JPH06164835A - 透明原稿照明用の拡散部材および透明原稿照明方法 - Google Patents

透明原稿照明用の拡散部材および透明原稿照明方法

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JPH06164835A
JPH06164835A JP43A JP30888492A JPH06164835A JP H06164835 A JPH06164835 A JP H06164835A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 30888492 A JP30888492 A JP 30888492A JP H06164835 A JPH06164835 A JP H06164835A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】透明原稿読み取り方法において、シェーディン
グ分布を有効に均一化 【構成】光拡散面を有する拡散部材を介して裏面側から
照明された透明原稿の像を結像する1以上の結像レンズ
による各結像光束を、上記各結像レンズの光軸に稜線部
を合致させて配備された屋根型ミラーにより2分割し、
分割された各光束をそれぞれラインセンサ上に結像させ
ることにより、原稿を主走査方向に複数分割して読取る
原稿読取装置において、照明光源と透明原稿載置部との
間において主走査対応方向に沿って配備される拡散部材
10であって、各レンズ光軸AXに対応する部分に所定
幅の低拡散率部分aを有し、主走査対応方向における上
記低拡散率部分の両側が高拡散率領域b1,b2となっ
ていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は透明原稿照明用の拡散
部材および透明原稿照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】透明原稿を読み取る方法として、図12
に示す如き方法が意図されている。透明原稿0は、透明
原稿載置部であるコンタクトガラス2上を図面に直交す
る方向へ所定の速度で搬送されつつ、その裏面側から拡
散照明光で照明される。照明部において透明原稿を透過
した光束は結像レンズ4を、屋根型ミラー6が無ければ
原稿0の像Imを結像する。
【0003】結像レンズ4による結像光束は、結像レン
ズ4の光軸に稜線部を合致させた屋根型ミラー6により
2分割され、分割された光束の一方はラインセンサ81
のセンサ面位置に原稿0の半ライン分の像Im1を結像
し、他方の光束はラインセンサ82のセンサ面位置に原
稿0の残りの半ライン分の像Im2を結像する。
【0004】透明原稿載置部において、ラインセンサ8
1,82における光センサの配列方向に対応する方向を
「主走査方向」とよぶ。図12の例では、コンタクトガ
ラス2上において左右方向が主走査方向である。透明原
稿を裏面側から照明する照明部からラインセンサ81,
82に到る光路を、結像レンズ4の光軸に沿って直線的
に展開した仮想的な直線上光路を想定し、この仮想的な
光路上において主走査方向と平行的に対応する方向を
「主走査対応方向」と称する。
【0005】透明原稿0を、図面に直交する方向へ移動
させつつ、ラインセンサ81,82を駆動すれば、透明
原稿0上の画像情報が1ラインづつ読み取られて画素ご
とに信号化される。このとき、透明原稿における主走査
方向の1ラインの、図12における左半分がラインセン
サ81により読み取られ、右半分はラインセンサ82に
より読み取られる。
【0006】このような読み取り方法において、透明原
稿0を裏面側から、主走査方向に均一な拡散照明光で照
明した場合、ラインセンサ81,82におけるセンサ面
における照度分布比のセンサ面位置との関係、即ちシェ
ーディング分布は、図13に実線で示すようになり、原
稿中心(結像レンズ4の光軸の延長と原稿面との交わる
位置)近傍での照度が低くなり、この部分で読み取り信
号のS/N比が低下して読み取り不全が生じやすいとい
う問題がある。
【0007】このような問題を解決するべく、上記シェ
ーディング分布を均一化する方法としては、結像レンズ
の像側においてフィルタもしくは絞り板により、結像光
束の一部を遮断する方法(特開昭61−232763号
公報)を利用することができるが、この方法では、結像
光束の一部をラインセンサのセンサ面に体して遮断する
ことによりシェーディング分布の照度の大きい部分の照
度を低減化して全体のの照度均一化を図っているため、
光の無駄が多く、例えば高速読み取りの場合などのよう
に、センサ面に大きな照度を必要とする場合には照明光
源の発光量を増大させねばならないという問題があっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上述した事
情に鑑みてなされたもので、上記の如き透明原稿読み取
り方法において、シェーディング分布を有効に均一化で
きる透明原稿照明用の拡散部材と、この拡散部材を用い
た透明原稿照明方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の透明原稿照明
用の拡散部材は、「光拡散面を有する拡散部材を介して
裏面側から照明された透明原稿の像を結像する1以上の
結像レンズによる各結像光束を、上記各結像レンズの光
軸に稜線部を合致させて配備された屋根型ミラーにより
2分割し、分割された各光束をそれぞれラインセンサ上
に結像させることにより、原稿を主走査方向に複数分割
して読取る原稿読取装置において、照明光源と透明原稿
載置部との間において主走査対応方向に沿って配備され
る拡散部材」である。
【0010】このように、この発明では、原稿を主走査
方向に複数分割して読み取る読み取り方法が前提であ
る。この原稿読み取り方法において、分割数が2である
場合は図12に即して上に説明した。図12の読み取り
光学系を主走査対応方向に、例えば2セット併設すれ
ば、原稿を主走査方向に4分割して読み取ることができ
るし、3セット以上併設すれば6分割以上に分割して読
み取ることができる。上の説明において、結像レンズが
1のときは、透明原稿は主走査方向に2分割して読み取
られるし、結像レンズが2以上のときは、透明原稿は2
分割以上に分割して読み取られる訳である。
【0011】拡散部材は、「各レンズ光軸に対応する部
分に所定幅の低拡散率部分を有し、主走査対応方向にお
ける上記低拡散率部分の両側が高拡散率領域となってい
る」ことを特徴とする。
【0012】このような拡散部材は、「透明板の片面を
均一な拡散面とし、他方の面は各結像レンズ光軸に対応
する部分を透明部として残し、主走査対応方向における
上記透明部の両側部分を拡散面とする」こともできるし
(請求項2)、「透明ガラス内部に分散させた拡散物質
の分散量分布により低拡散率部分と高拡散率領域とを形
成する」こともできる(請求項3)。
【0013】上記請求項2記載の拡散部材においては、
「透明部の両側の拡散面部分の拡散率を、主走査対応方
向において、透明部から段階的もしくは連続的に高くす
る」ことができる(請求項4)。また、拡散部材を2枚
の透明板により構成することもできる。即ち、請求項5
に記載された拡散部材のように、「互いに平行に重複し
あう2枚の透明板の一方に均一な拡散面を形成し、他方
の透明板には、各結像レンズ光軸に対応する所定幅部分
を透明部として残し、主走査対応方向における上記透明
部の両側部分に拡散面を形成し、これら2枚の透明板の
間隔を調整可能とする」ことができる。
【0014】請求項6記載の発明は、上記請求項2また
は4記載の拡散部材を用いて透明原稿を照明する方法で
あって、「照明光源と透明原稿載置部との間に、請求項
2もしくは4記載の拡散部材を、透明部の設けられてい
る側の面が透明原稿の側になるように配備して透明原稿
の照明を行う」ことを特徴とする。
【0015】請求項7記載の発明は、上記請求項5記載
の拡散部材を用いて透明原稿を照明する方法であって、
「請求項5の拡散部材を構成する2枚の透明板のうち、
の均一な拡散面を形成された透明板を照明原稿と透明原
稿載置部の間の定位置に固定し、他方の透明板の位置
を、上記固定された透明板と原稿載置部との間で、上記
固定された透明板に対する間隔を調整して透明原稿の照
明を行う」ことを特徴とする。
【0016】
【作用】図1(A)は、この発明の拡散部材を、原稿読
み取りに用いる結像レンズが1個である場合に就き概念
的に示している。図中、符号AXは結像レンズの光軸を
示し、図の左右方向が主走査対応方向である。拡散部材
10は、主走査対応方向の中央部の、結像レンズ光軸A
Xに対応する部分に低拡散率部分aを有し、主走査対応
方向において、低拡散率部分aの両側は高拡散率領域と
なっている。図1(B)は、同図(A)の拡散部材にお
ける、主走査対応方向における拡散率Dの分布を示して
いる。なお、図1(A)における図面に直交する方向に
於いては拡散率は一定である。
【0017】例えば、図1(A)に示すように、拡散部
材10の片側から、拡散部材10に直交するように平行
光束を照射すると、拡散部材10を透過した光束は拡散
光束となる。低拡散率部aを透過した光は、高拡散率領
域b1,b2を透過した光束に比べると、拡散の度合い
が小さく、高拡散率領域を透過した光束に比べるとな
お、拡散部材10に直交する方向への指向性を留めてい
る。
【0018】このため、このような拡散部材10を介し
て透明原稿を裏面側から照射するときは、結像レンズ光
軸AXに対応する原稿部分、即ち原稿中央部の照明照度
が相対的に他の部分よりも高くなり、上記原稿中央部を
ピークとし、主走査対応方向両端部側へ低くなる山形の
照度分布が得られる。この照度分布は、低拡散率部aと
高拡散率領域の拡散率の大小関係や、低拡散率部aの
幅、あるいは拡散部材と透明原稿との距離等により変化
するので、これらを調整することにより、シェーディン
グ分布が良好に均一化するようにするのである。
【0019】
【実施例】以下、具体的な実施例を説明する。前述のよ
うに、この発明は、結像レンズを2個以上として、透明
原稿の主走査方向の1ラインを4以上の複数に分割して
読み取る場合にも適用できるが、以下の実施例では簡単
のために、結像レンズ1個を用い、図12に示すような
方式で、透明原稿をの主走査の1ラインを2分割して読
み取る場合を例として説明する。なお、図2〜図4にお
いて、図の左右方向が主走査対応方向である。
【0020】図2に示す実施例は、請求項2記載の拡散
部材の1例である。拡散部材100は、透明板である透
明ガラスにより構成される。透明ガラスの片面は均一な
「粗し処理」により均一な拡散面Aに形成されている。
また他方の面は、結像レンズ光軸AXに対応する部分が
透明部Cとして残され、主走査対応方向における透明部
Cの両側の部分は、均一な拡散面Bに形成されている。
【0021】図2に示す実施例の変形例として、拡散面
Bにおいて、拡散率が透明部Cを主走査対応方向に離れ
るに従って、段階的もしくは連続的に高くなるようにす
ることができる(請求項3)。
【0022】図3(A)に示す実施例は、請求項4記載
の拡散部材の実施例である。この実施例による拡散部材
200は透明板としての透明ガラスに拡散材料(例えば
光反射性の微粒子あるいは発砲剤による微細な泡)を分
散させることにより所望の拡散率を付与したものであっ
て、低拡散率部分200aと高拡散率領域200b1,
200b2とでは、拡散材料の分散量が異なっている。
分散量を光軸AXを主走査対応方向へ離れるに従い。連
続的もしくは段階的に増大させれて拡散率の分布を形成
してもよい。
【0023】図3(B)に示す実施例は変形例である。
この例では、拡散材料は透明ガラスに均一に分散されて
おり、低拡散率部分200Aaは、透明ガラスの厚さを
小さくすることにより、他の部分よりも「拡散材料の分
散量が少ない」状態を実現している。この場合も、低拡
散率部分における透明ガラスの厚さが連続的もしくは段
階的に変化するようにして拡散率の分布を形成してもよ
い。
【0024】別の変形例として、透明ガラスの片面側か
ら拡散物質の分散を行い、分散層の厚さを管理すること
により、上記2例と同様の機能を持つ拡散部材を作製す
ることもできる。
【0025】図4に示す実施例は請求項5記載の拡散部
材の実施例である。拡散部材300は、互いに平行に重
複しあう2枚の透明板(透明ガラス)301,303に
より構成されている。透明板301の片面には均一な拡
散面300Aが形成され、透明板300Bには、結像レ
ンズ光軸AXに対応する部分が透明部300Cとして残
され、この透明部300Cの主走査対応方向における両
側の領域は拡散面300Bに形成されている。透明板3
03は、透明板301に対して、光軸AX方向へ変位可
能であり、両透明板301,303間の間隔dを調整で
きるようになっている。
【0026】以下、具体的な透明原稿照明方法の実施例
を説明する。図5は、原稿読み取り装置の1例を示して
いる。符号11は照明装置、符号30はコンタクトガラ
ス(透明原稿載置部)、符号32はミラー、符号40は
結像レンズ、符号50は屋根型ミラー、符号53はライ
ンセンサを示している。主走査対応方向は図面に直交す
る方向である。
【0027】透明原稿0は、コンタクトガラス30上を
矢印方向へ搬送されつつ読み取られる。即ち、照明装置
11において図面に直交する方向に長い管状の照明ラン
プ13を発光させると、同ランプ13からの直接光束お
よびリフレクタ15による反射光束はミラー17により
反射され、拡散部材20により拡散光束となって、透明
原稿0を裏面側から照明する。
【0028】透明原稿を透過した光は、ミラー32を介
して結像レンズ40に入射し、これを透過すると、屋根
が他ミラー50により2分割され、各分割された光束
は、それぞれラインセンサのセンサ面上に結像し、ライ
ンセンサにより読み取られる。
【0029】以下に先ず、図5の拡散部材20として、
図2に即して説明した拡散部材10を用いる場合に就き
説明するが、説明に先立ち図6に即して用語の説明を行
う。図6において上方は光源側、下方は透明原稿側であ
る。光源側から拡散部材10に入射する光束は先ず拡散
面Aを透過して拡散光束となる。この拡散光束のうち
で、さらに拡散面Bを透過する光束をAB光束、透明部
Cを透過する光束をAC光束と呼ぶ。
【0030】AB光束とAC光束とを比較すると、AB
光束は拡散面A,Bによる拡散作用を受け、AC光束に
比してより高度に拡散光束化されているが、AC光束
は、拡散面Aのみにより拡散されているので、AB光束
に比べるとより指向性が高い。なお、拡散面A,Bの拡
散率を相互に調整することにより、AB光束,AC光束
の相対的な拡散程度を調整できる。
【0031】図5に、符号15で示す管状の照明ランプ
としては蛍光灯やハロゲンランプを用いることができ、
ハロゲンランプを用いる場合には、結像レンズ40のコ
サイン4乗則等を考慮して、フィラメントの配置や大き
さが定められる。このため拡散部材に照射される照明光
は、一般には主走査対応方向に均一な強度分布を有する
訳でなく、主走査対応方向両端部へ向かうにつれて光強
度が強くなるのが一般的であるが、ここでは、説明の簡
単のために、照明光源により拡散部材20に照射される
照明光束の光強度が、主走査対応方向には均一であるも
のとして説明を行う。
【0032】図7(A)のように、拡散板として、図2
に即して説明した拡散板100を、その拡散面Aの側が
光源側となるようにして用いると、拡散面Aを透過して
拡散性を与えられた光による、拡散部材100の射出面
側(拡散面Bが形成されている側の面)における照度分
布は、図7(B)に直線7Aで示すように、主走査対応
方向において均一になる。従って、この光が透明部Cを
透過し、もしくは拡散面Bを透過して、透明原稿を裏面
側から照射すると、結像レンズの光軸近傍にある透明原
稿部分は主としてAC光束により照明され、上記光軸を
離れた部分は主としてAB光束により照明されることに
なる。
【0033】透明原稿の原稿面における、上記AB光
束,AC光束による相対的な照度分布は図7(C)に示
す如くであり、原稿面照度分布は、同図に示すようにA
B,AC光束による照度分布の和である。図では照度分
布のピーク値を1として規格化してある。このようにし
て、原稿中央部の照度が、周辺部の照度の略2倍の明る
さで照明されるので、図5に示す読み取り装置で透明原
稿0の読み取りを行っても、ラインセンサのセンサ面に
おけるシェーディング分布は、図13に破線で示すごと
く略均一となり、良好な読み取りが可能である。
【0034】上記の如く、拡散部材として、図2に示し
た拡散部材100を用いる場合、均一な拡散面Aが形成
された側を光源側にして、照明光の拡散を行ったが、拡
散面Aの側を光源側にすることには理由がある。
【0035】図8(A)に示すように、拡散面Aの側を
原稿側(図の下側)にして照明光の拡散を行うと、図8
(A)に示すように、透明部Cに対応する拡散面Aの部
分で透明部Cを透過した光束と、拡散面Bにより拡散さ
れた光とが重複する領域(ハッチを施した部分)が存在
する。このため、拡散面Aの位置における照度分布は図
8(B)に示すように結像レンズ光軸(縦軸に一致)位
置におけるよりも照度の大きい部分が、上記光軸の両側
にでき、この2ピーク形状の照度分布が影響して、透明
原稿の原稿面における主走査対応方向における照度分布
も、図8(C)に示すように、原稿中央部(縦軸に一
致)の両側に照度のピークが現れ、このような照度分布
の光で透明原稿の照明を行うと、センサ面でのシェーデ
ィング分布が均一にならず、読み取り不全を生じるおそ
れがある。
【0036】図5における拡散部材20としては、図3
に示す拡散部材200,200Aを利用できることはい
うまでもない。
【0037】また、図5の拡散部材20として、図4に
示す拡散部材300を用いる場合には、透明板301を
照明光源側にして定位置に固定し、透明板303の位置
を透明板301と原稿載置部との間で変位調整する。こ
の場合、原稿面における照度分布は図7(C)に示すも
のと同様のものとなるが、透明板303を原稿載置部に
近付けるほど、原稿面上の照度分布の山の幅は透明部3
00Cの幅に近づき、ピークの高さも高くなる。逆に、
透明板303が原稿載置部から遠ざかると、原稿面にお
ける照度分布の山の幅が広がり、ピークの高さも低くな
る。即ち、透明板3030の位置調整は、透明部300
Cの主走査対応方向の幅を変化させるのと同様の結果を
生むのである。このことを利用して、原稿面上に適正な
照度分布を容易に実現することができる。
【0038】前述したように、図5に示す原稿読み取り
装置において、照明ランプ13としてハロゲンランプを
用いることができる。ハロゲンランプは発光量が大き
く、高速の読み取りに適しているが、読み取りの速度を
さらに高速化する場合には、透明原稿載置部に大きな照
明光量が必要とされる。
【0039】このような場合に、図2に示した拡散部材
100を用いるには、拡散面Aにおける拡散率を、照明
ランプ13におけるフィラメントの分布をぼかせる程度
に小さく抑えてることが考えられる。このように、拡散
面Aにおける拡散率を小さく抑えると、拡散面Aと透過
した光にかなりの指向性が残るため、原稿載置部におけ
る主走査方向の照度分布が、図10に示すように、原稿
中央部(結像レンズ光軸位置に相当、図の縦軸に一致)
近傍で、直線を屈曲させた凸状の分布となる。
【0040】このような照度分布で原稿照明を行うと、
ラインセンサのセンサ面上における照度分布即ち、像面
照度分布(原稿面照度分布をシェーディング形状で変調
したものになる)には、図のように原稿中央部の近傍に
対応する位置でピークが現れ適正な原稿読み取りを妨げ
るおそれがある。このような、像面照度分布のピーク
は、透明領域C(図2参照)とその両側の拡散面Bとの
境界における拡散率の急激な変化に原因がある。従っ
て、請求項4記載の拡散部材のように、透明部の両側に
設けられる拡散面Bにおける拡散率を、透明部の側から
主走査対応方向両側へ向かって連続的もしくは段階的に
大きくすることによって解消できる。
【0041】図9の(C)は、原稿側における透明部
の、主走査対応方向の両側に、拡散率の低い部分b1
0、拡散率が中程度の部分b20および拡散率の高い領
域b30を形成した拡散部材の例を示している。
【0042】このように、拡散率が段階的に変化する拡
散面を形成する方法としては、例えば、領域b10,b
20,b30をそれぞれ別個の粗さを持つ研磨剤で研磨
する方法が考えられるが、このような方法で拡散率の段
階的変化をもった拡散面を形成する場合、図11(A)
に示すように拡散率の切り替わる部分が重複して研磨さ
れるたり、あるいは研磨がされずに透明のまま残された
りすると、段階的な粗さの変化をうまく形成できず、図
11の(B)の左側に示すように、原稿面照度分布に急
峻な凹凸による乱れが発生し、適正な読み取りを大きく
妨げることになりやすい。
【0043】これを防止するには、図9(A)に示すよ
うに、先ず、低い拡散率を有する領域b10を、透明部
Cの両側に一様に形成する。このときは、比較的細かい
研磨材を用いて研磨する。次に、研磨された領域の内、
低い拡散率をもつ領域を残してその両外側を均一に研磨
して、中程度の拡散率を持つ領域b20を形成する。こ
のとき研磨剤としては、既に研磨された「拡散率の低
い」領域に対して研磨を行ったとき、所望の「中程度の
拡散率」が得られるような粗さのものを用いる。
【0044】次に、領域b20における「中程度の拡散
率」を有する部分を残し、その両側の部分をさらに研磨
して、「高い拡散率」を有する領域b30を形成する。
研磨剤としては、既に研磨された「中程度の拡散率」領
域に対して研磨を行ったとき、所望の「高い拡散率」が
得られるような粗さのものを用いる。このようにすれ
ば、拡散率が所望の段階的変化を持つ拡散面を確実に形
成できる。
【0045】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、新規
な透明原稿照明用の拡散部材および透明原稿照明方法を
提供できる。この発明は上述の如き構成となっているの
で、この発明の拡散部材を用いて透明原稿を所望の照度
分布で照明でき、シェーディング分布にも拘らず、S/
N比の高い原稿読み取りを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の透明原稿照明用の拡散部材を説明す
るための図である。
【図2】請求項2記載の拡散部材を説明するための図で
ある。
【図3】請求項3記載の拡散部材を説明するための図で
ある。
【図4】請求項5記載の拡散部材を説明するための図で
ある。
【図5】この発明の透明原稿照明方法を適用できる透明
原読み取り装置を説明するための図である。
【図6】図2に示した拡散部材を介した原稿照明を説明
するための図である。
【図7】図2に示した拡散部材を用いる原稿照明を説明
するための図である。
【図8】図2に示した拡散部材の向きを逆にして原稿照
明を行う場合の不具合を説明するための図である。
【図9】請求項4記載の拡散部材と、その作製方法を説
明するための図である。
【図10】請求項4記載の拡散部材の必要性を説明する
ための図である。
【図11】請求項4記載の拡散部材に就き、図9に示す
作製方法の有為性を説明するための図である。
【図12】従来技術を説明するための図である。
【図13】図12に示す従来技術における、シェーディ
ング分布を説明するための図である。
【符号の説明】
10 拡散部材 a 低拡散領域 b1,b2 高拡散領域 D 拡散率

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光拡散面を有する拡散部材を介して裏面側
    から照明された透明原稿の像を結像する1以上の結像レ
    ンズによる各結像光束を、上記各結像レンズの光軸に稜
    線部を合致させて配備された屋根型ミラーにより2分割
    し、分割された各光束をそれぞれラインセンサ上に結像
    させることにより、原稿を主走査方向に複数分割して読
    取る原稿読取装置において、照明光源と透明原稿載置部
    との間において主走査対応方向に沿って配備される拡散
    部材であって、 各レンズ光軸に対応する部分に所定幅の低拡散率部分を
    有し、主走査対応方向における上記低拡散率部分の両側
    が高拡散率領域となっていることを特徴とする、透明原
    稿照明用の拡散部材。
  2. 【請求項2】請求項1記載の拡散部材において、 透明板の片面を均一な拡散面とし、他方の面は各結像レ
    ンズ光軸に対応する部分を透明部として残し、主走査対
    応方向における上記透明部の両側部分を拡散面としたこ
    とを特徴とする、透明原稿照明用の拡散部材。
  3. 【請求項3】請求項1記載の拡散部材において、 透明ガラス内部に分散させた拡散物質の分散量分布によ
    り低拡散率部分と高拡散率領域とを形成したことを特徴
    とする、透明原稿照明用の拡散部材。
  4. 【請求項4】請求項2記載の拡散部材において、 透明部の両側の拡散面部分の拡散率が、主走査対応方向
    において、透明部から段階的もしくは連続的に高くなっ
    ていることを特徴とする透明原稿照明用の拡散部材。
  5. 【請求項5】請求項1記載の拡散部材において、 互いに平行に重複しあう2枚の透明板の一方に均一な拡
    散面を形成し、他方の透明板には、各結像レンズ光軸に
    対応する所定幅部分を透明部として残し、主走査対応方
    向における上記透明部の両側部分に拡散面を形成し、 上記2枚の透明板の間隔を調整可能としたことを特徴と
    する、透明原稿照明用の拡散部材。
  6. 【請求項6】請求項2または4記載の拡散部材を照明光
    源と透明原稿載置部との間に、透明部の設けられている
    側の面が透明原稿の側になるように配備して透明原稿の
    照明を行うことを特徴とする、透明原稿照明方法。
  7. 【請求項7】請求項5記載の拡散部材の均一な拡散面を
    形成された透明板を照明原稿と透明原稿載置部の間の定
    位置に固定し、他方の透明板の位置を、上記固定された
    透明板と原稿載置部との間で、上記固定された透明板に
    対する間隔を調整して透明原稿の照明を行うことを特徴
    とする、透明原稿照明方法。
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