JPH06159048A - 触媒劣化度検出装置 - Google Patents

触媒劣化度検出装置

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JPH06159048A
JPH06159048A JP4312481A JP31248192A JPH06159048A JP H06159048 A JPH06159048 A JP H06159048A JP 4312481 A JP4312481 A JP 4312481A JP 31248192 A JP31248192 A JP 31248192A JP H06159048 A JPH06159048 A JP H06159048A
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exhaust gas
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は内燃機関の排気ガス通路中に設けら
れる触媒の劣化度を検出する触媒劣化度検出装置に関
し、劣化度検出時における排気エミッションの悪化を防
止することを目的とする。 【構成】 触媒コンバータ11下流に空燃比センサ18
を配置する。内燃機関1への燃料カットを検出する燃料
カット検出手段M1を設ける。燃料カット検出手段M1
が所定時間継続して燃料供給の停止を検出したら空燃比
を燃料リッチとする空燃比切り換え手段M2を設ける。
2 ストレージ算出手段M4は空燃比センサ18及びガ
ス量検出手段M3の検出値とに基づいて触媒コンバータ
11の酸素吸着能力を算出する。そして、劣化度検出手
段M5は、O2 ストレージ算出手段9により算出された
酸素量に基づいて触媒の劣化度を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は触媒劣化度検出装置に係
り、特に内燃機関の排気ガス通路中に設けられる触媒コ
ンバータの劣化度を、触媒コンバータに蓄え得る酸素量
に基づいて検出する触媒劣化度検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関の排気ガス通路中に
設けられた触媒コンバータの劣化度を検出する装置とし
て、特願平3−295651号に開示される装置が知ら
れている。この装置によれば、触媒コンバータの酸素吸
着能力に基づいて触媒コンバータの劣化度を精度良く検
出することが可能となる。
【0003】ところで、車載用内燃機関では排気ガスを
浄化するために排気ガス通路中に三元触媒等の触媒が配
置されている。三元触媒は、内燃機関のシリンダ内に供
給される混合気の空燃比が理論空燃比よりも大きくな
る、すなわち燃料リーンになると排気ガス中に存在する
過剰酸素を吸着保持し、混合気の空燃比が理論空燃比よ
りも小さくなる、すなわち燃料リッチになると吸着保持
された酸素を放出する、いわゆるO2 ストレージ機能を
有している。
【0004】一方、内燃機関のシリンダ内に供給される
混合気が燃料リーンとなると、混合気中の過剰酸素のた
め排気ガス中には窒素酸化物(NOX )が含まれるよう
になる。また、混合気が燃料リッチとなると、内燃機関
からは一酸化炭素(CO),炭化水素(HC)等の未燃
成分を含有した排気ガスが排出される。
【0005】従って、排気ガス通路中に三元触媒を設け
て排気ガスをこの触媒コンバータに流通する構成とすれ
ば、混合気が燃料リーンになったときには過剰な酸素が
触媒コンバータに吸着されるためNOX が還元され、混
合気がリッチになったときには触媒コンバータに吸着さ
れていた酸素が放出されてCO,HC等が酸化され、排
気ガス中に含まれる未燃成分を効率良く浄化できること
になる。
【0006】ところで、三元触媒が劣化すると排気ガス
浄化能力が低下して良好な排気エミッションの確保が困
難となる。一方、触媒コンバータが劣化しても車両の運
動性能等には何らの変化もないためその発見は困難であ
る。尚、排気ガスの浄化は上記したように触媒コンバー
タのO2 ストレージ機能によってなされるため、この場
合における触媒コンバータの劣化とはO2 ストレージ機
能の低下を意味している。
【0007】上記従来の触媒劣化度検出装置は、このよ
うな要求に応えるべくなされたもので、一定の条件下で
触媒コンバータが吸着し得る酸素量を検出して、その酸
素量からO2 ストレージ機能の低下、すなわち触媒コン
バータの劣化を判断しようとするものである。
【0008】この装置において触媒コンバータが吸着し
得る酸素量を検出する際には、先ず、理論空燃比より燃
料リッチ側(または燃料リーン側)に設定された混合気
を所定時間内燃機関に供給して、触媒コンバータに十分
に酸素を放出させる(または吸着させる)。次に、内燃
機関に供給する混合気の空燃比を燃料リーン(または燃
料リッチ)に切り換えて今度は触媒コンバータに酸素を
吸着(または放出)させる。
【0009】ここで、触媒コンバータ下流における排気
ガスの空燃比に着目すると、触媒コンバータのO2 スト
レージ機能により排気ガス中の酸素量の調整が可能な間
はほぼ理論空燃比付近に維持される。また、O2 ストレ
ージ機能の能力を越えて燃料リーン(または燃料リッ
チ)の混合気が供給され続けた場合、その空燃比は当然
に触媒コンバータ上流の排気ガスの空燃比、すなわち内
燃機関に供給される混合気の空燃比と等しくなる。
【0010】この際触媒コンバータには、この間に触媒
コンバータを流通した排気ガス中の過剰酸素が吸着する
(または、触媒コンバータの酸素吸着能力いっぱいに吸
着されていた酸素が排気ガス中の未燃成分を酸化するた
め全て放出される)。
【0011】つまり、混合気の空燃比が切り換えられて
から、触媒コンバータの下流における排気ガスの空燃比
が、混合気の空燃比と同様に燃料リーン(または燃料リ
ッチ)となるまでの間に触媒コンバータを流通した排気
ガス中の過剰酸素量(または不足酸素量)が触媒コンバ
ータの酸素吸着能力に相当することになる。
【0012】そこで、上記従来の触媒劣化度検出装置
は、触媒コンバータを流通するガス量を検出する手段を
設けると共に触媒コンバータの下流に空燃比センサを設
けて上記の期間中に触媒コンバータを流通した排気ガス
中の過剰酸素量(または不足酸素量)を検出し、その検
出値に基づいて触媒コンバータの劣化度を検出してい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
に従来の触媒劣化度検出装置は、触媒コンバータの酸素
吸着能力を検出する際に、内燃機関に供給する混合気の
空燃比を所定期間燃料リッチまたは燃料リーンに保持す
る必要がある。そして、混合気の空燃比をその空燃比に
保持する期間は、触媒コンバータを酸素で飽和させ、ま
たは触媒コンバータに吸着されている酸素を全て放出さ
せることのできる十分に長い時間に設定されている。
【0014】従って、上記従来の装置において空燃比が
燃料リッチまたは燃料リーンに保持されている期間の終
期付近では、触媒コンバータで浄化できなくなったC
O,HCまたはNOX が触媒コンバータ下流、すなわち
大気中に放出されることになる。このように、上記従来
の触媒劣化度検出装置は、触媒劣化度の検出を行う際に
一時的に排気エミッションを悪化させるという問題を有
していた。
【0015】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
あり、内燃機関への燃料供給が停止されている期間、す
なわち燃料カット中に触媒劣化度の検出を行うことによ
り、劣化度検出時における排気エミッションの悪化を抑
制した触媒劣化度検出装置を提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの触媒劣化度検出装置の原理図を図1に示す。図1に
おいて1は本発明に係る触媒劣化度検出装置を備える内
燃機関を示す。内燃機関1の排気ガス通路中には触媒コ
ンバータ11が設けられる。この触媒コンバータ11の
下流には空燃比センサ18が配置される。空燃比センサ
18は、触媒コンバータ11の上流に供給されたガス中
の空燃比を検出する。
【0017】燃料カット検出手段M1は、内燃機関1へ
の燃料供給状態を監視して、所定の運転状況の下に燃料
供給が停止された場合、その燃料供給の停止を検出す
る。空燃比切り換え手段M2は、燃料カット検出手段M
1が所定時間継続して燃料供給の停止を検出した場合、
内燃機関1に供給する混合気を所定の期間理論空燃比に
対してリッチ側に設定された所定の空燃比に切り換え
る。ガス量検出手段M3は、触媒コンバータ11を流通
するガス量を検出する。
【0018】また、O2 ストレージ算出手段M4は、空
燃比センサ18の検出値とガス量検出手段M3の検出値
とに基づいて、空燃比切り換え手段M2により触媒コン
バータ11の上流に供給されるガスの空燃比が燃料リッ
チに切り換えられてから、空燃比センサ18が燃料リッ
チを表す信号を出力するまでの期間中に触媒コンバータ
11を流通した排気ガスの総量を算出し、その排気ガス
総量と燃料リッチに切り換えられた後の空燃比とに基づ
いて、上記の期間中に触媒コンバータ11から排気ガス
中に放出された酸素量を、触媒コンバータ11の酸素吸
着能力として算出する。そして、劣化度検出手段M5
は、O2 ストレージ算出手段9により算出された酸素量
に基づいて触媒の劣化度を検出する。
【0019】
【作用】上記の触媒劣化度検出装置において、燃料カッ
ト検出手段M1は、減速時等内燃機関1への燃料供給が
不要な場合に行われる燃料供給の停止が行われた場合、
その燃料カットを検出する。ここで内燃機関における燃
料カットは、燃料供給が不要な場合にのみ行われる処理
であるため、吸気ダクト6内に設けられたスロットルバ
ルブ9が全閉の場合にだけ実行される。
【0020】燃料カットが行われてから空燃比切り換え
手段M2により空燃比が燃料リッチに切り換えられるま
での期間中、触媒コンバータ11には燃料を全く含有し
ない空気が流通し、最終的に触媒コンバータ11の酸素
吸着能力に応じた酸素が吸着されると共に、空燃比セン
サ18からは、空燃比が燃料リーンであることを表す信
号が出力される。この際、排気ガス中には燃料が含まれ
ていないため、触媒コンバータ11の下流にNOX 等の
酸化物が排出されることはない。
【0021】空燃比切り換え手段M2により内燃機関1
に供給される混合気の空燃比が燃料リッチに切り換えら
れると、触媒コンバータ11には、スロットルバルブ9
全閉に対応して少量の燃料リッチな排気ガスが流通す
る。これにより触媒コンバータ11に吸着されていた酸
素は、排気ガス中の不足酸素量を補うため徐々に放出さ
れる。
【0022】この際、触媒コンバータ11に吸着されて
いた酸素で排気ガス中の不足酸素量を補うことができる
間は、空燃比センサ18は理論空燃比を表す信号を出力
する。そして、触媒コンバータ11中の全ての酸素が放
出された場合は、それ以後触媒コンバータ11下流の雰
囲気が燃料リッチとなり、空燃比センサ18は燃料リッ
チを表す信号を出力する。ここで、触媒コンバータ11
を流通する排気ガスの流量は少量であると共に、所定期
間終了時には空燃比切り換え手段M2により再び燃料カ
ット状態への切り換えが行われる。従って、全ての酸素
の放出後において大気中に放出されるCO,HC等の未
燃成分は極少量に抑制される。
【0023】O2 ストレージ算出手段M4は、空燃比セ
ンサ18から燃料リッチを表す信号が出力された時点を
触媒コンバータ11に吸着された酸素が全て放出された
時点として判断し、ガス量検出手段8の検出値を基に触
媒コンバータ11に吸着されていた酸素を全て放出させ
る間に触媒コンバータ11を流通した排気ガスの総量を
算出し、その総排気ガス量中の酸素不足量を触媒コンバ
ータ11のO2 ストレージ量とする。
【0024】
【実施例】図2は、本発明に係る触媒劣化度検出装置の
一実施例の構成図を示す。尚、図1と同一の構成部分に
は同一の符号を付している。
【0025】図2において1は、本実施例の触媒劣化度
検出装置を備える内燃機関を示す。同図中2及び3は、
それぞれ内燃機関1の吸気ポート及び排気ポートを示
す。内燃機関1の各吸気ポート2は、対応する枝管4を
介してサージタンク5に連結され、サージタンク5は吸
気ダクト6及びエアフロメータ7を介してエアクリーナ
8に連結される。
【0026】吸気ダクト6内にはスロットルバルブ9が
配置される。一方、排気ポート3は排気マニホールド1
0を介して、前記した触媒に相当する三元触媒を内蔵し
た触媒コンバータ11に接続される。また、吸気ポート
2に連結される各枝管4には、それぞれ電子制御ユニッ
ト20の出力信号に基づいて制御される燃料噴射弁12
が配設される。
【0027】本実施例の要部である電子制御ユニット2
0は、双方向バス21によって相互に接続されたリード
オンリメモリ(ROM)22,ランダムアクセスメモリ
(RAM)23,中央処理装置(CPU)24,入力ポ
ート25,出力ポート26を備えている。
【0028】エアフロメータ7は吸入空気量に応じた出
力電圧を発生し、その出力電圧をA/D変換器27を介
して入力ポート25に供給している。スロットルバルブ
9には、スロットルバルブ9がアイドリング位置にある
ときにオンとなり、その出力信号を入力ポート25に供
給するアイドルスイッチ13が取り付けられている。
【0029】また、内燃機関1には、冷却水温に応じた
電圧信号を発生する水温センサ14が取付けられ、A/
D変換器28を介してその出力電圧を入力ポート25に
供給している。さらに、入力ポート25には、内燃機関
の回転数を表すパルスを発生する回転数センサ15の出
力信号が供給される。
【0030】触媒コンバータ11上流の排気マニホール
ド10内には、第1の空燃比センサ16が配置され、ま
た、触媒コンバータ11下流の排気通路17内には前記
した空燃比センサに相当する第2の空燃比センサ18が
配置される。これら第1及び第2の空燃比センサ16,
18はそれぞれ対応する電流電圧変換回路29,30及
びA/D変換器31,32を介して入力ポート25に接
続されている。また、出力ポート26にはそれぞれ駆動
回路33,34を介して燃料噴射弁12及び触媒の劣化
度を表示する表示装置35が接続されている。
【0031】第1及び第2の空燃比センサ16,18
は、例えばジルコニアからなる筒状体の内側面上に陽極
を形成すると共に外側面上に陰極を形成し、更に陰極の
外側を多孔質層により覆った構造を有している。これら
陽極と陰極との間には、図3(A)に示すような、雰囲
気の空燃比に応じた電流Iが流れる。
【0032】この電流Iはそれぞれ対応する電流電圧変
換回路29,30において図3(B)に示すような電圧
Vに変換される。つまり、A/D変換器31,32には
空燃比に対応した出力電圧Vが供給され、電子制御ユニ
ット20では、この出力電圧Vに基づいて空燃比の検出
が行われる。
【0033】本実施例では燃料噴射弁12からの燃料噴
射時間TAUは次式に基づいて算出される。
【0034】TAU=TP・FAF・GA・C・M ここで、TP:基本燃料噴射量 FAF:フィードバック補正係数 GA:学習係数 C:増量係数 M:空燃比設定係数 基本燃料噴射時間TPは内燃機関に供給される混合気の
空燃比を理論空燃比とするのに必要な燃料噴射時間であ
り、内燃機関の負荷Q/N(吸入空気量Q/機関回転数
N)及び機関回転数Nの関数として、予めROM22内
に記憶されている。
【0035】フィードバック補正係数FAFは空燃比を
目標空燃比に維持すべく1.0を中心として変動するよ
うに触媒コンバータ11上流の第1空燃比センサ16の
出力信号に基づいて制御される。また、学習係数GAは
フィードバック補正係数FAFが1.0を中心として変
動するようにするための係数である。
【0036】増量係数Cは、暖機時や加速時に燃料噴射
量を増量するための係数であって増量しないときは1.
0とされる。そして、空燃比設定係数Mは内燃機関の運
転状態に応じて予め定められた目標空燃比を得るための
係数であって、目標空燃比が理論空燃比のときは1.0
となる。
【0037】次に図4及び図5を参照しつつ、フィード
バック補正係数FAF及び学習係数GAについて簡単に
説明する。尚、空燃比設定係数Mは、目標空燃比を(A
/F)O で表すとすると、理論空燃比/(A/F)O
表されることになる。
【0038】図4は一定時間毎の割り込みによって実行
されるルーチンを示している。図4に示すルーチンが起
動すると、まず始めにステップ50において、図3
(B)に示す関係から、目標空燃比(A/F)O に対応
した第1空燃比センサ16の出力信号すなわち電流電圧
変換回路29の目標電圧値Eが算出される。
【0039】空燃比設定係数Mを上記したように理論空
燃比/(A/F)O として、燃料噴射時間をTP・Mと
すると、空燃比はほぼ目標空燃比(A/F)O となり、
従って、第1の空燃費センサ16の電流電圧変換回路2
9の出力電圧Vはほぼ目標出力電圧Eとなる。
【0040】ステップ50において目標出力電圧Eが算
出されるとステップ51に進んで、電流電圧変換回路2
9の出力電圧Vが目標出力電圧Eと比べて高いか否か、
すなわち第1空燃比センサ16がさらされている排気ガ
スの空燃比が目標空燃比(A/F)O に比べてリーンで
あるか否かが判別される。
【0041】V>Eのとき、すなわち目標空燃比(A/
F)O に比べてリーンであるときはステップ52に進ん
で前回の割り込み時にリーンであったか否かが判別され
る。ここで、前回の割り込み時にリーンでなかったとき
は、リッチからリーンに変化したと判断され、ステップ
53に進む。
【0042】ステップ53では、この時点におけるフィ
ードバック補正係数FAFがFAFRとして記憶され
る。次いでステップ54に進んでFAFにスキップ値S
を加算してステップ55に進む。一方、ステップ52に
おいて前回の割り込み時においてもリーン側であると判
断されたときはステッ56にすすんでFAFに積分値K
(K<S)が加算され、次いでステップ55に進む。
【0043】従って、図5に示すように、空燃比センサ
16がさらされている排気ガスの空燃比がリッチからリ
ーンに変化すると、フィードバック補正係数FAFはス
キップ値Sだけ急激に増大せしめられた後、積分値Kが
加算されるに従って徐々に増大する。
【0044】これに対して上記ステップ51でV>Eで
はない、すなわち空燃比センサ16がさらされている排
気ガスの空燃比は目標空燃比に対してリッチであると判
断された場合は、ステップ57に進み前回の割り込み時
にリッチであったか否かが判断される。前回の割り込み
時にリッチでなかったときは、リーンからリッチに変化
したと判断され、ステップ58進む。
【0045】ステップ58では、この時点におけるフィ
ードバック補正係数FAFがFAFLとして記憶され
る。そしてステップ59に進みFAFからスキップ値S
を減算して、次いでステップ55に進む。一方、ステッ
プ57において前回の割り込み時においてもリッチであ
ると判断されたときは、ステップ60に進んでFAFか
ら積分値K(K<S)を減算してステップ55に進む。
【0046】従って、図5に示すように、空燃比センサ
16がさらされている排気ガスの空燃比がリーンからリ
ッチに変化すると、フィードバック補正係数FAFはス
キップ値Sだけ急激に減少せしめられた後、積分値Kが
減算されるに従って徐々に減少する。
【0047】ステップ55ではFAFLとFAFRの平
均値が学習係数GAとされる。このため、例えばフィー
ドバック補正係数FAFがリーン側に偏ると、学習係数
GAは1.0より大きくなる。従って、燃料噴射時間T
AUが長くなりフィードバック補正係数FAFがリッチ
側に補正される。
【0048】また、フィードバック補正係数FAFがリ
ッチ側に偏ると学習係数GAは1.0より小さくなる。
従って燃料噴射時間TAUが短くなり、フィードバック
補正係数FAFはリーン側に補正される。このように、
本実施例における補正係数FAFは学習係数GAの作用
により1.0を中心に変動せしめられることになる。
【0049】図5に示すフィードバック補正係数FAF
の挙動は目標空燃比(A/F)O が変化しても同じであ
る。例えば目標空燃比(A/F)O が理論空燃比であっ
てもFAFは1.0を中心に変動せしめられる。従って
目標空燃比(A/F)O が理論空燃比のとき、すなわち
空燃比設定係数Mが1.0のときFAFを1.0に固定
すれば、すなわち空燃比フィードバック制御を停止する
と空燃比は理論空燃比に維持されることになる。
【0050】同様に目標空燃比(A/F)O が理論空燃
比でない場合には、空燃比設定係数Mを目標空燃比(A
/F)O に対応した値とし、FAFを1.0に固定すれ
ば空燃比は目標空燃比(A/F)O に維持されることに
なる。従って、空燃比を目標空燃比(A/F)O とする
ためには空燃比設定係数Mを目標空燃比(A/F)O
対応した値とし、FAFを1.0に固定すればよいこと
になる。
【0051】次に、図6を参照しつつ触媒コンバータ1
1に吸着保持される酸素量の検出方法について説明す
る。尚、図6において実線は第1空燃比センサ16によ
り検出された空燃比を示しており、破線は第2空燃比セ
ンサ18により検出された空燃比をしめしている。
【0052】また、図6は時刻t1 において内燃機関に
供給れる混合気の空燃比をリーン空燃比(A/F)L
らリッチ空燃比(A/F)R に強制的に切り換え、時刻
2において内燃機関に供給される混合気の空燃比をリ
ッチ空燃比(A/F)R からリーン空燃比(A/F)L
に強制的に切り換えた場合を示している。
【0053】図6からわかるように時刻t1 において内
燃機関に供給される混合気の空燃比がリーン空燃比(A
/F)L からリッチ空燃比(A/F)R に切り換えられ
ると第1空燃比センサ16により検出される空燃比は速
やかにリッチ空燃比(A/F)R に変化する。また同様
に、内燃機関に供給される混合気の空燃比がリッチ空燃
比(A/F)R からリーン空燃比に切り換えられた場合
も(図6中、時刻t2)、第1空燃比センサ16で検出
される空燃比は速やかにリーン空燃比(A/F)L に変
化する。
【0054】これに対して第2空燃比センサ18で検出
される空燃比は、図6において破線で示すように、第1
空燃比センサ16で検出される空燃比とは異なる挙動で
変化する。すなわち、図6中時刻t1 において内燃機関
に供給される混合気の空燃比がリーン空燃比(A/F)
L からリッチ空燃比(A/F)R に変化すると、第2空
燃比センサ18により検出される空燃比は、先ずリーン
空燃比(A/F)L から理論空燃比まで変化し、その後
ΔTR 時間だけ理論空燃比に維持された後にリッチ空燃
比(A/F)R となる。
【0055】一方、時刻t2 において内燃機関に供給さ
れる混合気の空燃比がリッチ空燃比(A/F)R からリ
ーン空燃比(A/F)L に変化したときに第2空燃比セ
ンサ18により検出される空燃比は、リッチ空燃比(A
/F)R から先ず理論空燃比に変化し、その後ΔTL
間だけ理論空燃比に維持された後にリーン空燃比(A/
F)L となる。
【0056】このように内燃機関に供給される混合気の
空燃比が切り換えられたときに第2の空燃比センサ18
により検出された空燃比がΔTR 時間またはΔTL 時間
の間理論空燃比に維持されるのは、触媒コンバータ11
のもつO2 ストレージ機能のためである。
【0057】すなわち、混合気の空燃比がリーンのとき
に触媒コンバータ11には排気ガス中に存在する過剰酸
素が吸着され、時刻t1 において混合気の空燃比がリッ
チ空燃比(A/F)R に変化して排気ガス中にCO,H
C等の未燃成分が含まれるようになると、触媒コンバー
タ11に吸着されていた酸素がこれらの未燃成分を酸化
するために消費される。
【0058】また、排気ガス中の未燃成分が、触媒コン
バータ11に吸着されている酸素により酸化されている
間、すなわち図6中にΔTR で示す期間は、第2空燃比
センサ18により検出される空燃比は理論空燃比に維持
され、触媒コンバータ11に吸着保持されていた酸素が
全て消費されると、もはや未燃成分の酸化作用は行われ
なくなるので第2空燃比センサ18により検出される空
燃比はリッチ空燃比(A/F)R となる。
【0059】次に、時刻t2 において混合気の燃費がリ
ーン空燃比(A/F)L に変化すると、触媒コンバータ
11による過剰酸素の吸着が開始される。酸素の吸着が
行われている間、すなわち図6中にΔTL で示す間、第
2空燃比センサ18により検出される空燃比は理論空燃
比に維持される。そして、触媒コンバータ11の吸着能
力が酸素で飽和すると、もはや酸素が触媒コンバータ1
1に吸着することがなく、第2空燃比センサ18により
検出される空燃比はリーン空燃比(A/F)Lとなる。
【0060】尚、酸素の吸着作用が行われている間は、
排気ガス中に酸素が触媒コンバータに奪われるため、排
気ガス中に含まれるNOX 等の酸化物が還元される。そ
して、触媒コンバータ11の吸着能力が飽和するのと同
時に、触媒コンバータ11の下流からはNOX 等の酸化
物が排出されることになる。
【0061】触媒コンバータ11が吸着保持し得る酸素
量には上限がある。そして、当然に吸着保持し得る酸素
量が多いほど酸化し得るCO,HC等の未燃成分の量及
び還元し得るNOX 等の酸化物の量が増大し、排気ガス
の浄化率が高くなる。ところが、触媒コンバータ11が
吸着し得る酸素量の上限、すなわち酸素吸着能力は経時
的に低下する傾向にあり、この低下と共に触媒コンバー
タ11の排気ガス浄化率が劣化する傾向にある。
【0062】このように、触媒コンバータ11の排気ガ
ス浄化率と酸素吸着能力との間には深い関連性があるた
め、触媒コンバータ11の酸素吸着能力を検出すること
ができれば、その検出値を基に触媒コンバータ11の排
気ガス浄化率の劣化度を検出できることになる。
【0063】ところで、内燃機関にリッチ空燃比(A/
F)R の混合気がG0 だけ供給されたとすると、不足空
気量は次式のように表すことができる。
【0064】 (理論空燃比−(A/F)R )・G0 ・・・(1) ここで、不足する空気量のうち酸素の占める割合をαと
すると不足する酸素量は次式のように表すことができ
る。
【0065】 α・(理論空燃比−(A/F)R )・G0 ・・・(2) そして、K=α・(A/F)R とすると、(2)式は以
下のようになる。
【0066】 K・(理論空燃比/(A/F)R −1)・G0 ・・・(3) ここで、図6中にΔTR で示す時間中に触媒コンバータ
11を流通した排気ガス量をG0 とすれば、このΔTR
の間に触媒コンバータ11から放出された酸素量は、上
記(3)式に示す不足酸素量と同一となるはずである。
つまり、触媒コンバータ11の酸素吸着能力は、結局上
記(3)式中G0 を、ΔTR 時間中に触媒コンバータ1
1を流通した排気ガス流量として算出することで検出で
きることになる。
【0067】ところで、本実施例においては上記図2に
示すように、吸入空気量を検出するためにエアフロメー
タ7を用いている。このエアフロメータ7は、単位時間
当たりに内燃機関に供給される吸入空気量Gaに比例し
た出力電圧を発生している。従って、エアフロメータ7
により検出された吸入空気量GaにΔTR を乗算すれ
ば、Ga・ΔTR はΔTR 時間中に内燃機関に供給され
た空気量、すなわち、ΔTR 時間中に触媒コンバータ1
1を流通した排気ガス流量を表すことになる。
【0068】従って、エアフロメータ7による検出値G
aを使用した場合、触媒コンバータ11に吸着保持し得
る酸素量は、次式のように表すことができる。
【0069】 K・(理論空燃比/(A/F)R −1)・Ga・ΔTR ・・・(4) ところで、上記したように触媒コンバータ11の酸素吸
着能力が酸素で飽和してなおリーンな排気ガスの流通が
続くと、排気ガス中に含まれているNOX 等の酸化物が
触媒コンバータ11で吸収仕切れずに大気中に放出され
る。また、触媒コンバータ11に吸着されていた酸素が
全て放出されてなおリッチな排気ガスの流通が続くと、
排気ガス中のCO,HC等の未燃成分が大気中に放出さ
れることになる。
【0070】つまり、良好な排気エミッションを確保す
るためには、上記のように排出される酸化物及び未燃成
分を最小限に抑制する必要がある。そこで、本実施例に
おいては、図6におけるリーン空燃比(A/F)L 状態
(時刻t1 以前の状態)を、燃料カット時に作りだすこ
ととした。
【0071】内燃機関における燃料カット、すなわち燃
料噴射弁12から内燃機関への燃料供給の停止は、車両
の走行中において内燃機関への燃料供給が不要であると
判断されたときに実行される。燃料供給が不要のときと
は、燃料供給が停止されても機関が停止することがな
く、かつ運転者に加速の意図がないときをいい、具体的
には、回転数センサ15による機関回転数が所定の回転
数以上で、スロットルバルブ9がアイドル位置であるこ
とを検出するアイドルスイッチ13がオンとなっている
ときが該当する。
【0072】つまり、燃料カットが働いている場合、内
燃機関には燃料を含まない空気のみが供給される。従っ
て、触媒コンバータ11を流通する排気ガスも燃料を含
まない、すなわちNOX 等の酸化物を含まない空気が流
通することになる。このため、本実施例によれば排気ガ
スの空燃比をリーン空燃比(A/F)L としている間に
触媒コンバータ11が酸素で飽和しても、その後にNO
X 等の酸化物が大気中に放出されることはない。
【0073】また、上記したように燃料カットが行われ
ている間は、スロットルバルブは必ずアイドリング位置
となる。従って、燃料カットの実行中にリッチ空燃比
(A/F)R 状態を作りだすこととすれば、この際に触
媒コンバータ11を流通する排気ガスの流量は、アイド
リング時における流量に対応した僅かな量となる。
【0074】このため、リッチ空燃比(A/F)R の排
気ガスが流通して触媒コンバータ11に吸着していた酸
素が消費され、排気ガス中の未燃成分が大気中に排出さ
れるようになっても、排気ガス流量が少ないため未燃成
分の排出量が少量に抑制される。
【0075】以下、本実施例の電子制御ユニット20に
おいて実行される処理について、図7、図8に示すフロ
ーチャートを参照して詳細に説明する。尚、本ルーチン
は所定時間Δt毎に起動される割り込みルーチンであ
る。
【0076】図7に示すように本ルーチンが起動する
と、先ずステップ101で燃料カットが実行中であるか
否かをみる。本実施例においては触媒劣化度の検出を上
記したように燃料カット時に行うからである。ここで燃
料カット実行中と判別した場合は触媒劣化度検出を行う
ためにステップ102に進み、燃料カットが開始されて
から所定時間T(sec) が経過したか否かをみる。尚、ス
テップ101は前記した燃料カット検出手段に相当す
る。
【0077】ステップ101において燃料カットが実行
中ではないと判別された場合は、上記したように排気エ
ミッション悪化のおそれがあるため触媒劣化度検出は行
わない。従って、この場合はステップ103へ進んで後
述のO2 ストレージ量O2stを“0”にリセットすると
共に触媒劣化度検出中を表すフラグflgを“0”と
し、続いてステップ104へ進み通常の燃料噴射制御を
実行する指令を出して処理を終了する。
【0078】ステップ102においてまだ時間T(sec)
が経過していないと判別された場合は、触媒コンバータ
11にまだ十分に酸素が吸着されていないと考えられる
ためそのまま今回の処理を終了する。そして、触媒コン
バータ11が飽和する程度に十分な酸素が吸着するとし
て予め設定された所定の時間T(sec) が経過したと判別
された場合はステップ105へ進む。
【0079】ステップ105では、触媒コンバータ11
に吸着された酸素を放出させるために、内燃機関に供給
する混合気を所定のリッチ空燃比(A/F)R とするた
めの燃料噴射量Fiの演算が行われる。尚、この燃料噴
射量Fiは、燃料カット時に内燃機関に供給される空気
の流量、すなわち触媒コンバータ11を流通する空気の
流量Gaをリッチ空燃比(A/F)R で除算することに
より求められる。尚、ステップ102,105は後述の
ステップ112と共に前記した空燃比切り換え手段を構
成する。
【0080】このようにして内燃機関に供給する混合気
をリッチ空燃比(A/F)R に切り換えたら、前記した
ガス量検出手段に相当するステップ106に進み第1及
び第2空燃比センサ16,18及びエアフロメータ7の
検出値Gaを読み込む。そして、それらの値をそれぞれ
触媒コンバータ11の上流及び下流に存在する排気ガス
の空燃比(A/F)in,(A/F)out 及び燃料カット
時に触媒コンバータ11を流通する排気ガス流量Gaと
して記憶する。
【0081】続いて図8に示すステップ107では、上
記ステップ106で読み込んだ(A/F)out が理論空
燃比付近であるかをみる。ここで、上記ステップ105
においてリッチ空燃比(A/F)R に切り換えられた混
合気が触媒コンバータ11を流通してその下流にまで到
達している場合、(A/F)out は触媒コンバータ11
から放出される酸素により理論空燃比付近に調整される
(図6中、期間ΔTRに相当)。
【0082】つまり、(A/F)out が理論空燃比付近
となるのは、内燃機関から排出される排気ガス中の不足
酸素量を触媒コンバータ11から放出される酸素が補っ
ているからである。従って、(A/F)out が理論空燃
比付近であると判別されている期間中に触媒コンバータ
11を流通した排気ガス量と、その排気ガス中における
不足酸素量とが検出できれば、その期間中に触媒コンバ
ータ11から放出された酸素量、すなわち上記の期間開
始時において酸素で飽和状態であった触媒コンバータ1
1に吸着していた酸素量を検出できることになる。
【0083】そこで、ステップ107において(A/
F)out が理論空燃比付近であると判別された場合は、
ステップ108に進みO2 ストレージ計測実行フラグf
lgをセットし(flg←1)、次いで前記したO2
トレージ算出手段に相当するステップ109において、
触媒コンバータ11から放出された酸素量O2st を次式
に基づいて演算して今回の処理を終了する。
【0084】O2st ←O2st +Ga・(理論空燃比/
(A/F)in−1)・Δt ここで、Ga・(理論空燃比/(A/F)in−1)・Δ
tは上記(4)式における(A/F)R に第1空燃比セ
ンサ16の検出値(A/F)inを代入し、またΔTR
本ルーチンの起動周期であるΔtを代入すると共に、簡
単のため定数Kを省略してなる式である。つまり、O2
ストレージ量O2st にはステップ109が実行される度
に、前回のルーチン実行時から今回のルーチン実行時ま
でに触媒コンバータ11を流通した排気ガス中の不足酸
素量が累積されることになる。
【0085】一方、上記ステップ107において、(A
/F)out が理論空燃比ではないと判別された場合はス
テップ110に進みO2 ストレージ計測実行フラグfl
gが“1”にセットされているか否かをみる。
【0086】上記ステップ108が実行済であれば、す
なわち触媒コンバータ11から酸素の放出が開始されて
いればflgはセットされているからステップ111に
進む。また、混合気がリッチ空燃比(A/F)R に切り
換えられた直後であって、まだ(A/F)out が理論空
燃比に達していないような場合にはflgは“0”のま
まであるからそのまま処理を終了して次回の起動に備え
る。
【0087】ステップ111では(A/F)out と(A
/F)R との比較を行い、両者がほぼ同等の値となって
いるか否かをみる。ここで両者の値がまだ同等でない場
合はまだ触媒コンバータ11から酸素が放出されている
ものと判断し、上記ステップ109へ進んでさらにO
2st の累積処理を続行して処理を終了する。
【0088】一方、ここで(A/F)out と(A/F)
R とが同等の値である場合は、触媒コンバータ11に吸
着されていた酸素がほとんど消費されたと判断し、ステ
ップ112へ進む。ステップ112ではリッチ空燃比
(A/F)R を達成するための燃料噴射を終了するた
め、燃料噴射量Fiを“0”とする。
【0089】そして、続くステップ113では、現時点
におけるO2 ストレージ量O2st を触媒コンバータ11
の酸素吸着能力として認識し、図9に示す触媒コンバー
タ11の酸素吸着能力と触媒劣化度との関係を表すテー
ブルをO2st で参照することにより触媒劣化度を検出す
る。尚、このステップ113は前記した劣化度検出手段
に相当する。
【0090】このように本実施例によれば、排気ガス流
量の少ない燃料カット時に触媒劣化度の検出を行うこと
に加えて、ステップ111において触媒コンバータ11
に吸着されていた酸素がほぼ消費されたと判断される
と、ステップ112において即座に燃料噴射が終了され
る。従って、触媒劣化度を検出する際に大気中に放出さ
れるHC,CO等の未燃成分が従来の装置に比べて画期
的に抑制される。
【0091】上記ステップで触媒劣化度の検出処理を終
了し、以下次回以降の本ルーチン起動時に備えてステッ
プ114においてO2st 及びflgを共に“0”にリセ
ットして今回の処理を終了する。
【0092】尚、上記実施例においては触媒コンバータ
11の上流に第1の空燃比センサ16を設け、その検出
値(A/F)inに基づいてO2 ストレージ量O2st を算
出する(上記ステップ109)構成としたが、混合気の
空燃比(A/F)R に基づいてその算出を行うこととし
て第1空燃比センサ16を省略する構成としてもよい。
【0093】また、上記実施例においては第2空燃比セ
ンサ18の検出値(A/F)out が理論空燃比に達した
時点をO2 ストレージ量O2st の計測開始時期としてい
るが(上記ステップ107)、これに限るものではな
く、上記ステップ105を実行して混合気の空燃比がリ
ッチ空燃比(A/F)R に切り替わったことを条件とし
て開始する構成としてもよい。
【0094】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、触媒劣化度
を検出する際のリーン空燃比状態を燃料カット時に発生
させているため、継続的に燃料リーンな排気ガスが排出
されても、その際にNOX 等の未燃成分が大気中に放出
されることはない。
【0095】また、燃料カット時であるため排気ガスの
流量が少なく、触媒下流の空燃比が燃料リッチとなると
即座に燃料噴射が終了することから、触媒の酸素吸着能
力を算出するために内燃機関に供給する混合気を燃料リ
ッチに切り換えた後に大気中に排出されるCO,HC等
の未燃成分の量が従来の装置に比べて画期的に低減す
る。
【0096】このように、本発明に係る触媒劣化度検出
装置は、触媒の酸素吸着能力に基づいて触媒劣化度を高
精度に検出することができると共に、触媒劣化度の検出
時においても常に良好な排気エミッションを確保できる
という特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る触媒劣化度検出装置の原理図であ
る。
【図2】本発明に係る触媒劣化度検出装置の一実施例の
構成を表す全体図である。
【図3】本実施例に用いる空燃比センサの出力特性を表
す図である。
【図4】本実施例における電子制御ユニットが実行する
空燃比フィードバック制御ルーチンのフローチャートで
ある。
【図5】空燃比フィードバック補正係数の変化を示すタ
イムチャートである。
【図6】本実施例における第1空燃比センサの検出値及
び第2空燃比センサの検出値の変化を示す図である。
【図7】本実施例において触媒の劣化を検出するために
電子制御ユニットが実行する処理のフローチャート(そ
の1)である。
【図8】本実施例において触媒の劣化を検出するために
電子制御ユニットが実行する処理のフローチャート(そ
の2)である。
【図9】触媒の酸素吸着能力と触媒劣化度との関係を表
すテーブルである。
【符号の説明】
M1 燃料カット検出手段 M2 空燃比切り換え手段 M3 ガス量検出手段 M4 O2 ストレージ算出手段 M5 劣化度検出手段 1 内燃機関 6 吸気ダクト 7 エアフロメータ 9 スロットルバルブ 11 触媒コンバータ 12 燃料噴射弁 13 アイドルスイッチ 16 第1の空燃比センサ 17 排気通路 18 第2の空燃比センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気ガス通路中に設けられた
    触媒コンバータに供給される排気ガスを、理論空燃比に
    対して燃料リーンから燃料リッチに切り換え、この切り
    換えが行われてから前記触媒コンバータの下流に配設し
    た空燃比センサの出力信号が燃料リッチを表す信号とな
    るまでの期間中に前記触媒コンバータを流通した排気ガ
    スの総量と、前記期間中前記触媒コンバータに供給され
    た排気ガスの空燃比とに基づいて前記期間中に前記触媒
    コンバータから排気ガス中に放出された酸素量を算出
    し、該酸素量を前記触媒コンバータの酸素吸着能力と認
    識して、該酸素吸着能力に基づいて前記触媒コンバータ
    の劣化度を検出する触媒劣化度検出装置において、 前記内燃機関への燃料供給が所定の運転状況の下に停止
    された場合に、その燃料供給の停止を検出する燃料カッ
    ト検出手段と、 該燃料カット検出手段が所定時間継続して燃料供給の停
    止を検出した場合、前記内燃機関に供給する混合気を所
    定の期間理論空燃比に対してリッチ側に設定された所定
    の空燃比に切り換える空燃比切り換え手段とを有するこ
    とを特徴とする触媒劣化度検出装置。
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