JPH0615530B2 - 多環式ベンズアゼピン - Google Patents

多環式ベンズアゼピン

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JPH0615530B2
JPH0615530B2 JP3515385A JP51538591A JPH0615530B2 JP H0615530 B2 JPH0615530 B2 JP H0615530B2 JP 3515385 A JP3515385 A JP 3515385A JP 51538591 A JP51538591 A JP 51538591A JP H0615530 B2 JPH0615530 B2 JP H0615530B2
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alkyl
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solvent
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バーガー,ジョエル・ジー
チャン,ウェイ・ケイ
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Schering Plough Corp
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D223/00Heterocyclic compounds containing seven-membered rings having one nitrogen atom as the only ring hetero atom
    • C07D223/14Heterocyclic compounds containing seven-membered rings having one nitrogen atom as the only ring hetero atom condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D223/32Heterocyclic compounds containing seven-membered rings having one nitrogen atom as the only ring hetero atom condensed with carbocyclic rings or ring systems containing carbocyclic rings other than six-membered
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/18Antipsychotics, i.e. neuroleptics; Drugs for mania or schizophrenia
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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    • C07D223/00Heterocyclic compounds containing seven-membered rings having one nitrogen atom as the only ring hetero atom
    • C07D223/14Heterocyclic compounds containing seven-membered rings having one nitrogen atom as the only ring hetero atom condensed with carbocyclic rings or ring systems

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の要約〕 本発明は、式: (上式において、RはH、アルキル、アリルまたは である。
nは0または1である。
およびRは、同一であっても異なっていてもよ
く、それぞれ独立にH、OH、C−Cのアルキルま
たはArである。ただし、RとRは同時にOHにな
ることはなく、nが0のときRはC−Cのアルキ
ルまたはArであり、RはCHであり、RはHで
ある。
およびRは、同一であっても異なっていてもよ
く、それぞれ独立にHまたはC−Cのアルキルであ
る。
GはH、(R,R)NCO−またはArNHCO−
である。
およびRは、同一であっても異なっていてもよ
く、それぞれ独立にH、C−CのアルキルまたはA
rである。
Arはフェニルまたは置換フェニルである。
YおよびZは、同一であっても異なっていてもよく、そ
れぞれ独立にH、ハロゲン、C−Cのアルキル、C
−CのアルコキシまたはC−Cのハロアルキル
である。
ただし、(A)R、R、RおよびRのうち少な
くとも1つは水素でなければならない、および/または
(B)GはArNHCO−または(R,R)NCO
−でありRおよびRの少なくとも1つはArなけれ
ばならない。) で表される化合物またはその薬学的に許容される塩に関
する。
本発明には、さらに式: で表される化合物も含まれる。
好ましい化合物は、式Iで表されnが1の化合物であ
る。
その中でも、nが1で、Rがメチルなどのアルキルであ
る式Iで表される化合物がとくに好ましい。
nが1で、Rがメチルで、ZがHまたは塩素である式I
で表される化合物もとくに好ましい。
nが1で、Rがメチルで、YがHまたは塩素である式I
で表される化合物もとくに好ましい。
nが1で、Rがメチルで、Zが塩素であり、Yが塩素で
ある式Iで表される化合物もとくに好ましい。
nが1で、Rがメチルで、YがCHO−、HO−、C
−またはH−である式Iで表される化合物もとくに
好ましい。
nが1で、Rがメチルで、GがHである式Iで表される
化合物もとくに好ましい。
nが1で、Rがメチルで、GがArNHCO−(ここに
おいてArは置換フェニルである)である式Iで表され
る化合物もとくに好ましい。
本明細書において、Phはフェニルを表し、i−Prは
イソプロピルを表す。また、本明細書において、破線
(・・・・)は紙面より下に向かう化学結合を表し、線 は紙面より上に向かう化学結合を示す。また、本明細書
において、並線()は立体構造が不明な化学結合を示
すか、1つの立体構造を示す化合物ともう1つの立体構
造を示す化合物の混合物であることを示す。
本発明に含まれる化合物を以下に例示する。
本発明の最も好ましい化合物は下の化合物である。
本発明は、式: (上式において、RはH、アルキル、アリルまたは である。
nは0または1である。
およびRは、同一であっても異なっていてもよ
く、それぞれ独立にH、OH、C−Cのアルキルま
たはArである。ただし、RとRは同時にOHにな
ることはなく、nが0のときRはC−Cのアルキ
ルまたはArであり、RはCHであり、RはHで
ある。
およびRは、同一であっても異なっていてもよ
く、それぞれ独立にHまたはC−Cのアルキルであ
る。
GはH、(R,R)NCO−またはArNHCO−
である。
およびRは、同一であっても異なっていてもよ
く、それぞれ独立にH、C−CのアルキルまたはA
rである。
Arはフェニルまたは置換フェニルである。
YおよびZは、同一であっても異なっていてもよく、そ
れぞれ独立にH、ハロゲン、C−Cのアルキル、C
−CのアルコキシまたはC−Cのハロアルキル
である。)で表される化合物またはその薬学的に許容さ
れる塩と薬学的に受容される担体からなる精神病治療用
医薬組成物も含まれる。また、本発明には、式IIで表さ
れる化合物と薬学的に許容される担体からなる精神病治
療用医薬組成物も含まれる。
本発明は式IまたはIIで表される化合物と薬学的に許容
される担体からなる医薬組成物も含まれる。また、式I
または式IIで表される化合物をそれぞれの目的に応じて
効果量哺乳類に投与することからなる薬物依存症治療
法、D1依存性神経障害に病む哺乳類の治療法および哺
乳類の痛覚脱失法も含まれる。
〔発明の詳細な説明〕
同一の炭素原子に結合するRおよびRが異なるとき
(例えばHとCH)は、以下に示す立体異性体が存在
する。
これらの立体異性体およびその混合物は本発明の範囲内
に含まれる。生理学的応答は立体構造によって異なる場
合があることが知られているが、本明細書に開示される
合成法にしたがえば、とくに断りのない限りすべての可
能な構造異性体が生成しうる。これらの構造異性体は、
分別結晶やHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)
などの通常用いられる方法によって分離することができ
る。
式Iまたは式IIで表される化合物は、水和型を含む溶解
型または非溶解型で存在することができる。一般に、
水、エタノールなどの医薬的に許容される溶媒と組み合
わせることによって形成される溶解型は、本発明の目的
に鑑みる限り非溶解型と等価である。これらの型はすべ
て本発明の範囲に含まれる。
式Iまたは式IIで表される化合物は、有機酸または無機
酸を用いて薬学的に許容される塩にすることができる。
塩形成を行うのに適当な酸として、塩酸、硫酸、リン
酸、酢酸、クエン酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ
酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン
酸、メタンスルホン酸や当業者に周知のミネラルとカル
ボン酸を例示することができる。塩は、遊離塩基型を十
分な量の好ましい酸と接触させて、通常の方法によって
形成することができる。遊離塩基型は、塩を適切な希塩
基水溶液(例えば希水酸化ナトリウム水溶液、希炭酸カ
リウム水溶液、希アンモニア水溶液、希重炭酸ナトリウ
ム水溶液)で処理することによって再生することができ
る。遊離塩基型は、それぞれの塩型とは極性溶媒中にお
ける溶解性物理的性質がいくぶん異なっている。しか
し、塩はその他の点で遊離塩基型と同一であり、本発明
の範囲に含まれる。
本明細書および請求の範囲において用いている用語は、
他に断りのない限り以下の意味を有する。
アルキル(アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ハロアル
キルなどのアルキル部分)は、直鎖または分枝状の、炭
素数1−8、好ましくは炭素数1−6の飽和炭化水素鎖
を表す。ただし、炭素数は限定されているときもある。
例えば、「C−Cアルキル」は直鎖または分枝状の
炭素数1−4の飽和炭化水素を表す。
アルコキシは、酸素原子を介して分子に結合しているア
ルキルを示す(アルキル−O−)。
アリールは、−CH−CH=CH、−CH=CH−
CHまたは−C(CH)=CHを表す。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を表す。
ハロアルキルは、上で定義したアルキルの1−3個の水
素がハロゲンで置換されているものを表す。例えば、フ
ルオロメチル、2−クロロエチルを挙げることができ
る。
置換フェニルは、フェニルの1−3個の原子が、ヒドロ
キシ、アルキル、ハロゲン、ニトロ、アルコキシ、ハロ
アルキル(トリフルオロメチル、シアノ、シクロアルキ
ル、SHまたはS(O)(ここにおいてpは0、
1または2でありRはアルキルである))から独立に
選択される同一または異なった置換基で置換されている
ものを表す。
本明細書において「度〕または「」は他に断りのない
限り摂氏である。
上の式Iで表される化合物は、以下に示すスキーム1、
2、3および4(スキームにおいて、G、Y、Z、R、
およびRは他に断りのない限り上記の定義のとお
りである)によって合成することができる。
ここにおいて、R、R、YおよびZは上記定義のと
おりであり、R′はH、アルキルまたは である。
ここにおいて、R、R、R、YおよびZは上記定義
のとおりであり、R・およびR・はそれぞれ上記定
義のRおよびRと同一である。ただし、R・およ
びR・は同時にHになることはない。ha1はハロゲ
ンである。
ここにおいて、R、ha1、ZおよびYは上記定義のと
おりである。また、R・・はC−Cのアルキルま
たはArである。
式III、III′、III″、またはIIIの出発物質は既知化
合物であり、欧州特許出願第285,919号に記載さ
れる方法かこれに類する方法によって合成することがで
きる。欧州特許出願第285,919号は、本明細書の
一部としてここに引用する。
式IV、VおよびVIの化合物も既知化合物であり、既知の
方法によって合成することができる。
スキーム1において、式IIIの化合物はアクリル酸メチ
ルなどの式IVの化合物とかなり強い塩基(好ましくは水
素化ナトリウム)中にて反応する。反応はジメチルスル
ホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(TH
F)、ジメチルホルムアミド(DMF)などの極性の非
プロトン性有機溶媒中で進行する。より好ましい溶媒
は、THFとDMFの9:1混合物である。反応温度は
臨界的ではなく、室温付近でも反応は進行する。生成物
である式A′で表される化合物は、例えば酢酸などの酸
によってpH調節してから抽出するといった標準的な方法
によって単離することができる。
式A′で表される化合物は、NaCOやLiCO
、より好ましくは炭酸カリウムなどの弱塩基と極性プ
ロトン性有機溶媒中でスチームバスの温度付近で反応し
て加水分解する。溶媒としては、エタノール、イソプロ
パノールなどを用いることができるが、その中でも好ま
しいのは水とメタノールとの混合溶媒である。生成した
式B′のカルボン酸は再結晶などの通常の方法によって
単離することができる。
生成したカルボン酸を単離して、ポリリン酸(PPA)
を用いて約72−80℃、好ましくは約80℃で約30
分から約3時間処理して環化することにより、式C′の
化合物を得ることができる。この反応の溶媒としてPP
Aを用いてもよい。
式C′の化合物は、エーテル、ジグリム、より好ましく
はTHFなどの有機溶媒中で、リチウムアルミニウムヒ
ドリド(LAH)、より好ましくはBHなどの還元剤
によって処理することによって還元する。この反応は、
使用する溶媒の還流温度にて行うことができる。反応
は、約30分から約4時間行うことができ、式D′で表
される生成化合物の単離は通常の方法によって行うこと
ができる。
スキーム2において、式M′の化合物は、式III′の化
合物を式Vのハロゲン化したオレフィンと極性有機溶媒
中にて強塩基存在下で反応させることによって得ること
ができる。協塩基としては、リチウムジイソプロピルア
ミン(LDA)、より好ましくはNaHを用いることが
できる。また、極性有機溶媒としては、DMSO、より
好ましくはDMEとDMFの混合溶媒を用いることがで
きる。この反応は約−78℃から約30℃の範囲にて行
う。中でも室温付近で行うのが好ましい。生成した式
M′の化合物は再結晶などの通常の方法によって単離す
ることができる。
式M′の化合物は、乾燥極性有機溶媒(例えばジエチル
エーテル、より好ましくはTHF)中にて約50℃から
開始して徐々に温度を40℃まで下げてLAHなどの還
元剤で処理することによって還元し、式N′の化合物に
する。生成した式N′の還元化合物は、カラムクロマト
グラフィーなどの通常の方法によって単離することがで
きる。
式N′の化合物は、不活性ガス下にて(例えばアルゴ
ン、より好ましく窒素)、極性非プロトン性有機溶媒中
(例えばDMSO、より好ましくはDMF)、強塩基存
在下で(例えばKH、より好ましくはNaH)、メルカ
プタン(例えばブチル−SH、より好ましくはエタンチ
オール)と約100℃から約150℃で約2時間から約
5時間反応させることによって、式O′で表される対応
ヒドロキシ体にする。生成した式O′で表される化合物
は、通常の方法で単離することができる。
式O′の化合物は、有機酸と約0から50℃で約2時間
反応させることによって環化して式P′の化合物にす
る。有機酸としては、CFCOH、パラトルエンス
ルホン酸、より好ましくはCHSOHを使用するこ
とができる。生成した式P′の環化化合物は、生成した
反応混合物を中和した後に再結晶することによって単離
することができる。
これと同様に、スキーム3においては、式III′の化合
物を式VIの化合物と反応させることによって、順に式
M″、N″、O″およびQ″で表される化合物にする。
スキーム4にしたがって、式Fの化合物を約100℃か
ら150℃にてエタノール、酢酸などの溶媒中、より好
ましくはニートで鉱酸と反応させることによって対応す
る式Jのヒドロキシ体にする。使用しうる鉱酸として、
HI、HCl、より好ましくはHBrを用いることがで
きる。生成した式Jの化合物は通常の方法によって単離
することができる。
式Jの化合物は、塩基(例えばNaOH、より好ましく
は水酸化カリウム)の存在下有機溶媒(例えばジグリ
ム、ジメトキシエタン[DME])中で約80℃から約
100℃でホルムアルデヒドと反応させることによっ
て、式Kの化合物にする。生成した式Kの化合物は通常
の方法で単離することができる。
式Kの化合物は、鉱酸(例えばHCl、HSO、よ
り好ましくはp−トルエンスホン酸−水和物)と水素化
触媒(例えばラネーニッケル、ラネーコバルト、より好
ましくは炭素上の20%Pd(OH))存在下で氷酢
酸などの極性プロトン性酸性有機溶媒中にて、約1から
約5気圧、好ましくは約3気圧の水素圧をかけることに
よって水素化する。生成した式Lの化合物はカラムクロ
マトグラフィーなどの通常の方法によって単離すること
ができる。
スキーム5における式IIIの化合物を、化合物M、
N、Oにし、さらに化合物Pにすることについては以下
の実施例に記載されるとおりである。
式Iまたは式IIの化合物は、対応する酸付加物にする。
例えばHClで処理することによって塩酸塩にすること
ができる。一般に、式Iまたは式IIの化合物は極性有機
溶媒(例えばメタノール、より好ましくはCHCH
とEtOHとの混合溶媒)に溶解する。この溶液はエー
テル性HClであり、生成した塩酸塩は再結晶して乾燥
することによって回収することができる。
スキーム6によって、式E′の化合物を、極性プロトン
性有機溶媒(例えばメタノール、イソプロパノール、よ
り好ましくはエタノール)中にて、触媒(ラネーニッケ
ル、ラネーコバルト、より好ましくは炭素上の10%P
d)存在下で約1から約24時間、約1から約5気圧の
水素圧下におくことによって水素化する。生成した式E
の化合物は通常の方法によって単離することができる。
式Eの化合物を、非プロトン性有機溶媒(例えばジグリ
ム、ジエチルエーテル、より好ましくはTHF)中にて
還元剤(例えばLAH、より好ましくはBH)を作用
させることによってさらに還元して式Fの化合物にす
る。この反応は、例えばTHF中のBHを冷却しなが
ら添加することによって行う。付加反応が完了した後、
生成しに混合物を還流温度で約1から約4時間、好まし
くは約2時間加熱する。生成した式Fの化合物は通常の
方法によって単離する。
式Fの化合物はジクロロ化して、極性非プロトン性有機
溶媒(例えばCHCl、より好ましくはCH
)中、約0から約60℃で塩素化剤(例えばCl
/酢酸、より好ましくはSOCl、モル比はSO
Cl:基質で3:1)と反応させて式Gの化合物にす
る。生成した式Gの塩素化物は得られた反応混合物を中
和して、カラムクロマトグラフィーなどの通常の方法で
分離することによって単離することができる。
式Gのメトキシ化合物は、実施例2(H)に示すよう
に、プロトン性有機溶媒中(例えば酢酸、プロピオン
酸、より好ましくはエタノール)、約100℃から約1
50℃、より好ましくは約120℃から約140℃で強
酸(例えばHI、HCl、より好ましくはHBr)で処
理することによって対応する式Hのヒドロキシ化合物に
することができる。生成した式Hの化合物は、反応混合
物を中和して濾過、抽出、再結晶するといった通常の方
法によって単離することができる。
式I′の化合物は通常の方法によって式I″の化合物に
することができる。
ここにおいて、R、R、R、R、R、Z、Yお
よびnは上記定義のとおりである。また、G′はGに対
応するがHになることはない。
この反応は、所望のG′を有する式I″の化合物を得る
ことができるように、式I′の化合物を適当なイソシア
ネートと反応させて行う。すべてのG′を合成するのに
必要なイソシアネートは、既知であるか既知の手段によ
って得ることができるものである。
例えば、実施例2(I)の式Dの化合物は、4−イソプ
ロピルフェニルイソシアネートと非プロトン性有機溶媒
中(例えばCHCl、CHCl、より好ましくは
トルエン)で使用した溶媒の還流温度で約30分から約
3時間反応させ室温に冷却することによって、実施例2
(I)式D″の化合物にすることができる。生成物は、
反応混合物を蒸留、粉砕し乾燥するなどの通常の方法に
よって単離することができる。この反応は、実施例2
(I)により詳細に記載されている。
式D′、P′、Q″およびPの化合物は(式I′に該
当)、同様に式I″の化合物にすることができる。勿
論、上述のように、式I′のすべての化合物を対応する
式I″の化合物にすることができる。式I′および式I
I″の化合物は本発明の式Iの化合物によって包含され
ると解釈する。
式I: (ここにおいて、R、R、R、R、G、Y、Z
およびnは上記定義のとおりである)の化合物は、臭化
アリルで処理するなどの通常用いられる方法によって、 式: の対応するN−アリル化合物にすることができる。上記
式D′の化合物(ここでR′はHである)は同様に対応
するN−アリル化合物にすることができる。式I、I
IV、D′および式D′の化合物に対応するN−アリル
化合物は、本発明の式Iに包含されるように解釈する。
本発明の式Iまたは式IIの化合物は、精神病、薬物依存
症、D1依存性神経障害の治療と痛覚脱失に有用であ
る。
本発明化合物の抗精神病活性は以下のプロトコールにて
具体的に説明する。
ラットにおける条件付き回避抑制 臨床活性な精神病治療薬は、エスケープ反応を遅延させ
ない用量において不連続試行の回避挙動を抑制すること
が知られている(Ann.N.Y.Acad.Sci.
66,740(1957))。本発明の化合物がラット
における条件付き回避反応(DAR)を抑制するか否か
を検討するために、以下に示す一連の実験を行った。
材料と方法 ラットは10秒間の足ショック(0.6mA)を避ける
ために5秒間トーンに反応して、実験室の格子床から
6.75インチ(17.15cm)上方に存在するプラッ
トホームに飛び乗ることを要求された。各実験期間は3
0秒間隔で与えたこのような試行20回から成るもので
あった。該トーン(足ショック前の)中にラットがプラ
ットホームに飛び乗る時は、ケスケープ反応と記録す
る。反応不能は10秒間ショック期間中にケスケープ反
応が無いことと定義する。
6〜8匹のラット群を連続した2日間で訓練した(全体
で40試行)。2日目までに、20回試行中16回以上
正確なCARを示したラットを3日目に供試薬又はビヒ
クルのいずれかで処理した。CAR抑制をスチューデン
トt−検定を用いて統計的に分析して、薬物処理ラット
対ビヒクル処理ラットの性能を比較した。各薬物の最小
有効量(MED)は、回避反応を有意に(P≦0.0
5)減ずる、試験した最低量と定義される。
競合阻害分析 神経組織に再現可能な生理的変化を起こしうる多くの化
合物は1つ以上の受容体部位に結合することによって作
用すると考えられる。標的器官又は構造のホモジネート
を用いるインビトロ試験においてこれらの受容体部位と
強く相互作用する化合物は、インビボで投与した場合に
同様な性質を示すと予想される、それ故、これらの化合
物は治療剤及び/又は診断剤である。
インビトロでの受容体部位への化合物の結合は結合の特
異性と有効部位の飽和性とによって実証される。D−1
とD−2受容体結合を特徴づける方法論とデータの解釈
とはBillard等,Life Sciences3
,1885(1984)によって述べられており、こ
れにはドパミンD−1受容体に対するベンズアゼピン
(R)−(+)−8−クロロ−2,3,4,5−テトラ
ヒドロ−3−メチル−5−フェニル−1H−3−ベンズ
アゼピン−7−オールヘミマレート,化合物B*の結合
が特徴づけられている。D−2受容体結合に比べてD−
1受容体結合を選択することは、D−2受容体占有に付
随する困難で、恐らく不可逆的な神経副作用を避ける治
療上の利益を与えると考えられる。
材料と方法 トリチウム化化合物Bとトリチウム化スピペロン(強力
なD−2受容体配位子)をBillard等の上記参考
文献に述べられているように得て、引き続いて、必要に
応じて、0.05M Tris緩衝液,pH7.4中で希
釈する。本発明の化合物はここに述べるように合成し
て、必要に応じて、0.05M Tris緩衝液,pH
7.4中で希釈する。
組織調製 脳組織を得るために、Charles River B
reeding Laboratories(マサチュ
ーセッツ州)からの雄のSprague−Dawley
ラット(200〜250g)を用いる。ラットを人道的
に殺し、それらの脳を取り出して、氷上に置く。線条体
組織を摘出し、プールし、100倍量(w/v)の氷冷
50mM Tris緩衝液,pH7.4中で均質化する
(25℃において)(Brinkman Polytr
on,10秒間)。ホモジネートを20,000xgで
10分間遠心する。得られるペレットをTris緩衝液
中で再均質化し、再び遠心する。最終ペレットを120
mM NaCl、5mM KCl、2mM CaC
、及び1mM MgClを含む50mM Tri
s緩衝液pH7.4中に再懸濁させる。
分析 ポリプロピレン インキュベーション管に4mg/mlメチ
ルセルロースを含む0.05M Tris,pH7.4中
に溶解もしくは懸濁させた種々な濃度の各供試化合物1
00μ1、Tris緩衝液中のトリチウム化化合物B*
溶液(最終反応混合物濃度=0.3nM)100μ1又
はTris緩衝液中のH−スピペロン溶液(最終濃度
=0.2nM)100μ1及び組成懸濁液(約3mg/分
析)800μlを入れる。該管を37℃において15分
間インキュベートし、Whatman GF/Bフィル
ターに通して迅速に真空濾過し、氷冷50mM Tri
s緩衝液,pH7.4 4mlによって4回すすぎ洗いす
る。フィルターをシンチレーション バイアルに移し、
シンチラント(scintillant)(Scint
osol,Isolab,Inc.)10mlと25℃
において16時間平衡化させ、液体シンチレーションカ
ウンター中で放射能を測定する。Ki値はBillar
d等が述べているように関係式: Ki=IC50/(1+([L]/K))[式中、I
50=特異的に結合したトリチウム化化合物B*の5
0%排除に必要な供試薬物の濃度;[L]=分析に用い
た放射性配位子の濃度;K=解離定数]に従って算出
する。化合物B*の排除に対するKi値とスピペロンの
排除に対するKi値とを算出して、下記表Iに示す。こ
のようなKi値の単位はナノモル(nM)である。
結果 本発明の一連の化合物の分析から算出される阻害定数
[Ki]は下記表Iに示す通りである。
化合物B*との競合結合分析における本発明の化合物の
比較的小さいKi値は式I化合物がD−1受容体部位に
強力に結合することを実証する。スピペロンが高度に選
択的であるD−2部位に対する比較的高いKi値は、こ
の受容体部位に化合物が特異的に結合しないことを実証
する。
D−1受容体に対する選択的活性は、Beaulie
u,Canadian J.Neur.Sci.14
(3):402(1987)とWaddington,
Gen.Pharmac.19(1):55(198
8)に述べられているように、D1アンタゴニストによ
って軽減される疾患の治療におけるD1アンタゴニスト
としてのこれらの化合物の可能な用途を実証する。これ
らの疾患には、常同症的挙動と薬物依存性とを伴う疾患
がある。D1アンタゴニストはコカインー及びモルヒネ
ー依存性快感を阻害することが判明しており、これが本
発明の化合物を薬物依存性の治療に有用にしている。さ
らに、多様な運動障害に関与する正確な機構は不明であ
るが、これらの全てが線条体を最終的共通経路として利
用することが、一般に認められている。線条体は最高密
度のD1受容体を含み、このことは運動障害がD1アン
タゴニストを用いて治療されることを示唆する。従っ
て、本発明の化合物は例えばパーキンソン病、ハンティ
ングトン舞踏病、晩発性ジスキネシーのような運動障害
の治療に可能な用途を有する。さらに、D1カンタゴニ
ストは例えばLesch−Nyhan病のような反復性
常同症的挙動を伴う疾患の抑制剤として可能な用途を有
する。
本発明の抗うつ(antidepressive)方法
は例えばマウスにおけるテトラベナジン(TBZ)誘導
下垂症に対する化合物の効果を測定する試験方法、又は
以下に述べるようにラットにおけるマウス殺害(mur
icide)活性に対する化合物の効果を測定する試験
方法によって実証されることができる。
抗うつ力 マウスにおけるテトラベナジン誘導下垂症に対する化合
物の効果 臨床活性な抗うつ薬がマウスにおけるTBZ誘導下垂症
を阻害することは知られている(Psychosoma
tic Medicine,NodineとMoyer
編集,LeaとFebiger,フィラデルフィア,1
962,683−90頁)。この試験における活性を利
用して、ヒトにおける抗うつ活性を予測する。
方法と材料 マスウ5匹の群に供試薬を投与した30分後に、テトラ
ベナジン30mg/kgを腹腔内(ip)注入する。30分
間後に、下垂度を評価する。各処理群の阻害%を用いて
マウスの50%において下垂を防止する用量として定義
されるDE50を測定する。ED50と95%信頼限界
をプロビット分析法によって算出する。
ラットにおけるマウス殺害挙動に対する効果 ラットにおけるマウス殺害(mouse−killin
g)挙動の阻害を薬物の抗うつ活性を評価する尺度とし
て利用する(Int.J.Neuro−pharmac
ol.,,405−11(1966))。
方法と材料 マウス5匹の群に供試薬を腹腔内投与し、30分後と6
0分後にマウス殺害挙動の有無を調べる。これらの両時
点で得られたデータを用いて、各処理群の阻害%を算出
し、用量−反応データを用いて、各ED50を求める。
ED50は処理ラットの50%においてマウス殺害挙動
を阻害する用量として定義され、プロビット分析法によ
って算出される。
式I化合物の鎮痛効果と痛覚脱失方法とは下記のマウス
における酢酸ライシング(writhing)試験によ
って例示することができる。
マウスにおける酢酸ライシング試験 酢酸の腹腔内注入によって誘導されるライシングの阻害
は抗痛覚刺激薬(antinociceptive d
rug)(痛覚の知覚又は伝導を阻止する薬物)のスク
リーニングのための確立された実験動物モデルである。
Hendershot等のPharmacol
xpTherap125:237,(1959)と
Koster等,FedProc18:412,
(1959)を参照のこと。
方法と材料 供試化合物を0.4%メチルセルロース水性ビヒクル中
に溶解又は懸濁させる。経口投与のためには、20mg/
kg体重の総量で化合物の特定量を投与するように、投与
量を用意する。皮下又は腹腔内投与のためには、10mg
/kg体重の量で化合物の特定量を投与するように、投与
量を用意する。
試験方法は、フェニルキノンの代わりに酢酸を用いるこ
と以外は、Hendershot等,上記分献が述べて
いる方法である。雄のCF1マウス(20−26g)5
匹の群に供試薬を径口投与し、15分後に酢酸水溶液
0.6ml(10mg/kg)を注射する。マウスを大型観察
用ビーカーに入れ、酢酸注射後3分間から出発して10
分間中の各動物の身もだえ(writhe)回数を計数
する。身もだえは背中の弓ぞり、骨盤回転及び後足伸張
の連続として定義される。初期スクリーニングは30mg
/kgの投与量を用いて実施される。この投与量が対照に
比べて身もだえ回数の50%以上の減少をもたらすなら
ば、動物は保護されたと見なされ、低用量の対数シーケ
ンス(logarithmic sequence)を
用いて、用量反応曲線を展開させ、補間法によってED
50を求める。
本発明の化合物は選択的D1受容体アンタゴニストであ
る。D1アンタゴニストはコカインー及びモルヒネー依
存性快感を阻害することが判明しており、これが本発明
の化合物を薬物依存性の治療に有用している。薬物依存
性の治療における本発明の化合物の活性はKleven
等,Psychopharmacology(198
8)95:427−429頁に述べられているプロトコ
ール又はKoob等,Neuroscience Le
tters,79(1987)315−320頁に述べ
られている方法によって実証することができる。
化合物は経口的、局所的、非経口的に又は口腔吸入もし
くは鼻腔内吸入によって投与することができる。好まし
い投与形式は経口又は静脈内投与である。
化合物は通常の方法を用いて薬剤学的に受容される賦形
剤と添加剤とによって調製される、例えばカプセル剤、
錠剤、ピル、粉末薬、懸濁剤又は溶液剤のような、通常
の経口投与形で投与することができる。非経口製剤、す
なわち無菌溶液又は無菌懸濁液も通常の手段によって製
造される。吸入投与も鼻腔スプレー又は口腔スプレーと
して可能である。吸入剤も考えられる。
本発明によって述べる化合物から医薬組成物を製造する
ために、不活性な、薬剤学的に受容されるキャリヤーは
固体又は液体のいずれでもよい。固体形製剤には、粉末
薬、錠剤、分散性顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤及び座
薬がある。粉末薬と錠剤は約5〜約70%の活性成分を
含むことができる。適当な固体キャリヤーは技術上公知
であり、例えば炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネ
シウム、タルク、糖、ラクトースである。経口投与に適
した固体投与形として、錠剤、粉末薬、カシェ剤及びカ
プセル剤を用いることができる。
液体形製剤には、溶液剤、懸濁剤及び乳剤がある。例と
して、非経口的注入のための水溶液又は水−プロピレン
グリコール溶液を挙げることができる。
液体形製剤には、鼻腔内投与用の溶液剤もある。
使用直前に経口投与又は非経口投与用の液体形製剤に変
えることを意図される固体形製剤も含まれる。このよう
な液体形には、溶液剤、懸濁剤及び乳剤がある。これら
の特別な固体形製剤は単位投与形で最も便利に提供さ
れ、このようなものとして一回量液体投与単位(sin
gle liquid dosage unit)を提
供するために用いられる。或いは、液体形に変えた後
に、例えば注射器、ティスプーン又はその他の計量容器
によって、所定量の液体形製剤を計量することによって
液体一回量多数回分を得ることができるように、充分な
固体を提供することができる。多数回分の液体投与量を
このようにして製造する場合には、考えられる分解を遅
延させるために、前記液体投与量の未使用分を低温(す
なわち、冷却下)に維持することが好ましい。液体形に
変えることを意図される固体形製剤は活性物質の他に風
味剤、着色剤、安定剤、緩衝液、人工甘味剤と合成甘味
剤、分散剤、増粘剤、可溶化剤等を含むことができる。
液体形製剤の調製に用いられる溶剤は水、等張水、エタ
ノール、グリセリン、プロピレングリコール等並びにこ
れらの混合物である。用いられる溶剤は、当然、投与経
路に関して選択される、例えば、多量のエタノールを含
む液体製剤は非経口使用に適さない。
本発明の化合物は経皮投与可能でもある。経皮組成物は
クリーム、ローション、エアロゾル及び/又は乳剤の形
状をとることができ、この目的のために当該技術分野で
通常用いられるような、マトリックスもしくは溜めタイ
プの経皮パッチに含めることもできる。
座薬を製造するためには、例えば脂肪酸グリセリドの混
合物又はココア脂のような、低融点ワックスを最初に溶
融し、その中に活性成分を均質に例えば撹拌によって分
散させる。次に、溶融した均質な混合物を都合の良い大
きさの型に注入し、冷却させて、それによって凝固させ
る。
好ましくは、薬剤製剤は単位投与形である。このような
形では、製剤は例えば所望の目的を達成するための有効
量のような、適当量の活性成分を含む単位投与量に小分
けされる。
経口的に用いる場合には、このような治療を必要とする
哺乳動物に本発明の化合物を約0.01mg/kg体重から
約30.0mg/kg体重までの範囲内の量で投与すること
ができる。非経口的に用いる場合には、本発明の化合物
を好ましくは約0.001mg/kg体重から約10.0mg
/kg体重/日までの範囲内の量で投与することができ
る。
特定の状態に対する本発明の化合物の適当量の決定は当
該技術分野の熟練の範囲内である。一般に、治療は化合
物の最適投与量未満である低投与量で開始される。その
後に、その情況下で最適効果に達するまで、投与量を少
量ずつ増加させる。便宜的に、総一日量を任意に分け
て、一日中に少量ずつ投与することができる。
式I化合物とその薬剤学的に受容される塩の投与量と頻
度は、主治医(attending clinicia
n)の判定に従って、例えば患者の年齢、状態及び大き
さ並びに治療すべき症状の重症度のような要素を考慮し
て調節される。
ここに開示した本発明を下記の調製例によって例示する
が、これらの調製例を開示の範囲を限定するものと解釈
すべきではない。本発明の範囲内での代替え作用(me
chanistic)経路と類似構造体とは当該技術分
野に熟練した人に自明であろう。
6−クロロー2−メチル−1,2,3,4,8,9,1
0,10a−オクタヒドー−ナフト[1,8−cd]ア
ゼピン−7−オールの製造 A.3−(7−クロロ−8−メトキシ−3−メチル−2
−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−
ベンズアゼピン−1−イル)プロピオン酸メチルエステ
60%NaHの鉱油懸濁液(0.06mol)を冷却・
撹拌しながら少しづつ出発物質III(14.4g、
0.06mol)のテトラヒドロフラン(THF)/ジ
メチルホルムアミド(DMF)9:1混合溶媒(120
ml)溶液に添加した。この混合物を20分間撹拌して、
アクリル酸メチル(0.06mol)の10mlTHF溶
液を撹拌しながら滴下した。さらに2時間撹拌した後、
冷却・撹拌しながら水15mlを滴下した。泡立ちがおさ
まった後、反応混合物を350mlの水で希釈し、酢酸を
用いてpHを〜5にした。混合物を200mlのエーテルで
抽出して、さらに100mlの塩化メチレンで抽出した。
抽出液をあわせてMgSOで乾燥し減圧蒸留した。残
渣を冷エーテル中で破砕して、固体生成物を濾過し乾燥
することによって、7.95gの生成物を得た。融点:
95−97℃ B.3−(7−クロロー8−メトキシ−3−メチル−2
−オキソ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3
−ベンゾアゼピン−1−イル)プロピオン酸 CO15.0g、水80ml、メタノール120ml
および上記の生成物A7.95gの混合物をスティーム
バス上で2時間加熱した。その後、混合物を濃縮して1
00mlにし、150mlの水で希釈して冷却した。これを
100mlのエーテルで抽出し、水層を分離し、冷却し
て、濃塩酸で酸性にした。沈降した固体を濾過して水で
洗浄し、さらに空気中で一晩乾燥して7.25gの生成
物を得た。
C.6−クロロ−1,8−ジケト−2−メチル−1,
2,3,4,8,9,10,10a−オクタヒドローナ
フト[1,8−cd]アゼピン−7−オール 上記の生成物B6.75gと70gのポリリン酸の混合
物をオイルバス中にて撹拌しながら45分間72−80
℃に加熱した。この混合物を600mlの氷水中に撹拌し
ながら注いだ。15分撹拌した後、混合物を塩化メチレ
ン100mlで2回抽出して、抽出液をあわせてセライト
で濾過し、MgSOで乾燥した。乾燥剤を濾過後、濾
液を蒸留し乾燥することによって粘性の高いシロップ状
物を得た。これを、20mlの酢酸エチルを用いて再結晶
することによって3.9gの生成物Cを得た。融点:1
40−142℃ D.6−クロロ−2−メチル−1,2,3,4,8,
9,10,10a−オクタヒドロナフト[1,8−c
d]アゼピン−7−オール 生成物C3.9gのTHF20ml溶液を1MBHのT
HF溶液50mlで処理した。得られた混合物を還流温度
にて6.5時間加熱し、室温で一晩静置した。混合物を
約20mlに濃縮し、冷却しながら1滴ずつ20mlエタノ
ールで処理し、さらに4NHC150mlで処理した。こ
の混合物をスティームバス上で撹拌しながら30分間加
熱し、100mlの水で希釈し、NaOHを滴下すること
によってpHを〜8にした。沈降した物質を濾過し、冷水
で洗浄し、一晩空気乾燥することによって生成物2.6
gを得た。
水性濾液を塩化メチレン50mlで抽出し、抽出物を蒸留
して約300mgの油状残渣を得た。この固体生成物を1
80mlのCHCN/EtOH(1:2)で再結晶し
て、生成物Dの塩酸塩1.85gを得た。融点は277
−280℃であった。この物質を120mlの沸騰水中に
溶解し、この溶液を固体NaHCOを用いてpHを〜8
にし,冷却して、沈降した固体を濾過することによって
遊離塩基1.45gを得た。生成物を、薄層クロマトグ
ラフィー級シリカゲル150g上で、CHCl/Et
OH/NHOH(50:3:1)で展開することによ
って精製した。TLCによって均一と認められる画分を
あわせて蒸留した。残渣を90℃で4時間減圧乾燥して
精製物D1.0gを得た。融点:177−178℃ 実施例2 5,6−クロロ−2−メチル−1,2,3,4,8,
9,10,10a−オクタヒドロ−ナフチル[1,8−
cd]アゼピンの製造 E.7−メトキシ−2−メチル−1−オキソ−1,2,
3,4,8,9,10,10a−オクタヒドロナフト
[1,8−cd]アゼピン エタノール350mlおよび濃塩酸10ml中に懸濁した化
合物E′20.0gの懸濁液を、炭素上の10%Pd
2.2gを用いて20−25psig(pounds
per square inch gage)で24時
間処理することによって水素化した。触媒を濾過して、
溶媒を留去することによって固体生成物E18.0gを
得た。化合物E′は実施例1(C)に記載される化合物
Cの合成法と同様にして合成した。
F.7−メトキシ−2−メチル−1,2,3,4,8,
9,10,10a−オクタヒドロナフト[1,8−c
d]アゼピン 精製物E18.0gのTHF200ml溶液を1MBH
のTHF溶液145mlに冷却・撹拌しながら滴下した。
反応混合物を撹拌しながら一晩還流温度で加熱した。そ
の後、やや減圧したで乾燥し、残渣をエタノール100
mlを冷却・撹拌しながら滴下することによって処理し、
さらに20%HC170mlで処理した。2時間加熱して
還流した後、溶媒のほとんどを減圧留去した。残渣を3
00mlの水で希釈して、溶液を50%NaOHで塩基性
にした。得られた混合物を200mlのエーテルで2回抽
出して、抽出液をあわせてMgSOで乾燥した。濾過
した濾液を留去し乾燥することによって、シロップ状生
成物F15.3gを得た。
G.5,6−ジクロロ−7−メトキシ−2−メチル−
1,2,3,4,8,9,10,10a−オクタヒドロ
−ナフト[1,8−cd]アゼピン アイスバス中で冷却・撹拌しながら、生成物F(15.
0g)のCHCl(300ml)溶液に、1MSO
ClのCHCH溶液160mlを滴下した。アイス
バス中での撹拌を1時間続け、その後室温で一晩撹拌し
た。反応混合物を氷中で冷却し、撹拌しながらpHが8に
なるまでKCOの5%溶液を添加した。有機層を分
離して、MgSOで乾燥し、濾過した。溶媒を留去し
て乾燥することによって〜19gの高粘性暗色シロップ
状生成物を得た。この生成物をCHCl40mlに溶
解して、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)
600gを用いてCHCl/EtOH/NHOH
(100:3:1)で展開した。目的生成物を含有する
画分をTLCで確認して集め、溶媒を留去し乾燥して高
粘性のシロップGを2.9g得た。
H.5,6−ジクロロ−2−メチル−1,2,3,4,
8,9,10,10a−オクタヒドロナフト[1,8−
cd]アゼピン−7−オール 生成物Gを50mlのEtOHに溶解し、濾過して少量の
不溶性物質を除去した。濾液を蒸留して乾燥した。得ら
れた残渣を48%HBr30mlで処理し、反応混合物を
撹拌してオイルバス中で130℃で6時間加熱した。そ
の後、減圧下で容積を〜15mlにして、沸騰水600ml
に溶解した。熱混合物を少しずつ固体NaHCOで処
理してpHを〜8にした。その後室温で一晩静置した。
沈降した暗色固体を濾過して、水で洗浄した。濾液を1
50mlCHClで抽出し、その抽出液と固体を混合
した。得られた溶液をMgSOで乾燥して濾過した。
その後、過剰量のエーテル性HClで処理して、溶媒を
留去し乾燥した。残渣はスチームバス上で酢酸エチル/
エタノール(3:1)60mlの混合物に溶解した。冷却
後、固体を濾過して減圧下で90℃で5時間乾燥するこ
とによって生成物H2.1gを得た。融点:275−2
78℃ I.6−クロロ−7−[(4−イソプロピルフェニルア
ミノ)−カルボニルオキシ]−2−メチル−1,2,
3,4,8,9,10,10a−オクタヒドロナフト
[1,8−cd]アゼピン塩酸塩の製造 化合物D(0.3g、1.2mmol)をトルエン30
mlに懸濁した懸濁液に、4−イソプロピルフェニルイソ
シアネート(0.33g、2.0mmol)を添加し
た。得られた混合物を還流温度で4.5時間加熱した。
その後、室温に冷却して一晩窒素雰囲気下で撹拌した。
溶媒を減圧蒸留してオイル状物を得た。これをエーテル
に溶解してエーテル性HClで処理した。少量のエーテ
ルを懸濁液に添加して、溶媒を留去して乾燥した。得ら
れた固体をアセトニトリル中で破砕して濾過し、さらに
減圧乾燥することによって目的生成物0.49gを得
た。融点:152−153℃ J.2−メチル−1,2,3,4,8,9,10,10
a−オクタヒドロナフト[1,8−cd]アゼピン−7
−オール 化合物F(27g)の48%HBr250ml溶液をオイ
ルバス中で撹拌しながら125−130℃に6.5時間
加熱した。反応混合物をアイスバス中で冷却して、沈降
した固体を濾過し冷水で洗浄した。得られた湿った固体
を加熱しながら75mlのジメチルホルムアミド(DM
F)中に溶解して、激しく撹拌しながらNaHCO
0gを水800gに溶解した溶液を注いだ。この混合物
を氷中で1時間冷却して、沈降した固体を濾過し、水で
洗浄した。その後、一晩空気乾燥して、生成物Jを1
6.7g得た。融点:365−270℃ 酸性濾液から溶媒を留去して減圧下でほとんど完全に乾
燥した。残渣を30mlのDMF中に加熱しながら溶解し
た。この溶液を前述のNaHCOで中和した濾液に激
しく撹拌しながら注ぎ、この混合物を再度アイスバス中
で1時間冷却した。生成した沈殿を濾過して空気乾燥
し、さらに7.0gの生成物を得た。
2,6−ジメチル−1,2,3,4,8,9,10,1
0a−オクタヒドロナフト[1,8−cd]アゼピン−
7−オール 生成物J7.0gを125mlのジメトキシエタンおよび
125mlの3%KOH中に溶解し、この溶液に38%ホ
ルムアルデヒド溶液9.0mlを添加した。反応混合物を
オイルバス中で85℃に撹拌しながら40分間加熱し
た。その後、室温に冷却して、氷酢酸を滴下することに
よってpHを酸性にした。反応混合物を150mlに濃縮し
て、100mlの水で希釈し、塩化メチレン75mlで2回
抽出した。抽出液をあわせて乾燥し、溶媒を留去して乾
燥した。残渣をエタノール/アセトニトリル(1:1)
中で破砕して、固体を濾過することによって生成物2.
2gを得た。この生成物を次の工程に直接用いた。
L.2,6−ジメチル−1,2,3,4,8,9,1
0,10a−オクタヒドロナフト[1,8−cd]アゼ
ピン−7−オール塩酸塩 化合物K(2.2g)およびp−トルエンスルホン酸
(p−TSA)−水和物(6.0g)を85mlの氷酢酸
中に溶解し、60psigで6.5時間炭素上の20%
Pd(OH)500mgで水素化した。触媒を濾過し、
濾液を減圧下で15mlに濃縮した。その後撹拌しながら
飽和NaHCO溶液250ml中に少しずつ注いだ。得
られた混合物を75mlのCHClで2回抽出し、抽
出液をあわせて溶媒を留去して乾燥することによって約
2gの高粘度残渣を得た。これを約15mlのCHCl
/EtOH(8:2)中に溶解し、TLC級シリカゲ
ル50gを用いてCHCl/EtOH/NHOH
(50:3:1)で展開した。最初に流出する成分を含
む画分を集めて、溶媒を留去し乾燥した。残渣を短時間
で少量のCHCN中に溶解させ、冷却しつつ結晶化し
た。CHCl−EtOH溶液とエーテル性HClで
処理することによて塩酸塩にした。粗生成塩をEtOA
c/EtOHの1:1混合物中に溶解させ、冷却して固
体生成物を濾過することによって化合物Lを1.68g
得た。さらに乾燥して80℃で3.5時間減圧乾燥した
後に測定した融点は275−280℃であった。
6−クロロ−2,8,8−トリメチル−1,2,3,
4,8,9,10,10a−オクタヒドロナフト[1,
8−cd]アゼピン−7−オールの製造 M.6−クロロ−1−(3−メチル−2−ブテニル)−
2−オキソ−3−メチル−7−メトキシ−2,3,4,
5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン 化合物III(4.8g)を35mlの1,2−ジメトキ
シエタンおよび15mlのDMFに溶解した溶液に、Na
H(1.92g、鉱油中60%)の懸濁液を少しずつ添
加した。30分後、0.022molの臭化ペンチルを
10mlのDMFに溶解した溶液を撹拌しながら滴下し
た。撹拌を40℃で1.5時間継続して反応混合物を激
しく撹拌しながら250mlの氷水中に注いだ。沈降した
固体を濾過して冷水で洗浄し、アセトニトリルから再結
晶することによって2.8gの生成物Mを得た。融点:
143−145℃ N.6−クロロ−1−(3−メチル−2−ブテニル)−
3−メチル−7−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒ
ドロ−1H−3−ベンズアゼピン 200mlの乾燥THF中に入れたLAH(10g)の懸
濁液を撹拌しながら、化合物M(30.5g)を乾燥T
HF350mlに溶解した溶液を迅速に滴下した。反応混
合物を50℃で1時間撹拌して、さらに1時間40℃で
撹拌した。冷却撹拌した反応混合物に10mlの水、10
mlの15%NaOH、30mlの水を順に滴下した。沈降
した固体をセライトで濾過して、100mlのエーテルで
2回洗浄した。濾液をあわせて、無水KCOで乾燥
し濾過した。溶媒を留去して乾燥することによって約2
7gの高粘性の残渣を得た。400gのTLC級シリカ
ゲルのカラム中をCHCl/EtOH/NHOH
(100:3:1)、次いでCHCl/EtOH/
NHOH(50:3:1)で展開することによって精
製した。TLC上をゆっくりと移動する成分を含有する
画分を集め、減圧蒸留することによって19.2gの生
成物Nを高粘性シロップ状物として得た。
O.6−クロロ−1−(3−メチル−2−ブテニル)−
3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3
−ベンズアゼピン−7−オール 7.5gの60%NaHを鉱油中に分散した分散液を用
いて、エタンチオール(12ml)を150mlのDMFに
溶解した溶液を撹拌しながら少しずつ処理した。この混
合物を引き続き撹拌しながら、化合物N(19.0g)
30mlのDMFに溶解した溶液を滴下した。得られた混
合物を窒素でガスシールし、撹拌して115℃に3時間
加熱した。反応混合物を50℃に冷却後、1400mlの
氷水中に注いだ。さらにAcOHを添加してpHを〜8に
調整した。この化合物を200mlのCHClで2回
抽出して、抽出液をあわせてMgSOで乾燥し、濾過
した。溶媒を留去して乾燥することによって18.1g
の高粘性シロップ状物を得た。この物質を200mlのC
Clに溶解して、400mlの水で3回洗浄した。
CHCl層をMgSOで再度乾燥して溶媒を留去
することによって粘性シロップ状化合物Oを15.0g
得た。
P.6−クロロ−2,8,8−トリメチル−1,2,
3,4,8,9,10,10a−オクタヒドロナフト
[1,8−cd]アゼピン−7−オール 化合物O400mgを8mlのCHSOH中に溶解した
溶液を、室温で2時間撹拌した。その後、100mlの水
中に注ぎ、NaOHを添加しさらにAcOHを添加する
ことによってpHを8に調整した。室温で一晩静置後、沈
降した固体を濾過し、水で洗浄して、アセトニトリル/
エタノール(1:1)を用いて再結晶した。固体生成物
を濾過して80℃で6時間減圧乾燥することによって、
化合物P260mgを得た。融点217−219℃ Q.ラクタム9.5gを125mlの乾燥テトラヒドロフ
ラン中に溶解した溶液を、1Mボラン/THF100ml
中に冷却・撹拌しながら滴下した。この混合物を室温ま
で暖め、一晩還流温度に加熱した。反応混合物の溶媒を
留去して70℃で乾燥した。エタノール40mlを残渣に
添加して、さらに20%HCl40mlで処理した。この
混合物をスティームバス上で90分間加熱し、冷却して
有機溶媒を減圧蒸留した。残渣を150mlの氷水で希釈
し濾過して、少量の重炭酸ナトリウムで処理してpHを8
にした。塩化メチレンで抽出し、抽出物をMgSO
乾燥し濾過して、溶媒を留去することによって生成物
6.5gを得た。
この生成物を、300gのシリカゲルクロマトグラフィ
ーによって、塩化メチレンエタノール/水の混合溶媒
(100:3:1)で展開して精製した。薄層クロマト
グラフィーによって目的生成物を含有していることが確
認される画分をあわせて、溶媒を留去して乾燥した。残
渣をアセトニトリル中で破砕して固体を形成させた。こ
れをアセトニトリルを用いて再結晶することによって
2.2gの固体を得た。さらに酢酸エチルを用いて再結
晶することによって1.15gの固体とし、90gのシ
リカゲルクロマトグラフィーによって塩化メチレン/エ
チレン/水酸化アンモニウム(50:3:1)で展開す
ることによって精製した。目的とする画分から溶媒を留
去して2種類の生成物を得た。遅く流出した生成物を熱
アセトニトリルで処理することによって式IIの化合物を
得た。融点154−156℃ 出発物質たるラクタムを、実施例1(C)に類する方法
によって得た。
実施例4 6−クロロ−2,8−ジメチル−1,2,3,4,8,
9,10,10a−オクタヒドロナフト[1,8−c
d]アゼピン−7−オールの製造 R.化合物2.5gの氷水中で冷却し、これにメタンス
ルホン酸50mlを滴下した。この混合物を室温で2時間
撹拌して、氷で冷却したNaOH水溶液300ml中に注
いだ。この溶液のpHを50%NaOHを用いて約6に調
整し、次いでNaHCOを用いて約8にした。沈降し
た固体を濾過し、200mlの水で洗浄した。さらに10
0mlのCHClと300mlの水中に完全に溶解し
た。水層を分離して、CHCl100mlで2回抽出
し、有機抽出物とあわせてMgSOで乾燥した。この
混合物を濾過して、濾液から溶媒を留去して固体残渣を
得た。これを少量のエタノールを含有する熱酢酸エチル
に溶解し、冷蔵庫中で一晩冷却した。
この混合物を濾過することによって化合物Tの1つの立
体異性体を結晶として得た(融点:194−196
℃)。この濾液から溶媒を留去して乾燥し、さらに固体
残渣をあつめて少量の酢酸エチルで洗浄した。この生成
物を少量のエタノールを含有する酢酸エチルを用いて再
結晶し、化合物Tのもう1つの立体異性体である結晶生
成物を得た(179−181℃)。この化合物は*印を
付した部分の立体異性体である。分離したこれらの立体
異性体がいずれの配置に該当するかは決定していない。
出発物質Sは、化合物Oの製造方法として記載したスキ
ーム2にしたがって製造することができる。
以下に示す表2の左欄は実施例番号、中央欄は出発物
質、右欄は生成物を示す。それぞれの段の実施例番号、
出発物質、生成物をそれぞれ関連しており、出発物質を
実施例番号に示す実施例の工程にしたがって処理すれば
対応する生成物を得ることができることを示している。
以下に、本発明の組成物の適用形態の例を示す。ここに
おいて、「活性物質」という語は以下に示す化合物をさ
す。
なお、この化合物は上述の本発明化合物効果量で置き換
えることができる。製剤例A 成分1と成分2とを適当なミキサー中で10−15分混
合した。得られた混合物を成分3とともに粒状化して、
湿った粒状物を必要に応じて粗いスクリーン(例えば1/
4″、0.63cm)を通した。必要に応じて乾燥した粒
状物をスクリーンし、成分4と混合して10−15分混
合した。成分5を加えて1−3分間混合し、得られた混
合物を適切な大きさに圧縮して、適当な錠剤用機器上で
秤量した。製剤例B 製造法 成分1、成分2および成分3を適当な混合機を用いて1
0−15分混合した。さらに成分4を添加して1−3分
間混合した。この混合物を適当なカプセル化用機器を用
いて適当な2部構成のハードゼラチンカプセル中に入れ
た。
本発明の化合物を含有する注射剤を通常用いられる方法
によって調整した。
上において特定の具体例を用いて本発明を記載してきた
が、これらに代替、変更、改良を加えることは当業者に
とって自明であろう。したがって、これらの代替、変
更、改良も本発明の創作範囲に属するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クラダー,ジョン・ダブリュー アメリカ合衆国ニュージャージー州07016, クランフォード,ノース・ユニオン・アヴ ェニュー 428 (56)参考文献 特開 昭62−185075(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1.式: (上式において、RはH、アルキル、アリルまたは である。 nは0または1である。 RおよびRは、同一であっても異なっていてもよ
    く、それぞれ独立にH、OH、C−Cのアルキルま
    たはArである。ただし、RとRは同時にOHにな
    ることはなく、nが0のときRはC−Cのアルキ
    ルまたはArであり、RはCHであり、RはHで
    ある。 RおよびRは、同一であっても異なっていてもよ
    く、それぞれ独立にHまたはC−Cのアルキルであ
    る。 GはH、(R,R)NCO−またはArNHCO−
    である。 RおよびRは、同一であっても異なっていてもよ
    く、それぞれ独立にH、C−CのアルキルまたはA
    rである。 Arはフェニルまたは置換フェニルである。 YおよびZは、同一であっても異なっていてもよく、そ
    れぞれ独立にH、ハロゲン、C−Cのアルキル、C
    −CのアルコキシまたはC−Cのハロアルキル
    である。 ただし、(A)R、R、RおよびRのうち少な
    くとも1つは水素でなければならない、および/または
    (B)GはArNHCO−または(R,R)NCO
    −でありRおよびRの少なくとも1つはArなけれ
    ばならない。) で表される化合物またはその薬学的に許容される塩。
  2. 【請求項2】以下の化合物およびそれぞれの薬学的に許
    容される塩からなる群より選択される請求項1の化合
    物。
  3. 【請求項3】適切な医薬用担体とともに、活性成分とし
    て請求項1に記載される式Iまたは式II: で表される化合物を含有する精神病治療用医薬組成物。
  4. 【請求項4】下記のi)、ii),iii),iv)および
    v)から選択される工程を含む請求項1の式Iの化合物
    の製造方法: i)環化剤の存在下、反応混合物の還流温度以下の温度
    で、式: (上式において、Y、Z、RおよびRは請求項1で
    定義される通りであり、アルキルは直鎖または分枝状の
    炭素数1−8、好ましくは1−6の飽和炭化水素であ
    る。)で表される化合物を環化し、還元剤と溶媒の存在
    下、反応混合物の還流温度以下の温度で、式: で表される生成化合物を還元する工程、 ii)環化剤の存在下、式: (上式において、R、R、R、YおよびZは請求
    項1で定義したとおりであり、R′およびR′は上
    で定義したRおよびRとそれぞれ同一であるが、R
    ′およびR′は同時にHにはならない。)で表され
    る化合物を環化する工程、 iii)環化剤の存在下、式: (上式において、R、YおよびZは請求項1で定義した
    とおりであり、R″はC−CのアルキルまたはAr
    である。)で表される化合物を環化する工程、 iv)水素化剤および溶媒の存在下で、式: で表される化合物を水素化して、式: で表される化合物を得る工程、 v)塩素化剤および溶媒の存在下で、式: で表される化合物を塩素化して式: で表される化合物を得る工程。
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