JPH06158604A - 電磁誘導加熱式融雪器 - Google Patents

電磁誘導加熱式融雪器

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JPH06158604A
JPH06158604A JP4317657A JP31765792A JPH06158604A JP H06158604 A JPH06158604 A JP H06158604A JP 4317657 A JP4317657 A JP 4317657A JP 31765792 A JP31765792 A JP 31765792A JP H06158604 A JPH06158604 A JP H06158604A
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宏治 粟谷
Hirotsune Kimura
裕恒 木村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単,安価な構造として現場での取付作業を
容易にし、耐振性・耐候性を向上させる。 【構成】 基本レール1(またはトングレール2)の側
面にケーブル貫通穴9を形成し、ここに導電ケーブル8
を必要回数巻回して高周波電源6から電流を供給し電磁
誘導方式で加熱することにより、簡単な構造として取付
作業を容易にし、耐振性・耐候性の向上を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両用レールポイン
ト部が着氷雪により凍結し、ポイントの切り換えが不能
になるのを防止すべく、高周波電源から給電されてレー
ルを誘導加熱するための電磁誘導加熱式融雪器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図4に鉄道用レールポイント部を示す。
すなわち、レールポイント部は例えば基本レール1(1
R(右),1L(左))、これに並設されるトングレー
ル2(2R,2L)、座金3および床板4などより構成
される。このように構成されるレールポイント部は、着
氷雪によるポイント不転換を防止するために各種の加熱
方式が採用されており、中でも、ヒータを利用する電気
融雪器が主流を占めている。これらのヒータとしては床
板取付用または基本レール取付用などが使用されている
が、いずれもヒータの発熱を床板またはレールに伝達す
ることにより、凍結を防止するものである。しかし、ヒ
ータの発生熱量のうちレールに伝わらずに外部へ拡散す
る熱量がかなりあるため、その機能が充分に発揮されて
いるとは言えない状況にある。すなわち、加熱効率が悪
いだけでなく、電気料金も嵩むというわけである。
【0003】このような理由から、ヒータ方式とは別の
加熱原理にもとづく電磁誘導加熱方式による融雪器(電
磁誘導加熱式融雪器)も既に提案されている。図5,図
6に従来の電磁誘導加熱式融雪器の概要を示す。図5は
全体図、図6はその部分拡大図である。なお、これらの
図において、1は基本レール、4は床板、5は加熱コイ
ル、6は高周波電源、7はリード線である。すなわち、
基本レール1の外側側面に加熱コイル5を配置し(図5
の上側レールに配置される加熱コイル5は、レールの外
側のため点線で示されている)、これに高周波電源6か
ら高周波電流を通流することにより、図7のように磁力
線Bを発生させ、その結果レール1の内部に流れる渦電
流ECにより、レール1が自己発熱するものである。こ
の方式は、原理的にレール本体が自己発熱し、高周波電
源および加熱コイルの内部発熱以外に損失が発生しない
ため加熱効率が極めて良いこと、かつその省電力効果に
ついても実際に確認されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加熱コ
イルには耐熱性,耐候性,耐久性および耐振性などの点
で厳しい要求があり、また、専用の誘導加熱用高周波電
源も必要となり、全体としてコスト高になるという問題
もあることから実用化には到っておらず、加熱効率は悪
いがヒータを利用した比較的安価な電気融雪器が広く使
用されているのが現状である。すなわち、電磁誘導加熱
式融雪器によれば、レール本体が直接自己発熱するた
め、加熱効率が良いことは確認されているが、加熱コイ
ルは通常耐候性のあるモールドケースに収納されたもの
として製作されたものを、図5または図6に示すように
複数個レール側面部に取り付けて使用することになる。
そのため、レールの振動などに対しても支障がない程度
に耐振性に優れ、かつ機械的にも信頼性が高く、しかも
耐候性に優れていながら安価な加熱コイルとしなければ
ならない。また、現地でコイルを取り付ける時に、レー
ルの長さが変わっても簡単かつ単純な作業で取り付けが
できるようにする必要があるが、複数個のコイルを取り
付ける場合は、レール長さが異なるなどの条件が変わる
と、標準作業として処理し難いなどの問題も生じる。し
たがって、この発明の課題は加熱コイルを機械的な信頼
性が高くかつ耐候性のあるものとし、しかも安価な構造
で現場での取付作業も容易な電磁誘導加熱式融雪器を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、第1の発明では、車両用レールポイント部の基本レ
ール側面に穴を明け、この穴を介して少なくとも1巻き
の導電ケーブルを巻き付けて加熱コイルを形成し、これ
に高周波電源から電源を供給して電磁誘導加熱すること
により、ポイント部周辺の着氷雪を融解することを特徴
としている。また、第2の発明では、車両用レールポイ
ント部のトングレール側面に穴を明け、この穴を介して
少なくとも1巻きの導電ケーブルを巻き付けて加熱コイ
ルを形成し、これに高周波電源から電源を供給して電磁
誘導加熱することにより、ポイント部周辺の着氷雪を融
解することを特徴としている。第1,第2の発明では、
前記加熱コイルの外側に金属製カバーを設けることによ
り、加熱コイルの機械的な保護、発生電波ノイズの抑制
さらには漏洩磁束の低減と加熱効率の向上を図ることが
でき、また、前記高周波電源の周波数を、通過する列車
の通信回線への影響、自動列車停止装置への影響、また
は踏み切り制御子への影響が起こり難い周波数に選定す
ることができる。
【0006】
【作用】基本レールまたはトングレールの側面に穴を明
けてここに導電ケーブルを巻き付け、これに高周波の電
流を流すことにより、構造が簡単で現場での取付作業も
容易な電磁誘導加熱式融雪器を提供する。
【0007】
【実施例】図1,図2はこの発明の実施例を示す概要図
で、図1は全体図、図2は部分拡大図である。すなわ
ち、基本レール1の側面にケーブル貫通穴9を形成し、
ここに導電ケーブル8を必要回数巻回(図1,図2とも
2回巻回した例を示す)して加熱コイルとしたものであ
る。その巻数は、高周波電源6の動作周波数およびイン
ピーダンスマッチングとの関係から適宜に決定する。ま
た、7は導電ケーブル8と高周波電源6との間を接続す
るためのリード線であり、材料は導電ケーブル8と同じ
ものでも異なるものでも良いが、高周波電流を通電する
関係からそのインダクタンスが適正となるように選定し
ておくことが望ましい。なお、リード線7としてはこれ
に柔軟性を持たせることにより、導電ケーブル8のレー
ル1への固定を確実にすることができる。また、図1に
示すリード線7の長さL1や、図2に示すケーブル貫通
穴9のピッチL2、さらには導電ケーブル8の巻数など
を予め適宜に決めておくことにより、現場での作業を標
準化する場合に好都合となる。
【0008】図3はこの発明の変形例を示す断面図であ
る。同図より明らかなように、この例は導電ケーブル8
の外側に金属製のカバー10を取り付け、外部より加わ
る機械力からの保護を図るとともに、導電ケーブル8か
ら発生する電波ノイズを抑制するものである。つまり、
この金属製カバー10の働きにより磁束が外部に漏洩し
なくなるため、効率良くレール本体1および金属製カバ
ー10を加熱することが可能となる。なお、電波ノイズ
を完全に無くすことは困難なので、これが列車の通信回
線,ATS(自動列車停止装置)または踏切制御子等に
悪影響を与えないよう、高周波電源6の動作周波数を選
定するものとする。また、レールを必要以上に加熱する
ことのないように、あるいは気温,降雪状態,凍結状態
などにより任意にレール温度を設定し調節できるよう
に、レールに温度センサを設けるとともに、その検出値
を設定値に一致させるように制御するコントローラを設
けることにより、効率良く凍結防止を図ることができ
る。
【0009】また、ヒータまたは加熱コイルは一般に基
本レールに取り付けるようにしている。これは、トング
レールに取り付けるのは振動,衝撃などの関係から固定
を確実に行なうのが難しいからで、固定を確実にしない
と破損,ゆるみ,または脱落等のおそれがあるからであ
る。しかし、この実施例ではレールに穴を明けてケーブ
ルを巻き付けるものであるから、このようなトングレー
ルに取り付けても振動や衝撃の点で何ら問題はない。し
たがって、図1ないし図3に示す基本レール1に代え
て、トングレール2についても上記と同様に構成するこ
とができる。すなわち、図1ないし図3に関する説明を
そのままトングレールに関する実施例に置き換えること
が可能となる。
【0010】
【発明の効果】この発明によれば、基本またはトングレ
ールの側面に穴を明け、ここにケーブルを巻き付けるこ
とで、特別な加熱コイルを不要としたので、従来のヒー
タ式のそれに比べて高効率で省エネルギー、かつ従来の
同種のものに比べて耐久性,耐振性等に優れ、しかも取
り付け作業が簡単で安価な電磁誘導加熱式融雪器を提供
し得る利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す概要図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】この発明の変形例を示す断面図である。
【図4】レールポイント部の一般的な例を示す概要図で
ある。
【図5】電磁誘導加熱式融雪器の従来例を示す概要図で
ある。
【図6】図5の部分拡大図である。
【図7】電磁誘導加熱方式の原理を説明するための原理
図である。
【符号の説明】
1,1R,1L…基本レール、2,2R,2L…トング
レール、3…座金、4…床板、5…ヒータ(加熱コイ
ル)、6…高周波電源、7…リード線、8…導電ケーブ
ル、9…ケーブル貫通穴、10…金属製カバー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 粟谷 宏治 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 木村 裕恒 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両用レールポイント部の基本レール側
    面に穴を明け、この穴を介して少なくとも1巻きの導電
    ケーブルを巻き付けて加熱コイルを形成し、これに高周
    波電源から電源を供給して電磁誘導加熱することによ
    り、ポイント部周辺の着氷雪を融解することを特徴とす
    る電磁誘導加熱式融雪器。
  2. 【請求項2】 車両用レールポイント部のトングレール
    側面に穴を明け、この穴を介して少なくとも1巻きの導
    電ケーブルを巻き付けて加熱コイルを形成し、これに高
    周波電源から電源を供給して電磁誘導加熱することによ
    り、ポイント部周辺の着氷雪を融解することを特徴とす
    る電磁誘導加熱式融雪器。
  3. 【請求項3】 前記加熱コイルの外側に金属製カバーを
    設けることにより、加熱コイルの機械的な保護,発生電
    波ノイズの抑制さらには漏洩磁束の低減と加熱効率の向
    上を図ることを特徴とする請求項1または2に記載の電
    磁誘導加熱式融雪器。
  4. 【請求項4】 前記高周波電源の周波数を、通過する列
    車の通信回線への影響、自動列車停止装置への影響、ま
    たは踏み切り制御子への影響が起こり難い周波数に選定
    することを特徴とする請求項1または2に記載の電磁誘
    導加熱式融雪器。
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