JPH06160630A - 光学用部材の表面保護フィルム - Google Patents

光学用部材の表面保護フィルム

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JPH06160630A
JPH06160630A JP33565492A JP33565492A JPH06160630A JP H06160630 A JPH06160630 A JP H06160630A JP 33565492 A JP33565492 A JP 33565492A JP 33565492 A JP33565492 A JP 33565492A JP H06160630 A JPH06160630 A JP H06160630A
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JP
Japan
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layer
film
protective film
optical member
polarizing plate
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JP33565492A
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English (en)
Inventor
Rinjiro Ichikawa
林次郎 市川
Junichi Hirata
純一 平田
Harutaka Tsuboi
治恭 坪井
Tetsunosuke Kobayashi
徹之介 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujimori Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Fujimori Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 検査時に剥離を要せず、耐スクラッチ性や表
面硬度が一段と向上し、しかもコスト的にも負担となら
ない光学用部材の表面保護フィルムを提供することを目
的とする。 【構成】 偏光板、位相差板、液晶表示パネルなどの光
学用部材(2) の少なくとも片面に貼着することによって
その光学用部材(2) の表面の保護を図るための保護フィ
ルム(1) である。この保護フィルム(1) は、単層または
複層の光等方性ベースシート(11)の片面に貼着性樹脂層
(12)を設け、他面には硬化性樹脂硬化物層(14)を介して
金属酸化物層(13)を設けた層構成を有する。金属酸化物
層(13)は、SiOx(ただし、1<x<2)で示される
酸化ケイ素の層であることが特に望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、偏光板、位相差板、偏
光板と位相差板との複合板、液晶表示パネルなどの光学
用部材の少なくとも片面に貼着することによって、その
光学用部材の表面の保護を図るための表面保護フィルム
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように液晶セルは、2枚の基板の
間に液晶を封入した構成を有する。液晶表示パネルは、
典型的には、液晶セルの片面に偏光板、他面に位相差板
を介して偏光板を積層することにより作製される。位相
差板を省略したり、位相差板に代えて補償用液晶セルを
用いることもある。偏光板や位相差板の積層は、通常は
粘着剤層付きの偏光板または粘着剤層付きの位相差板を
対象物に貼着することによりなされる。
【0003】上記の偏光板あるいは位相差板としては、
偏光素膜あるいは位相差素膜の両側に保護板としてのセ
ルローストリアセテートフィルムを積層したものが汎用
されている。
【0004】ところが、セルローストリアセテートフィ
ルムは耐スクラッチ性や耐湿性が劣るので、偏光板、位
相差板の取り扱い中や液晶表示パネル作製後には最外層
の表面に保護フィルムを被覆し、爾後の工程や流通過程
におけるこれらの光学用部材の損傷を防ぐようにしてい
る。保護フィルムの設置は塵の付着を防ぐ意味でも必要
である。そして実際に位相差板を液晶セルに貼着すると
きに保護フィルムを剥離除去するか、偏光板を貼着した
液晶表示パネルを使用するときに該偏光板上の保護フィ
ルムを剥離除去する。
【0005】従来、上記の保護フィルムとしては、ポリ
エチレンフィルムやエチレン−酢酸ビニル共重合体フィ
ルムの如き熱圧着タイプのもの、弱粘着剤層付きのポリ
エステルフィルムやポリプロピレンフィルムの如き感圧
接着タイプのものが使われている。
【0006】また、液晶表示パネルの偏光板の上から貼
着することによって該偏光板表面の保護を図るための保
護フィルムとして、本出願人も次のような出願を行って
いる。
【0007】すなわち、特開平4−31442号公報に
は、ガラス転移点50℃以下の樹脂または可塑化樹脂か
らなり、偏光板に対し貼着性を有し、偏光板に対し貼着
する側の面の表面平滑度が 0.1μmm以下であり、レター
デーション値が30nm以下で、可視光線透過率が75%
以上である光等方性フィルムからなる表面保護フィルム
が示されている。
【0008】特開平4−30120号公報には、光等方
性基材フィルム層/光等方性貼着性樹脂層の層構成を有
し、可視光線透過率が75%以上であって、光等方性貼
着性樹脂層表面の平滑度が 0.1μmm以下である光等方性
積層フィルムからなる表面保護フィルムが示されてい
る。
【0009】特開平4−32805号公報には、耐スク
ラッチ性光等方性物質層/光等方性基材フィルム層/光
等方性貼着性樹脂層の層構成を有しかつ可視光線透過率
が75%以上である表面保護フィルムが示されている。
ここで耐スクラッチ性光等方性物質層とは、加熱硬化型
樹脂硬化物層、紫外線硬化型樹脂硬化物層、無機質層
(二酸化ケイ素層等)などである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の保護フィルムは
複屈折性を有するので(つまり光等方性を有しないの
で)、保護フィルム付きの長尺の偏光板や位相差板から
欠陥のない部分を選択カットして得るに際しては、一旦
保護フィルムを剥離してから偏光板や位相差板の検査を
行い、欠陥のない部分をカットすることが必要となる。
保護フィルム付きのまま検査を行うと、着色むらや干渉
光を生じ、検査自体が不可能または不正確になるからで
ある。
【0011】液晶セル、位相差板、偏光板などから組み
立てた液晶表示パネルについても、表示能力、色相、コ
ントラストなどの評価のために、適時に検査を行うのが
通例であるが、上記と同様の理由から、やはり検査に先
立ち一旦この保護フィルムを剥離除去し、検査終了後に
もう一度新しい保護フィルムを貼り直さなければならな
い。
【0012】上記において貼り直しを新しい保護フィル
ムで行うのは、保護フィルムは再貼着性を有しないか、
あるいは再貼着可能でも再貼着すると美麗さが損なわれ
るからである。
【0013】上述の検査のための保護フィルムの剥離お
よび再貼着は、工程的に2工程を要するものであり、極
限までのコスト低下が追求されるこの分野においては大
きな支障となっているはずであるが、保護フィルムはも
ともとそのようなものであるとの認識から、その改善に
ついては特に対策はとられていないのが現状である。
【0014】これに対し、本出願人の出願にかかる上述
の特開平4−31442号公報、特開平4−30120
号公報および特開平4−32805号公報に開示の保護
フィルムは、光等方性を有するので、検査時に剥離を要
しないという大きな利点がある。
【0015】しかしながら、特開平4−31442号公
報の保護フィルムは貼着性および耐スクラッチ性の点で
充分ではなく、特開平4−30120号公報の保護フィ
ルムも耐スクラッチ性の点では充分ではないという限界
がある。
【0016】この点、特開平4−32805号公報の保
護フィルムは、耐スクラッチ性光等方性物質層を設けて
いるので耐スクラッチ性の問題は一応解決しているが、
耐スクラッチ性光等方性物質層を設けている下層が柔ら
かい層であるので、耐スクラッチ性光等方性物質層の設
置による耐スクラッチ性や表面硬度の向上が必ずしも充
分に発揮されているとは言いがたいことに気がついた。
また、耐スクラッチ性光等方性物質層として加熱硬化型
樹脂硬化物層または紫外線硬化型樹脂硬化物層を用いる
ときは、耐透気性をより高めたいという要望もある。
【0017】本発明は、このような背景下において、検
査時に剥離を要せず、耐スクラッチ性や表面硬度が一段
と向上し、しかもコスト的にも負担とならない光学用部
材の表面保護フィルムを提供することを目的とするもの
である。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の光学用部材の表
面保護フィルムは、光学用部材(2) の少なくとも片面に
貼着することによってその光学用部材(2) の表面の保護
を図るための保護フィルム(1) であって、該保護フィル
ム(1) が、単層または複層の光等方性ベースシート(11)
の片面に貼着性樹脂層(12)を設け、他面には硬化性樹脂
硬化物層(14)を介して金属酸化物層(13)を設けた層構成
を有することを特徴とするものである。
【0019】以下本発明を詳細に説明する。なお本明細
書においては、フィルム、シート、板の用語を用いてい
るが、これらの間に特別の区別は存在しない。
【0020】光学用部材(2) としては、偏光板、位相差
板、偏光板と位相差板との複合板、液晶表示パネルなど
が代表的なものとしてあげられるが、光ディスク、光カ
ード、液晶セル、ゴーグルなどもあげられる。
【0021】このうち偏光板は、ビニルアルコール系重
合体/ヨウ素系、ビニルアルコール系重合体/2色性染
料系、ビニルアルコール系重合体/ポリエン系、ポリハ
ロゲン化ビニル/ポリエン系、ポリアクリロニトリル/
ポリエン系などの偏光素膜の両側に、セルローストリア
セテートフィルム、セルロースブチレートアセテートフ
ィルムなどの保護板を積層したものからなる。保護板と
しては、セルローストリアセテートフィルムやセルロー
スブチレートアセテートフィルムのほか、ポリカーボネ
ートフィルム、ポリメタクリル酸メチルフィルム、ポリ
塩化ビニルフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重
合体フィルム、ポリアミドフィルム、ポリスチレンフィ
ルムなども使用しうるとされているが、事実上はセルロ
ーストリアセテートフィルムやセルロースブチレートア
セテートフィルム、殊にセルローストリアセテートフィ
ルムに限られる。
【0022】位相差板は、一軸延伸(場合により二軸延
伸)した高分子フィルムからなる位相差素膜の両側に、
セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテ
ートブチレートフィルムなどの保護板を積層したものか
らなる。アミノ酸樹脂等ある種の高分子フィルムは一軸
延伸しなくても位相差機能を有するものがあるので、そ
のような高分子フィルムを位相差素膜として用いること
もできる。
【0023】液晶表示パネルは、液晶セルに偏光板や位
相差板を組み合わせたものであり、最外層は偏光板とな
る。
【0024】これらの光学用部材(2) の少なくとも片面
には保護フィルム(1)が貼着されるが、本発明において
は、この保護フィルム(1)として、単層または複層の光
等方性ベースシート(11)の片面に貼着性樹脂層(12)を設
け、他面には硬化性樹脂硬化物層(14)を介して金属酸化
物層(13)を設けた層構成を有するものを用いる。
【0025】ここで光等方性ベースシート(11)として
は、必要な機械的強度を有するフィルム、たとえば、硬
質ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィル
ム、ポリエステルフィルム、ポリスルホンフィルム、ポ
リ−4−メチルペンテンフィルム、ポリフェニレンオキ
サイドフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリ
アリレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、
エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、セルロ
ース系高分子フィルムなどが用いられる。光等方性ベー
スシート(11)は、単層のみならず、複層であってもよ
い。
【0026】このベースシート(11)は光等方性を有する
ことが必要であるので、レターデーション値が30nm以
下、殊に20nm以下のフィルムであって、可視光線透過
率が75%以上のものを用いる。このような光等方性ベ
ースシート(11)は流延法により製膜することにより得ら
れるが、レターデーション値および可視光線透過率が上
記の条件を満足していれば押出法など他の成形法を採用
することもできる。なおこの光等方性ベースシート(11)
の厚さは5〜200μm 程度が適当である。
【0027】貼着性樹脂層(12)としては、光学用部材
(2) に対し貼着性を有する層、たとえば、ポリエステル
系、アクリル系、ポリオレフィン系、ポリアミド系等の
感熱接着性樹脂層;アクリル系、ポリエステル系、ウレ
タン系、ポリエーテル系、ゴム系等の感圧接着性樹脂
層;飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
ブタジエンポリオール、ポリオレフィンポリオール、官
能基含有アクリル共重合体等の官能基を有する樹脂に硬
化剤を配合して製膜し、部分架橋または不完全架橋させ
たフィルム;ポリ塩化ビニルに可塑剤をたとえば20重
量%以上配合した軟質ポリ塩化ビニルフィルム;飽和ポ
リエステル樹脂フィルム;アクリル系共重合体フィル
ム;ブチルゴム、ウレタンゴム、ブタジエン系ゴム(ポ
リブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等)、スチ
レン−イソプレン−スチレンゴムなどの合成ゴムを製膜
して得られたフィルム;低分子量ポリエチレン、アタク
チックポリプロピレン、塩素化ポリプロピレンなどのポ
リオレフィン系樹脂を製膜して得られたフィルム;エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重
合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などのエ
チレン系共重合体を製膜して得られたフィルム;などが
あげられる。この貼着性樹脂層(12)も光等方性を有する
ことが必要である。
【0028】リワーク(rework)性が求められる場合に
は貼着性樹脂層(12)は可剥性を有するものを選択し、永
久接着が求められる場合には強い接着力または粘着力が
得られるものを選択する。貼着性樹脂層(12)の厚さは、
1〜50μm 程度に設定することが多い。
【0029】硬化性樹脂硬化物層(14)としては、加熱硬
化型樹脂硬化物層(フェノキシエーテル型架橋性樹脂、
エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリコーン
樹脂、シリコーン樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系
樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂等)、紫外線硬化型
樹脂硬化物層(ホスファゼン系樹脂、アクリル系樹脂
等)などがあげられる。厚さは 0.5〜50μm 程度とす
ることが多い。この硬化性樹脂硬化物層(14)も光等方性
を有することが必要である。
【0030】金属酸化物層(13)としては、ケイ素、亜
鉛、マグネシウムなどの酸化物の層があげられ、コス
ト、透明性、光等方性ベースシート(11)に対する密着
性、無着色性などの点を総合考慮すると、特にSiOx
(ただし、1<x<2)で示される酸化ケイ素の層が好
適である。SiO2 で示される二酸化ケイ素は、SiO
x (ただし、1<x<2)に比すれば性質が不足する。
【0031】上記の層構成を有する保護フィルム(1) 全
体のレターデーション値、可視光線透過率についても、
それぞれ30nm以下、75%以下となるように留意す
る。
【0032】上記のように保護フィルム(1) は、貼着性
樹脂層(12)/光等方性ベースシート(11)/硬化性樹脂硬
化物層(14)/金属酸化物層(13)の層構成を有する。光等
方性ベースシート(11)と硬化性樹脂硬化物層(14)との間
にはアンカーコーティング層(ac)を介在させることもあ
る。この保護フィルム(1) は通常はロール状に巻回した
状態で取り扱うので、貼着性樹脂層(12)として粘着性を
有するものを用いるときは、巻回時に貼着性樹脂層(12)
と接触する金属酸化物層(13)をシリコーン系剥離剤、フ
ッ素樹脂系剥離剤、長鎖アルキル基を有する化合物など
の剥離剤で背面処理して貼着性樹脂層(12)に対し剥離性
を有するようにするか、あるいは貼着性樹脂層(12)上に
さらに剥離性シートを設ける。
【0033】ここで剥離性シートとしては、紙やプラス
チックスフィルムの表面をシリコーン系剥離剤やその他
の剥離剤で処理したもの、それ自体が剥離性を有するフ
ィルムまたはシート、剥離剤をブレンドして成形したフ
ィルムまたはシート、オルガノポリシロキサンとポリオ
レフィン系樹脂とをグラフト重合させたプラスチックス
フィルムまたはシートなどが用いられる。剥離性シート
の厚さは12〜250μm 程度とすることが多い。
【0034】液晶表示パネルは、典型的には、偏光板/
位相差板/液晶セル/偏光板の構成を有する。位相差板
を省略したり、偏光板と位相差板との複合板を用いた
り、位相差板に代えて補償用液晶セルを用いることもあ
る。このうち液晶セルは、ITOなどの透明電極付きの
2枚の基板をスペーサを介して対向配置し、その間隙に
液晶を封入した構成を有する。他に配向膜も設けるのが
通常である。
【0035】
【作用】本発明において保護フィルム(1) は、貼着性樹
脂層(12)/光等方性ベースシート(11)/硬化性樹脂硬化
物層(14)/金属酸化物層(13)の層構成を有する。光等方
性ベースシート(11)と硬化性樹脂硬化物層(14)との間に
はアンカーコーティング層(ac)を介在させることもあ
る。
【0036】上記保護フィルム(1) は、その貼着性樹脂
層(12)の側を偏光板や位相差板などの光学用部材(2) の
表面に貼着する。液晶表示パネルに組み立てられた後の
最外層である偏光板の上からこのこの保護フィルム(1)
を貼着することも多い。貼着性樹脂層(12)側が剥離性シ
ートで被覆されているときは、貼着に先立ちこの剥離性
シートを剥離除去しておく。
【0037】硬化性樹脂硬化物層(14)は、光等方性ベー
スシート(11)に耐スクラッチ性、表面硬度、耐溶剤性、
耐熱性、耐透湿性などの性質を付与するのに貢献する。
金属酸化物層(13)は、光等方性ベースシート(11)に耐ス
クラッチ性、表面硬度、耐溶剤性、耐熱性、耐透湿性、
耐透気性などの性質を付与するのに貢献する。この場
合、最外層を構成する金属酸化物層(13)は、下層の硬化
性樹脂硬化物層(14)と協力して一段と耐スクラッチ性お
よび表面硬度を向上させる役割を果たす。すなわち、下
層である硬い硬化性樹脂硬化物層(14)上に金属酸化物層
(13)が配置しているので、耐スクラッチ性および表面硬
度の向上が達成できるのである。
【0038】このように保護フィルム(1) を構成する各
層の欠点が巧みに回避され、各層の利点のみが現われる
ので、全体として表面保護フィルムとしての最適の適性
を備えるようになる。
【0039】液晶表示パネルの場合、表示能力、色相、
コントラストなどの評価のための試験を行うにあたって
は、貼着した保護フィルム(1) を剥離する必要はなく、
保護フィルム(1) を貼着した状態のままこれらの試験を
行えばよい。
【0040】保護フィルム(1) にリワーク(rework)性
が求められる場合には、たとえば液晶表示パネルを実際
に使用に供するに先立ち、保護フィルム(1) を剥離除去
する。一方リワーク性が要求されないときには、保護フ
ィルム(1) を永久接着したまま実際の使用に供する。
【0041】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「部」とあるのは重量部である。
【0042】実施例1 図1は本発明の表面保護フィルムの一例を示した断面図
である。
【0043】(11)は光等方性ベースシートの一例として
のポリカーボネートフィルムであり、流延法により製造
したものである。レターデーション値は5nm、可視光線
透過率は90%、厚さは30μm である。
【0044】(ac)はその光等方性ベースシート(11)の上
から設けたアンカーコーティング層であり、水溶性四級
化エステルウレタン系アンカーコーティング剤を塗布、
乾燥して形成した厚さ 1.0μm の層からなる。
【0045】(14)は硬化性樹脂硬化物層であり、上記の
アンカーコーティング層(ac)の上から、新日鉄化学株式
会社製のエポキシアクリル樹脂「V−254PA」10
0部にベンゾフェノン1部を加えた紫外線硬化型樹脂組
成物を約5μm 厚さに塗布し、紫外線ランプにより、1
20W/cm 、1灯、3秒の条件で紫外線照射を行うこと
により形成したものである。
【0046】(13)は金属酸化物層であり、上記の硬化性
樹脂硬化物層(14)上に蒸着法により形成した厚さ100
0オングストロームのSiOx (ただし、xは1と2の
間)の層からなる。下層に対する金属酸化物層(13)の密
着性は良好である。
【0047】(12)は貼着性樹脂層であり、上記で得られ
た光等方性ベースシート(11)/アンカーコーティング層
(ac)/硬化性樹脂硬化物層(14)/金属酸化物層(13)の層
構成を有する積層フィルムの光等方性ベースシート(11)
側の面に、予め剥離性シートの剥離面に厚さ20μm の
貼着性樹脂層を形成させた積層フィルムの貼着性樹脂層
側の面を重層して転写することにより設けてある。
【0048】ここで貼着性樹脂層付き剥離性シートは、
シリコーンによる剥離処理を施した厚さ50μm のポリ
エステルフィルムの剥離面に、出光石油化学株式会社製
のポリオレフィンポリオール(エポール、水酸基含有量
0.90meq/g、粘度75000cps/30℃)100部、IP
ソルベント(三井石油化学工業株式会社製の脂肪族炭化
水素系溶媒)50部、水添MDI(ジフェニルメタンジ
イソシアネート)系硬化剤3部よりなる溶液を流延し、
80℃で5分間乾燥することにより形成したものであ
る。
【0049】上記層構成(貼着性樹脂層(12)/光等方性
ベースシート(11)/アンカーコーティング層(ac)/硬化
性樹脂硬化物層(14)/金属酸化物層(13))を有する保護
フィルム(1) の全体のレターデーション値は6nm、可視
光線透過率は86%、厚さは55μm であり、この保護
フィルム(1) は、図1に示したように、一点鎖線で示し
た光学用部材(2) の少なくとも片面に貼着される。光学
用部材(2) とは、偏光板、位相差板、偏光板と位相差板
との複合板、すでに組み立てた液晶表示パネル(最外層
は偏光板となる)などである。
【0050】偏光板としては、たとえば、ポリビニルア
ルコール/ヨウ素系などの偏光素膜の両面にセルロース
トリアセテートフィルムからなる保護板を感圧性接着剤
を用いて積層したものが用いられる。位相差板として
は、たとえば、一軸延伸ポリビニルアルコールフィルム
からなる位相差素膜の両面にセルローストリアセテート
フィルムからなる保護板を感圧性接着剤を用いて積層し
たものが用いられる。液晶表示パネルとしては、たとえ
ば、これらの偏光板や位相差板を用いた偏光板/位相差
板/液晶セル/偏光板の構成を有するものが用いられ
る。
【0051】上記の保護フィルム(1) は、柔軟で可撓性
を有するのみならず、機械的性質が良好である。また光
学用部材(2) に保護フィルム(1) を貼着した後の最外層
は金属酸化物層(13)、さらにその下層は硬化性樹脂硬化
物層(14)で形成されているので、耐損傷性、表面硬度、
耐透湿性、防塵性などの性質が極めてすぐれており、加
えて光等方性を有するので、表示能力、色相、コントラ
ストなどの光学的性能の評価はこの保護フィルム(1) を
剥離することなく行うことができる。
【0052】この保護フィルム(1) は光学用部材(2) に
対する密着力が大きいので、液晶表示パネルを実際に使
用するときには、これをそのまま永久接着させておくこ
とができる。ただし剥離除去しても差し支えない。
【0053】実施例2 条件を下記のようにしたほかは実施例1と同様にして保
護フィルム(1) を得た(金属酸化物層(13)、アンカーコ
ーティング層(ac)は実施例1と同じもの)。得られた保
護フィルム(1) は、実施例1と同様のすぐれた性質を有
するものであった。
【0054】光等方性ベースシート(11) 塩化メチレンを溶媒とする20重量%濃度の溶液から流
延法により製膜した厚さ20μm 、レターデーション値
5nm、可視光線透過率92%のポリアリレートフィル
ム。
【0055】硬化性樹脂硬化物層(14) フェノキシエーテル樹脂(東都化成株式会社製)40
部、メチルエチルケトン40部、セロソルブアセテート
20部、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプ
ロパンとのアダクト体の75%溶液(日本ポリウレタン
工業株式会社製のコロネートL)40部よりなる組成の
硬化性樹脂組成物を用いて塗布し、80℃で4分間乾燥
してから、130℃で20分間加熱して形成した厚さ1
0μm の層。
【0056】貼着性樹脂層(12) ブチルアクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート
/アクリル酸の共重合割合が重量比で50/47/3の
アクリル共重合体30部、トリレンジイソシアネート−
トリメチロールプロパンアダクト体1部および酢酸エチ
ル70部からなる溶液を剥離性シート面に流延し、60
〜90℃で3分間乾燥することにより形成した厚さ20
μm の層。
【0057】
【発明の効果】本発明の光学用部材の表面保護フィルム
は、 ・ 下層である硬い硬化性樹脂硬化物層(14)上に金属酸
化物層(13)が配置しているので、耐損傷性および表面硬
度が極めてすぐれていること、耐溶剤性、防塵性、耐熱
性、耐透湿性、耐透気性などの性質もすぐれているこ
と、 ・ 柔軟で可撓性を有すること、 ・ 光等方性を有するので、表示能力、色相、コントラ
ストなどの光学的性能の評価はこの保護フィルム(1) を
剥離することなく行うことができ、保護フィルムの剥離
操作および再貼着操作は一切省略できること、 ・ 金属酸化物層(13)の設置は安価にできるので、コス
ト的にも負担にならないこと、 などのすぐれた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面保護フィルムの一例を示した断面
図である。
【符号の説明】
(1)…保護フィルム、 (11)…光等方性ベースシート、 (12)…貼着性樹脂層、 (13)…金属酸化物層、 (14)…硬化性樹脂硬化物層、 (ac)…アンカーコーティング層、 (2) …光学用部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 徹之介 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目4番16号 藤森工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学用部材(2) の少なくとも片面に貼着す
    ることによってその光学用部材(2)の表面の保護を図る
    ための保護フィルム(1) であって、該保護フィルム(1)
    が、単層または複層の光等方性ベースシート(11)の片面
    に貼着性樹脂層(12)を設け、他面には硬化性樹脂硬化物
    層(14)を介して金属酸化物層(13)を設けた層構成を有す
    ることを特徴とする光学用部材の表面保護フィルム。
  2. 【請求項2】光学用部材(2) が、偏光板、位相差板、偏
    光板と位相差板との複合板、または液晶表示パネルであ
    る請求項1記載の表面保護フィルム。
  3. 【請求項3】金属酸化物層(13)が、SiOx (ただし、
    1<x<2)で示される酸化ケイ素の層である請求項1
    記載の表面保護フィルム。
JP33565492A 1992-11-19 1992-11-19 光学用部材の表面保護フィルム Pending JPH06160630A (ja)

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