024】(実施例2) 活性化合物の分離・精製 化合物は最初にプレパラティブ薄層クロマトグラフィー
・シリカゲルプレート、Merck PF-254, No.5744 を用い
て分離した。各プレートに粗抽出物40mgを負荷し溶媒系
D(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル:メタノール
=5:2.5:2.5:1(v/v/v/v)で展開した。活性化合物に対応
する2つのバンド、即ちT22−5AについてのRf=
0.31及びT22−6AについてのRf=0.23のバンドの
それぞれをかきとりアセトンで抽出した。アセトンを減
圧下で留去し、無定形粉末としてT22−5A 5mg及び
無定形白色粉末としてT22−6A 20mg を得た。純粋
な化合物を得るため、粗抽出物1gをシリカゲル Merck
No.7734を充填したカラム(20mm×150mm )に付した。
クロロホルム:メタノール(95:5)で溶出させてT22−
5A 24.2mg 及びT22−6A 103mgを得た。これらの
化合物の結晶化を試みると必ず無定形白色固形物を与え
る。次いで、これらの化合物を分析し、スペクトル分析
により構造を確認した。
【0025】以下に得られた化合物の物性等を示す。 (1) N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−
3−ヒドロキシ−4−メトキシケイ皮酸アミド(T22
−5A) 性状: 無色無定形粉末 分子量: 313 分子式: C1819NO4 UV: λmax (nm) 318(10082), 299(8276), 296
(8323), 261(5140) IRスペクトル:(KBr) cm-1 3350, 2920, 1650, 1590, 1505, 1480, 1260, 112
0, 1040, 880,810 (図1参照)1 H−NMRスペクトル:(270MHz,重アセトン,ppm
):2.75(2H,t,J=7.5Hz), 3.49(2H,m), 3.86(3H,s),
6.52(1H,d,J=15Hz),6.75(2H,d,J=8.5Hz), 6.83(1H,d,J=
8Hz), 7.05(2H,d,J=8.5Hz),7.02-7.14(2H,m), 7.35(1H,
m), 7.47(1H,d,J=15Hz), 8.30(2H,bs)(図2参照)13 C−NMRスペクトル:(67MHz ,重アセトン,ppm
):(OFR) 35.63(t), 41.92(t), 56.01(q), 111.18
(d), 115.97(d),119.72(s), 122.50(d), 128.05(s), 13
0.41(d), 130.88(s), 140.54(d),148.49(s), 149.06
(s), 156.64(d), 166.58(s)(図3参照) 質量スペクトル(EI−MS):m/z: 313(M+ ), 19
3, 177, 145, 120, 107, 89, 72 呈色反応:バニリン・スルフェート、ヨウ素、硫酸(10
%) 溶解性:アセトン、メタノールに溶解する。 (2) N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−
3,4−ジヒドロキシケイ皮酸アミド(T22−6A) 性状: 無色無定形粉末 分子量: 299 分子式: C1717NO4 UV: λmax (nm) 322(5273), 305(4972), 286(5
280), 264(4403) IRスペクトル:(KBr) cm-1 3040, 2950, 1650, 1600, 1510, 1460, 1440, 135
0, 1260, 1110,980, 820(図4参照)1 H−NMRスペクトル:(270MHz,重アセトン,ppm
):2.74(2H,t,J=7.5Hz), 3.46(2H,t,J=7.5Hz), 6.46
(1H,d,J=15Hz),6.79(2H,d,J=8.5Hz), 6.80-6.91(4H,m),
7.06(2H,d,J=8.5Hz),7.45(1H,d,J=15Hz) (図5参照)13 C−NMRスペクトル:(67MHz ,重アセトン,ppm
):(OFR) 41.66(t), 42.02(t), 114.79(d), 116.74
(d), 116.84(s),118.39(s), 121.66(d), 128.12(s), 13
0.69(d), 130.87(d), 140.88(d),146.17(s), 147.87
(s), 156.59(d), 166.96(s)(図6参照) 質量スペクトル(EI−MS):m/z: 299(M+ ), 28
2, 253, 226, 193, 180, 163, 137, 120, 108,91, 77 呈色反応:バニリン・スルフェート、硫酸(10%)、ヨ
ウ素 溶解性:アセトン、メタノールに溶解する。
【0026】(実施例3) N−[2−(4−ヒドロキ
シフェニル)エチル]−3,4−メチレンジオキシケイ
皮酸アミド(T22−5AH−1)の合成 3,4−メチレンジオキシケイ皮酸10g をジクロロメタ
ン75ml中で塩化チオニル25mlと共に還流下煮沸した。過
剰の塩化チオニルを減圧下で除去し、残渣をエーテル10
0ml に溶解した。エーテル溶液を5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。エーテルを減圧下で除去し、刺激性の酸塩化
物を得た。その構造は 1H−NMR及び13C−NMRス
ペクトルで確認した。
【0027】次いで、該酸塩化物2.4g、チラミン塩酸塩
2g、炭酸水素ナトリウム5gの混合物をジメトキシエタン
80ml中で還流下1時間加熱してT22−5AH−1を合
成した。溶媒を留去し、反応混合物を水で希釈してエー
テルで抽出した。エーテル層を希塩酸(1M)、水で洗
浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去
して得られた残渣を短いシリカゲルカラム Merck No.77
34によるクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:メ
タノール(9:1) で溶出させてT22−5AH−1 1.2g
を無色無定形粉末として得た。
【0028】以下にT22−5AH−1の物性等を示
す。 融点: 168-170 ℃ 分子量: 311 分子式: C1817NO4 UV: λmax (nm) 323(15928), 300(10050), 289
(13051), 260(7382) IRスペクトル:(KBr) cm-1 3850, 3520, 2950, 1660, 1610, 1540, 1510, 150
0, 1495, 1440,1240, 1110, 1040, 980, 920, 820 (図
7参照)1 H−NMRスペクトル:(270MHz,重アセトン,ppm
):2.74(2H,t,J=7.5Hz), 3.50(2H,m), 6.04(2H,s),
6.52(1H,d,J=16Hz),6.75(2H,d,J=8.5Hz), 6.85(1H,d,J=
7.5Hz), 7.15(2H,d,J=8.5Hz),7.02-7.10(2H,m), 7.43(1
H,m), 7.46(1H,d,J=16Hz), 8.28(1H,bs)(図8参照)13 C−NMRスペクトル:(67MHz ,重アセトン,ppm
):(OFR) 35.64(t), 41.91(t), 102.38(t), 106.82
(d), 109.12(d),115.99(d), 120.90(d), 124.23(d), 13
0.45(d), 130.57(s), 130.97(s),139.84(d), 149.19
(s), 149.69(s), 156.64(s), 166.19(s)(図9参照) 質量スペクトル(EI−MS):m/z: 311(M+ ), 22
5, 191, 175, 145, 135, 120, 107, 89, 77 呈色反応:バニリン・スルフェート、硫酸(10%)、ヨ
ウ素 溶解性:アセトン、メタノールに溶解する。
【0029】(実施例4) N−オクタデシル−3,4
−メチレンジオキシケイ皮酸アミド(T22−5AH−
2)の合成 実施例3に準じて、3,4−メチレンジオキシケイ皮酸
塩化物及びオクタデシルアミンを、トリエチルアミンの
存在下ジメトキシエタン中で反応させてT22−5AH
−2を得た。
【0030】以下にT22−5AH−2の物性等を示
す。 性状: 無色無定形粉末 融点: 100-101 ℃ 分子量: 443 分子式: C2845NO3 UV: λmax (nm) 375(2330), 366(2370), 319(7
640), 300(5705),289(6922), 262(5006) IRスペクトル:(KBr) cm-1 3300, 2950, 2840, 1640, 1610, 1540, 1520, 150
0, 1460, 1440,1260, 1110, 1040, 970, 920(図10参
照)1 H−NMRスペクトル:(270MHz,CDCl3 ,ppm
):0.85(3H,t,J=6Hz), 1.19-1.38(30H,m), 1.58(2H,
m), 3.39(2H,m),5.72(1H,m), 5.98(2H,s), 6.14(1H,d,J
=15Hz), 6.77(1H,d,J=8.5Hz),6.95-7.01(2H,m), 7.58(1
H,d,J=15Hz)(図11参照)13 C−NMRスペクトル:(67MHz ,CDCl3 ,ppm
):(OFR) 14.09(q), 22.66(t), 26.96(t), 29.33(t),
29.67(t), 31.89(t),39.80(t), 101.37(d), 106.29
(d), 108.48(d), 118.87(d), 123.74(d),129.31(s), 14
0.52(d), 148.21(s), 148.82(s), 166.00(s)(図12参
照) 質量スペクトル(EI−MS):m/z: 443(M+ ), 41
5, 308, 268, 246, 232, 218, 205, 190, 175,145, 13
5, 117, 89, 69 呈色反応:バニリン・スルフェート、ヨウ素、硫酸(10
%) 溶解性:アセトン、クロロホルム、酢酸エチル、メタノ
ールに溶解する。
【0031】(試験例1) 薄層クロマトグラフィーに
おける挙動(Rf) 前記化合物のTLCにおける挙動を4種の別個の溶媒
系、A、B、C及びDで調べた。これらの化合物は、U
Vランプのもとに 254nm及び365nm で観察することによ
り検出され、次いでバニリン・スルフェート又は10%硫
酸水溶液で噴霧した。その後、プレートを110 ℃で5−
10分間加熱した。
【0032】用いた溶媒系は以下のとおりである。 溶媒系: A クロロホルム:メタノール= 8.5:1.5(v/v) B クロロホルム:メタノール:酢酸エチル= 8:1:1(v
/v/v) C ベンゼン:酢酸= 9:1(v/v) D ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル:メタノール
= 5:2.5:2.5:1(v/v/v/v) また、プレートとしてはシリカゲルプレート 60F-254 M
erck No.5715を用いた。結果を以下に示す。
【0033】 化合物 A B C D T22−5A 0.84 0.33 0.77 0.31 T22−6A 0.67 0.20 0.59 0.23 T22−5AH−1 0.94 0.47 0.90 0.41 T22−5AH−2 0.97 0.97 0.94 0.84 (実施例5) シロアリに対する摂食抑制作用 シロアリとしては、三重県四日市及び鹿児島県鹿児島市
付近で採集したヤマトシロアリ(Reticulitermes sperat
us) の職蟻(3齢以上)を用いた。
【0034】試料調製物としては、純粋な(純度99%以
上の)本発明化合物をメタノールに希釈し、次の一連の
希釈液(以下の濃度は ppmで表す。): 10000/7500/5000/2500/1000/750/500/250/100 としたものを用いた。試料の活性は、摂食基質として円
形濾紙(ワットマン No.1 、上質、直径2.0cm 、厚さ0.
18mm) を用いて、選択摂食バイオアッセイ(choice feed
ing bioassay) で試験した。各実験について、直径55mm
のプラスチック製ペトリ皿にシロアリ職蟻30頭をおい
た。該皿の底は、砂(ナカライテスク社 sand C )で覆
われたゲル化寒天(gelified agar) (10g/l) の層で覆っ
た。各皿には、溶媒のみで処理した対照円形濾紙と試料
25μl で処理した円形濾紙をアルミホイル上においた。
各用量について同一の実験を3回行った。
【0035】円形濾紙当りの化合物の量は以下のとおり
である。 ppm: 10000 7500 5000 2500 1000 750 500 250 100 μg/濾紙: 250 187.5 125 62.5 25 18.75 12.5 6.25 2.50 μg/cm2: 79.57 59.68 39.78 19.89 7.95 5.96 3.97 1.98 0.79 シロアリは、14日間、27℃、湿度90%、暗所で濾紙を摂
食させた。14日後、シロアリを除去し、残った濾紙面を
測り、摂食抑制を評価した。
【0036】濾紙面は、ビデオ・インターフェース(Hyp
erScanner adaptor A-WOK HSC-IIR)を介して APPLE MA
CINTOSH SE 30Rコンピューターに接続されたビデオカメ
ラ(HITACHIR Camcorder VHSC VMS72) を用いて計測し
た。この方法は、スキャニング・ソフトウェア(VIDEO M
EDIATORR 1.01 Interware Co. Ltd.)によって制御され
た。データは、像編集ソフトウェア(image editing sof
tware)(SUPERPAINTR 1.1 MS Silicon Beach Software I
nc.) を用いて蓄積した。個々の濾紙面は、別のソフト
ウェア(SCALERR Hachinohe Firmware System)を用いて
測った。面単位としてスクエア・ドット(square dot)を
選んだ。
【0037】各組の実験について、無傷の濾紙(N=
6)を測り、平均標準面を算出した。その後、この面を
参照することにより、食べられた面積の百分率を算出し
た。抽出物の活性を測定するために、Alkofahiら(Alkof
ahi A., et al., 1989, ACS Symposium series No.387:
25-43, American Chemical Society; WashingtonD.C.)
により記述された摂食阻害指数を用いた。
【0038】
【数1】 20未満の値は摂食抑制活性であることを示す。0の値は
処理濾紙が食べられなかったことを示す。80を超える値
は強い摂食刺激効果を示す。
【0039】表1に、試験された全ての用量についての
摂食阻害指数(3回の反復実験の平均(I AVG) )をそれ
らの標準偏差(SD)とともに示す。
【0040】
【表1】
【0041】図13及び図14に、それぞれT22−5
A及びT22−6Aについての用量応答曲線を示す。化
合物T22−5Aは、T22−6Aよりも効果的であっ
た。また2つの合成類縁体T22−5AH−1及びT2
2−5AH−2も5000ppm の用量で有意に活性であるこ
とが認められた。
【0042】また、実施例1で得た粗製メタノール抽出
物の1%メタノール溶液について同様の試験を行ったと
ころ、強い摂食抑制効果が認められた。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、天然由来の化合物又は
その合成類縁体で安全性が高く、シロアリに対して摂食
抑制作用を示すケイ皮酸アミド誘導体を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化合物T22−5AのIRスペクトル
を示す図である。
【図2】本発明の化合物T22−5Aの 1H−NMRス
ペクトルを示す図である。
【図3】本発明の化合物T22−5Aの13C−NMRス
ペクトルを示す図である。
【図4】本発明の化合物T22−6AのIRスペクトル
を示す図である。
【図5】本発明の化合物T22−6Aの 1H−NMRス
ペクトルを示す図である。
【図6】本発明の化合物T22−6Aの13C−NMRス
ペクトルを示す図である。
【図7】本発明の化合物T22−5AH−1のIRスペ
クトルを示す図である。
【図8】本発明の化合物T22−5AH−1の 1H−N
MRスペクトルを示す図である。
【図9】本発明の化合物T22−5AH−1の13C−N
MRスペクトルを示す図である。
【図10】本発明の化合物T22−5AH−2のIRス
ペクトルを示す図である。
【図11】本発明の化合物T22−5AH−2の 1H−
NMRスペクトルを示す図である。
【図12】本発明の化合物T22−5AH−2の13C−
NMRスペクトルを示す図である。
【図13】本発明の化合物T22−5Aの用量応答曲線
を示す図である。
【図14】本発明の化合物T22−6Aの用量応答曲線
を示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 Aryl−CH=CHCONHCH2 CH2 −R (1) (式中、Arylは、水酸基、低級アルコキシ基及びメチレ
    ンジオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種以
    上で置換されたフェニル基を表し、Rは水酸基で置換さ
    れたフェニル基又は炭素数10〜20のアルキル基を表
    す。)で示されるケイ皮酸アミド誘導体。
  2. 【請求項2】 バンレイシ科植物 Xylopia aethiopica
    の種子を溶媒で抽出し、該抽出物から一般式(1’): 【化2】 Aryl−CH=CHCONHCH2 CH2 −R (1’) (式中、Arylは、3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニ
    ル基又は3,4−ジヒドロキシフェニル基を表し、Rは
    4−ヒドロキシフェニル基を表す。)で示されるケイ皮
    酸アミド誘導体を採取することを特徴とする該ケイ皮酸
    アミド誘導体の製造法。
  3. 【請求項3】 一般式(2): 【化3】 Aryl−CH=CHCOX (2) (式中、Arylは、水酸基、低級アルコキシ基及びメチレ
    ンジオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種以
    上で置換されたフェニル基を表し、Xはハロゲン原子を
    表す。)で示される酸ハロゲン化物を一般式(3): 【化4】 NH2 CH2 CH2 −R (3) (式中、Rは水酸基で置換されたフェニル基又は炭素数
    10〜20のアルキル基を表す。)で示されるアミン類と反
    応させることを特徴とする請求項1記載のケイ皮酸アミ
    ド誘導体の製造法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のケイ皮酸アミド誘導体を
    有効成分として含むシロアリ防除剤。
  5. 【請求項5】 バンレイシ科植物 Xylopia aethiopica
    の種子の抽出物を有効成分として含むシロアリ防除剤。
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