JPH0615261Y2 - 給湯器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は給湯器に関するものである。

（従来の技術） 従来、例えば実開昭61−３３５３号公報に示されるよう
に、熱交換器に接続する給水管と出湯管とをバイパス管
で接続し、熱交換器で加熱された高温湯とバイパス管か
らの水とを混合して所望温度の湯を得るようにした給湯
器が知られている。

（考案が解決しようとする課題） この種従来の給湯器では、出湯管のバイパス管との合流
部より下流位置にサーミスタ等の湯温検知手段を設け、
高温湯とバイパス水との混合湯温を検知し、この混合湯
温が設定温度となるように加熱量あるいはバイパス水量
が制御するなどしているが、前記合流部から湯温検知手
段までの距離をかなり長くとらないと、高温水とバイパ
ス水の混合が不均一な状態で湯温を検知することになっ
て検知湯温が変動し、この検知湯温に基づいて加熱量や
バイパス水量の制御を行うため湯温が頻繁に変動し、極
めて使用勝手の悪いものとなる問題点を有していた。

本考案は上記従来の問題点を解決し、合流点から湯温検
知手段までの距離をむやみに長くすることなく簡単有効
に混合を促進して正確に混合湯温を検知することができ
る給湯器の提供を目的としている。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するために本考案の給湯器は、熱交換
器に接続する給水管と出湯管とをバイパス管で接続し、
出湯管のバイパス管との合流部より下流位置に湯温検知
手段を設けたものにおいて、出湯管とバイパス管との合
流部を出湯管とバイパス管の流通方向が互いに対向する
略Ｔ字形に形成し、バイパス管先端部に出湯管より小径
の延出部を設けて該延出部を対向する出湯管内に突出さ
せ、該延出部の先端面を閉塞すると共に該先端近傍の側
周面に複数の噴出口を開口している。

更に、延出部の先端に撹拌部材を設けることが望まし
い。

また、延出部の噴出口より先端側を先細りのテーパ状に
形成してもよい。

（作用） 熱交換器で加熱された高温湯は延出部の周囲を包むよう
な流れを形成し、バイパス水は延出部先端近くの複数の
噴出口から上記高温湯の流れのなかに噴出される。この
高温湯とバイパス水とは延出部と出湯管との間に形成さ
れる狭い環状の隙間を通ることによって混合が促進され
る。このとき、バイパス水は複数の噴出口から分散して
噴出され、前記隙間における湯と水との比率が均一にな
りやすく、混合は一層促進される。

更に、延出部の先端に撹拌部在を設けると、前記隙間に
流入する高温湯の流れが乱れ、撹拌作用によりバイパス
水との混合は一層促進される。

また、延出部の噴出口より先端側を先細りのテーパ状に
形成すると、延出部の周囲を流れる高温湯の流速が低下
し、前記隙間を通って流出するまでの混合作用が安定す
る。またテーパ状の先端部に沿って高温湯の流れが外方
に拡がり、この外方に拡がる流れに向かってバイパス水
が噴出されるのでバイパス水は充分に拡散して高温湯と
混合する。

（実施例） 第１図は本考案の実施例を示す給湯器の全体構成図であ
り、熱交換器１に接続する給水管２と出湯管３とをバイ
パス管４で接続し、出湯管３のバイパス管４との合流部
より下流位置に湯温検知手段５を設けている。給水管２
には水量センサ６と入水温度検知手段７を設け、出湯管
３及びバイパス管４には水量調節弁８、９を設けてあ
り、水量センサ６の検知流量と、入水温度検出手段７の
検知温度と、使用者が設定した設定温度とに基づいてバ
ーナ10の加熱量をフィードフォワード制御すると共に、
湯温検知手段５の検知湯温と設定温度との偏差に基づい
て、バーナ10の加熱量をフィードバック制御、あるいは
水量調節弁９の開度を制御するようにしている。

合流部近傍Ａの詳細は第２図に示すように、バイパス管
４と出湯管３とをその流通方向が互いに対向するように
略Ｔ字形の合流部を形成し、バイパス管４の先端部に出
湯管３より小径の延出部11を設けて該延出部11を出湯管
３の内部に突出させている。12は、延出部11と出湯管３
との間に形成された環状の隙間13に面して設けられた流
出口である。

延出部11はその先端面14を閉塞し、先端近くの側周面に
複数の噴出口15を開口している。第３図は噴出口部の断
面図であり、噴出口15は放射状に多数開口している。

第４図に示すように、熱交換器１で加熱された高温湯は
延出部11の周囲を包むような流れを形成し、バイパス水
はその高温湯の流れの中に放射状に分散して噴出され
る。こうして延出部11の周囲の環状の隙間13には均等に
水が配分され、隙間13内で高温湯と充分に混合されるの
で、湯温検知手段５は流出口12の近くに設けることがで
きる。

第５図は本考案の他の実施例を示し、第２図のものに加
えて、延出部11の先端に多数のねじり羽根を有する撹拌
部材16を設けている。

この撹拌部材16により、高温湯の流れに旋回を伴う乱れ
が生じ、撹拌作用が向上してバイパス水との混合が一層
促進される。

第６図は延出部11の他の実施例を示し、延出部11の噴出
口15より先端側を先細りのテーパ状に形成している。第
７図は第６図のＡ−Ａ線断面図である。高温湯はテーパ
部19に沿って第８図に示すように外方に拡がる流れを形
成し、この高温湯の流れに向かってバイパス水が噴出す
るので、バイパス水は充分に拡散し、環状の隙間13の全
周にわたって均一にバイパス水が分配され、混合は一層
促進される。

第９図は延出部11の更に他の実施例を示し、第10図は第
９図のＡ−Ａ線断面図である。この実施例のものでは、
延出部11の製造に際して第10図のＢ−Ｂ線で型割りし、
成形後の穴明け加工を不要にしている。すなわち、第３
図のように放射状の多数の噴出口15を設ける場合、全て
の噴出口を型で形成することは不可能なため、成形後に
穴明け加工することになり、また第７図のように４つの
噴出口15を設ける場合は型割り不可能ではないが、型の
形状が複雑になって、いずれにしても製造コストが高く
なるのであるが、この実施例のものでは簡単な型で良く
後加工で穴明けする必要がないので製造コストを低減で
きる。また、バイパス水の拡散が良好に行われる。

第11図は延出部11のまた更に他の実施例を示し、第12図
はその要部を示している。この実施例では、噴出口18
を、スリットの両端を後方に拡げた形としている。これ
によって、噴出口18のスリット両端からは、第12図に示
すように斜め後方にバイパス水が噴出し、バイパス水の
拡散範囲がさらに拡がって、隙間13の全周にわたってバ
イパス水が拡散し、混合の均一化が向上する。

（考案の効果） 本考案の給湯器は以下に示すようなすぐれた効果を奏す
るものである。

(1)延出部を設け、その先端近くの側周面に複数の噴出
口を設けたことにより、高温湯とバイパス水とは、延出
部と出湯管との隙間で混合され、しかもバイパス水は複
数方向に分散して噴出されるので、単に湯と水とを衝突
させて混合する場合に比べて飛躍的に混合が促進され、
混合湯温が均一化されて、この種の給湯器の出湯温度制
御の精度、安定性が向上するのである。

(2)更に、延出部の先端に撹拌部材を設けると、高温湯
の流れに乱れを生じてバイパス水との混合が一層促進さ
れる。

(3)また、延出部の噴出口より先端側を先細りのテーパ
状に形成すると、高温湯の流速が低下して混合作用が安
定し且つ高温湯の流れが外方に拡がるので、バイパス水
の拡散が促進され、混合湯温の均一性は更に向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す給湯器の全体構成図、第
２図は同例の要部を示す混合部の構成図、第３図は同例
の延出部の噴出口部の断面図、第４図は同混合部の説明
図、第５図は混合部の他の実施例を示す構成図、第６図
は延出部の他の実施例を示す断面図、第７図は第６図の
Ａ−Ａ線断面図、第８図は同例の説明図、第９図は延出
部の更に他の実施例を示す断面図、第10図は第９図のＡ
−Ａ線断面図、第11図は延出部のまた更に他の実施例を
示す断面図、第12図は同例の説明図である。 ３……出湯管 ４……バイパス管 ５……湯温検知手段 11……延出部 12……流出口 13……隙間 14……先端面 15、17、18……噴出口 16……撹拌部材 19……テーパ部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】熱交換器に接続する給水管と出湯管とをバ
   イパス管で接続し、出湯管のバイパス管との合流部より
   下流位置に湯温検知手段を設けたものにおいて、出湯管
   とバイパス管との合流部を出湯管とバイパス管の流通方
   向が互いに対向する略Ｔ字形に形成し、バイパス管先端
   部に出湯管より小径の延出部を設けて該延出部を対向す
   る出湯管内に突出させ、該延出部の先端面を閉塞すると
   共に該先端近傍の側周面に複数の噴出口を開口したこと
   を特徴とする給湯器。
2. 【請求項２】延出部の先端に撹拌部材を設けたことを特
   徴とする請求項(1)記載の給湯器。
3. 【請求項３】延出部の噴出口より先端側を先細りのテー
   パ状に形成したことを特徴とする請求項(1)または(2)記
   載の給湯器。