JPH06152102A - 配線ガラス基板の製造方法 - Google Patents

配線ガラス基板の製造方法

Info

Publication number
JPH06152102A
JPH06152102A JP29877792A JP29877792A JPH06152102A JP H06152102 A JPH06152102 A JP H06152102A JP 29877792 A JP29877792 A JP 29877792A JP 29877792 A JP29877792 A JP 29877792A JP H06152102 A JPH06152102 A JP H06152102A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
substrate
firing
temperature
glass board
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29877792A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuo Kono
辰男 河野
Masayuki Hiroshima
政幸 廣嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYUSHU NORITAKE KK
Noritake Co Ltd
Original Assignee
KYUSHU NORITAKE KK
Noritake Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KYUSHU NORITAKE KK, Noritake Co Ltd filed Critical KYUSHU NORITAKE KK
Priority to JP29877792A priority Critical patent/JPH06152102A/ja
Publication of JPH06152102A publication Critical patent/JPH06152102A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼成時にガラス板の形状変形を生じない配線
ガラス基板の製造方法を得る。 【構成】 ガラス板上に導体ペーストを印刷しこれを焼
成する配線ガラス基板の製造方法において、平均粒子径
が0.01〜1.0μmの金属導体材料と熱膨張率が4
0〜400×10-7/℃で且つ屈伏温度が400℃以下
の低融点ガラスとを含有し、前記ガラス板の歪点以下で
焼結可能な導体ペースト材料を用い、これを前記ガラス
板に印刷した後、前記ガラス板の歪点温度以下で焼成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は配線ガラス基板、より詳
しくは、蛍光表示管(VFD)の電極や、プラズマディ
スプレイの電極、液晶のドライバ回路等に使用され、ガ
ラス板の表面に厚膜印刷技術により導体パターンを形成
する配線ガラス基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】厚膜印刷による配線ガラス基板の製造方
法は、導体パターンを必要な部分にのみ形成できるた
め、材料の利用効率が良い、設備費が小さく工程数が少
ない、生産性が高い、同じプロセスで多くの種類の材料
を扱える等の特長を有し、ガラス板上に導体等の機能性
のパターンを形成するための最も経済的な方法の一つと
されている。
【0003】この厚膜印刷技術では、導体材料等をガラ
ス板上に塗布するために、Au,Ag,Pt,Cu,T
a,Mo,Ni等の粉体材料を、ビークルと呼ばれる液
体と混合し流動性を与えたペーストが用いられている。
このペーストをメッシュスクリーンマスクを通してガラ
ス板にパターンコーティングした後、導体材料がガラス
板上に固着する温度で焼成する。例えば蛍光表示管の電
極においては、Agを主体とした材料,粉末ガラスに適
当な顔料を混合した材料及びカーボンを主体とした材料
のペーストを用い、厚膜印刷と焼成とを繰り返して行
い、配線,絶縁層およびアノード等をガラス板上に形成
する。
【0004】ところが、従来の厚膜印刷を用いたガラス
基板の製造方法は、導体材料としていずれも平均粒子径
が2μm程度の大径のものを用いており、導体ペースト
をガラス板表面に固着させるための焼成温度として、す
べてガラス板の歪点、すなわち、粘度が1014.5Poi
seとなる熱特性点よりも高い、約450〜620℃が
必要である。
【0005】このため、製造された配線ガラス基板は、
過冷却液体として高温で固定された構造温度が、厚膜印
刷焼成プロセスによって、構造温度が低温側に変化し比
容が小さくなり、基板寸法が変化する。
【0006】基板寸法の変化防止対策として、歪点マイ
ナス20〜30℃を基板使用温度上限目安とすることが
効果的である。これは、使用温度上限がガラス基板(表
面)の変形を生じさせない温度限界以下であることを意
味する。したがって、最低でも歪点以下の温度で焼成す
ることが必要であり、特に歪点マイナス20〜30℃が
望ましい。
【0007】熱処理特性は耐熱寸法安定性ともよばれ、
基板ガラスにユーザプロセスと同様な熱処理を施した場
合、熱処理前と熱処理後の基板寸法が変化することを指
す。通常ガラスの歪点以上の熱処理では寸法変化が収縮
に向かう。
【0008】薄型成形したガラスに厚膜焼成プロセスと
して熱サイクルをかけると、相対的な変化量としてガラ
ス基板の面方向に400〜700ppmのオーダーで熱
収縮が起こる。従来、このような微細な寸法変化は特に
問題とされなかったが、近年オプトエレクトロニクス分
野での高精度なパターンアライメントが要求されるにつ
れて、この熱収縮のオーダーを減少させることが課題と
して浮上してきた。
【0009】図1は焼成前のガラス基板、図2は焼成後
のガラス基板の斜視図である。
【0010】図1に示すように焼成前のガラス基板にも
若干の反りや微妙なうねりがあるが、ガラス基板の中心
における初期反りS0 は略0に近いものである。これを
焼成することによってガラス基板の中心における反りは
1 となる。したがって、焼成することによって生じた
形状変化Sは、S=S1 −S0 で表すことができる。以
下本明細書において、変化量はすべて焼成後の変化量か
ら焼成前の変化量を引いた値を指すものとする。
【0011】この配線ガラス基板の寸法変化は、ガラス
基板の面方向(以下XY方向という。)及びガラス面に
対して直角方向(以下Z方向という。)の双方に生じ、
それぞれ400〜700ppm及び900〜1800p
pm程度変化する。この変化は特にミクロン単位のパタ
ーンアライメント精度が要求される対角10インチ以上
の基板サイズのものでは、許容できない大きな問題とな
る。
【0012】例えば液晶パネルの場合、対面する2枚の
パネルの整合距離をパネル面積全域にわたって5μm前
後にコントロールすることが要求されるが、従来の製造
方法では、Z方向の形状変化、すなわち反りを5μm未
満にすることはできない。
【0013】また、厚膜技術を応用して、各ドットを駆
動するための導体パターンをパネルの周囲に形成する場
合、従来の熱処理プロセスでは、上記のような基板の形
状変化が発生するが、厚膜であるため、電気信号を高速
に処理するための大電流を流すことができる。一方薄膜
技術を応用すれば、基板の形状変化は少ないが、各ドッ
トを駆動するための導体パターンをパネルの周囲に形成
する場合、薄膜であるため高抵抗となり、電気信号を高
速に処理するための大電流を流すことができないばかり
か、導体の発熱などのやっかいな問題が生じる。
【0014】さらには、イメージセンサー用ガラス基板
などでは、250mm×15mmサイズの基板が使用さ
れ、搭載されるセルフォックレンズの焦点深度が基板の
反りの影響を受けないように0.1mm以下の反りのも
のが要求されるが、従来の製造技術ではこれに対応する
ことも困難である。
【0015】また、プラズマディスプレイなど大型ディ
スプレイ基板では、対面する2枚のパネルの整合距離は
プラズマ放電空間を仕切る隔壁で調整されるが、ガラス
基板に熱変形による反りが有る場合、2枚のパネルを封
着した際に応力が発生し、封着ガラスの接合部からガス
リークが発生するなどの問題がある。
【0016】一方XY方向の形状変化については、ガラ
ス板に形成されたパターン寸法が収縮するため、対面す
るガラス基板のパターンが、薄膜をフォトリソグラフイ
ーにより形成する場合、対面するパターンとのアライメ
ントが出来ない、あるいはトータルピッチ的なパターン
寸法精度がガラス基板の収縮により劣つてしまう等の問
題がある。
【0017】このような熱変形に伴う種々の問題点を解
消するために、例えば、本焼成の前に仮焼を行い、予め
焼成収縮を意図的に発生させた基板を使用したり、また
ガラス板と熱膨張率が近似する厚膜材料を選定使用する
ことによって、ある程度焼成収縮の絶対量を低減するこ
とも可能である。しかしながら、これらの方法は、材料
寸法の変化を根本的に解消するものではなく、特にZ方
向の反りの発生を防ぐことは不可能に近い。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ガラス基板
上に厚膜材料にてパターン形成し焼成する際の上記問題
点を解消するもので、焼成時にガラス板の形状変形を生
じない手段を得ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、ガラス板上に導体ペーストを印刷しこれ
を焼成する配線ガラス基板の製造方法において、平均粒
子径が0.01〜1.0μmの金属導体材料と熱膨張率
が40〜400×10-7/℃で且つ屈伏温度が400℃
以下の低融点ガラスとを含有し、前記ガラス板の歪点以
下で焼結可能な導体ペースト材料を用い、これを前記ガ
ラス板に印刷した後、前記ガラス板の歪点温度以下で焼
成することを特徴とする。
【0020】ここで使用する金属材料としては、従来同
様Au,Ag,Pt,Cu,Ta,Mo,Ni等を使用
することができる。金属材料の平均粒子径が1.0μm
を超えると粒子間の接触部分が全体に疎になるので、4
50℃未満の低温度での焼結が困難となり、また焼成後
における導体層の剥離等の原因となる。
【0021】なおここでガラス板とは、平面的なものに
限らず、予め凹あるいは凸等に曲面成形されたものも含
む。
【0022】具体的材料としては、温度膨張係数(以下
αと記す)が、81〜93×10-7/℃のソーダライム
ガラス(SiO2 −CaO−Na2 O系)や、α=90
〜95×10-7/℃のホワイトクラウンガラス(SiO
2 −CaO−Na2 O−K2O系)等の高膨張ガラス、
α=41×10-7/℃のアルミノけい酸ガラス(SiO
2 −Al2 3 −B2 3 系)や、α=46〜51×1
-7/℃のホウけい酸ガラス(SiO2 −B2 3 −A
2 3 系)等の中膨張ガラス、α=37×10-7/℃
のアルミノけい酸ガラス(SiO2 −Al2 3 −B2
3 −Al2 3 系)等の中膨張ガラス、及びαが0.
75×10-7/℃よりも小さい高純度SiO2 3 の合成
シリカガラスを使用することができる。
【0023】また、低融点ガラスとしては、 熱膨張率
が40〜400×10-7 /℃であり、かつ、屈伏温度
400℃以下の低融点ガラスを結合剤として使用する。
【0024】具体的には、鉛けい酸塩系ガラス、ほう酸
塩系ガラス、りん酸塩系ガラス、ゲルマン酸塩系ガラ
ス、モリブデン酸塩系ガラス、テルル酸塩系ガラス、バ
ナジウム酸塩系ガラス、ふっ化物系ガラス、ふつりん酸
系ガラス等が使用できる。
【0025】鉛けい酸塩系ガラスは、PbO−SiO2
系、PbO−B2 3 −SiO2 系、PbO−ZnO−
2 3 系、PbO−SiO2 −F系、PbO−CdO
−SiO2 系であり、ガラス軟化点は350℃以下、熱
膨張率は120×10-7/℃である。
【0026】ほう酸塩系ガラスLi2 O−B2 3 系、
Na2 O−B2 3 系、K2 O−B2 3 −Bi2 3
系、PbO−B2 3 −Na2 O系、Li2 O−BaO
−B2 3 系であり、ガラス軟化点は300℃以下で、
熱膨張率は150×10-7/℃である。
【0027】りん酸塩系ガラスは、Na2 O−P2 5
系、Na2 O−B2 3 −P2 5系で、ガラス軟化点
は250℃以下、熱膨張率は200×10-7/℃であ
る。
【0028】ゲルマン酸塩系ガラスはLi2 O−GeO
2 系、B2 3 −Na2 O−GeO2 系であり、ガラス
軟化点は350℃以下、熱膨張率は150×10-7/℃
である。
【0029】モリブデン酸塩系ガラスは、Na2 O−M
oO3 系であり、ガラス軟化点は350℃以下、熱膨張
率は200×10-7/℃である。
【0030】テルル酸塩系ガラスは、PbO−TeO2
−Na2 O系であり、ガラス軟化点は270℃以下、熱
膨張率は200×10-7/℃である。
【0031】バナジウム酸塩系ガラスは、V2 5 −G
eO2 −P2 5 系等であり、ガラス軟化点は290℃
以下、熱膨張率は200×10-7/℃である。
【0032】ふっ化物系ガラスは、BeF2 系、ZrF
4 −BaF2 −GdF系であり、ガラス軟化点は300
℃以下、熱膨張率は200×10-7/℃である。ふつり
ん酸系ガラスは、Al(PO3 3 −AlF3 −NaF
−CaF2 系、SnF2 −P2 5 系であり、ガラス軟
化点は150℃以下、熱膨張率は200×10-7/℃で
ある。
【0033】上記の基本的な系にシリカ、アルミナ、ジ
ルコンなどの低膨張性結晶を骨剤として添加し、見かけ
の熱膨張率を小さくすることもできる。特にPbO−B
2 3 系に、Tl2 O、V2 5 を添加した系が耐化学
性にも優れる。このとき、PbO−B2 3 系単独で作
られる低融点ガラスも耐化学性が安定している。B2
3 −T12 O−Bi2 3 系ガラスを結合剤として使用
すると、低融点ガラスでありながら、従来多用されてい
た有毒物質であるPbを使用しない厚膜材料が可能とな
る利点がある。
【0034】また、酸化物ガラスに比較して低融点であ
ることが特徴であるカルコゲナイドガラスを結合剤とし
て使用すると効果的である。代表的な系は、As−Se
−Tl,As−S−Tl,As−S−Seで、軟化点は
ガラス化範囲全城で200℃以下である。またAs−S
e−Ge系も使用できる。このカルコゲナイドガラス
は、導体材料となる、Ag,Au,Pt,Cu,Ta,
Mo,Niなどの金属導体材料との濡れもよいため、結
合材としての特性に優れている。
【0035】表1及び表2に、B2 3 −PbO−Ti
2 (−V2 5 )系、B2 3 −T12 O−Bi2
5 系、表3にカルコゲナイトガラス系の組成を示す。
【0036】
【表1】
【表2】
【表3】 またビークルとして、加熱減量が少なくともガラス板の
歪点以下で100%である樹脂を選択し、厚膜ペースト
にレオロジー性、チクソトロピックな性状を付与する成
分とする。
【0037】例えば、分子量200〜600のポリエチ
レングリコールやシランカップリング剤などを添加する
ことで、樹脂材料の添加を少なくし、また粘度を低下さ
せ厚膜ペーストの流動性を保つことが可能となる。ポリ
エチレングリコール、シランカップリング剤、ともに引
火点は300℃以下であるため、450℃以下で完全に
バーンアウトする。また、ポリメタアクリル酸エステル
を使用した場合、約400℃で熱減量を終了する。さら
に、可塑剤として、DBP(ジブチルフタレート)を導
入することも出来る。
【0038】これら低融点結合剤を含有する金属導体ペ
ーストの焼成条件は、昇温速度は1〜20℃/分、最高
温度キープ時間は1〜30分、降温速度は−1〜−20
℃/分の範囲で選択する。焼成の最高温度は、厚膜材料
が印刷されるガラス板の歪点未満、好ましくは歪点より
20〜30℃低い温度とする。例えば ソーダガラス基
板の場合、およそ480℃以下、特に450℃以下が望
ましい。また、バリウムホウけい酸ガラスでは、およそ
560℃以下であるが、Z方向の基板の反りなどを考慮
すると、500℃以下が望ましい。
【0039】以上のような方法により、厚膜材料がガラ
ス基板上に形成され、焼成による形状変化のない、つま
り、設計寸法通りの導体パターンが形成され、かつ、基
板反りのないガラス基板を提供することができる。
【0040】なお本発明の製造方法は、上記したような
導体材料のみならず、抵抗体材料や絶縁材料或いは蛍光
体材料を厚膜ペースト化しガラス板上に焼成によって固
着する場合にも応用できる。
【0041】例えば、抵抗体材料としては、Ag/P
d,Ru,RuO2 、Bi2 Ru2 7 ,Pb2 Ru2
6 ,SrRuO3 ,CaRuO3 ,BaRuO3 等の
貴金属系や、Ta,TaN,Ta2 N,LaB6 ,W
C,MoSi,TaSi,SnO2 ,Ta2 5 等の卑
金属系、さらには窒素雰囲気中で焼成するTaN−Ta
系,SnO2 −Ta2 5 系,LaB6 系,SnO2
Ta系、SrRuO3 系等が使用できる。また、絶縁材
料としては、結合剤ガラスを含む絶縁性ガラスセラミッ
クス粒子,Al2 3 ,BaTiO3 が使用できる。
【0042】
【実施例】
実施例1 表4のように調製したAgペーストを使用した。
【0043】
【表4】 基板サイズ300mm×300mm、厚さ1 .1 mmの
ソーダガラス基板に対して、パターンエリア280mm
×280mm、0.3mmピッチ、ライン幅0.15m
mのメタルマスク( 厚み0.08mm)を使用して印刷
した。
【0044】使用したソーダライムガラス基板は、ガラ
ス基板のNa成分の溶出を押さえるため、SiO2 をコ
ーティングしたものも使用した。
【0045】焼成条件は、昇温速度5〜10℃/分、ト
ップ温度430℃、キープ時間3分、降温速度−1〜−
10℃/分で行った。
【0046】得られたガラス基板の形状は、XY方向で
0〜50ppmの収縮が、Z方向で0〜30ppmの反
りが測定された。すなわち、、XY方向で15μm以
下、Z方向で約13μm以下の反りであった。
【0047】また、表5乃至表7の示す材料を用い、上
記と同様の条件で焼成したところ、上記と略同様の形状
変化のガラス基板が得られた。
【0048】
【表5】
【表6】
【表7】 実施例2 表8及び表9のように調製したNiペーストを使用し
た。
【0049】
【表8】
【表9】 350mm×350mmのソーダガラス基板にこのペー
ストを使用し250メッシュステンレススクリーンで印
刷した。パターンは実施例1のストライプパターンとし
た。
【0050】これを440℃で焼成した。焼成後のNi
膜厚は1〜10μmであった。膜厚のコントロールは、
ペーストの粘度調整により行った。
【0051】焼成条件は、昇温速度5〜10℃/分、ト
ップ温度430℃、キープ時間3〜10分降温速度−5
〜−10℃/分で行った。
【0052】得られたガラス基板の形状は、XY方向で
0〜50ppmの収縮が、Z方向で0〜30ppmの反
りが測定された。つまりXY方向で17.5μm以下、
Z方向で約15μm以下の反りであった。
【0053】実施例3 表10のAuペーストを使用して、400×400mm
のバリウムホウけい酸ガラスによってパターンを印刷し
た。
【0054】
【表10】 昇温速度10℃/分、最高温度430℃、キープ時間2
0分、降温速度−10℃/分の条件で焼成した。その
後、ポジ型フォトレジストをロールコーターによりコー
テイングし、目的のパターンが予め形成してあるフォト
マスクを基板上にセットし露光した。現像後、基板上に
はフォトレジストによりパターンが形成された。これを
ヨウ素ヨウ化カリウム水溶液にてエッチングした。その
後フォトレジストに被覆されていないAu層がエッチン
グされ除去された。洗浄後フォトレジストを剥離した。
【0055】これによって、基板反りが対角寸法に対
し、10ppm以下に制御された厚膜基板が得られた。
【0056】実施例4 PbO 50mol%、B2 3 50mol%からな
る低融点ガラスを結合剤として使用した。PbO:B2
3 =25:75、75:25も同様に使用できる。
【0057】
【表11】 このペーストを500×500mm、厚み2.8mmの
無アルカリガラス基板に印刷し、昇温速度10℃/分、
最高温度420℃、キープ時間7分、降温速度−10℃
/分の条件で焼成した。焼成後の変形は、XY方向に0
〜50ppmの収縮、Z方向に0〜30ppmの反りが
測定された。
【0058】以上に述べたように、ガラス基板形状の変
化により従来のプロセスでは、少なくとも基板の長辺短
辺XY方向に対しておよそ400ppm前後の収縮が発
生する精度でしかパターン形成は出来なかったが、ガラ
ス基板の歪点以下で焼結する厚膜材料を使用し、450
℃以下で焼成することにより、0〜50ppmの精度の
収縮範囲内でパターン位置精度が得られた。これは、4
50×350mmの大きさの基板の長辺方向に対して、
従来の方法では、長辺方向に少なくとも180μm以上
(〜315μm)の収縮が起こっていたが、本発明の方
法によると、最大でも22.5μmの収縮しか起こらな
いことになる。したがって、現在のディスプレイのRG
Bピッチが0.33mmであることを考えると、従来の
方法では少なくとも一色分のずれが確実に生じるのに比
べ、十分な精度であると言える。
【0059】また、基板Z方向に対して、従来は少なく
とも900ppmの反りが発生していたが、0〜30p
pmの反りに制御することが可能となった。450×3
50mmの基板の場合、従来の方法では、少なくとも5
13μmの反りが起こったが、実施例の方法では、最大
でも17μmであった。
【0060】このような位置精度は、液晶または半導体
製造工程に使用される薄膜フォトプロセスでは通常得ら
れるものである。しかしながら、薄膜よりも導体抵抗の
少ない厚膜で、上記寸法精度が得られるため、基板サイ
ズが対角10インチ以上の液晶パネルなどのドライバー
ICの電源ラインが低抵抗、かつ、アライメント精度も
フォトプロセスと同等で形成することが可能となつた。
【0061】また、液晶やプラズマディスプレイ、蛍光
表示管など対面する2枚の平面ガラス基板からなるディ
スプレイにおいて、表と裏のガラスパネルの聞隔が一定
になることで表示品位を向上させることができ、3次元
的な形状変化が少なくなるため、対面する2枚のガラス
パネルの整合が容易となる。
【0062】プラズマディスプレイにおいては、放電空
間の距離および、陰極、陽極間の距離が一定となり、ま
た、2枚の対面するパネルを封着する時に、基板反りな
どがないため、応力による封着部分のガスリークなどの
発生が防止される。
【0063】さらに、セルフオックレンズアレイの焦点
深度がガラス基板の形状的な影響なく調節される。オプ
トエレクトロニクスデバイスへのガラス基板の応用展開
を考えるとき、厚膜材料が形成可能であり、かつ、ガラ
ス基板の形状変化を上記のように制御することが可能に
なつた効果は非常に大きい。例えば、1000×100
0mm(厚み2mm)のように基板サイズが大きくなっ
ても、ガラス基板のXYZ方向の形状変化が制御でき、
精度のよいパターニングが可能である。
【0064】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、ガラス板の歪点よりも低い焼成温度で焼結可能な導
体ペースト材料を用いており、これによって、厚膜印刷
技術を用いたガラス基板の焼成時に生じるガラス基板の
形状変化を最小限に抑制し、良質の基板ガラスを製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼成前のガラス板の斜視図である。
【図2】焼成後のガラス板の斜視図である。
【符号の説明】
0 焼成前の反り S1 焼成後の反り
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 1/09 Z 6921−4E (72)発明者 廣嶋 政幸 福岡県朝倉郡夜須町大字三並字八ツ並2160 番地九州ノリタケ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス板上に導体ペーストを印刷しこれ
    を焼成する配線ガラス基板の製造方法において、平均粒
    子径が0.01〜1.0μmの金属導体材料と熱膨張率
    が40〜400×10-7/℃で且つ屈伏温度が400℃
    以下の低融点ガラスとを含有し、前記ガラス板の歪点以
    下で焼結可能な導体ペースト材料を用い、これを前記ガ
    ラス板に印刷した後、前記ガラス板の歪点温度以下で焼
    成することを特徴とする配線ガラス基板の製造方法。
JP29877792A 1992-11-09 1992-11-09 配線ガラス基板の製造方法 Pending JPH06152102A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29877792A JPH06152102A (ja) 1992-11-09 1992-11-09 配線ガラス基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29877792A JPH06152102A (ja) 1992-11-09 1992-11-09 配線ガラス基板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06152102A true JPH06152102A (ja) 1994-05-31

Family

ID=17864085

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29877792A Pending JPH06152102A (ja) 1992-11-09 1992-11-09 配線ガラス基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06152102A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009105138A (ja) * 2007-10-22 2009-05-14 Futaba Corp ダイボンドペースト及び該ダイボンドペーストを用いた蛍光表示管
WO2014073085A1 (ja) * 2012-11-09 2014-05-15 株式会社 日立製作所 配線基板とその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009105138A (ja) * 2007-10-22 2009-05-14 Futaba Corp ダイボンドペースト及び該ダイボンドペーストを用いた蛍光表示管
WO2014073085A1 (ja) * 2012-11-09 2014-05-15 株式会社 日立製作所 配線基板とその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101809758B (zh) Ag电极浆料、太阳电池单元及其制造方法
EP0939060B1 (en) Substrate glass for displays
US5714840A (en) Plasma display panel
JP3827987B2 (ja) 無鉛ガラスフリット
CN102574371B (zh) 玻璃层叠体、带支承体的显示装置用面板、显示装置用面板、显示装置及它们的制造方法
KR20080073660A (ko) 무납 내산성 유리 조성물 및 이로 구성되는 유리 페이스트
KR20070100150A (ko) 전극 피복용 유리, 전기 배선 형성 유리판 및 플라즈마디스플레이 장치
KR20060105443A (ko) 유리 조성물 및 유리 페이스트 조성물
JP2000264677A (ja) ガラス組成物、それを用いたペ−スト、グリ−ンシ−ト、絶縁体、pdp用隔壁およびpdp
JPS60501653A (ja) 誘電体組成物
JP3941321B2 (ja) ガラス組成物及びその混合体、並びにそれを用いたペースト、グリーンシート、絶縁体、誘電体、厚膜及びfpd
JP4803719B2 (ja) 回路パターンを有するガラス基板およびその製造方法
JP4100591B2 (ja) 無鉛ガラス粉末およびプラズマディスプレイパネル隔壁形成用組成物
JPH06152102A (ja) 配線ガラス基板の製造方法
JP2005194120A (ja) ガラスセラミック粉末組成物及びガラスペースト
EP0008782B1 (en) Process for providing overglaze for fired metallizations and ac plasma display panel comprising two overglazed substrates
JP2000095544A (ja) ガラス組成物、それを用いたペ−スト、絶縁体、fpd用隔壁および絶縁層
US3862831A (en) Glass fabrication process
JP2002362942A (ja) ガラスフリットおよびアルミニウム電極の被覆方法
JP5171050B2 (ja) 画像表示装置、及び封着用ガラスフリット
JPH10302646A (ja) プラズマディスプレイパネル用基板及びその製造方法
US6680008B1 (en) Compound for producing electrodes and process for forming electrodes
JP2002128541A (ja) ガラス組成物及びその混合体、並びにそれを用いたペースト、グリーンシート、絶縁体、誘電体、厚膜及びfpd
JPH11228178A (ja) ガラス組成物、それを用いた絶縁体、fpd用隔壁及び絶縁層
JP2008050252A (ja) 隔壁付きガラス基板の製造方法