JP2004294130A - インキュベータ及び、インキュベータを備えた分注機 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の恒温するインキュベータは、マイクロプレートを閉塞された部屋の中に入れ、空気を加熱してマイクロプレート全体若しくは底面を加熱し、試料の温度を一定に保つ手法であり、開閉する蓋などが必要であった。そのため、自動分注装置などの自動機への適用は蓋の開閉を自動で行う作業が伴うため困難であった。
【解決手段】ヒートブロックの熱を蓄熱し、マイクロプレートの各ウェル底面形状に合致するような窪みを形成したマイクロプレート用ヒートブロックを設け、前記マイクロプレートの各ウェル底部を確実に均一に加熱又は吸熱する手段と、加熱又は吸熱しながら揺動動作する手段を備えたインキュベータを設けることにより解決できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、理化学分野で使用され、特に複数個のウェルが形成されたマイクロプレートを用いて、マイクロプレートの上方を開放して試料を一定温度で振盪するインキュベータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
新薬の開発に於いて、この種の薬物代謝試験、酵素反応試験は頻繁に実施されており、その工程の中で試料を一定温度で振盪するインキュベートは必須の工程であり、試料の化学反応を左右する温度の制御精度は重要である。
最近では低コストのため試薬を微量にし、マイクロプレートを用いてこの種の試験が実施されるようになっており、そのため、マイクロプレートのウェル間の全試料の温度を均一に一定温度に保つことが要求されている。
更には、マイクロプレートの試料の温度を一定に保ちながら、試薬を自動的に分注したい、つまり、マイクロプレート用インキュベータを自動分注機に搭載し、多種大量処理して高速に試験したいという要望もある。
【0003】
従来のマイクロプレートの試料温度を一定にする技術には、断熱材で覆った開閉自在のハウジングの中にマイクロプレートを入れ、空気を加熱する熱源とファンを設け、マイクロプレートの底面に均一に当たるように加熱空気を吹き付けるようにして、マイクロプレートの試料の温度を一定に保つ技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、マイクロプレートを対象としたインキュベータに関する従来の技術には、振盪機を囲んで加熱部とファンと開閉蓋を設けて加熱室と外気(室温)と遮蔽し、加熱室内でマイクロプレートの試料を振盪させるインキュベータが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
更に、インキュベータ用のブロックとして、例えば箱型形状にして蓋を備え、マイクロプレートを収納するように構成されたインキュベータブロックが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
更に、マルチプレートごと凍結された培養細胞を短時間で解凍するために、マルチプレートの形状に加工したアルミブロックをインキュベータ中で加温しておき、培養細胞凍結用マルチプレートを載せ解凍することが開示されている(例えば、特許文献4参照)。
【特許文献1】
特開平8−192058号公報
【特許文献2】
特開平10−108663号公報
【特許文献3】
特開平11−89553号公報
【特許文献4】
特開2001−252067号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来技術では、マイクロプレートを閉塞された部屋の中に入れ、空気を加熱してマイクロプレート全体若しくは底面を加熱し、試料の温度を一定に保つ手法であるため、開閉する蓋などが必要であった。そのため、マイクロプレートの試料の温度を一定に保ちながら、試薬を自動的に分注するような自動分注装置への適用は、蓋の開閉を自動で行う必要があるため困難であった。
【0008】
本発明の目的は、マイクロプレートの上方を開放して自動分注装置への接続を容易とし、且つマイクロプレートの試料の温度を高精度に一定に保ち、且つ安価な構成としたインキュベータや、前記インキュベータを搭載した自動分注装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、モータの回転によって揺動する振盪機と、該振盪機の上方に設けられ、ヒータを配置し、温度センサを備えたヒートブロックと、前記モータの回転数を制御し、前記温度センサの温度をフィードバックしてヒータの温度を制御し、所定の設定温度になるように動作する制御装置から構成されるインキュベータに於いて、前記ヒートブロックの熱を蓄熱し、更にマイクロプレートの各ウェル底面形状にほぼ合致するような窪みを形成したマイクロプレート用ヒートブロックを設け、各ウェル底部とマイクロプレート用ヒートブロックとの接触面積を増やし、効率良く各ウェル内の試料を均一に加熱しながら揺動動作することにより達成できる。
【0010】
また、マイクロプレート用ヒートブロックの窪みに予め液体を注入して、マイクロプレートの各ウェル底部を確実に液体に接触させ、該液体を媒体として前記マイクロプレートの各ウェル底部を均一に加熱するように構成することにより、効率良く熱を伝達することができ、かつ温度制御がし易くなることによって達成できる。
更に、マイクロプレート用ヒートブロックを自在に形状を変えることのできるゲル状の熱伝導率の大きい部材にして、マイクロプレートを前記ゲル状部材に押し付けて密着させることにより効率良く熱を伝達することができ、かつ温度制御がし易くなることによって達成できる。
【0011】
また、マイクロプレート用ヒートブロックとマイクロプレート間を密着するシール部材と、マイクロプレート用ヒートブロックとマイクロプレート間の空間の気体を減圧する手段を備えることにより、マイクロプレート用ヒートブロックとマイクロプレートの各ウェル底部を確実に密着させることにより、効率良く熱を伝達することができ、かつ温度制御がし易くなることによって達成できる。
【0012】
更には、マイクロプレートの底に凸部を設け、マイクロプレート用ヒートブロックの窪み部に前記凸部と合致する凹部を設けることにより、マイクロプレート用ヒートブロックからマイクロプレートに確実に熱を供給することにより、効率良くかつ温度制御がし易くなることによって達成できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例について図面を参照しながら具体的に説明する。図1は本発明のインキュベータ1の斜視図で、図2はインキュベータ1本体を構成する部品の分解図である。
インキュベータ1は、図示していない駆動装置となるモータの回転によって揺動する振盪機2と、熱源部となるヒータ3を下面に配置して接着し、上面に温度センサ4を埋め込んだ第1のヒートブロック5と、第1のヒートブロック5からの熱を蓄熱して、上面の表面温度が均一になるようにした第2のヒートブロック6と、マイクロプレート9をセットし易いように形成したガイド7と、第2のヒートブロック6からの熱を受け、マイクロプレート9のウェル底面形状に合致するように窪み8aが形成され、且つガイド7を挟み込むようにして第2のヒートブロック6と固定するネジの通し穴8cをマイクロプレート9のウェルに干渉しない外周に配置し、マイクロプレート9のウェル底部を加熱するマイクロプレート用ヒートブロック8と、前記モータの回転数を制御して振盪機2を揺動させ、温度センサ4の温度をフィードバックしてヒータ3の温度を制御し、所定の設定温度になるように動作する制御装置10から構成される。
【0014】
振盪機2は、例えばモータの出力軸の回転をカム機構により往復運動に変換して揺動させるように構成している。モータはブラシの粉塵が試料に混入するのを防ぐと共に、回転数の制御が容易なDCブラシレスモータなどが好適である。また、他の駆動装置としてはソレノイド等の往復運動をするものが考えられる。
ヒータ3は、面状に加熱可能な安価なラバーヒータを用いている。また、ヒータ3は加熱又は吸熱することができるペルチェ素子などであっても良い。ヒータ3は第1のヒートブロック5の下面に配置して接着している。
【0015】
第1のヒートブロック5は、振盪機2の取り付け部材2aに側面から図示されていないネジで固定している。第1のヒートブロック5上面のほぼ中央には溝5aが形成され、その溝5aの中に温度センサ4を埋め込んである。第1のヒートブロック5の材質は熱伝導率の大きいアルミニウムであり、外形寸法はマイクロプレート9の外形よりやや大きい、概略90×135mmで厚さ10mmの板状部材である。
【0016】
また、第1のヒートブロック5から振盪機2へ熱が伝わらないように、取り付け部材2aは熱伝導が低いベーク板を用いている。
温度センサ4を埋め込むために彫られた溝5aの部分は、上方の部材へ接触しないため熱が伝わり難い。そのため、周囲の急な温度変化に左右されないように蓄熱作用を持ちつつ、且つ上面の表面温度が均一になるようにした第2のヒートブロック6が設けてある。第1のヒートブロック5の上に蓄熱部となる第2のヒートブロック6を載置してネジの頭が出ないように皿ネジ6aで固定している。
また、第2のヒートブロック6の外形は第1のヒートブロック5とほぼ同じで、材質もアルミニウムであり、マイクロプレート9のウェルに干渉しない外周にネジ穴6bを設けてある。
【0017】
ガイド7は、厚さ約1mmのアルミニウム板を折り曲げて斜面を形成したものであり、長手方向の中央部の両側に約70mmの切り欠き7aを設けている。これはマイクロプレート9を手でセット又は取り出し易いようにすると共に、マイクロプレート9を搬送ロボットのハンドで掴み易いように設けたものである。
【0018】
マイクロプレート用ヒートブロック8は、マイクロプレート9の底部を直接加熱できるように、マイクロプレート9のウェル底面形状にならって各ウェルの底がほぼ合致するように窪み8aを形成したものである。材質は熱伝導率の良いアルミニウムであり、図3の斜視図に示すようにマイクロプレート9のウェルの個数である96個の窪み8aを有する。
【0019】
この窪み8aは、図4に示したマイクロプレート9とマイクロプレート用ヒートブロック8の一部断面図に示すように、マイクロプレート9のウェル底部が接触する面積を大きくして熱の伝導を良くし、効率良く加熱できるようにしたものである。またこの窪み8aは、マイクロプレート9を安定して保持できるので、揺動によって生じる位置ずれ等を防止する機能も兼ねている。
【0020】
更に、前記窪みは各ウェル底面形状だけではなく、各ウェルの側面部までもほぼ合致するようなものであってもよく、各ウェル側面部までもほぼ合致するよう形状にすることによって、振盪時おいてマイクロプレートがマイクロプレート用ヒートブロックから更に離脱し難くなるのは言うまでもない。
【0021】
つまり、マイクロプレート用ヒートブロック8は、第2のヒートブロック6上面からの供給される表面の均一な熱を、ガイド7を伝達して受け、マイクロプレート9の各ウェル底部を均一に加熱するように作用する。また、ガイド7を挟んで第2のヒートブロック6と固定するためのネジが通る穴8cは、マイクロプレート9のウェルと干渉しない外周に配置している。また、マイクロプレート用ヒートブロック8は第2のヒートブロック6にネジで固定されているので、マイクロプレート9の各ウェル底部の形状に合せた窪み8aを有したマイクロプレート用ヒートブロック8に交換することができる。
【0022】
なお、マイクロプレート用ヒートブロック8の窪み8aの中央に設けた穴8bは、マイクロプレート9を成型する際にウェルの底部に不定形の突起物ができるので、その突起物を避けるために設けた穴である。更に、穴8bは後述する吸引用の穴としても利用できる。
【0023】
更に、第1のヒートブロック5と第2のヒートブロック6の間、第2のヒートブロック6とガイド7の間、ガイド7とマイクロプレート用ヒートブロック8の間に、確実に伝熱するように熱伝導グリースを塗布してあても良い。
【0024】
制御装置10は、インキュベータ1本体とケーブル11で接続され、操作パネル10aから振盪機2のモータの回転数とヒータ3の温度が設定できるようになっている。その設定値に基づき、制御装置10は振盪機2のモータの回転数の制御と、第1のヒートブロック5に設けてある温度センサ4の温度をフィードバックして所定の温度になるように温度制御する。制御方式は、比例・積分・微分項から制御量を計算する、いわゆるPID制御方式を採っている。なお、制御装置10には図示していないが、外部機器との通信が行えるようになっており、上位のコンピュータなどから振盪機2のモータの回転数や温度の設定、運転の開始/停止がリモート操作できるようになっている。
【0025】
上記説明したインキュベータ1を用いて、室温20℃で、振盪機2のモータの回転数を500min−1、ヒータ3の設定温度を43℃に設定し、マイクロプレートの各ウェルに300μlの試料を注入したマイクロプレート9をマイクロプレート用ヒートブロック8に載置して、振盪させながら温度を一定に保つように動作させ、試料の温度を測定した。その結果、試料の熱が平衡状態になったときの各ウェルの温度は37±1℃以下の良好な温度制御精度が得られた。
【0026】
薬物代謝試験などにおいては、人体の体温と同じ環境温度で試験するため、温度の制御範囲としては少なくとも±2℃以内に押える必要があり、本インキュベータ1はこの要望を十分に満足させることができた。実際の使用においては、室温と制御温度を校正して設定温度を決定すれば良い。なお、振盪させないで試料温度を測定すると、試料の温度はウェル底部の温度と大気に触れた水面部では2℃程の温度差があり、振盪させることによりウェル内の試料が対流して均一にすることができる。
【0027】
上記説明した第1および、第2のヒートブロック5、6とガイド7とマイクロプレート用ヒートブロック8は、熱伝導率の大きい材質であれば、銅や鉄などでも良く、更に第2のヒートブロック6とマイクロプレート用ヒートブロック8または、第1のヒートブロック5と第2のヒートブロック6とマイクロプレート用ヒートブロック8はマイクロプレートのウェル底部の形状にほぼ合致させた一つの部材で構成しても良い。
【0028】
また、マイクロプレート用ヒートブロック8はアルミニウムの金属材料を加工して形成したものであるため、窪み8a部には僅かな凹凸がある。このため、窪み8aとマイクロプレート9のウェル低部は全面で接触しているわけではないので、マイクロプレート9の底部を更に良く接触させるために、マイクロプレート用ヒートブロック8の窪み8a部に予め液体、例えば液状のシリコンオイルや水などを注入して置くと、接触面積を大きくすると共に確実に接触させることができる。このようにすることにより、マイクロプレート9の各ウェル底部は、液体を媒体としてマイクロプレート用ヒートブロック8によって均一に加熱され、各ウェル間の試料温度のバラツキが少なくなる効果がある。
【0029】
更に、マイクロプレート用ヒートブロック8を、自在に形状を変えることができる熱伝導率の大きいゲル状の材質、例えばシリコンゴムなどを用いて、そのゲル状部材にマイクロプレート9を押し付けて、各ウェル底部がゲル状部材に密着させるようにして接触面積を均一にし、ゲル状部材を介して加熱するようにしても同様な効果が得られる。
【0030】
また、密着させる他の手法として、図5に示すようにマイクロプレート用ヒートブロック8とマイクロプレート9の外周を密着するシール部材51(例えばゴムやエラストマなどの弾性体)と、マイクロプレート用ヒートブロック8とマイクロプレート9間の空間53の気体を減圧する手段であるバキュームポンプ50を設ける。このバキュームポンプ50にて気体を吸引することにより、空間53は減圧され、その圧力差によりマイクロプレート9の底部はマイクロプレート用ヒートブロック8の窪み8a部に強制的に密着されるので、各ウェル底部を均一に加熱することができる。
また他の手法として、図6に示すようにマイクロプレート用ヒートブロック8に設けた窪み8a部の穴8bから気体を吸引するバキュームポンプ50と密着部材52を設けても、同様に密着させることができる。
【0031】
更には、図7に示すように、マイクロプレート9の底に凸部9aと、マイクロプレート用ヒートブロック8の窪み8a部に前記凸部9aと合致する凹部8dを設けることにより、接触する表面積が大きくなると共にマイクロプレート9への伝熱容量が大きくなって、マイクロプレート9が満遍なく加熱され、各ウェルの試料の温度精度を良くすることができる。
【0032】
また、マイクロプレート用ヒートブロック8を箱型形状にして、ウォータバスなどのように水、シリコンオイル等の液体を入れ、その上にマイクロプレート9を載置して加熱するようにしても良い。このようにして使用する液体はできれば、揮発性の低いものを使用した方が良い。
【0033】
図8は、本発明のインキュベータ1を搭載した自動分注装置20の斜視図である。インキュベータ1は上方が開放されているため、蓋などを開閉させる機構が必要無く、分注ヘッド26で吸引した試薬等を迅速に、インキュベータ1の上部に取付られたマイクロプレート9へ分注することが可能で、効率良く薬物代謝試験や酵素反応試験を行うことができる。また、前述したように図示していないロボットのハンドでマイクロプレート9を持ち運び搬送することができるので、自動化に対応させた使い勝手の良いインキュベータ1である。
【0034】
自動分注装置20の構成について以下説明する。自動分注装置20は、自動分注装置本体22とそれを制御する制御装置23、例えば汎用のパーソナル・コンピュータから構成され、LAN(Local Area Network)などの通信ケーブル24で接続されている。自動分注装置本体22は、3次元空間を移動して位置決めが可能な移送手段であるロボット25と、ロボット25の先端に設けた分注ヘッド26と、それらを駆動する回路部27が設けられている。
【0035】
ロボット25は、各軸互いに直交に構成されたX軸・Y軸・Z軸を有し、図示していないステッピングモータによって位置決めされるようになっている。ロボット25の駆動モータはサーボモータなどであっても良い。分注ヘッド26は、一列に並んで配置された複数のチップ28が着脱可能であって、該チップ28内において液体の吸引及び吐出を可能としている。
【0036】
分注ヘッド26は、例えば12連のシリンジ(図示せず)が1つのステッピングモータで駆動されるように構成され、そのシリンジ個々の間隔はマイクロプレート9のウェル間隔と同じ9mmピッチで配置され、チップ28を装着してシリンジを駆動することにより液体の吸引及び吐出動作を実行する。
【0037】
ロボット25に取り付けられた分注ヘッド26の可動範囲の下方には、チップ28がマイクロプレート9のウェル間隔と同じ9mmピッチで配置しているチップ容器29と、試薬を保冷するクーラー32に載置した試薬容器30と、試験の対象となる供試物が入ったマイクロプレート9を載置して一定温度で振盪するインキュベータ1と、使用済みのチップ28を廃棄する廃棄容器34を配置している。
また、分注ヘッド26は90度旋回できるようになっており、マイクロプレート9の縦・横どの方向からも分注動作ができるように構成したものである。
【0038】
このような構成の自動分注機において、マイクロプレートの各ウェル底面形状にほぼ合致するような窪みを形成したマイクロプレート用ヒートブロックを設け、マイクロプレートの各ウェル底部を確実にマイクロプレート用ヒートブロックの窪みに接触させ、効率良く均一に加熱することのできるインキュベータ1を搭載することにより、従来の技術で述べたようなインキュベータと違い蓋の開閉機構が必要無いので、自動分注機自体の小型化が図れ、更に正確は温度制御による高精度の試験が可能な自動分注機を提供することができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、モータの回転によって揺動する振盪機と、該振盪機の上方に設けられ、ヒータを下面に配置し、概ね中央部に配置した温度センサを備えたヒートブロックと、モータの回転数を制御し、温度センサの温度をフィードバックしてヒータの温度を制御し、所定の設定温度になるように動作する制御装置から構成されるインキュベータに於いて、
ヒートブロックの熱を蓄熱し、マイクロプレートの各ウェル底面形状に合致するような窪みを形成したマイクロプレート用ヒートブロックを設け、マイクロプレートの各ウェル底部を確実にマイクロプレート用ヒートブロックの窪みに接触させ、効率良く均一に加熱する手段と、加熱しながら揺動動作するインキュベータ1を設けたので、蓋の開閉などの面倒な作業を不要とし、マイクロプレートの上方を開放したままでも試料の温度を高精度に一定に保ち、自動分注装置等への接続を容易とした安価なインキュベータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるインキュベータの斜視図である。
【図2】本発明の一実施例であるインキュベータを構成する部品の分解図である。
【図3】本発明の一実施例であるマイクロプレート用ヒートブロックの斜視図である。
【図4】本発明の一実施例であるマイクロプレートとマイクロプレート用ヒートブロックの一部断面図である。
【図5】本発明の一実施例である減圧による密着方法を示した一部断面図である。
【図6】本発明の一実施例である減圧による他の密着方法を示した一部断面図である。
【図7】本発明の一実施例であるマイクロプレートとマイクロプレート用ヒートブロックに凸部と凹部を示す一部断面図である。
【図8】本発明の一実施例であるインキュベータを搭載した自動分注装置の斜視図である。
【符号の説明】
1はインキュベータ、2は振盪機、3はヒータ、4は温度センサ、5は第1のヒートブロック、6は第2のヒートブロック、7はガイド、8はマイクロプレート用ヒートブロック、8aは窪み、8bは穴、8dは凹部、9はマイクロプレート、9aは凸部、10は制御装置、50はバキュームポンプ、51はシール部材、52は密着部材である。

Claims (11)

  1. 駆動装置によって揺動する振盪機と、マイクロプレートに対して加熱又は、吸熱を行う熱源部とを有するインキュベータにおいて、前記熱源部を前記振盪機によって揺動される第1のヒートブロックに設け、該第1のヒートブロックに一体に取り付けられ、前期マイクロプレートの底面形状にほぼ合致する形状の窪みを有する第2のヒートブロックを有することを特徴とするインキュベータ。
  2. 前記第1のヒートブロックに温度センサを設け、該温度センサの出力により前記熱源部を制御するための制御部を有することを特徴とする請求項1記載のインキュベータ。
  3. 前記熱源部がヒータであることを特徴とする請求項1記載のインキュベータ。
  4. 前記熱源部がペルチェ素子であることを特徴とする請求項1記載のインキュベータ。
  5. 前記第1のヒートブロックと前記第2のヒートブロックが一体に成形されていることを特徴とする請求項1記載のインキュベータ。
  6. 前記第2のヒートブロックに設けられた窪みと蓄熱部とが別部材からなることを特徴とする請求項1記載のインキュベータ。
  7. 前記第2のヒートブロックの窪みに液体を注入し、該液体を媒体として前記マイクロプレートの各ウェル底部を加熱するように構成したことを特徴とする請求項1記載のインキュベータ。
  8. 前記第2のヒートブロックは自在に形状を変えることのできるゲル状の部材からなることを特徴とする請求項1記載のインキュベータ。
  9. 前記第2のヒートブロックと前記マイクロプレートの空間の気体を減圧する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のインキュベータ。
  10. 前記マイクロプレートの底に凸部を設け、前記第2のヒートブロックの窪みに前記凸部と合致する凹部を設けたことを特徴とする請求項1記載のインキュベータ。
  11. 駆動装置によって揺動する振盪機と、マイクロプレートに対して加熱又は、吸熱を行う熱源部とを有するインキュベータと、試薬を吸引し前記マイクロプレートへ吐出する分注ヘッドと、該分注ヘッドを移動させるための移動手段とを備えた分注機において、前記熱源部を前記振盪機によって揺動される第1のヒートブロックに設け、該第1のヒートブロックに一体に取り付けられ、前期マイクロプレートの底面形状にほぼ合致する形状の窪みを有する第2のヒートブロックを有することを特徴とするインキュベータを備えた分注機。
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