JPH06158748A - 吸音材 - Google Patents

吸音材

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Publication number
JPH06158748A
JPH06158748A JP4315438A JP31543892A JPH06158748A JP H06158748 A JPH06158748 A JP H06158748A JP 4315438 A JP4315438 A JP 4315438A JP 31543892 A JP31543892 A JP 31543892A JP H06158748 A JPH06158748 A JP H06158748A
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JP
Japan
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powder
sound absorbing
sound
absorbing material
filled
Prior art date
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Pending
Application number
JP4315438A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Ando
秀行 安藤
Yuzo Okudaira
有三 奥平
Yoshitaka Kurihara
善隆 栗原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた吸音性能を有し、使用中に粉体の移動
が起こり難くて吸音性能が安定しており、設置場所に合
わせて切断して分割使用することができ、吸音特性を調
整することができることに加えて、製造過程において粉
体層の厚みの制御が容易であり、しかも施工の簡便な吸
音材を提供する。 【構成】 枠体3の両側の開口面が音響的に透明なシー
ト4で閉塞されて一体になっている薄い箱状体に自身の
振動により吸音性能を発現する粉体5が充填されてなる
粉体充填パネル1と、繊維シート層2とが交互に積層さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、リスニングルームや
楽器練習室等のように室内の音響特性が問題となる部屋
で室内残響特性、反射特性等を制御するための仕上げ用
の内装材として、また、空調ダクトの内貼りや、騒音を
発生する機械・機器の防音カバーの内貼り等として用い
られる吸音材に関する。
【0002】
【従来の技術】リスニングルームや楽器練習室等の比較
的容積の小さな空間においては、特定の周波数の音が強
調され「ボンボン」と響く所謂ブーミング現象が起こる
という問題がある。ステレオ装置や楽器から発生する音
の波長と部屋の大きさとの関係により、部屋が音に共振
して生ずる現象である。
【0003】すなわち、リスニングルームや楽器練習室
等において、発生する20〜20kHzの可聴領域の音の
波長(つまり、17m〜1.7cmの波長)の中でも特
に低周波域(500Hz以下程度)の音の波長が、部屋の
一辺の長さと同程度となることに起因して生じるもので
ある。コンサートホールのような室内空間が大きい場合
は、部屋の一辺の長さが低周波域の音の波長よりも大き
いために問題になってこないが、部屋の一辺の長さが低
周波域の音の波長程度のリスニングルームや楽器練習室
の場合には、「音がこもっている」、「音がすっきりし
ない」といった不評を招くことになるのである。
【0004】上記ブーミング現象を解消するためには、
部屋の壁面において低周波域の音を十分に吸収すればよ
い。従来、片面側が開いている薄い平箱にグラスウール
が詰められ、平箱の開いた面がスピーカクロスで閉塞さ
れている吸音材を壁面に取り付けたりしている。しかし
ながら、多孔質のグラスウールなどの多孔質材を用いた
従来の吸音材は、ブーミング現象の対策用として今ひと
つ有効でない。グラスウールは、高周波域では十分な吸
音率を有するが、周波数が下がるにつれ吸音率は低くな
ってゆき、低周波域では十分な吸音率がないからであ
る。グラスウールの厚みを増せば低周波域の吸音率は高
くなるが、低周波域でも十分な吸音率となる程に厚みを
増すと、吸音材が非常に嵩高になってしまい、部屋が狭
くなるため、厚みを増して低周波域の吸音率を上げると
いう方策は実際的でない。
【0005】また、ダクト内を伝搬する騒音に関して
は、低音域の音波は波長が長くて距離減衰量が僅かであ
るため、通常、多孔質材などの吸音材をダクトの内側に
貼りつけることで消音する方法がとられている。しか
し、この場合も、低周波域では十分な吸音率がないから
対応策としては今ひとつ有効ではない。一方、薄くても
低周波域での優れた吸音作用を有するものとしては、シ
リカ粉体などからなる粉体層がある。粉体層に音が入射
すると粒子が振動し吸音作用が発現するのである。
【0006】粉体を素材として用いる吸音材は、粉体の
流動性のために実際にリスニングルームの内装材やダク
トのライニング材として使用する場合は、例えば、片面
側が開いている箱の中に粉体を充填し音波透過性のよい
フィルムで開口面を閉塞したものを使用する。しかしな
がら、このような吸音材は、使用形態によっては、使用
中に箱の内部に最初は均一に充填されていた粉体が徐々
に移動して偏ってしまい吸音性能が変化するという問題
がある。それに、設置場所に合わせて切断し分割して使
うということが簡単に出来ない。
【0007】また、グラスウールなどの非常に目の粗い
多孔質材の空隙に粉体を保持させた吸音材の場合には、
設置場所の大きさに合わせて切断することは簡単に出来
るようになるが、全ての空隙に十分に粉体が充填されて
いるわけではないため、やはり、使用中に多孔質材中に
全体に均一に分散していた粉体が徐々に移動して偏って
しまい吸音性能が変化してしまうという問題は解消され
ない。
【0008】上記のような問題を解消するため、発明者
らは、最近になって、粉体層と、不織布等の繊維シート
層とが交互に積層されてなる吸音材を開発した。この吸
音材は、従来は1つの層であった粉体層が、繊維シート
層により厚み方向に複数の薄い粉体層に分割された形と
なっているとともに、これらの薄い粉体層は上下でなじ
みのよい繊維シート層で挟持された形となっているた
め、粉体の移動が起こり難く吸音性能が安定している。
繊維シート層と粉体層との積層体を切断した際も粉体は
こぼれ難いため、設置場所の大きさに合わせて切断し分
割使用することが簡単に出来る。この吸音材は、薄くて
も低周波域の吸音特性が良い粉体層を備えているととも
に、この粉体層が繊維シート層と交互に積層されている
ことにより、低周波数域においてより広い範囲で充分な
吸音率を有する。また、この吸音材は、粉体層と繊維シ
ート層の各層数、吸音材全体に対する粉体の体積割合等
を変えることにより吸音特性を調整することが可能であ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した、
粉体層と繊維シート層とが交互に積層されてなる従来の
吸音材には、次のような問題があった。この吸音材の製
造は、たとえば、図5にみるように、片面側が開いてい
る箱体10の中に、直接、粉体5と、複数枚の繊維シー
トからなる繊維シート層2とをそれぞれ所定の厚みにな
るように交互に積層する方法、あるいは、図6にみるよ
うに、繊維シート2を巻きつけた軸体11から繊維シー
ト2を送り、この繊維シート2上に粉体5を所定の厚み
になるように載せ、それをカッター13で所定の寸法に
切断した後、得られた粉体層5と繊維シート2との積層
体14を箱体10の中に入れて積層していく方法等によ
り行われる。しかし、いずれの方法でも、粉体層1の厚
みを均一に制御することは困難であった。
【0010】この発明は、上記事情に鑑み、優れた吸音
性能を有し、使用中に粉体の移動が起こり難くて吸音性
能が安定しており、設置場所に合わせて切断して分割使
用することができ、吸音特性を調整することができるこ
とに加えて、製造過程において粉体層の厚みの制御が容
易であり、しかも施工の簡便な吸音材を提供することを
課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、この発明にかかる吸音材は、枠体の両側の開口面が
音響的に透明なシートで閉塞されて一体になっている薄
い箱状体に自身の振動により吸音性能を発現する粉体が
充填されてなる粉体充填パネルと、繊維シート層とが交
互に積層されてなるものである。
【0012】この発明で用いられる粉体充填パネルは、
枠体の両側の開口面が音響的に透明なシートで閉塞され
て一体になっている薄い箱状体に、粒子自身の振動によ
り吸音性能を発現する粉体が充填されているものであ
る。この粉体充填パネルを構成する薄い箱状体に用いら
れる枠体としては、特に限定はされないが、たとえば、
木材、石膏ボード、ケイカル板、木毛セメント板、木片
セメント板等を用いた構成であって、横:約300〜約
900mm、縦:約1800mm〜約2400mm程度のもの
が挙げられる。
【0013】枠体の両側の開口面は、粉体充填パネルか
ら粉体がこぼれ出ないようにするために、シートで閉塞
される。このシートは、音響的に透明なものである必要
がある。このシート表面が粉体充填パネルの吸音面であ
るから、音がこのシート表面で反射せずにパネル内の充
填粉体層に入り粉体に吸収されるようにするためであ
る。この発明で用いられる音響的に透明なシートは、通
常、20Hz〜4kHz の周波数域で0.8以上の透過率を
有するものである。このようなシートとしては、特に限
定はされないが、通気性のあるシート状材料、たとえ
ば、編物、織物(サランクロス、ガラスクロス等)、不
織布等が挙げられる。ただし、これらの通気性のあるシ
ート状材料は、粉体がシートの中に容易に入り込んだ
り、粉体がシートを簡単に通り抜けたりすることがない
ようにするために、粉体の粒子径より小さな目開きを持
つものが要求される。その他の音響的に透明なシートと
しては、たとえば、厚さが概ね0.05mm以下の樹脂シ
ート(ポリエチレンシート、ビニルシート等)を使用す
ることができる。
【0014】自身の振動により吸音性能を発現する粉体
は、前記箱状体に充填され、パネル化されて用いられ
る。この粉体は、粒状体からなる粉体と繊維体からなる
粉体の混合粉体で形成されていたり、あるいは、特定の
周波数以上の周波数領域で略一定の吸音率を有すること
の出来るような粉体で形成されていたりすることは、吸
音材の有用性を増すため、好ましいが、これに限定され
ない。
【0015】使用される粉体としては、例えば、通常、
粒径が0.1〜1000μm程度でかさ密度が約1.0
g/cm3 程度以下のものであり、金マイカ粉体、シリ
カ粉体、アクリル超微粉体、タルク粉体、ケイ酸カルシ
ウム粉体、バーミキュライト粉体などの粉体が挙げられ
る。より具体的には、例えば、平均粒径40μm、かさ
密度0.37g/cm3 の金マイカ粉体、平均粒径1.
7〜7.5μm、かさ密度0.06〜0.14g/cm
3 の湿式シリカ粉体、平均粒径23〜28μm、かさ密
度0.84〜0.92g/cm3 の球状シリカ粉体、平
均粒径1〜2μm、かさ密度0.30g/cm3 のアク
リル微粉体、平均粒径1.5〜3.2μm、かさ密度
0.25g/cm3 のタルク粉体、平均粒径20〜30
μm、かさ密度0.08g/cm3 のケイ酸カルシウム
粉体等が挙げられる。
【0016】粒状体からなる粉体と繊維体からなる粉体
が混合されてなる混合粉体としては、具体的には、以下
のようなものがある。粒状体からなる粉体として「平均
粒径150μmのシリカ粉体」を用い、繊維体からなる
粉体として「炭化ケイ素ウィスカ(微小繊維体)の集合
体(集合体の平均粒径が50μm前後)」を用い、両者
を体積比率1:1で混合した混合粉体が1例として挙げ
られる。なお、前記の粒状体としては、球状に限らず、
板(鱗片)状、角状、塊状など繊維状以外の様々な形状
のものが挙げられる。この粒状体からなる粉体は、微小
粒状体の集合体であってもよい。
【0017】また、特定の周波数以上の周波数領域で略
一定の吸音率を有する粉体としては、平均粒径200〜
400μm、かさ密度0.19g/cm3 程度のバーミ
キュライト粉体が挙げられるが、この他、シリカ粉体、
タルク粉体、金マイカ粉体、軟質炭酸カルシウム粉体、
フェライト仮焼品等であって、かさ密度0.1〜3.0
g/cm3 (通常、0.1〜1.0g/cm3 )程度の
粉体が挙げられる。より具体的には、以下の通りであ
る。 A:一次平均粒径7.5μm、凝集粒径150〜600
μm(好ましくは400〜500μm)、かさ密度0.
12〜0.17g/cm3 の湿式シリカ粉体。 B:平均粒径1〜3μm、かさ密度0.23〜0.28
g/cm3 のタルク粉体。 C:平均粒径650μm、かさ密度0.49〜0.56
g/cm3 の金マイカ粉体。 D:アマニ油を10〜150部付着させた平均粒径3〜
7.5μm、かさ密度0.12〜0.42g/cm3
湿式シリカ粉体。 E:アクリル樹脂20部を付着させたタルクであって平
均粒径9.4μm、かさ密度0.51g/cm3 のタル
ク粉体。 F:粒径分布が1〜2μmの範囲であって、かさ密度
0.42g/cm3 程度の軟質炭酸カルシウム粉体。 G:粒径分布が1.3〜1.5μmの範囲であって、か
さ密度1.00g/cm 3 程度のフェライト仮焼粉末の
粉体。 H:粒径分布が180〜500μmの範囲であって、か
さ密度0.47g/cm 3 程度のナイロンパウダー(粉
体)の粉体。
【0018】粉体が特定の周波数fs以上の周波数域で
略一定の吸音率を有するものである場合、吸音材は、吸
音性能が以下のようであることが望ましい。周波数fs
〜2000Hzの周波数範囲における吸音率変動幅は、
0.2以内(より好ましくは0.1以内)であって、吸
音率レベルは、通常、0.35以上(好ましくは0.4
以上、より好ましくは0.45以上)である。ここで、
上記周波数fsは「fs=0.25E1/2 ÷ρ1/2 」な
る式に従う。この式中、Eは粉体のヤング率、ρは粉体
におけるかさ密度である。また、ここで言う吸音率は、
JIS A 1405「管内法による建築材料の垂直入射吸音率測
定方法」に準じて計測する垂直入射吸音率であり、吸音
材厚み30mm相当で測ったときのものである。吸音率
の算出は定在波比で行う。
【0019】粉体充填パネルの厚みは、普通、1つのパ
ネルの厚みが0.5〜5mmの範囲であり、好ましくは
3mm程度以下である。勿論、各粉体充填パネルは全て
同じ厚みである必要はない。粉体充填パネル内の充填粉
体層は、パネルの枠体の開口面に対し垂直方向に立つ仕
切材により上記開口面の面方向(開口面と平行な方向)
に分割されていてもよい。このようにして充填粉体層が
分割されている場合、枠体の開口面に対して平行な方向
への粉体の移動が抑えられるため、吸音材の吸音特性の
経時変化をさらに抑えることができる。仕切材は、パネ
ルの縦方向または横方向の一方の方向だけに走っていて
もよいし、それらの両方向に走り、格子を形成していて
もよい。
【0020】粉体充填パネルに対し、それと交互に積層
される各繊維シート層は、全て同じ厚みである必要はな
い。繊維シート層を構成するシート材料(素材シート)
としては、特に限定されるわけではないが、たとえば、
不織布、編み物、織物などが用いられる。各繊維シート
層は、1枚のみの素材シートからなるものであってもよ
いし、複数枚の素材シートを重ね合わせたものであって
もよい。
【0021】繊維シートを用いるのは音が通り易いとい
うこともある。例えば、樹脂シートの場合だと音が通り
難く吸音材に適さない。吸音は充填粉体層で行われるか
ら、シート自体は音を反射せずに粉体層に伝えるもので
ある必要があるのである。この発明の吸音材では、繊維
シート層と粉体充填パネルとが交互に積まれているが、
粉体充填パネルの層数は、例えば、5〜25層程度であ
る。粉体充填パネルの層数が少なすぎるとパネル1層当
たりの厚みが厚くなって粉体の移動を止め難くなり、粉
体充填パネルの層数が多すぎるとパネル1層当たりの厚
みが薄くなり粉体の吸音特性が十分でなくなる。
【0022】この発明の吸音材全体の厚みは、特に限定
はされないが、たとえば、10〜50mm程度の範囲、
普通、30mm前後である。
【0023】
【作用】枠体の両側の開口面が音響的に透明なシートで
閉塞されて一体になっている薄い箱状体に吸音性能を発
現する粉体が充填されてなる粉体充填パネルと、繊維シ
ート層とを交互に積層することにより吸音材を構成する
と、粉体層をパネル化するため、粉体層の厚みを均一に
することが容易になるとともに、粉体層がパネル内に充
填された形で使用されるため、粉体層と繊維シート層と
をそれぞれ単独で扱うことが可能になるので、施工も容
易になる。
【0024】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。
この発明は下記の実施例に限定されない。 −実施例1− 図1は、この発明の吸音材の実施例1を表す。図にみる
ように、この吸音材は、粉体充填パネル1と繊維シート
層2とが交互に積層された構造を有し、その全厚は約3
0mmである。各粉体充填パネル1は、厚さ2mmのアクリ
ル製枠体3の上下の開口面が平均繊維径約15μm、厚
さ約400μmの不織布4で閉塞されて一体になってい
る厚さ2.8mmの箱状体に平均粒径93μmのバーミキ
ュライト粉体5が充填されてなるものである。各繊維シ
ート層2は、平均繊維径約15μm、厚さ約400μm
の不織布を7枚重ね合わせて層厚2.8mmとしたもので
ある。粉体充填パネル1の合計層数は6、繊維シート層
2の合計層数は5である。このような構成を持つ吸音材
における粉体5の占める体積割合は約40%である。
【0025】実施例1の吸音材の吸音特性を調べ、その
結果を図3に示した。この図にみるように、実施例1の
吸音材は、約220Hz以上で平坦な吸音特性を持つこと
が確認された。 −実施例2− 図2は、この発明の吸音材の実施例2を表す。図にみる
ように、この吸音材は、粉体充填パネル1と繊維シート
層2とが交互に積層された構造を有し、その全厚は約3
0mmである。各粉体充填パネル1は、厚さ2mmのアクリ
ル製枠体3の上下の開口面が平均繊維径約15μm、厚
さ約400μmの不織布4で閉塞されて一体になってい
る厚さ2.8mmの箱状体に平均粒径93μmのバーミキ
ュライト粉体5が充填されてなるものである。各繊維シ
ート層2は、平均繊維径約15μm、厚さ約400μm
の不織布を7枚重ね合わせて層厚2.8mmとしたもので
ある。粉体充填パネル1の合計層数は6、繊維シート層
2の合計層数は5である。ここまでは、実施例1と同様
の構成である。実施例2の吸音材では、粉体充填パネル
1内の粉体5が格子状の仕切り材6によりパネル面方向
に分割されていて、パネル面方向への粉体5の移動を抑
えることができるようになっている。
【0026】−実施例3− 実施例3の吸音材は、図示は省略するが、合計9層の粉
体充填パネルの各層の間に繊維シート層が挿入された構
造を有する(繊維シート層の合計層数は8)。各粉体充
填パネルは、厚さ2mmのアクリル製枠体の上下の開口面
が平均繊維径約15μm、厚さ約400μmの不織布で
閉塞されて一体になっている厚さ2.8mmの箱状体に平
均粒径93μmのバーミキュライト粉体が充填されてな
るものである。各繊維シート層は、平均繊維径約15μ
m、厚さ約400μmの不織布を2枚重ね合わせて層厚
0.8mmとしたものである。このような構成を持つ吸音
材における粉体の占める体積割合は約60%である。
【0027】実施例3の吸音材の吸音特性を調べ、その
結果を図4に示した。この図にみるように、実施例3の
吸音材は、約270Hzを中心とした山形の吸音特性を持
つことが確認された。
【0028】
【発明の効果】この発明にかかる吸音材は、優れた吸音
性能を有し、使用中に粉体の移動が起こり難くて吸音性
能が安定しており、設置場所に合わせて切断して分割使
用することができ、吸音特性を調整することができるこ
とに加えて、製造過程において粉体層の厚みの制御が容
易であり、しかも施工が簡便である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の吸音材の実施例1を表す一部切り欠
き斜視図である。
【図2】この発明の吸音材の実施例2を表す一部切り欠
き斜視図である。
【図3】実施例1の吸音材の吸音特性を表すグラフであ
る。
【図4】実施例3の吸音材の吸音特性を表すグラフであ
る。
【図5】従来の吸音材の製造方法の概略説明図である。
【図6】従来の吸音材の製造方法の概略説明図である。
【符号の説明】
1 粉体充填パネル 2 繊維シート層 3 枠体 4 音響的に透明なシート 5 粉体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】さらに、リスニングルームや楽器練習室
は、低音域から中高音域まで周波数的に平坦な残響特性
が要求されるため、それらの部屋に使用される内装仕上
げ材の吸音特性として、平坦な吸音特性を持つ必要があ
る。また、ダクト内を伝搬する騒音に関しては、低音域
の音波は波長が長くて距離減衰量が僅かであるため、通
常、多孔質材などの吸音材をダクトの内側に貼りつける
ことで消音する方法がとられている。しかし、ダクト等
のように500Hz以下の低音域で騒音ピークを有する
箇所に吸音材を用いる場合には、一般に、低音域の騒音
ピークに合わせた吸音特性を持つ吸音材が必要であるの
に対し、前述の多孔質材などの吸音材は、低周波域では
十分な吸音率がないから対応策としては今ひとつ有効
ではない。一方、薄くても低周波域での優れた吸音作用
を有するものとしては、シリカ粉体などからなる粉体層
がある。粉体層に音が入射すると粒子が振動し吸音作用
が発現するのである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】また、特定の周波数以上の周波数領域で略
一定の吸音率を有する粉体としては、平均粒径200〜
400μm、かさ密度0.19g/cm程度のバーミ
キュライト粉体が挙げられるが、この他、シリカ粉体、
タルク粉体、金マイカ粉体、質炭酸カルシウム粉体、
フェライト仮焼品等であって、かさ密度0.1〜3.0
g/cm(通常、0.1〜1.0g/cm)程度の
粉体が挙げられる。より具体的には、以下の通りであ
る。 A:一次平均粒径7.5μm、凝集粒径150〜600
μm(好ましくは400〜500μm)、かさ密度0.
12〜0.17g/cmの湿式シリカ粉体。 B:平均粒径1〜3μm、かさ密度0.23〜0.28
g/cmのタルク粉体。 C:平均粒径650μm、かさ密度0.49〜0.56
g/cmの金マイカ粉体。 D:アマニ油を10〜150部付着させた平均粒径3〜
7.5μm、かさ密度0.12〜0.42g/cm
湿式シリカ粉体。 E:アクリル樹脂20部を付着させたタルクであって平
均粒径9.4μm、かさ密度0.51g/cmのタル
ク粉体。 F:粒径分布が1〜2μmの範囲であって、かさ密度
0.42g/cm程度の質炭酸カルシウム粉体。 G:粒径分布が1.3〜1.5μmの範囲であって、か
さ密度1.00g/cm程度のフェライト仮焼粉末の
粉体。 H:粒径分布が180〜500μmの範囲であって、か
さ密度0.47g/cm程度のナイロンパウダー(粉
体)の粉体。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】粉体が特定の周波数fs以上の周波数域で
略一定の吸音率を有するものである場合、吸音材は、吸
音性能が以下のようであることが望ましい。周波数fs
〜2000Hzの周波数範囲における吸音率変動幅は、
0.2以内(より好ましくは0.1以内)であって、吸
音率レベルは、通常、0.35以上(好ましくは0.4
以上、より好ましくは0.45以上)である。ここで、
上記周波数fsは「fs=0.25÷t×1/2÷ρ
1/2」なる式に従う。この式中、tは粉体層厚、Eは
粉体のヤング率、ρは粉体におけるかさ密度である。ま
た、ここで言う吸音率は、JIS A 1405「管内
法による建築材料の垂直入射吸音率測定方法」に準じて
計測する垂直入射吸音率であり、吸音材厚み30mm相
当で測ったときのものである。吸音率の算出は定在波比
で行う。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 枠体の両側の開口面が音響的に透明なシ
    ートで閉塞されて一体になっている薄い箱状体に自身の
    振動により吸音性能を発現する粉体が充填されてなる粉
    体充填パネルと、繊維シート層とが交互に積層されてな
    る吸音材。
JP4315438A 1992-11-25 1992-11-25 吸音材 Pending JPH06158748A (ja)

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