JPH06157297A - 医薬部材 - Google Patents

医薬部材

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JPH06157297A
JPH06157297A JP33786392A JP33786392A JPH06157297A JP H06157297 A JPH06157297 A JP H06157297A JP 33786392 A JP33786392 A JP 33786392A JP 33786392 A JP33786392 A JP 33786392A JP H06157297 A JPH06157297 A JP H06157297A
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JP
Japan
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drug
ethylene
medicine
film
acrylic acid
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Withdrawn
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JP33786392A
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English (en)
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Takeshi Kuramoto
毅 倉本
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Dow Mitsui Polychemicals Co Ltd
Original Assignee
Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薬物の経皮投与システムにおいて、薬物の長
期適量投与ができる放出制御膜を有する医薬部材の提
供。 【構成】 薬物不透過性裏打支持体、薬物保持層、薬物
放出制御膜及び接着剤層が順に形成されてなる医薬部材
において、薬物放出制御膜として、(メタ)アクリル酸
重合単位が2〜25重量%のエチレン・(メタ)アクリ
ル酸共重合体のアイオノマーまたは一酸化炭素重合単位
が1〜20重量%のエチレン・一酸化炭素共重合体を用
いた医薬部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬物を経皮的に投与す
るための医薬部材に関する。さらに詳しくは、薬物の長
期投与に好適な薬物放出制御膜に関する。
【0002】
【従来の技術】薬物の経皮投与システムに関してはすで
に多くの提案がなされている。これらのうち経皮吸収が
比較的容易な薬物においては、薬物不透過性支持体と薬
物放出制御膜とに挟まれた層に薬物を保持し、薬物保持
層から薬物放出制御膜を通して、量を調節しつつ投与す
る方法が注目されており、冠血管拡張剤の分野ですでに
実用化されている。薬物保持層には薬物の他に一般には
吸収促進剤やゲル化剤などが共存しており、このような
混合系から薬物放出制御膜を通して薬物及び吸収促進剤
を長期に渡って一定量づつ放出させる必要があり、薬物
放出制御膜の役割は重要である。そのための薬物放出制
御膜として種々の高分子化合物が使用可能であることが
例示されているが(例えば特公平1−4490号、特開
平2−149514号)、その中でもエチレン・酢酸ビ
ニル共重合体の使用例が最も多く、好適な材料と考えら
れていることがうかがえる。事実市販品の中では、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体の使用例があるのみである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに本発明者らの
ニトログリセリンに基づくテストによれば、エチレン・
酢酸ビニル共重合体は透過性能が悪いため膜厚を非常に
薄くする必要があり、均質な膜を製造しにくいこと、ま
たエタノールのような吸収促進剤の共存下では、初期の
透過量は多いが短時間でニトログリセリンの透過が著し
く低減することなどを確認し、必らずしも放出制御膜と
して優れた性能を有しているものではないことを知見す
るに至った。
【0004】そこで本発明者らは、放出制御膜として、
より優れたものを見出すべく鋭意検討を行った。その結
果、前述の特許出願では不透過性支持体として認識され
ているアイオノマーの一種が、予想外にも優れた放出制
御膜となることを見出すに至った。更にエチレン・一酸
化炭素共重合体も同様の性質を有していることを見出す
に至った。従って本発明の目的は、薬物を長期間に渡っ
て適量投与することができる医薬部材を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は薬物不透過性裏
打支持体、薬物保持層、薬物放出制御膜及び接着剤層が
順に形成されてなる医薬部材において、薬物放出制御膜
として(メタ)アクリル酸重合単位が2〜25重量%の
エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー
または一酸化炭素重合単位が1〜20重量%のエチレン
・一酸化炭素共重合体を用いたことを特徴とする医薬部
材に関する。(ここに(メタ)アクリル酸とはアクリル
酸又はメタクリル酸をいう)。
【0006】本発明の対象とする医薬部材の基本的な構
造は、アメリカ特許3598122号明細書や前述の特
公平1−4490号公報などに例示されている。すなわ
ち図1に示すように、薬物不透過性裏打支持体1と薬物
放出制御膜2により薬物保持層3を形成し、この中に経
皮投与される薬物および必要に応じて吸収促進剤等を封
入、保持する。更に薬物放出制御膜には接着剤層4を積
層し、これによって患者の皮膚に貼付することにより、
薬物は薬物放出制御膜および接着剤層を通して体内に吸
収される。
【0007】本発明の医薬部材に用いられる薬物不透過
性裏打支持体は、薬物や吸収促進剤等の逸散を防止する
ため本質的に不透過性のものであれば特に限定されるも
のではなく、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、あるいはこれらのアルミニウム蒸着品、アル
ミニウム箔、あるいはこれらの積層物などから選ぶこと
ができる。
【0008】薬物保持層は、裏打支持体と薬物放出制御
膜によって形成され、薬物が封入されており、通常は薬
物の他に吸収促進剤やゲル化剤などを含んでいる。
【0009】本発明に用いられる薬物としては生理活性
物質であって、経皮吸収性があるものであり、例えば以
下のものを例示することができる。
【0010】ニトログリセリン、亜硝酸アミル、四硝酸
ペンタエリスリット、二硝酸イソソルビド、イソラミン
トシレート、プロパチルニトレート、ニフェジピンのよ
うなニトロ化合物型冠血管拡張剤、インドメタシン、メ
フェナム酸、ケトプロフェン、フルフェナム酸、ジクロ
フェナクナトリウム、イブフロフェン、ナプロキセン、
フルビプロフェンのような鎮痛消炎剤、クロニジン、ピ
ンドロール、プロプラノロール、ププラノロール、ピン
ドロールのような抗高血圧剤、モルヒネのような鎮痛
剤、フルフェナジン、テオリタジン、ジアゼパム、ロラ
ゼパム、ハロペリドールのような精神神経用剤、フェノ
バルビタール、アモバルビタール、シクロバルビター
ル、ニトラゼパムのような催眠鎮静剤、クロルフェニラ
ミン、ジフェニルイミダゾールのような抗ヒスタミン
剤、エフェドリン、デキストロメトルファンのような鎮
咳剤、プロゲステロン、エストラジオールなどの性ホル
モン、メトクロプラミド、クレポプライト、ドンベリド
ン、スコポラミン、メルカプトプリンのような制吐剤、
抗腫瘍剤、カルシトニンのような骨粗しょう症治療剤、
ニコチンのような禁煙補助剤などである。これらは必ら
ずしも1種類のみではなく2種以上併用することができ
る。
【0011】薬物保持層には吸収促進剤を共存させるこ
とができる。その一例として、例えば、水、エタノー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコールの如きアル
コール類、オリーブ油、ヒマシ油、スクワレンの如き油
脂類、流動パラフィン、ポリイソブテンの如き炭化水素
油、ソルビタンモノオレート、グリセリンモノオレー
ト、グリセリンモノステアレート、ポリエチレングリコ
ールモノラウレートの如き界面活性剤類、ジメチルスル
ホキシド、n−デシルメチルスルホキシド、ジメチルア
セトアミド、ジメチルラウリルアミド、N−メチルピロ
リドンなどの極性溶剤などを例示することができる。
【0012】薬物保持層にはまた薬物を安定に保持する
ためのゲル化剤を共存させることができる。かかるゲル
化剤の例としては、シリコン系やゴム系のゲル、アセチ
ルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸等の
ゲル、ゼラチン、コラーゲン、アルギン酸重合体等のポ
リペプチドゲルなどを挙げることができる。
【0013】薬物保持層にはまたチキソトロピー性及び
増粘性付与の目的で、微粉シリカのようなゲル化助剤を
用いることができる。
【0014】本発明においては薬物放出制御膜として
(メタ)アクリル酸重合単位が3〜25重量%のエチレ
ン・(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマーが用い
られる。該共重合体としては(メタ)アクリル酸重合単
位が2〜25重量%、好ましくは3〜20重量%のもの
であり、このほかに少量、例えば20重量%以下であれ
ば他の重合単位、例えば(メタ)アクリル酸エステルや
酢酸ビニルなどの重合単位を含むものであってもよい。
上記アイオノマーの代りにポリエチレンを用いると薬物
の透過性能良好なものは得られない。
【0015】本発明におけるアイオノマーのイオン源と
しては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカ
リ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類
金属、亜鉛のような遷移金属を例示できるがとくにナト
リウム、亜鉛等が好ましい。アイオノマーにおける前記
イオン源による中和度は10〜90%、好ましくは20
〜60%である。
【0016】本発明においてはまた薬物放出制御膜とし
て、一酸化炭素重合単位が1〜20重量%、好ましくは
2〜15重量%のエチレン、一酸化炭素共重合体を用い
ることができる。該共重合体中には、40重量%以下、
好ましくは5〜30重量%の割合で他の重合単位、例え
ば(メタ)アクリル酸エステルや酢酸ビニルの重合単位
を含むことができる。ここに(メタ)アクリル酸エステ
ルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸イソブチルなどを例示するこ
とができる。このような共重合体は、高温、高圧下のラ
ジカル共重合によって容易に製造できる。
【0017】制御膜の強度、製膜の容易性などを考慮す
ると、アイオノマーまたはエチレン・一酸化炭素共重合
体として190℃、2160g荷重におけるメルトフロ
ーレートが0.1〜100g/10分程度のものを使用
するのが望ましい。
【0018】制御膜の厚みは薬物の種類や目的とする透
過速度により定められるべきであるが、一般には5〜2
00μm程度とするのがよい。
【0019】本発明の医薬部材における接着剤は、常温
で粘着性を有する感圧型の接着剤である。このような接
着剤の例として、アクリル系接着剤、シリコン系接着
剤、ゴム系接着剤、ポリビニルアセテート接着剤などを
挙げることができる。このような接着剤としては、薬物
や吸収促進剤による凝集力低下を防ぐために架橋構造を
有していることが望ましい。接着層には、微粉シリカの
ような添加剤を配合することができ、また薬物を含有さ
せておくこともできる。
【0020】本発明の医薬部材は、製造時から使用直前
までに接着剤層を通しての薬物の逸失を防止するため、
通常は接着剤層にさらに剥離ライナー層が設けられる。
剥離ライナーは本質的に薬物の不透過層であり、裏打支
持体として使用できる材料として先に例示したようなも
のが使用できる。
【0021】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。 [実施例1]エチレン/メタクリル酸共重合体アイオノ
マー(メタクリル酸含量10.4重量%、イオンタイプ
Na、イオン化度53%、MFR=1.3g/10分)
をインフレーション方式の成膜機を用いて成膜し、10
0μ厚みのフィルムを調製した。
【0022】調製したフィルムに有効面積25cm2
広さにニトログリセリン50mgを塗付し、エタノール
を満たしたガラス容器上に気泡の入らぬ様、ニトログリ
セリンを塗布していないフィルム面をエタノールに接し
てセットした。フィルムを透過してエタノール中へ浸出
したニトログリセリン量を2時間毎に液体クロマトグラ
フ装置にて測定した。24時間経過後もニトログリセリ
ン透過速度の変化はわずかであり、長期間に渡って薬物
を一定量づつ放出させる薬物放出制御膜であることがわ
かる。結果を図2に示す。
【0023】[実施例2]実施例1で用いたエチレン/
メタクリル酸共重合体アイオノマーを熱プレスにて10
μの厚さに調整した。25mgのニトログリセリンを含
むエタノール飽和溶液を上記フィルムを基材としてアル
ミ箔でカップリングした。アイオノマーフィルムに接し
て人皮を乗せフランツディフュージョンセルに実施例1
と同様の方法で1時間毎にニトログリセリン透過速度を
測定した。24時間の測定において透過速度の急激な低
下は見られなかった。結果を図3に示す。
【0024】[実施例3]エチレン/酢酸ビニル/一酸
化炭素の重量組成比66/24/10の三元共重合体を
用い、実施例1と同様の方法で100μ厚さのフィルム
を作成した。このフィルム上に、25cm2 当り下記の
量でニトログリセリンを塗布し、実施例1と同様の方法
でニトログリセリンの透過率を測定した。ニトログリセ
リン塗布量と24時間に透過したニトログリセリン量に
ついて次の関係が得られた。
【0025】 ニトログリセリン塗布量 24時間で透過した量 25mg 16mg 75mg 70mg
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、薬物放出制御膜として
アイオノマーまたはエチレン・一酸化炭素共重合体を使
用したことにより長時間の薬物投与が可能であり、経皮
投与システムに好適な医薬部材を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の医薬部材の構造を示す断面図である。
【図2】本発明のアイオノマー薬物放出制御膜からのニ
トログリセリン透過速度の時間経過による変化を示す図
である。
【図3】本発明の医薬部材から人皮を通してのニトログ
リセリン透過速度の時間経過による変化を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 薬物不透過性裏打支持体 2 薬物放出制御膜 3 薬物保持層 4 接着剤層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬物不透過性裏打支持体、薬物保持層、
    薬物放出制御膜及び接着剤層が順に形成されてなる医薬
    部材において、薬物放出制御膜として、(メタ)アクリ
    ル酸重合単位が2〜25重量%のエチレン・(メタ)ア
    クリル酸共重合体のアイオノマーまたは一酸化炭素重合
    単位が1〜20重量%のエチレン・一酸化炭素共重合体
    を用いたことを特徴とする医薬部材。
JP33786392A 1992-11-26 1992-11-26 医薬部材 Withdrawn JPH06157297A (ja)

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