JPH06156289A - エネルギー吸収型ステアリング装置の中間連結機構 - Google Patents

エネルギー吸収型ステアリング装置の中間連結機構

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JPH06156289A
JPH06156289A JP32098792A JP32098792A JPH06156289A JP H06156289 A JPH06156289 A JP H06156289A JP 32098792 A JP32098792 A JP 32098792A JP 32098792 A JP32098792 A JP 32098792A JP H06156289 A JPH06156289 A JP H06156289A
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JP
Japan
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outer shaft
shaft
inner shaft
engaging
resin
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Application number
JP32098792A
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English (en)
Inventor
Satoshi Araki
聡 荒木
Seitaro Shibazaki
清太郎 柴崎
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Koyo Seiko Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 第1の態様においては、インナーシャフト1
2の抜け止め手段11d、12d、PSの対向路PSを
開放した状態で、インナーシャフト12とアウターシャ
フト11とを連結する樹脂部13を設ける。 【効果】 アウターシャフト11とインナーシャフト1
2とが互いに伸びる方向の衝撃を吸収することができ、
しかも、衝撃吸収後もステアリングホイール側の回転を
ステアリングギヤ側に伝達することができる。特に、ア
ウターシャフト11とインナーシャフト12との相対移
動の行程において、樹脂部13が係止部に係止すること
がないので、樹脂部13で連結されている時の上記手段
11d、12d、PSの係止部11dから係合部12d
迄の長さL全体をストローク長として利用することがで
きる。この結果、大きな衝撃吸収能力を発揮することが
できるという利点がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はエネルギー吸収型ステア
リング装置の中間連結機構に関し、より詳細には、アウ
ターシャフトとそれに挿入されるインナーシャフトとを
軸方向に相対変位させることにより衝撃的に加わる軸方
向のエネルギーを吸収できるエネルギー吸収型ステアリ
ング装置の中間連結機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両に加わった大きな衝撃を
吸収し、操縦者の安全を図るためのエネルギー吸収型ス
テアリング装置の中間連結機構の開発が進んでいる(例
えば実開昭63−104280号公報参照)。その構成
では、図8に示すように、アウターシャフト101と、
このアウターシャフト101内に嵌入されるインナーシ
ャフト102とを備えている。アウターシャフト101
の内周面及びインナーシャフト102の外周面には、セ
レーションが施されており、両者の円周方向の回転を規
制した状態でアウターシャフト101及びインナーシャ
フト102を軸方向に相対移動可能な状態に連結してい
る。このセレーションでの連結により、図外のステアリ
ングホイールの回転をステアリングギヤに伝達すること
ができると共に、軸方向に相対移動することができる。
【0003】さらにアウターシャフト101の所定箇所
には、孔101aが形成されていると共に、インナーシ
ャフト102の外周面には、上記孔101aに対向する
部位に周溝102aが形成されている。そして、上記孔
101aを介して樹脂を注入し、硬化させることによ
り、両シャフト101、102間のがたを防止すると共
に、所定値以上の衝撃が加わった場合には、上記孔10
1a側で硬化した樹脂と周溝102a側で硬化した樹脂
とが剪断することにより、両シャフト101、102の
相対移動を許容し、衝撃エネルギーを吸収するようにし
ている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】上記従来の構成におい
ては、専らアウターシャフト101とインナーシャフト
102とが縮む方向に衝撃を吸収することを意図してい
るものである。ところが、近年の車両の設計上、ステア
リング装置の装着姿勢によってはアウターシャフト10
1とインナーシャフト102とが互いに伸びる方向に衝
撃を受ける場合がある。そのような場合に上記構成のア
ウターシャフト101及びインナーシャフト102を採
用すると、アウターシャフト101からインナーシャフ
ト102が抜け出てしまい、ステアリングホイールの回
転をステアリングギヤに伝達することができなくなるこ
とが考えられる。
【0005】本発明は上記不具合に鑑みてなされたもの
であり、車両に加わった衝撃を吸収することができ、し
かも、衝撃吸収後もステアリングホイール側の回転をス
テアリングギヤ側に伝達可能なエネルギー吸収型ステア
リング装置の中間連結機構を提供することを目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の態様におけるエネルギー吸収型ステ
アリング装置の中間連結機構は、ステアリングホイール
側とステアリングギヤ側の何れか一方に連結されるアウ
ターシャフトと、ステアリングホイール側とステアリン
グギヤ側の何れか他方に連結され、アウターシャフトに
対して軸方向の変位のみが許容された状態で当該アウタ
ーシャフト内に挿入されるインナーシャフトと、アウタ
ーシャフトの途中部とインナーシャフトの途中部とを一
体的に連結し、且つ、しきい値以上の荷重がアウターシ
ャフトとインナーシャフトとを伸長する方向に作用した
場合に剪断する樹脂部と、アウターシャフトの開口部に
形成される係止部、係止部に長手方向で対向するように
インナーシャフトの挿入先端部に形成される係合部、及
び係合部と係止部の対向方向に沿って形成され、アウタ
ーシャフトとインナーシャフトの伸長時に係合部が係止
部に係止するのを許容する対向路を含み、衝撃吸収時に
アウターシャフトからインナーシャフトが抜け出るのを
阻止する抜け止め手段とを備え、上記樹脂部が上記抜け
止め手段の対向路を開放した状態で形成されていること
を特徴としている。
【0007】また、本発明の第2の態様におけるエネル
ギー吸収型ステアリング装置の中間連結機構は、ステア
リングホイール側とステアリングギヤ側の何れか一方に
連結されるアウターシャフトと、ステアリングホイール
側とステアリングギヤ側の何れか他方に連結され、アウ
ターシャフトに対して軸方向の変位のみが許容された状
態で当該アウターシャフト内に挿入されるインナーシャ
フトと、アウターシャフトの途中部とインナーシャフト
の途中部とを一体的に連結し、且つ、しきい値以上の荷
重がアウターシャフトとインナーシャフトとを伸長する
方向に作用した場合に剪断する樹脂部と、アウターシャ
フトの開口部に形成される係止部、及び係止部に長手方
向で対向するようにインナーシャフトの挿入先端部に形
成される係合部を含み、衝撃吸収時に係合部を係止部に
係止させることによりアウターシャフトからインナーシ
ャフトが抜け出るのを阻止する抜け止め手段とを備え、
上記抜け止め手段の係合部が、インナーシャフトの径方
向に出没可能な摺動子及び摺動子を径方向外方へ付勢す
る付勢部材で構成されていると共に、上記抜け止め手段
の係止部が、アウターシャフトの内径よりも外方で当該
摺動子の先端部を係止可能な部位に配設されていること
を特徴としている。
【0008】
【作用】上記構成からなるエネルギー吸収型ステアリン
グ装置の中間連結機構によれば、通常の使用時において
は、樹脂部がアウターシャフトとインナーシャフトとを
一体的に連結しているので、従来の構成と同様に両シャ
フト間にがたが生じるのを防止することができる。
【0009】次に、しきい値以上の荷重がアウターシャ
フトとインナーシャフトとを伸長する方向に作用する
と、両シャフトを連結している樹脂部が剪断し、両シャ
フトが伸長する方向に相対的に変位することによって、
衝撃が吸収される。そして、インナーシャフトの挿入先
端部がアウターシャフトの開口部に到達すると、抜け止
め手段の係合部が係止部に係止することにより、アウタ
ーシャフトからインナーシャフトが抜け出すのを防止す
ることができる。ここで、本発明の第1の態様において
は、樹脂部が抜け止め手段の対向路を開放しているの
で、アウターシャフトとインナーシャフトとの相対移動
の行程において、樹脂部が係止部に係止することがな
い。また、本発明の第2の態様においては、係止部がア
ウターシャフトの内径よりも外方で当該摺動子の先端部
を係止可能な部位に配設されているので、樹脂部は、係
止部の内径側を通過することになる結果、アウターシャ
フトとインナーシャフトとの相対移動の行程において、
樹脂部が係止部に係止することがない。
【0010】
【実施例】以下、添付図面を参照しつつ、本発明の好ま
しい実施例について詳述する。図1は本発明の一実施例
におけるエネルギー吸収型ステアリング装置の中間連結
機構の一部破断側面図であり、図2は、図1のエネルギ
ー吸収型ステアリング装置の中間連結機構の要部を示す
一部破断斜視図である。
【0011】これらの図を参照して、この中間連結機構
は、アウターシャフト11とインナーシャフト12とを
備えている。アウターシャフト11は、中空の金属製部
材であり、その一端部には、自在継手の一部を構成する
フォーク部11aが一体的に固定されていると共に、他
端部は開口部11bを構成している。そして、上記フォ
ーク部11aを介して図外のステアリングギヤ機構に連
結されている。
【0012】上記インナーシャフト12は、摺動部12
aと連結部12bとを備えており、摺動部12aが上記
アウターシャフト11内に挿入されていると共に、連結
部12bが、フレキシブルジョイントJ1、及び自在継
手J2を介して、図外のステアリングホイール機構に連
結されている。図2に示すように、上記インナーシャフ
ト12の摺動部12aの横断面は、アウターシャフト1
1の内周に略面接触状態で摺接する円弧面a1と、円弧
面a1上に形成され、一直径方向に対向して対をなし、
且つ長手方向に延びる一対の溝a2と、この一対の溝a
2の互いの対向方向に平行な一対の側面a3とにより区
画されている。
【0013】さらにインナーシャフト12の挿入端部1
2cには、各溝a2の底部から径方向外方に突出する係
合部としてのピン12dがそれぞれ一体的に形成されて
いる。他方、アウターシャフト11の横断面は、開口部
11b側が、側面a3と所定の隙間を隔てた状態で上記
インナーシャフト12の横断面に沿う絞り部11cが形
成されている。さらにアウターシャフト11の開口部1
1bには、インナーシャフト12の溝a2に係合する、
係止部としての一対のかしめ部11dが形成されてい
る。そして、上記溝a2及びアウターシャフト11の内
周面が、ピン12dとかしめ部11dの対向する位置で
且つ長手方向に沿って形成され、アウターシャフト11
とインナーシャフト12の伸長時にピン12dがかしめ
部11dに係止するのを許容する対向路PSを構成して
いる。そして、これらピン12d、かしめ部11d、及
び対向路PSが、衝撃吸収時に係合部を係止部に係止さ
せることによりアウターシャフトからインナーシャフト
が抜け出るのを阻止する抜け止め手段を構成している。
【0014】上記アウターシャフト11の絞り部11c
には、図において略水平に開口する二対の孔11eが形
成されていると共に、上記インナーシャフト12の、図
に示す装着時において上記二対の孔11eと対向する部
位には、挿通孔12eが穿設されている。そして、アウ
ターシャフト11の孔11eから樹脂を注入し、硬化さ
せることにより、アウターシャフト11の途中部とイン
ナーシャフト12の途中部とを一体的に連結し、且つ、
しきい値以上の荷重がアウターシャフト11とインナー
シャフト12とを伸長する方向に作用した場合に剪断す
る樹脂部13が構成される。
【0015】ここで本実施例における樹脂部13は、専
ら側面a3の部分のみに鋳込まれることにより、上記抜
け止め手段の対向路PSを開放した状態で形成されてい
る。次に本実施例の作用について説明する。先ず、通常
の使用時においては、樹脂部13がアウターシャフト1
1とインナーシャフト12とを一体的に連結しているの
で、従来の構成と同様に両シャフト11、12間にがた
が生じるのを防止することができる。特に本実施例にお
いては、一直径と平行な一対の側面a3を有するインナ
ーシャフト12と、このインナーシャフト12の横断面
形状に概ね沿う内径形状に絞られた絞り部11cを有す
るアウターシャフト11とを採用し、上記絞り部11c
部分を樹脂部13で連結しているので、相当大きな円周
方向の捩じり力が両シャフト11、12に作用した場合
であっても、樹脂部13が剪断することがないという利
点がある。
【0016】次に、しきい値以上の荷重がアウターシャ
フト11とインナーシャフト12とを伸長する方向に作
用すると、両シャフト11、12を連結している樹脂部
13が剪断し、両シャフト11、12が伸長する方向に
相対的に変位することによって、衝撃が吸収される。そ
して、インナーシャフト12の挿入先端部12cがアウ
ターシャフト11の開口部11bに到達すると、抜け止
め手段のピン12dがかしめ部11dに係止することに
より、アウターシャフト11からインナーシャフト12
が抜け出すのを防止することができる。従って本実施例
によれば、アウターシャフト11とインナーシャフト1
2とが互いに伸びる方向の衝撃を吸収することができ、
しかも、衝撃吸収後もステアリングホイール側の回転を
ステアリングギヤ側に伝達することができる。
【0017】さらに本実施例においては、樹脂部13が
抜け止め手段の対向路PSを開放しているので、アウタ
ーシャフト11とインナーシャフト12との相対移動の
行程において、樹脂部13がかしめ部11dに係止する
ことがない。従って、樹脂部13で連結されている時の
アウターシャフト11のかしめ部11dからインナーシ
ャフト12のピン12d迄の長さL全体をストローク長
として利用することができる結果、大きな衝撃吸収能力
を発揮することができるという利点がある。
【0018】次に図3及び図4に示す別の実施例につい
て説明する。図3は、本発明の別の実施例におけるエネ
ルギー吸収型ステアリング装置の中間連結機構の一部破
断側面図であり、図4は、図3のエネルギー吸収型ステ
アリング装置の中間連結機構の要部を示す一部破断斜視
図である。これらの図を参照して、この中間連結機構
は、上記ピン12dを、摺動子d1及び摺動子d1を付
勢する圧縮コイルばねd2とで構成している。
【0019】図4を参照して、より詳細に説明すると、
インナーシャフト12の挿入先端部12cには、一直径
方向に延びる挿通孔14が穿設されていると共に、この
孔内に一対の摺動子d1が径方向に出没自在に装着され
ている。一方の摺動子d1と他方の摺動子d1の間には
上記圧縮コイルばねd2が縮設されており、両摺動子d
1を径方向外方に付勢している。
【0020】さらに、アウターシャフト11の開口部1
1bには、上記摺動子d1の先端部が嵌入可能な凹部1
1fが形成されていると共に、この凹部11fの開放端
側には、当該凹部11fを覆うリング部材15のかしめ
部15aが嵌入している。そして、リング部材15は、
溶接その他の手段によりアウターシャフト11に固定さ
れているので、上記摺動子d1の先端部が凹部11fに
嵌入した際にアウターシャフト11の内径よりも外方で
当該摺動子d1の先端部を係止可能な係止部を構成して
いる。
【0021】図3及び図4の実施例によれば、通常の運
転時、及び衝撃吸収時においては、上記図1の実施例と
同様の作用効果を奏することができる。また、図3及び
図4の実施例においては、かしめ部15aがアウターシ
ャフト11の内径よりも外方で当該摺動子d1の先端部
を係止可能な部位に配設されているので、樹脂部13
は、両シャフト11、12の伸長時にかしめ部15aの
内径側を通過することになる。この結果、アウターシャ
フト11とインナーシャフト12との相対移動の行程に
おいて、樹脂部13がかしめ部15aに係止することが
ない。従って図3及び図4の実施例においても、樹脂部
13で連結されている時のアウターシャフト11の凹部
11fからインナーシャフト12の摺動子d1迄の長さ
L全体をストローク長として利用することができる結
果、大きな衝撃吸収能力を発揮することができるという
利点がある。
【0022】また、樹脂部13をかしめ部15aの内径
側を通過させることができるので、図4に示すように、
インナーシャフト12の外周に、アウターシャフト11
の孔11eと対向する周溝11gを設け、インナーシャ
フト11の全周にわたって樹脂部13を構成することも
可能になる。次に図5以下に示すさらに別の実施例につ
いて説明する。
【0023】図5は、本発明のさらに別の実施例におけ
るエネルギー吸収型ステアリング装置の中間連結機構の
一部破断側面図であり、図6は、図4のVI−VI矢視
断面図であり、図7は、図5のエネルギー吸収型ステア
リング装置の中間連結機構の要部を示す一部破断斜視図
である。これらの図を参照して、この中間連結機構は、
アウターシャフト21と、このアウターシャフト21内
に挿入されるインナーシャフト22とを備えている。
【0024】図7を参照して、より詳細に説明すると、
このアウターシャフト21は、一端部にフレキシブルジ
ョイントJ1、及び自在継手J2を介して、図外のステ
アリングホイール機構に連結される連結部21aを備え
ていると共に、他端部がインナーシャフト22を挿通さ
せる開口部21bを構成している。上記インナーシャフ
ト22は、一端部が自在継手の一部を構成するフォーク
部11aが一体的に固定される摺動部22aと、摺動部
22aの外周を覆うべく一端に開口部23bを有する覆
い部23とを備えている。そして、上記フォーク部11
aを介して図外のステアリングギヤ機構に連結されてい
る。
【0025】図6及び図7に示すように、上記摺動部2
2aには、長手方向に延びる溝22cが形成されてい
る。当該溝22cの、摺動部挿入端部側の終端には、係
合部としての肩部22fが形成されている。他方、覆い
部23の開口部23bには、摺動部22aの溝22cに
係合する係止部としてのかしめ部23dが形成されてい
る。このかしめ部23dを溝22cに係合させることに
より、摺動部22aと覆い部23とは、互いに長手方向
にのみ相対変位可能なインナーシャフト22を構成して
いると共に、衝撃吸収時に係合部を係止部に係止させる
ことにより摺動部22aが覆い部23から抜け出るのを
阻止する抜け止め手段を構成している。
【0026】上記覆い部23の外周には、直径方向にお
いて上記かしめ部23dと対向する溝a2が形成されて
いる。そして、この溝a2の終端には、係合部としての
肩部22dが区画されている。他方、アウターシャフト
21の開口部21bには、覆い部23の上記溝a2に係
合する、係止部としてのかしめ部21dが形成されてい
る。そして、上記覆い部23の溝a2、及びアウターシ
ャフト21の内周面が、肩部22dとかしめ部21dの
対向方向に沿って形成され、アウターシャフト21とイ
ンナーシャフト22の伸長時に肩部22dがかしめ部2
1dに係止するのを許容する対向路PSを構成している
と共に、肩部22d、かしめ部21d、及び対向路PS
が、衝撃吸収時に係合部を係止部に係止させることによ
りアウターシャフト21からインナーシャフト22が抜
け出るのを阻止する抜け止め手段を構成している。
【0027】さらに、アウターシャフト21は、その開
口部21b側が、上記覆い部23の外形に沿う内径形状
に絞られた絞り部21cを備えている。そして、この絞
り部21cには、図において略上下に開口する二対の孔
21e(図5、図6参照)が形成されており、インナー
シャフト22を構成する摺動部22a及び覆い部23に
は、それぞれ、上記インナーシャフト22の、図に示す
装着時において上記二対の孔21eと対向する挿通孔2
2e、23e(図5、図6参照)が穿設されている。
【0028】そして、アウターシャフト21の孔21e
から樹脂を注入し、硬化させることにより、アウターシ
ャフト21の途中部とインナーシャフト22の途中部と
を一体的に連結し、且つ、しきい値以上の荷重がアウタ
ーシャフト21とインナーシャフト22とを伸長する方
向に作用した場合に剪断する樹脂部33が構成される。
さらにこの樹脂部33は、インナーシャフト22の摺動
部22aと覆い部23とを連結する連結部を兼ねてい
る。ここで、本実施例においては、連結部による摺動部
22a・覆い部23間の剪断力が、アウターシャフト2
1・インナーシャフト22間の剪断力よりも強くなるよ
うに設定されている。
【0029】そして、本実施例における樹脂部33も、
図6に示すように上記抜け止め手段の対向路PSを開放
した状態で形成されていると共に、溝22cをも開放し
ている。次に本実施例の作用について説明する。先ず、
通常の使用時においては、樹脂部33がアウターシャフ
ト21とインナーシャフト22及びインナーシャフト2
2を構成する摺動部22aと覆い部23とを一体的に連
結しているので、従来の構成と同様に両シャフト21、
22間にがたが生じるのを防止することができる。
【0030】次にしきい値以上の荷重がアウターシャフ
ト21とインナーシャフト22とを伸長する方向に作用
すると、最初に両シャフト21、22を連結している樹
脂部33が剪断し、両シャフト21、22が伸長する方
向に相対的に変位することによって、衝撃が吸収され
る。この時、摺動部22a・覆い部23間の剪断力が、
アウターシャフト21・インナーシャフト22間の剪断
力よりも強くなるように設定されているため、摺動部2
2aと覆い部23とは、一体物としてアウターシャフト
21に対し相対的に変位する。そして、覆い部23の溝
a2により区画される肩部22dがかしめ部21dに係
止することにより、アウターシャフト21からインナー
シャフト22が抜け出すのを防止することができる。従
って本実施例においても、アウターシャフト21とイン
ナーシャフト22とが互いに伸びる方向の衝撃を吸収す
ることができ、しかも、衝撃吸収後もステアリングホイ
ール側の回転をステアリングギヤ側に伝達することがで
きる。
【0031】次に衝撃が上記動作で充分に吸収されなか
った場合には、摺動部22aと覆い部23とを連結する
連結部(樹脂部33)が剪断することにより、摺動部2
2aが覆い部23に対し相対的に伸長する方向に変位
し、摺動部22aの溝22cにより区画される肩部22
fが覆い部23のかしめ部23dに係止するに至る。そ
して、この相対変位により、さらなる衝撃吸収を奏する
ことができると共に、衝撃吸収後もステアリングホイー
ル側の回転をステアリングギヤ側に伝達することができ
る。
【0032】ここで本実施例においては、樹脂部33が
抜け止め手段の対向路PS及び上記溝22cを開放して
いるので、アウターシャフト21とインナーシャフト2
2との相対移動の行程、及びインナーシャフト22を構
成する摺動部22aと覆い部23との相対移動の行程に
おいて、樹脂部33がかしめ部21dやかしめ部23d
に係止することがない。従って、樹脂部33で連結され
ている時のアウターシャフト21のかしめ部21dから
覆い部23の肩部22d迄の長さL1及び摺動部22a
の肩部22fからかしめ部23d迄の長さL2をストロ
ーク長として利用することができる結果、一層大きな衝
撃吸収能力を発揮することができるという利点がある。
【0033】なお上述した実施例は、何れも本発明の好
ましい具体例を例示したものに過ぎず、本発明が上記実
施例に限定されないことは云うまでもない。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明のエネルギー
吸収型ステアリング装置の中間連結機構によれば、樹脂
部が剪断すると共に、アウターシャフトとインナーシャ
フトとが互いに伸長する方向に相対変位することによ
り、衝撃を吸収することができる。しかも、抜け止め手
段の係合部が係止部に係止することにより、アウターシ
ャフトからインナーシャフトが抜け出すのを防止するこ
とができる。従って本発明によれば、アウターシャフト
とインナーシャフトとが互いに伸びる方向の衝撃を吸収
することができ、しかも、衝撃吸収後もステアリングホ
イール側の回転をステアリングギヤ側に伝達することが
できるという顕著な効果を奏する。
【0035】特に本発明においては、アウターシャフト
とインナーシャフトとの相対移動の行程において、樹脂
部が係止部に係止することがないので、樹脂部で連結さ
れている時のアウターシャフトの係止部からインナーシ
ャフトの係合部迄の長さ全体をストローク長として利用
することができる結果、大きな衝撃吸収能力を発揮する
ことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるエネルギー吸収型ス
テアリング装置の中間連結機構の一部破断側面図であ
る。
【図2】図1のエネルギー吸収型ステアリング装置の中
間連結機構の要部を示す一部破断斜視図である。
【図3】本発明の別の実施例におけるエネルギー吸収型
ステアリング装置の中間連結機構の一部破断側面図であ
る。
【図4】図3のエネルギー吸収型ステアリング装置の中
間連結機構の要部を示す一部破断斜視図である。
【図5】本発明のさらに別の実施例におけるエネルギー
吸収型ステアリング装置の中間連結機構の一部破断側面
図である。
【図6】図4のVI−VI矢視断面図である。
【図7】図5のエネルギー吸収型ステアリング装置の中
間連結機構の要部を示す一部破断斜視図である。
【図8】従来のエネルギー吸収型ステアリング装置の中
間連結機構の要部を示す一部破断側面図である。
【符号の説明】
11 アウターシャフト 11d かしめ部(係止部) 11f 凹部(係止部) 12 インナーシャフト 12d ピン(係合部) 13 樹脂部 15a かしめ部(係止部) 21 アウターシャフト 22 インナーシャフト 33 樹脂部 d1 摺動子 d2 圧縮コイルばね(付勢部材) PS 対向路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステアリングホイール側とステアリングギ
    ヤ側の何れか一方に連結されるアウターシャフトと、 ステアリングホイール側とステアリングギヤ側の何れか
    他方に連結され、アウターシャフトに対して軸方向の変
    位のみが許容された状態で当該アウターシャフト内に挿
    入されるインナーシャフトと、 アウターシャフトの途中部とインナーシャフトの途中部
    とを一体的に連結し、且つ、しきい値以上の荷重がアウ
    ターシャフトとインナーシャフトとを伸長する方向に作
    用した場合に剪断する樹脂部と、 アウターシャフトの開口部に形成される係止部、係止部
    に長手方向で対向するようにインナーシャフトの挿入先
    端部に形成される係合部、及び係合部と係止部の対向方
    向に沿って形成され、アウターシャフトとインナーシャ
    フトの伸長時に係合部が係止部に係止するのを許容する
    対向路を含み、衝撃吸収時にアウターシャフトからイン
    ナーシャフトが抜け出るのを阻止する抜け止め手段とを
    備え、上記樹脂部が上記抜け止め手段の対向路を開放し
    た状態で形成されていることを特徴とするエネルギー吸
    収型ステアリング装置の中間連結機構。
  2. 【請求項2】ステアリングホイール側とステアリングギ
    ヤ側の何れか一方に連結されるアウターシャフトと、 ステアリングホイール側とステアリングギヤ側の何れか
    他方に連結され、アウターシャフトに対して軸方向の変
    位のみが許容された状態で当該アウターシャフト内に挿
    入されるインナーシャフトと、 アウターシャフトの途中部とインナーシャフトの途中部
    とを一体的に連結し、且つ、しきい値以上の荷重がアウ
    ターシャフトとインナーシャフトとを伸長する方向に作
    用した場合に剪断する樹脂部と、 アウターシャフトの開口部に形成される係止部、及び係
    止部に長手方向で対向するようにインナーシャフトの挿
    入先端部に形成される係合部を含み、衝撃吸収時に係合
    部を係止部に係止させることによりアウターシャフトか
    らインナーシャフトが抜け出るのを阻止する抜け止め手
    段とを備え、上記抜け止め手段の係合部が、インナーシ
    ャフトの径方向に出没可能な摺動子及び摺動子を径方向
    外方へ付勢する付勢部材で構成されていると共に、上記
    抜け止め手段の係止部が、アウターシャフトの内径より
    も外方で当該摺動子の先端部を係止可能な部位に配設さ
    れていることを特徴とするエネルギー吸収型ステアリン
    グ装置の中間連結機構。
JP32098792A 1992-11-30 1992-11-30 エネルギー吸収型ステアリング装置の中間連結機構 Pending JPH06156289A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5685565A (en) * 1995-02-08 1997-11-11 Lemforder Metallwaren Ag Collapsible intermediate steering shaft
KR20020074654A (ko) * 2001-03-21 2002-10-04 한국델파이주식회사 차량용 조향축

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