JPH0616156B2 - 放射線画像読取方法 - Google Patents

放射線画像読取方法

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JPH0616156B2
JPH0616156B2 JP58217489A JP21748983A JPH0616156B2 JP H0616156 B2 JPH0616156 B2 JP H0616156B2 JP 58217489 A JP58217489 A JP 58217489A JP 21748983 A JP21748983 A JP 21748983A JP H0616156 B2 JPH0616156 B2 JP H0616156B2
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panel
phosphor
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寛 竹内
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、放射線画像システムにおける画像読取方法に
関し、さらに詳しくは、蓄積性螢光体材料(以下単に
「螢光体」という)を用いて、これに放射線画像を記録
し、この放射線画像を読み出して再生し、これを記録材
料に最終画像として記録する放射線画像システムにおけ
る画像読取方法に関するものである。
(従来技術) 従来、放射線画像を得るために銀塩を使用した、いわゆ
る放射線写真が利用されているが、近年、特に地球規模
における銀資源の枯渇等の問題から銀塩を使用しないで
放射線像を画像化する方法が望まれるようになった。
上述の放射線写真法にかわる方法として、被写体を透過
した放射線を螢光体に吸収せしめ、しかる後この螢光体
をある種のエネルギーで励起してこの螢光体が蓄積して
いる放射線エネルギーを螢光として放射せしめ、この螢
光を検出して画像化する方法が考えられている。具体的
な方法として、例えば英国特許1,462,769号および特開
昭51-29889号には螢光体として熱輝尽性螢光体を用いて
励起エネルギーとして熱エネルギーを用いて放射線画像
を変換する方法が提唱されている。この変換方法は支持
体上の熱輝尽性螢光体を形成したパネルを用い、このパ
ネルの熱輝尽性螢光体に被写体を透過した放射線を吸収
させて放射線の強弱に対応した放射線エネルギーを蓄積
させ、しかる後この熱螢光体層を加熱することによって
蓄積された放射線エネルギーを光の信号として取り出し
この光の強弱によって画像を得るものである。
一方、例えば米国特許3,859,527号および特開昭55−121
44号には励起エネルギーとして可視光線および赤外線か
ら選ばれる電磁放射線を用いる放射線画像変換方法が提
唱されている。
さらに、これに関連して特開昭55−12429号にはS/N比を
向上させる方法として前記励起光として600〜700nmの
波長域の光を用いて螢光体を励起し、該螢光体の発光光
のうち300〜500nmの波長域の光を光検出器で受光する
ようにした方法が提唱されている。この方法は、上述の
熱輝尽性螢光体を用いる方法のように蓄積された放射線
エネルギーを光の信号に変える際に加熱しなくてもよ
く、従ってパネルは耐熱性を有する必要はなく、この点
からより好ましい放射線画像変換方法と言える。
しかし、励起エネルギーとして、600〜700nmの波長域
の光を用いる方法は、励起光源としてHe-Neレーザ光を
用いた場合でも励起エネルギーが不充分であり、励起光
で支持体上に蓄積性螢光体層を形成したパネル(以下単
にパネルという)上を走査する場合、高速スキャンが困
難であるばかりでなく、さらにはパネルに像様に放射線
エネルギーを与える際の被写体に対する放射線量の低減
も充分とはいえない。また600〜700nmによって励起さ
れる領域のトラップは、比較的浅く、退行性(フェーデ
ィング)現象の影響が大きく情報の長期間の保存が困難
である。さらに600〜700nmの波長域の光を励起光とし
て用いた場合、励起された螢光の立上り及び立下りが、
励起光の立上り、立下りよりも遅れる。これも、パネル
を励起光で走査する場合の走査速度の高速化を妨げてい
る原因の1つである。
また、He−Neレーザ等の気体レーザの励起は、放電によ
るが、この放電光は、光検出器により螢光体からの発光
光を検出する際に該発光光との分離が、困難となりSN
比を低下させる1つの原因となる。
(発明の目的) 発明は、上記問題点に鑑み、励起光の高速スキャン及び
それに対応する画像の読取りスピードの高速化が可能で
あり、かつ、螢光体に記録された画像の衰退による影響
が小さく、さらにSN比の高い実用的な放射線画像の読
取方法を提供することを目的とするものである。
(発明の構成) 本発明のかかる目的は螢光体を励起光で走査し、各点か
らの発光光を光検出器で検出することにより蓄積性螢光
体に記録されている放射線画像を読取る方法において、
前記励起光として532nmのNd3+:YAGレーザ(以下単に
YAGレーザという)の第2高調波を用いて、前記螢光体
を励起し、該螢光体からの発光光を、300〜500nmの波
長以外の光を検出しないようにした光検出器で受光する
ようにしたことを特徴とした放射線画像読取方法によっ
て達成されることを見い出した。
ここで前記YAGレーザとは、母材結晶として、Y3Al5O12
(イットリウムアルミニウムガーネット)を用い、それ
に3価のNd3+を能動イオンとして含ませたレーザのこと
である。本来YAGレーザは、1064nmの発振波長(基本
波)を有するレーザであるが、非線形光学効果で第2高
調波を発生させ、532nmの緑色光を得ることができ
る。この第2高調波を得る為の代表的な非線形光学結晶
としてはKDP(KH2PO4)、あるいはBNN(Ba2NaNb5O15)等が
あげられる。
本発明において螢光体とは、最初の光もしくは高エネル
ギー放射線が照射された後に、光的、熱的、機械的、化
学的または電気的等の刺激により、最初の光もしくは高
エネルギー放射線の照射量に対応した光を再発光せしめ
る、いわゆる輝尽性を示す螢光体をいう。ここで光とは
電磁放射線のうち可視光、紫外光、赤外光を含み、高エ
ネルギー放射線とはX線、ガンマ線、ベータ線、アルフ
ァ線、中性子線等を含む。
次に本発明を更に詳しく説明する。
第1図は励起光パワーと螢光体からの発光光即ち励起さ
れた輝尽螢光の光強度との関係を示すものである。この
図から分かるように励起光のパワーと輝尽螢光は、ほぼ
比例関係にあることがわかる。すなわち、この様な螢光
体は、レーザパワーを大きくすることにより発光強度も
増加する。このため、例えばパネル上の放射線画像を読
み取るに際し、1画素10μsecの走査速度を要する場
合、レーザパワーを2倍にすれば、1画素5μsecの走
査速度とすることが可能となり、読み出しスピードが2
倍、すなわち、潜像から実際の画像を得るのに要する時
間も半減する。
YAGレーザの出力は安定性が高く、かつ、出力が非常に
大きく、例えば、連続発振させた場合直径10mm、長さ10
cm程度の大きさのロッドを用いると、100Wまたはそれ
以上の出力が得られる。このためYAGレーザの基本波(1
064nm)出力に対し、約4〜10%の効率で得られる第
2高調波の出力も、He−Neレーザ(最大出力50mW程度)
に比較しても、充分大である。このため、YAGレーザを
励起光とした場合の輝尽螢光は、He−Neレーザを使用し
た場合に比較して強く、例えばYAGレーザの200mWの第2
高調波を励起光として用いた場合、20mWのHe−Neレーザ
を励起光として用いた場合に比較して、螢光体からの発
光強度は約25倍である。
すなわちYAGレーザはパワーの最大値が、He−Ne レー
ザに比較してはるかに大きく、パネルからの輝尽螢光は
非常に強い範囲まで得ることができる。このため励起光
でパネル上を走査する際に高速スキャンが可能となる。
さらに、励起光のパワーと発光強度が比例関係にあるこ
とからレーザパワーを増すことにより、放射線量を低減
することが可能である。人体に照射する放射線量が低減
可能であることは、人体に対する放射線障害の軽減にも
大いに役立ち非常に有用である。
また同一のパネルを反復して使用する場合に蓄積された
放射線エネルギーを螢光として放出させるための励起光
強度が弱かったり、あるいは、励起光波長が不適当であ
ると、放射線エネルギーは完全にパネルから消去され
ず、その一部が残留する。この残留した放射線エネルギ
ーがそれ以後の放射線画像変換におけるノイズとして加
わり、得られる画像の画質が著しく悪化する。このため
パネルに放射線を照射する工程の前に、励起光波長領域
に含まれる光で、パネルに残留していてノイズの原因と
なる放射線エネルギーを除去しなければならない。しか
し、YAGレーザのようなパワーの大きな励起光を用いる
場合、パネルを反復して使用しても、ノイズとある放射
線エネルギーは既に充分に消去され残留していない。こ
のため、放射線を照射する前に励起光を照射する必要は
なく、しかも画質は良好に保つことができる。
第2図は励起光の波長によって螢光体に蓄積された取出
可能なエネルギーの衰退量(Decay)が変化する様子を
示したもので、具体的には、複数枚のパネルを同時にX
線照射してから、その直後に励起発光させた輝尽螢光を
基準とし、暗中にて、各時間放置した後に所定波長の励
起光にて励起して発光させたときの発光強度の衰退する
様子を示すものである。励起光として532nmのYAGレー
ザの第2高調波を用いると、驚くべきことに600〜800n
m の波長域の光を用いたときよりも、発光強度の見掛
け上の衰退量が小さくなり2〜3時間程度でほとんど衰
退がなくなる。すなわち螢光体に蓄積されたエネルギー
の取出効率が高く、実用上退行性現象が大いに改善され
る結果となる。従って励起光としてYAGレーザの第2高
調波を用いると実用上螢光体上の記録は長期間保存に耐
えることができる。
また、このエネルギーの衰退量が小さくなることは、YA
Gレーザの第2高調波がHe−Neレーザ等よりも短波長
側、すなわち高エネルギー側にあり、He−Neレーザ等の
長波長の光によっては、励起されにくいトラップをも励
起することに関係しているが、これより、YAGレーザの
第2高調波によって励起した場合の総発光量は、He−Ne
レーザ等のより長波長側の光によって励起した場合より
も多くなる。従ってYAGレーザの第2高調波を用いるこ
とにより、感度も高くなり、これも人体に照射するX線
量を低下させるのに有用である。
第3図は点線で示す矩形波状に強度を変化する励起光を
照射したときの応答性を示すものである。実線で示す曲
線Aは、螢光体をHe−Neレーザ光で励起したときの発光
強度をまた、曲線Bは、同一の螢光体をYAGレーザの第
2高調波で励起したときの発光強度を示す。このグラフ
からわかるように、励起光として50μsのパルス幅のHe
−Neレーザ光を照射した場合、輝尽螢光の立上り立下り
は、約5〜6μsである。しかし、励起光としてYAGレ
ーザの第2高調波を用いた場合、立上り立下りは催かに
1μs前後となり応答性が改善される。このため、例え
ばパネルをスポット径が100μm程度レーザビームで走
査する場合、He−Neレーザでは、1画素5μs以下の走
査速度で走査することは、困難であるがYAGレーザでは
これが可能となる。
また、励起光の反射光と輝尽螢光の分離に関しては、輝
尽螢光を短波長側に励起光を長波長側にとり、かつ光検
出器の前面に輝尽螢光の波長域だけを通すフィルターを
配することによってS/N比の低下を防ぐことができる。
輝尽螢光の波長300〜500nmはこの波長域の光を放出す
る螢光体を選択することによりあるいは、この波長域に
ピークを有する螢光体を使用することにより得られる。
しかし螢光体が、上記波長域の光を放出しても光検出器
が、その波長域以外の光をも測定してしまえばS/N比は
極端に低下する。このためには300〜500nmの波長域に
少くとも感度を有する光検出器を用い、かつ、その前面
に輝尽螢光の波長域だけを通すフィルターを配すること
が必要である。
上記、300〜500nmの波長域の光を発光する螢光体とし
ては、例えば特開昭48−80487号に記載されているBaS
O4:Ax(但しAはDy,Tb及びTmのうち少なくとも1種で
あり、xは0.001≦x<1モル%である。)で表わされる
螢光体、特開昭48−80488号記載のMgSO4:Ax(但しAは
Ho或はDyのうちのいずれかであり、0.001≦x<1モル%
である。)で表わされる螢光体、特開昭48−80489号に
記載されているSrSO4:Ax(但しAはDy,Tb及びTmのうち
少なくとも1種であり、xは0.001≦x<1モル%であ
る。)で表わされる螢光体、特開昭52−30487号に記載
されているBeO,LiF,MgSO4及びCaF2等の螢光体、米国
特許3,859,527号に記載されているSrS:Ce,Sm,SrS:E
u,Sm,La2O2S:Eu,Sm及び(Zn,Cd)S:Mn,X(但
しXはハロゲン)で表わされる螢光体が挙げられる。ま
た、一般式がMIIO・xSiO2:A(但しMIIOはMg,Ca,S
r,Zn,Cd 又はBaでありAはCe,Tb,Eu,Tm,Pb,T
l,Bi 及びMnのうち少なくとも1種であり、xは0.5≦
x≦2.5である。)で表わされるアルカリ土類金属珪酸塩
系螢光体が挙げられる。また、一般式が (Ba1-x-yMgxCay)FX:eEu2+ (但しXはBr及びClの中の少なくとも1つであり、x,
y及びeはそれぞれ0<x+y≦0.6、xy≠0及び10-6
e≦5×10-2なる条件を満たす数である。)で表わされ
るアルカリ土類弗化ハロゲン化物螢光体、特開昭55−12
144号に記載されている一般式が LnOX:xA (但しLnはLa,Y,Gd及びLuの少なくとも1つを、Xは
Cl及び/又はBrを、AはCe及び/又はTbを、xは0<x
<0.1を満足する数を表わす。)で表わされる螢光体、
特開昭55−12145号に記載されている一般式が (Ba1-xMIIx)FX:yA (但しMIIはMg,Ca,Sr,Zn 及びCdのうちの少なくと
も1つを、XはCl,Br及びIのうちの少なくとも1つ
を、AはEu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,Yb及びErの
うちの少なくとも1つを、x及びyは0≦x≦0.6及び0
≦y≦0.2なる条件を満たす数を表わす。)で表わされる
螢光体、特開昭55−84389号に記載されている一般式がB
aFX:xCe,yA (但し、XはCl,Br及びIのうちの少な
くとも1つ、AはIn,Tl,Gd,Sm及びZrのうちの少なく
とも1つであり、x及びyはそれぞれ0<x≦2×10-1
及び0<y≦5×10-2である。)で表わされる螢光体、
特開昭55−160078号に記載されている一般式が MIIFX・xA:yLn (但しMIIはMg,Ca,Ba,Zn 及びCdのうちの少なくと
も1種、AはBeO,MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO,Al2O3,Y
2O3,La2O3,In2O3,SiO2,TiO2,ZrO2,GeO2,SnO2,N
b2O5,Ta2O5 及びThO2のうちの少なくとも1種、LnはE
u,Tb,Ce,Tm,Dy, Pr,Ho,Nd,Yb,Er,Sm 及びG
dのうちの少なくとも1種であり、x及びyはそれぞれ
5×10-5≦x≦0.5及び0<y≦0.2なる条件を満たす数
である。)で表わされる希土類元素付活2価金属フルオ
ロハライド螢光体、特開昭57−148285号に記載されてい
る一般式〔I〕又は〔II〕、 一般式〔I〕 xM3(PO4)2・NX:yA 一般式〔II〕 M3(PO4)2:yA (式中、M及びNはそれぞれMg,Ca,Sr,Ba,Zn,及び
Cdのうち少なくとも1種、XはF,Cl,Br 及びIのう
ち少なくとも1種、AはEu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Pr,
Ho,Nd,Yb,Er,Sb,Tl,Mn及びSnのうち少なくとも1
種を表わす。また、x及びyは0<x≦6、0≦y≦1な
る条件を満たす数である。)で表わされる螢光体、及び
一般式〔III〕又は〔IV〕、 一般式〔III〕 nReX3・mAX2′:xEu 一般式〔IV〕 nReX3・mAX2′:xEu・ySm (式中、ReはLa,Gd,Y,Luのうち少なくとも1種、A
はアルカリ土類金属、Ba,Sr,Ca のうち少なくとも1
種、X及びX′はF,Cl,Brのうち少なくとも1種を表
わす。また、x及びyは、1×10-4<x<3×10-1、1
×10-4<y<1×10-1なる条件を満たす数であり、n/
mは1×10-3<n/m<7×10-1なる条件を満たす。)
で表わされる螢光体等が挙げられるが、本発明に用いる
螢光体は、これに限定されるものではない。
第4図に、本発明に用いるフィルター、例えばBG−3
(スペクトロフィルム社製)の透過率のスペクトルの一
例を示す。このフィルターは532nmの励起光の透過は
ほとんどなく、輝尽螢光と、励起光の分離はこのフィル
ターを使用することによって達成される。すなわち、読
取り段階において、励起光は輝尽螢光中に障害となる様
なノイズとして含まれることがなく励起光の波長域が60
0nm以上の場合に比較してS/N比が低下することはな
い。
さらに、He−Neレーザ等の気体レーザの励起は、放電に
よるが、一方、YAGレーザ等の固体レーザの励起は、キ
セノンランプ等の光による。この為、He−Neレーザを励
起光として用いた場合、レーザの発振する光の他に、励
起光中に、この放電光が混入する。この放電光は、螢光
体からの輝尽螢光を光検出器で検出する際にノイズとな
る。これに比較してYAGレーザは、この放電光を含むこ
とがない。また、YAGレーザの第2高調波を得る場合に
は、前記KDP等の非線形光学結晶ヘレーザ光を入射する
以前に、1064nmよりも短い波長をカットしてしまえ
ば、励起光中には、螢光体からの輝尽螢光を検出する際
に使用する光検出器に感度のある波長の光は含まれな
い。この為、YAGレーザの第2高調波を励起光として用
いることは、この点からもSN比の低下を防ぐことにな
る。
また、YAGレーザをパルス光として用いると、連続光と
するよりも、高効率で出力の大きいパルス光を得ること
ができる。尚本発明に用いる励起光は、連続光でもパル
ス光でもよい。
前述のパルス光を用いる場合には、パネル上の1画素の
スキャン時間と同期させることもできる。この際の螢光
体からの輝尽螢光の検出には、励起光の反射光との分離
のために前述したフィルターを用いてもよいが、特願昭
57-124744号に示されている発光の遅れを利用して分離
する方法は、励起光のパルスの時間と、同期することに
より、特に効果的である。
以下、本発明を図に基づいて詳細に説明する。
第5図は、放射線画像の再生記録工程を示すものであ
る。放射線源例えばX線管からX線を放射して、人体に
照射すると、X線は、像様強弱パターンとなってパネル
に入射する。該パネルは螢光体のトラップレベルに放射
線(X線)のエネルギーを像様に蓄積する(放射線画像
撮影)。
次いで532nmのYAGレーザの第2高調波のスポットで前
記像様に放射線エネルギーを蓄積したパネルを走査し、
該エネルギーをトラップから励起し、300〜500nmの波
長域の光を発光させる。この発光した輝尽螢光はこの波
長域を選択的に受光するように調えた光検出器例えば光
電子増倍管、フォトダイオード等で検出、測定される
(放射線画像読取)。
続いて前記光検出器からの出力信号は増幅、フィルタリ
ングされてからレベル変換される。前記フィルタリング
によって雑音を除去し所定の解像力をうるために所定帯
域以上の信号をカットする。例えば40×40cm2のパネル
を100μm径のスポットで約5分で走査するとすれば、
1画素当り20μ秒となるから増幅帯域は50KHzあれば充
分であり、それ以上の帯域はカットされる。
また雑音を減す手立てとして、画素毎に出力信号を積分
する方法或は出力信号を対数変換し信号レンジを減少さ
せる方法等が用いられる。
このようにして増幅された出力信号は、観察画像部分に
良好なコントラストを与え或は鮮鋭度を向上させるため
にレベル変換される(画像処理)。
以上のように処理された光検出器からの出力信号(電気
信号)はブラウン管等の光走査装置に送られ観察に供せ
られる(放射線画像再生)。あるいは更に適当な記録材
料に該再生画像が記録される(放射線画像記録)。
第6図に本発明に使用するパネルの構成の1例を示す。
10はパネル、11は支持体、12は支持体11上に塗設された
螢光体層である。パネル10は一般に四ツ切或は半切の大
きさが用いられる。
支持体としては、ポリエチレン等の合成樹脂シート、ア
ルミニウム等の金属薄板、ガラス板等が使用され厚みは
実用的見地から定めることができる。また透明であって
も不透明であっても、輝尽螢光の測定位置を変えること
によって自由に使用可能である。
塗設する螢光体としては300〜500nmの輝尽螢光波長域
をもつ前記螢光体が使用される。
これらの中から選ばれた螢光体をバインダーと共に50〜
1000μmの厚みに塗設する。
次に第7図は放射線画像読取装置を示すものである。励
起光源としてYAGレーザを用いる。
YAGレーザ光源14から放射された1064nmのレーザ光は1
064nmよりも短波長側の光をカットするフィルター15
を介し、KDP等の非線形光学結晶16に入射する。得られ
た532nmの第2高調波は、ハーフミラー17を透過し、
パネル10に入射する。該励起光はフライングスポットと
して螢光体層12を走査するが、現時技術ではスポット径
を50μm以下にすることは困難であり、また300μm以
上では解像力が劣化するので50〜300μmのスポット径
であることが好ましい。
前記励起光で励起された螢光体は像様に蓄積している放
射線エネルギーを300〜500nmの輝尽螢光として放射す
る。この輝尽螢光はハーフミラー17で反射され、フィル
ター19で300〜500nm波長域外の混入光もしくは迷光を
カットされ、光検出器20に入り検出、測定される。
螢光体層12は励起光の一部を反射し、且つ励起光は輝尽
螢光に比べ相当強いので該反射光を完全にカットしてS/
N比を良好に保つことに特に留意しなければならない。
本発明に於ては前記した螢光体を選定することによって
輝尽螢光と励起光の波長スペクトルの重畳を回避するこ
とと、前記透過波長域を有するフィルターを用いること
により励起光による擾乱を完全に防止している。
(発明の効果) 以上説明した如く、本発明においては、励起光として53
2nmのYAGレーザの第2高調波を用いることにより次の
効果がある。
(1) YAGレーザは、パワーが大である為、パネルを励起
光で走査する場合、高速でスキャンすることができ、読
み出しスピードが向上する。
(2) YAGレーザは、パワーが大である為、照射する放射
線量を低減することができる。
(3) 経時による螢光体に蓄積されたエネルギーの退行
現象(フェーディング)の影響を受けることが少なくな
りパネル上の記録画像を高い輝尽螢光強度で長期間取出
し使用することができる。
(4) YAGレーザの第2高調波(532nm)は可視光であ
るから、通常の可視光用光学素子を使用することができ
る。また装置の調整が容易である。
(5) YAGレーザは固体レーザである為、放電光の混入が
なく、SN比の低下を防止できる。
(実施例) 前記したような効果を活用することにより本発明の目的
は完全に達成できる。
次に実施例および比較例を用いて本発明を説明する。
実施例1 BaFBr:Euから成る螢光体8重量部をポリビニルブチラ
ール(結着剤)1重量部にアセトンと酢酸エチルを等量
混合した溶剤を用いて分散させ、これをポリエチレンテ
レフタレート基板上にワイヤバーを用いて塗布してパネ
ルを作成した。
このパネルの螢光体層の乾燥膜厚は、約300μmであっ
た。
このパネルに管電圧80KVPのX線を照射した後第7図に
示した装置を用いて、螢光体層より、放射される輝尽螢
光を検出した。すなわち、励起光として10mWのYAGレー
ザの第2高調波(532nmを用い4μsec間螢光体を励起
した。第8図はこのときの輝尽のスペクトルを示すもの
である。第8図から明らかな様に本螢光体の発光スペク
トルはおよそ390nmにピークを有する。これより光電
子増倍管前面に第4図に示した透過スペクトルを有する
励起光カットフィルターを用いて励起光と輝尽螢光を分
離することが、容易となり高いS/N比で輝尽螢光を検出
することができた。
さらに、前記パネルを10mWのYAGレーザの第2高調波で
走査する場合40×40cmの大きさのパネルを約20secで走
査し良好な画像を得ることができた。
尚、第9図に、本螢光体に同様に管電圧80KVPのX線を
照射した後波長の異なる光エネルギーを照射した場合の
輝尽による発光強度と励起光波長との関係を示したも
の、すなわち、輝尽の励起スペクトルを示す。この様に
輝尽励起スペクトルのピークが、500nm付近に存在す
る様な螢光体の場合、532nmのYAGレーザの第2高調波
を励起光として用いることは、その励起効率からも特に
有効である。
比較例1 実施例1と同じパネルを用いて管電圧80KVPのX線を照
射した後5mWのHe−Neレーザ光(632.8nm)を用い4
μsec間螢光体を励起した。光電子増倍管前面に励起光
カットフィルターを用いて発光光を検出したが発光強度
は、実施例1の約1/3であった。
さらに前記螢光体を5mWのHe−Neレーザ光(632.8nm)で
走査する場合、40×40cmの大きさのパネルを走査し、実
施例1と同程度の画質の画像を得るのに約1mm要した。
実施例2 実施例1と同様にして、パネルを作成し、このパネルに
管電圧80KVP、10mRのX線を照射した後、第7図に示し
た装置を用いて、10mWのYAGレーザの第2高調波(532n
m)を用い、4μsec間このパネルに照射し、輝尽螢光
を検出した。
また、パネルの代わりに、白色の拡散板を用いて同様な
方法で10mWのYAGレーザの第2高調波(532nm)を4μ
sec間、拡散板に照射し、検出されたシグナルをノイズ
とした。
この結果、検出された輝尽螢光強度とノイズの相対強度
比は1:10-4であった。
比較例2 実施例1と同様にしてパネルを作製し、このパネルに80
KVP、10mRのX線を照射した後、第7図に示した装置に
おけるフィルター15および、非線形光学結晶16を取り除
き、さらに、YAGレーザ14をHe−Neレーザに置き換え、
この装置をもって10mWのHe−Neレーザ光(633nm)を
用い、4μsec間このパネルに照射し、輝尽螢光を検出
した。
また、パネルのかわりに、白色の拡散板を用いて、同様
な方法で10mWのHe−Neレーザ光(633nm)を4μsec間拡
散板に照射し、検出されたシグナルをノイズとした。こ
の結果検出された輝尽螢光強度とノイズの相対強度比は
1:10-3であった。
実施例2、比較例2の結果から、YAGレーザの第2高調
波を用いると、He−Neレーザを用いる場合に比較して、
ノイズが約1桁小さくなり、S/N比が向上することがわ
かった。
【図面の簡単な説明】
第1図は励起光レーザパワーと発光光強度を示すグラ
フ、第2図は励起光波長とフェーディング率を示すグラ
フ、第3図は螢光体の応答性を示すグラフ、第4図は励
起光カットフィルターの透過率スペクトルを示す特性
図、第5図は本発明の放射線写真法を示すフローチャー
ト、第6図は螢光体(パネル)の断面図、第7図は読取
装置の側面図、第8図はBaFBr:Euの輝尽発光スペクト
ルの特性を示すグラフ、第9図はBaFBr:Euの輝尽発光
スペクトルを示すグラフである。 10……蓄積性螢光体板、11……支持体、 12……蓄積性螢光体層、14……YAGレーザ光源、 15……フィルター、16……非線形光学結晶、 17……ハーフミラー、19……フィルター、 20……光検出器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審判の合議体 審判長 長尾 達也 審判官 高島 喜一 審判官 津田 俊明 (56)参考文献 特開 昭55−12142(JP,A) 特公 昭48−21797(JP,B1) 特公 昭54−22082(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蓄積性蛍光体材料を励起光で走査し、各画
    素からの発光光を光検出器で検出することにより、前記
    蓄積性蛍光体材料に記録されている放射線画像を読み取
    る放射線画像読取方法において、 前記励起光として波長が532nmのNd3+:YAG
    レーザの第2高調波を用いて前記蓄積性蛍光体材料を励
    起し、該蓄積性蛍光体材料からの発光光を、前記Nd
    3+:YAGレーザの第2高調波を遮断する励起光カッ
    トフィルターを設けた光検出器で受光するようにしたこ
    とを特徴とする放射線画像読取方法。
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