JPH0218431Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は瞬間湯沸器に関するものであり、ガス
バーナの任意に設定した能力と給水温度と設定温
度とに基づいて熱交換器への供給水量を調節し、
出湯温度が設定温度になるよう制御した瞬間湯沸
器に係わるものである。

かかる瞬間湯沸器を第１図に基づいて説明する
と、１は熱交換器、２は熱交換器１を加熱するガ
スバーナで、ガスバーナ２は複数本のバーナ素子
２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄ，２ｅから構成され、こ
れらバーナ素子２ａ〜２ｅに至るガス通路３は元
電磁弁４下流より分岐せしめ、夫々の分岐ガス通
路３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ，３ｅには電磁弁５
ａ，５ｂ，５ｃ，５ｄ，５ｅを介設してある。６
は熱交換器１に至る給水路７に設けた水量検出
器、８は給水温検出器である。９は後述する制御
器により制御される水制御弁である。１０は給湯
栓である。１１は台所等の湯使用場所に設けた遠
隔操作器で、遠隔操作器１１にはガスバーナ２の
燃焼本数即ち燃焼能力を切換える能力設定器１
２、出湯温度を調節する温度設定器１３、運転ス
イツチ１４を設けてある。１５は制御器である。

次に上記制御器の概略構成を第２図に基づいて
説明すると、１６はマイクロコンピユータで構成
した演算制御部、２２は燃焼制御回路で、この演
算制御部１６には給水温検出器８から給水温度
Twが、水量検出器６から通水量Ｑが、遠隔操作
器１１から設定能力の信号と設定温度Toが入力
される。能力設定器１２は設定をａ位置からｃ位
置まで切換えることによりバーナ素子の燃焼本数
を５本から１本まで切換え制御するものであり、
同時に演算制御部１５に燃焼本数に応じた燃焼量
の信号（以下設定能力Ｗと記す）が出力される。

ところで瞬間湯沸器において能力１号とは１分
間に１の水を25℃上昇させることであり、従つ
て号数Woと通水量Ｑと設定温度Toと給水温度
Twとの関係は次式の通りである。

Wo＝Ｑ（To−Tw）／25 又ガスバーナの燃焼量は号数と略対応する関係
にあり、ガスバーナ２の燃焼本数を切換えること
により号数も上記切換えに応じて切換わる。

演算制御部１６では以上の関係から設定温度
Toに加熱され得る制御水量QoをQo＝25XW／
（To−Tw）として演算し、この演算値をサーボ
回路１７に出力し、一方サーボ回路１７ではかか
る演算入力に水量検出器６からの検出水量が一致
するようサーボモータ１８を制御して水制御弁９
の開度を制御し、即ち通水量を制御するようにし
てあり、かかる通水量の制御動作は水量検出器の
通水検出により開始されると共に通水停止の検出
により停止する。

以上の構成において、先ず遠隔操作器１１の運
転スイツチ１４を投入し、次に給湯栓１０を開い
て通水を開始すると演算制御部１６に設定能力
Ｗ、設定温度To給水温度Tw通水量Ｑが入力さ
れ、演算制御部１６において通水量Ｑが後述する
最低作動水量に達すると燃焼を開始し、前記した
ように制御水量Qoを演算して水制御弁９を制御
して通水量を調節し、設定温度の出湯が行なわれ
る。又同一出湯温度で出湯量を大小に可変したい
場合には遠隔操作器１１の能力設定器１２を大小
に切換えれば前記したように演算制御部１６で演
算される制御水量Qoが上記切換え操作に応じて
変化するので、簡単に出湯量の変更が行なえるの
である。

ところでこの瞬間湯沸器においては水制御弁９
によつて通水量が過少になれば熱交換器１で沸騰
して沸騰水が給湯栓１０から吐出することになつ
て非常に危険なものである。それ故通常瞬間湯沸
器では通水量を一定量（最低作動水量（以下Ｍ，
Ｏ，Ｑと記す））以下になれば通水停止として燃
焼を停止するよう設計されることから水制御弁９
により通水量を制御するものにおいても上記Ｍ，
Ｏ，Ｑ、以下に通水量が制御された場合には燃焼
を停止する機能が要求される。

又当該水量を制御するものにおいては当然に水
量を上記一定量以下に制御しないよう設定してあ
るが、使用状態によつては、例えば設定能力Ｗを
低くかつ設定温度Toを高温に設定した場合には、
演算される制御水量Qoは当然に少なくなり、上
記一定量に近い水量に水制御弁９を制御すること
もありえる。このように水制御弁９の開度を絞つ
た状態で給湯栓１０を閉栓して給湯を停止すると
水制御弁９がその開度で停止する為、再使用時水
圧が低下しておれば上記一定量以上に通水が行わ
れず、従つて水量検出器６が最低作動水量以上の
通水を検知せず、再使用が不可能となる問題が発
生する。

本考案はかかる問題点を解決せんとするもの
で、以下第３図に基づいて具体的に説明する。尚
従来例と同一構成のものは同一番号を付してその
説明を省略すると、１９は給湯栓１０の閉栓によ
る通水停止を演算制御部１６が水量検出器６の信
号により検出すると作動するタイマで、該タイマ
１９の作動時には制御手段２０が作動して、水制
御弁９にタイマ１９で設定した時間制御水量とは
無関係に開側に駆動する信号を出力し、タイムア
ツプ時にはその出力が停止するようにしてある。
尚上記タイマ１９の設定時間は、長時間に設定し
て水制御弁９の最大開度にまで駆動してしまうと
給湯開始後水制御弁９が適正開度に制御されるま
での時間水量過多となつて出湯温度の落ち込みが
大きく、従つて上記停水時に制御する水制御弁の
開度は最大開度以上に制限する必要があり、それ
故上記設定時間はこの種瞬間湯沸器におけるプリ
パージ時間が適当である。又タイマ１９の制御に
代えて水制御弁９に開度検出手段を設けて設定開
度に制御するようにしてもよい。更に又本実施例
では通水の有無を水量検出器６で検出しているが
水スイツチを設けて該スイツチの開閉で行うよう
にしてもよい。

以上の構成において、給湯栓１０を閉じれば通
水が停止し、水制御弁９に対しての制御水量Qo
とする制御動作が停止し、演算制御部１６からの
出力によりタイマ１９が作動する。タイマ１９の
作動により制御手段２０が水制御弁９に開側への
駆動信号を出力するので水制御弁９は開放側に駆
動され、タイマ１９の設定時間経過すれば開放側
への駆動が停止され、それ故水制御弁９の開度は
通水停止時の開度より大となつて停止される。従
つて再度給湯栓１０を開いて再通水を行つた時は
水制御弁９は仮に通水停止前に設定水量に近い開
度に制御されていても充分大きな開度状態から通
水が開始されるのであるから水圧低下が生じても
最低作動水量以下にならないので再使用が可能と
なる。給湯が開始すると水制御弁９は上記充分大
きな開度から適正開度に制御され、仮に同一条件
で再通水した場合でもその制御も短時間で行わ
れ、出湯温度の低下も小さく出湯特性も大きく低
下することはないのである。

以上説明したように、本考案によれば従来のよ
うに水圧低下により再使用不能となる問題がな
く、かつ出湯特性の影響も少ないのであり実用的
効果大なる考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示した全体構成図、第２図は
同電気回路図、第３図は本考案の一実施例を示す
電気回路図である。 １……熱交換器、２……ガスバーナ、６……水
量検出器、９……水制御弁、１２……能力設定
器、１５……制御器、２０……制御手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱交換器と、熱交換器を加熱する能力可変のガ
   スバーナと、水量検出器と、水制御弁と、上記ガ
   スバーナの燃焼能力を切換える能力設定器と、給
   水温検出器からの給水温度と設定温度と能力設定
   器の設定能力とに基づいて制御水量を演算する制
   御器とを備え、当該演算出力により上記水制御弁
   を制御し、この制御動作を通水検出により開始す
   ると共に通水停止の検出で停止したものにおい
   て、通水停止の検出により作動して上記水制御弁
   を上記制御水量と無関係に開側に駆動せしめる制
   御手段を設けたことを特徴とする瞬間湯沸器。