JPH061593Y2 - 高所作業車の転倒防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （１）産業上の利用分野 本考案は、ブームの先端に作業台を首振り自在に備え、
あるいはブームの先端に首振りアームを介して作業台を
備えた高所作業車の転倒防止装置に関するものである。

（２）従来の技術 首振り自在な作業台を備えたブームの旋回範囲を分割し
て分割された各旋回範囲毎に規制モーメントあるいは限
界作業半径を設定するようにした高所作業車の転倒防止
装置は、例えば特開昭６２−６５８９３号公報に記載さ
れているように従来より公知である。

（３）考案が解決しようとする問題点 しかし、従来の転倒防止装置においては、アウトリガの
張出し状態に応じて各旋回範囲の角度を変更することは
行えるが、作業台の首振り位置を検出して、各旋回範囲
の角度を変更することは行えないため、作業台の首振り
位置が最も悪い条件において各旋回範囲が設定され、一
般的に最も規制モーメントあるいは限界作業半径が大き
くなる作業車の前方あるいは後方の旋回範囲の角度が狭
くなり、高所作業車の使い勝手を非常に悪いという問題
があった。

（４）問題点を解決するための手段 本考案は、上記の問題点を解決するために、首振り自在
な作業台を備えたブームの旋回範囲を分割して分割され
た各旋回範囲毎に規制モーメントあるいは限界作業半径
を設定するようにした高所作業車の転倒防止装置におい
て、作業台の首振り位置を検出する検出器を備え、この
検出器からの首振り位置の信号に応じて各旋回範囲の角
度を増減するようにしたものである。

（５）作用 上記の構成により、作業台の首振り位置が作業車の中心
線側にあるときは、作業台の首振り角度に応じて作業車
の前方あるいは後方におけるブームの旋回範囲は狭くな
り、作業台の首振り位置が作業車の側方側にあるとき
は、作業台の首振り角度に応じて作業車のブームの前方
あるいは後方におけるブームの旋回範囲は広くなる。

（６）実施例 以下、図面により本考案の実施例について説明する。

第２図に示すように、高所作業車は、アウトリガ（２）
により支持された車体（１）上にターンテーブル（３）
が設けられ、このターンテーブル（３）に伸縮ブーム
（４）の基端が枢支され、伸縮ブーム（４）は内蔵され
た伸縮装置（図示せず）により伸縮するとともに、起伏
シリンダ（５）により起伏し、伸縮ブーム（４）の先端
にはポスト（６）が平衡状態に保持され、ポスト（６）
には作業台（７）がポスト（６）を中心にして首振り自
在に取付けられ、起伏シリンダ（５）の取付け部には起
伏シリンダ（５）に作用す圧縮力を検出する負荷検出器
（８）が設けられ、ターンテーブル（３）には伸縮ブー
ム（４）の旋回位置を検出する旋回位置検出器（９）が
備えられ、伸縮ブーム（４）には伸縮ブーム（４）の起
伏角度を検出する起伏角度検出器（１０）と伸縮ブーム
（４）の伸縮長さを検出する伸縮長さ検出器（１１）が
備えられ、作業台（７）には作業台（７）の首振り位置
を検出する首振り位置検出器（１２）が備えられてい
る。

第１図に示すように、伸縮長さ検出器（１１）は作業高
さ演算器（１３）に連結され、起伏角度検出器（１０）
は作業高さ演算器（１３）及びモーメント演算器（１
４）に連結され、負荷検出器（８）はモーメント演算器
（１４）に連結されており、作業高さ演算器（１３）に
おいて伸縮ブーム（４）の作業高さが演算され、モーメ
ント演算器（１４）において実モーメントが演算され
る。

旋回位置検出器（９）及び首振り位置検出器（１２）は
補正器（１７）に連結され、補正器（１７）及び作業高
さ演算器（１３）は規制モーメント設定器（１５）に連
結され、規制モーメント設定器（１５）において規制モ
ーメント値が設定されるが、規制モーメントは第３図に
示すように、ブームの旋回範囲を高所作業車の前後左右
で４つに分割して、分割された各旋回範囲（Ａ，Ｂ，
Ｃ，Ｄ）毎に規制モーメントを設定するものであり、補
正器（１７）は、第４図（イ）に示すように、作業台
（７）の首振り位置が伸縮ブーム（４）と平行な中立位
置にあるときは、境界線（２３）を伸縮ブーム（４）の
旋回範囲（Ｄ）と旋回範囲（Ａ）の境界にするが、第４
図（ロ）に示すように、作業台（７）の首振り位置が作
業車の中心線（２２）側にあるときは、作業台（７）の
首振り角度に応じて伸縮ブーム（４）の旋回範囲（Ｄ）
の右側の角度（α）だけ狭くし、第４図（ハ）に示すよ
うに、作業台（７）の首振り位置が高所作業車の側方側
にあるときは、作業台（７）の首振り角度に応じて伸縮
ブーム（４）の旋回範囲（Ｄ）の右側の角度を（β）だ
け広くするものである。

モーメント演算器（１４）及びモーメント設定器（１
５）は比較器（１６）に連結され、比較器（１６）にお
いて実モーメントと規制モーメントが比較され、比較器
（１６）は旋回規制装置（１８）、起伏規制装置（１
９）、伸縮規制装置（２０）及び首振り規制装置（２
１）に連結されており、旋回規制装置（１８）は実モー
メントが規制モーメントを越える方向の伸縮ブーム
（４）の旋回作動を停止するものであり、起伏規制装置
（１９）は実モーメントが増加する方向の伸縮ブーム
（４）の起伏作動を停止するものであり、伸縮規制装置
（２０）は実モーメントが増加する方向の伸縮ブーム
（４）の伸縮作動を停止するものであり、首振り規制装
置（２１）は作業台（７）の首振り作動を停止するもの
である。

上記の構成により、規制モーメントが大きい（Ｄ）また
は（Ｂ）の範囲から規制モーメントが小さい（Ａ）ある
いは（Ｃ）の範囲に伸縮ブームを旋回させることにより
実モーメントが規制モーメントに達すると、比較器（１
６）が出力し、起伏規制装置（１９）、伸縮規制装置
（２０）及び首振り規制装置（２１）が作動して、伸縮
ブーム（４）の起伏下げ作業、伸縮ブーム（４）の伸長
作動及び作業台（７）の首振り作動が停止するととも
に、補正器（１７）において、第４図に示すように、作
業台（７）の首振り位置が中立位置から高所作業車の中
心線（２２）側あるときは、作業台（７）の首振り角度
に応じて高所作業車の前方あるいは後方における伸縮ブ
ーム（４）の旋回範囲（Ｄ，Ｂ）の角度を狭くし、作業
台（７）の首振り位置が中立位置から高所作業車の側方
側にあるときは、作業台（７）の首振り角度に応じて高
所作業車の前方あるいは後方における伸縮ブーム（４）
の旋回範囲（Ｄ，Ｂ）の角度を広くして旋回規制装置
（１８）に出力し旋回規制装置（１８）は範囲（Ｄ）あ
るいは範囲（Ｂ）から範囲（Ａ）または範囲（Ｃ）側へ
の伸縮ブーム（４）の旋回作動を停止する。

なお、上記実施例においては、各旋回範囲毎に規制モー
メントを設定するものを示したが、本考案は、限界作業
半径を設定するものにおいても実施することが可能であ
る。

（７）考案の効果 以上の様に、本考案によれば、作業台の首振り位置を検
出して、分割した各旋回範囲の角度を変更するものであ
るため、従来、作業台の首振り位置が最も悪い条件にお
いて設定されていた、一般的に最も規制モーメントある
いは限界作業半径が大きくなる作業車の前方あるいは後
方の旋回範囲の角度を相対的に広くすることができるた
め、本考案は高所作業車の操作性及び作業性の向上に有
効である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は転倒防止装置の
作動ブロック線図、第２図は作業状態を示す高所作業車
の側面図、第３図は旋回範囲を示す高所作業車の略平面
図、第４図（イ）（ロ）（ハ）は転倒防止装置の動作説
明図である。 ４…伸縮ブーム、７…作業台、１２…首振り位置検出
器、１７…補正器、１８…旋回規制装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】首振り自在な作業台を備えたブームの旋回
   範囲を分割して、分割された各旋回範囲毎に規制モーメ
   ントあるいは限界作業半径を設定するようにした高所作
   業車の転倒防止装置において、作業台の首振り位置を検
   出する首振り位置検出器を備え、この検出器からの首振
   り位置の信号に応じて各旋回範囲の角度を増減するよう
   にしたことを特徴とする高所作業車の転倒防止装置。