JPH061527B2 - 磁気ヘツドの製造方法 - Google Patents
磁気ヘツドの製造方法Info
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- JPH061527B2 JPH061527B2 JP16505786A JP16505786A JPH061527B2 JP H061527 B2 JPH061527 B2 JP H061527B2 JP 16505786 A JP16505786 A JP 16505786A JP 16505786 A JP16505786 A JP 16505786A JP H061527 B2 JPH061527 B2 JP H061527B2
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- Japan
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- ferrite
- magnetic head
- etching solution
- magnetic
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Description
【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明はVTRなどの磁気記録再生装置に用いられる磁
気ヘッドの製造方法に関するものであり、特にメタルテ
ープなどの高抗磁力を有する記録媒体に好適な磁気ヘッ
ドの製造方法に関するものである。
気ヘッドの製造方法に関するものであり、特にメタルテ
ープなどの高抗磁力を有する記録媒体に好適な磁気ヘッ
ドの製造方法に関するものである。
(ロ)従来の技術 現在家庭用VTRに用いられている磁気テープはCo−
γFe2O3から成るものが主に使用されているが、8
ミリビデオと称する小型のVTRでは抗磁力の高い(H
c=1400〜1500エルステッド)メタルテープが
用いられる。その理由は記録再生装置を小型化するため
には記録密度を高める必要性のあることから信号の記録
波長を短かくすることのできる記録媒体が要求されてき
たためである。
γFe2O3から成るものが主に使用されているが、8
ミリビデオと称する小型のVTRでは抗磁力の高い(H
c=1400〜1500エルステッド)メタルテープが
用いられる。その理由は記録再生装置を小型化するため
には記録密度を高める必要性のあることから信号の記録
波長を短かくすることのできる記録媒体が要求されてき
たためである。
一方、このメタルテープに記録する従来のフェライトの
みからなる磁気ヘッドではフェライトの飽和磁束密度が
高々5500ガウス程度であることから磁気飽和現象が
発生するためメタルテープの性能を十分にいかすことが
できない。そこで磁気飽和現象の最も生じ易い作動キャ
ップ近傍部分をフェライトよりも飽和磁化の大きな金属
磁性材料(例えば、パーマロイ、センダスト、アモルフ
ァス)で構成した磁気ヘッドが提案されている。例えば
特開昭60−103511号公報はその1つである。
みからなる磁気ヘッドではフェライトの飽和磁束密度が
高々5500ガウス程度であることから磁気飽和現象が
発生するためメタルテープの性能を十分にいかすことが
できない。そこで磁気飽和現象の最も生じ易い作動キャ
ップ近傍部分をフェライトよりも飽和磁化の大きな金属
磁性材料(例えば、パーマロイ、センダスト、アモルフ
ァス)で構成した磁気ヘッドが提案されている。例えば
特開昭60−103511号公報はその1つである。
第4図は、このような磁気ヘッドを示しており、(1
a)(1b)はフェライトコア半体、(2)はSiO2膜
よりなるギャップスペーサ、(3)は前記金属磁性材料よ
りなる金属磁性薄膜、(4)はガラス、(5)は巻線孔であ
る。
a)(1b)はフェライトコア半体、(2)はSiO2膜
よりなるギャップスペーサ、(3)は前記金属磁性材料よ
りなる金属磁性薄膜、(4)はガラス、(5)は巻線孔であ
る。
(ハ)発明が解決しようとする問題点 斯る磁気ヘッドの場合、フェライト基板(1)上に前記金
属磁性薄膜を成膜するのにスパッタリング法を用いるこ
とが多いが、フェライト基板には前加工として第5図に
示すようにトラック幅規制溝(6)、巻線溝(7)、ガラス溶
着用溝(8)などの各種溝加工が施されており、その前加
工の際に使用した接着剤および加工によって生じる研削
粉等の不純物が付着している。また、このフェライト基
板表面には加工変質層が存在している。このような不純
物の付着した基板や加工変質層の存在する基板にセンダ
スト等の金属磁性材料をスパッタすると、該金属磁性層
が剥れ易くなり、磁気ヘッドとしての性能を損なうこと
になる。
属磁性薄膜を成膜するのにスパッタリング法を用いるこ
とが多いが、フェライト基板には前加工として第5図に
示すようにトラック幅規制溝(6)、巻線溝(7)、ガラス溶
着用溝(8)などの各種溝加工が施されており、その前加
工の際に使用した接着剤および加工によって生じる研削
粉等の不純物が付着している。また、このフェライト基
板表面には加工変質層が存在している。このような不純
物の付着した基板や加工変質層の存在する基板にセンダ
スト等の金属磁性材料をスパッタすると、該金属磁性層
が剥れ易くなり、磁気ヘッドとしての性能を損なうこと
になる。
前記フェライト基板の表面処理として接着剤などの不純
物は有機溶剤(アセトン等)で除去されるが、砥粒加工
により付着したフェライトの切削粉は有機溶剤を用いた
洗浄や機械的に除去する方法でも完全に除去することは
できない。その上、各種加工で生じた加工変質層はフェ
ライト表面内部に存在しており、このような加工変質層
の除去は前記した除去方法では不可能である。
物は有機溶剤(アセトン等)で除去されるが、砥粒加工
により付着したフェライトの切削粉は有機溶剤を用いた
洗浄や機械的に除去する方法でも完全に除去することは
できない。その上、各種加工で生じた加工変質層はフェ
ライト表面内部に存在しており、このような加工変質層
の除去は前記した除去方法では不可能である。
(ニ)問題点を解決するための手段 そこで、本発明ではフェライト基板を加工後、前記金属
磁性薄膜を施こす前にケミカルエッチングを施こし、そ
の際生じるフェライトとエッチング液との反応物を含む
エッチング液を純水中で空気に露らすことなく拡散させ
て前記基板から除去するようにした。
磁性薄膜を施こす前にケミカルエッチングを施こし、そ
の際生じるフェライトとエッチング液との反応物を含む
エッチング液を純水中で空気に露らすことなく拡散させ
て前記基板から除去するようにした。
(ホ)作用 例えば濃リン酸を用いたエッチングをフェライト基板に
行なうと、フェライト基板表面の加工変質層は除去され
るが、そのエッチング液とフェライトとの反応物が析出
する。斯る析出物がフェライト基板上に残存した状態で
磁性膜のスパッタリングを行なうと磁性膜の剥れが生じ
る。この析出物はエッチング液を除去する前にフェライ
ト基板を空気中に露らした場合にのみ生ずることが干渉
色として観察された。即ち、この析出現象は残存するリ
ン酸とフェライトとの反応物が空気中の酸素により酸化
して析出するものと考えられる。従って、上記本発明方
法の如く、フェライト基板を空気(酸素)に露らすこと
なく常に水面下手エッチング液の拡散・除去を行なうと
前記析出物が発生することなしに接着剤等の不純物や加
工変質層が除去される。
行なうと、フェライト基板表面の加工変質層は除去され
るが、そのエッチング液とフェライトとの反応物が析出
する。斯る析出物がフェライト基板上に残存した状態で
磁性膜のスパッタリングを行なうと磁性膜の剥れが生じ
る。この析出物はエッチング液を除去する前にフェライ
ト基板を空気中に露らした場合にのみ生ずることが干渉
色として観察された。即ち、この析出現象は残存するリ
ン酸とフェライトとの反応物が空気中の酸素により酸化
して析出するものと考えられる。従って、上記本発明方
法の如く、フェライト基板を空気(酸素)に露らすこと
なく常に水面下手エッチング液の拡散・除去を行なうと
前記析出物が発生することなしに接着剤等の不純物や加
工変質層が除去される。
(ヘ)実施例 第1図はトラック幅規制溝(6)、巻線溝(7)、ガラス溶着
溝(8)などが前加工で形成され、従って治具に仮固定す
るための接着剤が残存し且つ加工変質層が生じているフ
ェライト基板(1)を濃リン酸H3PO4でエッチングす
ることを示している。尚、濃リン酸溶液は80℃程度の
温度である。この濃リン酸で接着剤や切削粉等を除去す
ると共に、加工変質層をエッチングするのであるが、ダ
イヤモンド粒度♯5000の砥石を使用し加工速度0.6m
m/Sで所定のトラック溝を設けたフェライト基板に対
しては後述の工程を踏むことを前提に2μm(トラック
幅変化量で)エッチングすれば磁性膜の剥れは生じなか
った。この場合、トラック幅は予め2μm広く加工して
おくものとする。尚、エッチングレートは1分15秒で
ある(第3図参照)。第2図は上述のエッチング工程を
経たフェライト基板(1)を純水H2Oにつけることを示
している。このときフェライト基板(1)は治具(図示せ
ず)によって水中に保持される。この状態で略30秒の
間、エッチング液(濃リン酸)とフェライトの反応物を
含む粘度の高いエッチング液は純水中に拡散し、その多
くは(9)の如く帯状又は線群状になってフェライト基板
から離脱していく(シユリーレン現象)。これはリン酸
の比重が純水より大きいためであるが、このようにエッ
チング液を水中で下方に落下させる状態に置くことによ
りエッチング液の拡散・除去が速くなる。更に、エッチ
ング液の拡散を促進させるために第2図の状態で超音波
を加えてもよい。このようにすると、約5分間でエッチ
ング液をフェライト基板から拡散・除去することがで
き、空気中へ早く取り出すことが可能となる。
溝(8)などが前加工で形成され、従って治具に仮固定す
るための接着剤が残存し且つ加工変質層が生じているフ
ェライト基板(1)を濃リン酸H3PO4でエッチングす
ることを示している。尚、濃リン酸溶液は80℃程度の
温度である。この濃リン酸で接着剤や切削粉等を除去す
ると共に、加工変質層をエッチングするのであるが、ダ
イヤモンド粒度♯5000の砥石を使用し加工速度0.6m
m/Sで所定のトラック溝を設けたフェライト基板に対
しては後述の工程を踏むことを前提に2μm(トラック
幅変化量で)エッチングすれば磁性膜の剥れは生じなか
った。この場合、トラック幅は予め2μm広く加工して
おくものとする。尚、エッチングレートは1分15秒で
ある(第3図参照)。第2図は上述のエッチング工程を
経たフェライト基板(1)を純水H2Oにつけることを示
している。このときフェライト基板(1)は治具(図示せ
ず)によって水中に保持される。この状態で略30秒の
間、エッチング液(濃リン酸)とフェライトの反応物を
含む粘度の高いエッチング液は純水中に拡散し、その多
くは(9)の如く帯状又は線群状になってフェライト基板
から離脱していく(シユリーレン現象)。これはリン酸
の比重が純水より大きいためであるが、このようにエッ
チング液を水中で下方に落下させる状態に置くことによ
りエッチング液の拡散・除去が速くなる。更に、エッチ
ング液の拡散を促進させるために第2図の状態で超音波
を加えてもよい。このようにすると、約5分間でエッチ
ング液をフェライト基板から拡散・除去することがで
き、空気中へ早く取り出すことが可能となる。
エッチング液の拡散・除去の済んだフェライト基板は、
後工程でセンダストの金属薄膜(3)が3.5μm、SiO2
よりなるギャップスペーサ膜(2)が2.5μmそれぞれスパ
ッタリングで被着され、続いてガラス溶着、ブロック切
断、R付加工、チップスライスを施こすことによって第
4図の形に形成される。
後工程でセンダストの金属薄膜(3)が3.5μm、SiO2
よりなるギャップスペーサ膜(2)が2.5μmそれぞれスパ
ッタリングで被着され、続いてガラス溶着、ブロック切
断、R付加工、チップスライスを施こすことによって第
4図の形に形成される。
(ト)発明の効果 本発明によればケミカルエッチングにより砥石加工時に
付着した研削粉と共に加工変質層をフェライト基板から
除去することができ、またエッチング液とフェライトと
の反応物の析出を防止できるので後工程で付着する金属
薄膜の剥れが生じないという効果があり、磁気ヘッドの
信頼性が向上する。
付着した研削粉と共に加工変質層をフェライト基板から
除去することができ、またエッチング液とフェライトと
の反応物の析出を防止できるので後工程で付着する金属
薄膜の剥れが生じないという効果があり、磁気ヘッドの
信頼性が向上する。
第1図、第2図は本発明方法の工程を示す図であり、第
3図はその説明図である。第4図は本発明の製造対象例
を示す磁気ヘッドの斜視図である。第5図は従来例の説
明図である。 (1)…フェライト基板、(1a)(1b)…フェライト
コア半体、(3)…金属磁性薄膜。
3図はその説明図である。第4図は本発明の製造対象例
を示す磁気ヘッドの斜視図である。第5図は従来例の説
明図である。 (1)…フェライト基板、(1a)(1b)…フェライト
コア半体、(3)…金属磁性薄膜。
Claims (2)
- 【請求項1】フロントギャップを挾んで少くとも一方に
金属磁性材料よりなる金属磁性薄膜をスパッタ法で付設
したフェライトを対向接合してなる磁気ヘッドを製造す
る方法であって、フェライト基板を加工後、前記金属磁
性薄膜を施こす前にケミカルエッチングを施こし、その
際生じるフェライトとエッチング液との反応物を含むエ
ッチング液を純水中で空気に露らすことなく拡散させて
前記基板から除去することを特徴とする磁気ヘッドの製
造方法。 - 【請求項2】前記エッチング液は濃リン酸液であること
を特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の磁気ヘッド
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16505786A JPH061527B2 (ja) | 1986-07-14 | 1986-07-14 | 磁気ヘツドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16505786A JPH061527B2 (ja) | 1986-07-14 | 1986-07-14 | 磁気ヘツドの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6320708A JPS6320708A (ja) | 1988-01-28 |
JPH061527B2 true JPH061527B2 (ja) | 1994-01-05 |
Family
ID=15805026
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16505786A Expired - Fee Related JPH061527B2 (ja) | 1986-07-14 | 1986-07-14 | 磁気ヘツドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH061527B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS635727Y2 (ja) * | 1979-09-05 | 1988-02-17 | ||
US4326519A (en) * | 1980-02-21 | 1982-04-27 | Abbott Laboratories | Venipuncture device |
EP0139872A1 (en) * | 1983-08-18 | 1985-05-08 | Abbott Laboratories | Flashback indicating system |
-
1986
- 1986-07-14 JP JP16505786A patent/JPH061527B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6320708A (ja) | 1988-01-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |