JPH0615726A - 射出吹込成形機の吹込コア挿入装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気圧による座体の固定を機械的手段による
固定に変えることによって、仕様変更により吹込圧力が
増大しても、座体の浮き上がりを確実に阻止する。 【構成】 吹込コア挿入装置３２を、吹込成形操作部の
上部に設けた縦方向のガイド部材３２ａと、ガイド部材
３２ａに昇降自在に保持した吹込コア３８の座体３３
と、座体側部に並設した空気圧による座体昇降装置３２
とから構成する。上記座体３３の降下位置に該座体３３
を固定するためのストッパー装置４１を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は射出成形したプリフォ
ームをそのまま移送してびんなどの成形品に吹込成形す
る成形機の吹込コア挿入装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】プリフォームの射出成形から、びんなど
の成形品の吹込成形を連続して行う成形機は、特公昭５
３−２２０９６号公報により既に公知となっている。こ
の公知の成形機が具備する吹込コア挿入装置は、上部基
盤に下向きに設けたメインシリンダのプランジャに棚板
を有する座体を連結し、その座体の下端に吹込コアを取
付けるとともに、吹込コア上方の棚板にサブシリンダを
載置固定し、そのサブシリンダのプランジャに先端部を
上は吹込コアに挿通した延伸ロッドを連結した構造から
なる。

【０００３】このような吹込コア挿入装置では、空気圧
によるメインシリンダの作動により、吹込コアの降下挿
入とメインシリンダの下方移動とがなされ、降下後のサ
ブシリンダの作動により延伸ロッドを伸長してプリフォ
ームを延伸できるようにしてある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この公知の吹込コア挿
入装置では、延伸ロッドの伸長と同時あるいは僅かに遅
れて吹込コアからプリフォーム内に空気が吹込まれるの
であるが、この空気圧により吹込コアが押し上げられ
て、プリフォーム口部との嵌合から空気が漏れないよう
に、吹込成形が完了するまで座体をメインシリンダの空
気圧により押さえている。

【０００５】この空気圧による座体の押さえには限界が
あり、予め設定された範囲では吹込圧力に負けて座体が
浮き上がるようなことはないが、成形品の取り数を増す
ために、キャビティ数を増やしたり、細口びん用の吹込
金型を広口びん用の吹込金型に変更した場合などでは、
そこに使用される吹込空気圧の総量が、メインシリンダ
に付与される空気圧を大幅に上回り、また吹込コアの受
圧面積の増大などから、吹込空気圧による座体の浮き上
がりを阻止することが難しく、成形機としてはある程度
の仕様変更は可能であっても、応用性に欠けるという課
題があった。

【０００６】また途中での仕様変更に備えて、予め出力
の大きなものを採用することも考えられるが、必ずしも
仕様変更が行われるとは限らず、結果的に不経済でコス
トアップともなる等のことから、好ましいことではない
とされている。

【０００７】この発明の目的は、空気圧による座板の固
定を機械的手段による固定に変えることによって従来の
課題を解決し、簡単な構造で吹込圧力にも充分に耐え、
途中での仕様の変更により吹込圧力が増大しても、座体
の浮き上がりを確実に阻止して、吹込コアとプリフォー
ムとの嵌合部分からの空気漏れを完全に防止することが
できる新たな構成の吹込コア挿入装置を提供することに
ある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的によるこの発明
の特徴は、吹込コア挿入装置を、吹込成形操作部の上部
に設けた縦方向のガイド部材と、そのガイド部材に昇降
自在に保持した吹込コアの座体と、座体側部に並設した
シリンダとピストンロッドとによる座体昇降装置とから
構成し、上記座体の降下位置に該座体を固定するための
ストッパー装置を設けてなることにある。

【０００９】また上記ストッパー装置は座体とガイド部
材との係合手段を具備する。さらにその係合手段は座体
両側に位置するストッパー装置の外側部に進退自在なス
トッパー部材を備え、そのストッパー部材の嵌合溝を座
体の降下位置のガイド部材に設けてなる。

【００１０】

【作 用】上記構成では、座体昇降装置の作動により座
体がガイド部材を案内として、吹込コアと共に降下す
る。これにより吹込コアが吹込金型の上部に位置するリ
ップ型内のプリフォーム口部内に挿入押圧される。上記
ストッパー装置を作動してストッパー部材をガイド部材
の嵌合凹部に挿入し、上方に対して座体をガイド部材に
固定する。その後に吹込コアを通してエアの吹込みを行
い、プリフォームを成形品に吹込成形する。吹込コアを
介して吹込圧力を受ける上記座板は、ストッパー装置に
よりガイド部材を反力として吹込圧力に対向し、上方に
移動せずにその位置を保つ。

【００１１】

【実施例】図中１は機台で上面に下部基盤２が載置固定
してある。３は上部基盤で下部基盤２の上方に平行に設
けられ、その上部基盤３の下側にプリフォーム及び成形
品の移送手段として、円形の移送盤４が回転自在に設け
てある。

【００１２】上部基盤３は下部基盤２の周辺に佇設した
複数本の支柱５，５に支持され、両基盤の間は作業空間
となっている。また移送盤４は上部基盤３の周辺に、部
分的に設けられた部材（図では省略）により保持されて
いる。上部基盤３の上面には一対の平行なリブ６，６が
四方に交差して設けてあり、かつ四方のリブ６，６の間
は穴部７，７となっている。

【００１３】上記移送盤４は環状本体の内側に内歯車８
を設けたものからなり、環状本体の四方にはコア型挿入
用の穴部９，９を有する。この各穴部９，９が位置する
移送盤４の下面には保持型兼用のリップ型１０，１０が
型置板１１，１１と共に取付けてある（図３参照）。

【００１４】上記リップ型１０，１０は、移送盤４と一
緒に移動して、上記上部基盤３の各穴部７，７にて停止
位置する。この移送盤４の回転移動は、上部基盤３の上
面に取付けた９０°角作動のアクチュエータによる回動
装置１２と、その回動装置１２の回動軸１３に連結さ
れ、上記内歯車８と噛合した歯車１４とにより９０°角
づつ間欠的に行われる。

【００１５】上記移送盤４の穴部下面には、円周方向に
穴部９を隔てて垂直軸１５が一対ごとに並行に貫設して
あり、その垂直軸１５の下端に案内部材１６を介して内
外に開閉自在に型置板１１が取付けてある。

【００１６】上記垂直軸１５は一対ごと上端にわたり設
けた連結板１７により一体的に連結され、その連結板１
７の下側の移送盤４に貫入した受筒１８の内部にばね部
材１９が圧縮して収容してある。このばね部材１９の上
端は連結板１７と接し、その連結板１７を介して一対の
垂直軸１５を常時上方へ付勢し、垂直軸１５の下端に取
付けた上記型置板１４をリップ型１０と共に移送盤４の
下面に圧接している。なお、２０は移送盤４と型置板１
１とに穿設した型開用のくさび挿入孔である。

【００１７】上記移送盤４と上部基盤３との間には、基
台周辺部を残して上記垂直軸１５の上端部が移動する間
隙２１が設けてあり、この間隙２１により垂直軸１５が
移動盤上に突出しても、移送盤４の間欠回転が支障なく
行われるようにしてある。

【００１８】このような回転式成形機では、リップ型１
０の４つの停止位置を、順にプリフォーム成形操作部
Ｉ、温調操作部ＩＩ、吹込成形操作部ＩＩＩ、離型操作
部ＩＶとして、それらの操作に必要な装置や金型を配設
することができる。

【００１９】プリフォーム成形操作部Ｉは、上下基盤
２，３に上下動自在に貫挿入して、移送盤４の内外側に
位置させた３本のタイバー２２と、そのタイバー２２の
上端にわたり取付けた型締盤２３及びタイバー下端の連
結盤２４と、下部基盤２の下側に設けられ型締ロッド２
５を上記連結盤２４に接続し型締シリンダ２６とから構
成され、上記型締盤２３の下側に、コア型２７が下向き
に設けてある。また下部基板２には、プリフォームのキ
ャビティ型２８が載置固定してある。

【００２０】上記プリフォーム成形操作部Ｉに隣位する
温調操作部ＩＩには、図では省略したが、プリフォーム
の温調型がリップ型１０に対して昇降自在に設けられ、
また上部基盤３の上には、コア挿入装置２９が配設して
ある。

【００２１】上記吹込成形操作部ＩＩＩには、吹込型３
０が内外に開閉自在にして油圧シリンダ３１と共に下部
基盤２の上に載置され、上部基盤３の上には吹込コア挿
入装置３２が佇設してある。

【００２２】この吹込コア挿入装置３２は、第４図に示
すように、吹込成形操作部ＩＩＩの上部基盤３に設けた
接線方向の一対の支柱による縦方向のガイド部材３２ａ
と、そのガイド部材３２ａに昇降自在に保持した吹込コ
ア３８の座体３３と、その吹込コア３８に下向き挿通し
た延伸ロッド３８ａをピストンロッド３７の先端のプレ
ート３７ａに連結して上記座体３３に載置固定したロッ
ド挿入シリンダ３５と、座体側部に並設したシリンダと
ピストンロッド３６とによる座体昇降装置３４とから構
成されている。

【００２３】さらに座体３３の上部両側にはストッパー
装置４１が設けてある。このストッパー装置４１は、側
部にピストン軸端４１ａを進退自在に突出したエアシリ
ンダと、上記ガイド部材３２ａの両側に対設した一対の
ホルダー４０ａの間に摺動自在に保持され、かつ先端形
状が平面半円形で後端に上記ピストン軸端４１ａを嵌着
したストッパー部材４０とから構成されている。

【００２４】上記ガイド部材３２ａの座体降下位置の周
側には、環状溝による嵌合凹部３９が設けてあり、この
嵌合凹部３９に上記ストッパー部材４０を嵌込んで、ガ
イド部材３２ａに座体３３を固定することができるよう
にしてある（図５参照）。

【００２５】上記座体昇降装置３４は図２に示すよう
に、ピストンロッド３６側を上部基盤３側に固定し、シ
リンダ側を座体３３の張出板上に固定して設けられ、エ
アなどの流体圧により上下動して座体３３を昇降する。

【００２６】上記吹込成形操作部ＩＩＩに隣位する離型
操作部ＩＶには、図面には省略したが、移送盤４及び型
置板１１に設けた挿入孔２０，２０に下側から嵌り込ん
で、型置板１１をリップ型１０と共に内外に開放する一
対のくさびを上向きに備えたエアシリンダまたは油圧シ
リンダなどによる離型装置が、下部基盤２を貫通して設
けてある。

【００２７】上記吹込コア挿入装置３２を吹込成形操作
部ＩＩＩに備えた回転式成形機では、移送盤４が停止の
状態にあって、穴部７，９が重なりあっているとき、下
部基盤２の下側の型締シリンダ２６により上記タイバ２
２と共にコア型２７を型閉方向に移動すると、コア型１
７は穴部７，９よりリップ型１０に達し、先端の型面が
リップ型１０内に嵌合するとともに、段部がリップ型１
０の上面に接して押圧する。

【００２８】これにより型置板１１が垂直軸１５と共に
ばね部材１９に抗して下方へ移動し、キャビティ型２８
の上面に接して、キャビティ２８とリップ型１０及びコ
ア型２７とが型閉じする。

【００２９】上記型閉じ後に型締力を加え、射出装置４
２から、キャビティに溶融樹脂を注入して、扁平なプリ
フォーム４３（図７鎖線参照）を成形したのち、型締シ
リンダ２６により型開を行って上記コア型２７を上昇さ
せると、型置板１１も垂直軸１５と共にばね圧により上
昇する。このときリップ型１０はコア型の段部と接した
まま移送盤４の下面に戻る。更にコア型２７は型置板１
１が移送盤下面に接したのち、リップ型１０から抜け出
して上部基盤３の上方の元の位置に戻る。この結果、図
３鎖線に示すように、リップ型１０にプリフォーム４３
が残る。

【００３０】上記プリフォーム４３は、そのままの状態
で、移送盤３の回転によりリップ型１０と共に温調操作
部ＩＩを経て吹込成形操作部ＩＩＩと移送される。吹込
成形操作部ＩＩＩでは、まず空気圧により座体昇降装置
３４が作動し、ガイド部材３２ａを案内として座体３３
を、吹込コア３８及ロッド挿入装置３５と共に降下す
る。これにより吹込コア３８が延伸ロッド３８ａと一緒
に、吹込金型３０の上部に位置するリップ型１０内とプ
リフォームの口部内にと挿入され、またリップ型１０は
吹込コア３８によって、上記コア型２７の場合と同じ
く、型置板１１と共にばね部材１９に抗して、型閉じさ
れた吹込型３１の上面に押圧される。

【００３１】次に上記ストッパー装置４１をエアにより
作動してストッパー部材４０をガイド部材側の嵌合凹部
３９に挿入する。これにより座体３３を上方に対してガ
イド部材３２ａに固定したら、ロッド挿入シリンダ３５
のエア作動と空気の吹込みとをほぼ同時に行って、プリ
フォームを図７に示す容器の成形品４４に延伸吹込成形
する。

【００３２】また成形機におけるリップ型１０の移送盤
下面の復帰は、型開き後の吹込コア３８の復帰に伴う上
記ばね部材１９のばね圧により自動的に行われ、その復
帰により容器もまたリップ型１０に開口部を保持された
状態にて移送盤側へ移される。そして容器は移送盤４の
回転によりリップ型１０に挟持された状態にて次の離型
操作部１１へと移送される。

【００３３】

【発明の効果】この発明は上述のように、吹込成形操作
部の上部に設けた縦方向のガイド部材と、そのガイド部
材に昇降自在に保持した吹込コアの座体と、座体側部に
並設したシリンダとピストンロッドとによる座体昇降装
置とから吹込コア挿入装置を構成し、上記座体の降下位
置に該座体を固定するためのストッパー装置を設けてな
ることから、座体昇降装置の空気圧により座体を降下位
置に押さえ付けて置く必要がない。

【００３４】したがって、座体昇降装置に供給する空気
圧は、座体を昇降する程度の量でよく、座体はガイド部
材を反力として吹込圧力を受けるので、成形品の取り数
を増したり、成形品を細口びんから広口びんに変更した
りなどして、そこに使用される吹込空気圧の総量が増
し、また吹込コアの受圧面積の増大などから、座体に吹
込空気圧が強く作用しても、座体が浮き上がってプリフ
ォーム口部と吹込コアとの気密性が損なわれるようなこ
とはない。

【００３５】また座体の固定は、座体とガイド部材とを
係止するだけでよく、その係止も座体両側に位置させた
ストッパー装置が備える外側部の進退自在なストッパー
部材と、座体降下位置のガイド部材に設けた係合凹部と
により容易に行い得るので、装置としても極めて簡単で
あり、コスト高となるようなこともない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明に係る吹込コア挿入装置を備えた回
転式成形機の平面図である。

【図２】 上部を縦断した回転式成形機の正面図であ
る。

【図３】 回転式成形機の射出成形操作部の部分縦断側
面図である。

【図４】 この発明の吹込コア挿入装置の正面図であ
る。

【図５】 吹込コア挿入装置の固定状態を示す一部縦断
部分正面図である。

【図６】 プリフォームを鎖線にて示す成形品の縦断面
図である。

【符号の説明】

１ 機台 ２ 下部基盤 ３ 上部基盤 ４ 移送盤 ３０ 吹込金型 ３２ 吹込コア挿入装置 ３２ａ ガイド部材 ３３ 座板 ３４ 座板昇降装置 ３５ ロッド挿入シリンダ ３６ 座板昇降装置のピストンロッド ３７ ロッド挿入シリンダのピストンロッド ３８ 吹込みコア ３８ａ 延伸ロッド ３９ 嵌合凹部 ４０ ストッパー部材 ４１ ストッパー装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくともプリフォームの射出成形操作
   部と吹込成形操作部の両方を備え、両成形操作部間にプ
   リフォーム及び成形品の保持型兼用のリップ型を一定間
   隔ごと有する移送手段を配設してなる射出吹込成形機の
   吹込コア挿入装置であって、 その吹込コア挿入装置は、吹込成形操作部の上部に設け
   た縦方向のガイド部材と、そのガイド部材に昇降自在に
   保持した吹込コアの座体と、座体側部に並設したシリン
   ダとピストンロッドとによる座体昇降装置とからなり、 上記座体の降下位置に該座体を固定するためのストッパ
   ー装置を設けてなることを特徴とする射出吹込成形機の
   吹込コア挿入装置。
2. 【請求項２】 上記ストッパー装置は座体とガイド部材
   との係合手段を具備する特許請求の範囲第１項記載の射
   出吹込成形機の吹込コア挿入装置。
3. 【請求項３】 上記ストッパー装置は座体両側に位置
   し、そのストッパー装置の外側部に進退自在なストッパ
   ー部材を備え、そのストッパー部材の嵌合溝を座体の降
   下位置のガイド部材に設けてなる特許請求の範囲第１項
   記載の射出吹込成形機の吹込コア挿入装置。