JPH06160652A - 高分子光導波路型光スターカプラ - Google Patents
高分子光導波路型光スターカプラInfo
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- JPH06160652A JPH06160652A JP4310335A JP31033592A JPH06160652A JP H06160652 A JPH06160652 A JP H06160652A JP 4310335 A JP4310335 A JP 4310335A JP 31033592 A JP31033592 A JP 31033592A JP H06160652 A JPH06160652 A JP H06160652A
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- optical waveguide
- star coupler
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- G02B6/10—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type
- G02B6/12—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type of the integrated circuit kind
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- G02B6/125—Bends, branchings or intersections
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- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/24—Coupling light guides
- G02B6/26—Optical coupling means
- G02B6/28—Optical coupling means having data bus means, i.e. plural waveguides interconnected and providing an inherently bidirectional system by mixing and splitting signals
- G02B6/2804—Optical coupling means having data bus means, i.e. plural waveguides interconnected and providing an inherently bidirectional system by mixing and splitting signals forming multipart couplers without wavelength selective elements, e.g. "T" couplers, star couplers
- G02B6/2808—Optical coupling means having data bus means, i.e. plural waveguides interconnected and providing an inherently bidirectional system by mixing and splitting signals forming multipart couplers without wavelength selective elements, e.g. "T" couplers, star couplers using a mixing element which evenly distributes an input signal over a number of outputs
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 光ローカルネットワーク等で使用する分岐比
と光損失に優れた高性能な光導波路型マルチモード光ス
ターカプラを廉価に提供する。 【構成】 分岐光導波路の幅が、始端から終端に向かっ
て広くなるように特定のテーパを付与した。 【効果】 マルチモード光LANの信頼性が向上し、安
価なシステムの構築が可能になった。
と光損失に優れた高性能な光導波路型マルチモード光ス
ターカプラを廉価に提供する。 【構成】 分岐光導波路の幅が、始端から終端に向かっ
て広くなるように特定のテーパを付与した。 【効果】 マルチモード光LANの信頼性が向上し、安
価なシステムの構築が可能になった。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,光ローカルネットワー
ク等で使用する光導波路型マルチモード光スターカプラ
に関し、さらには、コア径が50ミクロン、クラッド径
が125ミクロンのグレーデッドインデックス型マルチ
モード光ファイバを使用した、性能が大幅に改善された
光導波路型マルチモード多分岐光スターカプラに関す
る。
ク等で使用する光導波路型マルチモード光スターカプラ
に関し、さらには、コア径が50ミクロン、クラッド径
が125ミクロンのグレーデッドインデックス型マルチ
モード光ファイバを使用した、性能が大幅に改善された
光導波路型マルチモード多分岐光スターカプラに関す
る。
【0002】
【従来の技術】マルチモード光ファイバは、長距離通信
で一般に使用されるシングルモードファイバに比べて、
大きな開口数を持つために光源と光ファイバとの結合効
率が高いことや、コア径が大きいために光ファイバ同
士、あるいは、光ファイバと光部品との光軸合わせが容
易であるなどの利点を有する。コア径50ミクロン、ク
ラッド径125ミクロンのグレーデッドインデックス型
マルチモード光ファイバ(以下50/125GI光ファ
イバと略記)はその代表的なものであって、産業界にお
いて光ローカルネットワークや光計測制御システム等の
用途で広範囲に使用されている。今後、オフィスや生産
現場における光ネットワークの導入進展により、50/
125GI光ファイバがさらに普及・汎用されると考え
られている。
で一般に使用されるシングルモードファイバに比べて、
大きな開口数を持つために光源と光ファイバとの結合効
率が高いことや、コア径が大きいために光ファイバ同
士、あるいは、光ファイバと光部品との光軸合わせが容
易であるなどの利点を有する。コア径50ミクロン、ク
ラッド径125ミクロンのグレーデッドインデックス型
マルチモード光ファイバ(以下50/125GI光ファ
イバと略記)はその代表的なものであって、産業界にお
いて光ローカルネットワークや光計測制御システム等の
用途で広範囲に使用されている。今後、オフィスや生産
現場における光ネットワークの導入進展により、50/
125GI光ファイバがさらに普及・汎用されると考え
られている。
【0003】光スターカプラは、光ネットワークにおい
て光信号を直接に合流・分配する目的のために使用され
る重要な光部品である。光スターカプラにより信号の合
分配を行う光ネットワーク、即ち、受動型光ネットワー
クは、従来の高価な光/電気、電気/光の変換器を使用
する能動型光ネットワークに比べて、経済性に優れたシ
ステムとなると考えられていた。光スターカプラを使用
した経済性の高い受動型光ネットワークの技術確立に
は、光ローカルネットワークにおいて多用される多分
岐、換言すれば、多ポートのマルチモード光スターカプ
ラの性能向上と廉価な製品の提供が必須条件である。
て光信号を直接に合流・分配する目的のために使用され
る重要な光部品である。光スターカプラにより信号の合
分配を行う光ネットワーク、即ち、受動型光ネットワー
クは、従来の高価な光/電気、電気/光の変換器を使用
する能動型光ネットワークに比べて、経済性に優れたシ
ステムとなると考えられていた。光スターカプラを使用
した経済性の高い受動型光ネットワークの技術確立に
は、光ローカルネットワークにおいて多用される多分
岐、換言すれば、多ポートのマルチモード光スターカプ
ラの性能向上と廉価な製品の提供が必須条件である。
【0004】分岐・合流のための光回路(光導波路)に
光ファイバを接続して構成する光導波路型光スターカプ
ラの製造方法は、光ファイバを融着接続して製造する光
ファイバ融着型光スターカプラに比べて、光回路の設計
の自由度が高く多分岐光回路が容易に得られること、量
産性に富むこと、等の長所がある。中でも、光重合性の
モノマーをあらかじめ含浸させた透明性の高分子フィル
ムに、ホトマスクを通して光照射することによりモノマ
ーを選択的に重合させて光回路を形成する選択光重合法
は、安価な装置を使用して高性能な光回路が容易に得ら
れるために、光導波路型マルチモード光スターカプラの
低コストな製造方法となる可能性があった。このため
に、選択光重合法により形成した光導波路を用いて、5
0/125GI光ファイバ用の、高性能で、且つ、廉価
な光導波路型多分岐光スターカプラを市場に提供するこ
とが、汎用性の高い経済的な受動型光ネットワークの構
築を容易にし、その普及に寄与するものとの期待があっ
た。
光ファイバを接続して構成する光導波路型光スターカプ
ラの製造方法は、光ファイバを融着接続して製造する光
ファイバ融着型光スターカプラに比べて、光回路の設計
の自由度が高く多分岐光回路が容易に得られること、量
産性に富むこと、等の長所がある。中でも、光重合性の
モノマーをあらかじめ含浸させた透明性の高分子フィル
ムに、ホトマスクを通して光照射することによりモノマ
ーを選択的に重合させて光回路を形成する選択光重合法
は、安価な装置を使用して高性能な光回路が容易に得ら
れるために、光導波路型マルチモード光スターカプラの
低コストな製造方法となる可能性があった。このため
に、選択光重合法により形成した光導波路を用いて、5
0/125GI光ファイバ用の、高性能で、且つ、廉価
な光導波路型多分岐光スターカプラを市場に提供するこ
とが、汎用性の高い経済的な受動型光ネットワークの構
築を容易にし、その普及に寄与するものとの期待があっ
た。
【0005】光スターカプラの主要な性能指標は、分岐
比(分配比)と損失である。光スターカプラにより相互
に連結された各々の機器・装置は、通常、一つの受信部
で相手側の複数の機器・装置からの光信号を受信する。
従って、送信相手によらず受信する光信号パワーがほぼ
一定であることがシステム設計上重要であり、光スター
カプラにどのポートから入光した場合においても光が等
しく分岐されることが極めて重要であった。光スターカ
プラの分岐比が入力ポートによって大きく変動すると、
受信部の受信感度範囲を拡げたり、送信相手によって受
信感度を調節したりする必要が生じて、システム設計が
困難になり、また、システムが高価なものになるからで
ある。また、光スターカプラの損失が小さいことは、受
信部の受信感度を低減できたり、光ファイバによる光信
号の伝送距離を延長したりすることができてシステム設
計が容易になりまたシステムの経済性が高まる。
比(分配比)と損失である。光スターカプラにより相互
に連結された各々の機器・装置は、通常、一つの受信部
で相手側の複数の機器・装置からの光信号を受信する。
従って、送信相手によらず受信する光信号パワーがほぼ
一定であることがシステム設計上重要であり、光スター
カプラにどのポートから入光した場合においても光が等
しく分岐されることが極めて重要であった。光スターカ
プラの分岐比が入力ポートによって大きく変動すると、
受信部の受信感度範囲を拡げたり、送信相手によって受
信感度を調節したりする必要が生じて、システム設計が
困難になり、また、システムが高価なものになるからで
ある。また、光スターカプラの損失が小さいことは、受
信部の受信感度を低減できたり、光ファイバによる光信
号の伝送距離を延長したりすることができてシステム設
計が容易になりまたシステムの経済性が高まる。
【0006】特に、今後、光ローカルネットワークで汎
用される多分岐スターカプラの性能面での最大の課題は
分岐比の改善であった。なお、ここで多分岐とは分岐数
Nが8以上を想定している。光導波路型マルチモード光
スターカプラの光回路は、通常、図2に例示したような
主光導波路2と分岐光導波路3により構成される。主光
導波路2は、分岐光導波路3に入射された光信号のモー
ドをミキシングして、反対側の分岐光導波路3の各々に
均等に光パワーを分配する機能を持っている。従って、
光導波路型マルチモード光スターカプラの分岐比の改善
には、主光導波路における効果的なモードミキシングを
実現する光回路構造を見いだすことが課題であった。こ
れまで、光導波路型マルチモード光スターカプラの分岐
比を改善するために、たとえば、特開昭56−1403
05において開示された方法(図10参照)では、主光
導波路2の幅を、中央で広く、両端で狭くしたテーパ構
造にすることによって、主光導波路2内での混合効果を
高める方法が提案されている。しかしながら、多分岐の
場合における効果については明らかにされていない。
用される多分岐スターカプラの性能面での最大の課題は
分岐比の改善であった。なお、ここで多分岐とは分岐数
Nが8以上を想定している。光導波路型マルチモード光
スターカプラの光回路は、通常、図2に例示したような
主光導波路2と分岐光導波路3により構成される。主光
導波路2は、分岐光導波路3に入射された光信号のモー
ドをミキシングして、反対側の分岐光導波路3の各々に
均等に光パワーを分配する機能を持っている。従って、
光導波路型マルチモード光スターカプラの分岐比の改善
には、主光導波路における効果的なモードミキシングを
実現する光回路構造を見いだすことが課題であった。こ
れまで、光導波路型マルチモード光スターカプラの分岐
比を改善するために、たとえば、特開昭56−1403
05において開示された方法(図10参照)では、主光
導波路2の幅を、中央で広く、両端で狭くしたテーパ構
造にすることによって、主光導波路2内での混合効果を
高める方法が提案されている。しかしながら、多分岐の
場合における効果については明らかにされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の光導波路型マル
チモード光スターカプラの分岐光導波路としては、始端
(主光導波路との接合部)から終端(光ファイバgとの
接合部)まで幅が一定である光回路が使用されていた。
従来の光回路を用いて、50/125GI光ファイバを
使用して製作した32×32分岐光スターカプラの分岐
比は、図8の●印で例示したように外側のポートからの
入光になるほど光の分配が悪かった。即ち、図8の例に
おいては、中央部のポート(例えば、ポートNo12か
らポートNo20)から入光させた場合と、最外側ポー
ト(ポートNo1およびポートNo32)から入光させ
た場合とのポート別の分岐比の比較では8dBもの大き
な差となっている。これは、外側のポートから光スター
カプラに入射した光が反対側の対向するポートとその周
辺の二三のポートに極端に光が偏るからであった。
チモード光スターカプラの分岐光導波路としては、始端
(主光導波路との接合部)から終端(光ファイバgとの
接合部)まで幅が一定である光回路が使用されていた。
従来の光回路を用いて、50/125GI光ファイバを
使用して製作した32×32分岐光スターカプラの分岐
比は、図8の●印で例示したように外側のポートからの
入光になるほど光の分配が悪かった。即ち、図8の例に
おいては、中央部のポート(例えば、ポートNo12か
らポートNo20)から入光させた場合と、最外側ポー
ト(ポートNo1およびポートNo32)から入光させ
た場合とのポート別の分岐比の比較では8dBもの大き
な差となっている。これは、外側のポートから光スター
カプラに入射した光が反対側の対向するポートとその周
辺の二三のポートに極端に光が偏るからであった。
【0008】このように、従来の光導波路型の多分岐マ
ルチモード光スターカプラの最大の問題点は分岐比が不
良であることにあり、その改善には上述した光の偏りが
生じない光回路構造を見いだすことが不可欠であった。
なお、本願発明において、一つのポート(入射側のm番
目のポート)から光スターカプラに入射した強度I0 の
光が、反対側のN個の各ポートにそれぞれ強度In に分
岐される時、各出射ポートにおける挿入損失ILmn を
次式(1)で定義する。 ILmn (dB)=10log(I0/In) (1) また、挿入損失ILmn の最大値と最小値の差をm番目
ポートから入射した時のポート別の分岐比と定義する。
N×N光スターカプラ全体の分岐比とは、N×N個の挿
入損失の最大値と最小値の差と定義する。また、m番目
ポートから入射した時のポート別の過剰損失ELmを次
式(2) ELm(dB)=10log(I0/ΣIn ) (2) で定義する。N×N光スターカプラ全体の過剰損失と
は、N個のポート別の過剰損失の算術平均と定義する。
ルチモード光スターカプラの最大の問題点は分岐比が不
良であることにあり、その改善には上述した光の偏りが
生じない光回路構造を見いだすことが不可欠であった。
なお、本願発明において、一つのポート(入射側のm番
目のポート)から光スターカプラに入射した強度I0 の
光が、反対側のN個の各ポートにそれぞれ強度In に分
岐される時、各出射ポートにおける挿入損失ILmn を
次式(1)で定義する。 ILmn (dB)=10log(I0/In) (1) また、挿入損失ILmn の最大値と最小値の差をm番目
ポートから入射した時のポート別の分岐比と定義する。
N×N光スターカプラ全体の分岐比とは、N×N個の挿
入損失の最大値と最小値の差と定義する。また、m番目
ポートから入射した時のポート別の過剰損失ELmを次
式(2) ELm(dB)=10log(I0/ΣIn ) (2) で定義する。N×N光スターカプラ全体の過剰損失と
は、N個のポート別の過剰損失の算術平均と定義する。
【0009】次に、光導波路型光スターカプラの損失に
ついて説明する。光導波路内を光が伝搬する過程におい
ては吸収や散乱が原因で生じる導波損失が発生する。導
波損失は光導波路の材料や製法によって決まるもので光
導波路の長さにほぼ比例する。従って、導波損失を低減
するには光回路の寸法を可能な限り短くする必要があ
る。
ついて説明する。光導波路内を光が伝搬する過程におい
ては吸収や散乱が原因で生じる導波損失が発生する。導
波損失は光導波路の材料や製法によって決まるもので光
導波路の長さにほぼ比例する。従って、導波損失を低減
するには光回路の寸法を可能な限り短くする必要があ
る。
【0010】一般に、断面が略矩形状の光導波路と断面
が円形の光ファイバとの接合点においては形状の相違に
基ずく結合損失(形状損失)が発生する。形状損失を低
減するには、光ファイバと結合する分岐光導波路の終端
幅、光回路の厚さ、光ファイバのコア径に関して寸法の
最適化を要し、簡単な計算から予測されるように、終端
幅、光回路の厚さを、光ファイバのコア径の80%程度
に設定すれば形状損失は最小に近くすることができる。
が円形の光ファイバとの接合点においては形状の相違に
基ずく結合損失(形状損失)が発生する。形状損失を低
減するには、光ファイバと結合する分岐光導波路の終端
幅、光回路の厚さ、光ファイバのコア径に関して寸法の
最適化を要し、簡単な計算から予測されるように、終端
幅、光回路の厚さを、光ファイバのコア径の80%程度
に設定すれば形状損失は最小に近くすることができる。
【0011】また、光導波路と光ファイバとを結合させ
る時光導波路と光ファイバの開口数の違いによる損失が
生じる。ここで、開口数NAはコアの屈折率ncoとクラ
ッドの屈折率nclにより、 NA=(nco2−ncl2)1/2 (3) で表される。光導波路の開口数(NAwg)が光ファイバ
の開口数(NAf )に比べて小さ過ぎると、光ファイバ
から光導波路に入射する時に損失が発生する。従って、
光導波路の開口数NAwgはNAwg>NAf となるように
製作されねばならない。本願発明のポリカーボネートを
母材として形成した光導波路の場合においては、コアの
屈折率ncoは1.59、50/125GI光ファイバの
開口数NAf は0.2であるので、光導波路のクラッド
の屈折率ncl2 は (1.592−ncl2)1/2 >0.2 (4) を満足するように製造すればよく、具体的には、ncl<
1.58となるように光導波路を製作すれば光導波路と
光ファイバの開口数の違いによる損失をなくすることが
できる。
る時光導波路と光ファイバの開口数の違いによる損失が
生じる。ここで、開口数NAはコアの屈折率ncoとクラ
ッドの屈折率nclにより、 NA=(nco2−ncl2)1/2 (3) で表される。光導波路の開口数(NAwg)が光ファイバ
の開口数(NAf )に比べて小さ過ぎると、光ファイバ
から光導波路に入射する時に損失が発生する。従って、
光導波路の開口数NAwgはNAwg>NAf となるように
製作されねばならない。本願発明のポリカーボネートを
母材として形成した光導波路の場合においては、コアの
屈折率ncoは1.59、50/125GI光ファイバの
開口数NAf は0.2であるので、光導波路のクラッド
の屈折率ncl2 は (1.592−ncl2)1/2 >0.2 (4) を満足するように製造すればよく、具体的には、ncl<
1.58となるように光導波路を製作すれば光導波路と
光ファイバの開口数の違いによる損失をなくすることが
できる。
【0012】さらに、曲がり部分を有する光回路におい
ては曲がりによる損失が生じる。光導波路型光スターカ
プラ、特に、多分岐光スターカプラにおいては曲がりに
よる損失の低減は極めて重要な課題であった。多分岐光
スターカプラにおいては外側の分岐光導波路になるほど
曲がりの度合いが大きくなるからである。曲がり部分で
の損失について更に説明する。光導波路を進む光が光導
波路の直線部分から曲線部に入る時、導波モードの違い
による損失が発生する(図3(a)参照)。即ち、一部
の光が曲線部に入った後で高次モード化して光導波路の
開口数を越える光線となって漏洩する。また、曲線光導
波路では放射によって漏洩する損失がある(図3(b)
参照)。導波モードの違いによる損失も放射による損失
も、ともに、曲がり部分の曲率が大きい程、即ち、曲が
りが急な程大きくなる。
ては曲がりによる損失が生じる。光導波路型光スターカ
プラ、特に、多分岐光スターカプラにおいては曲がりに
よる損失の低減は極めて重要な課題であった。多分岐光
スターカプラにおいては外側の分岐光導波路になるほど
曲がりの度合いが大きくなるからである。曲がり部分で
の損失について更に説明する。光導波路を進む光が光導
波路の直線部分から曲線部に入る時、導波モードの違い
による損失が発生する(図3(a)参照)。即ち、一部
の光が曲線部に入った後で高次モード化して光導波路の
開口数を越える光線となって漏洩する。また、曲線光導
波路では放射によって漏洩する損失がある(図3(b)
参照)。導波モードの違いによる損失も放射による損失
も、ともに、曲がり部分の曲率が大きい程、即ち、曲が
りが急な程大きくなる。
【0013】また、導波モードの違いによる損失は曲が
り部分の中心角度には依らないが曲がりの向きがかわる
(図3(c)参照)たびに増加する。一方、放射による
損失は曲がり部分の中心角度に比例して増加する。従っ
て、光導波路型光スターカプラの曲がりによる損失を低
減するためには、分岐光導波路の曲がり部分の曲率を小
さくする、即ち、曲率半径(図2(b)のR1 、R2 、
・・・Rn )を大きくせねばならない。しかしながら、
分岐光導波路の終端では光ファイバと結合させるため
に、図2(a)に例示しているように、分岐光導波路の
終端での間隔は光ファイバのクラッド径以下にはできな
い。このために、曲率半径を大きくするためには分岐光
導波路の長さ(図2(a)のV)を大きくしなければな
らず、上述したように導波損失が増加してしまう問題が
あった。
り部分の中心角度には依らないが曲がりの向きがかわる
(図3(c)参照)たびに増加する。一方、放射による
損失は曲がり部分の中心角度に比例して増加する。従っ
て、光導波路型光スターカプラの曲がりによる損失を低
減するためには、分岐光導波路の曲がり部分の曲率を小
さくする、即ち、曲率半径(図2(b)のR1 、R2 、
・・・Rn )を大きくせねばならない。しかしながら、
分岐光導波路の終端では光ファイバと結合させるため
に、図2(a)に例示しているように、分岐光導波路の
終端での間隔は光ファイバのクラッド径以下にはできな
い。このために、曲率半径を大きくするためには分岐光
導波路の長さ(図2(a)のV)を大きくしなければな
らず、上述したように導波損失が増加してしまう問題が
あった。
【0014】幅が一定の曲がり光導波路に関して、幾何
学的な光線解析の手法を用いて、曲がりによる損失LR
と曲率半径Rとの関係を、曲がり光導波路のパラメータ
qにより次式で求めることができる。 q≦1の時 LR=−10×log(2q/3) (5) q>1の時 LR=−10×log{ 2/3[1+(q-1)/〔q+(q2-q)1/2 〕]}(6)
学的な光線解析の手法を用いて、曲がりによる損失LR
と曲率半径Rとの関係を、曲がり光導波路のパラメータ
qにより次式で求めることができる。 q≦1の時 LR=−10×log(2q/3) (5) q>1の時 LR=−10×log{ 2/3[1+(q-1)/〔q+(q2-q)1/2 〕]}(6)
【0015】曲がり光導波路のパラメータqは、曲率半
径R、光導波路幅d、光導波路のコアの屈折率n、コア
とクラッドの屈折率差Δnにより(7)式で表される。 q=R・Δn/(d・n) (7) また、ここで曲率半径Rは、図2(b)に示したよう
に、分岐光導波路の始端と終端の段差Hと長さVとによ
り R=(H2+V2)/(4×H) (8) により算出される。
径R、光導波路幅d、光導波路のコアの屈折率n、コア
とクラッドの屈折率差Δnにより(7)式で表される。 q=R・Δn/(d・n) (7) また、ここで曲率半径Rは、図2(b)に示したよう
に、分岐光導波路の始端と終端の段差Hと長さVとによ
り R=(H2+V2)/(4×H) (8) により算出される。
【0016】曲がり光導波路の光導波路幅d、光導波路
のコアの屈折率n、コアとクラッドの屈折率差Δnは、
上述した形状損失や開口数の相違による損失を最小にす
る条件により定まり、曲率半径Rとは独立した変数とし
て決めることができる。従って、上記の(5)、
(6)、(7)、(8)式で定まる曲がりによる損失L
Rとパラメータqとの関係は、即ち、曲がりによる損失
LRと曲率半径Rとの関係と考えることができる。
のコアの屈折率n、コアとクラッドの屈折率差Δnは、
上述した形状損失や開口数の相違による損失を最小にす
る条件により定まり、曲率半径Rとは独立した変数とし
て決めることができる。従って、上記の(5)、
(6)、(7)、(8)式で定まる曲がりによる損失L
Rとパラメータqとの関係は、即ち、曲がりによる損失
LRと曲率半径Rとの関係と考えることができる。
【0017】図4は、上記の(5)、(6)、(7)、
(8)式で定まる曲がりによる損失LRと曲率半径Rと
の関係について例示したものであって、光導波路の幅d
を28μm、コアの屈折率nを1.59、コアとクラッ
ドの屈折率差Δnを0.02とした場合(即ち、(3)
式から算出される光導波路の開口数NAwg=0.25)
について示している。図4においてS0 点が上記の
(5)式と(6)式の境界となる点である。
(8)式で定まる曲がりによる損失LRと曲率半径Rと
の関係について例示したものであって、光導波路の幅d
を28μm、コアの屈折率nを1.59、コアとクラッ
ドの屈折率差Δnを0.02とした場合(即ち、(3)
式から算出される光導波路の開口数NAwg=0.25)
について示している。図4においてS0 点が上記の
(5)式と(6)式の境界となる点である。
【0018】一般に、図4のS1 点より右側部分のよう
な、曲率半径Rを変化させても曲がりによる損失LRが
あまり変わらない領域が存在する。曲率半径Rを不必要
に大きくするのは、既述のように導波損失を招くだけで
ある。従って,曲率半径Rは、曲がりによる損失LRと
導波損失を考慮した適性な範囲に設定すればよく、具体
的には上記の曲がり損失LRの立ち上がり点S1 に設定
すれば実質的には問題ない。
な、曲率半径Rを変化させても曲がりによる損失LRが
あまり変わらない領域が存在する。曲率半径Rを不必要
に大きくするのは、既述のように導波損失を招くだけで
ある。従って,曲率半径Rは、曲がりによる損失LRと
導波損失を考慮した適性な範囲に設定すればよく、具体
的には上記の曲がり損失LRの立ち上がり点S1 に設定
すれば実質的には問題ない。
【0019】
【課題を解決するための手段】本願発明の目的は、選択
光重合法により形成した高分子光回路を用いて、市場に
おいて汎用されているマルチモード光ファイバである5
0/125GI光ファイバ用の、高性能で、且つ、廉価
な光導波路型多分岐光スターカプラを市場に提供するこ
とにより、汎用性の高い経済的な受動型光ネットワーク
の構築を容易にしその普及に寄与することにある。
光重合法により形成した高分子光回路を用いて、市場に
おいて汎用されているマルチモード光ファイバである5
0/125GI光ファイバ用の、高性能で、且つ、廉価
な光導波路型多分岐光スターカプラを市場に提供するこ
とにより、汎用性の高い経済的な受動型光ネットワーク
の構築を容易にしその普及に寄与することにある。
【0020】本願発明者らは、上記の目的を達成するた
めに改良検討を重ねた結果、選択光重合法で形成した高
分子光回路の分岐光導波路の幅を始端(主光導波路との
結合部)から終端(光ファイバとの結合部)にかけて幅
を広げたテーパ付き光回路構造とすることにより、従来
よりも格段に分岐比を改善した多分岐光導波路型光スタ
ーカプラ実現できることを見いだした。本願発明者ら
は、この知見を基にしてさらに鋭意検討を進めて本願発
明を完成させた。
めに改良検討を重ねた結果、選択光重合法で形成した高
分子光回路の分岐光導波路の幅を始端(主光導波路との
結合部)から終端(光ファイバとの結合部)にかけて幅
を広げたテーパ付き光回路構造とすることにより、従来
よりも格段に分岐比を改善した多分岐光導波路型光スタ
ーカプラ実現できることを見いだした。本願発明者ら
は、この知見を基にしてさらに鋭意検討を進めて本願発
明を完成させた。
【0021】本願発明の高分子光導波路型光スターカプ
ラ1は、図1に例示したように、光回路を形成した高分
子フィルム2を基板3で補強した光回路プレート4と、
50/125GI光ファイバ5を基板6上に配列してな
る光ファイバアレイ7とを接着剤8で接続して構成して
いる。光回路は透明性の高分子フィルムに含浸させた光
重合性モノマーを選択的に重合させて形成されている。
ラ1は、図1に例示したように、光回路を形成した高分
子フィルム2を基板3で補強した光回路プレート4と、
50/125GI光ファイバ5を基板6上に配列してな
る光ファイバアレイ7とを接着剤8で接続して構成して
いる。光回路は透明性の高分子フィルムに含浸させた光
重合性モノマーを選択的に重合させて形成されている。
【0022】本願発明の光回路9は、図2に例示したよ
うに、一様な幅の主光導波路10の両端が複数の分岐光
導波路11に分割されている。光回路9は全体として中
心線L0 に関して対称で、本図では示されていないが全
体として一様な厚さと屈折率を有している。分岐光導波
路11は始端において密着配列されており終端では光フ
ァイバが接続される。さらに、分岐光導波路の始端およ
び終端は、それぞれ、中心線L0 に垂直な直線L1 、L
2 上に並んでいる。
うに、一様な幅の主光導波路10の両端が複数の分岐光
導波路11に分割されている。光回路9は全体として中
心線L0 に関して対称で、本図では示されていないが全
体として一様な厚さと屈折率を有している。分岐光導波
路11は始端において密着配列されており終端では光フ
ァイバが接続される。さらに、分岐光導波路の始端およ
び終端は、それぞれ、中心線L0 に垂直な直線L1 、L
2 上に並んでいる。
【0023】本願発明の特徴は、分岐光導波路11が変
曲点を有する曲がり光導波路として形成されており、し
かも、分岐光導波路の始端から終端に向かって光導波路
の幅が広くなるようにテーパを付与した光回路を使用し
たことによって、多分岐光スターカプラの分岐比を格段
に改善した点にある。更には、分岐光導波路の始端幅を
X、終端幅をY、主光導波路の長さをWミリメートル、
主光導波路の幅をZミリメートルとする時、主光導波路
と分岐光導波路が次の関係式 0.4≦X/Y≦0.8 (9) 40×Zmm≦W<60mm (10) を満足するように寸法設計することによって、高性能な
多分岐の高分子光導波路型光スターカプラを工業的に好
収率に得られるようにしたことにある。
曲点を有する曲がり光導波路として形成されており、し
かも、分岐光導波路の始端から終端に向かって光導波路
の幅が広くなるようにテーパを付与した光回路を使用し
たことによって、多分岐光スターカプラの分岐比を格段
に改善した点にある。更には、分岐光導波路の始端幅を
X、終端幅をY、主光導波路の長さをWミリメートル、
主光導波路の幅をZミリメートルとする時、主光導波路
と分岐光導波路が次の関係式 0.4≦X/Y≦0.8 (9) 40×Zmm≦W<60mm (10) を満足するように寸法設計することによって、高性能な
多分岐の高分子光導波路型光スターカプラを工業的に好
収率に得られるようにしたことにある。
【0024】分岐光導波路に付与したテーパは、分岐光
導波路内での伝搬光の開口数(NA)を増大せしめ、主
光導波路内に入射する光の入射角を拡大せしめる(図5
(a)、(b)参照)。こうして、分岐光導波路にテー
パを付与することによって、主光導波路内における反射
によるミキシング効果が高まり、反対側の分岐光導波路
への光分配がより均等化する。
導波路内での伝搬光の開口数(NA)を増大せしめ、主
光導波路内に入射する光の入射角を拡大せしめる(図5
(a)、(b)参照)。こうして、分岐光導波路にテー
パを付与することによって、主光導波路内における反射
によるミキシング効果が高まり、反対側の分岐光導波路
への光分配がより均等化する。
【0025】しかしながら、分岐光導波路にテーパを付
与することによって分岐光導波路内での伝搬損失が増加
する問題点があり、分岐光導波路の始端幅Xと終端幅Y
の比X/Yの最適化を要した。
与することによって分岐光導波路内での伝搬損失が増加
する問題点があり、分岐光導波路の始端幅Xと終端幅Y
の比X/Yの最適化を要した。
【0026】テーパを付与した光導波路を伝搬する光
は、光導波路の開口数をNAwg、入射光の開口数をNA
in、分岐光導波路の始端幅Xと終端幅Yの比X/Y(以
下ではテーパ率と呼称する)をTとするとき、既述の光
線解析法により容易に導き出すことができる次式で表わ
される損失LSが発生する。 T≧(NAin/NAwg)の時 LS=0 dB (11) T<(NAin/NAwg)の時 LS=−10×log{NAwg/(NAin/T)} dB (12) ここで、NAinは、実際上、使用する光ファイバの開
口数NAf と等しいと考えてよく、50/125GI光
ファイバの場合はNAf は0.2である。
は、光導波路の開口数をNAwg、入射光の開口数をNA
in、分岐光導波路の始端幅Xと終端幅Yの比X/Y(以
下ではテーパ率と呼称する)をTとするとき、既述の光
線解析法により容易に導き出すことができる次式で表わ
される損失LSが発生する。 T≧(NAin/NAwg)の時 LS=0 dB (11) T<(NAin/NAwg)の時 LS=−10×log{NAwg/(NAin/T)} dB (12) ここで、NAinは、実際上、使用する光ファイバの開
口数NAf と等しいと考えてよく、50/125GI光
ファイバの場合はNAf は0.2である。
【0027】光導波路の開口数NAwgは、既述のよう
に、光導波路と光ファイバとの接続点における結合損失
を低減するために、NAwg>NAf となるように製作さ
れる。即ち、上記式において(NAin/NAwg)<1で
ある。また、テーパ率Tも定義からT≦1である。
に、光導波路と光ファイバとの接続点における結合損失
を低減するために、NAwg>NAf となるように製作さ
れる。即ち、上記式において(NAin/NAwg)<1で
ある。また、テーパ率Tも定義からT≦1である。
【0028】選択光重合法により製作する光導波路の開
口数は、実際上、製作可能な上限がある。従って、テー
パの程度を大きくする、即ち、Tを小さくしていくと
(12)式の領域に入り損失が増大する。従って、光導
波路型光スターカプラの過剰損失を増大させないで分岐
比を改善するには、テーパ率、即ち、分岐光導波路の始
端幅Xと終端幅Yの比X/Yは適性な範囲に設定されね
ばならない。
口数は、実際上、製作可能な上限がある。従って、テー
パの程度を大きくする、即ち、Tを小さくしていくと
(12)式の領域に入り損失が増大する。従って、光導
波路型光スターカプラの過剰損失を増大させないで分岐
比を改善するには、テーパ率、即ち、分岐光導波路の始
端幅Xと終端幅Yの比X/Yは適性な範囲に設定されね
ばならない。
【0029】また、本願発明者らは、50/125GI
光ファイバ用の16×16および32×32光スターカ
プラに関して、分岐光導波路の終端幅Yが40ミクロ
ン、長さVが12ミリメートルと一定であり、さらに、
主光導波路の長さWと幅Zの比W/Zを40と一定とし
た光回路について、分岐光導波路の始端幅Xと終端幅Y
の比X/Yを変えた光回路を用いて、X/Yと分岐比お
よび光損失(過剰損失)との関係について詳細な検討を
行い図6(a)、図6(b)に例示する結果を得た。い
ずれの光スターカプラに関しても、驚くべきことに20
%程度のテーパ(X/Yが0.8)の付与によって分岐
比は顕著に改善された。テーパ率が0.8以下では分岐
比はほぼ一定であった。
光ファイバ用の16×16および32×32光スターカ
プラに関して、分岐光導波路の終端幅Yが40ミクロ
ン、長さVが12ミリメートルと一定であり、さらに、
主光導波路の長さWと幅Zの比W/Zを40と一定とし
た光回路について、分岐光導波路の始端幅Xと終端幅Y
の比X/Yを変えた光回路を用いて、X/Yと分岐比お
よび光損失(過剰損失)との関係について詳細な検討を
行い図6(a)、図6(b)に例示する結果を得た。い
ずれの光スターカプラに関しても、驚くべきことに20
%程度のテーパ(X/Yが0.8)の付与によって分岐
比は顕著に改善された。テーパ率が0.8以下では分岐
比はほぼ一定であった。
【0030】しかしながら過剰損失はテーパ率が0.4
より小さくなると次第に増大した。この原因は、主とし
て、分岐光導波路でのテーパ付与による損失増加であ
る。即ち、分岐光導波路の終端幅Yは変わらず形状損失
は一定である。また、終端幅Yおよび主光導波路の長さ
Wと幅Zの比W/Zが一定故に主光導波路の長さWはテ
ーパ率が小さくなるほど短かくなり、主光導波路での導
波損失も減少する。さらにまた、テーパ率の減少ととも
に分岐光導波路の曲率半径は増大して曲がり損失も減じ
ているからである。こうして、過剰損失の抑制の点から
テーパ率の下限が存在し、上記の(9)式にテーパ率を
設定する、即ち、0.4≦X/Y≦0.8とすることに
より、過剰損失を増大させることなく分岐比を大幅に改
善できた。
より小さくなると次第に増大した。この原因は、主とし
て、分岐光導波路でのテーパ付与による損失増加であ
る。即ち、分岐光導波路の終端幅Yは変わらず形状損失
は一定である。また、終端幅Yおよび主光導波路の長さ
Wと幅Zの比W/Zが一定故に主光導波路の長さWはテ
ーパ率が小さくなるほど短かくなり、主光導波路での導
波損失も減少する。さらにまた、テーパ率の減少ととも
に分岐光導波路の曲率半径は増大して曲がり損失も減じ
ているからである。こうして、過剰損失の抑制の点から
テーパ率の下限が存在し、上記の(9)式にテーパ率を
設定する、即ち、0.4≦X/Y≦0.8とすることに
より、過剰損失を増大させることなく分岐比を大幅に改
善できた。
【0031】しかしながら、分岐光導波路にテーを付与
した場合においても、主光導波路におけるミキシングが
効果的に行われるためには、所定の主光導波路長さは必
要であって、この必要長さは主光導波路の幅とも相関す
ることは容易に想像される。また、本願発明者らは、5
0/125GI光ファイバ用の16×16および32×
32光スターカプラに関して、分岐光導波路の長さVを
一定とし、テーパ率Tを0.6とした光回路について、
主光導波路の長さWと幅Zの比W/Zと分岐比および過
剰損失との関係について詳細な検討を行い図7(a)、
図7(b)に例示する結果を得た。分岐光導波路の終端
幅Yは40ミクロンと一定であるので、テーパ率Tが一
定であることは主光導波路の幅Z(分岐数N×始端幅
X)も一定であり、図7は主導波路の長さWと分岐比お
よび過剰損失との関係と考えることができる。
した場合においても、主光導波路におけるミキシングが
効果的に行われるためには、所定の主光導波路長さは必
要であって、この必要長さは主光導波路の幅とも相関す
ることは容易に想像される。また、本願発明者らは、5
0/125GI光ファイバ用の16×16および32×
32光スターカプラに関して、分岐光導波路の長さVを
一定とし、テーパ率Tを0.6とした光回路について、
主光導波路の長さWと幅Zの比W/Zと分岐比および過
剰損失との関係について詳細な検討を行い図7(a)、
図7(b)に例示する結果を得た。分岐光導波路の終端
幅Yは40ミクロンと一定であるので、テーパ率Tが一
定であることは主光導波路の幅Z(分岐数N×始端幅
X)も一定であり、図7は主導波路の長さWと分岐比お
よび過剰損失との関係と考えることができる。
【0032】分岐比はW/Zが40以上、即ち、主光導
波路の長さWが40×Z以上ではほぼ一定であり、40
より小さくなると次第に大きくなる。また、主光導波路
の長さWは過剰損失抑制の点から短いことが望まれる。
本願発明に用いた選択光重合法により形成した高分子光
導波路は、導波損失が0.15〜0.2dB/cmの範
囲である。従って、主光導波路の長さが60mm以上に
なると、主光導波路における導波損失だけで1dBを越
える大きな損失が発生する。主光導波路の長さは60m
mを越えない範囲に設定することにより、図7の結果か
らも判るように、過剰損失を抑制することができる。
波路の長さWが40×Z以上ではほぼ一定であり、40
より小さくなると次第に大きくなる。また、主光導波路
の長さWは過剰損失抑制の点から短いことが望まれる。
本願発明に用いた選択光重合法により形成した高分子光
導波路は、導波損失が0.15〜0.2dB/cmの範
囲である。従って、主光導波路の長さが60mm以上に
なると、主光導波路における導波損失だけで1dBを越
える大きな損失が発生する。主光導波路の長さは60m
mを越えない範囲に設定することにより、図7の結果か
らも判るように、過剰損失を抑制することができる。
【0033】主光導波路の長さWが、上記の(10)
式、即ち、40×Zmm≦W<60mmであれば、分岐
比、過剰損失ともに良好な光スターカプラとなる。こう
して、上記の(9)式,(10)式を満足するように光
回路の寸法を設計することにより、分岐比、損失ともに
優れた多分岐光スターカプラを好収率で製造できる。
式、即ち、40×Zmm≦W<60mmであれば、分岐
比、過剰損失ともに良好な光スターカプラとなる。こう
して、上記の(9)式,(10)式を満足するように光
回路の寸法を設計することにより、分岐比、損失ともに
優れた多分岐光スターカプラを好収率で製造できる。
【0034】入射側のテーパ付き分岐光導波路3内で高
次モード化され、主光導波路2でミキシングされた後、
出射側の分岐光導波路3に分配された光は、出射側の分
岐光導波路3を伝搬する過程で入射の場合とは反対に低
次モード化していく。従って、出射側の分岐光導波路を
伝搬する過程では、入射の場合のような伝搬光と光導波
路の開口数の相違による損失は生じない。
次モード化され、主光導波路2でミキシングされた後、
出射側の分岐光導波路3に分配された光は、出射側の分
岐光導波路3を伝搬する過程で入射の場合とは反対に低
次モード化していく。従って、出射側の分岐光導波路を
伝搬する過程では、入射の場合のような伝搬光と光導波
路の開口数の相違による損失は生じない。
【0035】また、分岐光導波路の入射側、出射側のテ
ーパ率は、N×Nの光スターカプラでは全く対称で等し
く、N×Mのスターカプラの場合にも、通常、概略等し
いように設計可能であるために、最終的に分岐光導波路
から光ファイバへ出射する光は、入射光とあまり変わら
ない開口数、換言すれば、光ファイバの開口数とほぼ等
しくなっている。このために、出射光と光ファイバの開
口数の相違による結合損失が増加することがない。
ーパ率は、N×Nの光スターカプラでは全く対称で等し
く、N×Mのスターカプラの場合にも、通常、概略等し
いように設計可能であるために、最終的に分岐光導波路
から光ファイバへ出射する光は、入射光とあまり変わら
ない開口数、換言すれば、光ファイバの開口数とほぼ等
しくなっている。このために、出射光と光ファイバの開
口数の相違による結合損失が増加することがない。
【0036】本願発明の分岐光導波路にテーパを付与す
る方法としては、具体的には、例えば、分岐光導波路の
曲線部を構成する各々のコアとクラッドの境界線を二つ
の同一半径の円弧を連結して形成し、それぞれの分岐光
導波路を構成するふたつの境界線の半径は異なるように
設計することにより、容易にテーパを付与した分岐光導
波路を得ることができる。
る方法としては、具体的には、例えば、分岐光導波路の
曲線部を構成する各々のコアとクラッドの境界線を二つ
の同一半径の円弧を連結して形成し、それぞれの分岐光
導波路を構成するふたつの境界線の半径は異なるように
設計することにより、容易にテーパを付与した分岐光導
波路を得ることができる。
【0037】本願発明の光回路を例示した図2(b)に
より、本願発明の分岐光導波路にテーパを付与する方法
について更に具体的、且つ、詳細に説明する。分岐光導
波路の曲線部の境界線は、半径Rn が同一で中心位置が
境界線の反対側にある二つの円弧(例えば円弧A1 と円
弧B1 、円弧A2 と円弧B2 など)を連結することによ
り形成できる。またこの時、円弧群A(A1 、A2 ・・
・An )の中心は直線L1 上に、また、円弧群B(B1
、B2 ・・・Bn )の中心は直線L2 上にくるように
設計・製作し、円弧群の各円弧の半径R1 、R2 、・・
Rn がR1 <R2<・・・<Rn とすることによって、
分岐光導波路の始端から終端に向かって連続的に幅が広
がるようにテーパを付与することができる。この時、円
弧の連結点(境界線の変曲点)は直線L1 とL2 の中央
に位置する直線L3 上に配列される。分岐光導波路のコ
アとクラッドの境界線の設計手段は上記の方法に限定さ
れるものではなく、例えば、高次曲線で近似する等の方
法・手段が適用できる。
より、本願発明の分岐光導波路にテーパを付与する方法
について更に具体的、且つ、詳細に説明する。分岐光導
波路の曲線部の境界線は、半径Rn が同一で中心位置が
境界線の反対側にある二つの円弧(例えば円弧A1 と円
弧B1 、円弧A2 と円弧B2 など)を連結することによ
り形成できる。またこの時、円弧群A(A1 、A2 ・・
・An )の中心は直線L1 上に、また、円弧群B(B1
、B2 ・・・Bn )の中心は直線L2 上にくるように
設計・製作し、円弧群の各円弧の半径R1 、R2 、・・
Rn がR1 <R2<・・・<Rn とすることによって、
分岐光導波路の始端から終端に向かって連続的に幅が広
がるようにテーパを付与することができる。この時、円
弧の連結点(境界線の変曲点)は直線L1 とL2 の中央
に位置する直線L3 上に配列される。分岐光導波路のコ
アとクラッドの境界線の設計手段は上記の方法に限定さ
れるものではなく、例えば、高次曲線で近似する等の方
法・手段が適用できる。
【0038】分岐光導波路の始端幅X、終端幅Y、始端
幅と終端幅の比X/Yは各々の分岐光導波路において同
一であってもよいし異なっていてもよい。要はX/Yが
上記の条件を満足する範囲であればよい。多分岐の光ス
ターカプラになると、分岐光導波路の長さが中央付近と
外側では異なる。このために、光スターカプラ内での光
パワーの分配の偏りは改善されても、各々の分岐光導波
路の長さの違いによる導波損失の相違があるために、結
果としての分岐比が多少悪くなることも生じ得る。これ
を、補正するために各々の分岐光導波路のX/Yや終端
幅Yを変えることは有効な手段である。
幅と終端幅の比X/Yは各々の分岐光導波路において同
一であってもよいし異なっていてもよい。要はX/Yが
上記の条件を満足する範囲であればよい。多分岐の光ス
ターカプラになると、分岐光導波路の長さが中央付近と
外側では異なる。このために、光スターカプラ内での光
パワーの分配の偏りは改善されても、各々の分岐光導波
路の長さの違いによる導波損失の相違があるために、結
果としての分岐比が多少悪くなることも生じ得る。これ
を、補正するために各々の分岐光導波路のX/Yや終端
幅Yを変えることは有効な手段である。
【0039】分岐光導波路の終端間隔は、分岐比と損失
が悪化しない範囲で任意に選択することができる。例え
ば、図1に例示したように、分岐光導波路の終端間隔は
全て同一で光ファイバの外径(クラッド径)とほぼ等し
くしてもよい。こうすることによってあらかじめ光ファ
イバを密着配列した光ファイバアレイと光導波路とを一
括で容易に接続できる利点がある。また、光回路の設計
パラメータ数が減少して回路設計が容易になり製造コス
トの低減にもなる。
が悪化しない範囲で任意に選択することができる。例え
ば、図1に例示したように、分岐光導波路の終端間隔は
全て同一で光ファイバの外径(クラッド径)とほぼ等し
くしてもよい。こうすることによってあらかじめ光ファ
イバを密着配列した光ファイバアレイと光導波路とを一
括で容易に接続できる利点がある。また、光回路の設計
パラメータ数が減少して回路設計が容易になり製造コス
トの低減にもなる。
【0040】本願発明の光導波路型光スターカプラに用
いる高分子光回路の製造方法、、即ち、選択光重合法に
よる高分子光回路の製造方法について、図9を参考にし
て説明する。本願発明の高分子光回路の製造工程は、光
重合性のモノマーと増感剤を所定量含有する透明性高分
子フィルムを溶液キャスティング法による製作する第一
の工程(図9(a))、ホトマスクをフィルム上に置い
て光照射して露光部の光重合性モノマーを重合させる第
二の工程(図9(b))、未反応モノマーを真空乾燥し
て除去する第三の工程(図9(c))、フィルム表裏に
クラッド相を形成する第四の工程(図9(d))よりな
る。なお、フィルム表裏のクラッド相は、光回路フィル
ムを基板で補強して光回路プレートを製作する際に、フ
ィルムの固定剤として用いる接着剤で兼用することもで
きる。
いる高分子光回路の製造方法、、即ち、選択光重合法に
よる高分子光回路の製造方法について、図9を参考にし
て説明する。本願発明の高分子光回路の製造工程は、光
重合性のモノマーと増感剤を所定量含有する透明性高分
子フィルムを溶液キャスティング法による製作する第一
の工程(図9(a))、ホトマスクをフィルム上に置い
て光照射して露光部の光重合性モノマーを重合させる第
二の工程(図9(b))、未反応モノマーを真空乾燥し
て除去する第三の工程(図9(c))、フィルム表裏に
クラッド相を形成する第四の工程(図9(d))よりな
る。なお、フィルム表裏のクラッド相は、光回路フィル
ムを基板で補強して光回路プレートを製作する際に、フ
ィルムの固定剤として用いる接着剤で兼用することもで
きる。
【0041】また、図9においては、露光部がクラッド
相となり、非露光部がコア相となる場合について例示し
ているが、露光部がコア相となり、非露光部がクラッド
相となるような母材ポリマーとモノマーの組み合わせを
選択することも可能であり、母材ポリマーとモノマーの
屈折率によって任意に選択できる。
相となり、非露光部がコア相となる場合について例示し
ているが、露光部がコア相となり、非露光部がクラッド
相となるような母材ポリマーとモノマーの組み合わせを
選択することも可能であり、母材ポリマーとモノマーの
屈折率によって任意に選択できる。
【0042】ビスフェノールを原料とするポリカーボネ
ートは、透明性が良好で、機械的強度の高い特徴があ
り、母材ポリマーとして適した材料である。屈折率が
1.59と高いので、光重合性モノマーとしては、一般
に、母材より低屈折率で、比較的沸点の低いアクリル酸
やアクリル酸エステルが好適である。このようなモノマ
ーとして具体的に例示するとすれば、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、アクリル酸、トリフルオロエ
チルアクリレートなどがある。
ートは、透明性が良好で、機械的強度の高い特徴があ
り、母材ポリマーとして適した材料である。屈折率が
1.59と高いので、光重合性モノマーとしては、一般
に、母材より低屈折率で、比較的沸点の低いアクリル酸
やアクリル酸エステルが好適である。このようなモノマ
ーとして具体的に例示するとすれば、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、アクリル酸、トリフルオロエ
チルアクリレートなどがある。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して、その効果を
更に具体的に、かつ詳細に説明する。なお、以下に例示
する実施例は具体的に説明するためのものであって、本
発明の実施態様や発明範囲を限定するものではない。 実施例1〜実施例3 コア径50μm、クラッド径125μmのGI光ファイ
バ(開口数0.2)用の16×16光スターカプラ用と
して、表1の寸法の光回路パターンを形成した石英フォ
トマスクを製作した。マスク寸法は光回路作成時の約4
%の寸法収縮を考慮した設計としている。分岐光導波路
の終端間隔は光ファイバを密着配列した時の間隔、即
ち、125μmとなるように設計した。また、分岐光導
波路のコアとクラッドの境界線は同一半径の円弧を接続
して形成し、おのおのの境界線の曲率半径は分岐光導波
路の始端と終端の段差Hと長さVとにより、R=(H2
+V 2 )/4H(上記の(8)式)により設計した。光
回路を形成する方法としては、既述の選択光重合法を用
いた。即ち、ビスフェノールZから合成されたポリカー
ボネート樹脂(三菱瓦斯化学製、商品名ユーピロンZ)
と低屈折率モノマーとしてトリフルオロエチルアクリレ
ートおよび増感剤のベンゾインエチルエーテルを含む4
2μmの膜厚のフィルムをソルベントキャスト法によっ
て作製し、上記のホトマスクを用いて紫外線露光を行い
回路以外の部分のモノマーを重合させた後、回路部分に
残存している未反応モノマーを真空乾燥して除去して光
回路をフィルム内に形成した。乾燥後のフィルムの厚さ
は40μm、光回路の開口数は0.3であった。光ファ
イバと光回路の開口数の比は0.67であり、光回路の
厚さと光ファイバのコア径の比ならびに、分岐光導波路
の終端幅と光ファイバのコア径の比は0.8であった。
次に、コア径50μm、クラッド径125μmのGIフ
ァイバの被覆を除去した素線16本をガラス基板上に配
列して、先端においてクラッド同士が密着するように配
列・構成した二つの光ファイバアレイを製作し先端面を
研磨した。続いて、上記光回路の両端に上記光ファイバ
アレイを配置して、光回路と光ファイバの光軸を合わせ
て接着して16×16分岐光スターカプラを製作した。
波長0.85μmのLED光源(安藤電気製AQ−13
04型)および光パワーメータ(安藤電気製AQ−11
11型)を使用して、常法に従って光スターカプラの挿
入損失を測定し分岐比と過剰損失を算出して、分岐光導
波路の始端幅と終端幅の比(テーパ率)と分岐比および
過剰損失との関係に関する図6(a)の○印および□印
の結果を得た。
更に具体的に、かつ詳細に説明する。なお、以下に例示
する実施例は具体的に説明するためのものであって、本
発明の実施態様や発明範囲を限定するものではない。 実施例1〜実施例3 コア径50μm、クラッド径125μmのGI光ファイ
バ(開口数0.2)用の16×16光スターカプラ用と
して、表1の寸法の光回路パターンを形成した石英フォ
トマスクを製作した。マスク寸法は光回路作成時の約4
%の寸法収縮を考慮した設計としている。分岐光導波路
の終端間隔は光ファイバを密着配列した時の間隔、即
ち、125μmとなるように設計した。また、分岐光導
波路のコアとクラッドの境界線は同一半径の円弧を接続
して形成し、おのおのの境界線の曲率半径は分岐光導波
路の始端と終端の段差Hと長さVとにより、R=(H2
+V 2 )/4H(上記の(8)式)により設計した。光
回路を形成する方法としては、既述の選択光重合法を用
いた。即ち、ビスフェノールZから合成されたポリカー
ボネート樹脂(三菱瓦斯化学製、商品名ユーピロンZ)
と低屈折率モノマーとしてトリフルオロエチルアクリレ
ートおよび増感剤のベンゾインエチルエーテルを含む4
2μmの膜厚のフィルムをソルベントキャスト法によっ
て作製し、上記のホトマスクを用いて紫外線露光を行い
回路以外の部分のモノマーを重合させた後、回路部分に
残存している未反応モノマーを真空乾燥して除去して光
回路をフィルム内に形成した。乾燥後のフィルムの厚さ
は40μm、光回路の開口数は0.3であった。光ファ
イバと光回路の開口数の比は0.67であり、光回路の
厚さと光ファイバのコア径の比ならびに、分岐光導波路
の終端幅と光ファイバのコア径の比は0.8であった。
次に、コア径50μm、クラッド径125μmのGIフ
ァイバの被覆を除去した素線16本をガラス基板上に配
列して、先端においてクラッド同士が密着するように配
列・構成した二つの光ファイバアレイを製作し先端面を
研磨した。続いて、上記光回路の両端に上記光ファイバ
アレイを配置して、光回路と光ファイバの光軸を合わせ
て接着して16×16分岐光スターカプラを製作した。
波長0.85μmのLED光源(安藤電気製AQ−13
04型)および光パワーメータ(安藤電気製AQ−11
11型)を使用して、常法に従って光スターカプラの挿
入損失を測定し分岐比と過剰損失を算出して、分岐光導
波路の始端幅と終端幅の比(テーパ率)と分岐比および
過剰損失との関係に関する図6(a)の○印および□印
の結果を得た。
【0044】実施例4〜実施例6 コア径50μm、クラッド径125μmのGI光ファイ
バ用を使用した32×32分岐光スターカプラ用とし
て、表1の寸法の光回路パターンを形成した石英フォト
マスクを製作した。分岐光導波路の終端間隔は実施例1
と同様であり、分岐光導波路のコアとクラッドの境界線
も実施例1と同様にして設計した。このホトマスクを用
いて実施例1と同様にして、開口数0.3、厚さ40μ
mの光回路を製作し、別途製作した光ファイバ素線32
本をガラス基板上に配列した二つの光ファイバアレイと
光回路を、実施例1と同様にして接続して32×32光
スターカプラを製作した。実施例1と同様にして挿入損
失を測定して分岐比と過剰損失を算出し、テーパ率と分
岐比および過剰損失との関係に関する図6(b)の○印
および□印の結果を得た。
バ用を使用した32×32分岐光スターカプラ用とし
て、表1の寸法の光回路パターンを形成した石英フォト
マスクを製作した。分岐光導波路の終端間隔は実施例1
と同様であり、分岐光導波路のコアとクラッドの境界線
も実施例1と同様にして設計した。このホトマスクを用
いて実施例1と同様にして、開口数0.3、厚さ40μ
mの光回路を製作し、別途製作した光ファイバ素線32
本をガラス基板上に配列した二つの光ファイバアレイと
光回路を、実施例1と同様にして接続して32×32光
スターカプラを製作した。実施例1と同様にして挿入損
失を測定して分岐比と過剰損失を算出し、テーパ率と分
岐比および過剰損失との関係に関する図6(b)の○印
および□印の結果を得た。
【0045】実施例7〜実施例9 コア径50μm、クラッド径125μmのGI光ファイ
バ用の16×16光スターカプラ用として、表1の寸法
の光回路パターンを形成した石英フォトマスクを製作し
た。分岐光導波路の終端間隔、分岐光導波路の形成方法
は実施例1と同様に設計した。実施例1と同様にして、
開口数0.3、厚さ40μmの光回路を製作し、これを
用いて16×16光スターカプラを製作した。実施例1
と同様にして測定した16×16分岐光スターカプラの
挿入損失から分岐比と過剰損失を算出し、主光導波路の
長さと幅の比と分岐比及び過剰損失との関係に関する図
7(a)の○印および□印の結果を得た。
バ用の16×16光スターカプラ用として、表1の寸法
の光回路パターンを形成した石英フォトマスクを製作し
た。分岐光導波路の終端間隔、分岐光導波路の形成方法
は実施例1と同様に設計した。実施例1と同様にして、
開口数0.3、厚さ40μmの光回路を製作し、これを
用いて16×16光スターカプラを製作した。実施例1
と同様にして測定した16×16分岐光スターカプラの
挿入損失から分岐比と過剰損失を算出し、主光導波路の
長さと幅の比と分岐比及び過剰損失との関係に関する図
7(a)の○印および□印の結果を得た。
【0046】実施例10 コア径50μm、クラッド径125μmのGI光ファイ
バ用の32×32光スターカプラ用として、表2の寸法
の光回路パターンを形成した石英フォトマスクを製作し
た。分岐光導波路の終端間隔、分岐光導波路の形成方法
は実施例4と同様に設計した。実施例4と同様にして、
開口数0.3、厚さ40μmの光回路を製作し、これを
用いて32×32光スターカプラを製作して挿入損失を
測定し分岐比と過剰損失を算出した。実施例5と実施例
10から、主光導波路の長さと幅の比と分岐比及び過剰
損失との関係に関する図7(b)の○印および□印の結
果を得た。
バ用の32×32光スターカプラ用として、表2の寸法
の光回路パターンを形成した石英フォトマスクを製作し
た。分岐光導波路の終端間隔、分岐光導波路の形成方法
は実施例4と同様に設計した。実施例4と同様にして、
開口数0.3、厚さ40μmの光回路を製作し、これを
用いて32×32光スターカプラを製作して挿入損失を
測定し分岐比と過剰損失を算出した。実施例5と実施例
10から、主光導波路の長さと幅の比と分岐比及び過剰
損失との関係に関する図7(b)の○印および□印の結
果を得た。
【0047】
【表1】
【0048】比較例1〜比較例4 コア径50μm、クラッド径125μmのGI光ファイ
バ用の16×16光スターカプラ用として、表2の寸法
の光回路パターンを形成した石英フォトマスククを製作
した。分岐光導波路の終端間隔、分岐光導波路の形成方
法は実施例1と同様に設計した。実施例1と同様にし
て、開口数0.3、厚さ40μmの光回路を製作し、こ
れを用いて実施例1と同様にして16×16光スターカ
プラを製作して,挿入損失を測定して分岐比と過剰損失
を算出して、テーパ率と分岐比および過剰損失との関係
に関する図6(a)の●印および■印の結果の結果を得
た。
バ用の16×16光スターカプラ用として、表2の寸法
の光回路パターンを形成した石英フォトマスククを製作
した。分岐光導波路の終端間隔、分岐光導波路の形成方
法は実施例1と同様に設計した。実施例1と同様にし
て、開口数0.3、厚さ40μmの光回路を製作し、こ
れを用いて実施例1と同様にして16×16光スターカ
プラを製作して,挿入損失を測定して分岐比と過剰損失
を算出して、テーパ率と分岐比および過剰損失との関係
に関する図6(a)の●印および■印の結果の結果を得
た。
【0049】比較例5〜比較例8 コア径50μm、クラッド径125μmのGI光ファイ
バ用の32×32光スターカプラ用として、表2の寸法
の光回路パターンを形成した石英フォトマスクを製作し
た。分岐光導波路の終端間隔、分岐光導波路の形成方法
は実施例4と同様に設計した。実施例4と同様にして、
開口数0.3、厚さ40μmの光回路を製作し、これを
用いて32×32光スターカプラを製作した。実施例4
と同様にして挿入損失を測定して分岐比と過剰損失を算
出し、テーパ率と分岐比および過剰損失との関係に関す
る図6(b)の●印および■印の結果を得た。
バ用の32×32光スターカプラ用として、表2の寸法
の光回路パターンを形成した石英フォトマスクを製作し
た。分岐光導波路の終端間隔、分岐光導波路の形成方法
は実施例4と同様に設計した。実施例4と同様にして、
開口数0.3、厚さ40μmの光回路を製作し、これを
用いて32×32光スターカプラを製作した。実施例4
と同様にして挿入損失を測定して分岐比と過剰損失を算
出し、テーパ率と分岐比および過剰損失との関係に関す
る図6(b)の●印および■印の結果を得た。
【0050】比較例9〜比較例11 コア径50μm、クラッド径125μmのGI光ファイ
バ用の16×16光スターカプラ用として、表2の寸法
の光回路パターンを形成した石英フォトマスクを製作し
た。分岐光導波路の終端間隔、分岐光導波路の形成方法
は実施例1と同様に設計した。実施例1と同様にして、
開口数0.3、厚さ40μmの光回路を製作し、これを
用いて16×16光スターカプラを製作して挿入損失を
測定し分岐比と過剰損失を算出し、主光導波路の長さと
幅の比と分岐比及び過剰損失との関係に関する図7
(a)の●印および■印の結果を得た。
バ用の16×16光スターカプラ用として、表2の寸法
の光回路パターンを形成した石英フォトマスクを製作し
た。分岐光導波路の終端間隔、分岐光導波路の形成方法
は実施例1と同様に設計した。実施例1と同様にして、
開口数0.3、厚さ40μmの光回路を製作し、これを
用いて16×16光スターカプラを製作して挿入損失を
測定し分岐比と過剰損失を算出し、主光導波路の長さと
幅の比と分岐比及び過剰損失との関係に関する図7
(a)の●印および■印の結果を得た。
【0051】比較例12〜比較例14 コア径50μm、クラッド径125μmのGI光ファイ
バ用の32×32光スターカプラ用として、表2の寸法
の光回路パターンを形成した石英フォトマスクを製作し
た。分岐光導波路の終端間隔、分岐光導波路の形成方法
は実施例4と同様に設計した。実施例4と同様にして、
開口数0.3、厚さ40μmの光回路を製作し、これを
用いて32×32光スターカプラを製作して挿入損失を
測定し分岐比と過剰損失を算出し、主光導波路の長さと
幅の比と分岐比及び過剰損失との関係に関する図7
(b)の●印および■印の結果を得た。
バ用の32×32光スターカプラ用として、表2の寸法
の光回路パターンを形成した石英フォトマスクを製作し
た。分岐光導波路の終端間隔、分岐光導波路の形成方法
は実施例4と同様に設計した。実施例4と同様にして、
開口数0.3、厚さ40μmの光回路を製作し、これを
用いて32×32光スターカプラを製作して挿入損失を
測定し分岐比と過剰損失を算出し、主光導波路の長さと
幅の比と分岐比及び過剰損失との関係に関する図7
(b)の●印および■印の結果を得た。
【0052】比較例15 コア径50μm、クラッド径125μmのGI光ファイ
バ用の32×32分岐光スターカプラ用として、分岐光
導波路の始端幅と終端幅が同一である表2の寸法の光回
路パターンを形成した石英フォトマスクを製作した。分
岐光導波路の終端間隔、分岐光導波路の形成方法は実施
例1と同様に設計した。このホトマスクを用いて開口数
0.3、厚さ40μmの光回路を製作し、これを用いて
32×32分岐光スターカプラを製作した。実施例5と
同様にして挿入損失を測定して分岐比に関して図8の●
印の結果を得た。
バ用の32×32分岐光スターカプラ用として、分岐光
導波路の始端幅と終端幅が同一である表2の寸法の光回
路パターンを形成した石英フォトマスクを製作した。分
岐光導波路の終端間隔、分岐光導波路の形成方法は実施
例1と同様に設計した。このホトマスクを用いて開口数
0.3、厚さ40μmの光回路を製作し、これを用いて
32×32分岐光スターカプラを製作した。実施例5と
同様にして挿入損失を測定して分岐比に関して図8の●
印の結果を得た。
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】本願発明の使用することにより、分岐比
の良好な低損失な光導波路型の多分岐マルチモード光ス
ターカプラを、好収率に製造して提供することが可能と
なった。本願発明を実施することにより、本願発明の目
的である、高性能で、且つ、廉価な、光導波路型のマル
チモード型多分岐光スターカプラを市場に提供して、マ
ルチモード光LANの信頼性を向上させ、安価なシステ
ムの構築を可能ならしめて、その普及に寄与することが
可能になった。
の良好な低損失な光導波路型の多分岐マルチモード光ス
ターカプラを、好収率に製造して提供することが可能と
なった。本願発明を実施することにより、本願発明の目
的である、高性能で、且つ、廉価な、光導波路型のマル
チモード型多分岐光スターカプラを市場に提供して、マ
ルチモード光LANの信頼性を向上させ、安価なシステ
ムの構築を可能ならしめて、その普及に寄与することが
可能になった。
【図1】本願発明の高分子光導波路型光スターカプラを
模式的に示した斜視図である。
模式的に示した斜視図である。
【図2】本願本発明の高分子光導波路型光スターカプラ
のテーパ付き光スター回路を模式的に示した平面図であ
る。
のテーパ付き光スター回路を模式的に示した平面図であ
る。
【図3】曲がり光導波路における損失の発生を模式的に
示した図である。
示した図である。
【図4】曲がりによる損失と曲率半径との関係を示す図
である。
である。
【図5】テーパの効果を模式的に示した図である。
【図6】分岐光導波路のテーパ率と、分岐比および過剰
損失との関係を示した図である。
損失との関係を示した図である。
【図7】主光導波路の長さと幅との比と、分岐比および
過剰損失の関係を示した図である。
過剰損失の関係を示した図である。
【図8】本願発明の32×32光スターカプラと従来の
32×32光スターカプラのポート別分岐比を比較した
図である。
32×32光スターカプラのポート別分岐比を比較した
図である。
【図9】選択光重合法による高分子光導波路の製造方法
を示す図である。
を示す図である。
【図10】従来の光回路の改良例を示した図である。
1..高分子光導波路型光カプラ 2..光回路フィルム 3..光回路プレート基板 4..光回路プレート 5..光ファイバコード 6..光ファイバアレイ基板 7..光ファイバアレイ 8..接着剤 9..テーパ付き光回路 10..主光導波路 11..分岐光導波路 12..光ファイバのコア 13..光ファイバ素線
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の高分子光導波路型光スターカプラを
模式的に示した斜視図である。
模式的に示した斜視図である。
【図2】本願本発明の高分子光導波路型光スターカプラ
のテーパ付き光スター回路を模式的に示した平面図であ
る。
のテーパ付き光スター回路を模式的に示した平面図であ
る。
【図3】曲がり光導波路における損失の発生を模式的に
示した図である。
示した図である。
【図4】曲がりによる損失と曲率半径との関係を示す図
である。
である。
【図5】テーパの効果を模式的に示した図である。
【図6】分岐光導波路のテーパ率と、分岐比および過剰
損失との関係を示した図である。
損失との関係を示した図である。
【図7】主光導波路の長さと幅との比と、分岐比および
過剰損失の関係を示した図である。
過剰損失の関係を示した図である。
【図8】本願発明の32×32光スターカプラと従来の
32×32光スターカプラのポート別分岐比を比較した
図である。
32×32光スターカプラのポート別分岐比を比較した
図である。
【図9】選択光重合法による高分子光導波路の製造方法
を示す図である。
を示す図である。
【図10】従来の光回路の改良例を示した図である。
【符号の説明】 1..高分子光導波路型光カプラ 2..光回路フィルム 3..光回路プレート基板 4..光回路プレート 5..光ファイバコード 6..光ファイバアレイ基板 7..光ファイバアレイ 8..接着剤 9..テーパ付き光回路 10..主光導波路 11..分岐光導波路 12..光ファイバのコア 13..光ファイバ素線
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】特に、今後、光ローカルネットワークで汎
用される多分岐スターカプラの性能面での最大の課題は
分岐比の改善であった。なお、ここで多分岐とは分岐数
Nが8以上を想定している。光導波路型マルチモード光
スターカプラの光回路は、通常、図2に例示したような
主光導波路10と分岐光導波路11により構成される。主光
導波路10は、分岐光導波路11に入射された光信号のモー
ドをミキシングして、反対側の分岐光導波路3の各々に
均等に光パワーを分配する機能を持っている。従って、
光導波路型マルチモード光スターカプラの分岐比の改善
には、主光導波路における効果的なモードミキシングを
実現する光回路構造を見いだすことが課題であった。こ
れまで、光導波路型マルチモード光スターカプラの分岐
比を改善するために、たとえば、特開昭56−1403
05において開示された方法(図10参照)では、主光
導波路 の幅を、中央で広く、両端で狭くしたテーパ構
造にすることによって、主光導波路 内での混合効果を
高める方法が提案されている。しかしながら、多分岐の
場合における効果については明らかにされていない。
用される多分岐スターカプラの性能面での最大の課題は
分岐比の改善であった。なお、ここで多分岐とは分岐数
Nが8以上を想定している。光導波路型マルチモード光
スターカプラの光回路は、通常、図2に例示したような
主光導波路10と分岐光導波路11により構成される。主光
導波路10は、分岐光導波路11に入射された光信号のモー
ドをミキシングして、反対側の分岐光導波路3の各々に
均等に光パワーを分配する機能を持っている。従って、
光導波路型マルチモード光スターカプラの分岐比の改善
には、主光導波路における効果的なモードミキシングを
実現する光回路構造を見いだすことが課題であった。こ
れまで、光導波路型マルチモード光スターカプラの分岐
比を改善するために、たとえば、特開昭56−1403
05において開示された方法(図10参照)では、主光
導波路 の幅を、中央で広く、両端で狭くしたテーパ構
造にすることによって、主光導波路 内での混合効果を
高める方法が提案されている。しかしながら、多分岐の
場合における効果については明らかにされていない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】しかしながら、分岐光導波路にテーパを付
与した場合においても、主光導波路におけるミキシング
が効果的に行われるためには、所定の主光導波路長さは
必要であって、この必要長さは主光導波路の幅とも相関
することは容易に想像される。また、本願発明者らは、
50/125GI光ファイバ用の16×16および32
×32光スターカプラに関して、分岐光導波路の長さV
を一定とし、テーパ率Tを0.6とした光回路につい
て、主光導波路の長さWと幅Zの比W/Zと分岐比およ
び過剰損失との関係について詳細な検討を行い図7
(a)、図7(b)に例示する結果を得た。分岐光導波
路の終端幅Yは40ミクロンと一定であるので、テーパ
率Tが一定であることは主光導波路の幅Z(分岐数N×
始端幅X)も一定であり、図7は主導波路の長さWと分
岐比および過剰損失との関係と考えることができる。
与した場合においても、主光導波路におけるミキシング
が効果的に行われるためには、所定の主光導波路長さは
必要であって、この必要長さは主光導波路の幅とも相関
することは容易に想像される。また、本願発明者らは、
50/125GI光ファイバ用の16×16および32
×32光スターカプラに関して、分岐光導波路の長さV
を一定とし、テーパ率Tを0.6とした光回路につい
て、主光導波路の長さWと幅Zの比W/Zと分岐比およ
び過剰損失との関係について詳細な検討を行い図7
(a)、図7(b)に例示する結果を得た。分岐光導波
路の終端幅Yは40ミクロンと一定であるので、テーパ
率Tが一定であることは主光導波路の幅Z(分岐数N×
始端幅X)も一定であり、図7は主導波路の長さWと分
岐比および過剰損失との関係と考えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川端 康成 東京都葛飾区新宿六丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 一様な幅の主光導波路の両端が複数の分
岐光導波路に分割された光回路を有し、該分岐光導波路
の各々に光ファイバを接続して構成した光導波路型光ス
ターカプラにおいて、光ファイバがコア径50ミクロ
ン、クラッド径125ミクロンのグレーデッドインデッ
クス型マルチモード石英光ファイバであり、該光回路
が、透明性の高分子フィルムに含浸させた光重合性モノ
マーを選択的に重合させて形成されており、該分岐光導
波路が変曲点を有する曲がり光導波路として形成されて
おり、しかも、分岐光導波路の始端から終端に向かって
光導波路の幅が広くなるようにテーパを付与されてお
り、該主光導波路と該分岐光導波路とが、次の関係式、 0.4≦X/Y≦0.8 40×Zmm≦W<60mm [但し、Xは分岐光導波路の始端幅、Yは分岐光導波路
の終端幅、Wはmmで表した主光導波路の長さ、Zはm
mで表した主光導波路の幅を意味する]を満足するよう
に設計されていることを特徴とする高分子光導波路型光
スターカプラ。
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- 1992-11-19 JP JP31033592A patent/JP3269505B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1993
- 1993-11-18 DE DE69318378T patent/DE69318378T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1993-11-18 EP EP93309210A patent/EP0598622B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1993-11-18 US US08/154,038 patent/US5570442A/en not_active Expired - Fee Related
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