JP2002361247A - 純水製造方法 - Google Patents
純水製造方法Info
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Abstract
強塩基性アニオン交換樹脂とを混合充填した混床式イオ
ン交換樹脂塔に通水して純水を製造するに当たり、強酸
性カチオン交換樹脂及び強塩基性アニオン交換樹脂を効
果的に再生して、シリカ、その他のイオン濃度が著しく
低減された高純度の純水を製造する。 【解決手段】 強塩基性アニオン交換樹脂のシリカ吸着
量が0.5〜2.5g−SiO2/L−強塩基性アニオ
ン交換樹脂に達したときに通水工程から再生工程に移行
する再生工程において、混床式イオン交換樹脂塔1の混
合状態の樹脂層1Aに強塩基性アニオン交換樹脂再生剤
を通液した後、混床式イオン交換樹脂塔の混合状態の樹
脂層に上向流で逆洗水を導入して強塩基性アニオン交換
樹脂層2と強酸性カチオン交換樹脂層3とに分離し、次
いで、分離された強酸性カチオン交換樹脂層に強酸性カ
チオン交換樹脂再生剤を通液する。
Description
強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂と
を混合充填した混床式イオン交換樹脂塔に通水して純水
を製造する方法において、強酸性カチオン交換樹脂及び
強塩基性アニオン交換樹脂を効果的に再生してシリカそ
の他のイオン濃度が著しく低減された高純度の純水を製
造する方法に関する。
造設備では、後段のサブシステムにおける非再生型混床
式イオン交換装置のシリカ負荷を軽減するために、前段
の一次純水システムにおいて、強酸性カチオン交換樹脂
と強塩基性アニオン交換樹脂とを混合充填した混床式イ
オン交換樹脂塔に被処理水を通水することにより、被処
理水中のシリカやその他のイオン成分を除去し、好まし
くは比抵抗値17.5MΩ・cm以上、シリカ濃度0.
1〜0.5ppb以下の処理水を得ることが行われてい
る。
式イオン交換樹脂塔のイオン交換樹脂は、一般に次のよ
うな手順で再生処理される。 まず、混床式イオン交換樹脂塔に逆洗水(純水)を
上向流で通水した後静沈させることにより、塔内に混合
充填されている強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニ
オン交換樹脂とを比重差を利用して分離する。分離後は
上層に強塩基性アニオン交換樹脂層が形成され、下層に
強酸性カチオン交換樹脂層が形成される。 強酸性カチオン交換樹脂、強塩基性アニオン交換樹
脂をそれぞれ強酸再生剤、強塩基再生剤で再生する。再
生は、強塩基再生剤を上層の強塩基性アニオン交換樹脂
層に下向流で通液し、強酸再生剤を下層の強酸性カチオ
ン交換樹脂層に上向流で通液して行う。再生方式には、
同時再生方式と順次再生方式とがある。同時再生方式で
は、強酸再生剤と強塩基再生剤を同時に通液して、強酸
性カチオン交換樹脂層と強塩基性アニオン交換樹脂層の
界面に位置する中間排水管を通して再生廃液を排出す
る。順次再生方式では、一方の樹脂層に再生剤を通液
し、他方の樹脂層に再生剤の通液方向と逆方向にバラン
ス水として純水を流し、中間排水管からバランス水と再
生廃液を排出することにより、再生を樹脂層毎に行う。
における強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交
換樹脂の混合比は、被処理水の水質、即ち、総アニオン
量及び総カチオン量と、各イオン交換樹脂の全交換容量
に基いて計算により求められ、一般的には、強酸性カチ
オン交換樹脂:強塩基性アニオン交換樹脂=1:1〜
1:4(容量比)の範囲で設定されている。
の(1)〜(4)のような問題があった。 (1) 被処理水を通水して処理する工程(通水工程)
において、強塩基性アニオン交換樹脂に吸着されるシリ
カイオン量が多く、このため、通水工程後の再生工程で
強塩基再生剤を通液しても、強塩基性アニオン交換樹脂
を十分に再生することができず、強塩基性アニオン交換
樹脂にシリカイオンが残留する場合がある。この場合に
は、再生工程後の通水工程再開時に処理水中にシリカイ
オンがリークする。 (2) 再生剤の通液に先立ち、混床式イオン交換樹脂
塔内の強塩基性アニオン交換樹脂と強酸性カチオン交換
樹脂とを分離する際に、両イオン交換樹脂を十分に分離
できない場合がある。特に、塔内の構造上、逆洗水の線
速度を十分に大きくすることができない部分では、イオ
ン交換樹脂の流動が不十分で分離不良となる。強塩基性
アニオン交換樹脂と強酸性カチオン交換樹脂とが完全に
分離されず、強酸性カチオン交換樹脂層中に強塩基性ア
ニオン交換樹脂が混入した部分では、その後の再生工程
において、強塩基性アニオン交換樹脂が強酸再生剤で処
理されることとなる。従って、例えば、塩酸(HCl)
で再生する場合、強塩基性アニオン交換樹脂はCl型と
なり、再生後の通水工程において処理水中にClイオン
がリークするようになる。また、強塩基性アニオン交換
樹脂に吸着している弱塩基性のシリカイオンは、強酸環
境下では解離できないために再生不良となり、再生後の
通水工程において処理水中にシリカイオンがリークする
ようになる。また、強塩基性アニオン交換樹脂層中に混
入した強酸性カチオン交換樹脂が強塩基再生剤の水酸化
ナトリウム(NaOH)で処理された場合には、強酸性
カチオン交換樹脂がNa型となり、再生後の通水工程に
おいて処理水中にNaイオンがリークするようになる。 (3) 強酸性カチオン交換樹脂に対して十分量の強塩
基性アニオン交換樹脂が存在しない場合、例えば、強酸
性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂とが等
容量で混合充填されている場合には、イオン交換樹脂表
面のpH変動による影響で通水工程においてシリカがリ
ークし易くなる場合があった。また、通水工程初期にお
いてはシリカのリークがない場合でも、短時間でシリカ
がリークし始め、再生頻度が実用レベルよりも高くなる
場合もあった。 (4) 弱塩基物質であるシリカイオンは、強塩基再生
剤による解離のみでは再生が不十分であり、常温の強塩
基再生剤による処理のみでは強塩基性アニオン交換樹脂
が吸着したシリカイオンを十分に脱離させることができ
ない。このため、再生工程後の通水工程において、処理
水中にシリカイオンがリークする。
リカ含有水を、強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニ
オン交換樹脂とを混合充填した混床式イオン交換樹脂塔
に通水して純水を製造するに当たり、強酸性カチオン交
換樹脂及び強塩基性アニオン交換樹脂を効果的に再生し
て、シリカ、その他のイオン濃度が著しく低減された高
純度の純水を製造する方法を提供することを目的とす
る。
は、強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹
脂とを混合充填した混床式イオン交換樹脂塔にシリカ含
有水を通水して純水を得る通水工程と、該混床式イオン
交換樹脂塔を再生する再生工程とを有する純水製造方法
において、強塩基性アニオン交換樹脂のシリカ吸着量が
0.5〜2.5g−SiO2/L−強塩基性アニオン交
換樹脂に達したときに通水工程から再生工程に移行する
方法であって、再生工程は、混床式イオン交換樹脂塔の
混合状態の樹脂層に強塩基性アニオン交換樹脂再生剤を
通液する第1の段階と、混床式イオン交換樹脂塔の混合
状態の樹脂層に上向流で逆洗水を導入して該樹脂層を強
塩基性アニオン交換樹脂層と強酸性カチオン交換樹脂層
とに分離する第2の段階と、分離された強酸性カチオン
交換樹脂層に強酸性カチオン交換樹脂再生剤を通液する
第3の段階とを含むことを特徴とする。
樹脂を「SC」と記載し、強塩基性アニオン交換樹脂を
「SA」と記載する場合がある。
L当たりのシリカ吸着量が、0.5〜2.5g−SiO
2/L−SA、好ましくは1〜2.5g−SiO2/L
−SAに達したときに通水工程から再生工程に移行する
ため、強塩基性アニオン交換樹脂再生剤(SA再生剤)
により、強塩基性アニオン交換樹脂にシリカイオンが残
留しないように、強塩基性アニオン交換樹脂を十分に再
生することができる。
イオン交換樹脂の分離を行わず、混合状態のイオン交換
樹脂にSA再生剤を通液して強塩基性アニオン交換樹脂
を再生し、その後逆洗水を導入して強塩基性アニオン交
換樹脂層と強酸性カチオン交換樹脂層とに分離する。
内の混合樹脂層全体をSA再生剤で処理すれば良く、樹
脂の分離性に起因する問題は発生しない。
生剤(例えばNaOH)によりNa型とされた強酸性カ
チオン交換樹脂は、表面電位が小さくなり、イオン交換
樹脂の有する「絡み付き性」が低減されている。しか
も、強酸性カチオン交換樹脂がNa型になると樹脂内の
含水率が下がり、樹脂径が小さくなることで相対的に比
重が大きくなる。このように、強酸性カチオン交換樹脂
が絡み付き難くなると共に、比重が大きくなることによ
り、逆洗分離による強塩基性アニオン交換樹脂層と強酸
性カチオン交換樹脂層との分離性が向上し、一方の樹脂
層に他方の樹脂が混入することを防止することができ
る。
ン交換樹脂層にSC再生剤(例えばHCl)を通液する
ことにより、強塩基性アニオン交換樹脂をCl型にする
ことなく、またNa型の強酸性カチオン交換樹脂を残留
させることなく、強酸性カチオン交換樹脂のみを効果的
に再生することができる。
シリカイオンやNaイオン、Clイオンのリークを防止
して、良好な水質の処理水を得ることができる。
0〜80℃に加温したものを用いることにより、強塩基
性アニオン交換樹脂に吸着されたシリカイオンを効率的
に脱着させて強塩基性アニオン交換樹脂をより一層確実
に再生することができる。
塩基性アニオン交換樹脂の再生時に、Clイオン等に比
べてイオン交換性が悪く、脱着し難い。このイオン交換
性はイオン解離と相関があり、また、イオン解離性は温
度に比例する。請求項2の方法では、SA再生剤を40
〜80℃に加熱した状態で通液し、強塩基性アニオン交
換樹脂に吸着しているシリカイオンに熱エネルギーを付
与してシリカイオンを熱運動させることにより強塩基性
アニオン交換樹脂からの脱離を促進し、再生効率を高め
る。
脂塔中の強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交
換樹脂の体積比を強酸性カチオン交換樹脂:強塩基性ア
ニオン交換樹脂=1:1.6以上とすることにより、被
処理水中のシリカをイオン状態とし易くして強塩基性ア
ニオン交換樹脂による吸着除去効率を高める。
物質をイオン交換して除去するためには、その物質がイ
オン状態であることが必要となる。被処理水中のシリカ
のイオン解離度は、系内のpHによって変化し、アルカ
リ性環境下では解離度は1であり、中性環境下では解離
度は0となる。従って、シリカのイオン化のためには、
系内がアルカリ性であることが好ましい。ところで、イ
オン交換基がH型の強酸性カチオン交換樹脂の表面のp
Hは酸性側に片寄り、逆にイオン交換基がOH型の強塩
基性アニオン交換樹脂の表面のpHはアルカリ性側に片
寄る。このため、混床式イオン交換樹脂塔内の強酸性カ
チオン交換樹脂の割合が多いと、塔内は酸性環境とな
り、被処理水中のシリカがイオン化され難くなるため、
シリカのイオン交換効率が低下し、処理水中にシリカが
リークしてくる。
脂:強塩基性アニオン交換樹脂=1:1.6以上と、混
床式イオン交換樹脂塔内の強塩基性アニオン交換樹脂の
割合を強酸性カチオン交換樹脂に対して多くすることに
より、塔内をアルカリ性環境とし、シリカ等の弱塩基性
イオンをイオン化してイオン交換効率を高めることがで
きる。
水製造方法の実施の形態を詳細に説明する。
を示す説明図である。
り、内部に強塩基性アニオン交換樹脂2と強酸性カチオ
ン交換樹脂3との混合イオン交換樹脂1Aが充填されて
いる。
(a)に示す如く、被処理水をこの混床式イオン交換樹
脂塔1に通水して、混合イオン交換樹脂1Aでイオン交
換処理する。図1(a)においては、被処理水を塔1の
上部から下向流で通水し、処理水を塔下部から取り出し
ているが、被処理水の通水方向には特に制限はなく、上
向流通水であっても良い。
脂塔1に充填するイオン交換樹脂量は、強酸性カチオン
交換樹脂:強塩基性アニオン交換樹脂=1:1.6以上
(体積比)において、イオン交換樹脂の全交換容量と、
被処理水中の総アニオン量及び総カチオン量に基いて設
定するのが好ましい。強塩基性アニオン交換樹脂量が強
酸性カチオン交換樹脂量の1.6倍未満では、混床式イ
オン交換樹脂塔内が酸性条件となり易くなり、シリカの
除去効率が低減する場合がある。この樹脂割合は、被処
理水の水質によって異なるが、一般的な一次純水システ
ムにおいては、強酸性カチオン交換樹脂:強塩基性アニ
オン交換樹脂=1:1.6〜4(体積比)とするのが好
ましい。
水を通水することにより、混床式イオン交換樹脂塔内の
強塩基性アニオン交換樹脂のシリカ吸着量が0.5〜
2.5g−SiO2/L−SA、好ましくは1〜2.5
g−SiO2/L−SAに達した時点で通水工程から再
生工程に移行する。この再生工程へ移行する際の強塩基
性アニオン交換樹脂のシリカ吸着量が2.5g−SiO
2/L−SAよりも多いと再生により強塩基性アニオン
交換樹脂に吸着したシリカを十分に除去し得ず、通水を
再開した際に処理水中にシリカがリークするようにな
る。再生工程へ移行する際の強塩基性アニオン交換樹脂
のシリカ吸着量が0.5g−SiO2/L−SA未満で
は、再生により高度にシリカを脱着させる本発明の効果
を有効に生かすことができず、再生頻度が高くなり実用
的でない。
には特に制限はないが、通常の場合、空間速度SV=2
5〜100hr−1程度で行われる。
順で実施される。
た後、混床式イオン交換樹脂塔1内のイオン交換樹脂が
混合状態のまま、SA再生剤を通液する。このSA再生
剤の通液は、図1(b)に示す如く、混床式イオン交換
樹脂塔1の上部からSA再生剤を導入しSA再生排水を
塔1の下部から排出する下向流通液であっても、SA再
生剤を塔1の下部から導入して上部からSA再生排水を
排出する上向流通液であっても良いが、一般的には下向
流通液で行われる。
aOH水溶液、その他KOH水溶液等の強塩基水溶液が
用いられる。SA再生剤の通液条件には特に制限はない
が、通液速度は強塩基性アニオン交換樹脂に対する空間
速度SV=2〜10hr−1とするのが好ましく、また
通液量は100〜200g−NaOH/L−SA程度と
するのが好ましい。
交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂の混合樹脂層に通
液することにより、強塩基性アニオン交換樹脂を再生す
ると共に、強酸性カチオン交換樹脂の分離性を向上させ
ることができる。
剤を混床式イオン交換樹脂塔の混合樹脂層に通液する操
作を「貫流再生」と称す場合がある。
シリカイオンの脱離性の向上の面で好ましく、従って、
本発明では、好ましくは40〜80℃、特に50〜80
℃に加温したSA再生剤を通液する。SA再生剤の温度
が40℃未満では、加温による十分なシリカイオン脱着
効果が得られず、80℃を超えると樹脂の劣化の可能性
があり、また、混床式イオン交換樹脂塔や配管を耐熱構
造とする必要が生じ、好ましくない。
強塩基性アニオン交換樹脂の表面の温度が40〜80℃
の温度条件となることが好ましく、従って、このような
温度条件とするために、加温したSA再生剤による貫流
再生に先立ち、加温した純水を混床式イオン交換樹脂塔
1に通水して塔1内の混合樹脂を予熱しても良い。
て純水による薬品の押し出し洗浄を行って、次の逆洗水
による樹脂の分離工程に移行する。
を用いても良い。
(c)) 図1(c)に示す如く、混床式イオン交換樹脂塔1の下
部から逆洗水としての純水を上向流で導入してイオン交
換樹脂を流動させ、強塩基性アニオン交換樹脂と強酸性
カチオン交換樹脂の比重差を利用して両樹脂を分離す
る。この逆洗分離においては、逆洗分離に先立つSA再
生剤による貫流再生で、イオン交換樹脂の分離性が改善
されているため、下層の強酸性カチオン交換樹脂3と上
層の強塩基性アニオン交換樹脂2とを良好な状態に分離
することができる。
流動して樹脂の分離が行われるような速度であれば良
く、特に制限はないが、通常は線速度LV=5〜20m
/hr程度とされる。逆洗時間は、樹脂の分離状態によ
り適宜決定される。
換樹脂塔1の下部からSC再生剤を導入すると共に、混
床式イオン交換樹脂塔1の上部からバランス水としての
純水を導入し、下層の強酸性カチオン交換樹脂3の再生
を行う。SC再生排水及びバランス水排水は、強酸性カ
チオン交換樹脂3と強塩基性アニオン交換樹脂2との境
界部分に設けられた中間排出管4より排出する。
HCl水溶液、その他の強酸水溶液が用いられる。SC
再生剤の通液条件には特に制限はないが、通液速度は空
間速度SV=2〜5hr−1とするのが好ましく、また
通液量は80〜160g−HCl/L−SC程度とする
のが好ましい。
速度と同等に調整される。
樹脂の再生に当っては、塔内の強塩基性アニオン交換樹
脂2と強酸性カチオン交換樹脂3とは良好な分離性で分
離されており、強酸性カチオン交換樹脂3層内に強塩基
性アニオン交換樹脂は殆ど混入していないために強塩基
性アニオン交換樹脂のCl型への変換の問題もなく、強
酸性カチオン交換樹脂3のみを効果的に再生することが
できる。
水を好ましくは下向流で通水して塔内の薬品の押し出し
洗浄を行い、その後塔内のイオン交換樹脂を混合して混
床を形成させた後、通水工程を再開する。
水製造設備における一次純水システムにおける処理に好
適であり、本発明の方法を採用することにより、シリカ
濃度が著しく低減された純水を製造することができ、こ
のような純水を後段のサブシステムで処理することによ
り、サブシステムにおける非再生型混床式イオン交換装
置の負荷を大幅に削減して効率的な処理を行える。
水システムに適用する場合、一次純水システムの構成に
は特に制限はないが、例えば、活性炭塔、膜脱気装置、
逆浸透膜分離装置及び混床式イオン交換樹脂塔がこの順
で設置されたものが挙げられる。
シリカ濃度100〜9000ppb程度の被処理水が通
水され、本発明によれば、このような被処理水をイオン
交換処理することによりシリカ濃度0.1ppb以下
で、比抵抗値が17.5MΩ・cm以上の高純度純水を
製造することが可能である。
発明をより具体的に説明する。
を混床式イオン交換樹脂塔に充填して混合樹脂層を形成
し、この混床式イオン交換樹脂塔を用いて通水及び再生
試験を行った。
下記の通りである。 強酸性カチオン交換樹脂:Dowex社製「EX−CG
−H」 強塩基性アニオン交換樹脂:Dowex社製「EX−A
G−OH」 強酸性カチオン交換樹脂:強塩基性アニオン交換樹脂=
1:2(体積比)
膜脱気装置、逆浸透膜分離装置に順次通水して処理した
水(シリカ濃度500〜600ppb)を用い、混床式
イオン交換樹脂塔へは図1(a)に示す如く下向流で通
水し、混床式イオン交換樹脂塔の下部より処理水を取り
出した。通水速度は混合イオン交換樹脂に対する空間速
度SVで50hr−1とした。また、通水工程は、混床
式イオン交換樹脂塔内の強塩基性アニオン交換樹脂に対
する積算シリカ吸着量が1.0g−SiO2/L−SA
に達した時点で終了し、再生工程に移行した。
交換樹脂塔にSA再生剤(2重量%NaOH水溶液)を
下向流で通液し、塔下部より再生排水を排出した。SA
再生剤の通液速度は強塩基性アニオン交換樹脂に対する
空間速度SVで5hr−1とし、通液量は200g−N
aOH/L−SAとした。なお、SA再生剤は60℃に
加温して通液した。 図1(c)に示す如く、混床式イオン交換樹脂塔に
逆洗水(比抵抗値18.2MΩ・cmの超純水)を上向
流で通水し、イオン交換樹脂の分離を行った。逆洗水の
通水速度は線速度LVで10m/hrとした。この逆洗
を15分行うことによりイオン交換樹脂が流動し、相対
的に比重の重い強酸性カチオン交換樹脂が下層に、比重
の軽い強塩基性アニオン交換樹脂が上層に分離された。 図1(d)に示す如く、混床式イオン交換樹脂塔に
SC再生剤(4重量%HCl水溶液)を上向流で通液す
ると共に、バランス水(比抵抗値18.2MΩ・cmの
超純水)を下向流で通水し、再生排水及びバランス水排
水を混床式イオン交換樹脂塔の強塩基性アニオン交換樹
脂層と強酸性カチオン交換樹脂層との境界部分に設けら
れた中間配水管より排出した。SC再生剤の通液速度は
強酸性カチオン交換樹脂に対する空間速度SVで5hr
−1とし、SC再生剤の通液量は120g−HCl/L
−SCとした。バランス水の通水速度はSC再生剤の通
液速度と同等に調整した。
混合を行って通水を再開し、得られた処理水のシリカ濃
度と比抵抗値を調べ、結果を表1に示した。
ン交換樹脂の積算シリカ吸着量を表1に示す値としたこ
と以外は実施例1と同様に通水及び再生試験を行い、結
果を表1に示した。
と以外は同様にして通水及び再生試験を行い、結果を表
1に示した。
換樹脂塔内のイオン交換樹脂を十分に再生して、高水質
の処理水を得ることができることがわかる。
オン交換樹脂の再生を行うことにより、イオン交換樹脂
の分離性が良くなることを確かめる実験を行った。
オン交換樹脂としては、実施例1で用いたものと同様の
ものを用い、各々250ccを塔内に充填した後塔内で
混合した。充填時の各イオン交換樹脂層の高さを逆洗前
の高さとした。この塔内に実施例1の再生工程のの操
作と同様の条件でSA再生剤(ただし、SA再生剤の温
度は25℃とした。)を通液した後、実施例1の再生工
程のの操作と同様にして逆洗によるイオン交換樹脂の
分離を行った。なお、逆洗時の通水LVは15.2m/
hrとし、逆洗時間は11分とした。
層の高さを調べ、結果を表2に示した。
行わず、逆洗によるイオン交換樹脂の分離のみを行った
こと以外は同様にして逆洗の前後の塔内の各イオン交換
樹脂層の高さを調べ、結果を表2に示した。
離に先立ち、SA再生剤による貫流再生を行うことによ
り、イオン交換樹脂の分離性が向上し、強塩基性アニオ
ン交換樹脂と強酸性カチオン交換樹脂とを確実に分離す
ることができるようになることがわかる。
法によれば、シリカ含有水を、強酸性カチオン交換樹脂
と強塩基性アニオン交換樹脂とを混合充填した混床式イ
オン交換樹脂塔に通水して純水を製造するに当たり、強
酸性カチオン交換樹脂及び強塩基性アニオン交換樹脂を
効果的に再生して、シリカ、その他のイオン濃度が著し
く低減された高純度の純水を製造することができる。
リカ濃度の低い高純度純水を製造することができる。
図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニ
オン交換樹脂とを混合充填した混床式イオン交換樹脂塔
にシリカ含有水を通水して純水を得る通水工程と、該混
床式イオン交換樹脂塔を再生する再生工程とを有する純
水製造方法において、 強塩基性アニオン交換樹脂のシリカ吸着量が0.5〜
2.5g−SiO2/L−強塩基性アニオン交換樹脂に
達したときに通水工程から再生工程に移行する方法であ
って、 再生工程は、混床式イオン交換樹脂塔の混合状態の樹脂
層に強塩基性アニオン交換樹脂再生剤を通液する第1の
段階と、混床式イオン交換樹脂塔の混合状態の樹脂層に
上向流で逆洗水を導入して該樹脂層を強塩基性アニオン
交換樹脂層と強酸性カチオン交換樹脂層とに分離する第
2の段階と、分離された強酸性カチオン交換樹脂層に強
酸性カチオン交換樹脂再生剤を通液する第3の段階とを
含むことを特徴とする純水製造方法。 - 【請求項2】 請求項1において、強塩基性アニオン交
換樹脂再生剤は40〜80℃に加温されていることを特
徴とする純水製造方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、混床式イオン
交換樹脂塔中の強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニ
オン交換樹脂の体積比が、強酸性カチオン交換樹脂:強
塩基性アニオン交換樹脂=1:1.6以上であることを
特徴とする純水製造方法。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
て、強塩基性アニオン交換樹脂のシリカ吸着量が1〜
2.5g−SiO2/L−強塩基性アニオン交換樹脂に
達したときに通水工程から再生工程に移行することを特
徴とする純水製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001175850A JP2002361247A (ja) | 2001-06-11 | 2001-06-11 | 純水製造方法 |
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---|---|---|---|
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