JPH06159670A - 給湯器の燃焼制御方法 - Google Patents

給湯器の燃焼制御方法

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JPH06159670A
JPH06159670A JP33545392A JP33545392A JPH06159670A JP H06159670 A JPH06159670 A JP H06159670A JP 33545392 A JP33545392 A JP 33545392A JP 33545392 A JP33545392 A JP 33545392A JP H06159670 A JPH06159670 A JP H06159670A
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久恭 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 給湯器の出湯温度が設定温度の偏差温度範囲
に入ったときにPID演算のPID定数を切り替えて燃
焼制御を行う方式で、出湯温度が偏差温度範囲の内側と
外側に頻繁に出入りする毎に、PID定数が頻繁に切り
替わるのを防止する。 【構成】 給湯器の設定温度の偏差温度範囲の上側と下
側の温度領域にPID定数の切り替えを行わない切り替
え停止温度幅24a,24bを設ける。出湯温度が設定温度
に近づき、C1 の点で出湯温度が偏差温度範囲に入った
ときにPID定数をA1 からA2 に切り替える。出湯温
度がさらに上昇し、偏差温度範囲を越えて上側の切り替
え停止温度幅24bに入り込み、切り替え停止温度幅24b
と偏差温度範囲の間を頻繁に出入り変動しても、出湯温
度が切り替え停止温度幅24bを越えて変動しない限りP
ID定数の切り替えを行わず、A2 のPID定数で引き
続きPID演算を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、PID演算による給湯
器の燃焼制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4には一般的な給湯器のシステム構成
が示されている。同図において、燃焼室1内にはバーナ
2が設置され、このバーナ2の下側には給排気を行う燃
焼ファン3が設けられ、バーナ2の上側には熱交換器4
が設けられる。前記バーナ2に通じるガス供給通路5に
は主電磁弁6とガスの供給量を開弁量によって制御する
比例弁8が設けられており、また、熱交換器4の入側に
は給水管10が接続され、この給水管10にはサーミスタ等
の給水温度センサ11と、水の流れと給水水量(出湯量)
を検出する流量センサ13が設けられている。また、熱交
換器4の出側には給湯管14が接続されており、この給湯
管14の出側には水栓15が設けられている。そして、熱交
換器4の出口近傍にはサーミスタ等の出湯湯温を検出す
る出湯温度センサ16が設けられている。
【0003】前記給水温度センサ11と、流量センサ13
と、出湯温度センサ16との各検出信号は制御装置17に加
えられており、制御装置17はこれらの検出信号を受けて
給湯器の燃焼運転を行っている。
【0004】すなわち、制御装置17は、水栓15が開けら
れて流量センサ13により給水水流が検知されたときに、
燃焼ファン3を回転する。続いて、主電磁弁6を開け、
燃料ガスをバーナ2に供給してイグナイタ電極18を駆動
し、ガスの点火を行う。そして、フレームロッド電極20
から加えられる炎検知信号を受けて着火を確認し、設定
温度と出湯温度との差に対応させて比例弁8の開弁量を
制御し、PID演算を含む比例制御により出湯湯温を設
定温度(この設定温度は、通常、制御装置17のリモコン
によって設定される)に近づけるように燃焼量を制御す
るのである。
【0005】最近、給湯器の出湯温度特性の改善が望ま
れ、温度変化のない安定した湯を出湯するために、燃焼
運転の緻密な制御が行われるようになっており、その一
例として、給湯器の出湯温度を検出し、出湯温度が設定
温度の予め与えられた偏差温度範囲に出入りする毎に、
PID演算のPID定数を切り替える方法が提案されて
いる。
【0006】図3はこの提案方法のPID定数切り替え
例を示したもので、給湯器の設定温度が設定されると、
この設定温度に対し、偏差温度範囲が設定温度を中心と
し、その上下両側にかけて設けられる。出湯温度が設定
温度に近付いて偏差温度範囲の下限温度T2 に達する
と、PID演算のPID定数はA1 からA2 に切り替わ
り、A2 のPID定数を用いてPID演算による比例制
御によってバーナ2の燃焼運転が行われる。出湯量の変
動により、出湯温度がさらに上昇し、C2 の点で出湯温
度が偏差温度範囲の上限温度T1 を越えるC2 の点で、
PID定数はA2からA1 に再び切り替わる。このよう
に、出湯温度に応じて、PID定数を切り替えることに
より、燃焼運転の緻密な制御を行おうとするものであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の燃焼制御方法においては、給水流量や給水温度の変動
等に起因して、出湯温度が偏差温度範囲の下限温度T2
又は上限温度T1 の近辺で変動すると、例えば、図3に
示すように、上限温度T1 の近辺で出湯温度が変動し、
出湯温度がC2 ,C3 ,C4 ,C5 等の各点で偏差温度
範囲に出入りすると、その各点でPID定数が頻繁にA
1 とA2 の間で繰り返し切り替わることとなる。このと
き、出湯温度が上限温度T1 よりも低い状態のときはP
ID定数はA2 を用いて制御されるため、出湯温度の変
動に対する比例弁8の駆動電流の操作量は小さいが、出
湯温度が上限温度T1 よりも高くなると、PID定数が
1に切り替わり、出湯温度の変動に対する比例弁8の
駆動電流の操作量は大きくなる。そのために一時的に給
水流量や給水温度が変動し出湯温度が上限温度T1 を越
えたときには、PID定数がA2 からA1 に切り替わ
り、給水流量や給水温度が元の状態に戻ったとしても出
湯温度が元の温度に戻るまでに時間遅れを生じることか
ら、その間比例弁8を大きな操作量で駆動制御するため
バーナ2へのガス供給量の変化も大きくなり、設定温度
に対する安定性に悪影響を及ぼすという問題があった。
【0008】本発明は上記従来の課題を解決するために
なされたものであり、その目的は、出湯温度が偏差温度
範囲に頻繁に出入りしても、これによって湯温変動が生
じるということがない出湯温度特性のより優れた給湯器
の燃焼制御方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、次のように構成されている。すなわち、本
発明は、給湯器の出湯温度を検出し、出湯温度が予め与
えられている設定温度の偏差温度範囲に出入りする毎に
PID演算による燃焼制御のPID定数を切り替える方
式の給湯器の燃焼制御方法において、前記偏差温度範囲
の上下両側にPID定数の切り替えを行わない切り替え
停止温度幅を設けたことを特徴として構成されている。
【0010】
【作用】上記構成の本発明において、給湯器の燃焼運転
時に、例えば、出湯温度が設定温度に次第に近づき、そ
の設定温度の偏差温度範囲に入り込むと、PID演算の
PID定数が切り替わり、この切り替わったPID定数
によりPID演算が行われて給湯燃焼運転が制御され
る。この給湯運転状態で、出湯量の変動等により出湯温
度が変動して偏差温度範囲に対して頻繁に出入りして
も、偏差温度範囲の上下両側に切り替え停止温度幅が設
けられることで、出湯温度がこの切り替え停止温度幅を
越えて変動しない限り、PID定数は切り替わることが
ない。これにより、PID定数の頻繁な切り替わりに起
因する出湯湯温の不安定化が抑制される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。なお、本実施例の説明において、前記図4に示す
システム部分と同一の部分には同一符号を付し、その重
複説明は省略する。本実施例の方法を適用する給湯器は
前記図4に示すものと同様なシステム構成となってお
り、本実施例の特徴的なことは、制御装置17のPID演
算によるPID定数の切り替え制御手法を特有な構成と
したものであり、それ以外は従来例と同様である。
【0012】図1は本実施例の特徴的なPID演算を用
いた制御部分の構成を示したもので、この制御部分はP
ID定数切り替え部22と、燃焼制御部23とを有してい
る。PID定数切り替え部22には、図2に示すように、
出湯湯温の設定温度に応じて、この設定温度の偏差温度
範囲の上側と下側の温度領域に予め指定されているPI
D定数の切り替え停止温度幅24a,24bが設けられてお
り、この切り替え停止温度幅24aの下側温度領域にはA
1 のPID定数が与えられ、偏差温度範囲にはA2 のP
ID定数が与えられ、さらに切り替え停止温度幅24bの
上側の温度領域にはA1 のPID定数が与えられてい
る。PID定数切り替え部22は出湯温度センサ16から出
湯温度の検出信号を受け、出湯温度が切り替え停止温度
幅24aよりも下のときにはA1 、偏差温度範囲のときに
はA2 、切り替え停止温度幅24bよりも高温のときには
1 のPID定数をそれぞれ選定し、この選定したPI
D定数を燃焼制御部23に加える。燃焼制御部23はPID
定数切り替え選定部22により切り替え選定されたPID
定数を用いてPID演算により比例弁8の開弁量を制御
し、比例制御によって給湯器の燃焼運転を行う。
【0013】次に、本実施例におけるPID定数の切り
替え動作について説明する。図2に示すように、出湯温
度が設定温度に徐々に近づき、C1 の点で、出湯温度が
偏差温度範囲に入ると、PID定数はA1 からA2 に切
り替わり、このA2 のPID定数を用いて燃焼制御部23
によりPID演算による比例制御でバーナ2の燃焼駆動
が行われる。このPID定数の切り替え後、出湯湯温が
さらに上昇し、偏差温度範囲を越えて上側の切り替え停
止温度幅24b内に入っても、この切り替え停止温度幅24
b内は、PID定数の切り替えが停止される区間なの
で、C2 ,C3 ,C4 ,C5 に示すように、出湯温度が
偏差温度範囲と上側の切り替え停止温度幅24aの間を繰
り返し出入りしても、出湯温度が上側の切り替え停止温
度幅24bを越えない限りはPID定数は切り替えられ
ず、A2 の状態を維持し、さらに出湯温度が上昇しC5
の点から切り替え停止温度幅24bを越えると、PID定
数はA2 からA1 に切り替えられる。
【0014】次に出湯温度が低下してC5 ′を越えて切
り替え停止温度幅24b内に入ってもPID定数は切り替
えられず、C6 の点を越えて切り替え停止温度幅24bの
下限温度よりも降下したときに、A1 からA2 に切り替
えられることになり、その後C7 の点を越えて下側の切
り替え停止温度幅24aと偏差温度範囲の上限温度よりも
低い温度領域にあるときは、PID定数はA2 を維持
し、さらにC8 の点を越えて切り替え停止温度幅24a以
下になったときにA2 からA1 に切り替えられる。
【0015】このように、本実施例は、設定温度の偏差
温度範囲の上下両側に切り替え停止温度幅24a,24bを
設けたので、給水流量や給水温度の変動等により、出湯
温度が偏差温度範囲の内側と外側に頻繁に出入りして
も、PID定数がその都度頻繁に切り替わるということ
がなくなり、これにより、出湯湯温の変動も抑制される
ので、給湯器の出湯温度特性をより安定化させることが
できる。
【0016】なお、本発明は上記実施例に限定されるこ
とはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記
実施例では単機能の給湯器を対象にして説明したが、本
発明は追い焚き機能と給湯機能とを備えた複合給湯器に
ついても適用されるものである。
【0017】また、上記実施例では、切り替え停止温度
幅24aの下側の出湯温度のときのPID定数と上側の切
り替え停止温度幅24bよりも高い温度のときのPID定
数をともにA1 にしたが、これを互いに異なるPID定
数により設定してもよいことは勿論のことである。
【0018】
【発明の効果】本発明は、設定温度の偏差温度範囲の上
下両側にPID定数の切り替えを行わない切り替え停止
温度幅を設けたものであるから、出湯量等の変動によ
り、出湯温度が偏差温度範囲の内側と外側を頻繁に出入
りしても、切り替え停止温度幅を越えて出湯温度が変動
しない限り、PID定数が切り替わることがないので、
従来例のように、出湯温度が偏差温度範囲に出入り変動
する毎にPID定数が切り替わって出湯湯温が変動する
という問題を防止することができ、給湯器の出湯湯温の
より安定化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実行する制御部分の一例を示す
ブロック構成図である。
【図2】本実施例におけるPID演算のPID定数切り
替え動作の説明図である。
【図3】従来の燃焼制御方法によるPID定数の切り替
え動作の説明図である。
【図4】一般的な給湯器のシステム説明図である。
【符号の説明】 16 出湯温度センサ 17 制御装置 22 PID定数切り替え部 23 燃焼制御部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給湯器の出湯温度を検出し、出湯温度が
    予め与えられている設定温度の偏差温度範囲に出入りす
    る毎にPID演算による燃焼制御のPID定数を切り替
    える方式の給湯器の燃焼制御方法において、前記偏差温
    度範囲の上下両側にPID定数の切り替えを行わない切
    り替え停止温度幅を設けたことを特徴とする給湯器の燃
    焼制御方法。
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