JPH06160173A - 赤外線センサおよびその製造方法 - Google Patents

赤外線センサおよびその製造方法

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JPH06160173A
JPH06160173A JP3140449A JP14044991A JPH06160173A JP H06160173 A JPH06160173 A JP H06160173A JP 3140449 A JP3140449 A JP 3140449A JP 14044991 A JP14044991 A JP 14044991A JP H06160173 A JPH06160173 A JP H06160173A
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infrared
film
sensitive
bridge
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JP3140449A
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Taketoshi Mori
武寿 森
Hitomi Sumino
仁美 角野
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Terumo Corp
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Terumo Corp
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  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
  • Radiation Pyrometers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で、複数の赤外線感応部のうち特
定の赤外線感応部にのみ選択的に赤外線を入射でき、赤
外線感応部間の差動出力を精度良く検出できる赤外線セ
ンサを提供する。 【構成】 シリコン基板12の裏面に形成されたシリコ
ンオキシナイトライド膜15には、一方の赤外線感応部
16bが形成された架橋部14bに対応する位置に赤外
線透過窓17が設けられている。赤外線透過窓17は空
洞部13を介して架橋部14a、14bそれぞれに連通
している。シリコンオキシナイトライド膜15の表面、
および赤外線透過窓17に対応する位置の架橋部14b
の裏面にはそれぞれ赤外線吸収膜18が形成されてい
る。赤外線透過窓17と赤外線感応部16a、16bそ
れぞれとの間の距離は、シリコン基板12の厚さに等し
くなっている。シリコン基板12の裏面側から入射し、
赤外線透過窓17を透過した赤外線は、空洞部13を通
して、一方の赤外線感応部16bにのみ正確に入射され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非接触で被計測対象の温
度を計測する赤外線センサおよびその製造方法に係り、
特に複数の架橋部(ブリッジ)上にそれぞれ赤外線感応
部が設けられた赤外線センサおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の赤外線センサでは、赤外
線感応部を基板から浮かせた架橋部上に形成することに
より、応答感度の改善を図ることが行われている。ま
た、複数の架橋部上に赤外線感応部をそれぞれ設け、こ
れら複数の赤外線感応部のうちの半数の感応部のみに赤
外線を入射させ、残りの半数の素子には赤外線を入射さ
せないようにし、両者の出力差を算出することにより、
外乱の影響を取り除き、応答感度の向上を図るものも提
案されている。
【0003】このように複数の赤外線感応部を備え、か
つ赤外線が入射させられた素子と、赤外線が入射させら
れない素子との出力差を得るようにした従来の赤外線セ
ンサの具体的な構成は次のようになっている。すなわ
ち、赤外線感応部を1つずつ備えた2枚のセラミックス
製基板を、赤外線が入射する窓を備えたハーメチック・
パッケージ内に収容させ、一方の基板は、その赤外線感
応部に赤外線が入射するように上記窓に臨ませた態様
で、ハーメチック・パッケージの端子ピンの先端に接続
させる。また、他方の基板は、その赤外線感応部に赤外
線が入射しないように上記窓から離れた位置においてハ
ーメチック・パッケージの端子ピンの先端に接続させる
構成を有している。このような2つの赤外線感応部の出
力の差分を算出することにより外乱の影響を取り除くこ
とができる。
【0004】また、最近では、半導体の微細加工技術を
利用して超小型の赤外線センサを得る試みがなされてお
り、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用
いて極めて小さい架橋部構造を形成し、この架橋部上に
赤外線感応部を形成している。この場合も、それぞれ赤
外線感応部を備えた架橋部をセンサ基板の一方の面に形
成し、赤外線が入射させられた赤外線感応部の出力と赤
外線が入射させられない赤外線感応部の出力との差動出
力により赤外線を検出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成の従来の赤外線センサでは、次のような問題が
あった。
【0006】まず、ハーメチック・パッケージ内に基板
を収容した構成では、各基板をハーメチック・パッケー
ジの端子に接続するため、作業性、素子の位置の再現性
などの点で作製が極めて困難である。また、ハーメチッ
ク・パッケージの窓を避けた位置に1つの赤外線感応部
を配置するとしても、この素子とパッケージ・ケースと
の間に所定の距離を保つ必要がある。また、赤外線が入
射する側の素子との位置関係を再現性の良い状態に保つ
ことも困難である。したがって、赤外線が入射させられ
ない側の素子に対しても、廻り込みにより僅かながら赤
外線が入射することになる。さらにはその赤外線の入射
量についても、センサ間でばらつきが生ずることにな
る。このためセンサとして組み上げた後に、1個ずつ検
査を行って選別する必要があり、さらに較正を必要とす
る。このため、1個の特性の優れた赤外線センサを得る
には多くの労力を必要としていた。
【0007】また、半導体の微細加工技術を利用した赤
外線センサでは、外形寸法が微小であるために、前記の
ように一方の赤外線感応部のみに赤外線を入射させ、他
方の素子には赤外線を入射させないように構成すること
が極めて困難であった。そこで、便宜的に赤外線を反射
する金(Au)等よりなる膜を片方の架橋部上に形成す
ることが行われている。
【0008】しかしながら、架橋部上に反射膜を設ける
と、個々の架橋部の熱伝導状態が変化して、真の差分を
得ることが不可能となる。このため外乱の影響を受けや
すくなり、安定した出力を得ることが困難であった。
【0009】また、パッケージに小さなレンズを設け
て、赤外線を赤外線感応部に集光させたり、スリット
(溝)やアパーチャ(開口)を用いて選択的に赤外線を
入射させる方法もあるが、センサチップに合った小さな
レンズを作製することは困難であり、作製できてもコス
トがかかるという問題があった。また、スリットやアパ
ーチャを用いて選択的に赤外線を入射させる方法では、
赤外線感応部間の距離が極めて狭い(500〜2000
μm)のに対して、これら感応部とスリットやアパーチ
ャとの間は大きく離れている(3〜5mm)ため、赤外
線が入射される側と遮蔽される側とに区別することは困
難であった。
【0010】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、簡単な構成で、複数の赤外線感応部
のうち特定の赤外線感応部にのみ選択的に赤外線を入射
させることができ、赤外線感応部間の差動出力を精度良
く検出でき、安定した出力を得ることができる安価な赤
外線センサおよびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による赤外線セン
サは、半導体材料により形成されたセンサ基板と、この
センサ基板の一方の面側に設けられた複数の架橋部と、
これら架橋部上にそれぞれ1個ずつ設けられた赤外線感
応部と、前記センサ基板の他方の面側に設けられた赤外
線非透過膜と、前記複数の赤外線感応部のうち特定の赤
外線感応部に対応させて前記赤外線非透過膜に形成され
るとともに、前記特定の赤外線感応部が形成された架橋
部の裏面に連通する赤外線透過窓とを備えている。
【0012】すなわち、本発明の赤外線センサでは、セ
ンサチップ自身に赤外線を選択的に透過させるための赤
外線透過窓が設けられており、このため赤外線透過窓と
赤外線感応部との間の距離は、半導体基板の厚さに等し
くなる。このため、赤外線透過窓と赤外線感応部との間
の距離を、赤外線感応部間の距離と同程度以下にするこ
とができる。したがって赤外線透過窓を透過した赤外線
は、空洞部を通して、正確に特定の赤外線感応部にのみ
入射され、他方の赤外線感応部には入射されず、赤外線
感応部間の差動出力を正確に求めることができる。
【0013】また、本発明の赤外線センサでは、赤外線
非透過膜の表面および前記特定の赤外線感応部が形成さ
れた架橋部の裏面にそれぞれ赤外線吸収膜が形成されて
おり、このような構成により赤外線感応部の応答感度が
向上する。
【0014】センサ基板としては、シリコン、ゲルマニ
ウム等の半導体基板が用いられるが、容易にしかも安価
に手に入れることが可能なシリコン基板を用いることが
好ましい。また、赤外線感応部はアモルファスゲルマニ
ウム(a−Ge)、アモルファスシリコン(a−Si)
や多結晶シリコン等の膜により形成される。この赤外線
感応部の成膜には、スパッタリング、イオンビームスパ
ッタリング、CVD(化学的気相成長法)等が用いられ
る。
【0015】前記架橋部は、シリコン酸化膜 (SiOx)、
シリコン窒化膜 (SiNy) 、シリコンオキシナイトライド
(SiOxNy)膜等により形成することができるが、特にシリ
コンオキシナイトライド膜により形成することが好まし
い。シリコンオキシナイトライド膜は、シリコン酸化膜
とシリコン窒化膜との両者の性質を持ち、そのため応力
バランスが良く、安定した架橋構造を形成することが可
能となる。このシリコンオキシナイトライド膜の成膜の
最適条件は、基板材料の結晶面方位の違いにより熱膨張
率が異なるため、使用するセンサ基板の種類によって異
なる。
【0016】本発明による赤外線センサの製造方法は、
半導体基板の一方の面に架橋部形成用の第1の膜を形成
する工程と、前記半導体基板の他方の面に赤外線非透過
性の第2の膜を形成する工程と、前記第1の膜をパター
ニングし、複数の架橋部を形成するとともに空洞部形成
用の第1の窓部を形成する工程と、前記第2の膜をパタ
ーニングし、前記複数の架橋部の中の特定の架橋部に対
応させて赤外線透過用の第2の窓部を形成する工程と、
前記第1の膜の架橋部上にそれぞれ赤外線感応部を形成
する工程と、前記第1の窓部および第2の窓部を通して
前記半導体基板をエッチングし、前記半導体基板の両面
に貫通する空洞部を形成する工程とを備えており、さら
に前記空洞部を形成した後、前記半導体基板の他方の面
の第2の膜の表面、および前記赤外線透過窓を通して前
記特定の赤外線感応部が形成された架橋部の裏面にそれ
ぞれ赤外線吸収材料を堆積させ、赤外線吸収膜を形成す
る工程を備えている。
【0017】このような方法により、前記構造の赤外線
センサを容易に製造でき、また赤外線吸収材料を特定の
赤外線感応部が形成された架橋部の裏面に堆積させる際
には、第2の膜がマスクとなるため、赤外線吸収膜を赤
外線透過窓を通してセルフアライメントで形成すること
ができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して具体
的に説明する。
【0019】図2は本発明の一実施例に係る赤外線セン
サ11の平面構造を表すものであり、図1は図2のA−
A線に沿う断面構造を表すものである。
【0020】この赤外線センサ11では、たとえばセン
サ基板としてのシリコン基板(厚さ300〜400μ
m)12には空洞部13が形成されており、このシリコ
ン基板12の上面には、空洞部13上にたとえば幅10
0μm、長さ2μm、膜厚2μmの2本の架橋部14
a、14bを有するシリコンオキシナイトライド膜15
が形成されている。架橋部14a、14bの各中央部上
部にはそれぞれ赤外線感応部16a、16bが設けられ
ている。赤外線感応部16a、16bは、たとえばアモ
ルファスゲルマニウム(a−Ge)により形成されてい
る。シリコン基板12の裏面にも同じく膜厚2μmのシ
リコンオキシナイトライド膜15が形成されている。こ
のシリコン基板12の裏面に形成されたシリコンオキシ
ナイトライド膜15には、シリコン基板12の上面側の
一方の赤外線感応部16bが形成された架橋部14bに
対応する位置に赤外線透過窓17が設けられている。こ
の赤外線透過窓17は空洞部13を介して架橋部14
a、14bそれぞれに連通している。また、このシリコ
ンオキシナイトライド膜15の表面、および赤外線透過
窓17に対応する位置の架橋部14bの裏面にはそれぞ
れ赤外線吸収膜18が形成されている。この赤外線吸収
膜18は赤外線を吸収しやすい材料、たとえば金黒によ
り形成されている。赤外線感応部16a、16bはそれ
ぞれ、たとえばアルミニウム(Al)により形成された
金属配線層20を介してシリコン基板12の周縁部に設
けられた電極パッド19に電気的に接続されている。
【0021】この赤外線センサ11では、入射される赤
外線の量(熱量)に応じて赤外線感応部16a、16b
の電気抵抗値が変化するもので、その抵抗値の変化に応
じて電極配線層(図示せず)に流れる電流値または電極
パッド(図示せず)の電圧値を信号処理回路により計測
することにより、赤外線の量を検知することができる。
【0022】ここで、本実施例の赤外線センサ11で
は、シリコン基板12の裏面側に対応して赤外線透過窓
17が形成されている方の赤外線感応部16bにのみ赤
外線が入射される。すなわち、センサチップ自身に赤外
線を選択的に透過させるための赤外線透過窓17が設け
られており、このため赤外線透過窓17と赤外線感応部
16a、16bそれぞれとの間の距離は、シリコン基板
12の厚さ(300〜400μm)に等しなっている。
一方、赤外線感応部16a、16b間の距離は1700
μmである。したがってシリコン基板12の裏面側から
入射し、赤外線透過窓17を透過した赤外線は、空洞部
13を通して、正確に一方の赤外線感応部16bにのみ
入射され、他方の赤外線感応部16aには入射されな
い。よってこれら赤外線感応部16a、16b間の差動
出力を正確に求めることができ、測定精度が向上する。
【0023】さらに、本実施例の赤外線センサでは、シ
リコン基板12の裏面および架橋部14bの裏面にそれ
ぞれ赤外線吸収膜18が設けられているため、一方の赤
外線感応部16bへの赤外線吸収効率が良好となり、こ
れにより応答感度が向上する。
【0024】図3(A)〜(C)および図4(A)、
(B)はこの赤外線センサ11の製造工程を表すもので
ある。まず、図1(A)に示すような結晶面方位(11
0)のシリコン基板12を用意した。次に、このシリコ
ン基板12の両面にそれぞれ、プラズマCVD法により
同図(B)に示すような膜厚2μmのシリコンオキシナ
イトライド膜 (SiOxNy) 15を形成した。すなわち、シ
リコン基板12を450℃に加熱し、成膜条件として、
圧力を0.45toor、高周波出力を400W とし、反応
ガスとして、モノシラン(Si H4 )を15SCCM、窒素
(N2 )を203SCCM、笑気ガス(N2 O)を32SCCM
流し、シリコン基板12上にシリコンオキシナイトライ
ドを気相成長させた。
【0025】次に、図3(C)に示すようにシリコン基
板12の両面にそれぞれレジスト膜21を塗布形成し、
シリコン基板12の表面側のレジスト膜21に架橋部形
成用の窓部22を形成するとともに、シリコン基板12
の裏面のレジスト膜21に赤外線透過窓形成用の窓部2
3を形成した。続いて、これら窓部22、23を有する
レジスト膜21をマスクとしてシリコンオキシナイトラ
イド膜15を選択的にエッチングし、シリコン基板12
の表面に図2に平面構造を表したように架橋部14a、
14bのパターンを形成するとともに、架橋部形成用の
窓部24を形成し、かつシリコン基板12の裏面に赤外
線透過窓17を形成した。このパターニングはたとえば
反応性イオンエッチング(RIE)により、下地のシリ
コン基板12が露出するまで行った。エッチングは、エ
ッチングガスとして三ふっ化メタン(CHF3 )と酸素
(O2 )を用い、その流量をCHF3 =47.5SCCM、
2 =2.5SCCMとし、エッチング時の圧力を0.07
5Torr、高周波出力を150Wとし、エッチング時間を
3時間とした。
【0026】続いて、両面の架橋部14a、14bの各
中央部に図4(A)に示すような赤外線感応部16a、
16bを形成した。すなわち、ゲルマニウム(Ge)を
ターゲットとしてスパッタリングを行い、シリコンオキ
シナイトライド膜15およびシリコン基板12上にアモ
ルファスゲルマニウム(aーGe)膜を形成した。この
スパッタリングは、ガス流量をアルゴン(Ar)=2SC
CM、水素(H2 )=1SCCM、成膜圧力を3×10-3Tor
r、高周波圧力を200Wとして10分間行った。次に
500°Cでアニール処理を行い、アモルファスゲルマ
ニウムの多結晶化を促進した。続いて、反応性イオンエ
ッチングを行って多結晶化されたアモルファスゲルマニ
ウム膜のパターニングを行った。
【0027】続いて、パターニングされた両面のシリコ
ンオキシナイトライド膜15をマスクとして、シリコン
基板12の両面からエッチングし、架橋部14a、14
bの下部に図4(B)に示すような空洞部13を形成し
た。このエッチングはヒドラジン水溶液を用いた異方性
エッチングにより行った。なお、この異方性エッチング
は水酸化カリウム水溶液を用いて行うようにしてもよ
い。
【0028】最後に、シリコン基板12の裏面側から金
を蒸着させ、シリコンオキシナイトライド膜15の表
面、さらに赤外線透過窓17を通して架橋部14bの裏
面部にそれぞれ赤外線吸収膜18を形成した。この蒸着
は、成膜圧力を0.2Torr、電極間の電流を20Aとし
た。
【0029】このような方法であれば、架橋部14bの
裏面に赤外線吸収膜18を蒸着法により堆積させる際、
シリコン基板12の裏面側のシリコンオキシナイトライ
ド膜15がマスクとなり、赤外線吸収膜18赤外線透過
窓17を通してセルフアライメントで形成することがで
きる。
【0030】以上実施例を挙げて本発明を説明したが、
本発明は上記実施例に限定するものではなく、その要旨
を変更しない範囲で種々変形可能である。たとえば、架
橋部14a、14b下の空洞部13を異方性エッチング
によるくり抜き法を用いて形成したが、その他の方法、
たとえば予めエッチング層を架橋部14a、14bの下
部に形成しておく、いわゆる犠牲層法を用いてもよい。
また、架橋部、赤外線感応部および赤外線透過窓17の
数はそれぞれ3個以上であってもよいことは勿論であ
る。
【0031】また、上記実施例においては、シリコン基
板12の両面にそれぞれ同じシリコンオキシナイトライ
ド膜15を形成するようにしたが、他のシリコン窒化膜
等を用いてもよく、あるいはシリコン基板12の両面が
互いに異なる膜となるように構成してもよい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の赤外
線センサによれば、半導体材料により形成されたセンサ
基板と、このセンサ基板の一方の面側に設けられた複数
の架橋部と、これら架橋部上にそれぞれ1個ずつ設けら
れた赤外線感応部と、前記センサ基板の他方の面側に設
けられた赤外線非透過膜と、前記複数の赤外線感応部の
うち特定の赤外線感応部に対応させて前記赤外線非透過
膜に形成されるとともに、前記特定の赤外線感応部が形
成された架橋部の裏面に連通する赤外線透過窓とを備え
る構成とし、センサチップ自身に赤外線を選択的に透過
させるための赤外線透過窓を設けるようにしたので、赤
外線透過窓と赤外線感応部との間の距離が、半導体基板
の膜厚に等しくなり、赤外線透過窓と赤外線感応部との
間の距離を、赤外線感応部間の距離と同程度にすること
が可能となる。したがって赤外線透過窓を透過した赤外
線は正確に特定の赤外線感応部にのみ入射され、他方の
赤外線感応部には入射されず、このため赤外線感応部間
の差動出力を正確に求めることができ、安定した出力を
得ることができる。
【0033】また、請求項2記載の赤外線センサによれ
ば、赤外線非透過膜の表面および前記特定の赤外線感応
部が形成された架橋部の裏面にそれぞれ赤外線吸収膜を
形成するようにしたので、赤外線感応部の応答感度が向
上するという効果がある。
【0034】また、請求項3記載の赤外線センサの製造
方法によれば、半導体基板の一方の面に架橋部形成用の
第1の膜を形成する工程と、前記半導体基板の他方の面
に赤外線非透過性の第2の膜を形成する工程と、前記第
1の膜をパターニングし、複数の架橋部を形成するとと
もに空洞部形成用の第1の窓部を形成する工程と、前記
第2の膜をパターニングし、前記複数の架橋部の中の特
定の架橋部に対応させて赤外線透過用の第2の窓部を形
成する工程と、前記第1の膜の架橋部上にそれぞれ赤外
線感応部を形成する工程と、前記第1の窓部および第2
の窓部を通して前記半導体基板をエッチングし、前記半
導体基板の両面に貫通する空洞部を形成する工程とを備
えるようにしたので、請求項1記載の赤外線センサを容
易に製造できる。
【0035】さらに、請求項4記載の赤外線センサの製
造方法によれば、前記空洞部を形成した後、前記半導体
基板の他方の面の第2の膜の表面、および前記赤外線透
過窓を通して前記特定の赤外線感応部が形成された架橋
部の裏面にそれぞれ赤外線吸収材料を堆積させ、赤外線
吸収膜を形成する工程を備えるようにしたので、請求項
2記載の赤外線吸収膜を赤外線透過窓を通してセルフア
ライメントで形成することができ、製造精度が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る赤外線センサの断面図
である。
【図2】図1の赤外線センサの平面図である。
【図3】図1の赤外線センサの製造工程を表す断面図で
ある。
【図4】図1の赤外線センサの製造工程を表す断面図で
ある。
【符号の説明】
11 赤外線センサ 12 シリコン基板(センサ基板) 13 空洞部 14a、14b 架橋部 15 シリコンオキシナイトライド膜 16a、16b 赤外線感応部 17 赤外線透過窓 18 赤外線吸収膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体材料により形成されたセンサ基板
    と、 このセンサ基板の一方の面側に設けられた複数の架橋部
    と、 これら架橋部上にそれぞれ1個ずつ設けられた赤外線感
    応部と、 前記センサ基板の他方の面側に設けられた赤外線非透過
    膜と、前記複数の赤外線感応部のうち特定の赤外線感応
    部に対応させて前記赤外線非透過膜に形成されるととも
    に、前記特定の赤外線感応部が形成された架橋部の裏面
    に連通する赤外線透過窓とを備えたことを特徴とする赤
    外線センサ。
  2. 【請求項2】 前記赤外線非透過膜の表面および前記特
    定の赤外線感応部が形成された架橋部の裏面に赤外線吸
    収膜が形成されたことを特徴とする請求項1記載の赤外
    線センサ。
  3. 【請求項3】 半導体基板の一方の面に架橋部形成用の
    第1の膜を形成する工程と、 前記半導体基板の他方の面に赤外線非透過性の第2の膜
    を形成する工程と、 前記第1の膜をパターニングし、複数の架橋部を形成す
    るとともに空洞部形成用の第1の窓部を形成する工程
    と、 前記第2の膜をパターニングし、前記複数の架橋部の中
    の特定の架橋部に対応させて赤外線透過用の第2の窓部
    を形成する工程と、 前記第1の膜の架橋部上にそれぞれ赤外線感応部を形成
    する工程と、 前記第1の窓部および第2の窓部を通して前記半導体基
    板をエッチングし、前記半導体基板の両面に貫通する空
    洞部を形成する工程とを備えたことを特徴とする赤外線
    センサの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記空洞部を形成した後、前記半導体基
    板の他方の面の第2の膜の表面、および前記赤外線透過
    窓を通して前記特定の赤外線感応部が形成された架橋部
    の裏面にそれぞれ赤外線吸収材料を堆積させ、赤外線吸
    収膜を形成する工程をさらに有することを特徴とする請
    求項3記載の赤外線センサの製造方法。
JP3140449A 1991-06-12 1991-06-12 赤外線センサおよびその製造方法 Pending JPH06160173A (ja)

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