JPH06158311A - スパッタリング装置 - Google Patents

スパッタリング装置

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JPH06158311A
JPH06158311A JP31201992A JP31201992A JPH06158311A JP H06158311 A JPH06158311 A JP H06158311A JP 31201992 A JP31201992 A JP 31201992A JP 31201992 A JP31201992 A JP 31201992A JP H06158311 A JPH06158311 A JP H06158311A
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JP
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target
targets
substrate
magnet
sputtering apparatus
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JP31201992A
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Masahide Kubo
雅英 久保
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Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スパッタリング装置において、ターゲットの
局部的な削減をなくすことによりターゲット材料の利用
効率を高め、さらに基板上の成膜の膜厚分布を均一とす
る。 【構成】 スパッタリング装置を、基板B1〜B3を支
持し回転させる基板ホルダBH1〜BH3と、基板B1
〜B3と対向して配置される複数のターゲットT1〜T
3と、複数のターゲットT1〜T3に対して基板B1〜
B3と反対側の位置に設けられる複数の磁石M1〜M3
とによってマグネトロンスパッタリング装置を構成し、
複数のターゲットT1〜T3に対する複数の磁石M1〜
M3の配置位置をそれぞれ異ならせて、エロージョン領
域A1〜A3の均一化を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スパッタリング装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、基板上に薄膜を形成する装置とし
てスパッタリング装置が知られている。このスパッタリ
ング装置は、例えばアルゴンガス等の所定のガスを導入
した成膜室内において、基板とターゲットの間に電圧を
印加してグロー放電を起こし、そこで生じるアルゴンイ
オン等のガスイオンを陰極であるターゲットに衝突さ
せ、その衝突によりスパッタされて放出されたターゲッ
トの粒子を陽極である基板表面に堆積させることにより
薄膜を形成させるものである。
【0003】そして、このスパッタリング装置の一方式
としてマグネトロンスパッタリング装置がある。このマ
グネトロンスパッタリング装置は、基板の温度上昇が小
さく、また成膜の処理速度が速いという特徴を持つてい
る。以下、従来のマグネトロンスパッタリング装置につ
いて説明する。図7は、従来の円板型マグネトロンスパ
ッタリング装置の斜視図であり、図8は従来の角板型マ
グネトロンスパッタリング装置の斜視図であり、また図
9は従来のマグネトロンスパッタリング装置の断面構成
図である。
【0004】図7、図8及び図9において、Hは磁界、
Aはエロージョン領域、Eは電界、Mは磁石、Pは電子
の軌道、Tはターゲットである。一般に、放電空間にお
いて電界と直交する成分を持つ磁界を発生させると、そ
空間にある電子は電界と磁界に直交する方向にドリフト
運動を行う。そして、この磁界の分布を閉じたものとす
ると、このドリフト運動を行う電子の軌跡は一つの無終
端の閉じた経路を形成する。マグネトロンスパッタリン
グ装置は、ターゲットと磁石とからなるターゲット電極
の構造として、このようないわゆるマグネトロン放電を
利用するものであり、発生するプラズマをターゲットの
近傍に閉じ込め、スパッタ効率を高めて堆積のスループ
ットを向上させ、処理速度を高めるものである。
【0005】図7の円板型マグネトロンスパッタリング
装置は、円板状のターゲットTを成膜が行われる基板
(図示していない)に対向して配置し、さらに円筒状の
磁石MをターゲットTの基板に面している側と反対側に
配置している。そして、このターゲットTと磁石Mの構
成によってターゲット電極を構成している。この円筒状
の磁石Mは、ターゲットTの基板に面している側の面付
近に磁石Mの形状に沿った分布をとる磁界Hを発生さ
せ、この磁界HとターゲットTに印加される電位によっ
て発生する電界Eとの相互作用により閉じた環状の電子
の起動Pを形成する。前記のような電子の起動Pによ
り、プラズマはターゲットTの近傍に閉じ込められた状
態となり、その部分のターゲットTの電力密度を増大し
て、スパッタ効率を高めることができる。
【0006】また、図8の角板型マグネトロンスパッタ
リング装置は、図7に示す前記円板型マグネトロンスパ
ッタリング装置の円板状の形状を角板状としたものであ
り、角板状のターゲットTを基板(図示していない)に
対向して配置し、さらに角板状の磁石MをターゲットT
の基板に面している側と反対側に配置している。そし
て、このターゲットTと磁石Mの構成によってターゲッ
ト電極を構成している。
【0007】前記円板型マグネトロンスパッタリング装
置と同様に、この磁石MはターゲットTの基板と面して
いる側の面付近に磁石Mの形状に沿った分布をとる磁界
Hを発生させ、ターゲットTに印加される電位によって
発生する電界Eとの相互作用により電子の閉じた経路を
形成して、ターゲット近傍にプラズマを閉じ込め、その
部分のターゲットTの電力密度を増大してスパッタ効率
を高めている。
【0008】そして、図9において、例えば成膜室内の
ガスをアルゴンガスとしターゲットTをアルミニウムと
した場合には、印加した電圧によって基板Bとターゲッ
トTの間にグロー放電が発生し、そこで生じるアルゴン
イオンのガスイオンは陰極であるターゲットTに衝突す
る。この衝突によりターゲットTのアルミニウムはスパ
ッタされ、アルミニウムの粒子を陽極である基板Bの表
面に堆積させる。この堆積によって薄膜が形成される。
このとき、ターゲットTの裏面に配置された磁石Mによ
って、グロー放電の生じている空間のターゲットTの近
傍に磁界Hが発生する。この磁界Hと、基板Bとターゲ
ットTの間に印加した電圧により発生する電界によって
高密度のプラズマが作りだされる。
【0009】また、一般に大量の基板の成膜処理を行う
ためにターゲットに対して基板を回転させる構成がとら
れる。図10のカルーセル型のスパッタリング装置の斜
視図は、この構成を示すものである。図10に示すカル
ーセル型のスパッタリング装置は、回転ドラム型の基板
ホルダBHの外周に多数の基板Bを設けており、その基
板Bの面に対して間隔を開けて複数個のターゲットTを
配置し、この回転ドラム型の基板ホルダBHをターゲッ
トTに対して回転させることにより多数の基板Bの処理
を行うものである。
【0010】また、例えば薄膜ヘッドの製造に利用する
場合、半導体などに比べて厚い膜を要求されるため、成
膜の処理速度を向上させるために同材質のターゲットを
複数個配置して処理速度を高めるといった構成がとられ
る。図11の平行平板型のスパッタリング装置の斜視図
は、この構成を示すものである。図11に示す平行平板
型のスパッタリング装置は、基板Bを円板状の基板ホル
ダBHに設置し、この基板Bと間隔を開けて対向配置さ
れた複数の同材質のターゲットTによってスパッタリン
グを行うものである。そして、この基板ホルダBHを回
転させることによって基板BをターゲットTに対して回
転させ、処理速度を向上させることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
従来のマグネトロンスパッタリング装置においては、以
下の問題点を有している。 (1)ターゲットが局部的に削られるため、材料の利用
効率が悪い。 (2)一様な膜厚分布が得られない。
【0012】以下、前記問題点について説明する。はじ
めに、問題点の(1)について説明する。前記したよう
に、従来一般的に用いられるマグネトロンスパッタリン
グ装置においては、閉じた磁界によって電子をターゲッ
トの近傍にトラップし、気体を高密度にイオン化するこ
とによって成膜速度を高めているが、このことは、ター
ゲット上においてスパッタリングの頻度の高い部分と低
い部分を発生することになる。
【0013】図12の従来のスパッタリング装置のエロ
ージョン領域図において、基板ホルダBH1〜BH3上
に支持された基板B1〜B3に対して、ターゲットT1
〜T3と磁石M1〜M3により構成されるターゲット電
極によってスパッタリングが行われる。そして、ターゲ
ットT1と磁石M1、ターゲットT2と磁石M2、及び
ターゲットT3と磁石M3はそれぞれターゲットT1〜
T3に対する磁石M1〜M3の位置関係を変えない状態
で、基板B1〜基板B3に対して相対的に移動しながら
成膜処理が行われる。この状態を図12の矢印で示して
いる。このとき、磁石M1〜磁石M3のエロージョン領
域は、移動に際しても変化はなく同一の位置に形成され
ることになる。
【0014】つまり、このターゲット電極構造では処理
能力は高いもののターゲットは局部的に削られていくた
め、利用可能な部分が未だ残っているターゲットであっ
てもエロージョン領域は局部的に削られるため新たなタ
ーゲットの使用が必要となり、ターゲット材料の利用効
率を悪化させることになる。なお、エロージョン領域の
形状はターゲット裏側に設けられた磁石の配置によって
決まり局部的に形成されることになる。
【0015】次に、問題点の(2)について説明する。
例えば、図10において、基板ホルダBHを回転させな
がら成膜を行う場合、基板Bは基板ホルダBHの回転方
向(図10中において矢印aで示される方向)に対して
は均一な膜厚となるが、一方基板ホルダBHの回転方向
に垂直な方向(図10中において矢印bで示される方
向)に対しては不均一な膜厚となる。
【0016】したがって、基板B上の膜厚の分布は不均
一なものとなり一様な膜厚分布の成膜が困難となるとい
う問題点がある。本発明は、前記従来の問題点を解決し
て、スパッタリング装置において、ターゲットの局部的
な削減をなくすことによりターゲット材料の利用効率を
高め、さらに基板上の成膜の膜厚分布を均一とすること
を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の問題点
を克服するために、スパッタリング装置を、基板を回転
させる移動手段と、基板と対向して配置される複数のタ
ーゲットと、複数のターゲットに対して基板と反対側の
位置に設けられる複数の磁界発生手段とによってマグネ
トロンスパッタリングを構成し、複数のターゲットに対
する複数の磁界発生手段の配置位置をそれぞれ異ならせ
ることによって構成するものである。
【0018】
【作用】本発明によれば、磁石の配置が異なることによ
ってエロージョン領域が異なるため、ある時間ごとに磁
石に対するターゲットをローテーションすれば、ターゲ
ットのスパッタリングにより削られる部分が均一化さ
れ、ターゲット材料の利用効率を向上させることができ
る。また、各ターゲットを単独で使用した場合の膜厚分
布のピーク位置が異なるため、異なる分布特性をもつタ
ーゲット電極を組み合わせて同時使用することにより膜
厚を均一化することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を参照しな
がら詳細に説明する。図1は本発明のスパッタリング装
置の構成図である。図1において、A1〜A3はエロー
ジョン領域、B1〜B3は基板、BH1〜BH3は基板
ホルダ、M1〜M3は磁石、T1〜T3はターゲットで
ある。
【0020】本発明のスパッタリング装置においては、
エロージョン領域A1〜A3が各ターゲットT1〜T3
で異なるように、ターゲットT1〜T3に対する磁石M
1〜M3の配置位置をターゲット毎に異ならせ、さらに
磁石M1〜M3等の磁界発生手段に対してターゲットT
1〜T3を一定期間ごとに移動してローテーションを行
うことによって材料の利用効率が増し、有効活用をはか
るものである。
【0021】例えば、図1において本発明のスパッタリ
ング装置をその装置の一つであるマグネトロンスパッタ
リング装置とし、それぞれ3個のターゲットT1〜T3
と、各ターゲットT1〜T3の裏面に設置される3個の
磁石M1〜M3と、この3個のターゲットT1〜T3に
よって成膜される基板B1〜B3とから構成されるもの
とする。
【0022】なお、図においては、ターゲットと磁石の
個数を3個として説明しているが、本発明はこの個数に
限定されるものではなく、任意の個数とすることができ
る。基板B1〜B3は、それぞれ基板ホルダBH1〜B
H3に支持され、図示しない移動手段によってターゲッ
トT1〜T3及び磁石M1〜M3に対して移動可能であ
る。
【0023】ここで、この基板B1〜B3はそれぞれ異
なる3個の基板とすることも、また1個の基板とするこ
ともできる。複数の基板を用いる場合は大量の基板の成
膜処理を行う場合であり、また1個の基板を用いる場合
は、成膜処理の速度を向上させる場合である。また、磁
石M1〜M3は、任意の磁界発生手段によって構成する
ことができる。
【0024】そして、この磁界発生手段としての磁石M
1〜M3とターゲットT1〜T3によりターゲット電極
が構成される。ターゲットT1〜T3に形成されるエロ
ージョン領域A1〜A3は、ターゲットT1〜T3の裏
面に配置される磁石M1〜M3の磁場の分布に影響され
るため、ターゲットT1〜T3上において偏った位置と
なる。このエロージョン領域A1〜A3は、図1におい
て点群によって表わされている。
【0025】以下、説明の便宜上から、図1の(a)に
おいて、磁石M1はターゲットT1に対してターゲット
T1の図の(R)で示される側に偏って配置し、図1の
(c)において、磁石M3はターゲットT3に対してタ
ーゲットT3の(L)で示される側に偏って配置し、ま
た図1の(b)において、磁石M2はターゲットT2に
対してターゲットT2の中央付近に配置した構成によっ
て説明する。
【0026】図1の(a)においては、磁石M1がター
ゲットT1の(R)の側に偏って配置されているため、
ターゲットT1のエロージョン領域A1はターゲットT
1の(R)の側に偏った位置に形成される。基板B1は
このエロージョン領域A1からのスパッタリングによっ
て成膜が行われることになる。また、図1の(c)にお
いては、磁石M3がターゲットT3の(L)の側に偏っ
て配置されているため、ターゲットT3のエロージョン
領域A3はターゲットT3の(L)の側に偏った位置に
形成される。基板B3はこのエロージョン領域A3から
のスパッタリングによって成膜が行われることになる。
【0027】そして、図1の(b)においては、磁石M
2はターゲットT2の中央付近に配置されているため、
ターゲットT2のエロージョン領域A2はターゲットT
2のほぼ中央の位置に形成される。基板B2はこのエロ
ージョン領域A2からのスパッタリングによって成膜が
行われることになる。したがって、ターゲットT1〜T
3は、磁石M1〜M3がそれぞれのターゲットT1〜T
3に対して異なる位置に配置されるので、それぞれ異な
る位置にエロージョン領域A1〜A3が形成されること
になる。
【0028】次に、図2〜図4によって、前記本発明の
スパッタリング装置により、ターゲットの局部的な削減
がなくなりターゲットの材料の利用効率が高まる点につ
いて説明する。これは前記(1)の問題点を解決するも
のである。図2は本発明のスパッタリング装置における
ターゲットのローテーション図であり、図3及び図4は
本発明のスパッタリング装置によるエロージョン領域の
削減の程度を表す図である。
【0029】図2において、A1〜A3はエロージョン
領域、B1〜B3は基板、BH1〜BH3は基板ホル
ダ、M1〜M3は磁石、T1〜T3はターゲットであ
る。そして、図中の一点鎖線より上の図2の(d)の部
分は、前記図1と同様の構成を示しており、3個のター
ゲットT1〜T3と、各ターゲットT1〜T3の裏面に
設置される3個の磁石M1〜M3と、この3個のターゲ
ットT1〜T3によって成膜される基板B1〜B3とか
ら構成されている。そして、基板B1〜B3は基板ホル
ダBH1〜BH3によって支持されている。ここで、こ
の基板B1〜B3はそれぞれ異なる3個の基板とするこ
とも、また1個の基板とすることもできる。
【0030】なお、図2の(a)〜(c)においては、
磁石M1〜M3によって削減されるエロージョン領域は
それぞれ点群、左下がりの斜線、及び右下がりの斜線に
よって表示されている。前記の構成の本発明のスパッタ
リング装置において、ターゲットT1〜T3を磁石M1
〜M3に対して順次移動させて、ターゲットT1〜T3
と磁石M1〜Mとの組合せを変更することによって、タ
ーゲットのローテーションを行う。図2の(a)、図2
の(b)及び図2の(c)は、このターゲットのローテ
ーションの状態を示すものであり、図の矢印で示される
方向に順次移動を行う。なお、ここでは、磁石M1〜M
3の位置を固定してターゲットT1〜T3を移動させる
場合について説明する。
【0031】図2の(a)は、図2の(d)に示される
磁石M1〜M3に対するターゲットT1〜T3の配置位
置におけるエロージョン領域A1〜A3を示している。
つまり、ターゲットT1のエロージョン領域A1はター
ゲットT1の(R)の側に偏った位置に形成され、ター
ゲットT3のエロージョン領域A3はターゲットT3の
(L)の側に偏った位置に形成され、ターゲットT2の
エロージョン領域A2はターゲットT2のほぼ中央の位
置に形成される状態を示している。なお、図2の(a)
においては、エロージョン領域A1、エロージョン領域
A2、及びエロージョン領域A3はそれぞれ点群、左下
がりの斜線、及び右下がりの斜線によって表示されてい
る。
【0032】次に、第1回目のターゲットのローテーシ
ョンを行う。この状態を図2の(b)に示している。図
2の(b)は、図2の(a)に示されるターゲットT1
〜T3を矢印の方向にそれぞれ移動させた状態における
エロージョン領域を示している。つまり、ターゲットT
1はターゲットT2が存在していた位置に移動し、ター
ゲットT2はターゲットT3が存在していた位置に移動
し、またターゲットT3はターゲットT1が存在してい
た位置に移動している。
【0033】このときのそれぞれのエロージョン領域A
1〜A3は、前記図2の(a)のエロージョン領域に移
動後の位置における磁石M1〜M3によるエロージョン
領域A1〜A3を加えたものとなる。次に、第2回目の
ターゲットT1〜T3のローテーションを行う。この状
態を図2の(c)に示している。
【0034】図2の(c)は、図2の(b)に示される
ターゲットT1〜T3を矢印の方向にそれぞれ移動させ
た状態におけるエロージョン領域を示している。つま
り、ターゲットT1はターゲットT2が存在していた位
置に移動し、ターゲットT2はターゲットT3が存在し
ていた位置に移動し、またターゲットT3はターゲット
T1が存在していた位置に移動している。
【0035】このときのそれぞれのエロージョン領域
は、前記図2の(b)のエロージョン領域に移動後の位
置における磁石M1〜M3によるエロージョン領域A1
〜A3を加えたものとなる。このターゲットT1〜T3
のローテーションによって、ターゲットT1〜T3上の
エロージョン領域は、エロージョン領域A1〜A3を重
ねたものとなり、ターゲットの局部的な削減をなくし
て、均一な削減とすることができる。
【0036】図3及び図4において、四角形のターゲッ
トTに対して配置される磁石Mをロの字状とした場合の
エロージョン領域の削減の程度を表している。そして、
その図の横方向のターゲットTの並びは、磁石Mに対し
てターゲットTの配置位置をローテーションによって変
更した場合であり、ターゲットTの削減の程度を数字に
よって模式的に表している。また、図の縦方向のターゲ
ットTの並びは、磁石Mに対してターゲットTの配置位
置を変更しない場合であり、ターゲットTの削減の程度
を数字によって模式的に表している。
【0037】なお、図3の場合は、磁石Mとターゲット
Tの位置関係を1次元的に変更する場合を示しており、
図4の場合は、磁石MとターゲットTの位置関係を2次
元的に変更する場合を示している。それぞれの場合のタ
ーゲットTの削減の程度は、数字の大きい程その削減の
程度が大きいことを示している。磁石Mに対してターゲ
ットTの配置位置をローテーションによって変更した場
合と磁石Mに対してターゲットTの配置位置を変更しな
い場合とでは、磁石Mに対してターゲットTの配置位置
をローテーションによって変更した場合の方が、ターゲ
ットTの削減の程度が小さく、かつ広い範囲に広がって
いることが分かる。
【0038】次に、図5、図6によって、前記本発明の
スパッタリング装置により、基板上の成膜の膜厚分布を
均一とする点について説明する。これは前記(2)の問
題点を解決するものである。図5は本発明のスパッタリ
ング装置におけるターゲットの膜厚の図であり、図6は
本発明のスパッタリング装置によるターゲットの膜厚の
均一化の図である。
【0039】図5の(a)は磁石M1がターゲットT1
の(R)側に偏在しているときのターゲットT1に生成
される膜厚の分布を示しており、図5の(c)は磁石M
3がターゲットT3の(L)側に偏在しているときのタ
ーゲットT3に生成される膜厚の分布を示しており、ま
た図5の(b)は磁石M2がターゲットT2の中央付近
にあるときのターゲットT2に生成される膜厚の分布を
示している。そして、これらの膜厚の分布は、ターゲッ
トに対する磁石M1〜M3に位置に応じて偏りが生じる
ことになる。
【0040】そこで、これらの偏りを生じさせるターゲ
ット電極を組み合わせることによって、図5の(d)に
示すようにターゲット上の成膜の膜厚の均一化を行うこ
とができる。また、図6はこのターゲット上の膜厚の分
布状態を比較するものであり、図6の(a)は磁石M1
1〜M13のターゲットT1〜T3に対する位置を変更
しない場合のターゲット上の膜厚の分布状態を示してお
り、一方図6の(b)は磁石M11〜M13のターゲッ
トT1〜T3に対する位置を変更した場合のターゲット
上の膜厚の分布状態を示している。
【0041】図6の(a)と図6の(b)の比較から分
かるように、磁石M11〜M13のターゲットT1〜T
3に対する位置を変更した場合には、膜厚の均一化を行
うことができる。なお、前記説明においては、磁石等の
磁界発生手段に対してターゲットを一定期間ごとに移動
してローテーションを行っているが、逆にターゲットに
対して磁石等の磁界発生手段を一定期間ごとに移動して
ローテーションを行うこともできる。
【0042】なお、前記構成はカルーセル型のスパッタ
装置、並行平板型等の各種の方式のスパッタ装置におい
ても適用することができ、同様の効果をあげることがで
きる。なお、本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、
それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、 (1)磁石の配置が異なることによってエロージョン領
域が異なるため、ある時間ごとに磁石に対するターゲッ
トをローテーションすれば、ターゲットのスパッタリン
グにより削られる部分が均一化され、ターゲット材料の
利用効率を向上させることができる。 (2)また、各ターゲットを単独で使用した場合の膜厚
分布のピーク位置が異なるため、異なる分布特性をもつ
ターゲット電極を組み合わせて同時使用することにより
膜厚を均一化することができる。 という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパッタリング装置の構成図である。
【図2】本発明のスパッタリング装置におけるターゲッ
トのローテーション図である。
【図3】本発明のスパッタリング装置によるエロージョ
ン領域の削減の程度を表す図である。
【図4】本発明のスパッタリング装置によるエロージョ
ン領域の削減の程度を表す図である。
【図5】本発明のスパッタリング装置におけるターゲッ
トの膜厚図である。
【図6】本発明のスパッタリング装置によるターゲット
の膜厚の均一化図である。
【図7】従来の円板型マグネトロンスパッタリング装置
の斜視図である。
【図8】従来の角板型マグネトロンスパッタリング装置
の斜視図である。
【図9】従来のマグネトロンスパッタリング装置の断面
構成図である。
【図10】カルーセル型のスパッタリング装置の斜視図
である。
【図11】平行平板型のスパッタリング装置の斜視図で
ある。
【図12】従来のスパッタリング装置のエロージョン領
域図である。
【符号の説明】
A1〜A3…エロージョン領域、B1〜B3…基板、B
H1〜BH3…基板ホルダ、M1〜M3…磁石、T1〜
T3…ターゲット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパッタリング装置において、(a)基
    板を回転させる移動手段と、(b)前記基板と対向して
    配置される複数のターゲットと、(c)前記複数のター
    ゲットに対して前記基板と反対側の位置に設けられる複
    数の磁界発生手段とによってマグネトロンスパッタリン
    グを構成し、(d)前記複数のターゲットに対する前記
    複数の磁界発生手段の配置位置をそれぞれ異ならせるこ
    とを特徴とするスパッタリング装置。
JP31201992A 1992-11-20 1992-11-20 スパッタリング装置 Withdrawn JPH06158311A (ja)

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JP31201992A JPH06158311A (ja) 1992-11-20 1992-11-20 スパッタリング装置

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001107233A (ja) * 1999-10-13 2001-04-17 Shin Etsu Chem Co Ltd マグネトロンスパッタリング装置及びスパッタリング方法
JP2009030109A (ja) * 2007-07-27 2009-02-12 Ulvac Japan Ltd 成膜装置及び成膜方法
US7837836B2 (en) * 2004-02-12 2010-11-23 Seagate Technology Llc Method and apparatus for multi-stage sputter deposition of uniform thickness layers
CN105154843A (zh) * 2015-10-22 2015-12-16 宁波英飞迈材料科技有限公司 高通量组合材料芯片前驱体沉积设备及其沉积方法

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