JPH0616435A - 光学素子の成形装置 - Google Patents

光学素子の成形装置

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JPH0616435A
JPH0616435A JP17227492A JP17227492A JPH0616435A JP H0616435 A JPH0616435 A JP H0616435A JP 17227492 A JP17227492 A JP 17227492A JP 17227492 A JP17227492 A JP 17227492A JP H0616435 A JPH0616435 A JP H0616435A
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    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
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    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光学素子を大量に生産する場合でも、型部材を
加熱するためのエネルギーを少なくでき、且つ冷却工程
においても速やかに型部材を冷却することができる様な
光学素子の成形装置を提供する。 【構成】加熱されることにより軟化状態となっているガ
ラス素材50をプレスして、ガラス素材50の表面に所
望の形状を転写するための上型部材24及び下型部材2
6と、上型部材24及び下型部材26を案内する胴型1
4とを備える光学素子の成形装置において、胴型14
は、ガラス素材50をプレスするときのプレス荷重を受
ける胴型本体20と、胴型本体20と上型部材24及び
下型部材26との間に配置され、上型部材24及び下型
部材26を上下方向に摺動可能に案内すると共に、上型
部材24及び下型部材26と胴型本体20との間を断熱
状態に保持するための案内部材16,18とを具備す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱軟化されたガラス
素材を一対の型部材によってプレスすることにより、非
球面レンズなどの高精度な光学素子を加工するための光
学素子の成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ガラスレンズなどの光学素子を加
工する方法として、研削研磨による方法に代わって、加
熱軟化したガラス素材を上下一対の成形用型によりプレ
ス成形する方法が注目されている。図5は、このような
光学素子をプレス成形するための従来の成形装置の構造
を示した図である。図5において、不活性ガスによって
不活性雰囲気となっている成形装置内に配置された成形
用型100は、上型部材102と下型部材104とこれ
らの上下の型部材102,104を保持する胴型106
とから概略構成されており、胴型106には、これら胴
型106及び上下の型部材102,104を加熱するた
めのヒーター108が配設されている。また、胴型10
6にはガラス素材130をその内部に搬入すると共に、
成形が完了した光学素子をこの成形用型100の内部か
ら取り出すための開口穴106aが形成されている。こ
のような成形装置においては、ヒーター108の発生す
る熱は胴型106を介して上型部材102及び下型部材
104に伝達され、更にこれら上型部材102及び下型
部材104から、この伝達された熱がガラス素材130
に加えられ、ガラス素材130が所望のプレス温度まで
加熱される。
【0003】ここで、このような成形装置により、光学
素子を大量に生産しようとする場合には、このような成
形装置1台だけでは、生産速度に限界があるため、複数
台の成形装置を同時に稼働して光学素子を複数個同時に
生産する方法が取られる。しかしながら、上記した様な
成形装置を複数台用意しようとすると、この成形装置へ
の投資額が大きくなるため、成形装置のローコスト化を
図る意味で、図6に示した様な成形装置が一般的に使用
される。図6に示した成形装置は、一つの胴型116内
に、複数の上型部材112と複数の下型部材114とを
配置し、胴型116の内部に配設されたヒーター118
により、これら複数個の上型部材112及び下型部材1
14を加熱し、同時に複数個の光学素子を成形しようと
するものである。成形装置をこのような構造にすれば、
胴型やヒーターを複数個用意しなくて済むため装置のロ
ーコスト化を図ることができると共に、上記の成形用型
100を複数台使用する場合に比較して、成形装置の設
置スペースも小さくすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来例においては、複数個の上型部材112及び複数個
の下型部材114を収納するために、胴型116が大型
となり、この胴型116及び上下の型部材112,11
4とを合わせた成形用型全体の熱容量はきわめて大きい
ものとなる。そのため、これら胴型や型部材を、プレス
成形を行うための所望の温度まで加熱するには、非常に
大きいエネルギーが必要となり、胴型内に配置されるヒ
ーターが大きくなると共に、消費する電力も膨大なもの
となる。また、プレス動作が終了して、成形された光学
素子を冷却しようとした場合にも、成形用型の熱容量が
大きいと、冷却に時間がかかり、生産のタクトタイムが
長くなるという問題も生ずる。
【0005】従って、本発明は上述した課題に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、光学素子
を大量に生産する場合でも、型部材を加熱するためのエ
ネルギーを少なくでき、且つ冷却工程においても速やか
に型部材を冷却することができる様な光学素子の成形装
置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決し、目
的を達成するために、本発明の光学素子の成形装置は、
加熱されることにより軟化状態となっているガラス素材
をプレスして、該ガラス素材の表面に所望の形状を転写
するための上型部材及び下型部材と、該上型部材及び下
型部材を案内する胴型とを備える光学素子の成形装置に
おいて、前記胴型は、前記ガラス素材をプレスするとき
のプレス荷重を受ける胴型本体と、該胴型本体と前記上
型部材及び下型部材との間に配置され、前記上型部材及
び下型部材を上下方向に摺動可能に案内すると共に、前
記上型部材及び下型部材と前記胴型本体との間を断熱状
態に保持するための案内部材とを具備することを特徴と
している。
【0007】また、この発明に係わる光学素子の成形装
置において、前記上型部材と前記下型部材の内部にはこ
れら夫々の型部材を加熱するためのヒータが配設されて
いることを特徴としている。また、この発明に係わる光
学素子の成形装置において、前記案内部材は、前記上型
部材を案内する上案内部材と、前記下型部材を案内する
下案内部材とから構成されていることを特徴としてい
る。
【0008】また、この発明に係わる光学素子の成形装
置において、前記上案内部材と前記下案内部材の夫々の
外側面には、少なくとも2つ以上の基準平面が形成され
ており、該基準平面を、該基準平面に対応して胴型本体
に形成された2つ以上の位置決め面に当接させることに
より、前記上案内部材と下案内部材とが、互いの相対位
置を規定された状態で、前記胴型に装着されることを特
徴としている。
【0009】また、この発明に係わる光学素子の成形装
置において、前記上案内部材と前記下案内部材は、1つ
の材料の外側面にに前記2つ以上の基準平面を加工する
と共に、前記上型部材と前記下型部材とを摺動可能に案
内するための案内穴を加工した加工体を上下に切断する
ことにより形成されることを特徴としている。また、こ
の発明に係わる光学素子の成形装置において、前記基準
平面のうち互いに隣接する2つの基準平面を、該2つの
基準平面に対応する前記胴型本体の2つの位置決め面に
当接させ、前記2つの基準平面以外の前記上案内部材と
前記下案内部材の外側面と、該外側面と対向する前記胴
型本体の内側面との間に隙間を設け、該隙間に充填部材
を装着することにより、前記2つの基準面を前記2つの
位置決め面に押し付ける様にしたことを特徴としてい
る。
【0010】また、この発明に係わる光学素子の成形装
置において、前記充填部材の熱膨張率が、前記上案内部
材と前記下案内部材と前記胴型本体の熱膨張率よりも大
きいことを特徴としている。また、この発明に係わる光
学素子の成形装置において、前記案内部材の前記上型部
材及び下型部材との摺動面の一部に空間部を設けたこと
を特徴としている。
【0011】また、この発明に係わる光学素子の成形装
置において、前記空間部には外部と連通する連通穴が接
続されていることを特徴としている。また、この発明に
係わる光学素子の成形装置において、前記案内部材がセ
ラミックス材料から形成されていることを特徴としてい
る。また、この発明に係わる光学素子の成形装置におい
て、前記胴型本体には、前記ガラス素材の供給及び取り
出しのための開口穴が形成されていることを特徴として
いる。
【0012】また、この発明に係わる光学素子の成形装
置において、前記開口穴に輻射によるヒータを隣接させ
たことを特徴としている。
【0013】
【作用】以上の様に、この発明に係わる光学素子の成形
装置は構成されているので、胴型本体と、上下の型部材
との間に断熱作用を有する案内部材を配置し、上下の型
部材のみを胴型本体とは独立した状態で加熱冷却するこ
とにより、胴型も含めた成形用型全体を加熱冷却する場
合に比較して、型部材の加熱冷却を少ないエネルギーで
速やかに行うことができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の好適な一実施例について、添
付図面を参照して詳細に説明する。図1は、一実施例の
光学素子の成形装置の構造を示した側断面図であり、光
学素子を4個一度に成形加工するために、上下一対の型
部材が4対備えられている。また図2は、図1を上方か
ら見たA−A断面図である。図1及び図2を参照して一
実施例の成形装置の概略構成について説明する。
【0015】図1において、成形用型12の外殻部を構
成する胴型14は、支持基板22を介して光学素子の成
形装置本体10上に載置されている。胴型14は、後述
する上下の型部材24,26を案内する上下の案内部材
16,18と、この上下の案内部材16,18を支持す
るための胴型本体20とから概略構成されている。胴型
本体20は、図2に示したように上面視正方形の角筒状
に形成されており、その中央の空間部に、4対の上下の
型部材24,26を配置する様に構成されている。
【0016】胴型本体20の高さ方向の上部の内周面に
は、略その全周に渡って、フランジ部20aが形成され
ており、このフランジ部20aの上面に上案内部材16
を載置することにより、この上案内部材16が、胴型本
体20に支持される。また、同様に、胴型本体20の高
さ方向の下部の内周面には、略その全周に渡って、フラ
ンジ部20bが形成されており、このフランジ部20b
の上面に下案内部材18を載置することにより、この下
案内部材18が、胴型本体20に支持される。
【0017】上案内部材16は、図2に示すように上面
視正方形状に形成されており、その外形は、胴型本体2
0の内壁面が形成する四角形よりも僅かに小さくされて
おり、この胴型本体20の内部に多少の余裕をもって挿
入される様になされている。また、上案内部材16に
は、4個のガイド穴16aが形成されており、この4個
のガイド穴16aに円柱状に形成された4個の上型部材
24が夫々上下方向に沿って摺動可能に装着されてい
る。
【0018】一方、下案内部材18は、その外形が上案
内部材16と同形状に形成されており、上案内部材16
と同様に、胴型本体20の内部に多少の余裕をもって挿
入される様になされている。また、この下案内部材18
にも、上案内部材16と同様に4個のガイド穴18aが
形成されており、この4個のガイド穴18aに円柱状に
形成された4個の下型部材26が夫々上下方向に沿って
摺動可能に装着されている。
【0019】胴型本体20の上端部には、この胴型本体
20を閉止する様に天板部材28が配置されており、こ
の天板部材28の上面で上型部材24の上端部に形成さ
れたフランジ部24aの下面を受けることにより、上型
部材24の下方へのプレスストロークが規定されてい
る。また、プレス工程が終了し、図1に示したように上
型部材24が完全に下方へ押しきられてフランジ部24
aの下面が天板部材28の上面に当接した状態では、上
型部材24に印加される下方へ向けてのプレス圧Pが、
この天板部材28を介して、胴型本体20により受けら
れる様になされている。従って、上案内部材には、プレ
ス荷重がかからない様に配慮されている。なお、上型部
材24の下面には、ガラス素材50をプレスして、その
表面に所望の形状を転写して光学機能面を形成するため
の成形面24bが形成されている。
【0020】一方、下型部材26は、その外周面を下案
内部材18のガイド穴18aに嵌合させた状態で、その
下面26aをスペーサー30及び断熱材から成る断熱プ
レート32を介して支持基板22上に載置されており、
この支持基板22により、上型部材24からガラス素材
50を介して下型部材26に加えられる下方へのプレス
圧を受ける様に構成されている。下型部材26の上端面
には、ガラス素材50の下面に所望の形状を転写して光
学機能面を形成するための成形面26bが形成されてい
る。従って、ガラス素材50には、その上面に、上型部
材24の成形面24bの表面形状が転写された光学機能
面50aが形成され、下面には、下型部材26の成形面
26bの表面形状が転写された光学機能面50bが形成
されることとなる。
【0021】また、胴型本体20の側面には、この胴型
本体20内にガラス素材50を供給すると共に、完成し
た光学素子をこの胴型本体20から取り出すために、開
口穴20cが形成されている。この開口穴20cの外部
には、輻射加熱ヒータ34が配置されており、上下の型
部材24,26の内部に配置されたヒータ36,38と
共に、ガラス素材50を所望のプレス温度まで加熱する
様になされている。なお、この輻射加熱ヒータ34は、
必要に応じて、開口穴20cに面した位置から退避する
様不図示の移動手段により支持されており、胴型本体2
0へのガラス素材50の供給動作及び完成した光学素子
の胴型本体20からの搬出動作を妨げない様に配慮され
ている。
【0022】次に、一実施例の成形装置の特徴的な部分
についてもう少し詳しく説明する。すなわち、この実施
例においては、上下の型部材24,26及びガラス素材
50の加熱冷却速度を早めることを主たる目的としてお
り、これを実現するために、プレスを行うために高温に
しなければならない部分の熱容量をなるべく小さくする
様にしている。
【0023】具体的には、上下の型部材24,26を摺
動可能に案内する上下の案内部材16,18が、断熱性
を有する材料(例えばセラミックス)で形成されてお
り、上下の型部材24,26と、胴型本体20との間
で、熱エネルギーの伝達が起こりにくい様になされてい
る。そして、上下の型部材24,26の内部には、これ
ら上下の型部材24,26を加熱すると共に、上下の型
部材24,26を介してガラス素材50を加熱するため
のヒータ36,38が配置されている。従って、ヒータ
36,38が発生する熱エネルギーのほとんどの部分
は、熱容量の比較的小さい上下の型部材24,26とガ
ラス素材50を加熱するために消費され、熱容量の大き
い胴型本体20には伝達されにくい。従ってヒータ3
6,38が発生すべき熱エネルギーは小さくて済み、ま
た、上下の型部材24,26及びガラス素材は、急速に
加熱される。
【0024】また、成形された光学素子を冷却する過程
においても、上下の型部材24,26とガラス素材50
のみが冷却されればよいので、熱容量の大きい成形用型
12全体を冷却する場合に比較して、冷却時間が短くて
済む。なお、上下の案内部材16,18の、上下の型部
材24,26と摺動する摺動面には、座グリ部16b,
18bが形成されており、この座グリ部16b,18b
には不活性ガス(例えばN2 )が充填されており、上下
の型部材24,26と胴型本体20との間の断熱効果を
更に高める様になされている。
【0025】また、図2に示したように、4個のガイド
穴16aの夫々に対応して形成された4個所の座グリ部
16bは、上案内部材16に形成されたトンネル状の連
通穴16cにより互いに連結されており、また、これら
座グリ部16bは、上案内部材16に形成された開口穴
16dと胴型本体20に形成された開口穴20dを介し
て外部に開放されている。そして、上記の連通穴16c
が交差する上案内部材16の部分には、成形用型12の
外部から伸びるパイプ40が接続されている。プレスが
終了し、ガラス素材50を冷却する工程においては、こ
のパイプ40から冷却された不活性ガスが噴出され、上
型部材24が冷却される。またパイプ40から噴出され
た不活性ガスは、上述した開口穴16dと開口穴20d
を介して成形用型12の外部に放出される。
【0026】同様に、下案内部材18についても、4個
のガイド穴18aの夫々に対応して形成された4個所の
座グリ部18bは、下案内部材18に形成されたトンネ
ル状の連通穴18cにより互いに連結されており、ま
た、これら座グリ部18bは、下案内部材16に形成さ
れた開口穴18dと胴型本体20に形成された開口穴2
0eを介して外部に開放されている。そして、上記の連
通穴18cが交差する部分には、成形用型12の外部か
ら伸びるパイプ42が接続されている。プレスが終了
し、ガラス素材50を冷却する工程においては、このパ
イプ42から冷却された不活性ガスが噴出され、下型部
材24が冷却される。またパイプ42から噴出された不
活性ガスは、上述した開口穴18dと開口穴20eを介
して成形用型12の外部に放出される。
【0027】次に、上下の案内部材16,18の胴型本
体20に対する位置決めの仕方について説明する。ガラ
ス素材50を上下の型部材24,26によりプレスし、
光学素子へと加工する場合、上下の型部材24,26の
中心軸が正確に一致していることが、成形された光学素
子の光学性能を確保する上できわめて重要である。この
ように上下の型部材24,26の中心軸を一致させるた
めには、上下の案内部材をこの実施例の様に分離せず、
一体とすれば良い様であるが、このように案内部材を一
体型とすると、案内部材の体積が大きくなり熱容量も大
きくなる。これを防止するため、この実施例において
は、案内部材を上案内部材16と下案内部材18とに分
離している。
【0028】このように、案内部材を上下2つに分離し
た場合には、上下の型部材24,26の中心軸を正確に
一致させるためには、上下の案内部材16,18の夫々
のガイド穴16a,18aを互いに正確に位置合わせす
ることが必要である。これを実現するために、この実施
例においては以下の様な方法をとっている。まず、図3
(a)に示したように、上下の案内部材16,18の厚
みを合計した厚みを有する加工材料44を用意し、この
加工材料44の2つの側面44a,44bを、精度良く
加工し、基準面とする。次に、この2つの基準面44
a,44bを基準として、この加工材料44を上下に貫
通する4個の貫通穴44cを加工する。その後、この加
工材料44を図3(a)に破線で示した部分で、上下に
切断する。このようにして切断された上下2つの部材
を、図3(b)に示したように、上下の案内部材16,
18として使用するわけである。従って、上下の案内部
材16,18の平面形状は正確に同一に形成され、夫々
の案内部材において、基準面16e,16fとガイド穴
16aとの位置関係と、基準面18e,18fとガイド
穴18aとの位置関係は正確に一致している。
【0029】また、このとき加工される上下の案内部材
16,18の平面形状は、図2に示した様に正方形であ
り、その一辺の長さはW1 である。一方、胴型本体20
の内壁面の一辺の長さは、W2 に設定されており、これ
らW1 とW2 の関係は、W2=W1 +t(ただしt>
0)に設定されている。従って、上下の案内部材16,
18は、胴型本体20の内壁面に対して、tの長さだけ
の余裕をもって胴型本体20に挿入される。
【0030】このように形成された上下の案内部材1
6,18を、胴型本体20に固定する場合には、まず、
図2に示したように、胴型本体20の2つの内壁面に精
度良く形成された位置決め面20f,20gに、上下の
案内部材16,18の基準面16e,16f,18e,
18fを夫々当接させる。その後、長さtで示される上
下の案内部材16,18と胴型部材20の内壁面との間
の空間に押し付けプレート46を挟んで、上下の案内部
材16,18の基準面16e,16f,18e,18f
を、胴型本体20の位置決め面20f,20gに押し付
ける。このようにすれば、上下の案内部材16,18
は、胴型本体20に対して、相対位置を正確に規定され
た状態で固定されることになり、夫々の案内部材16,
18のガイド穴16aと18aの夫々の中心軸が正確に
一致することとなる。これにより、上下の型部材24,
26は、これら上下のガイド部材16,18により、正
確に中心軸を一致された状態で案内されることとなる。
【0031】ここで、上記の押し付けプレート46につ
いて説明しておくと、この押し付けプレート46は、常
温においては、その厚みがtよりも僅かに小さく設定さ
れている。従って、常温においては、この押し付けプレ
ート46は、上下の案内部材16,18と胴型本体20
の内壁面との隙間に容易に挿入することができる。しか
し、この押し付けプレート46には、熱膨張率が、胴型
本体20及び上下の案内部材16,18よりも大きい材
料が使用されているので、成形用型12が加熱されるに
つれて、この押し付けプレート46は、上下の案内部材
16,18と胴型部材20の間の隙間を埋める様に膨張
し、最終的にプレス成形を行う温度においては、上下の
案内部材16,18を、胴型本体20の位置決め面20
f,20gに完全に押し付ける様になる。このように、
実際にプレス成形を行う時点においては、上下の案内部
材16,18は胴型本体20に対してその相対位置を正
確に規定された状態となり、上下の型部材24,26の
中心軸が正確に一致した状態でプレス成形が実行される
こととなる。
【0032】なお、具体的には上下の案内部材16,1
8の寸法W1 を54mmとし、熱膨張率が3.25×1
-6の材料を使用した。また、胴型本体20の寸法W2
を60mmとし、熱膨張率が6×10-6の材料を使用し
た。更に、押し付けプレート46の厚みtを5.96m
mとし、熱膨張率が18×10-6の材料を使用した。こ
の場合室温を25°Cとすると、案内部材16,18は
550°Cまで温度上昇し、胴型本体20は300°C
まで温度上昇し、押し付けプレート46は500°Cま
で温度上昇する。そして、これらの温度まで上昇したと
きには、寸法W1 は54.092mmとなり、寸法W2
は60.099mmとなり、寸法tは6.011mmと
なるので、上下の案内部材16,18は、確実に胴型本
体20に押し付けられることとなった。
【0033】次に、上記の様に構成された成形装置にお
いて、光学素子をプレス成形する手順について説明す
る。まず、不図示の駆動装置により、4つの上型部材2
4を上方にスライドさせて下型部材26から退避させ
る。また、輻射加熱ヒータ34も、胴型本体20から所
定の位置まで退避させる。次に、胴型本体20の開口穴
20cを介して、下型部材26の成形面26b上にガラ
ス素材50を供給する。この後、上型部材24をガラス
素材に接触する直前まで下降させる。また、輻射加熱ヒ
ータ34も図1に示した動作位置に復帰させる。
【0034】この状態で、ヒータ36,38を動作させ
て上下の型部材24,26を加熱すると共に、ガラス素
材50も同時に加熱する。また、輻射加熱ヒータ34も
動作させて、ガラス素材50に更に熱を加える。このと
き、上下の型部材24,26は、案内部材16,18に
より、胴型本体20に対して断熱状態に保持されている
ので、この胴型本体20にヒータ36,38の熱が逃げ
ることなく、上下の型部材24,26は急速に加熱され
る。そして、ガラス素材50及び上下の型部材24,2
6が所定のプレス温度となったところで、上型部材24
を下降させ、ガラス素材50のプレス動作を開始する。
このプレス動作により、ガラス素材50は、下型部材2
6の成形面26b上に押し広げられていき、上型部材2
4のフランジ部24aの下面が、天板部材28の上面に
当接したところで、プレス動作を終了する。このとき天
板28に加えられるプレス圧Pは、胴型本体20が受け
るので、例えばセラミックス材料等のもろい材料からな
る上案内部材16には、プレス荷重Pは加わらない。
【0035】このプレス動作が終了すると、成形された
光学素子を冷却する冷却工程に移行する。この冷却工程
においては、上下の案内部材16,18の座グリ部16
b,18bに、冷却された不活性ガスが供給され、上下
の型部材24,26とガラス素材50が急速に冷却され
る。この冷却工程においても、上下の型部材24,26
は、胴型本体20に対して断熱状態にされているので、
熱容量が小さく、急速に冷却される。そして、この冷却
工程が終了した後に、上型部材24を不図示の駆動装置
により再び上方に退避させて型開きをし、胴型本体20
の開口穴20cから完成した光学素子を取り出して成形
動作を終了する。
【0036】なお、上記の実施例に基づいて具体的に成
形用型を作って実験した結果、熱容量は従来275ca
l/°Cであったものが160cal/°Cとなり約4
0%減少した。また、昇温時間は従来2分30秒であっ
たものが1分30秒と短縮された。また冷却時間は従来
3分かかっていたものが1分30秒と短縮された。以上
説明した様に、一実施例の光学素子の成形装置において
は、上下の型部材を熱容量の大きい胴型本体に対して断
熱状態にしているので、上下の型部材及びガラス素材を
急速に加熱及び冷却することができ、光学素子の生産に
おけるタクトタイムを短縮することができる。
【0037】また、上下の案内部材を1個物で加工した
後に、切断する様にしているので、上下の案内部材の寸
法誤差が発生せず、上下の型部材の中心軸の相対位置精
度を正確に規定することができる。なお、本発明はその
主旨を逸脱しない範囲で上記実施例を修正または変形し
たものに適用可能である。
【0038】例えば、上記実施例では、押し付けプレー
トを2個所に挟む様に説明したが、図4に示したように
胴型部材と上下の案内部材の一隅にアール状の部分を形
成すれば、押し付けプレートを1個所に挟むだけでも、
上下の案内部材を胴型本体に対して固定することが可能
である。
【0039】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の光学素子の
成形装置によれば、胴型本体と、上下の型部材との間に
断熱作用を有する案内部材を配置し、上下の型部材のみ
を胴型本体とは独立した状態で加熱冷却することによ
り、胴型も含めた成形用型全体を加熱冷却する場合に比
較して、型部材の加熱冷却を少ないエネルギーで速やか
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の光学素子の成形装置の構造を示した
側断面図である。
【図2】図1を上方から見たA−A断面図である。
【図3】上下の案内部材を加工する手順を示した図であ
る。
【図4】一実施例の変形例を示した図である。
【図5】従来の光学素子の成形装置の構造を示した図で
ある。
【図6】光学素子を大量に生産する場合に用いられる従
来の成形装置の構造を示した図である。
【符号の説明】
10 成形装置本体 12 成形用型 14 胴型 16 上案内部材 18 下案内部材 20 胴型本体 22 支持基板 24 上型部材 26 下型部材 28 天板 30 スペーサ 32 断熱プレート 34 輻射加熱ヒータ 36,38 ヒータ 40,42 パイプ 44 加工材料 46 押し付けプレート 50 ガラス素材

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱されることにより軟化状態となって
    いるガラス素材をプレスして、該ガラス素材の表面に所
    望の形状を転写するための上型部材及び下型部材と、該
    上型部材及び下型部材を案内する胴型とを備える光学素
    子の成形装置において、 前記胴型は、前記ガラス素材をプレスするときのプレス
    荷重を受ける胴型本体と、 該胴型本体と前記上型部材及び下型部材との間に配置さ
    れ、前記上型部材及び下型部材を上下方向に摺動可能に
    案内すると共に、前記上型部材及び下型部材と前記胴型
    本体との間を断熱状態に保持するための案内部材とを具
    備することを特徴とする光学素子の成形装置。
  2. 【請求項2】 前記上型部材と前記下型部材の内部には
    これら夫々の型部材を加熱するためのヒータが配設され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の光学素子の成
    形装置。
  3. 【請求項3】 前記案内部材は、前記上型部材を案内す
    る上案内部材と、前記下型部材を案内する下案内部材と
    から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    光学素子の成形装置。
  4. 【請求項4】 前記上案内部材と前記下案内部材の夫々
    の外側面には、少なくとも2つ以上の基準平面が形成さ
    れており、該基準平面を、該基準平面に対応して胴型本
    体に形成された2つ以上の位置決め面に当接させること
    により、前記上案内部材と下案内部材とが、互いの相対
    位置を規定された状態で、前記胴型に装着されることを
    特徴とする請求項3に記載の光学素子の成形装置。
  5. 【請求項5】 前記上案内部材と前記下案内部材は、1
    つの材料の外側面にに前記2つ以上の基準平面を加工す
    ると共に、前記上型部材と前記下型部材とを摺動可能に
    案内するための案内穴を加工した加工体を上下に切断す
    ることにより形成されることを特徴とする請求項4に記
    載の光学素子の成形装置。
  6. 【請求項6】 前記基準平面のうち互いに隣接する2つ
    の基準平面を、該2つの基準平面に対応する前記胴型本
    体の2つの位置決め面に当接させ、前記2つの基準平面
    以外の前記上案内部材と前記下案内部材の外側面と、該
    外側面と対向する前記胴型本体の内側面との間に隙間を
    設け、該隙間に充填部材を装着することにより、前記2
    つの基準面を前記2つの位置決め面に押し付ける様にし
    たことを特徴とする請求項4に記載の光学素子の成形装
    置。
  7. 【請求項7】 前記充填部材の熱膨張率が、前記上案内
    部材と前記下案内部材と前記胴型本体の熱膨張率よりも
    大きいことを特徴とする請求項4に記載の光学素子の成
    形装置。
  8. 【請求項8】 前記案内部材の前記上型部材及び下型部
    材との摺動面の一部に空間部を設けたことを特徴とする
    請求項1に記載の光学素子の成形装置。
  9. 【請求項9】 前記空間部には外部と連通する連通穴が
    接続されていることを特徴とする請求項8に記載の光学
    素子の成形装置。
  10. 【請求項10】 前記案内部材がセラミックス材料から
    形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学
    素子の成形装置。
  11. 【請求項11】 前記胴型本体には、前記ガラス素材の
    供給及び取り出しのための開口穴が形成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の光学素子の成形装置。
  12. 【請求項12】 前記開口穴に輻射によるヒータを隣接
    させたことを特徴とする請求項11に記載の光学素子の
    成形装置。
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WO2010146995A1 (ja) 2009-06-15 2010-12-23 セントラル硝子株式会社 シート材の切断方法および装置

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