JPH06150494A - カセット・オートチェンジャー - Google Patents

カセット・オートチェンジャー

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JPH06150494A
JPH06150494A JP4322244A JP32224492A JPH06150494A JP H06150494 A JPH06150494 A JP H06150494A JP 4322244 A JP4322244 A JP 4322244A JP 32224492 A JP32224492 A JP 32224492A JP H06150494 A JPH06150494 A JP H06150494A
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cassette
hand
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cassettes
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Hiroshi Kondo
博史 近藤
Wataru Nonaka
渉 野中
Tetsuro Tsubota
哲朗 坪田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハンドによってカセットを受け取りに行く
際、収納棚及び記録再生装置に対するハンドの停止位置
に上下方向のずれが生じても、厚さが異なるカセットを
安全に挟持して、スムーズに抜き取ることができるよう
にすること。 【構成】 収納棚3の厚さが異なるカセット10Lをハ
ンド15によって受け取りに行く際に、上側カセット挟
持部68を下方に閉じると共に、その収納棚3に対して
下側カセット挟持部67と一体にハンド15全体を上方
へ駆動することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テープ状記録媒体やデ
ィスク状記録媒体を収納した各種のカセットを自動的に
交換しながら、長時間に亘る連続記録及び/又は再生を
行うためのカセット・オートチェンジャーに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】本発明の出願人は、テレビジョン放送局
用のカセット・オートチェンジャーとして、厚さが異な
る複数種類のカセットを自動的に交換しながら、長時間
に亘る連続ビデオ再生や録画編集等を行うようにしたも
のを先に出願している(例えば、特願平3−31519
6号参照)。
【0003】この先願例は、複数の収納棚に厚さが異な
る複数種類のカセットを収納しておく。そして、搬送機
に搭載したハンドの上下一対のカセット挟持部によって
その厚さが異なる複数種類のカセットを選択的に上下厚
さ方向から挟持して収納棚から抜き取る。そして、その
抜き取ったカセットを上下一対のカセット挟持部で挟持
したまま搬送機に設けたカセット受台上に載置して、こ
の搬送機によって搬送した後、ハンドによって記録再生
装置内に選択的に装填するようにしたものである。
【0004】この際、この先願例では、ハンド全体を搬
送機に対して上下動自在に取り付け、下側カセット挟持
部をハンドに固定して、上側カセット挟持部を開閉させ
るようにし、収納棚及び記録再生装置の厚さが異なるカ
セットをハンドによって受け取りに行く際、上側カセッ
ト挟持部を下側カセット挟持部に対して閉じることによ
って、これら上下一対のカセット挟持部間でカセットを
厚さ方向から挟持するが、その際、収納棚及び記録再生
装置に対するハンドの停止位置が下側にずれた時には、
カセット挟持の瞬間にハンド全体を搬送機に対して上方
に浮かすように逃がすことによって対処していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この先願例で
は、ハンドによってカセットを受け取りに行く際、収納
棚及び記録再生装置に対するハンドの停止位置が下側に
大きくずれた時には、カセット挟持の瞬間にハンド全体
の重みによってカセットが下方に傾き、収納棚及び記録
再生装置内でカセットがこじれて、この後におけるカセ
ットの抜き取りを行えなくなる不都合がある。なお、こ
の問題を解決するために、上下一対のカセット挟持部を
共に上下開閉式にし、厚さが異なるカセットを上下一対
のカセット挟持部間のセンター上で挟持しようとする
と、カセットの厚さの変化に応じて、その挟持されたカ
セットの底面の高さにバラツキが出てしまう。従って、
その挟持したカセットを収納棚及び記録再生装置から抜
き取って搬送機のカセット受台上に載置しようとした時
に、上記底面の高さのバラツキ分だけ、カセットの底面
がカセット受台の上方に浮いてしまって、カセットをカ
セット受台上に安定良く載置できなくなると言う問題が
あった。
【0006】本発明は、上記の問題を解決するためにな
されたものであって、ハンドによってカセットを受け取
りに行く際、収納棚及び記録再生装置に対するハンドの
停止位置に上下方向のずれが生じても、厚さが異なるカ
セットを安全に挟持して、スムーズに抜き取ることがで
きるようにしたカセット・オートチェンジャーを提供す
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明のカセット・オートチェンジャーは、記録媒
体が収納された厚さが異なる複数のカセットと、これら
複数のカセットが収納された複数の収納棚と、これら複
数のカセットを選択的に記録及び/又は再生する記録再
生装置と、上記複数の収納棚と上記記録再生装置との間
で上記複数のカセットを選択的に搬送する搬送機及び搬
送機移送装置とを備えたカセット・オートチェンジャー
において、上記搬送機に取り付けられたカセット受け渡
し用のハンドと、上記ハンドに固定された下側カセット
挟持部と、上記下側カセット挟持部に対して上下に開閉
される上側カセット挟持部と、上記上側カセット挟持部
を開閉する開閉機構と、上記収納棚及び記録再生装置の
上記厚さの異なるカセットを受け取りに行く際、上側カ
セット挟持部を下方に閉じると共に、上記収納棚及び記
録再生装置に対して下側カセット挟持部と一体にハンド
全体を上方へ駆動する手段を設けたものである。この
際、上記収納棚及び記録再生装置に対する上記ハンド全
体の上下駆動を上記搬送機移送装置によって行うこと、
上記ハンドによって上記収納棚及び記録再生装置から抜
き取られた上記厚さが異なるカセットを上記搬送機に設
けたカセット受台上に載置させて搬送することが好まし
い。
【0008】
【作用】上記のように構成された本発明のカセット・オ
ートチェンジャーは、収納棚及び記録再生装置の厚さが
異なるカセットをハンドによって受け取りに行く際に、
上側カセット挟持部を下方に閉じると共に、その収納棚
及び記録再生装置に対して下側カセット挟持部と一体に
ハンド全体を上方へ駆動するようにしたので、収納棚及
び記録再生装置に対するハンドの停止位置の上下方向の
ずれをハンド全体の上方への移動量で簡単に補正でき
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明をテレビジョン放送局用のビデ
オカセットのカセット・オートチェンジャーに適用した
一実施例を図を参照して説明する。
【0010】[カセット・オートチェンジャーの概要説
明]まず、図1〜図4によって、カセット・オートチェ
ンジャーの概要を説明する。
【0011】このカセット・オートチェンジャーは、記
録媒体である磁気テープの記録フォーマットが複数種類
で、かつ、同じ記録フォーマットで大きさ(外径寸法及
び厚さ)が異なる複数種類のカセットを混載しておき、
これら複数種類のカセットを記録フォーマット別の複数
種類の記録再生装置であるVTRによって選択的に記録
及び/又は再生することができるように構成されてい
る。
【0012】次に、カセット・オートチェンジャー本体
(以下単に本体と記載する)1は、上下に長い直方体形
状の筐体に構成されていて、その前面には開閉扉2が水
平方向である矢印a方向に開閉自在に取り付けられてい
る。そして、本体1内には、上下4段の収納棚3を有す
る複数の収納棚ユニット4と、上下5段の収納棚5を有
する複数の収納棚ユニット6とからなる2種類の収納棚
ユニットが上下に並べて取り付けられて収納棚ユニット
列7が構成されている。そして、この収納棚ユニット列
7の最上段には天板ユニット8が取り付けられている。
【0013】そして、複数の収納棚ユニット4の上下4
段の収納棚3には、同じ記録フォーマットで、大きさが
3種類の大、中、小カセット10L、10M、10Sを
無差別に混載することができる。また、複数の収納棚ユ
ニット6の上下5段の収納棚5には、同じ記録フォーマ
ットで、大きさが2種類の大、小カセット11L、11
Sを無差別に混載することができる。但し、大、中、小
カセット10L、10M、10Sの記録フォーマット
と、大、小カセット11L、11Sの記録フォーマット
は互いに異なる。
【0014】この際、大、中、小カセット10L、10
M、10Sには、例えばデジタルカセットやUマチック
カセットのように、3/4インチ巾の磁気テープを用い
るカセットが使用されていて、これら大、中、小カセッ
ト10L、10M、10Sの厚さは厚く構成されてい
る。また、大、小カセット11L、11Sには、例え
ば、ベータカセットやVHSカセットのように、1/2
インチ巾の磁気テープを用いるカセットが使用されてい
て、これらの大、小カセット11L、11Sの厚さは薄
く構成されている。なお、この他にも、例えば8mm巾
の磁気テープを用いる8mmカセット等も使用可能であ
る。
【0015】次に、本体1内で、収納棚ユニット列7の
下部又は上部には大、中、小カセット10L、10M、
10Sと、大、小カセット11L、11Sを選択的に記
録及び/又は再生するための記録フォーマット別の2種
類のVTR12、13が混載されている。そして、これ
らのVTR12、13の前面には、それぞれ大、中、小
カセット10L、10M、10S及び大、小カセット1
1L、11S兼用のカセット挿入口12a、13aが形
成されている。そして、複数の収納棚3、5及びVTR
12、13の前面が一列状に揃えられている。
【0016】次に、本体1内で複数の収納棚3、5及び
VTR12、13と開閉扉2との間には、カセット受け
渡し用のハンド15を有する搬送機16と、その搬送機
16を複数の収納棚3、5及びVTR12、13に沿っ
て上下方向である矢印a、b方向に搬送する搬送機移送
装置17とが配置されている。なお、搬送機16には、
ハンド15を複数の収納棚3、5及びVTR12、13
に対する水平なカセット出し入れ方向である矢印d、e
方向及びそれに対して直角で水平な左右方向である矢印
f、g方向に移送するハンド移送機構18が取り付けら
れている。
【0017】次に、2種類の収納棚ユニット4、6及び
VTR12、13はユーザーが使用するカセットの記録
フォーマットに応じて自由にセットの組み換えを行うこ
とができるように、これらの収納棚ユニット4、6及び
VTR12、13は本体1に対して交換可能に取り付け
られている。
【0018】この際、2種類の収納棚ユニット4、6及
び天板ユニット8の平面状での外径寸法はほぼ同一に構
成されているが、特に、2種類の収納棚ユニット4、6
の寸法H1 が同一に構成されていて、これらの収納棚ユ
ニット4、6の使用個数の変更や配置の変更等の交換作
業を行う際、収納棚ユニット4、6間の隙間調整等を一
切行う必要がなく、その交換作業を容易に行うことがで
きる。
【0019】また、天板ユニット8は2種類の収納棚ユ
ニット4、6の天板を兼用していて、収納棚ユニット列
7の最上段に配置される収納棚ユニット4、6の種類に
応じて、この天板ユニット8を上下に反転して使用する
ように構成されている。
【0020】なお、図3及び図4に示すように、2種類
の収納棚ユニット4、6は、本体1内に垂直に取り付け
られた左右一対の支柱20間に水平に挿入されて、これ
ら左右一対のフランジ21を左右一対の位置決めピン2
2と左右複数の止ネジ23によって両支柱20に着脱自
在(交換可能)に取り付けられている。また、天板ユニ
ット8も両支柱20間に水平に挿入されて、その前面板
8aの左右両端部を左右一対の位置決めピン22及び止
ネジ23によって両支柱20に着脱自在(上下反転可
能)に取り付けられている。
【0021】そして、天板ユニット8の前面板8aの背
面に固着されたコ字状板24の左右両端に一体に形成さ
れた左右一対の垂直で平行な突片24a、24bが前面
板8aを貫通して前方に突出されていて、これら両突片
24a、24bには水平基準線P1 に沿った左右一対の
水平基準であるスリット25a、25bが形成されてい
る。
【0022】[カセット・オートチェンジャーの動作の
概要説明]次に、図1〜図3によって、このカセット・
オートチェンジャーの動作の概要を説明する。
【0023】まず、複数の収納棚3、5への複数のカセ
ット10L、10M、10S及び11L、11Sの装填
や交換作業は、オペレータが開閉扉2を開いて手動操作
によって行う。この際、大、中カセット10L、10M
及び大カセット11Lは各収納棚3、5の左右方向の中
央位置に収納し、小カセット10S、11Sは各収納棚
3、5の左右に振り分けて収納する。
【0024】そして、このカセット・オートチェンジャ
ーでは、複数の収納棚3、5に混載された大、中、小カ
セット10L、10M、10S及び大、小カセット11
L、11Sの収納位置を予め検索して記憶しておく。そ
して、カセット交換指令信号に基づき、搬送機移送装置
17による搬送機16の矢印b、c方向の搬送動作と、
カセット移送装置18によるハンド15の矢印d、e及
びf、g方向の移送動作との組合せによって、ハンド1
5によって指定された収納棚3、5から大、中、小カセ
ット10L、10M、10S及び大、小カセット11
L、11Sのうちの指定されたカセットを選択的に挟持
して、自動的に抜き取り、これを指定されたVTR1
2、13まで搬送して、そのカセット挿入口12a、1
3aに自動的に装填して記録及び/又は再生を行う。な
お、記録及び/又は再生が終了してVTR12、13の
カセット挿入口12a、13a外に排出された使用済み
のカセットは上述の逆動作で元の収納棚3、5に返却す
る。そして、このカセット自動交換動作の繰り返しによ
り、長時間に亘る連続ビデオ再生や録画編集を行うよう
にしたものである。
【0025】[搬送機移送装置の説明]次に、図5及び
図6によって、搬送機移送装置17を説明する。
【0026】まず、図5及び図6に示すように、本体1
内の一側部に垂直に配置された1つの取付基準板27に
前記一方の支柱20が一体に形成されている。従って、
2種類の収納棚ユニット4、6、天板ユニット8及びV
TR12、13はこの取付基準板27に取り付けられる
ことになる。
【0027】次に、この同じ取付基準板27に、搬送機
16用のガイドレール28と、後述するカウンターウエ
イト用のガイドレール29が垂直で平行状に固着されて
いる。そして、これら両ガイドレール28、29にそれ
ぞれ複数のガイドローラ30、31によってガタツキの
ないように取り付けられた一対のスライダー32、33
が両ガイドレール28、29に沿って上下方向である矢
印b、c方向に走行可能に構成されている。
【0028】次に、同じ取付基準板27に搬送機移送装
置17が取り付けられている。この搬送機移送装置17
は、モータ37と、そのモータ37に直結されたエンコ
ーダ38と、一対のタイミングベルト39、40等によ
って構成されている。そして、取付基準板27の上端の
内側に固着されたモータ取付板41の一端側にモータ3
7が取り付けられている。そして、そのモータ取付板4
1の両端に取り付けられたモータプーリ42と中間プー
リ43との間にタイミングベルト39が水平状に巻き掛
けられており、中間プーリ43と、その真下位置で取付
基準板27の下端に取り付けられた従動プーリ44との
間にタイミングベルト40が垂直に巻き掛けられてい
る。そして、タイミングベルト40の両側の一部が両ス
ライダー32、33にベルト固定部45によって固着さ
れている。
【0029】そして、この搬送機移送装置17によれ
ば、モータ37の正逆回転駆動によってタイミングベル
ト39を介してタイミングベルト40を上下方向である
矢印b、c方向に走行駆動して、搬送機16を矢印b、
c方向に搬送する。この際、カウンターウエイト36を
搬送機16の逆方向で矢印b、c方向に走行させて、搬
送機16の重量をバランスし、搬送機16を高速で搬送
させる。
【0030】そして、これに合せて、搬送機16のハン
ド15をハンド移送機構18によって矢印d、e方向及
び矢印f、g方向に移動制御する。そして、収納棚ユニ
ット4、6内の複数の収納棚3、5内に混載されて大、
中、小カセット10L、10M、10S及び大、小カセ
ット11L、11Sの中から指定された収納棚3、5の
カセットをハンド15によって矢印e方向に抜き取り、
このカセットを搬送機16によって指定されたVTR1
2、13まで矢印c方向に搬送し、このカセットをハン
ド15によって指定されたVTR12、13のカセット
挿入口12a、13a内に矢印a方向に自動装填するカ
セット自動装填動作と、その逆動作であるカセット自動
返却動作とのカセット自動交換動作を行うようにして、
長時間に亘る連続ビデオ再生や録画編集等を行う。
【0031】[搬送機の位置検出装置の説明]次に、図
5〜図9によって、搬送機16のイニシャル設定のため
の位置検出を行う位置検出装置を説明する。
【0032】まず、図5〜図8に示すように、搬送機1
6の昇降台であるステージ35にイニシャル設定のため
の位置検出を行うための1つの検出手段である発光素子
及び受光素子(何れも図示せず)を備えた1つの光セン
サー47が取り付けられている。そして、搬送機16の
基準位置を示す原点設定板48と、2種類の収納棚ユニ
ット4、6及び2種類のVTR12、13のそれぞれの
種類を示す複数の種類設定板49、50が光センサー4
7の上下方向の移動軌跡に沿って取付基準板27にそれ
ぞれ一対の止ネジ51によって着脱自在にネジ止めされ
ている。これら原点設定板48及び複数の種類設定板4
9、50は光センサー47の発光素子と受光素子との間
で光を遮断するシャッター板に構成されている。そし
て、原点設定板48は定位置に取り付けられるのに対し
て、複数の種類設定板50は各収納棚ユニット4、6及
び各VTR12、13の取付位置に応じて適宜配置転換
可能に構成されている。
【0033】次に、図8に示すように、原点設定板48
と複数の種類設定板49、50の形状が互いに異なる形
状に構成されている。即ち、原点設定板48は上下巾L
1 が50mm以上に形成されていて、中間にスリット4
8aが形成されている。そして、スリット48aの上下
巾L2 が5mmに形成され、スリット48aの下端と原
点設定板48の下端48bとの間の上下巾L3 が20m
mに設定されている。また、種類設定板49、50の上
下巾L4 、L5 がそれぞれ45mm、10mmに設定さ
れている。なお、取付基準板27の上下には搬送機16
の暴走を防止する上下一対のストッパー52、53が取
り付けられている。
【0034】次に、このカセット・オートチェンジャー
への電源投入時のイニシャル設定の位置検出動作を、図
8によって図9のフローチャートを参照して説明する。
【0035】まず、仮に図8に1点鎖線で示すように、
光センサー47が原点設定板48によってOFFされる
位置にある状態で電源が投入された場合、光センサー4
7のON、OFFを判断し、OFFの時にはモータ37
によってタイミングベルト40を矢印c方向に駆動し
て、ステージ35を下降する。すると、光センサー47
が原点設定板48のスリット48aを検出してONとな
り、A位置を検出する。
【0036】そして、モータ37に直結されているエン
コーダ38のパルス数によってステージ35の移動距離
を測定しながら、このA位置からステージ35を15m
m下降させて光センサー47のOFFを確認するが、ス
テージ35が5mm下降した時に光センサー47がOF
Fとなれば、B位置が確認される。即ち、A位置−B位
置=5mmであることが確認される。
【0037】そして、B位置からステージ35を20m
m下降させて光センサー47のONを確認するが、ステ
ージ35が20mm下降した時に光センサー47がON
となれば、C位置である搬送機16の原点が確認され
る。即ち、B位置−C位置=20mmであることが確認
されて、C位置が原点であると判断される。
【0038】なお、光センサー47が図8に実線で示す
ような原点設定板48より下降されている位置にあっ
て、電源投入時に、光センサー47がONとなった時に
は、モータ37によってタイミングベルト40を矢印b
方向に駆動して、ステージ35を上昇させる。そして、
光センサー37がOFFとなった位置から、上記の動作
を繰り返し行って原点であるC位置を探すことになる。
【0039】次に、ステージ35を原点(C位置)から
下降させて光センサー47によって次の種類設定板49
を探すが、光センサー47がOFFしてからONした後
には、ステージ35を上昇させ、その間に光センサー4
7がOFFしてからONするまでの距離が20mmであ
れば、種類設定板49であると判断され、その種類設定
板49のD位置及びE位置がそれぞれ確認されて、D位
置がそれぞれの収納棚ユニット4、6の原点と判断され
る。同様にして、次の種類設定板50も確認される。
【0040】以上のように、この位置検出装置は、搬送
機16のステージ35に取り付けた1つの光センサー4
7によって、原点設定板48と複数の種類設定板49、
50の形状を検出することによって、基準位置である原
点(C位置)を検出すると共に、複数の収納棚ユニット
4、6及びVTR12、13の位置を検出するものであ
る。但し、搬送機16が動き得る最上位置に存在してい
る時には光センサー47がOFF状態になっているこ
と、光センサー47が最下部の種類設定板50の最下端
にある時には、搬送機16が下方に15mm以上移動可
能であることが必要である。
【0041】そして、上記のイニシャル動作によって検
出された位置情報がエンコーダ38のパルス数によって
記憶回路に記憶される。そして、前述したカセット自動
交換のためのアクセスを行う際に、搬送機16の原点
(C位置)、複数の収納棚ユニット4、6及びVTR1
2、13の各原点に基づいて搬送機16の上下移動量を
エンコーダ38のパルス数によって確認しながら、カセ
ット自動交換動作を行う。
【0042】[搬送機のハンド移送機構の説明]次に、
図10〜図14によって、搬送機16のハンド15を矢
印d、e方向及び矢印f、g方向に水平移送するハンド
移送機構18を説明する。
【0043】まず、ハンド移送機構18は、水平なステ
ージ35上に水平でかつステージ35と平行に取り付け
られた第1直線運動機構55と、その第1直線運動機構
55の上部に水平でかつ直角に取り付けられた第2直線
運動機構56とによって構成されている。
【0044】そして、これら第1、第2直線運動機構5
5、56は同じ2重スライド機構に構成されていて、第
1直線運動機構55は、ステージ35上に水平に固着さ
れたスライドベース57a上に第1スライダー58a及
び第2スライダー59aを順次重ねてそれぞれ矢印f、
g方向に2重にスライド自在に取り付けている。また、
第2直線運動機構56は、第1直線運動機構55の第2
スライダー59a上に水平に固着されたスライドベース
57b上に第1スライダー58b及び第2スライダー5
9bを順次重ねてそれぞれ矢印d、e方向に2重にスラ
イド自在に取り付けている。そして、第2直線運動機構
56の第2スライダー59b上にハンド15が垂直に取
り付けられている。
【0045】そして、これら第1、第2直線運動機構5
5、56の駆動機構も同じ構造に構成されていて、各ス
ライドベース57a、57bに対して各第1スライダー
58a、58bを駆動するラック・ピニオン機構60
a、60bと、これらのピニオンを駆動するモータ61
a、61b及びこれらのモータ61a、61bに直結さ
れたエンコーダ62a、62bと、各第1スライダー5
8a、58b上で、第2スライダー59a、59bを各
第1スライダー58a、58bの2倍のストロークでス
ライドさせるタイミングベルト63a、63bとによっ
て構成されている。なお、両タイミングベルト63a、
63bは両第1スライダー58a、58bの長さ方向の
両端に取り付けられた一対のプーリ64a、64b間に
巻き掛けられており、両タイミングベルト63a、63
bの上下両側の一部がベルト固定部65によって両スラ
イドベース57a、57bと両スライダー59a、59
bに固着されている。
【0046】このハンド移送機構18によれば、両直線
運動機構55、56の両モータ61a、61bによって
両ラック・ピニオン機構60a、60bを駆動すること
により、両第1、第2スライダー58a、58b及び両
第2スライダー59a、59bを矢印f、g方向及び矢
印d、e方向に2重にスライド駆動することができる。
【0047】この際、図14に示すように、両タイミン
グベルト63a、63bの自転回転運動により、両第2
スライダー59a、59bを両第1スライダー58a、
58bのストロークS1 の2倍のストロークS2 で矢印
f、g方向及び矢印d、e方向に高速でスライドさせる
ことができる。
【0048】そして、両直線運動機構55、56によっ
て、ハンド15をカセット出し入れ方向である矢印d、
e方向と、そのカセット出し入れ方向に対して直角な矢
印f、g方向との2方向に水平に高速で直線運動させる
ことができる。
【0049】そして、ハンド15の前面には水平板で構
成された上下一対のカセット挟持部67、68が設けら
れており、第2直線運動機構56の第1スライダー58
bの上部には左右一対の水平で平行なカセット受台69
が形成されている。なお、下側カセット挟持部67はハ
ンド15に固定されている。
【0050】[スライダーへのステージ取付装置の説
明]次に、図15〜図19によって、搬送機移送装置1
7のスライダー32への搬送機16のステージ35の取
付装置71を説明する。
【0051】まず、スライダー32には、平面形状がほ
ぼH型に組立てられた左右一対の垂直な支持板72a
と、これらの間に配置された垂直な支持板72bとが設
けられており、更に支持板72bの下部には締結手段の
取付板72cが設けられている。そして、両側板72a
の上端縁にステージ受けである左右一対のピン嵌合溝7
3が形成されている。なお、これら両ピン嵌合溝73は
上方に開放されたU溝で形成されている。
【0052】そして、ステージ35はアルミダイカスト
等にて成形されていて、その一端部35aが両支持板7
2a間に上方から挿入可能な寸法に形成されている。そ
して、その一端部35aの上端の左右両側に吊下げ部で
ある水平な左右一対の吊下げピン74が一体に成形され
ている。また、ステージ35の一端部35aの先端に垂
直な端面板35bが一体に成形されていて、この端面板
35とスライダー32の取付板72cとの間を締結する
締結手段であるパンチ錠75が取付板72cに取り付け
られている。また、スライダー32の支持板72bに固
着されたナット76に水平度調整手段である調整ネジ7
7が水平に取り付けられていて、ステージ35の端面板
35bが調整ネジ77の先端に当接されるように構成さ
れている。なお、端面板35bの調整ネジ77とは反対
側にパンチ錠75の先端を引っかけるためのフック78
が固着されている。
【0053】次に、パンチ錠75は、取付板72cに複
数の止ネジ80によって支持金具81を固着し、その支
持金具81の上端の水平な支点ピン82に断面形状がほ
ぼコ字状の回転金具83の一端を回転自在に取り付け、
その回転金具83の下端側の両側に水平な支点ピン84
を介して一対の引張金具85を回転自在に取り付け、こ
れら両引張金具85に一対の係止金具86を圧着ばねで
ある一対の引張ばね87を介して連結したものであり、
一対の係止金具86の上端部間に水平な係止ピン88が
連結されている。また、フック78も複数の止ネジ89
によって端面板35bに水平に固着されている。
【0054】このステージ取付装置71によれば、図1
5及び図16に示すように、まず、ステージ35の一端
部35aをステージ35の一対の支持板72a間に上方
から挿入して、一対の吊下げピン74をスライダー32
の一対のピン嵌合溝73に上方から矢印h方向に嵌合す
る。そして、ピン嵌合溝73及び吊下げピン74を中心
にステージ35を矢印j方向に回転して、端面板35b
を調整ネジ77の先端に矢印m方向から水平に当接し
て、ステージ35をスライダー32に吊下げて水平に支
持する。
【0055】そして、パンチ錠75の先端をフック78
に引っかけて、このパンチ錠75をワンタッチで締めつ
けることにより、端面板35aが調整ネジ77の先端に
矢印m方向から強力に圧着されて、ステージ35がスラ
イダー32に強力に固定される。
【0056】この際、図17及び図19に示すように、
パンチ錠75の係止ピン88をフック78に引っかけ
て、回転金具83の下端のつまみ83aを両引張バネ8
7に抗して支点ピン84を中心に矢印o方向に回転する
ように少し押し込む。すると、回転金具83の可動点で
ある支点ピン84が固定支点である支点ピン82と係止
ピン88とを結ぶ直線である死点P2 を矢印o方向に越
えた瞬間から両引張ばね87の引張力による矢印o方向
への回転モーメントが自動的に働いて、パンチ錠75が
自動的に施錠される。
【0057】従って、パンチ錠75の締めつけをワンタ
ッチで行え、両引張ばね78の引張力によって、ステー
ジ35の端面板35bが調整ネジ77の先端に矢印m方
向から弾性的に強力に圧着される。なお、つまみ83a
を図17で矢印p方向に回転すれば、施錠時の逆動作
で、パンチ錠75をワンタッチで解錠でき、係止ピン8
8をフック78から簡単に外すことができる。
【0058】従って、このステージ取付装置71によれ
ば、ステージ35をスライダー32に組立てる際に、重
いステージ35をいちいち片手で支えながらネジ締め等
の締めつけ作業を行わなくても良い。しかも、パンチ錠
75もワンタッチで施錠することができるので、ステー
ジ35をスライダー32に簡単に、かつ、素早く組立て
ることができる。また、パンチ錠75の解錠も簡単であ
り、パンチ錠75の係止ピン88をフック78から外し
た後、ステージ35を少し持ち上げれば、両吊下げピン
74を両ピン嵌合溝73から上方である矢印i方向に外
して、ステージ35をスライダー32から簡単に分解す
ることができる。
【0059】次に、このステージ取付装置71によれ
ば、図15及び図17に示すように、調整ネジ77をナ
ット76に対して矢印m、n方向に出し入れするように
調整すれば、ステージ35を両ピン嵌合溝73内の両吊
下げピン74を中心に矢印j、k方向に回転調整するよ
うにして、ステージ35の水平度を簡単に調整すること
ができる。
【0060】この際、図17に示すように、パンチ錠7
5の両引張ばね87の引張力によって、ステージ35の
端面板35bを調整ネジ77の先端に矢印m方向から弾
性的に圧着しているので、調整ネジ77の調整によるス
テージ35とスライダー32との間の隙間G1 の変化を
両引張ばね87で収納できる効果がある。
【0061】そして、ステージ35の水平度の測定(確
認)も簡単に行える。即ち、図4に示したように、天板
ユニット8の前面板8aに設けた一対の突片24a、2
4bに水平基準である一対のスリット25a、25bを
形成してあるので、図20に示すように、ハンド15に
固定されている水平な下側カセット挟持部67を測定子
に利用して、この下側カセット挟持部67を一方のスリ
ット25aから他方のスリット25bにかけて図3の水
平基準線P1 に沿って矢印f方向に水平移動させる。そ
して、下側カセット挟持部67がうまく両スリット25
a、25b間を通り抜けることができれば、ステージ3
5の水平度が許容範囲であることを確認できる。従っ
て、ステージ35の水平度の測定を簡単に行える上に、
別の治具を用いて水平度を測定する手間を省ける。
【0062】[ハンドの説明]次に、図21〜図26に
よって、ハンド15の詳細を説明する。まず、図21及
び図22に示すように、前述したハンド移送機構18の
第2直線運動機構56の第2スライダー59bの上部に
ハンド支持台91が複数の止ネジ92によって水平に固
着されている。そして、このハンド支持台93上に一対
の昇降ガイド軸93、94が垂直に植立されていて、ハ
ンド15のほぼ筐型のハンド本体95が一対の垂直ガイ
ド穴96、97によって上下方向である矢印b、c方向
に昇降自在に遊嵌されている。なお、一方の昇降ガイド
軸93が直径の太い主軸に構成されていて、ハンド本体
95を円滑に昇降させるためにハンド本体95の上下に
固着された一対の合成樹脂等のスリーブ98がこの昇降
ガイド軸93に遊嵌されている。また、この昇降ガイド
軸93の上端には抜け止め用のフランジ付きネジ93a
が取り付けられている。
【0063】従って、上下一対のカセット挟持部67、
68間でカセット10L等を上下から挟持した状態で、
ハンド15がハンド支持台91上で両昇降ガイド軸9
3、94に沿って矢印b、c方向に自由に昇降できるよ
うに構成されている。
【0064】[カセット挟持部の開閉機構の説明]次
に、図23に示すように、水平板で形成された下側カセ
ット挟持部67がハンド本体95の下面に複数の止ネジ
99によって固着されていて、水平板で形成された上側
カセット挟持部68が上下方向である矢印b、c方向に
平行に開閉自在に構成されている。なお、両カセット挟
持部67、68の上下対向面にはカセットのすべり止め
部材67a、68aが接着されている。
【0065】そして、上側カセット挟持部68を上下に
開閉する開閉機構100がハンド本体95内に取り付け
られている。この開閉機構100は、ハンド本体95の
上下壁95a、95b間に垂直に取り付けられた開閉ガ
イド101と送りネジ102とを有し、上側カセット挟
持部68が開閉ガイド101に摺動自在に係合され、上
側カセット挟持部68に固着されたナット116が送り
ネジ102に螺合されている。そして、ハンド本体95
内にはモータ103と上下壁95a、95b間に垂直に
取り付けられた中間軸104とが取り付けられていて、
モータ軸103aに固着されたギア105が中間軸10
4に遊嵌されたトルクリミッターギア106に噛合さ
れ、トルクリミッターギア106と中間軸105との間
に一方向スリップ式のトルクリミッター107が介在さ
れ、中間軸104に固着されたギア108が送りネジ1
02に固着されたギア109に噛合されている。また、
中間軸104に固着されたシャッター円板110とハン
ド本体95内に取り付けられた光センサー111とによ
って開き量制御手段であるエンコーダ112が構成され
ている。また、上側カセット挟持部68に取り付けられ
たシャッター板113によってON−OFFされて上側
カセット挟持部68の上限位置と下限位置とを検出する
上限センサー114及び下限センサー115がハンド本
体181に取り付けられている。
【0066】そして、この開閉機構100の原点サーチ
動作は次のように行われる。まず、カセット・オートチ
ェンジャーに電源が投入されると、モータ103が正回
転され、ギア105、106、トルクリミッター10
7、中間軸104、ギア108、109を介して送りネ
ジ102が正回転駆動される。すると、送りネジ102
によるナット116のネジ送り動作によって上側カセッ
ト挟持部68が開閉ガイド101によって案内されて矢
印c方向に平行に下降される。そして、1点鎖線で示す
ように、シャッター板113を下限センサー115が検
出した位置P3 が下限位置に相当する原点であり、上側
カセット挟持部68がこの原点P3 まで下降された時に
モータ103が停止される。
【0067】カセット挟持動作は次のように行われる。
次に、カセット挟持命令が出ると、モータ103が逆回
転され、送りネジ102が逆回転駆動される。そして、
送りネジ102によるナット116のネジ送り動作によ
って上側カセット挟持部68が開閉ガイド101によっ
て案内されて矢印b方向に平行に上昇されて、上側カセ
ット挟持部68が下側カセット挟持部67に対して上方
に開かれる。この時のトルクリミッター107はノンス
リップ状態で回転し、エンコーダ112によって下側カ
セット挟持部67に対する上側カセット挟持部68の開
き量H1 が正確にカウントされる。
【0068】そして、カセット挟持命令が出された時点
で、挟持するために指定されたカセットの厚さ情報が判
明しているので、このカセットの厚さ情報に基づいて、
開き量H1 をエンコーダ112によってカウントして、
所定の値に調整してモータ103を停止する。
【0069】そして、両カセット挟持部67、68間
に、図22に示す厚さが異なるカセット10L、11L
等が矢印e方向から水平に挿入されたことが後述するカ
セット有無センサーによって検出されると、モータ10
3が再び正回転され、送りネジ102の正回転駆動によ
って上側カセット挟持部68が矢印c方向に再び平行に
下降される。そして、下側カセット挟持部67上に上側
カセット挟持部68によって厚さが異なるカセット10
L、11L等をこれらの厚さに対応して矢印c方向から
平行に押え込むようにして挟持する。
【0070】なお、この時、トルクリミッター107が
スリップ可能状態で回転し、両カセット挟持部67、6
8間で厚さが異なるカセット10L、11L等を挟持し
た時に上側カセット挟持部68が受ける矢印b方向の反
発力、即ち、負荷が一定トルク値を越えた時に、トルク
リミッター107がスリップを生じて、トルクリミッタ
ー107の出力側にある中間軸104が停止して、上側
カセット挟持部68が自動停止する。そして、中間軸1
04が停止したことがエンコーダ112によって検出さ
れることにより、両カセット挟持部67、68間でのカ
セット10L、11L等の挟持完了が検出されて、モー
タ103が停止される。
【0071】従って、このカセット・オートチェンジャ
ーによれば、厚さが異なるカセットを常に一定の値の挟
持力で、常に安定良く挟持することができ、カセットの
厚さの変化によってカセットの挟持力が過大となり、カ
セットを不測に破損してしまうような事故を未然に防止
できる。
【0072】なお、図23において、実線で示す上側カ
セット挟持部68の位置P4 は、厚さが最も大きい大カ
セット10Lの厚さよりも更に大きい最大開き位置を示
したものであり、1点鎖線で示す位置P5 がシャッター
板113を上限センサー114が検出した上限停止位置
である。そして、このハンド15は、モータ103の逆
回転によって、上側カセット挟持部68を最大開き位置
4 から上限停止位置P5 までオーバーストロークS3
で矢印b方向にノンスリップで上昇駆動することができ
るように構成されている。
【0073】[カセット押込み手段の説明]次に、図2
4〜図26に示すように、ハンド本体95の一側部にカ
セット押込み手段117が取り付けられている。このカ
セット押込み手段117は、ほぼL型の回転アーム11
8と、水平な押込みアーム119と、復動用の引張ばね
120とによって組立てられている。
【0074】即ち、回転アーム118の上端側が水平な
支点軸121を介して矢印q、r方向に回転自在に取り
付けられていて、その回転アーム118の上側部の内側
に水平な支軸121aを介してコロ122が水平に取り
付けられている。水平な押込みアーム119は上下一対
のカセット挟持部67、68間に配置されて、ハンド本
体95の水平な下壁95bの一側端の上部に水平に載置
されている。そして、この押込みアーム119は各一対
のガイドピン123とガイド溝124を介してVTR1
2、13に対する前後進方向である矢印d、e方向に水
平に出入り自在に下壁95b上に取り付けられている。
なお、この押込みアーム119の先端119aは水平面
内でほぼL型に屈曲されて両カセット挟持部67、68
の左右巾方向のほぼ中央部に延出されている。
【0075】そして、回転アーム118の下端と押込み
アーム119の後端とがピン125及び長孔126を介
して相互に回転自在に連結されて、これらがほぼL型の
リンク機構に構成されている。そして、回転アーム11
8と押込みアーム119の長さ方向のほぼ中間部に形成
された一対のばね係止部127、128間に引張ばね1
20がほぼ三角形状に取り付けられている。そして、回
転アーム118のコロ122に上側カセット挟持部68
の一側端が下方から当接できるように構成されている。
【0076】このカセット押込み手段117は次のよう
に駆動される。即ち、図26に実線で示す状態は、復動
状態であり、引張ばね120によって回転アーム118
と押込みアーム119の開き角が縮小される方向の付勢
力を受けることによって、回転アーム118が矢印q方
向に回転付勢され、押込みアーム119が矢印e方向に
スライドされて、その先端119aが両カセット挟持部
67、68の先端位置P6 より矢印e方向に引っ込めら
れた復動位置P7 まで復動されている。
【0077】次に、前述したように、開閉機構100に
よって上側カセット挟持部68が図26に示す最大開き
位置P4 から上昇停止位置P5 までオーバーストローク
3分矢印b方向に上昇駆動されると、その上側カセッ
ト挟持部68によってコロ122が矢印b方向に押し上
げられる。
【0078】すると、図26に1点鎖線で示すように、
回転アーム118が支点軸121を中心に引張ばね12
0に抗して矢印r方向に回転駆動され、押込みアーム1
19が矢印d方向に押し出されて、その先端119aが
両カセット挟持部67、68の先端位置P6 を通過して
矢印d方向の十分な押出し位置P8 までストロークS 4
分矢印d方向に自動的に押し出される。そして、この後
に、上側カセット挟持部68が最大開き位置P4 まで矢
印c方向に復動すれば、回転アーム118及び押込みア
ーム119が引張ばね120によって実線で示す復動位
置までそれぞれ矢印q、e方向に復動される。
【0079】なお、回転アーム118と押込みアーム1
19との間に引張ばね120をほぼ三角状に取り付けて
おくと、これら回転アーム118と押込みアーム119
との間に引張ばね120を予め組み付けた状態で、これ
ら回転アーム118と押込みアーム119をハンド本体
95に簡単に取り付けることができ、復動用ばねとして
捩りコイルばね等を用いるものに比べて、ハンド本体9
5へのカセット押込み手段117の組立てを簡単に行え
る。また、回転アーム118を上側カセット挟持部68
によって回転駆動できるので、カセット押込み手段11
7の専用の駆動機構を設ける必要がない。
【0080】[カセット有無センサーの説明]次に、図
24〜図26に示すように、ハンド本体95の左右両側
で下端側に偏位された位置に垂直な左右一対のカセット
停止板130が設けられていて、その両カセット停止板
130の左右両側に左右一対のカセット有無センサー1
31が取り付けられている。これら両カセット有無セン
サー131は、両カセット停止板130に一対の支点軸
131を介して上下、前後方向である矢印s、t方向に
回転自在に取り付けられた一対のシャッター板133
と、両カセット停止板130に取り付けられて、両シャ
ッター板133によってON−OFFされる一対の光セ
ンサー134とによって構成されている。
【0081】そして、両カセット挟持部67、68に間
にカセットが挿入されていない時には、図25に実線で
示すように、両カセット有無センサー131の両シャッ
ター板133が自重によって矢印t方向に回転されて両
光センサー134がOFFとなっている。なお、この
時、両シャッター板133の先端133aが僅かな距離
6 だけ両カセット停止板130から矢印d方向に突出
された状態で、両シャッター板133が両カセット停止
板130に形成された一対のストッパー135上に当接
されて停止している。
【0082】次に、図24及び図25に1点鎖線で示す
ように、両カセット挟持部67、68間にカセット10
L等が矢印e方向から正しく平行に挿入されて、そのカ
セット10L等が両カセット停止板130に平行に当接
されると、そのカセット10L等によって両カセット有
無センサー131の両シャッター板133が矢印e方向
に押されて矢印s方向に回転し、両光センサー134が
ONとなり、カセット有りが検出される。
【0083】なおこの際、両カセット有無センサー13
1は、カセット傾きセンサーを兼用している。即ち、図
24に点線で示すように、両カセット挟持部67、68
間にカセット10L等が水平面内で矢印u又はv方向に
傾いて矢印e方向から挿入された時には、両カセット有
無センサー131の何れか一方だけがONとなるもの
の、他方はOFF状態を維持することになり、これによ
ってカセット10L等の傾きを検出できる。
【0084】[収納棚からのカセット受け取り時の制御
を行う制御装置の説明]次に、図27〜図33によっ
て、ハンド15によって収納棚3、5からの厚さが異な
るカセットを選択的に受け取る際の制御を説明する。
【0085】まず、このカセット・オートチェンジャー
は、図27及び図28に示すように、収納棚3、5に収
納されている厚さが異なるカセット10L、11S等を
ハンド15の上下一対のカセット挟持部67、68によ
って厚さ方向から選択的に挟持した後、ハンド15を第
1スライダー58b上で矢印e方向にスライドさせるこ
とによって、そのハンド15によって選択的に挟持した
厚さが異なるカセット10L、11S等を収納棚3、5
から矢印e方向に抜き取る。そして、その抜き取ったカ
セット10L、11S等を第1スライダー58bの一対
で平行な一対のカセット受台69上に水平に安定良く載
置して、搬送機16によってVTR12、13へ安定良
く搬送するようにしたものである。
【0086】この際、図29の(A)(B)に示すよう
に、上下一対のカセット挟持部67、68を上下から矢
印b、c方向に同時に閉じるようにして、厚さが異なる
カセット10L、11S等を上下から挟持する方式であ
ると、両カセット受台69上にカセット10L、11S
等を安定良く載置できなくなると言う問題がある。
【0087】即ち、図29の(A)(B)に示すよう
に、両カセット挟持部67、68を上下方向から矢印
b、c方向に同じに閉じるようにして、厚さT1 が大き
いカセット10Lと、厚さT2 が小さいカセット11S
を上下から挟持した場合、その挟持されたカセット10
L、11Sの上下方向のセンターP9 は変化しない。し
かし、カセット11Sの底面11S′は、T1 −T2
2に相当する段差G2 だけカセット10Lの底面10
L′に対して上方である矢印b方向に浮き上る。
【0088】従って、カセット受台69の高さをカセッ
ト10Lの底面10L′と同じ高さLWに設定した場合
には、カセット11Sの底面11S′とカセット受台6
9との間に段差G2 が発生してしまい、そのカセット1
1Sをカセット受台69上に安定良く載置することが全
くできなくなる。この際、カセット11Sを抜き取った
時に、段差G2 だけカセット受台69を矢印b方向に上
昇調整すれば良いが、カセット受台69を厚さが異なる
カセット10L、11S等に合せて上下に高さ調整する
方法は構造が著しく複雑になり、実用性に欠ける。
【0089】そこで、このカセット・オートチェンジャ
ーでは、前述したように、下側カセット挟持部67をハ
ンド15に固定しておき、上側カセット挟持部68だけ
を上下に開閉するように構成すると共に、厚さが異なる
カセット10L、11S等をハンド15で受け取りに行
く際には、上側カセット挟持部68を下方に閉じると共
に、下側カセット挟持部67と一体にハンド15全体を
上方へ駆動するようにしている。
【0090】まず、図30に示す制御回路137は、マ
イクロコンピュータ138によって、I/Oポート13
9を通してドライバー140、141によって開閉機構
100のモータ103と搬送機移送装置17のモータ3
7を同時に制御する。そして、モータ103によって上
側カセット挟持部68を下方に閉じると共に、モータ3
7によって搬送機16のハンド15全体を上方に移動制
御する。この際、モータ103のエンコーダ112によ
って上側カセット挟持部68の閉じ量を検出すると共
に、モータ37のエンコーダ112によってハンド15
全体の上昇量を検出し、これらの情報をカウンタ14
2、143、I/Oポート139を通してマイクロコン
ピュータ138で読み取るように制御するものである。
【0091】次に、図31及び図32によって、実際の
動作を説明する。まず、図31は、収納棚3内の厚さT
1 が大きいカセット10Lをハンド15によって受け取
りに行く場合であり、図31の(A)に示すように、両
カセット挟持部67、68がカセット10Lの厚さT1
に対して上下に3mmの隙間G3を持った状態で、ハン
ド15がカセット10Lに矢印d方向から近づく。そし
て、図31の(B)に示すように、両カセット挟持部6
7、68がカセット10Lの上下に完全に挿入されて、
前述した両カセット有無センサー131が共にカセット
10Lを検出すると、図31の(C)に示すように、図
30のモータ103によって上側カセット挟持部68が
3mm矢印c方向に下降されると共に、図30のモータ
37によって下側カセット挟持部67と一体にハンド1
5全体が3mm矢印b方向に上昇される。この時、ハン
ド15と一体にカセット受台69も3mm上昇されて、
下側カセット挟持部67に対するカセット受台69の高
さが常に一定に保たれる。そして、両カセット挟持部6
7、68間でカセット10Lが上下厚さ方向から同時に
挟持される。そして、図31の(D)に示すように、ハ
ンド15によってカセット10Lを収納棚5から矢印e
方向に抜き取ってカセット受台69上に段差の全くない
状態に安定良く載置する。
【0092】次に、図32は、収納棚5内の厚さT1
小さいカセット11Sをハンド15によって受け取りに
行く場合であり、図32の(A)に示すように、両カセ
ット挟持部67、68がカセット11Sの厚さT2 に対
して上下に3mmの隙間G3を持った状態で、ハンド1
5がカセット11Sに矢印d方向から近づく。そして、
図32の(B)に示すように、両カセット挟持部67、
68がカセット11Sの上下に完全に挿入されて、前述
した両カセット有無センサー131が共にカセット11
Sを検出すると、図32の(C)に示すように、図30
のモータ103によって上側カセット挟持部68が3m
m矢印c方向に下降されると共に、図30のモータ37
によって下側カセット挟持部67と一体にハンド15全
体が3mm矢印b方向に上昇される。この時、ハンド1
5と一体にカセット受台69も3mm上昇されて、下側
カセット挟持部67に対するカセット受台69の高さが
一定に保たれる。そして、両カセット挟持部67、68
間でカセット11Sが上下厚さ方向から同時に挟持され
る。そして、図32の(D)に示すように、ハンド15
によってカセット11Sを収納棚5から矢印e方向に抜
き取ってカセット受台69上に段差の全くない状態に安
定良く載置する。
【0093】そして、上記のように、両カセット挟持部
67、68をカセット10L、11Sの厚さT1 、T2
に対して上下に3mmの隙間(余裕)G3 を持たせてカ
セット10L、11Sの上下に挿入し、上側カセット挟
持部68を矢印c方向に下降させると共に、ハンド15
全体を矢印b方向に上昇させるようにして、カセット1
0L、11Sを両カセット挟持部67、68によって上
下から同時に挟持するように構成すれば、収納棚3、5
に対するハンド15の停止位置が下方に多少ずれたとし
ても(但し3mmの範囲)、そのずれをハンド15全体
の上方への移動量で簡単に補正できるので、上側カセッ
ト挟持部68でカセット10L、11Sを下方に無理に
押えつけて、カセット10L、11Sを収納棚3、5内
で下方に傾けさせてしまい、カセット10L、11Sが
収納棚3、5内でこじれて抜け取れなくなるような不都
合が全く発生しない。
【0094】また、ハンド15で挟持したカセット10
L、11S等を収納棚3、5等へ挿入する際にも、上記
の逆動作を行う。即ち、ハンド15で挟持したカセット
10L、11S等の底面が収納棚3、5のカセット載置
面と一致する位置で搬送機16を停止し、ハンド15に
よってカセット10L、11S等を収納棚3、5内に挿
入するが、カセット10L、11Sの先が収納棚3、5
に或る程度乗ったところで、上側カセット挟持部68を
上方に開くと共に、下側カセット挟持部67をハンド1
5と一体に下方に下げながら、ハンド15によってカセ
ット10L、11S等を収納棚3、5内にスムーズに押
し込むことができる。
【0095】なおこの際、図33の(A)に示すよう
に、搬送機16の停止位置のバラツキによって、カセッ
ト10L等が収納棚3等の下側の先端の傾斜案内面14
5に矢印d方向から当接されて、カセット10L等がそ
の傾斜案内面145によって段差G4 分上方に押し上げ
られようとした時には、図33の(B)に示すように、
ハンド15全体が昇降ガイド軸93に沿ってハンド支持
台91から段差G4 分上方である矢印b方向に追従して
浮き上ることができる。
【0096】そして、上記のように、ハンド15全体を
矢印b、c方向に昇降駆動する制御手段として、図30
に示したように、搬送機移送装置17のモータ37及び
エンコーダ38を利用すれば、特別な駆動手段を新たに
設けなくても良く、構造の簡素化及び低コスト化を図る
ことができる。
【0097】[VTRへのカセット押込み動作の説明]
次に、図34によって、VTR13の奥深い位置までカ
セット11S等を強制的に押し込む動作を説明する。ま
ず、図34の(A)に示すように、ハンド15の両カセ
ット挟持部67、68間でカセット11Sを挟持したま
ま、ハンド15をVTR13に対して矢印d方向に前進
させて、図34の(B)に示すように、カセット11S
をVTR13のカセット挿入口13aに矢印d方向から
水平に挿入する。そして、図34の(C)に示すよう
に、カセット11Sの先端がカセット挿入口12aに或
る程度挿入された時点で、上側カセット挟持部68を上
方である矢印b方向に開きながら、図34の(D)に示
すように、カセット11Sをハンド15の図22、図2
4、図25に示した両カセット停止板130によってカ
セット挿入口13a内に矢印d方向に押し込む。
【0098】そして、図35の(A)に示すように、上
側カセット挟持部68を引き続き図26に示した最大開
き位置P4 から上限停止位置P5 まで矢印b方向に上昇
させて、図35の(B)に示すように、カセット押込み
手段117の押込みアーム119を図26に示した復動
位置P7 から押出し位置P8 まで矢印d方向に押し出
し、その押込みアーム119の先端119aによってカ
セット11Sをカセット挿入口13a内の奥深い位置ま
で強制的に確実に押し込むことができる。なお、この後
は、図35の(C)に示すように、ハンド15を矢印e
方向に後退させると共に、上側カセット挟持部68を図
26の最大開き位置P4 まで矢印c方向に戻して、押込
みアーム119を復動位置まで矢印e方向に戻す。
【0099】このように、上側カセット挟持部68を矢
印b方向に開く動作を利用して、押込みアーム119を
矢印d方向に押出し駆動するようにして、カセット11
SをVTR12内の奥深い位置まで強制的に押し込む装
置は、カセット11Sの押込み動作を素早く、確実に行
えるので、カセット自動交換のためのアクセスタイムや
サイクルタイムを大巾に短縮できる。また、カセット押
込み動作を常にスムーズに行える上に、上側カセット挟
持部68の矢印b方向のオーバーストロークS3 を利用
する駆動方式は制御プログラムを簡単にできる。
【0100】[VTRから浅く排出されたカセットの受
け取り時にハンドを制御する制御装置の説明]まず、図
36に示す制御回路147は、マイクロコンピュータ1
38によって、I/Oポート139を通してドライバー
140、148によって開閉機構100のモータ103
とハンド移送機構18のモータ61bを制御する。そし
て、モータ103によって上側カセット挟持部68を開
閉制御すると共に、モータ61aによってハンド15を
VTR12、13に対して前後進制御する。そして、モ
ータ103のエンコーダ112とモータ61bのエンコ
ーダ62bによって上側カセット挟持部68の開閉動作
量とハンド15の前後進移動量とを検出し、これらの情
報をカウンタ142、149、I/Oポート139を通
してマイクロコンピュータ138で読み取る。なお、マ
イクロコンピュータ138はカセット有無センサー13
1からの情報もI/Oポート139を通して読み取るよ
うに制御するものである。
【0101】次に、何らかの原因で、VTR12等から
浅く排出された(排出量が規定量より少なくなること)
カセット11S等の受け取り動作を、図38及び図39
によって、図36の制御回路147及び図37のフロー
チャートと共に説明する。
【0102】まず、図38の(A)は何らかの原因で、
VTR13からのカセット11Sの排出量が規定量より
少なくなった状態を示しており、ハンド15は通常通り
矢印d方向に前進して、そのカセット11Sを受け取り
に行く。この時、カセット有無センサー131がカセッ
ト11Sを検出したか否か、ハンド15がVTR13に
とどいたか否かを常に確認する。
【0103】しかし、図38の(B)に示すように、ハ
ンド15の両カセット挟持部67、68の先端がVTR
13の前面パネル13aに衝突されて、ハンド15が停
止するので、カセット有無センサー131はカセット1
1Sを検出することができない。一方、ハンド15がV
TR13にとどいて停止したことがエンコーダ62bに
よって検出される。
【0104】すると、図38の(C)に示すように、上
側カセット挟持部68を下方に閉じて、両カセット挟持
部67、68間でカセット11Sの一部を浅い挟持量C
1 で上下から挟持する。そして、図38の(D)に示す
ように、ハンド15を矢印e方向に20mmの距離L7
だけ後退させて、カセット11SをVTR13から矢印
e方向に20mmだけ引き出す。
【0105】次に、図39の(A)に示すように、上側
カセット挟持部68を上方に開いた後、図39の(B)
に示すように、ハンド15を再び矢印d方向に前進させ
て、カセット11Sを再び受け取りに行く。そして、こ
の時にもカセット有無センサー131がカセット11S
を検出したか否かを確認するが、この時には、カセット
11Sが両カセット挟持部67、68間に通常通り深く
挿入されることになり、カセット有無センサー131が
カセット11Sを検出することができる。
【0106】すると、図39の(C)に示すように、上
側カセット挟持部68を下方に閉じて、両カセット挟持
部67、68間でカセット11Sを通常通り20mm以
上の深い挟持量C2 で上下から挟持できる。そこで、図
39の(D)に示すように、ハンド15を矢印e方向に
後退させて、カセット11SをVTR13から矢印e方
向に通常通り安定良く、確実に抜き取ることができる。
【0107】[カセットの傾き修正動作の説明]次に、
図40によって、VTR12等から排出されたカセット
10L等を受け取りに行く際のカセット10L等の傾き
修正動作を説明する。まず、図40の(A)に示すよう
に、VTR12のカセット挿入口12a等に矢印e方向
に排出されたカセット10Lが何らかの原因で傾いた場
合、図40の(B)に示すように、ハンド15によって
カセット10Lを矢印d方向に受け取りに行く際、図2
4で示したように、一対のカセット有無センサー131
によってカセット10Lの傾きを検出することができ
る。
【0108】従って、この時には、図40の(C)に示
すように、両カセット挟持部67、68を開いたまま
で、ハンド15の図22及び図24に示した一対のカセ
ット停止板130でカセット10Lを矢印d方向に押し
てカセット10Lをハンド15に対する平行姿勢に修正
する。そして、この後、図40の(D)(E)に示すよ
うに、両カセット挟持部67、68でカセット10Lを
挟持して、VTR12から矢印e方向に安定良く確実に
抜き取ることができる。
【0109】以上、本発明の一実施例に付き述べたが、
本発明は上記の実施例に限定されることなく、本発明の
技術的思想に基づいて各種の変更が可能である。また本
発明はビデオカセットのオートチェンジャーに限定され
ることなく、その他の各種のテープ状記録媒体やディス
ク状記録媒体を収納した各種のカセットのオートチェン
ジャーに適用可能である。
【0110】
【発明の効果】以上のように構成された本発明のカセッ
ト・オートチェンジャーは、次のような効果を奏する。
【0111】請求項1は、収納棚及び記録再生装置の厚
さが異なるカセットをハンドによって受け取りに行く際
に、上側カセット挟持部を下方に閉じると共に、その収
納棚及び記録再生装置に対して下側カセット挟持部と一
体にハンド全体を上方へ駆動するようにして、収納棚及
び記録再生装置に対するハンドの停止位置の上下方向の
ずれをハンド全体の上方への移動量で簡単に補正できる
ようにしたので、挟持したカセットが収納棚や記録再生
装置内で傾いてこじれたり、抜き取ったカセットが搬送
機のカセット受台に対して浮き上って不安定になるよう
な不都合が全く発生せず、厚さが異なるカセットを安全
に挟持して、スムーズに抜き取り、かつ安全に搬送する
ことができる。
【0112】請求項2は、上記収納棚及び記録再生装置
に対する上記ハンド全体の上下駆動を上記搬送機移送装
置によって行うようにしたので、下側カセット挟持部と
一体にハンド全体を上下駆動するための特別な駆動手段
を必要とせず、構造が簡単である。
【0113】請求項3は、上記ハンドによって上記収納
棚及び記録再生装置から抜き取られた上記厚さが異なる
カセットを上記搬送機に設けたカセット受台上に載置さ
せて搬送するようにしたので、厚さが異なるカセットを
安全に搬送することができる上に、そのカセット受台を
搬送機に対して上下に移動調整する必要がなく、構造が
簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるカセット・オートチェ
ンジャー全体の正面図である。
【図2】同上の一部切欠き概略側面図である。
【図3】同上の一部切欠き概略側面図である。
【図4】収納棚ユニット及び天板ユニットを示す斜視図
である。
【図5】搬送機移送装置全体を示す一部切欠き側面図で
ある。
【図6】図5のA−A矢視での拡大平面図である。
【図7】搬送機の位置検出装置全体を示す一部切欠き側
面図である。
【図8】同上の位置検出装置の要部を示す一部切欠き側
面図である。
【図9】同上の位置検出装置の制御動作を示すフローチ
ャート図である。
【図10】搬送機全体を示す斜視図である。
【図11】図10の平面図である。
【図12】図10のB−B矢視での一部切欠き側面図で
ある。
【図13】図10のC−C矢視での一部切欠き側面図で
ある。
【図14】ハンドの移送ストロークを説明する概略側面
図である。
【図15】搬送機移送装置のスライダーへの搬送機のス
テージの取付装置を説明する一部切欠き側面図である。
【図16】図15の一部切欠き平面図である。
【図17】同上のステージ取付装置の締結手段の施錠状
態を示す拡大側面図である。
【図18】同上の締結手段の解錠状態を示す拡大側面図
である。
【図19】図17のD−D矢視での側面図である。
【図20】搬送機のステージの水平度測定動作を説明す
る一部切欠き斜視図である。
【図21】搬送機のハンド支持台上へのハンドの取付装
置を説明する斜視図である。
【図22】同上のハンド取付装置の一部切欠き側面図で
ある。
【図23】同上のハンドのカセット挟持部の開閉機構を
説明する概略側面図である。
【図24】同上のハンド全体の平面図である。
【図25】図24のE−E矢視での側面図である。
【図26】図24のF−F矢視での側面図である。
【図27】搬送機カセット受台を示す斜視図である。
【図28】収納棚とカセット受台との間でのカセットの
出し入れを説明する一部切欠き側面図である。
【図29】厚さが異なるカセットを上下一対のカセット
挟持部で上下から同時に挟持して収納棚から抜き取る際
の問題点を説明する概略側面図である。
【図30】厚さが異なるカセットをハンドで受け取る際
の制御を行う制御回路のブロック図である。
【図31】収納棚から厚さが大きいカセットをハンドで
受け取る際の動作を説明する概略側面図である。
【図32】同上の引き続きの動作を説明する概略側面図
である。
【図33】収納棚へのカセット挿入時のハンドの浮き上
りを説明する概略側面図である。
【図34】カセットをVTRの奥深い位置へ押し込む動
作を説明する概略側面図である。
【図35】同上の引き続きの動作を説明する概略側面図
である。
【図36】VTRから浅く排出されたカセットをハンド
で受け取る際のハンドの制御を行う制御回路のブロック
図である。
【図37】同上の制御回路の制御動作を示すフローチャ
ート図である。
【図38】収納棚から浅く排出されたカセットをハンド
で受け取る際の動作を説明する概略側面図である。
【図39】同上の引き続きの動作を説明する概略側面図
である。
【図40】VTRから斜めに排出されたカセットをハン
ドで受け取る際の動作を説明する概略平面図である。
【符号の説明】
3、5 収納棚 10L、10M、10S 大、中、小カセット 11L、11S 大、小カセット 12、13 VTR(記録再生装置) 15 ハンド 16 搬送機 17 搬送機移送装置 18 ハンド移送機構 67 下側カセット挟持部 68 上側カセット挟持部 69 カセット受台 100 開閉機構

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体が収納された厚さが異なる複数の
    カセットと、これら複数のカセットが収納された複数の
    収納棚と、これら複数のカセットを選択的に記録及び/
    又は再生する記録再生装置と、上記複数の収納棚と上記
    記録再生装置との間で上記複数のカセットを選択的に搬
    送する搬送機及び搬送機移送装置とを備えたカセット・
    オートチェンジャーにおいて、 上記搬送機に取り付けられたカセット受け渡し用のハン
    ドと、 上記ハンドに固定された下側カセット挟持部と、 上記下側カセット挟持部に対して上下に開閉される上側
    カセット挟持部と、 上記上側カセット挟持部を開閉する開閉機構と、 上記収納棚及び記録再生装置の上記厚さの異なるカセッ
    トを受け取りに行く際、上側カセット挟持部を下方に閉
    じると共に、上記収納棚及び記録再生装置に対して下側
    カセット挟持部と一体にハンド全体を上方へ駆動する手
    段を設けたことを特徴とするカセット・オートチェンジ
    ャー。
  2. 【請求項2】上記収納棚及び記録再生装置に対する上記
    ハンド全体の上下駆動を上記搬送機移送装置によって行
    うことを特徴とする請求項1記載のカセット・オートチ
    ェンジャー。
  3. 【請求項3】上記ハンドによって上記収納棚及び記録再
    生装置から抜き取られた上記厚さが異なるカセットを上
    記搬送機に設けたカセット受台上に載置させて搬送する
    ことを特徴とする請求項2記載のカセット・オートチェ
    ンジャー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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