JPH06150198A - 車両追突防止用報知装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 夜間使用可能で、且つ二輪車や複数車両の縦
列走行及び割り込み車両に於いても確実な危険報知をな
す実用的な車両追突防止用報知装置を提供する。 【構成】 車両の前方の赤色光のみを異なる位置より重
なり合って一次元的に撮取する複数の撮像手段を備えた
センサ部１と、センサ部１の画像に基づいて前方車両と
の距離を演算検出すると共に、急激な輝度変化でのブレ
ーキ操作の有無を検出し、警報の必要の適否を判別する
処理部２と、処理部２の制御で警報を発する報知部５と
で構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両に設置され、前方
走行車両の制動状態を監視して、危険状態の際に運転者
に報知する車両追突防止用報知装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】車両を運転する際に常に安全な車間距離
を保ちながら運転すべきであるが、時として近接して走
行する場合があり、先行車両がブレーキ操作すると当然
赤色のブレーキランプが点灯し、後方車両運転者は前方
車両の赤色点灯でこれを認識し、ブレーキ操作等の自車
の安全走行操作を実施する。然し瞬間的な脇見運転等に
よってブレーキ操作が遅れると、追突事故を招いてしま
う。

【０００３】そこで従来より、近接距離内での前方車両
のブレーキランプが点灯すると適宜な警報を発する装置
が提案されている。具体的には、特開昭６２−１２１５
９９号公報には、前方車両をＣＣＤカメラで撮影し、画
像上の同じ高さに２個の赤色光源が存在したときこれを
前方車両の制動ランプと判別し、この前方車両の制動ラ
ンプの画像上の距離で車間距離を判別し、自車の速度と
前方車両との距離変化によつて前方車両との追突時間を
算出し、一定時間以内と判別したときに警報を発する技
術が開示されている。

【０００４】また特開昭６３−７８３００号公報には、
前方車両を撮影するカメラの画像信号を処理して、特定
色（ブレーキランプの赤色）の間に所定色度の所定大き
さの領域（ナンバープレート）が認識できたときにブレ
ーキランプオンと判断して所定の車間距離以下のとき警
報を発する技術が開示されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記の警報手段は、前
方走行車両のブレーキランプの点灯の有無を二次元画像
処理（ＴＶカメラ）を使用しており、車両搭載に際して
必ずしも実用的とは言えない。

【０００６】またブレーキランプ点灯認識に於いて、両
者ともに水平の二つの赤色光に基づく判別をおこなつて
いるが、前方車両が必ずしも普通乗用車とは限らず、ブ
レーキランプが１灯の二輪車や、ブレーキランプ中間に
ナンバープレートが無い大型トラックの場合もあり、更
に夜間は後尾灯として赤色ランプが点灯しているもの
で、この点灯はかならずしもブレーキオンを示すもので
ない等従来の警報手段は汎用性が無く実用的でない。

【０００７】そこで本発明は、車両搭載が容易な一次元
のラインセンサを使用した実用的なな車両追突防止用報
知装置出を提案してものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明に係る車両追突防
止用報知装置は、車両の前方風景の赤色光のみを異なる
位置より重なり合って一次元的に撮取する複数の撮像手
段を備えたセンサ部と、センサ部の画像中の同一対象個
所の画素座標を基準にして撮取した車両前方物との距離
を演算検出すると共に、所定の距離範囲内で所定以上の
急激な輝度変化並びにブレーキ操作の有無に基づいて警
報の必要の適否を判別する処理部と、処理部の制御によ
って適宜な警報を発する報知部とで構成されることを特
徴とするものである。また前記装置に於いて特に処理部
に車両速度に対応して警報発生判別基準距離を定める機
能を付設したことを特徴とするものである。

【０００９】

【作用】センサ部で前方風景中の赤色光のみを撮取し、
光点（車両等の尾灯）が一次センサの検出模様（測定対
象の画像一致点）となり、光点が一致するセンサ上の画
素座標から、前記光点までの距離を求めることで、車両
前方物との距離を測定し、これと同時に前記光点の輝度
変化に基づきブレーキランプの点灯の有無を判断し、前
方車両との距離又は更に自車速度を加味して、予め切呈
した危険範囲無いであれば、警報を発して運転者の注意
を促するものである。

【００１０】

【実施例】次に本発明の実施例について説明する。本発
明に係る車両追突防止用報知装置は、センサ部１と、処
理部２と、スピードセンサ３と、ブレーキセンサ４と、
報知部５とで構成されている。

【００１１】センサ部１は、車両前方の風景を異なった
位置での光入力とする一対の構成で、それぞれ入射光の
内赤色光のみを通過させるフィルター１１と、反射ミラ
ー１２と、反射プリズム１３と、レンズ１４及びライン
センサ１５を備え、このラインセンサ１５が画素要素と
対応した受光センサ群（約６．２ｍｍの幅内に３６個の
フォトダイオードを並列した）で形成され、入射風景
（撮像）の赤色光のみの明暗度を把握するものである。

【００１２】処理部２は、ラッチ部２１と、距離演算部
２２と、輝度検出部２３と、中央処理部２４とからな
り、ラッチ部２１はセンサ部１のラインセンサ１５の撮
像状態（画素と当該画素の輝度データ）を所定間隔（ミ
リ秒単位）でラッチし、距離演算部２２及び輝度検出部
２３に送り、距離演算部２２は撮像把握に基づいて、車
両前方物の赤色光源との距離を演算算出するものであ
る。

【００１３】輝度検出部２３は、ラッチ部２１からの輝
度データを一定回数保持し、数回前の入力データとの比
較を行い、所定以上の輝度変化（微分処理）を検出した
ときに、検出データを中央処理部２４に送るものであ
る。

【００１４】中央処理部２４は、距離演算部２２出力
（前方車間距離）と輝度検出部２３出力（赤色光源の輝
度変化）と、スピードセンサ３と、ブレーキセンサ４の
各データの入力を受け、予め設定した所定スピードにお
ける限界距離内で、輝度が所定のアップとなり、且つブ
レーキが操作されていないと判別した場合に、報知部５
を作動せしめるものである。報知部５は、警報等適宜な
手段で運転者に警告を与えるものである。

【００１５】而して車両に本発明装置を搭載しておく
と、センサ部１で前方風景の赤色光のみの撮像が得ら
れ、この撮像中の光点は前方車両のブレーキランプが主
たるものであり、その撮像によって前方車両との車間距
離が判別でき、急激な赤色輝度の増加はブレーキランプ
の点灯となるので、危険な車間距離での前方車両のブレ
ーキ操作の有無を運転者に的確に伝えることになり、車
両の安全走行が確保できるものである。

【００１６】特に本発明装置は、一次元ラインセンサを
採用したことによって車両搭載が容易となり、また単一
の赤色光原でも適用できるので、二輪車、縦列走行、割
り込み等の単一光源の状態でも距離測定ができ、更に同
赤色光源の輝度変化でブレーキ操作の有無わ判断するの
で、夜間の尾灯が点灯した状態でも何等支障なく警報を
発することができるものである。

【００１７】

【発明の効果】本発明は、以上のように赤色光のみの一
次元的な撮像手段を備え、撮取画像の画素座標を基準に
前方車両との距離を演算検出すると共に、赤色光の輝度
変化で前方車両のブレーキ操作の有無を検知し、危険状
態を運転者に報知する装置で、簡単に車載でき、しかも
二輪車や割り込み車両の場合や、夜間でも確実に危険報
知でき、実用性に富んだ装置の提供が可能となったもの
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例のセンサ部の動作原理の説明
図。

【図２】同全体の簡便なブロック図。

【符号の説明】

１ センサ部 １１ フィルター １２ 反射ミラー １３ 反射プリズム １４ レンズ １５ ラインセンサ ２ 処理部 ２１ ラッチ部 ２２ 距離演算部 ２３ 輝度検出部 ２４ 中央処理部 ３ スピードセンサ ４ ブレーキセンサ ５ 報知部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嘉鳥 浩一 新潟県新潟市花町2069番地 東邦生命ビル 日本精機株式会社新潟テクニカルセンタ ー内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両の前方風景の赤色光のみを異なる位
   置より重なり合って一次元的に撮取する複数の撮像手段
   を備えたセンサ部と、センサ部の画像中の同一対象個所
   の画素座標を基準にして撮取した車両前方物との距離を
   演算検出すると共に、所定の距離範囲内で所定以上の急
   激な輝度変化並びにブレーキ操作の有無に基づいて警報
   の必要の適否を判別する処理部と、処理部の制御によっ
   て適宜な警報を発する報知部とで構成されることを特徴
   とする車両追突防止用報知装置。
2. 【請求項２】 請求項第１項記載の車両追突防止用報知
   装置に於いて、処理部に車両速度に対応して警報発生判
   別基準距離を定める機能を付設したことを特徴とする車
   両追突防止用報知装置。