JPH06158143A - 高炭素鋼の製鋼方法 - Google Patents

高炭素鋼の製鋼方法

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JPH06158143A
JPH06158143A JP34153992A JP34153992A JPH06158143A JP H06158143 A JPH06158143 A JP H06158143A JP 34153992 A JP34153992 A JP 34153992A JP 34153992 A JP34153992 A JP 34153992A JP H06158143 A JPH06158143 A JP H06158143A
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JP
Japan
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steel
carbon
blowing
converter
purity
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JP34153992A
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English (en)
Inventor
Yuichi Tsukaguchi
友一 塚口
Hirotaka Miki
裕貴 三木
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 転炉での脱燐効率を低下させることなく、高
炭素鋼を製造する。 【構成】 高炭素鋼の製鋼方法において、転炉での吹錬
における脱炭反応の抑制を最小限とし、転炉出鋼時に純
度99%以上の高純度炭素粉の加炭材を含む成分調整を
行ったのち、取鍋において最終成分組成に調整し、不活
性ガスを吹き込む。 【効果】 高純度炭素粉によって吹錬時の炭素量の低下
を補い、脱燐効率を低下させることなく、清浄性の良好
な高炭素鋼を溶製できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高炭素鋼、特に高炭
素工具鋼の製鋼工程での取鍋処理によって清浄度を向上
できる高炭素鋼の製鋼方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高炭素鋼は、高価な合金元素を用いるこ
となく、炭素を残留させることによって強度、硬度を上
げることが可能である。高炭素鋼の多くは、線材用とし
て用いられており、伸線性と耐疲労特性が良好でなけれ
ばならないとされている。線材用には、伸線性が悪いと
高速伸線が不可能となり、断線事故の発生によって生産
性を低下させることとなり、また、耐疲労特性が悪いと
撚線操業中に破断を生じることが多く、製品としての特
性も低くなり易いという欠点がある。このような伸線性
および耐疲労特性を悪化させる原因としては、偏析、表
面疵、介在物等が考えられるが、特に介在物に起因する
ものが大きいとされている。このため、線材用高炭素鋼
は、介在物の少ない清浄性の高いものが要望されてい
る。
【0003】一方、JIS G4401に規定のSK−
3等の炭素工具鋼は、最近多くは転炉−連続鋳造方法に
より製造されている。この転炉−連続鋳造法において
は、溶鋼中にMnS、Al−N、Al23、SiO2
の介在物が多く存在すると、連続鋳造時あるいは製品に
割れが発生する。このため、転炉製鋼時は、MnS、A
lN、Al23、SiO2等の介在物を減少させたり、
介在物の組成制御する等の製鋼法が実施されている。従
来、高炭素鋼の溶製に際しての転炉における吹錬中の脱
炭反応は、溶鋼中の炭素量を確保するために抑制される
傾向が強い。しかしながら、吹錬中の脱炭反応の抑制
は、吹止めスラグ中の全Feロスが減少し、鉄分歩留が
向上するが、脱燐効率が逆に低下するという問題点を有
している。
【0004】高炭素鋼の精錬方法としては、精錬用純酸
素の全部または大部分を上吹き用ランスノズルから溶鉄
上部に吹き付けると共に、転炉炉底に形成されたガス吹
込みノズルから不活性ガスを吹き込んで溶鉄の撹拌を図
る酸素上吹き・不活性ガス下吹き精錬において、吹錬中
の不活性ガス吹き込み量を0.09Nm3/分・ton
以下とする方法(特開昭57−104615号公報)、
予め脱燐処理して得た低燐銑を吹錬して高炭素鋼を製造
するに当たり、吹錬初期に生成スラグの塩基度(CaO
/SiO2)が1.0〜2.0となる比率のCaOおよ
びSi源を添加して低融点のスラグを形成し、次いで生
成ズラグの塩基度を3.0〜4.0とするに足る量のC
aOを追加する方法(特開昭58−16014号公
報)、予めSiおよびMnを含む合金を原料溶鋼に加え
て脱酸並びに成分調整された溶鋼を炉外精錬炉に装入し
て該炉を不活性雰囲気または真空雰囲気に保持し、Ca
O−SiO2−Al23系の塩基性フラックスを加え、
精錬終了後のスラグ組成を、(CaO/SiO2)≧
1.5、(FeO+MnO)≦3%となるように調整す
ると共に、精錬済溶鋼中のAl総量を10g/トン(溶
鋼)以下となるように制御して精錬する方法(特開昭6
0−184617号公報)等が提案されている。また、
加炭剤を添加する製鋼法としては、予め脱珪、脱燐、脱
硫処理した溶銑を主たる鉄源とし、酸素上吹きを主たる
脱炭精錬手段とする製鋼法において、発熱源として加炭
剤を添加すると共に、上吹き酸素によって溶鉄浴表面に
形成されるへこみ深さLが80〜400mmとなるよう
吹酸を実施する方法(特開昭60−169510号公
報)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭57−10
4615号公報に開示の方法は、酸素上吹き・不活性ガ
ス下吹き精錬において、吹錬中の不活性ガス吹き込み量
を所定値以下とすることによってスラグの異常フォーミ
ングを防止するものである。また、特開昭58−160
14号公報に開示の方法は、脱燐剤の添加を工夫するこ
とによって、高炭素レベルを維持しつつ更に脱燐効率を
上げるものである。さらに特開昭60−184617号
公報に開示の方法は、炉外精錬炉、例えば取鍋の雰囲気
および塩基性フラックスの調整によって介在物の物性を
調整するものである。さらにまた、特開昭60−169
510号公報に開示の方法は、必要最少限の加炭剤添加
で所望の熱発生と浴昇温を実現するもので、加炭剤の添
加によって鋼中の介在物を低減するものではない。
【0006】この発明の目的は、転炉での脱炭反応の抑
制を最小限とし、脱燐効率を低下させることなく、高炭
素鋼を製造できる高炭素鋼の製鋼方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意試験研究を行った。その結果、転炉で
の吹錬における脱炭反応の抑制を最小限とし、転炉出鋼
時に純度99%以上の高純度炭素粉の加炭材を含む成分
調整を行うことによって、転炉での脱炭反応により低下
した鋼中炭素を補うことができ、転炉での吹錬における
脱燐効率の低下を防止することができ、また、溶鋼中に
添加された純度99%以上の高純度炭素粉が溶鋼中の酸
素と反応して生成するCOガスが、スラグ中のFeO、
Fe23、MnOを還元し、スラグ中のFeOおよびM
nOを減少させ、溶鋼中の酸素低減のためのAl、Si
等の脱酸材の多量使用が不要となることを究明し、この
発明に到達した。
【0008】すなわちこの発明は、高炭素鋼の製鋼方法
において、転炉での吹錬における脱炭反応の抑制を最小
限とし、転炉出鋼時に純度99%以上の高純度炭素粉の
加炭材を含む成分調整を行ったのち、取鍋において最終
成分組成に調整し、不活性ガスを吹き込むことを特徴と
する高炭素鋼の製鋼方法である。
【0009】
【作用】この発明においては、転炉での吹錬における脱
炭反応の抑制を最小限としたから、転炉での吹錬におけ
る脱燐効率の低下を防止することができる。また、転炉
出鋼時に純度99%以上の高純度炭素粉の加炭材を含む
成分調整を行ったのち、取鍋において最終成分組成に調
整するから、転炉での脱炭反応による溶鋼中の炭素量の
低下が純度99%以上の高純度炭素粉の加炭材によって
補われ、高炭素鋼として必要な炭素量を確保することが
できる。また、溶鋼中に添加された純度99%以上の高
純度炭素粉の加炭材は、溶鋼中の酸素と一次燃焼してC
Oガスを生成し、スラグ中のFeO、Fe23、MnO
を還元するため、スラグ中のFeOおよびMnOを減少
させる。このため、この発明においては、溶鋼中の酸素
を減少させるためにAl、Si等の脱酸材を多量に用い
る必要がなく、Al23、SiO2等の脱酸生成物が介
在物となって鋼の清浄性を損なう可能性が少なくなる。
【0010】また、この発明方法においては、スラグが
少なくスラグ塩基度も低いため、Al23等の吸収能が
小さく、また、純度99%以上の高純度炭素粉の加炭材
中の炭素が溶鋼中の酸素と反応して生成するCO、CO
2ガスが、溶鋼中に残留して連続鋳造時ブローホールと
なる可能性がある。このため、この発明においては、取
鍋にて不活性ガスを吹込み、Al23等の介在物の浮上
およびCO、CO2ガスの浮上消滅を行うのである。取
鍋にて吹込む不活性ガスとしては、アルゴンガス、窒素
ガス等が考えられるが、介在物の点からアルゴンガスが
優れている。
【0011】溶鋼中への純度99%以上の高純度炭素粉
の加炭材の添加は、転炉出鋼時に成分調整と合わせて行
うのが良いが、転炉出鋼時の成分分析値に基づいて行う
取鍋での最終成分調整時に鋼中炭素量の最終成分調整を
兼ねて補助的に加えることもできる。加炭材として純度
99%以上の高純度炭素粉を用いたのは、コークス粉等
の加炭材に比較し、窒素分、硫黄分が少ないため、溶鋼
中の窒素、硫黄分の上昇が抑制され、連続鋳造における
鋳片の表面割れ感受性を低減させることができると共
に、鋳片の内部割れ防止にも有利となるからである。
【0012】純度99%以上の高純度炭素粉としては、
カーボンブラック、使用済み炭素電極を粉砕した電極粉
が考えられるが、価格の面から電極粉を使用するのが有
利である。また、カーボンブラックや電極粉は、窒素お
よび硫黄含有量がいずれも0.1%以下で、清浄性の良
好な高炭素鋼を溶製できる。溶鋼中への純度99%以上
の高純度炭素粉の加炭材の添加量は、少なすぎると溶鋼
中の酸素の除去が十分でなく、かつ鋼中炭素量を補うこ
とができないので、7kg/ton以上使用し、取鍋で
の最終成分調整時に鋼中炭素量が目標量となるよう添加
する。
【0013】
【実施例】
実施例1 C:1.00〜1.10%、Si:0.20〜0.30
%、Mn:0.40〜0.50%、P:0.025%以
下、S:0.008%以下、Cu:0.05〜0.10
%、Cr:0.15〜0.20%、Ni:0.05%以
下の高炭素鋼を製鋼すべく、160tonのLD転炉を
用いて吹錬して得た炭素含有量約0.10%の溶鋼を、
転炉から取鍋に出鋼時加炭材として表1に示す組成のコ
ークス粉または炭素電極粉を5kg/ton(溶鋼)、
Al:0.1kg/ton(溶鋼)、Cr:2kg/t
on(溶鋼)、Fe−Mn:4kg/ton(溶鋼)添
加して成分調整したのち、取鍋にて最終成分調整して連
続鋳造し、幅1100mmのスラブX〜Z3種類を製造
した。その場合におけるX〜Z高炭素鋼の成分組成を表
2に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】表2に示すとおり、加炭材としてコークス
粉を用いた鋼Xの場合は、加炭材として炭素電極粉を用
いた鋼Y、鋼Zに比較し、SおよびN含有量が多くなっ
ている。これは添加したコークス粉中のSおよびN含有
量が高いためである。
【0017】実施例2 C:1.00〜1.10%、Si:0.20〜0.30
%、Mn:0.40〜0.50%、P:0.025%以
下、S:0.008%以下、Cu:0.05〜0.10
%、Cr:0.15〜0.20%、Ni:0.05%以
下の高炭素鋼を溶製すべく、脱燐処理した溶銑をLD転
炉で吹錬して得た出鋼時の炭素含有量0.50%の溶鋼
を成分調整{コークス粉5kg/ton(溶鋼)添加を
含む}したのち取鍋に出鋼し、取鍋にて酸素吹込みとS
i添加して昇熱したのち、最終成分調整した従来法と、
脱燐処理しない溶銑をLD転炉で吹錬して得た出鋼時の
炭素含有量0.05%の溶鋼を成分調整{炭素電極粉1
0kg/ton(溶鋼)添加を含む}したのち取鍋に出
鋼し、取鍋にアルゴンガスを吹込んで3〜5分間バブリ
ングしたのち、最終成分調整した本発明法のそれぞれを
連続鋳造してスラブとたのち、従来法と本発明法のそれ
ぞれのスラブについて、鋼中の全酸素、介在物組成、ス
ラブ内介在物の最大粒径を測定した。その結果を表3に
示す。
【0018】
【表3】
【0019】表3に示すとおり、本発明法によれば、加
炭材としてコークス粉を使用し、取鍋にて酸素吹込むと
共に脱酸材を投入して昇温した従来法に比較し、スラブ
内の介在物最大粒径が大幅に低下し、内部割れが皆無で
あった。
【0020】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明方法によれ
ば、高純度炭素粉によって吹錬時の炭素量の低下を補
い、脱燐効率を低下させることなく、清浄性の良好な高
炭素鋼を溶製することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炭素鋼の製鋼方法において、転炉での
    吹錬における脱炭反応の抑制を最小限とし、転炉出鋼時
    に純度99%以上の高純度炭素粉の加炭材を含む成分調
    整を行ったのち、取鍋において最終成分組成に調整し、
    不活性ガスを吹き込むことを特徴とする高炭素鋼の製鋼
    方法。
JP34153992A 1992-11-26 1992-11-26 高炭素鋼の製鋼方法 Pending JPH06158143A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100916096B1 (ko) * 2002-12-26 2009-09-08 주식회사 포스코 출강중 효율적인 슬래그 개질방법
KR101353196B1 (ko) * 2011-12-05 2014-01-20 주식회사 포스코 전로에서 탄소성분 제어방법 및 이를 포함하는 철강 제조방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100916096B1 (ko) * 2002-12-26 2009-09-08 주식회사 포스코 출강중 효율적인 슬래그 개질방법
KR101353196B1 (ko) * 2011-12-05 2014-01-20 주식회사 포스코 전로에서 탄소성분 제어방법 및 이를 포함하는 철강 제조방법

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