JPH06156000A - 油絵用張キャンバスの絵具乾燥遅延防止方法 - Google Patents
油絵用張キャンバスの絵具乾燥遅延防止方法Info
- Publication number
- JPH06156000A JPH06156000A JP7191292A JP7191292A JPH06156000A JP H06156000 A JPH06156000 A JP H06156000A JP 7191292 A JP7191292 A JP 7191292A JP 7191292 A JP7191292 A JP 7191292A JP H06156000 A JPH06156000 A JP H06156000A
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- JP
- Japan
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- canvas
- synthetic resin
- resin film
- stretched
- drying
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Abstract
(57)【要約】
【目的】油絵用張キャンバスの木枠材中に含まれる絵具
乾燥遅延物質がキャンバス表面に移行すると、描画した
油絵具の乾燥を遅延させる。張キャンバスを複数個積重
ねて保管する際には、1つの張キャンバスの木枠裏面が
それと隣り合うもう1つの張キャンバスの表面に接触す
ることにより、木枠中の絵具乾燥遅延物質が張キャンバ
ス表面に移行してしまうので、これを防止する方法を提
供する。 【構成】フェノール系またはリン系安定剤を含有しない
合成樹脂フィルムを張キャンバスの表面に張設する。か
ような張キャンバスを複数個積重ねた場合には、木枠裏
面とキャンバス表面との間に合成樹脂フィルムのバリヤ
層が介在することになり、木枠中の絵具乾燥遅延物質の
移行を効果的に遮断できる。合成樹脂フィルムは、水蒸
気透過性や、手で破り取れる破断性を備えることが望ま
しい。
乾燥遅延物質がキャンバス表面に移行すると、描画した
油絵具の乾燥を遅延させる。張キャンバスを複数個積重
ねて保管する際には、1つの張キャンバスの木枠裏面が
それと隣り合うもう1つの張キャンバスの表面に接触す
ることにより、木枠中の絵具乾燥遅延物質が張キャンバ
ス表面に移行してしまうので、これを防止する方法を提
供する。 【構成】フェノール系またはリン系安定剤を含有しない
合成樹脂フィルムを張キャンバスの表面に張設する。か
ような張キャンバスを複数個積重ねた場合には、木枠裏
面とキャンバス表面との間に合成樹脂フィルムのバリヤ
層が介在することになり、木枠中の絵具乾燥遅延物質の
移行を効果的に遮断できる。合成樹脂フィルムは、水蒸
気透過性や、手で破り取れる破断性を備えることが望ま
しい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、油絵用画布すなわち
キャンバスを木枠外周面に釘付けして展張したいわゆる
張キャンバスの表面(描画面)に、木枠材に含まれてい
る絵具乾燥遅延物質が移行して、張キャンバス表面に描
画した絵具の乾燥を遅延させる現象を防止する方法に関
するものである。
キャンバスを木枠外周面に釘付けして展張したいわゆる
張キャンバスの表面(描画面)に、木枠材に含まれてい
る絵具乾燥遅延物質が移行して、張キャンバス表面に描
画した絵具の乾燥を遅延させる現象を防止する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】油絵用画布すなわちキャンバスは、麻布
やビニロン等の織布の表面に、ニカワ及びポリビニルア
ルコール水溶液を塗布、乾燥して乾燥膜を形成せしめた
後、亜麻仁油、テルペン油、ポピー油またはこれらを混
合した乾性油とチタンホワイトまたは亜鉛華等を練り合
わせた塗料を前記乾燥膜の上にさらに塗布、乾燥するこ
とによって製作される。図4は、かようなキャンバスを
木枠に展張した張キャンバスの構造を示しており、キャ
ンバス1を、所定の絵画号数の寸法に枠組みしたウエス
タンレッドシーダー等の針葉樹からなる木枠2に展張し
た後、キャンバス端縁を木枠角部に沿って折返し、木枠
外周面に金属製の釘3を用いて固定することによって張
キャンバスが製作される。
やビニロン等の織布の表面に、ニカワ及びポリビニルア
ルコール水溶液を塗布、乾燥して乾燥膜を形成せしめた
後、亜麻仁油、テルペン油、ポピー油またはこれらを混
合した乾性油とチタンホワイトまたは亜鉛華等を練り合
わせた塗料を前記乾燥膜の上にさらに塗布、乾燥するこ
とによって製作される。図4は、かようなキャンバスを
木枠に展張した張キャンバスの構造を示しており、キャ
ンバス1を、所定の絵画号数の寸法に枠組みしたウエス
タンレッドシーダー等の針葉樹からなる木枠2に展張し
た後、キャンバス端縁を木枠角部に沿って折返し、木枠
外周面に金属製の釘3を用いて固定することによって張
キャンバスが製作される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの張キャンバス
は、輸送中または保管中に図5に示したように積み重ね
て梱包されたり、さらには画材小売店においても積み重
ねたり、互いに隣接・密着した状態で立て掛けて陳列さ
れており、このような状態では、1つの張キャンバスの
木枠2裏面とそれと隣り合う張キャンバス1の表面とが
直接接触することになる。
は、輸送中または保管中に図5に示したように積み重ね
て梱包されたり、さらには画材小売店においても積み重
ねたり、互いに隣接・密着した状態で立て掛けて陳列さ
れており、このような状態では、1つの張キャンバスの
木枠2裏面とそれと隣り合う張キャンバス1の表面とが
直接接触することになる。
【0004】本発明者らは、上記のように隣接する張キ
ャンバスの木枠裏面が直接接触したキャンバス表面に
は、木枠材中に含まれる水酸基を有するフェノール系物
質が移行し、この物質は絵具の乾燥を遅延させる性質が
あるため、この物質が移行したキャンバス表面に絵具で
描画すると、絵具の乾燥が極端に遅延することをつきと
めた。
ャンバスの木枠裏面が直接接触したキャンバス表面に
は、木枠材中に含まれる水酸基を有するフェノール系物
質が移行し、この物質は絵具の乾燥を遅延させる性質が
あるため、この物質が移行したキャンバス表面に絵具で
描画すると、絵具の乾燥が極端に遅延することをつきと
めた。
【0005】本発明者らが行った実験結果によってこの
点をさらに詳述する。図6は、キャンバス表面に木枠材
を接触せしめ、その接触部分に絵具の中でも比較的乾燥
の速いとされているパーマネントホワイトを塗布し、そ
の乾燥までに要した日数を測定したものである。比較対
照として、木枠材に代えてプラスチック板(ポリカーボ
ネート製)を接触せしめたキャンバス表面を用いて同様
に試験した。なお、絵具の乾燥状態の測定は以下のよう
にして行った。塗布面積および塗布量を一定にしたキャ
ンバス表面の絵具を所定日数乾燥させた後に、一定荷重
のガラス板で絵具を圧着したときのキャンバス表面上で
の絵具の圧着拡散面積を測定し、塗布直後の絵具の圧着
拡散面積に対する割合を拡散面積率(%)として表わし
た。第1図からわかるように、木枠材を接触させたキャ
ンバス表面では絵具の乾燥が遅延する現象が認められ
る。
点をさらに詳述する。図6は、キャンバス表面に木枠材
を接触せしめ、その接触部分に絵具の中でも比較的乾燥
の速いとされているパーマネントホワイトを塗布し、そ
の乾燥までに要した日数を測定したものである。比較対
照として、木枠材に代えてプラスチック板(ポリカーボ
ネート製)を接触せしめたキャンバス表面を用いて同様
に試験した。なお、絵具の乾燥状態の測定は以下のよう
にして行った。塗布面積および塗布量を一定にしたキャ
ンバス表面の絵具を所定日数乾燥させた後に、一定荷重
のガラス板で絵具を圧着したときのキャンバス表面上で
の絵具の圧着拡散面積を測定し、塗布直後の絵具の圧着
拡散面積に対する割合を拡散面積率(%)として表わし
た。第1図からわかるように、木枠材を接触させたキャ
ンバス表面では絵具の乾燥が遅延する現象が認められ
る。
【0006】図7は、エタノール・ベンゼン抽出剤を用
いて木枠材から抽出した水酸基を有するフェノール系物
質を絵具に混入してキャンバス表面に塗布し、その乾燥
の進み具合を観察測定したものである。第2図から、木
枠材抽出物を多量に混入した絵具ほど乾燥が遅延するこ
と、従ってこの木枠材抽出物が絵具の乾燥遅延物質とし
て作用していることがわかる。
いて木枠材から抽出した水酸基を有するフェノール系物
質を絵具に混入してキャンバス表面に塗布し、その乾燥
の進み具合を観察測定したものである。第2図から、木
枠材抽出物を多量に混入した絵具ほど乾燥が遅延するこ
と、従ってこの木枠材抽出物が絵具の乾燥遅延物質とし
て作用していることがわかる。
【0007】図8は、1カ月堆積した後のベイスギ角材
の心材部および辺材部から製作した木枠材およびプラス
チック板を用いて、図6の結果を得たのと同様な試験を
行った結果である。このグラフからわかるように、辺材
部よりも心材部から作製した木枠の方が絵具乾燥遅延物
質を多量に含有していることが認められる。
の心材部および辺材部から製作した木枠材およびプラス
チック板を用いて、図6の結果を得たのと同様な試験を
行った結果である。このグラフからわかるように、辺材
部よりも心材部から作製した木枠の方が絵具乾燥遅延物
質を多量に含有していることが認められる。
【0008】以上の実験結果から、張キャンバスに用い
る木枠材としては、絵具乾燥遅延物質を抽出除去したも
のが好ましことがわかるが、木枠材から特定成分を抽出
除去することは経済的、技術的に困難であるばかりか、
かような成分は木枠材の耐久性や物性を保持するために
不可欠な成分ともなっている。また、木枠材としては心
材部分を用いずに辺材部分を用いればよいが、木材工業
における経済性および我国における木材材料確保という
見地から、心材部分を除外して辺材部分のみを張キャン
バスの木枠材として用いることは実際上不可能である。
る木枠材としては、絵具乾燥遅延物質を抽出除去したも
のが好ましことがわかるが、木枠材から特定成分を抽出
除去することは経済的、技術的に困難であるばかりか、
かような成分は木枠材の耐久性や物性を保持するために
不可欠な成分ともなっている。また、木枠材としては心
材部分を用いずに辺材部分を用いればよいが、木材工業
における経済性および我国における木材材料確保という
見地から、心材部分を除外して辺材部分のみを張キャン
バスの木枠材として用いることは実際上不可能である。
【0009】そこでこの発明は、張キャンバスの木枠材
として特定の木材を使用せずとも、1つの張キャンバス
の木枠裏面がそれと隣り合うもう1つの張キャンバスの
表面に直接接触しないようにして、木枠中に含まれる絵
具乾燥遅延物質が張キャンバス表面に移行するのを防止
する方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。
として特定の木材を使用せずとも、1つの張キャンバス
の木枠裏面がそれと隣り合うもう1つの張キャンバスの
表面に直接接触しないようにして、木枠中に含まれる絵
具乾燥遅延物質が張キャンバス表面に移行するのを防止
する方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、油
絵用キャンバスを木枠に展張させた油絵用張キャンバス
の表面に、フェノール系またはリン系安定剤を含有しな
い合成樹脂フィルムを張設することを特徴とする油絵用
張キャンバスの絵具乾燥遅延防止方法である。
絵用キャンバスを木枠に展張させた油絵用張キャンバス
の表面に、フェノール系またはリン系安定剤を含有しな
い合成樹脂フィルムを張設することを特徴とする油絵用
張キャンバスの絵具乾燥遅延防止方法である。
【0011】
【作用】張キャンバスを多数積重ねても、1つの張キャ
ンバスの木枠裏面とそれと隣り合う張キャンバスの表面
との間に合成樹脂フィルムが介在するため、この合成樹
脂フィルムがバリヤ膜として作用し、木枠材中の絵具乾
燥遅延物質がキャンバス表面へ移行するのを確実に防止
することができる。
ンバスの木枠裏面とそれと隣り合う張キャンバスの表面
との間に合成樹脂フィルムが介在するため、この合成樹
脂フィルムがバリヤ膜として作用し、木枠材中の絵具乾
燥遅延物質がキャンバス表面へ移行するのを確実に防止
することができる。
【0012】合成樹脂フィルム中に酸化防止剤や熱安定
剤としてフェノール系またはリン系安定剤が含有されて
いると、滑剤とともにフィルム表面に析出(ブリートア
ウト)し、これがキャンバス表面に移行すると、木枠材
中の絵具乾燥遅延物質と同じ様に絵具の乾燥を阻害す
る。そのため、この発明に使用する合成樹脂フィルムは
フェノール系またはリン系安定剤を含有していなことが
不可欠である。
剤としてフェノール系またはリン系安定剤が含有されて
いると、滑剤とともにフィルム表面に析出(ブリートア
ウト)し、これがキャンバス表面に移行すると、木枠材
中の絵具乾燥遅延物質と同じ様に絵具の乾燥を阻害す
る。そのため、この発明に使用する合成樹脂フィルムは
フェノール系またはリン系安定剤を含有していなことが
不可欠である。
【0013】
【実施例】図1はこの発明方法の実施態様を説明するも
のであって、図4に示したような張キャンバス1の表面
に合成樹脂フィルム4を張設した状態を示している。合
成樹脂フィルム4の端縁は、図2からわかるように、キ
ャンバス1を木枠2に固定しているのと同じ釘3によっ
て木枠外周面に固定されている。
のであって、図4に示したような張キャンバス1の表面
に合成樹脂フィルム4を張設した状態を示している。合
成樹脂フィルム4の端縁は、図2からわかるように、キ
ャンバス1を木枠2に固定しているのと同じ釘3によっ
て木枠外周面に固定されている。
【0014】この発明に使用する合成樹脂フィルムは、
水蒸気透過性を備えた多孔性フィルムであることが望ま
しい。すなわち、キャンバスはニカワ、ポリビニルアル
コール等の親水性物質を塗布した麻布等によって作られ
ているため、キャンバスの湿度変化は大きく、また湿
度、温度等の外気条件の変化に対応するよう吸湿性、放
湿性を有している。従って、こうした性質を備えたキャ
ンバス表面に合成樹脂フィルムを密着させた場合、気温
の変化などによって合成樹脂フィルム裏面とキャンバス
表面との間に結露現象が発生し、純白に仕上げられたキ
ャンバス表面にシミやカビによる汚損が発生する原因と
なる。そのため、合成樹脂フィルムを多孔性にして水蒸
気透過性をもたせることによって結露現象の発生を防止
することができる。
水蒸気透過性を備えた多孔性フィルムであることが望ま
しい。すなわち、キャンバスはニカワ、ポリビニルアル
コール等の親水性物質を塗布した麻布等によって作られ
ているため、キャンバスの湿度変化は大きく、また湿
度、温度等の外気条件の変化に対応するよう吸湿性、放
湿性を有している。従って、こうした性質を備えたキャ
ンバス表面に合成樹脂フィルムを密着させた場合、気温
の変化などによって合成樹脂フィルム裏面とキャンバス
表面との間に結露現象が発生し、純白に仕上げられたキ
ャンバス表面にシミやカビによる汚損が発生する原因と
なる。そのため、合成樹脂フィルムを多孔性にして水蒸
気透過性をもたせることによって結露現象の発生を防止
することができる。
【0015】なお、キャンバスの中にはビニロン糸を用
いて織られ、ポリビニルアルコールによって下地仕上げ
されたものもあるが、このようなキャンバスにおいては
キャンバス自体が水蒸気透過性を備えているため、水蒸
気透過性を備えていない合成樹脂フィルムでも使用でき
る。
いて織られ、ポリビニルアルコールによって下地仕上げ
されたものもあるが、このようなキャンバスにおいては
キャンバス自体が水蒸気透過性を備えているため、水蒸
気透過性を備えていない合成樹脂フィルムでも使用でき
る。
【0016】この発明方法に従って合成樹脂フィルムを
張設した張キャンバスを使用するに際しては、描画の前
に合成樹脂フィルムを除去しなければならない。フィル
ムを除去する際には、ハサミやナイフ等の道具を使用し
なくても手で容易に破り取ることができるように、合成
樹脂フィルム自体が適度の破断性を備えていることが望
ましい。図3は、キャンバス表面に張設した合成樹脂フ
ィルムを手で簡単に破り取る際の好ましい状態を示して
おり、キャンバス1と合成樹脂フィルム4とを木枠外周
面に打付け固定している釘3を抜かなくても、合成樹脂
フィルム4の釘穴4aが容易に拡大して合成樹脂フィル
ム4のみを破り取れるようにしてある。
張設した張キャンバスを使用するに際しては、描画の前
に合成樹脂フィルムを除去しなければならない。フィル
ムを除去する際には、ハサミやナイフ等の道具を使用し
なくても手で容易に破り取ることができるように、合成
樹脂フィルム自体が適度の破断性を備えていることが望
ましい。図3は、キャンバス表面に張設した合成樹脂フ
ィルムを手で簡単に破り取る際の好ましい状態を示して
おり、キャンバス1と合成樹脂フィルム4とを木枠外周
面に打付け固定している釘3を抜かなくても、合成樹脂
フィルム4の釘穴4aが容易に拡大して合成樹脂フィル
ム4のみを破り取れるようにしてある。
【0017】このような適度の破断性を備えた合成樹脂
フィルムとしては、例えば、低密度ポリエチレン(密度
0.91〜0.93、 MFR 1〜3)100重量部
に対して、高密度ポリエチレン(密度0.94〜0.9
6、 MFR 0.04〜0.06)を40〜70重量
部、好ましくは50〜70重量部を混合した混合物を、
厚さ0.02〜0.04mmのフィルムに仕上げ、その
引張強さを縦180〜240Kgf/cm2 、横180
〜240Kgf/cm2 において伸率100〜15%の
物性を有するものが、好ましく使用できる。
フィルムとしては、例えば、低密度ポリエチレン(密度
0.91〜0.93、 MFR 1〜3)100重量部
に対して、高密度ポリエチレン(密度0.94〜0.9
6、 MFR 0.04〜0.06)を40〜70重量
部、好ましくは50〜70重量部を混合した混合物を、
厚さ0.02〜0.04mmのフィルムに仕上げ、その
引張強さを縦180〜240Kgf/cm2 、横180
〜240Kgf/cm2 において伸率100〜15%の
物性を有するものが、好ましく使用できる。
【0018】さらに、キャンバスは粗目、中目、細目等
画家の好みによって使い分けがなされるため、キャンバ
スのグレードや外観が合成樹脂フィルムを介して目視判
別できるように、この発明で用いる合成樹脂フィルムを
透明または半透明とすることが望ましい。
画家の好みによって使い分けがなされるため、キャンバ
スのグレードや外観が合成樹脂フィルムを介して目視判
別できるように、この発明で用いる合成樹脂フィルムを
透明または半透明とすることが望ましい。
【0019】合成樹脂フィルムが透明でない場合には、
木枠と接触する心配のないキャンバス中央部近傍に開口
部を設けてキャンバス表面が直接見えるようにしてもよ
く、さらにはこの開口部に透明フィルムを貼合してもよ
い。
木枠と接触する心配のないキャンバス中央部近傍に開口
部を設けてキャンバス表面が直接見えるようにしてもよ
く、さらにはこの開口部に透明フィルムを貼合してもよ
い。
【0020】なお、取り除いた使用済み合成樹脂フィル
ムの廃棄の観点から、この発明で使用する合成樹脂フィ
ルムには、必要に応じて光崩壊剤や生物分解剤を添加し
たり、分解性フィルムを使用してもよい。
ムの廃棄の観点から、この発明で使用する合成樹脂フィ
ルムには、必要に応じて光崩壊剤や生物分解剤を添加し
たり、分解性フィルムを使用してもよい。
【0021】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
張キャンバスの表面に張設した合成樹脂フィルムが、隣
り合う張キャンバスの木枠裏面とキャンバス表面との間
のバリヤ層として機能する。その結果、張キャンバスの
メーカーや販売店における運搬中や在庫中に、あるいは
画家による保管中に、複数の張キャンバスを積み重ねて
も、木枠裏面とそれと隣接する張キャンバスの表面との
直接的な接触を防止でき、木枠材中の絵具乾燥遅延物質
がキャンバス表面に移行するのを確実に防止することが
できる。
張キャンバスの表面に張設した合成樹脂フィルムが、隣
り合う張キャンバスの木枠裏面とキャンバス表面との間
のバリヤ層として機能する。その結果、張キャンバスの
メーカーや販売店における運搬中や在庫中に、あるいは
画家による保管中に、複数の張キャンバスを積み重ねて
も、木枠裏面とそれと隣接する張キャンバスの表面との
直接的な接触を防止でき、木枠材中の絵具乾燥遅延物質
がキャンバス表面に移行するのを確実に防止することが
できる。
【図1】この発明方法を実施して、合成樹脂フィルムを
張キャンバス表面に張設した状態を示す説明図である。
張キャンバス表面に張設した状態を示す説明図である。
【図2】図1の状態における部分拡大断面図である。
【図3】張キャンバス表面に張設した合成樹脂フィルム
を手で破り取っている状態を示す説明図である。
を手で破り取っている状態を示す説明図である。
【図4】代表的な張キャンバスの構造を示す説明図であ
る。
る。
【図5】図4の張キャンバスの複数個を積み重ねた状態
を示し説明図である。
を示し説明図である。
【図6】キャンバス表面に木枠材とプラスチック材をそ
れぞれ接触させ、その部分に塗布した油絵具の乾燥経過
を示すグラフである。
れぞれ接触させ、その部分に塗布した油絵具の乾燥経過
を示すグラフである。
【図7】木枠材からの抽出物質を混入した油絵具をキャ
ンバスに塗布したときの油絵具の乾燥経過をしめすグラ
フである。
ンバスに塗布したときの油絵具の乾燥経過をしめすグラ
フである。
【図8】キャンバス表面に心材部からなる木枠材、辺材
部からなる木枠材、およびプラスチック板をそれぞれ接
触させ、その部分に塗布した油絵具の乾燥経過を示すグ
ラフである。
部からなる木枠材、およびプラスチック板をそれぞれ接
触させ、その部分に塗布した油絵具の乾燥経過を示すグ
ラフである。
1…キャンバス 2…木枠 3…釘 4…合成樹脂フィルム。
フロントページの続き (72)発明者 川田 俊成 鳥取県鳥取市湖山町西1丁目357番地 (72)発明者 湯川 泰征 長野県木曽郡木祖村大字薮原908番地の1 (72)発明者 正木 丈 兵庫県姫路市飾磨郡恵美酒368番地の1方 第5恵美酒マンション
Claims (4)
- 【請求項1】油絵用キャンバスを木枠に展張させた油絵
用張キャンバスの表面に、フェノール系またはリン系安
定剤を含有しない合成樹脂フィルムを張設することを特
徴とする油絵用張キャンバスの絵具乾燥遅延防止方法。 - 【請求項2】前記合成樹脂フィルムとして、水蒸気透過
性を有する多孔性合成樹脂フィルムを使用する請求項1
記載の方法。 - 【請求項3】前記合成樹脂フィルムとして、手でに破り
取ることができる破断性を有する合成樹脂フィルムを使
用する請求項1または2記載の方法。 - 【請求項4】前記合成樹脂フィルムとして、透明または
半透明の合成樹脂フィルムを使用する請求項1、2また
は3記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7191292A JPH06156000A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 油絵用張キャンバスの絵具乾燥遅延防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7191292A JPH06156000A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 油絵用張キャンバスの絵具乾燥遅延防止方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06156000A true JPH06156000A (ja) | 1994-06-03 |
Family
ID=13474226
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7191292A Pending JPH06156000A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 油絵用張キャンバスの絵具乾燥遅延防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06156000A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6111040U (ja) * | 1984-06-25 | 1986-01-22 | カヤバ工業株式会社 | 油圧緩衝器の減衰力調整駆動装置 |
JPS6393002A (ja) * | 1986-10-08 | 1988-04-23 | Toshiba Corp | シ−ケンス制御装置 |
JPH0292315A (ja) * | 1988-09-29 | 1990-04-03 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 全自動炊飯器 |
-
1992
- 1992-03-30 JP JP7191292A patent/JPH06156000A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6111040U (ja) * | 1984-06-25 | 1986-01-22 | カヤバ工業株式会社 | 油圧緩衝器の減衰力調整駆動装置 |
JPS6393002A (ja) * | 1986-10-08 | 1988-04-23 | Toshiba Corp | シ−ケンス制御装置 |
JPH0292315A (ja) * | 1988-09-29 | 1990-04-03 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 全自動炊飯器 |
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