JP3274881B2 - 赤外線センサおよびその製造方法 - Google Patents

赤外線センサおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非接触で被計測対象の温
度を計測する赤外線センサに係り、特にサーモボロメー
タ型の赤外線センサに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、非接触の体温計等に用いて好適な
赤外線センサを半導体微細加工技術を利用して作製する
技術が種々開発されている。この赤外線センサとして
は、サーモボロメータ型やサーモパイル型等種々の形式
のものがある。この中でもサーモボロメータ型の赤外線
センサは、サーミスタ効果を持つ物質により赤外線セン
サ感応膜を形成し、受光した赤外線による上昇温度を電
気抵抗値の変化で測定し、赤外線量を知るものであり、
センサを容易に小型化できる点で他の形式のものより優
れている。
【0003】このサーモボロメータ型の赤外線センサで
は、赤外線感温膜の熱容量が小さく、しかもそこから外
部に伝達する熱量が小さければ、それだけ温度上昇が大
きくなり、微量な赤外線に対して応答感度が高くなる。
このため、従来では、センサ基板上に非常に小さな架橋
部を形成し、さらにこの架橋部の上に赤外線感応膜を形
成した構造となっている。すなわち、素子の感熱部分を
支持基板から浮かせた架橋構造とすることにより応答感
度の改善を図るものである。
【0004】一方、計測にあたっては、被測定物から放
出される微量な赤外線を対象とするため、種々の工夫が
必要となる。たとえば、一個のセンサに全く同じ2個の
赤外線感応膜を設け、一方の赤外線感応膜に赤外線を入
射させ、他方の赤外線感応膜には赤外線が入射しないよ
うに遮蔽を施す。これら赤外線が入射された赤外線感応
膜の出力と、赤外線が入射されない赤外線感応膜の出力
とを絶えず比較することにより、電気的なノイズおよび
熱的な外乱を除去して正味の赤外線量を検出することが
できる。
【0005】このような計測を行うための具体的な構造
として図7に表すものが考えられる。
【0006】この赤外線センサでは、たとえばセンサ基
板としてのシリコン基板11には2つの空洞部12、1
3が形成されている。これら空洞部12、13の上面に
は、たとえば幅20μm、長さ2mm、膜厚3μmの2
本の架橋部14a、14bを有する絶縁膜14が形成さ
れている。この絶縁膜14はたとえばシリコンオキシナ
イトライド(SiOxNy)膜により形成される。架橋部14
a、14bの各中央部の上面には赤外線感応膜15、1
6が設けられている。この赤外線感応膜15、16は、
たとえばアモルファスゲルマニウム(a−Ge)により
形成されている。赤外線感応膜15、16には、図示し
ないがアルミニウム(Al )膜により形成された電極配
線層の一端部が電気的に接続され、この電極配線層の他
端部はシリコン基板11の周縁部に形成された電極パッ
ド17、18に接続されている。
【0007】シリコン基板11の上面には表蓋20が配
設されている。この表蓋20の周縁部はFPC(フレキ
シブル・プリント・サーキット)19を間にして電極パ
ッド17、18により支持されている。表蓋20はシリ
コン基板21により形成されており、その表裏の両面に
はそれぞれ赤外線反射防止膜22a、22bが設けられ
ている。これら赤外線反射防止膜22a、22bの図に
おいて右半分には、赤外線感応膜15を覆うようにたと
えばアルミニウム(Al)により形成された赤外線遮蔽
膜23a、23bが形成されている。
【0008】シリコン基板11の下面にはシリコンオキ
シナイトライド膜により形成された絶縁膜24が形成さ
れ、この絶縁膜24の下部に裏蓋25が配設されてい
る。この裏蓋25もシリコン基板により形成され、その
上面には赤外線反射膜26が形成されている。
【0009】この赤外線センサでは、表蓋20に赤外線
遮蔽膜23a、23bが形成されているため、赤外線は
他方の赤外線感応膜16側のみに選択的に入射される。
この赤外線が入射される赤外線感応膜16と入射されな
い赤外線感応膜15との差動出力を求めることにより、
真の赤外線量を検出することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
赤外線センサでは、空洞部12と空洞部13との間を仕
切る側壁27はシリコン(シリコン単結晶)により形成
されているため、空洞部13側に入射された赤外線は赤
外線反射膜26により反射された後、この部分を透過
し、赤外線感応膜15側に入射してしまう。たとえば、
上記赤外線センサを鼓膜音体温計に用いて波長依存性
(FT−IR)を実測すると、人体から放出される赤外
線の主たる成分である10μm近傍で、単結晶シリコン
は約53%の赤外線透過性を示す。このため赤外線感応
膜15、16間の差動出力に誤差が生じ、真の赤外線量
を検出することができないという問題があった。
【0011】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、一対の赤外線感応膜のうち一方の赤
外線感応膜への赤外線の入射を確実に防止することがで
き、真の赤外線量を検出することができる赤外線センサ
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による赤外線セン
サは、一対の空洞部を有し、前記一対の空洞部それぞれ
の上に架橋部を有するセンサ基板と、前記空洞部の一方
の側の架橋部に形成された第1の赤外線感応膜と、前記
空洞部の他方の側の架橋部に形成された前記第1の赤外
線感応膜と同一構成の第2の赤外線感応膜と、被計測対
象から放射された赤外線を前記第1の赤外線感応膜へ選
択的に入射させる赤外線選択入射手段と、前記空洞部の
側壁に設けられ、前記第1の赤外線感応膜側に入射した
赤外線の前記第2の赤外線感応膜側への侵入を防止する
赤外線遮蔽膜とを備えている。本発明による赤外線セン
サの製造方法は、表面および裏面を有するセンサ基板の
前記表面に架橋部形成用の膜を形成し、前記膜上に少な
くとも一対の赤外線感応膜を選択的に形成する工程と、
前記センサ基板の裏面側から前記赤外線感応膜に対向す
る部分を選択的にエッチングし、前記センサ基板の表面
まで達しない一対の空洞部を形成する工程と、前記空洞
部に赤外線遮蔽膜を形成する工程と、前記センサ基板の
表面側からエッチングを行い、前記センサ基板の表面と
前記空洞部それぞれとの間の部分を選択的に除去するこ
とにより、前記膜に前記赤外線感応膜に対応して架橋部
を形成する工程とを有し、前記センサ基板の表面または
裏面のいずれかに、前記赤外線感応膜の一方のみに選択
的に赤外線を入射させる赤外線選択入射手段を設けるよ
うにしている。
【0013】この赤外線センサでは、被計測対象から放
射された赤外線は赤外線選択入射手段により第1の赤外
線感応膜へ選択的に入射されるとともに、この赤外線の
空洞部間の側壁を透過しての第2の赤外線感応膜側への
侵入が赤外線遮蔽膜により防止される。
【0014】センサ基板としては、シリコン、ゲルマニ
ウム等の半導体基板が用いられるが、容易にしかも安価
に手に入れることが可能なシリコン基板を用いることが
好ましい。また、赤外線感応膜はアモルファスゲルマニ
ウム(a−Ge)、アモルファスシリコン(a−Si)
や多結晶シリコン等の膜により形成される。この赤外線
感応膜の成膜には、スパッタリング、イオンビームスパ
ッタリング、CVD(化学的気相成長法)等が用いられ
る。
【0015】架橋部は、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコ
ン窒化膜 (SiNy) 、シリコンオキシナイトライド(SiOxN
y)膜等により形成することができるが、特にシリコンオ
キシナイトライド膜により形成することが好ましい。シ
リコンオキシナイトライド膜は、シリコン酸化膜とシリ
コン窒化膜との両者の性質を持ち、そのため応力バラン
スが良く、安定した架橋構造を形成することが可能とな
る。
【0016】この架橋部は、たとえばシリコン基板の両
面にそれぞれシリコンオキシナイトライド膜を形成し、
予め一方の面は架橋構造、他方の面は任意の大きさの窓
形状にそれぞれエッチングによりパターニングしてお
き、ヒドラジン水溶液や水酸化カリウム(KOH)等に
よる異方性エッチングにより作成することができる。
【0017】赤外線遮蔽膜としては、ニッケル(Ni)
膜や、クロム(Cr)膜および銅(Cu)の積層膜等を
用いることができる。これらの膜は蒸着法により、異方
性エッチングにより形成された空洞部の壁面に容易に形
成することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して具体
的に説明する。
【0019】図1は本発明の一実施例に係る赤外線セン
サの縦断面構造を表すものである。この赤外線センサは
裏面側(図において下側)から赤外線が入射する形式の
ものである。
【0020】本実施例の赤外線センサでは、センサ基板
としてのシリコン基板31には2つの空洞部32、33
が形成されている。これら空洞部32、33の上面に
は、たとえば幅20μm、長さ2mm、膜厚3μmの2
本の架橋部34a、34bを有するシリコンオキシナイ
トライド(SiOxNy)膜34が形成されている。架橋部34
a、34bの各中央部の上面には赤外線感応膜35、3
6が設けられている。この赤外線感応膜35、36は、
たとえばアモルファスゲルマニウム(a−Ge)により
形成されている。赤外線感応膜35、36には、図示し
ないがアルミニウム(Al )膜により形成された電極配
線層の一端部が電気的に接続され、この電極配線層の他
端部はシリコン基板31上の周縁部に形成された電極パ
ッド37、38に接続されている。
【0021】シリコン基板31の下面にはシリコンオキ
シナイトライド膜44が形成され、このシリコンオキシ
ナイトライド膜44の下部に蓋40が配設されている。
この蓋40はシリコン基板41により形成されており、
その表裏の両面にはそれぞれ赤外線反射防止膜42a、
42bが設けられている。これら赤外線反射防止膜42
a、42bの図において右半分には、赤外線感応膜35
を覆うようにたとえばアルミニウム(Al)により形成
された赤外線遮蔽膜43a、43bが設けられている。
なお、シリコン基板31の上面には蓋(図示せず)が配
設されており、裏面の蓋40とともにセンサチップを封
止している。なお、これらの蓋の赤外線センサチップへ
の接合には、半田接合や陽極接合法が用いられるが、特
に陽極接合法はチップ内を真空状態に封止することがで
きるため、空気の対流の影響を無くすことができ、セン
サ特性がよくなる。
【0022】本実施例では、空洞部32、33の側壁面
にはそれぞれ赤外線遮蔽膜としてのニッケル(Ni)膜
46が形成されている。
【0023】この赤外線センサでは、赤外線は裏面側か
ら蓋40を透過して空洞部33を通り一方の赤外線感応
膜36側のみに選択的に入射される。この赤外線が入射
される赤外線感応膜36と入射されない赤外線感応膜3
5との差動出力を求めることにより、赤外線量を検出す
ることは従来と同様である。
【0024】この赤外線センサでは、空洞部33側に入
射して空洞部32、33間の仕切部45を透過して赤外
線感応膜35側に侵入しようとする赤外線は、側壁面に
設けられたニッケル膜46により遮蔽される。したがっ
て、赤外線感応膜35では赤外線が完全に遮蔽され、こ
のため赤外線感応膜36と赤外線感応膜35との差動出
力により真の赤外線量を検出することができる。
【0025】図2ないし図4は上記赤外線センサの製造
工程を表すものである。なお、赤外線感応膜35、36
は基本的に同じ構造であるので、ここでは赤外線感応膜
36側部分のみ図示して説明する。
【0026】まず、図2(A)に示すような結晶面方位
(100)のシリコン基板31を用意した。次に、この
シリコン基板31の両面にそれぞれ、プラズマCVD法
により同図(B)に示すような膜厚2μmのシリコンオ
キシナイトライド膜34、44を形成した。すなわち、
シリコン基板31を450℃に加熱し、成膜条件とし
て、圧力を0.45Torr、高周波出力を400W とし、
反応ガスとして、モノシラン(Si H4 )を15SCCM、
窒素(N2 )を203SCCM、笑気ガス(N2 O)を32
SCCM流し、シリコン基板31の両面にそれぞれシリコン
オキシナイトライドを20分間気相成長させ成膜させ
た。
【0027】続いて、架橋部34bの中央部に図2
(C)に示すような赤外線感応膜36を形成した。すな
わち、ゲルマニウム(Ge)をターゲットとしてスパッ
タリングを行い、シリコンオキシナイトライド膜34上
にアモルファスゲルマニウム(aーGe)膜を形成し
た。このスパッタリングは、ガス流量をアルゴン(A
r)=2SCCM、水素(H2 )=1SCCM、成膜圧力を3×
10-3Torr、高周波出力を200Wとして10分間行っ
た。次に、500°Cでアニール処理を行い、アモルフ
ァスゲルマニウムの多結晶化を促進した。続いて、反応
性イオンエッチングを行って多結晶化されたアモルファ
スゲルマニウム膜のパターニングを行った。
【0028】続いて、50°Cに加熱してたとえば蒸着
法によりシリコン基板31の表面に膜厚0.5μmのア
ルミニウム膜を形成した後、パターニングして図2
(D)に示すような電極配線層51を形成した。
【0029】次に、図3(A)に示すように、シリコン
基板31の表面に電極パッド37、38を形成した。す
なわち、真空蒸着法により電極配線層51上に膜厚0.
05μmのクロム(Cr)膜52、膜厚1.5μmの銅
(Cu)膜53を順次形成した。続いて、シリコン基板
31の表面に、図3(B)に示すように耐エッチング
膜、たとえば膜厚1μmのシリコンオキシナイトライド
膜54を形成した。
【0030】次に、図3(C)に示すように、電極パッ
ド37、38に対応させてシリコンオキシナイトライド
膜54にコンタクトホール55、56を形成した。続い
て、図3(D)に示すように、裏面のシリコンオキシナ
イトライド膜44を選択的にエッチングして開口部57
を形成した。
【0031】続いて、この開口部57を介してシリコン
基板31を裏面から選択的にエッチングし、図4(A)
に示すように空洞部33を形成した。このエッチングは
ヒドラジン水溶液を用いた異方性エッチングを温度11
0°Cで1時間30分行い、シリコン基板31の表面か
ら20μm程度の位置で停止させた。なお、この異方性
エッチングは水酸化カリウム水溶液を用いて行うように
してもよい。
【0032】次に、無電解めっき法により図4(B)に
示すように空洞部33の壁面に赤外線遮蔽膜としてのニ
ッケル膜46を形成するとともに、電極パッド37、3
8のコンタクトホール55、56にそれぞれニッケル膜
57、58を形成した。このめっきは、めっき液として
トップケミアロイB−1(奥野製薬工業(株)社製)を
用い、65°Cで5分間浸して膜厚1μmの厚さのニッ
ケル膜46、57、58を形成した。
【0033】続いて、シリコン基板31の表面のシリコ
ンオキシナイトライド膜34をパターニングして架橋部
34bのパターンを形成した。このパターニングはたと
えば反応性イオンエッチング(RIE)により、下地の
シリコン基板31が露出するまで行った。このエッチン
グは、エッチングガスとして三ふっ化メタン(CH
3 )と酸素(O2 )を用い、その流量をCHF3 =4
7.5SCCM、O2 =2.5SCCMとし、エッチング時の圧
力を0.075Torr、高周波出力を150Wとし、エッ
チング時間を3時間とした。
【0034】最後に、図4(C)に示すようにシリコン
基板31の表面から異方性エッチングを温度110°C
で1時間30分行い、架橋部34bを形成するとともに
空洞部33の上部を選択的に除去した。このときシリコ
ン基板31の裏面は耐エッチング性の金属膜(ニッケル
膜46)により覆われているため、エッチングが進行す
ることはない。
【0035】このような方法により、空洞部33の側壁
に赤外線遮蔽膜(ニッケル膜46)を有する赤外線セン
サを作製することができた。また、この方法によれば、
電極パッド37、38のそれぞれの上にニッケル膜5
7、58が形成されるので、銅膜53の酸化を防止する
ことができる。
【0036】図5は本発明の他の実施例を表すものであ
る。
【0037】本実施例の赤外線センサは、表面側(図に
おいて上側)から赤外線が入射する形式のものであり、
図1と同一構成部分については同一符号を付してその説
明は省略する。本実施例においては、蓋40はシリコン
基板11の上面に配設され、この蓋40の周縁部はFP
C(フレキシブル・プリント・サーキット)61を間に
して電極パッド37、38により支持されている。一
方、シリコン基板11の下面には蓋62が配設されてい
る。蓋62はシリコン基板により形成され、その上面に
は赤外線反射膜63が形成されている。
【0038】本実施例では、空洞部32、33の側壁面
にそれぞれ赤外線遮蔽膜として積層膜47が形成されて
いる。この積層膜47は、クロム膜および銅膜の2層構
造となっている。
【0039】この赤外線センサでは、空洞部33側に入
射して赤外線反射膜63により反射された赤外線は、側
壁面に設けられた積層膜47により遮蔽される。したが
って、図1の実施例と同様に、赤外線感応膜35では赤
外線が完全に遮蔽され、このため赤外線感応膜36と赤
外線感応膜35との差動出力により真の赤外線量を検出
することができる。
【0040】図6は本実施例の赤外線センサの製造工程
を表すものである。なお、図4(A)までは上記実施例
と同様であるので、その説明は省略する。
【0041】本実施例では、図4(A)で説明したよう
に異方性エッチングにより空洞部33を形成した後、図
6(A)に示すように、真空蒸着法よりシリコン基板3
1の裏面からクロムおよび銅を順次蒸着し、膜厚0.0
5μmのクロム膜71および膜厚1.5μmの銅膜72
の積層膜47を形成した。
【0042】次に、シリコン基板31の表面のシリコン
オキシナイトライド膜34をパターニングして架橋部3
4bのパターンを形成した。このパターニングはたとえ
ば反応性イオンエッチング(RIE)により、下地のシ
リコン基板31が露出するまで行った。このエッチング
は、図4(C)に示したと同じ条件により行った。
【0043】最後に、図6(B)に示すように、シリコ
ン基板31の表面から異方性エッチングを行い、架橋部
34bを形成するとともに空洞部33の上部を選択的に
除去した。このときシリコン基板31の裏面は耐エッチ
ング性の金属膜(積層膜47)により覆われているた
め、エッチングが進行することはない。
【0044】なお、上記実施例においては、赤外線セン
サとしてシリコン基板31の片面に一対の赤外線感応膜
35、36を有するタイプのものについて説明したが、
本発明はこれに限定するものではなく、たとえばシリコ
ン基板31の両面にそれぞれ一対の赤外線感応膜35、
36を有するタイプのものについても適用できるもので
ある。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明の赤外線セン
サによれば、一対の空洞部の側壁に赤外線遮蔽膜を設け
るようにしたので、第1の赤外線感応膜側に入射した赤
外線の第2の赤外線感応膜側への侵入を確実に防止する
ことができ、第1の赤外線感応膜と第2の赤外線感応膜
との差動出力により真の赤外線を得ることができるとい
う効果がある。また、本発明の赤外線センサの製造方法
によれば、本発明の赤外線センサを容易に製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る赤外線センサの縦断面
図である。
【図2】図1の赤外線センサの製造工程を表す縦断面図
である。
【図3】図1の赤外線センサの製造工程を表す縦断面図
である。
【図4】図1の赤外線センサの製造工程を表す縦断面図
である。
【図5】本発明の他の実施例に係る赤外線センサの縦断
面図である。
【図6】図5の赤外線センサの製造工程を表す縦断面図
である。
【図7】差動出力を取り出すための赤外線センサを表す
縦断面図である。
【符号の説明】
31 シリコン基板(センサ基板) 32、33 空洞部 34、34b 架橋部 35、36 赤外線感応膜 46 ニッケル膜 47 積層膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−1535(JP,A) 特開 平1−96548(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 1/02 - 1/04 G01J 5/02 G01J 5/08 G01J 5/12 G01J 5/20 - 5/24 H01L 31/00 - 31/02 H01L 31/08 H01L 37/00 - 37/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の空洞部を有し、前記一対の空洞部
    それぞれの上に架橋部を有するセンサ基板と、前記空洞
    部の一方の側の架橋部に形成された第1の赤外線感応膜
    と、前記空洞部の他方の側の架橋部に形成された前記第
    1の赤外線感応膜と同一構成の第2の赤外線感応膜と、
    被計測対象から放射された赤外線を前記第1の赤外線感
    応膜へ選択的に入射させる赤外線選択入射手段と、前記
    空洞部の側壁に設けられ、前記第1の赤外線感応膜側に
    入射した赤外線の前記第2の赤外線感応膜側への侵入を
    防止する赤外線遮蔽膜とを備えたことを特徴とする赤外
    線センサ。
  2. 【請求項2】 表面および裏面を有するセンサ基板の前
    記表面に架橋部形成用の膜を形成し、前記膜上に少なく
    とも一対の赤外線感応膜を選択的に形成する工程と、前
    記センサ基板の裏面側から前記赤外線感応膜に対向する
    部分を選択的にエッチングし、前記センサ基板の表面ま
    で達しない一対の空洞部を形成する工程と、前記空洞部
    に赤外線遮蔽膜を形成する工程と、前記センサ基板の表
    面側からエッチングを行い、前記センサ基板の表面と前
    記空洞部それぞれとの間の部分を選択的に除去すること
    により、前記膜に前記赤外線感応膜に対応して架橋部を
    形成する工程とを有し、前記センサ基板の表面または裏
    面のいずれかに、前記赤外線感応膜の一方のみに選択的
    に赤外線を入射させる赤外線選択入射手段を設けること
    を特徴とする赤外線センサの製造方法。
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