JPH06154748A - アンモニア型復水脱塩装置の運転方法 - Google Patents

アンモニア型復水脱塩装置の運転方法

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JPH06154748A
JPH06154748A JP4313545A JP31354592A JPH06154748A JP H06154748 A JPH06154748 A JP H06154748A JP 4313545 A JP4313545 A JP 4313545A JP 31354592 A JP31354592 A JP 31354592A JP H06154748 A JPH06154748 A JP H06154748A
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  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 イオン交換樹脂の再生処理によりむしろNa
分率を増加させていた弊害を除去し、従来よりも処理水
質の向上をもたらす新規なアンモニア型復水脱塩装置の
運用方法を提供する。 【構成】 混合イオン交換樹脂を充填した通水塔を複数
並列した通水系統に復水を通してアンモニア型の復水処
理を行ないながら、復水通水状態にある各通水塔の入口
水、出口水の不純物イオン濃度を測定しながら同時に各
通水塔の圧力損失状態を監視し、該入口水、出口水の不
純物濃度が予め定めた規定値以下の状態にある通水塔に
おいてその圧力損失が予め定めた規定値に達した場合に
は、当該通水塔の混合イオン交換樹脂に対して再生剤を
通薬するイオン交換樹脂の再生処理を行うことなく、ク
ラツド除去のための逆洗処理のみを行なった後、当該通
水塔を上記通水系統に復帰させて該通水塔の復水処理を
再開する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はPWR型原子力発電所又
は火力発電所、特には火力発電所の復水処理に用いられ
るアンモニア型復水脱塩装置の運転方法に関するもので
ある。
【0002】
【発明の背景と従来の技術】火力発電所では、発電ター
ビンを駆動させた後の蒸気を冷却して復水とし、この復
水を加熱して再び蒸気として発電タービンを駆動させる
という循環サイクルを繰り返している。この循環サイク
ルでは、系内を循環する復水が各種の不純物イオンやク
ラツドで汚染されるので、これらの汚染物を復水脱塩装
置で除去することが必要となっている。
【0003】ところでこの火力発電所の復水循環系にお
いての復水中の不純物イオンやクラッドの除去処理を行
なうために用いられている復水脱塩装置については、そ
の運転方法として、H形強酸性陽イオン交換樹脂とOH
形強塩基性陰イオン交換樹脂の混合イオン交換樹脂を用
いるいわゆるH−OH型復水脱塩方法と、アンモニア形
強酸性陽イオン交換樹脂とOH形強塩基性陰イオン交換
樹脂の混合イオン交換樹脂を用いて復水中のアンモニウ
ムイオンは除去せずに他の不純物を除去するアンモニア
型復水脱塩方法の二つが知られているが、近時において
は、上記後者のアンモニア型復水脱塩方法が、H−OH
型復水脱塩方法と比較してランニングコストが廉価であ
るために盛んに用いられるようになってきている。
【0004】このアンモニア型復水脱塩方法に使用され
るアンモニア型復水脱塩装置の構成を概略説明すると、
これは大別して、復水を処理するための複数の通水塔
(復水脱塩塔)からなる通水系統と、この通水塔内のイ
オン交換樹脂を再生するための再生系統とからなってい
て、各通水塔内にH形あるいはNH4 形の陽イオン交換
樹脂とOH形の陰イオン交換樹脂の混合イオン交換樹脂
層を充填してなるものである。各通水塔は、この塔内に
充填した混合イオン交換樹脂により復水中の不純物イオ
ンをイオン交換作用により除去し、また復水中のクラツ
ドを、このイオン交換樹脂のろ過作用あるいは吸着作用
により除去する。
【0005】一方、各通水塔に充填したイオン交換樹脂
は、クラツドの蓄積により圧力損失が増加しあるいは不
純物イオンでイオン交換能力が低下するので、適当な時
点において当該通水塔内の混合イオン交換樹脂を再生系
統の設備に送り、必要な再生処理が行なわれる。この再
生処理の一つは、混合イオン交換樹脂を充分にバブリン
グすることでクラツドを逆洗除去する処理であり、他の
一つは、バブリング後に逆洗沈整して分離した陽イオン
交換樹脂層と陰イオン交換樹脂層に、陽イオン交換樹脂
層に対しては酸再生剤を通薬し、また陰イオン交換樹脂
層に対してはアルカリ再生剤を通薬してそれぞれ不純物
イオンを脱着する処理である。
【0006】なおアンモニア型復水脱塩装置における再
生処理は、通水系統とは別に設けられた再生設備におい
て、使用済み混合樹脂を強酸性陽イオン交換樹脂(以下
「陽イオン交換樹脂」という)についてはH形に再生
し、また強塩基性陰イオン交換樹脂(以下「陰イオン交
換樹脂」という)についてはOH形に再生し、この後H
形とOH形の両イオン交換樹脂の混合樹脂を通水塔に充
填し、H形陽イオン交換樹脂のNH4 形への変換は復水
に含まれている水酸化アンモニウムによって復水を通水
しながら行うのが普通である。
【0007】このような再生処理が行われたイオン交換
樹脂を充填した通水塔により行われる復水脱塩処理にあ
っては、アンモニア型復水脱塩装置といってもその通水
の初期においてはH−OH型復水脱塩装置として運転さ
れることになるのであり、アンモニア型復水脱塩装置と
して運転されることになるのは、通水中に、H形陽イオ
ン交換樹脂がNH4 形陽イオン交換樹脂に変換された時
点以降である。
【0008】以上のような構成を有するアンモニア型復
水脱塩装置の運用において特徴的であるのは、既知のH
−OH型復水脱塩装置では通水塔処埋水の導電率が規定
値より上昇した時点つまり処理水にアンモニウムイオン
がリークした通水の終点を再生時点としているのに対
し、このアンモニア型復水脱塩装置の運用では通水塔の
処理水にアンモニウムイオンがリークし、しかもこのア
ンモニウムイオンが処理原水である復水中のそれと同じ
量になっても更に通水を続行するという点にある。すな
わち復水中のナトリウムイオンや他の不純物を除去でき
る能力を有する限りアンモニウムイオンのリークを問題
としない復水脱塩装置の運用方法であるということがで
きる。
【0009】しかし、このような復水脱塩装置の運用を
有効化するためには、陽イオン交換樹脂の再生を特に厳
密に行なうことが必要とされる、これはアンモニア型復
水脱塩装置で使用される陽イオン交換樹脂はNH4 形樹
脂であり、アンモニウムイオンが多量に存在する復水中
に微量のナトリウムイオンをイオン交換するのであるか
ら、再生後の陽イオン交換樹脂中に規定量以上のNa形
陽イオン交換樹脂が含まれていると、通水塔の処理水に
アンモニウムイオンがリークするとぼぼ同時にナトリウ
ムイオンもリークし、当該規定値を越えてしまうからで
ある。このような観点から、アンモニア型復水脱塩装置
を間題なく運転するには、前記規定値として再生後のナ
トリウム分率(全交換基に対するNa形交換基のモル分
率)を例えば0.003以下にしなければならないと一
般に考えられている。
【0010】ここで、再生後の混合樹脂にNa形陽イオ
ン交換樹脂が混入する要因について考えてみると、その
最も大きな原因の一つとして、陰イオン交換樹脂を再生
する際に用いる水酸化ナトリウム溶液が陽イオン交換樹
脂に接触し、Na形になった陽イオン交換樹脂がそのま
ま再生後の混合樹脂に混入する問題を挙げることができ
る。すなわち、両イオン交換樹脂を逆洗で分離し、例え
ば、2層に分離した上層の陰イオン交換樹脂、下層に分
離した陽イオン交換樹脂をそのままの状態で再生するl
塔再生法では、分離境界面からコレクターで陰イオン交
換樹脂の再生廃液を取り出す際に多量の水酸化ナトリウ
ムを含む再生廃液が陽イオン交換樹脂に接触することが
原因して上記問題が起こるし、また両イオン交換樹脂を
分離し、例えば上層の陰イオン交換樹脂を他の塔に移送
し下層の陽イオン交換樹脂を残すことで両イオン交換樹
脂を別々の塔に保持してそれぞれの塔内において再生す
るという2塔再生法では、移送した陰イオン交換樹脂中
に分離境界面に存在する小量の陽イオン交換樹脂が混入
し、これに再生剤である水酸化ナトリウム溶液が接触す
るために上記問題を招いてしまうのである。
【0011】これとは別に、水流により逆洗分離不可能
な陰イオン交換樹脂中に存在する微細な陽イオン交換樹
脂に水酸化ナトリウム溶液が接触することも原因の一つ
となり得る。
【0012】しかしこれらの問題は従来から指摘されて
いるところであり、したがってその問題を改善するため
の提案も従来から種々されている。例えば、1塔再生法
においては、前記コレクターの設置位置を分離境界面よ
り上方の陰イオン交換樹脂層内とする事により分離境界
面付近の陽イオン交換樹脂に水酸化ナトリウムを含む再
生廃液が接触するのを出来るだけ低減させる提案があ
り、また2塔再生法においては、イオン交換樹脂を逆洗
分離した後、上層の陰イオン交換樹脂を他の塔に移送す
る際に分離境界面の上方に少量の陰イオン交換樹脂を残
留させて移送することにより、他の塔に移送した陰イオ
ン交換樹脂中への陽イオン交換樹脂の混入を防止するこ
とが考えられている。なお2塔再生法においては、分離
境界面上層の少量の陰イオン交換樹脂と分離境界面下層
の少量の陽イオン交換樹脂とをさらに別塔に移送し、こ
の移送した混合樹脂は再生せずに貯蔵し、次回に送られ
てくる混合樹脂と合せて、以降は前述と同様にして常に
再生しない樹脂として別塔に移送するという方法も採用
されており、この方法によれば、陽イオン交換樹脂の再
生剤が陰イオン交換樹脂に接触することも合わせて低減
し得る。また陰イオン交換樹脂中に存在する微細な陽イ
オン交換樹脂に対する対策としては、陰イオン交換樹脂
を再生した後に、水酸化アンモニウム溶液を通薬し、陰
イオン交換樹脂中に存在する微細な陽イオン交換樹脂を
Na形からNH4 形に変換する方法、混合樹脂を分離す
る場合、水流による逆洗に変えて両イオン交換樹脂の中
間の比重を有する濃厚な水酸化ナトリウム溶液で比重分
離する方法も採用されている。
【0013】またアンモニア型復水脱塩装置に使用する
イオン交換樹脂、特に陽イオン交換樹脂については、陰
イオン交換樹脂との分離性を改善するため、微細な粒径
の樹脂を取り除いた陽イオン交換樹脂を使用する方法も
採用されている。
【0014】このように、アンモニア型復水脱塩装置に
おいては通常定収量あるいは圧力損失が規定値に達する
と再生が行われるが、この再生によって陽イオン交換樹
脂のNa分率がむしろ増加する問題は避け難く、再生後
の陽イオン交換樹脂のNa分率を0.003以下にする
という課題を満足するためには、イオン交換樹脂の再生
処理を行なうことは必ずしも常に望ましいものとは言え
ない。
【0015】また上記のような問題とは別に、上記再生
法のうちの水酸化アンモニウム溶液を用いる方法は、系
外に余分なアンモニウムイオンが再生廃液として排出さ
れるため排水の窒素規制が厳しくなっている今日におい
ては余り歓迎されなくなりつつあり、また濃厚な水酸化
ナトリウムで比重分離を行う方法は、イニシャルコスト
の増大とともに、比重分離の際に多量の陽イオン交換樹
脂が完全にNa形となり、これをH形に再生する場合、
酸の使用量が増加するとともに、陰イオン交換樹脂は濃
厚な水酸化ナトリウムと接触するため樹脂が壊れ易くな
るためやはりあまり歓迎されない方法と言うことがで
き、再生処理に伴う付随的な諸問題を招く欠点がある。
【0016】以上のような問題から、本出願人は、アン
モニア型復水脱塩装置において、定収量あるいは圧力損
失が規定値に達したら通水塔を通水系統から切り離して
混合樹脂を再生系統に移送して再生を行うという操作に
おいては従来法と同様であるが、その際、この移送する
混合樹脂の一部をカラムに取り出して陽イオン交換樹脂
のNa分率を測定し、Na分率が規定値以下であれば混
合樹脂を逆洗しクラツドを除去するだけでそのまま通水
塔に戻し、再び復水処理に使用するアンモニア型復水脱
塩装置の運転方法を提案している(特公平3−1037
6号)。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記提案
のアンモニウム型復水脱塩装置の運転方法を更に検討し
たところ、更に改善すべき点のあることが知見された。
【0018】すなわち、上記のアンモニア型復水脱塩装
置の運転方法では、定収量通水後、混合樹脂を再生系統
に取り出し再生を行う際に、混合樹脂のl部を装置に付
設したカラムに取り出し陽イオン交換樹脂のナトリウム
分率を測定し、ナトリウム分率が規定値以下であれば混
合樹脂を逆洗しクラツドを除去するだけで再生を行わず
に、そのまま通水塔に戻し復水処理に使用する方法であ
るため、混合樹脂の一部を試験カラムに採取するのに充
分な注意を要するという問題がある。具体的に言えば、
復水脱塩装置の通水塔1塔あたりの充填樹脂量は数千リ
ッターであり、これからNa分率測定用の樹脂数リッタ
ーを採取する場合、装置に付設した試験カラムに取出す
樹脂量や内容を常に一定の状態にすることは非常に困難
である。このことは、運転の継続に従って例えば陽イオ
ン交換樹脂が破砕し微細なものが増大してくるために逆
洗時の陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂の分離性が
次第に低下することからも理解される。このため、実際
の通水塔内のイオン交換樹脂の状態とは必ずしも一致し
ないNa分率の測定結果に基づいてイオン交換樹脂の再
生の必要性を判断することになり、工業的には、通常、
規定値より十分に安全率をみて運用を行なう必要がある
から、樹脂再生回数を低減できるという効果を十分に生
かせない傾向となってしまう。
【0019】また、採取した樹脂の陽イオン交換樹脂の
Na分率を測定する作業は数時間を要するものであるか
ら、工業的に望まれるリアルタイムな対応ができず、ま
た作業自体も煩雑という問題がある。
【0020】そこで本発明者等は、アンモニア型復水脱
塩装置の運転方法につき更に検討を重ねた。その過程
で、通水塔を通過する復水の処理水質を測定したところ
これは図1の推移を示すという事実を知見するに至っ
た。
【0021】この図1から分かることは、一般に初期は
H−OH型の状態で始まる復水の通水サイクルは、初期
のH形陽イオン交換樹脂とOH形陰イオン交換樹脂での
2〜5日間の運転期間(H/OH運転)、陽イオン交換
樹脂がH形からNH4 形に変わる移行期間(1〜2
日)、およびその後NH4 形陽イオン交換樹脂とOH形
陰イオン交換樹脂での20〜25日間の運転期間(NH
4 /0H運転)に分けられるが、その際、処理水質は復
水中にはほとんどアンモニウムイオンのみであり不純物
イオンは極微量であるため、H/OH運転期間ではナト
リウムイオンのリークはほとんど無く、NH4 ヘの移行
期間にナトリウムイオンのリークは最大になり、NH4
/OH運転期間に移行した後はナトリウムイオンリーク
は次第に低下することである。このような従来知られて
いなかった処理水質の推移の知見は、アンモニア型復水
脱塩装置のより改善された運転方法を検討する上で極め
て有益であった。
【0022】なお、復水中には陰イオン成分である塩化
物イオン、硫酸イオン等は極く微量のため陰イオン交換
樹脂のOH形の消費はほとんど無く、処理水中へのリー
クも非常に少ない。例えば下記に示すように陰イオン交
換樹脂のR−OHの消費は極僅かであり、通常時は陰イ
オン交換樹脂の再生は不要である。
【0023】 復水中の陰イオン成分は通常 1μg CaCO3
l以下 陰イオン交換樹脂に対する通水流量 150 l/l-R・hr(S
V=50) 従って1年間のR−OH消費量(=吸着イオン量)は以
下の通りである。
【0024】
【数1】
【0025】一方、脱塩塔の圧力損失は、処理水質の推
移とは直接関係なしに、復水中のクラツドの捕捉蓄積に
より次第に増大する。
【0026】これらの結果を総合的に判断すれば、従来
は、定収量に達した時点でイオン交換樹脂の不純物イオ
ンに対する吸着能力があるにもかかわらず逆洗によるク
ラツド除去とイオン交換樹脂の再生という、後者につい
ては本来必要のない大変不経済な操作を行っていたこと
が理解される。
【0027】また、イオン交換樹脂の再生処理を行なう
ことは上述のようにむしろNa分率を増加させることに
なっており、これを回避するためになされた様々な装置
上の工夫も、その重要度はあまり大きくなかったとも言
える。
【0028】また更に、本出願人が提案した上記特公平
3−10376号の方法でも、測定用カラムに通水塔内
の状態を不十分にしか再現できないため、蓄積クラッド
を除去する再生操作の必要時期とイオン交換樹脂の再生
の必要時期とに違いがある、という同提案での優れた知
見を十分効果的に生かすことができていなかった。
【0029】本発明者等は、以上述べた従来技術につい
ての様々な問題点と、上記図1で示した処理水質の経時
的な推移とを併せ検討した結果、通水塔内においてイオ
ン交換樹脂に蓄積されたクラッドの除去のための再生操
作の必要性及びその再生時期の決定と、イオン交換樹脂
の再生操作の必要性等とは全く異なった観点から対応出
来るものであり、したがって、アンモニア型復水脱塩装
置を運用する場合に、最も有効にその効果を発揮させる
ことができる新規な運転方法を開発するに至ったのであ
る。
【0030】すなわち、本発明は、従来にない新規なア
ンモニア型復水脱塩装置の運用方法を提供することを目
的とする。
【0031】また本発明の別の目的は、従来、イオン交
換樹脂の再生処理によりむしろNa分率を増加させてい
たという弊害を全く除去することができ、従来よりも処
理水質の向上をもたらすことができる新規なアンモニア
型復水脱塩装置の運用方法を提供するところにある。
【0032】また本発明は、復水脱塩装置の再生操作が
従来に比べて著しく簡素化でき、操作も容易で、操作時
間も短くできる新規なアンモニア型復水脱塩装置の運用
方法を提供するところにある。
【0033】更にまた本発明の他の目的は、イオン交換
樹脂の再生処理の頻度を極めて減少することができ、究
極的には、復水脱塩装置の状態如何によりこの再生処理
が全く不要とした運転も可能とすることができ、したが
って、通薬する再生剤量の削減、再生水の処理設備の負
担軽減、及びこれによるランニングコストの低減、更
に、再生水の排水量の減少による周囲環境に対する影響
の低減を図ることができる新規なアンモニア型復水脱塩
装置の運用方法を提供するところにある。
【0034】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために本発明者は、上記特許請求の範囲に記載した
本発明を完成した。
【0035】本発明のアンモニア型復水脱塩装置の運用
方法の特徴は、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を
混合したイオン交換樹脂を充填した通水塔を複数並列し
た通水系統に復水を通してアンモニア型の復水処理を行
ないながら、各通水塔内に充填した混合イオン交換樹脂
の再生必要時には、この通水塔を上記復水の通水系統か
ら切り離してクラツド除去のための逆洗処理及び/又は
再生剤通薬によるイオン交換樹脂の再生処理をする火力
発電所のアンモニア型復水脱塩装置の運転方法であっ
て、復水通水状態にある各通水塔の入口水、出口水の不
純物イオン濃度を測定しながら同時に各通水塔の圧力損
失状態を監視し、該入口水、出口水の不純物濃度が予め
定めた規定値以下の状態にある通水塔においてその圧力
損失が予め定めた規定値に達した場合には、当該通水塔
の混合イオン交換樹脂に対して再生剤を通薬するイオン
交換樹脂の再生処理を行うことなく、クラツド除去のた
めの逆洗処理のみを行なった後、当該通水塔を上記通水
系統に復帰させて該通水塔の復水処理を再開するように
した点にある。
【0036】本発明の方法において、ある通水塔の混合
イオン交換樹脂に所定値まで蓄積したクラツドを逆洗処
理する操作は、この混合樹脂を再生設備の再生塔に移送
して行ってもよいが、この逆洗処理は混合樹脂をスクラ
ビングする単純な操作であるため混合樹脂を移送するこ
となく当該通水塔内で行うこともできる。この場合イオ
ン交換樹脂の上層部のみの逆洗を行なってもよい。
【0037】また上記の構成において、通水状態にある
各通水塔の入口水、出口水の不純物イオン濃度の測定
は、これらの入口水、出口水をイオンクロマト測定装置
等に通すことで行うことができる。具体的には、これら
の入口水、出口水の一部をインライン形式でイオンクロ
マト測定装置に通水する配管を接続して、該イオンクロ
マト測定装置で測定すればよい。不純物イオン濃度を測
定する操作を連続して行うというのは、厳密な意味で途
切れなく測定を連続する場合を含むことは勿論である
が、これに限定されず、設備費の低廉化のためにイオン
クロマト測定装置を共用できるよう、適当な時間単位で
複数の通水塔に接続されている上記インラインの配管の
接続状態を切換えるように構成してもよい。
【0038】各通水塔の圧力損失の状態を監視する方法
は特に限定されず、例えば従来既知の方法を適宜採用し
て行うことができる。
【0039】本発明方法によれば、火力発電所の復水処
理を行うアンモニア型復水脱塩装置において、復水脱塩
装置の入口水、出口水の不純物イオンが管理基準として
設定した規定値以下であれば、イオン交換樹脂を逆洗し
クラッドを除去するという機械的な再生操作のみを行い
イオン交換樹脂の再生剤の通薬を伴う再生は行わずにア
ンモニア型の運転を再開するので、イオン交換樹脂自体
の化学的状態に変化を与えることなく実質的に復水処理
を継続することができ、一次冷却水に使用する海水のリ
ークがない場合には、究極的にはイオン交換樹脂に対す
る再生剤通薬を不要とした運転も実現できる。
【0040】
【実施例】以下、本発明方法を図面に基づいて更に説明
する。
【0041】図2は本発明方法を適用するアンモニア型
復水脱塩装置の構成概要例を示したもので、この図にお
いて1,2,3は陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂
を充填した通水塔であり、図示しないコンデンサからの
入口水側配管4は分岐されて各分岐入口管41,42,
43は、各通水塔1,2,3の入り口に接続されてい
る。またこの入口水側配管4は、分岐されてイオンクロ
マト測定装置5に接続されている。
【0042】またこの通水塔1,2,3の出口管61,
62,63は、出口側配管6に合流流されて、図示しな
いボイラーに接続されていると共に、各出口管61,6
2,63は、それぞれ上記イオンクロマト測定装置5に
接続されている。
【0043】このような構成により、復水入口水、及び
各通水塔の出口水の一部の水は図示しない通水切換手段
により、適時切換えて上記イオンクロマト測定装置5に
流れることができるようにされ、イオンクロマト測定装
置5により復水及び出口水中のナトリウムイオン、塩化
物イオン、硫酸イオン等の不純物イオンを実質的に連続
して測定できるようになっている。
【0044】また各通水塔の混合イオン交換樹脂にクラ
ッドが蓄積することに伴って増大する圧力損失は、図示
しない既知の測定手段により連続して測定監視出来るよ
うにされている。
【0045】なお各通水塔内の混合イオン交換樹脂は、
図示しない再生設備の再生塔に適時移送できるようにさ
れ、この再生設備において所定の再生処理が出来るよう
になっている。
【0046】以上の構成において、混合イオン交換樹脂
を充填した通水塔1,2,3を初期のH−OH形で起動
した後アンモニア型の運転状態に移行した以降において
は、いわゆる海水リークが発生しない限り各通水塔によ
る処理水のNa分率が次第に低下する傾向を示すことは
既に図1で述べた通りである。
【0047】したがって、このような状態で混合イオン
交換樹脂の圧力損失が規定値に達した場合には、混合イ
オン交換樹脂層に蓄積したクラッドを除去する再生操作
のみを行ない、他方、イオン交換樹脂を再生する再生剤
の通薬を行なうことなく、この通水塔を復水処理の通水
状態に復帰させることで復水処理を続行することができ
る。
【0048】したがって、本発明方法によれば、いわゆ
る海水リークが発生しない限りにおいては上記のクラッ
ド除去の再生処理のみを行なうことだけで、全サイクル
期間中(発電プラントの定期検査から次ぎの定期検査ま
での間)においてイオン交換樹脂を再生する再生剤の通
薬を行なわない操作が実現できるという効果が得られ
る。
【0049】なお、図2の構成を有する復水脱塩装置に
よれば、復水器(コンデンサ)から海水がリークした場
合でも、復水中の不純物イオン、通水塔の出口イオンを
たえずイオンクロマト測定装置により連続監視すること
が可能であるから、このような海水リークが発生した場
合は、従来行なわれている再生操作、すなわちイオン交
換樹脂に対する再生剤通薬の再生処理を実施することに
より適切な運転が行えるという利点もある。
【0050】試験例 火力発電所において下記表1の条件で図3のようにカラ
ムを設置し、復水を通水した。
【0051】
【表1】
【0052】表に示したこれらのカラムついては、N
o.1カラムは30日毎にスクラビングのみを行ない、
No.2カラムはスクラビング、及び通薬によるイオン
交換樹脂の再生を、以下のようにして行なった。
【0053】No.1カラム 30日毎に、混合イオン交換樹脂を復水脱塩カラム
から取出して、再生カラムに移す。
【0054】 再生カラムの下部から、空気と水にて
逆洗(スクラビング)を行なってクラッド鉄を除去し
た。
【0055】 スクラビング終了後、復水脱塩カラム
にイオン交換樹脂を戻して、復水の通水を再開する。
【0056】No.2カラム 〜 No.1カラムと同じ。
【0057】 スクラビング終了後、逆洗分離し、上
層の陰イオン交換樹脂を再生カラムに移す。 陽イオン交換樹脂、及び陰イオン交換樹脂を再生し
(R−Na;0.3%、R−Cl;5%、R−SO4
20%)、終了後、再生したイオン交換樹脂を混合し復
水脱塩カラムに戻して、復水の通水を再開する。
【0058】以上の再生操作を繰り返しながら、カラム
に復水を流し、差圧の監視、及びインラインイオンクロ
マト測定装置により両カラムの処理水のNa,Cl,S
4を連続監視してその結果を図4及び図5に示した。
【0059】これらの図から分かるように、No.1の
カラムの水質は30日以降きわめて良好な水質が安定し
て得られていることが分かる。他方、No.2のカラム
では、再生毎に水質が悪くなる状態を繰り返し、不安定
であることが分かる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、アンモニア型復水脱塩
装置において入口水、出口水の不純物イオン濃度を連続
測定しながら圧力損失を監視することにより、海水リー
クが無いために不純物イオン濃度が上昇しない通常通水
時にクラツド蓄積で圧力損失が予め定めた規定値に達し
た場合は、イオン交換樹脂に対する再生剤通薬による再
生操作を行わず、クラツド除去の機械的な再生処理のみ
でアンモニア型復水脱塩装置の継続通水が可能となるた
め、従来再生時の再生剤通薬に原因して発生していた陽
イオン交換樹脂のNa分率の増加を防止できるという効
果があり、これにより、アンモニア型の復水処理の利点
を最大限に発揮させた運転継続が可能となって、経時的
に安定した処理水質の向上が実現できるという効果があ
る。
【0061】また、再生操作の簡略化による再生時間の
短縮、再生剤および再生水の大幅な節約、また排水の窒
素規制が厳しくなっている今日、再生排水の大幅な低減
が可能になるという効果もある。
【0062】更に、クラツド除去の機械的な再生操作の
みを行う場合には、この操作を、混合イオン交換樹脂の
移送を行うことなく通水塔内で直接行うことで、再生操
作の一層の簡略化を実現できるという効果もある。
【0063】したがって、これらの種々の効果をもたら
す本発明方法の技術的な貢献は、火力発電所の復水処理
技術において極めて大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、アンモニア型復水脱塩装置における通
常状態での運転時に現れる処理水質の経時的な推移を測
定した結果を示した図、
【図2】図2は、本発明方法を適用するために、配管に
よりインライン接続したイオンクロマト測定装置を有す
るアンモニア型復水脱塩装置の一例の構成概要を示した
図、
【図3】図3は、試験例に用いたカラムのフローを示し
た説明図、
【図4】図4は、試験例におけるNo.1カラムの処理
水のNa,Cl,SO4 と通水日数の関係を示したグラ
フ、
【図5】図5は、試験例におけるNo.2カラムの処理
水のNa,Cl,SO4 と通水日数の関係を示したグラ
フである。
【符号の説明】
1,2,3:通水塔、4:入口水側配管、5:イオンク
ロマト測定装置,6:出口側配管、41,42,43:
分岐入口管、61,62,63:出口管。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を
    混合したイオン交換樹脂を充填した通水塔を複数並列し
    た通水系統に復水を通してアンモニア型の復水処理を行
    ないながら、各通水塔内に充填した混合イオン交換樹脂
    の再生必要時には、この通水塔を上記復水の通水系統か
    ら切り離してクラツド除去のための逆洗処理及び/又は
    再生剤通薬によるイオン交換樹脂の再生処理をする火力
    発電所のアンモニア型復水脱塩装置の運転方法であっ
    て、 復水通水状態にある各通水塔の入口水、出口水の不純物
    イオン濃度を測定しながら同時に各通水塔の圧力損失状
    態を監視し、該入口水、出口水の不純物濃度が予め定め
    た規定値以下の状態にある通水塔においてその圧力損失
    が予め定めた規定値に達した場合には、当該通水塔の混
    合イオン交換樹脂に対して再生剤を通薬するイオン交換
    樹脂の再生処理を行うことなく、クラツド除去のための
    逆洗処理のみを行なった後、当該通水塔を上記通水系統
    に復帰させて該通水塔の復水処理を再開することを特微
    とするアンモニア型復水脱塩装置の運転方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、混合イオン交換樹脂
    に対するクラツド除去のための逆洗処理のみを行なう処
    理を、当該混合イオン交換樹脂を再生塔に移送すること
    なく当該通水塔内で行うことを特微とするアンモニア型
    復水脱塩装置の運転方法。
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KR20190039886A (ko) * 2016-08-23 2019-04-16 쿠리타 고교 가부시키가이샤 재생식 이온 교환 장치 및 그 운전 방법

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