JPH06164432A - 無線受信機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ループアンテナ８を備える無線受信機１にお
いて、ループアンテナ８の開口面内に電子部品９を配置
し、且つこの電子部品９を非磁性材料により形成する。
例えば、ループアンテナ８の開口面内に配置するのはス
イッチ部品９であって、そのスイッチ固定用フレーム９
５を非鉄系金属により形成する。 【効果】 ループアンテナ８の開口面内のスペースを利
用してスイッチ部品等の電子部品９を配置することがで
き、しかも、磁束漏れを発生し難くすることができ、従
って、ループアンテナ８の受信感度に対する影響を極力
少なくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ループアンテナを備え
るページャー等の無線受信機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】アンテナが受信する呼出信号により電話
連絡が必要である旨を、報知音、表示等の点灯あるいは
振動によって報知するページャーが、企業や個人に広く
普及して利用されており、さらに、呼出信号にメッセー
ジを付加して送信することにより電話連絡先の電話番号
や連絡先名、連絡時間等を表示するようにしたページャ
ーも広く普及している。このようなページャーにおいて
は、一般に、ループアンテナが採用され、また、スイッ
チ部品に関して、従来は、鉄（Ｆｅ）系の材質を用いて
スイッチ固定フレームに使用するのが通常であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、Ｆｅ系材質
によるスイッチ固定フレームは、アンテナの受信感度に
影響を及ぼすことが多く、受信感度の低下につながるこ
とが多い。即ち、ループアンテナは、その開口面に到来
電波の磁界成分が通過することにより受信するが、その
開口面内において、磁性材料がアンテナに近付いて実装
されることで、磁束漏れが発生し、受信感度の低下につ
ながってしまう。このため、ページャーにおいては、ル
ープアンテナの開口面内にスイッチ類を配置しないのが
実情であった。

【０００４】そこで、本発明の目的は、ループアンテナ
を備えるページャー等において、そのループアンテナの
開口面内のスペースを利用してスイッチ等の電子部品を
配置しながらも、受信感度に対する影響を少なくできる
ようにした無線受信機を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
本発明は、ループアンテナを備える無線受信機におい
て、前記ループアンテナの開口面内に電子部品を配置
し、且つこの電子部品を非磁性材料により形成したこと
を特徴とする。例えば、前記電子部品はスイッチ部品で
あって、そのスイッチ固定用フレームを非鉄系金属によ
り形成する。

【０００６】

【作用】非磁性材料による電子部品、例えば、スイッチ
固定用フレームを非鉄系金属により形成したスイッチ部
品等をループアンテナの開口面内に配置してなる無線受
信機なので、ループアンテナの開口面内のスペースを利
用してスイッチ部品等の電子部品を配置しながらも、そ
の部品材質が非磁性材料であることから、磁束漏れが発
生し難くなり、従って、ループアンテナの受信感度に対
する影響が極力少なく抑えられる。

【０００７】

【実施例】以下に、本発明に係る無線受信機の実施例を
図１乃至図４に基づいて説明する。先ず、本発明を適用
した無線受信機の一例としてのページャー１の部品実装
を示す図１および図２において、２は表示部、３は電池
収納部、４はスピーカー、５は電源スイッチ、６，７は
回路基板、８はループアンテナ、９，９，９は電子部品
であるスイッチ部品である。

【０００８】ページャー１は、図略した本体ケース内
に、図示のような各種部品を実装してなる。即ち、本体
ケースの上面に、自己の呼出信号に付加されるメッセー
ジ情報を表示する液晶画面による表示部２を配置すると
共に、例えば、この表示部２と平行して電池収納部３を
配置している。また、本体ケースの短辺側の一端面に
は、自己の呼出信号の受信により報知音を出すスピーカ
ー４と、電源スイッチ５とを配置している。

【０００９】さらに、表示部２の下側に、データ処理部
を構成する回路基板６を配して、本体ケースの下面側
に、受信部を構成する回路基板７を配置している。そし
て、本体ケースの長辺側の一端面であって、図示では、
電池収納部３と反対側に、呼出信号受信用のループアン
テナ８を配置すると共に、このループアンテナ８の開口
面内には、電子部品である３個のスイッチ部品９，９，
９を横方向に並べて配置している。

【００１０】ここで、ループアンテナ８は、本体ケース
の長辺側端面の面積を有効に利用して図示のように、ほ
ぼ閉ループ形状をなしており、その両端部８１，８２が
受信部用の回路基板７の回路端子部に各々半田付けによ
り接続されている。また、このループアンテナ８の開口
面内に配置される３個のスイッチ部品９，９，９は、デ
ータ処理部用の回路基板６に各々取り付けられるもので
ある。例えば、この３個のスイッチ部品９，９，９は、
受信され内部メモリに記憶されているいくつかのメッセ
ージ情報を順番に読み出して表示させるメモリースイッ
チ、その読み出された、または受信した１件のメッセー
ジが１回の表示で表示しきれない場合に、表示されなか
った残りの部分を表示させるページスイッチ、放音や表
示を消すためのリセットスイッチ等を構成する。

【００１１】以上において、スイッチ部品９は、図３お
よび図４に示すように、スイッチ本体９１、スイッチ作
動部９２、端子部９３，９３およびスイッチ固定フレー
ム９５から構成されている。そして、特に、スイッチ固
定フレーム９５を、非磁性材料である非鉄系金属により
形成している。

【００１２】即ち、スイッチ本体９１は、スイッチ作動
部９２を前面に備えて、一対の端子部９３，９３を上面
に備えたプッシュ式のものである。このスイッチ本体９
１を囲むようにして保持するスイッチ固定フレーム９５
は、前面部９６と、左右両側の側面部９７，９７と、上
部折曲片９８と、左右両側の下部に設けた取付片部９
９，９９とを備えている。なお、前面部９６には、スイ
ッチ作動部９２を突出させる孔部９６ａを形成して、側
面部９７，９７には、スイッチ本体９１後面に重なる後
部折曲片９７ａ，９７ａを形成している。

【００１３】実施例では、このスイッチ固定フレーム９
５を、非磁性材料であって、非鉄系金属の一つである黄
銅により形成した。以上の構成によるスイッチ部品９
は、その端子部９３，９３がデータ処理用の回路基板６
の回路端子部に各々半田付けにより接続されると共に、
スイッチ固定フレーム９５の取付片部９９，９９が同じ
く回路基板６上に各々半田付けにより固定されている。
このようにして、ページャー１のループアンテナ８の開
口面内で平面的に重なる位置に、電子部品である３個の
スイッチ部品９，９，９を横方向に並べて配置してい
る。

【００１４】以上の構成によるページャー１によれば、
先ず、ループアンテナ８の開口面のスペースを有効に利
用して３個のスイッチ部品９，９，９を配置することが
できる。そして、そのループアンテナ８開口面内のスイ
ッチ部品９，９，９を構成するスイッチ固定フレーム９
５，９５，９５の材料として、非磁性体である非鉄系の
黄銅を使用したため、到来電波の磁界成分が通過するル
ープアンテナ８の開口面内において、磁束漏れが発生し
難くなる。即ち、ループアンテナ８の電磁回路の安定化
が得られる。従って、携帯性の利便のために高密度実装
が要求されるページャー１において、ループアンテナ８
の受信感度に対する影響を極力少なくできるといった利
点が得られる。

【００１５】図５、図６、図７および図８は、実際に、
アンテナ開口領域とスイッチ固定用フレーム９５の材質
を変化させたときのループアンテナ８の受信感度変化を
測定した結果を示すデータである。このデータ結果から
明らかなように、従来の鉄系材質によるスイッチ固定フ
レームの場合を示したノーマルＳＷ（Ｆｅ）と比較し
て、どの帯域においても必ず、非鉄系（ＢＳ系）材質に
よるスイッチ固定フレーム９５の場合を示したＢＳＳＷ
（黄銅）の方が、ループアンテナ８の受信感度が良くな
っていることが判る。また、同時に、アンテナ開口領域
に依る場合よりも、効果大であることも判る。

【００１６】なお、以上の実施例においては、ページャ
ーとしたが、他の携帯用の無線受信機であってもよく、
さらに、ループアンテナの開口面内に配置する部品をス
イッチ部品としたが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、他の電子部品であってもよい。また、ループア
ンテナの具体的構成や配置箇所、非磁性材料の具体的材
質等も任意であり、その他、スイッチ部品を含む電子部
品の具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であ
ることは勿論である。

【００１７】

【発明の効果】以上のように、本発明に係る無線受信機
によれば、非磁性材料による電子部品、例えば、請求項
２のように、スイッチ固定用フレームを非鉄系金属によ
り形成したスイッチ部品等をループアンテナの開口面内
に配置してなる構成のため、ループアンテナの開口面内
のスペースを利用してスイッチ部品等の電子部品を配置
することができ、しかも、その部品材質を非磁性材料と
したため、磁束漏れを発生し難くすることができ、従っ
て、ループアンテナの受信感度に対する影響を極力少な
くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した無線受信機の一例としてのペ
ージャーの部品実装を示す概略平面図である。

【図２】同じくそのループアンテナを備える端面側から
見た概略側面図である。

【図３】ループアンテナの開口面内に配置するスイッチ
部品を拡大して示す単品平面図である。

【図４】同じくスイッチ部品の単品正面図である。

【図５】ループアンテナの開口面内に配置するスイッチ
部品を鉄系と非磁性材料（非鉄系金属）として、各々の
受信感度変化を測定して比較した第１のデータ例を示す
受信感度特性図である。

【図６】同じく第２のデータ例を示す受信感度特性図で
ある。

【図７】同じく第３のデータ例を示す受信感度特性図で
ある。

【図８】同じく第４のデータ例を示す受信感度特性図で
ある。

【符号の説明】

１ 無線受信機（ページャー） ２ 表示部 ３ 電池収納部 ４ スピーカー ５ 電源スイッチ ６，７ 回路基板 ８ ループアンテナ ９ 電子部品（スイッチ部品） ９１ スイッチ本体 ９２ スイッチ作動部 ９３ 端子部 ９５ スイッチ固定フレーム ９９ 取付片部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ループアンテナを備える無線受信機にお
   いて、 前記ループアンテナの開口面内に電子部品を配置し、 且つこの電子部品を非磁性材料により形成してなること
   を特徴とする無線受信機。
2. 【請求項２】 前記電子部品はスイッチ部品であって、
   そのスイッチ固定用フレームを非鉄系金属により形成し
   たことを特徴とする請求項１記載の無線受信機。