JPH0614968U - 自動分析装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 設置環境に影響を受けることなく試料を一定
温度に加熱保持する。 【構成】 反応容器を保持する反応テーブルの容器保持
部にヒータ体を配設してなる自動分析装置を技術的前提
とし、上記反応テーブルの周囲をカバー体で画成すると
共に、該カバー体内に一定温度の冷気を常時供給するよ
うに構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、生化学的分析や免疫学的分析を行う自動分析装置に係り、特に、 反応容器内に収容されている試料を、迅速に、かつ、安定的に所定温度まで加熱 し保持することができる機能を備えた自動分析装置に関する。

【０００２】

【従来技術とその課題】

周知のように、生化学的分析や免疫学的分析を行う自動分析装置では、試料と 試薬の反応を一定化して測定精度を定常化する目的から、上記試料や試薬が収容 される反応容器内の試料、或は、試料と試薬との混合液（以下、単に試料という 。）を、例えば、３７℃の温度に加熱する手段が配設されている。

【０００３】 しかしながら、従来の自動分析装置に配設されている加熱手段は、反応容器を 温水槽内に浸漬して加熱するように構成されているものが殆どであり、このよう な温水加熱方式では、加熱効率が非常に悪く、また、一定温度まで加熱する時間 が長い、という問題を有していると共に、特に、自動分析装置が設置される場所 の外気温度によって上記一定温度に保持させるのが非常に難しく、測定精度が安 定しない、という問題を有していた。このような問題は、反応容器回りを単にヒ ータブロックで加熱する場合にも同様に発生する。

【０００４】 この考案は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするとこ ろは、自動分析装置の設置環境に影響されることなく、上記試料を一定温度に加 熱保持することができると共に、外気温度によって加熱量を自動的に可変するこ とで、自動分析装置による測定可能時間を常に一定化することができる取扱い至 便な自動分析装置を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、この考案にあっては、反応容器を保持する反応テー ブルの容器保持部にヒータ体を配設してなる自動分析装置を技術的前提とし、上 記反応テーブルの周囲をカバー体で画成すると共に、該カバー体内に一定温度の 冷気を常時供給するように構成したことを特徴とするものである。

【０００６】 また、この考案にあっては、上記他の目的を達成するため、反応テーブルの容 器保持部に保持された反応容器内の試料を所定温度まで加熱する手段を有して構 成されてなる自動分析装置の加熱手段を、外気温度に対応させてその加熱量を可 変するように加熱制御したことを特徴とするものである。

【０００７】

【実施例】

以下、添付図面に示す一実施例に基づき、この考案を詳細に説明する。

【０００８】 図１に示すように、この実施例に係る自動分析装置は、反応容器１を保持する 容器保持部が所定間隔毎に形成された平面形状が円形の反応テーブル２と、該反 応テーブル２の容器保持部回りに配設されたヒータ体３と、上記反応テーブル２ を所定位置まで移送する駆動装置（図示せず）と、上記反応テーブル２の周囲を 画成する断面凹状に形成されたカバー体４と、このカバー体４内に冷気を供給す る冷却装置５と、上記反応テーブル２の上部を覆う蓋体６と、を有して構成され ている。

【０００９】 反応テーブル２は、公知の自動分析装置と同様、直列にセットされた上記各反 応容器１をサンプリング位置・試薬分注位置・光学測定位置・洗浄位置へと順次 移送するように駆動制御されている。尚、上記サンプリング位置には、公知のオ ートサンプリングピペット装置が配設されており、また、試薬分注位置には、公 知の第１及び第２試薬分注装置が配設されており、さらに、光学測定位置には、 試料の呈色状態を比色測定する公知の光学測定装置が配設されており、洗浄位置 には、反応容器１内の試料を廃棄し、かつ、該反応容器１内を再使用可能な状態 に洗浄する公知の洗浄装置が配設されている。

【００１０】 ヒータ体３は、上記反応テーブル２の容器保持部回りに配設されており、公知 の電源供給によって反応容器１内の試料を、例えば、３７℃に加熱するように加 熱制御装置７により発熱制御される。

【００１１】 この加熱制御装置７は、例えば、公知のマイクロプロセッサ（ＭＰＵ）で構成 されており、図２に示すように、外気温度によってヒータ体３の発熱量を可変し て、外気温度による影響を受けることなく、上記試料の所定温度までの加熱時間 が一定となるように加熱制御する。

【００１２】 即ち、上記加熱制御装置７は、外気温度が低いほど一定時間内における発熱量 を増加させ、また、外気温度が高いほど一定時間内における発熱量を減少させる ことで、試料が常に一定時間内に所定温度まで加熱されるように加熱制御し、定 常的な分析条件下で分析作業を行うことができるように構成されている。

【００１３】 カバー体４は、断熱性材料で断面略凹状に形成されており、その下面及び側面 には、図１に示すように、冷気導入孔８及び冷気排気孔９が開設されている。

【００１４】 冷気導入孔８には、上記冷却装置５で生成された冷気を、ファン１０を介して カバー体４内に強制的に圧送するパイプ１１が配管接続されていると共に、該カ バー体４内に導入された冷気は、該カバー体４内で反応テーブル２の容器保持部 回りを一定温度に冷却した後、上記冷気排気孔９からカバー体４外へと排気され る。尚、図１中符号１２は、上記蓋体６に開設されたピペットＰを挿入するため の開口である。

【００１５】 このように反応テーブル２回りをカバー体４と前記蓋体６とで画成することで 反応テーブル２に保持された反応容器１回りを外気から遮断することができ、し かも、カバー体４内には、常に一定温度の冷気が供給されているので、上記反応 容器１回りを一定温度に保持でき、常に一定の温度環境の下で安定的な分析作業 を行うことができる。

【００１６】

【考案の効果】

この考案に係る自動分析装置は、以上説明したように構成されているので、自 動分析装置の設置環境に影響されることなく、上記試料を一定温度に加熱保持す ることができると共に、外気温度によって加熱量を自動的に可変することで、自 動分析装置による測定可能時間を常に一定化することができ、その結果、常に一 定の温度環境の下で、安定的に分析作業を行うことができるので、測定精度に対 する信頼性を大幅に向上させることができる、という優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例に係る自動分析装置の要部
の構成を概略的に示す断面図である。

【図２】同自動分析装置の加熱制御装置によるヒータ体
の発熱量制御の態様を示すグラフ図である。

【符号の説明】

１ 反応容器 ２ 反応テーブル ３ ヒータ体 ４ カバー体 ５ 冷却装置 ７ 加熱制御装置

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 反応容器を保持する反応テーブルの容器
   保持部にヒータ体を配設してなる自動分析装置におい
   て、上記反応テーブルの周囲をカバー体で画成すると共
   に、該カバー体内に一定温度の冷気を常時供給するよう
   に構成したことを特徴とする自動分析装置。
2. 【請求項２】 反応テーブルの容器保持部に保持された
   反応容器内の試料を所定温度まで加熱する手段を有して
   構成されてなる自動分析装置において、上記加熱手段
   を、外気温度に対応させてその加熱量を可変するように
   加熱制御することを特徴とする自動分析装置。