JPH06149457A - パネルゲーム装置 - Google Patents

パネルゲーム装置

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JPH06149457A
JPH06149457A JP26963492A JP26963492A JPH06149457A JP H06149457 A JPH06149457 A JP H06149457A JP 26963492 A JP26963492 A JP 26963492A JP 26963492 A JP26963492 A JP 26963492A JP H06149457 A JPH06149457 A JP H06149457A
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interdigital
electrode
surface acoustic
acoustic wave
piezoelectric
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JP26963492A
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English (en)
Inventor
Koji Toda
耕司 戸田
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03KPULSE TECHNIQUE
    • H03K2217/00Indexing scheme related to electronic switching or gating, i.e. not by contact-making or -breaking covered by H03K17/00
    • H03K2217/94Indexing scheme related to electronic switching or gating, i.e. not by contact-making or -breaking covered by H03K17/00 characterised by the way in which the control signal is generated
    • H03K2217/96Touch switches
    • H03K2217/96003Touch switches using acoustic waves, e.g. ultrasound
    • H03K2217/96011Touch switches using acoustic waves, e.g. ultrasound with propagation, SAW or BAW

Abstract

(57)【要約】 【目的】 超音波送受波装置と表示装置の表示画面とを
備えた非圧電基板に触指することにより、表示画面に情
報が入力されるパネルゲーム装置を提供する。 【構成】 すだれ状電極T1から電気信号を入力する
と、その電気信号が弾性表面波に変換されて超音波デバ
イス1の圧電磁器薄板6を伝搬し、さらにガラス基板5
を伝搬する。ガラス基板5を伝搬している弾性表面波の
うち超音波デバイス3のすだれ状電極R11〜R14の示す
中心周波数とその近傍の周波数の弾性表面波のみが電気
信号に変換されてすだれ状電極R11〜R14から出力され
る。すだれ状電極T1とR11との間の弾性表面波の伝搬
路を遅延素子とする発振器を構成することにより、駆動
回路を簡略化でき低消費電力で低電圧での駆動が可能と
なる。弾性表面波の伝搬路に触指するとその触指部分に
対応する表示画面7に情報が入力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波送受波装置を備え
た非圧電基板の一方の板面に人指または物体が接触する
ことによって非圧電基板のもう一方の板面に備えられた
表示装置の表示画面に情報が入力されるパネルゲーム装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】将棋や囲碁等に用いられる従来のゲーム
盤に代わるものとしてタッチパネルを応用したパネルゲ
ーム盤が考えられる。従来のタッチパネルには抵抗膜を
用いる方法と超音波を用いる方法が主に挙げられる。抵
抗膜を用いる方法は透明導電性フィルム(抵抗膜)に触
指することによりその透明導電性フィルムの抵抗値が変
化するものであり、低消費電力であるものの応答時間、
感度、耐久性等の点で問題を有している。超音波を用い
る方法は予め弾性表面波を励振させておいた非圧電基板
に触指することによりその弾性表面波が減衰するもので
ある。非圧電基板に弾性表面波を励振する従来の方法と
しては、バルク波振動子を用いたくさび形トランスデュ
ーサにより間接的に励振する方法、圧電薄膜トランスデ
ューサにより直接的に励振する方法等が挙げられる。く
さび形トランスデューサは超音波による非破壊検査等に
用いられているが、くさび角の工作精度の問題等から比
較的低い周波数領域においてのみ用いられる。圧電薄膜
トランスデューサはZnO等の圧電薄膜を基板に蒸着し
すだれ状電極により弾性表面波を励振する方法で、すだ
れ状電極の構成により種々の伝送特性を示すことから高
周波デバイスとして用いられるが、UHF,VHF帯に
限られるとともに加工性や量産性に問題がある。このよ
うにして、従来の方法では応答時間、感度、耐久性、工
作精度、加工性および量産性等に問題があり、使用周波
数領域も制限されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、加工
性、耐久性および量産性に優れ、低消費電力でしかも低
電圧駆動下で効率良く弾性表面波を非圧電基板に励振す
ることができ、非圧電基板に触指することによる弾性表
面波の減衰に対する応答時間が短く,感度の良いパネル
ゲーム装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のパネル
ゲーム装置は、超音波デバイスAおよびBで成る超音波
送受波装置を非圧電基板の一方の板面Z1に少なくとも
2つ設け、前記非圧電基板のもう一方の板面Z2に少な
くとも2種類の色で表示される表示装置の表示画面を設
けて成るパネルゲーム装置において、前記超音波デバイ
スAはN組のすだれ状電極Pi(i=1,2,……,
N)を圧電薄板aに備えて成り、前記超音波デバイスB
は前記すだれ状電極Piにそれぞれ対応するN個のすだ
れ状電極群Qi(i=1,2,……,N)を圧電薄板b
に備えて成り、これらのすだれ状電極群Qiはそれぞれ
少なくとも2組のすだれ状電極Qi-1およびQi-2で成
り、前記すだれ状電極Piの電極周期長にほぼ対応する
少なくとも2種類の周波数の電気信号を前記すだれ状電
極Piに入力し、前記電極周期長にほぼ等しい波長を有
する少なくとも2種類の弾性表面波を前記板面Z1に励
振する手段と、前記板面Z1に励振された該弾性表面波
の波長に応じて前記すだれ状電極Qi- 1およびQi-2に現
れる電気信号を出力する手段とが設けてあり、1つの前
記超音波送受波装置における前記超音波デバイスA,B
間の弾性表面波の伝搬路と、別の前記超音波送受波装置
における前記超音波デバイスA,B間の弾性表面波の伝
搬路とが互いに直交していて、前記板面Z1における前
記弾性表面波の伝搬路の一部に人指または物体が接触し
たことを、前記すだれ状電極Qi-1およびQi-2に出力さ
れる前記電気信号の大きさから感知し、前記すだれ状電
極Piに入力する電気信号の周波数と前記表示画面の前
記色とを対応させる手段が設けられていることを特徴と
する。
【0005】請求項2に記載のパネルゲーム装置は、前
記すだれ状電極Qi-1のそれぞれの出力端が互いに電気
的に接続点N1で接続されており、前記すだれ状電極Q
i-2のそれぞれの出力端は互いに電気的に接続点N2で
接続されており、前記すだれ状電極Piに電気信号を入
力する手段は、出力端が前記すだれ状電極Piの入力端
にそれぞれ接続されたN個のスイッチSi(i=1,
2,……,N)と、該スイッチSiを順次に所定の周期
で電気的にそれぞれ断続するスイッチ制御手段とを含
み、前記スイッチSiのそれぞれの入力端は互いに電気
的に接続点NSで接続され、前記接続点N1は増幅器を
介して前記接続点NSに電気的に接続され、 前記すだれ
状電極Piから前記すだれ状電極Qi-1に至る間の前記非
圧電基板で成る弾性表面波の伝搬路Di(i=1,2,
……,N)を遅延素子とする発振器Hi(i=1,2,
……,N)が構成されていて、前記発振器Hiの信号ル
ープは前記すだれ状電極Piと、前記伝搬路Diと、前記
すだれ状電極Qi-1と、前記増幅器とから成り、前記板
面Z1における弾性表面波の伝搬路の一部に人指または
物体が接触したことを、前記接続点N1および前記接続
点N2に現れる電気信号の大きさから感知することを特
徴とする。
【0006】請求項3に記載のパネルゲーム装置は、前
記すだれ状電極Pi,Qi-1およびQi-2における電極周
期長にはそれぞれ少なくともL1とL2との2つが有
り、前記電極周期長L1またはL2にほぼ対応する周波
数の電気信号を前記すだれ状電極Piに入力し、前記電
極周期長L1またはL2にほぼ等しい波長の弾性表面波
を前記板面Z1に励振する手段と、前記板面Z1に励振
された該弾性表面波の波長に応じて前記すだれ状電極Q
i- 1およびQi-2に現れる電気信号を出力する手段とが設
けてあることを特徴とする。
【0007】請求項4に記載のパネルゲーム装置は、前
記圧電薄板aの厚さが前記すだれ状電極Piの電極周期
長以下であり、前記圧電薄板bの厚さは前記すだれ状電
極Qi -1およびQi-2の電極周期長以下であって、前記す
だれ状電極Pi,Qi-1およびQi-2の電極周期長は1次
モードまたは2次以上のモードの弾性表面波の波長にほ
ぼ等しいことを特徴とする。
【0008】請求項5に記載のパネルゲーム装置は、前
記1次モードまたは2次以上の前記モードの弾性表面波
の位相速度が前記非圧電基板単体に励振される弾性表面
波の伝搬速度にほぼ等しいことを特徴とする。
【0009】請求項6に記載のパネルゲーム装置は、前
記圧電薄板aまたはbが圧電セラミックで成り、該圧電
セラミックの分極軸の方向は該圧電セラミックの厚さ方
向と平行であることを特徴とする。
【0010】請求項7に記載のパネルゲーム装置は、前
記圧電薄板aまたはbがPVDFその他の高分子圧電フ
ィルムで成ることを特徴とする。
【0011】請求項8に記載のパネルゲーム装置は、前
記圧電薄板aまたはbが前記すだれ状電極が設けられて
いる方の板面を介して前記板面Z1に固着されているこ
とを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明のパネルゲーム装置は、超音波デバイス
AおよびBで成る超音波送受波装置を非圧電基板の一方
の板面Z1に設け、前記非圧電基板のもう一方の板面Z
2に表示装置の表示画面を設けて成る簡単な構造を有す
る。超音波デバイスAのすだれ状電極Pi(i=1,
2,……,N)を入力用としすだれ状電極Piから電気
信号を入力する構造を採用することにより、すだれ状電
極Piに接触する部分の非圧電基板の板面Z1に1次モ
ードまたは2次以上のモードの弾性表面波を励振させる
ことができる。このときこの弾性表面波の位相速度が非
圧電基板単体における弾性表面波の伝搬速度にほぼ等し
くなるような構造を採用することにより、すだれ状電極
iから加えられる電気的エネルギーが弾性表面波に変
換される度合を大きくすることができるだけでなく、圧
電薄板と非圧電基板との界面での音響インピーダンスの
不整合等によって生じる反射等を除去することができ
る。このようにして、低消費電力で高電圧を印加するこ
と無しに効率良く弾性表面波を非圧電基板の板面Z1に
励振することができる。
【0013】本発明のパネルゲーム装置では、非圧電基
板の板面Z1に励振されている弾性表面波を超音波デバ
イスBのN個のすだれ状電極群Qi(i=1,2,…
…,N)から電気信号として出力させる構造を採用して
いる。これらのすだれ状電極群Qiはすだれ状電極Pi
それぞれ対応していて、それぞれが少なくとも2組のす
だれ状電極Qi-1およびQi-2で成る。すだれ状電極Q
i-1およびQi-2のそれぞれをすだれ状電極Piに対し弾
性表面波の送受波の指向軸が共通になるよう配置する構
造を採用することにより、非圧電基板の板面Z1に励振
されている弾性表面波をすだれ状電極Qi-1およびQi-2
から電気信号として出力させることができる。板面Z1
における弾性表面波の伝搬路(すなわちすだれ状電極P
iとQi-1との間およびPiとQi-2との間)を触指するこ
とにより板面Z1に励振されている弾性表面波が消滅ま
たは減衰するから、すだれ状電極Qi-1およびQi-2に出
力される電気信号も消滅または減衰する。このようにし
て、本発明のパネルゲーム装置は応答時間が短く感度が
良い。
【0014】すだれ状電極Piにすだれ状電極Piの電極
周期長にほぼ対応する少なくとも2種類の周波数の電気
信号を入力する構造を採用することにより、非圧電基板
の板面Z1に該電極周期長にほぼ等しい波長を有する少
なくとも2種類の弾性表面波を励振することができる。
また、板面Z1に励振された弾性表面波をその波長に応
じてすだれ状電極Qi-1およびQi-2から電気信号として
出力することができる。
【0015】非圧電基板の板面Z2に備えられる表示画
面には、少なくとも2種類の色で情報が表示される構造
が採用されている。すだれ状電極Piに入力する電気信
号の周波数と表示画面の色とを対応させる構造を採用す
ることにより、表示画面の同一箇所に周波数を切り換え
ることによって別々に色分けされた情報を入力すること
が可能になる。つまり、非圧電基板の板面Z1における
前記箇所を周波数ごとに触指することによって周波数ご
とに色分けされた情報を入力することが可能になる。
【0016】本発明のパネルゲーム装置では非圧電基板
の板面Z1に超音波送受波装置を少なくとも2つ設けた
構造を採用している。しかも、1つの超音波送受波装置
における超音波デバイスA,B間の弾性表面波の伝搬路
と、別の超音波送受波装置における超音波デバイスA,
B間の弾性表面波の伝搬路とを互いに直交させる構造を
採用している。従って、非圧電基板の板面Z1における
触指部分の特定ができる。これは超音波送受波装置の数
が多い程きめ細かな特定が可能となる。従って、すだれ
状電極Piに入力する電気信号の周波数を切り換えるこ
とにより別々に色分けされた情報を入力することが可能
となる。すなわち、触指部分の色別の特定が可能とな
る。たとえば4人で囲碁のようなゲームを行なう場合、
順次に周波数を変えて板面Z1を触指すればその触指部
分に対応して周波数ごとに別々の色による入力が可能と
なる。
【0017】本発明のパネルゲーム装置ではすだれ状電
極Qi-1のそれぞれの出力端を互いに電気的に接続点N
1で接続し、すだれ状電極Qi-2のそれぞれの出力端を
互いに電気的に接続点N2で接続する構造を採用してい
る。従って、板面Z1における弾性表面波の伝搬路の一
部に人指または物体が接触したことを接続点N1および
接続点N2に現れる電気信号の大きさから感知すること
ができる。すだれ状電極Piに電気信号を入力する手段
としては、出力端がすだれ状電極Piの入力端にそれぞ
れ接続されたN個のスイッチSi(i=1,2,……,
N)を設け、該スイッチSiを順次に所定の周期で電気
的にそれぞれ断続する構造を採用している。このように
して、すだれ状電極Piに順次に電気信号を入力するこ
とができる。スイッチSiのそれぞれの入力端を互いに
電気的に接続点NSで接続し、接続点N1を増幅器を介
して接続点NSに電気的に接続する構造を採用すること
により、すだれ状電極PiからQi-1に至る間の板面Z1
で成る弾性表面波の伝搬路Di(i=1,2,……,
N)を遅延素子とする発振器Hi(i=1,2,……,
N)を構成することができる。発振器Hiの信号ループ
はすだれ状電極Piと、伝搬路Diと、すだれ状電極Q
i-1と、増幅器とから成る。このようにして、回路構成
が簡略化されることから装置の小型軽量化が可能とな
り、しかも低消費電力で低電圧での駆動が可能となる。
板面Z1上における弾性表面波の伝搬路(すなわちすだ
れ状電極PiとQi-1との間およびPiとQi-2との間)の
うちたとえばすだれ状電極P1とQ1-1との間を触指した
場合には、すだれ状電極P1に電気信号が入力されてい
るときに限って接続点N1に出力される遅延電気信号が
減衰または消滅する。このようにして触指位置を明確に
指定することが可能になる。
【0018】すだれ状電極Pi,Qi-1およびQi-2とし
てそれぞれが少なくとも2つの電極周期長L1およびL
2を有する構造を採用することにより、すだれ状電極P
iに電極周期長L1またはL2にほぼ相応する周波数の
電気信号を入力することができる。従って、非圧電基板
の板面Z1に電極周期長L1またはL2にほぼ等しい波
長の弾性表面波を励振することができる。また、非圧電
基板の板面Z1に励振されている電極周期長L1または
L2にほぼ等しい波長を有する弾性表面波をすだれ状電
極Qi-1およびQi-2から電気信号として出力させること
ができる。超音波送受波装置において超音波デバイスA
およびBを電極周期長が小さい方の電極指が互いに内側
になるように、つまり電極間距離が小さくなるように配
置することにより、非圧電基板に励振する弾性表面波の
減衰を抑制することができる。これは、電極周期長が小
さいほど高周波の弾性表面波が非圧電基板に励振され、
高周波の弾性表面波ほど減衰されやすいことを解決する
ためのものである。
【0019】超音波デバイスにおける圧電薄板の厚さを
すだれ状電極の電極周期長以下にし、すだれ状電極の電
極周期長を1次モードまたは2次以上のモードの弾性表
面波の波長にほぼ等しくする構造を採用することによ
り、すだれ状電極から加えられる電気的エネルギーが弾
性表面波に変換される度合を大きくすることができるだ
けでなく、圧電薄板と非圧電基板との界面での音響イン
ピーダンスの不整合等によって生じる反射等を除去する
ことができる。なお、すだれ状電極の電極周期長すなわ
ち弾性表面波の波長λに対する圧電薄板の厚さdの割合
(d/λ)が小さいほど効果は大きい。
【0020】圧電薄板として圧電セラミックを採用し、
その圧電セラミックの分極軸の方向と厚さ方向とを平行
にする構造を採用することにより、非圧電基板に効率よ
く1次モードまたは2次以上のモードの弾性表面波を励
振することができる。
【0021】圧電薄板としてPVDFその他の高分子圧
電フィルムを採用することにより、非圧電基板に効率よ
く1次モードまたは2次以上のモードの弾性表面波を励
振することができる。
【0022】すだれ状電極を圧電薄板と非圧電基板との
界面に設けた構造を採用することにより、すだれ状電極
に加えられる電気的エネルギーを効率よく弾性表面波に
変換することができる。
【0023】
【実施例】図1は本発明のパネルゲーム装置の一実施例
を示す平面図である。本実施例は超音波デバイス1,
2,3,4,ガラス基板5および表示画面7(図1では
描かれていない)から成る。超音波デバイス1は圧電磁
器薄板6にすだれ状電極T1およびT2を設けて成る。超
音波デバイス2は圧電磁器薄板6にすだれ状電極T3お
よびT4を設けて成る。超音波デバイス3は圧電磁器薄
板6にすだれ状電極R11,R12,R13,R14,R21,R
22,R23およびR24を設けて成る。超音波デバイス4は
圧電磁器薄板6にすだれ状電極R31,R32,R33,R3
4,R41,R42,R43およびR44を設けて成る。圧電磁
器薄板6は厚さ230μmのTDK製101A材(製品
名)で成る。前記各すだれ状電極はアルミニウム薄膜で
成る。ガラス基板5は長さ70mm、幅55mm、厚さ
1.9mmのパイレックスガラスで成る。圧電磁器薄板
6はガラス基板5上に設けられている。表示画面7はガ
ラス基板5のもう一方の板面に備えられている。表示画
面7は表示装置の一部を成している。圧電磁器薄板6は
厚さ約20μmのエポキシ系樹脂によってガラス基板5
上に固着されている。前記各すだれ状電極は電極周期長
が840μmで7.5対の電極指を有する正規型のもの
である。
【0024】図2は図1のパネルゲーム装置における超
音波デバイス1および3を示す平面図である。超音波デ
バイス1と3とは互いに対行している。超音波デバイス
2と4との関係も超音波デバイス1と3との関係と同様
である。すだれ状電極T1,T2,T3およびT4は入力用
として用いられ、電極交叉幅は18mmである。すだれ
状電極R11〜R14,R21〜R24,R31〜R34およびR41
〜R44は出力用として用いられ、電極交叉幅は2.7m
mである。すだれ状電極R11〜R14はすだれ状電極T1
に対応し、すだれ状電極R21〜R24はすだれ状電極T2
に対応し、すだれ状電極R31〜R34はすだれ状電極T3
に対応し、すだれ状電極R41〜R44はすだれ状電極T4
に対応している。
【0025】図3は図1のパネルゲーム装置の断面図で
あって、入力用超音波デバイスと出力用超音波デバイス
との関係を示している。入力用すだれ状電極および出力
用すだれ状電極は圧電磁器薄板6のガラス基板5側に設
けられている。
【0026】図4は図1のパネルゲーム装置に用いられ
ているすだれ状電極の代わりに用いられるすだれ状電極
の一実施例を示す平面図である。このすだれ状電極は電
極周期長が620μmで5対の電極指と、電極周期長が
295μmで5対の電極指とから構成されている正規型
のものであって、図1のパネルゲーム装置に用いられる
場合、電極周期長が295μmの電極指が互いに内側に
なるように配置される。これは、電極周期長が小さいほ
ど高周波の弾性表面波がガラス基板5に励振され、高周
波の弾性表面波ほど減衰されやすいことを考慮したもの
である。このようにして、電極周期長が小さい方ほど弾
性表面波の伝搬路長(すなわち電極間距離)が小さくな
るように配置される。
【0027】図5は図1のパネルゲーム装置を遅延線発
振器を形成して駆動する場合の構成図である。図6は図
5の構成図における各部〜における波形図である。
図5においてはすだれ状電極T1とR11との間またはT2
とR21との間を第1の遅延素子とし、すだれ状電極T3
とR31との間またはT4とR41との間を第2の遅延素子
とする8の字型の信号ループを有する遅延線発振器が形
成されている。図1のパネルゲーム装置の駆動時、コン
ピュータからの指令によりスイッチ1,2,3および4
が作動する。スイッチ1および3(以後S1グループと
呼ぶ)が閉じているときにはスイッチ2および4(以後
S2グループと呼ぶ)は開いている。このようにしてS
1グループおよびS2グループのスイッチが開閉するこ
とによりすだれ状電極T1およびT3(以後T1グループ
と呼ぶ)並びにすだれ状電極T2およびT4(以後T2グ
ループと呼ぶ)に電気信号を交互に入力している。T1
グループまたはT2グループに入力される電気信号は
コンピュータからのクロックパルス−1または−2
によりそれぞれrfパルス−1および−2に変調さ
れる。S1グループのスイッチが閉じてT1グループの
すだれ状電極に電気信号−1が入力されると、T1グ
ループのすだれ状電極の電極周期長にほぼ対応する周波
数を有する電気信号のみが弾性表面波に変換されて入力
用超音波デバイス1および2の圧電磁器薄板6を伝搬
し、さらにガラス基板5を伝搬する。ガラス基板5を伝
搬している弾性表面波のうち出力用超音波デバイス3の
すだれ状電極R11〜R14および出力用超音波デバイス4
のすだれ状電極R31〜R34の電極周期長にほぼ等しい波
長の弾性表面波のみが遅延電気信号に変換されてすだれ
状電極R11〜R14およびR31〜R34(以後R1グループ
と呼ぶ)から出力される。S2グループのスイッチが閉
じてT2グループのすだれ状電極に電気信号−2が入
力されると、T2グループのすだれ状電極の電極周期長
にほぼ対応する周波数を有する電気信号のみが弾性表面
波に変換されて入力用超音波デバイス1および2の圧電
磁器薄板6を伝搬し、さらにガラス基板5を伝搬する。
ガラス基板5を伝搬している弾性表面波のうち出力用超
音波デバイス3のすだれ状電極R21〜R24および出力用
超音波デバイス4のすだれ状電極R41〜R44の電極周期
長にほぼ等しい波長の弾性表面波のみが遅延電気信号に
変換されてすだれ状電極R21〜R24およびR41〜R44
(以後R2グループと呼ぶ)から出力される。このよう
にして、T1グループおよびT2グループのすだれ状電
極に交互に電気信号を入力することにより、遅延電気信
号をR1グループおよびR2グループのすだれ状電極に
交互に出力することができる。すだれ状電極R11とR2
1,R12とR22,R13とR23,R14とR24,R31とR4
1,R32とR42,R33とR43,およびR34とR44をそれ
ぞれ接続すれば回路構成が簡略化されるだけでなく、そ
れぞれの2組のすだれ状電極R11とR21,R12とR22,
R13とR23,R14とR24,R31とR41,R32とR42,R
33とR43,およびR34とR44の遅延電気信号が重複され
た形で受信される。但し、前記それぞれの2組のすだ
れ状電極のうちすだれ状電極R11とR21から出力される
電気信号の一部およびすだれ状電極R31とR41から出
力される電気信号の一部はそれぞれ増幅器Aおよび増
幅器Bによって増幅され、それぞれの位相シフタによっ
て所定の位相に制御された後、それぞれS1グループお
よびS2グループのスイッチを介して再びT1グループ
およびT2グループのすだれ状電極に入力される。すな
わち、スイッチ1または2を介してすだれ状電極T1ま
たはT2に入力された電気信号は増幅器Aを経由した
後、スイッチ3または4を介して今度はすだれ状電極T
3またはT4に入力される。また、スイッチ3または4を
介してすだれ状電極T3またはT4に入力された電気信号
は増幅器Bを経由した後、スイッチ1または2を介して
今度はすだれ状電極T1またはT2に入力される。このよ
うにして8の字型の信号ループを有する遅延線発振器が
形成される。ところで、それぞれの2組のすだれ状電極
R11とR21,R12とR22,R13とR23,R14とR24,R
31とR41,R32とR42,R33とR43,およびR34とR44
に出力された遅延電気信号はガラス基板5を触指する
ことにより減衰される(または)。T1グループの
すだれ状電極に電気信号が入力されている場合にガラス
基板5を伝搬する弾性表面波の伝搬路(すだれ状電極T
1とR11〜R14との間およびすだれ状電極T3とR31〜R
34との間)に触指すると、T1グループのすだれ状電極
に電気信号が入力されているときに限って触指位置に対
応する表面波が減衰する。同様にして、T2グループ
のすだれ状電極に電気信号が入力されている場合にガラ
ス基板5を伝搬する弾性表面波の伝搬路(すだれ状電極
T2とR21〜R24との間およびすだれ状電極T4とR41〜
R44との間)に触指すると、T2グループのすだれ状電
極に電気信号が入力されているときに限って触指位置に
対応する表面波が減衰する。このような遅延信号,
およびは増幅、整流されそれぞれ直流信号,お
よびになる。ガラス基板5を触指した場合と触指しな
い場合に相当する直流電圧値の間で適切なスレッシュホ
ールド電圧値を設定することにより、コンパレータにお
いてデジタル信号が得られる。このデジタル信号はコン
ピュータにより適切なタイミングでパラレル信号として
コンピュータに取り込まれる。この遅延線発振器による
駆動方法はパルス発生器が不要であることから装置のさ
らなる小型化および低消費電力化、低電圧化が可能であ
る。
【0028】図1のパネルゲーム装置の駆動時、コンピ
ュータからの指令により表示装置の表示画面7には触指
位置に対応して色分けされた情報が現われるようになっ
ている。しかも、T1グループまたはT2グループのす
だれ状電極に入力される電気信号の周波数と、その色と
が対応するようなシステムが組み込まれている。なお、
表示画面7の情報はガラス基板5を介して見られるよう
になっている。このようにして、ガラス基板5を伝搬す
る弾性表面波の伝搬路を触指すると、その伝搬路を伝搬
している弾性表面波が減衰または消滅し、それに伴って
表示画面7には触指位置に対応して色分けされた情報が
現われる。しかも、入力する電気信号の周波数を切り換
える操作を行うことにより、同一の位置のガラス基板5
を接触することにより表示画面7の該同一の位置におい
て周波数の種類に対応する数の色で情報を入力すること
が可能となる。すなわち、2種類の周波数を用いれば同
一の位置において2種類の色で色分けされた情報の入力
が可能になる。また、同一の色で挟まれた部分の表示画
面7が自動的に該色に変換するようなシステムやその他
のシステムをコンピュータに組み入れておくことも可能
である。たとえば4人でゲームを行なう場合、4つの周
波数を用い各々が自分の周波数を決めてガラス基板5を
触指すれば、それぞれの色の情報を触指部分に対応する
表示画面7に映し出すことができる。図1のパネルゲー
ム装置において図4のすだれ状電極を用いた場合には、
該すだれ状電極の電極周期長が2種類あってしかもそれ
ぞれの値の差が大きいことから、該すだれ状電極に入力
される2種類の電気信号の周波数の値の差を大きくする
ことができる。しかもそれぞれの種類の電極周期長にほ
ぼ対応して入力する電気信号の周波数をさらに数種類に
細分化することができるので、結果として入力する電気
信号の周波数の種類をさらに増加することができる。
【0029】図7および図8はすだれ状電極T1,R11
間における周波数に対する挿入損失の関係を示す特性図
である。ただし図7はガラス基板5上を触指しない場合
を、図8はガラス基板5上を触指した場合を示す。3.
96MHz近傍のピークが1次モードの弾性表面波に対
応している。この1次モードの弾性表面波に注目する
と、挿入損失における触指した場合と触指しない場合と
の差が約10dBであることが分かる。この挿入損失の
変化はパネルゲーム装置の信号処理を行う上で十分な変
化である。
【0030】図9および図10は3.96MHzのrf
パルスを印加した場合のすだれ状電極T1,R11間にお
ける応答特性を示す図である。ただし図9はガラス基板
5上を触指しない場合を、図10はガラス基板5上を触
指した場合を示す。すだれ状電極T1,R11間にガラス
基板5が設けられていることから、電磁的直達波もなく
スプリアスも少ない良好な応答特性を示していることが
分かる。従って、信号処理が容易にできる。
【0031】図11は図5に示す遅延線発振器における
発振のスペクトルを示す特性図である。但し、入力する
電気信号の周波数がf1のときのものである。foは基
本波を示し3.951MHzである。図1に示すパネル
ゲーム装置を1次モードで設計していることから、他の
モードの影響を受けずに安定な発振が得られている。ま
た、表面波がほとんど広がることなく伝搬することか
ら、他の波の影響を受けずに容易に発振させることがで
きる。
【0032】図12は図1のパネルゲーム装置のガラス
基板5を伝搬する弾性表面波の速度分散曲線を示す特性
図であり、弾性表面波の波数kと圧電磁器薄板6の厚さ
dとの積(kd)または弾性表面波の波長λに対するd
の割合(d/λ)に対する各モードの位相速度を示す図
である。但し、圧電磁器薄板6は、圧電磁器薄板6のガ
ラス基板5と接触する方の板面(ガラス側板面)が電気
的に開放状態にあってもう一方の空気に接触する方の板
面(空気側板面)が電気的に短絡状態にあるものと、圧
電磁器薄板6のガラス側板面と空気側板面とが共に電気
的に短絡状態にあるものである。本実施例においては圧
電磁器薄板6の板面に金属薄膜を被覆することによりそ
の板面を電気的に短絡状態にしている。本図において
“short”は短絡状態を、“open”は開放状態
であることを示す。弾性表面波には複数個のモードがあ
る。零次モードは基本レイリー波であり、零次モードは
kd値が零のときガラス基板5のレイリー波速度に一致
していて、kd値が大きくなるにつれて圧電磁器薄板6
のレイリー波速度に収束している。1次以上のモードで
はカットオフ周波数が存在し、kd値がそれぞれの最小
のときガラス基板5の横波速度に収束している。本図に
おいて○印は実測値を示す。
【0033】図13は図1のパネルゲーム装置のガラス
基板5を伝搬する弾性表面波の速度分散曲線を示す特性
図であり、kd値またはd/λ値に対する各モードの位
相速度を示す図である。但し、圧電磁器薄板6は、圧電
磁器薄板6のガラス側板面と空気側板面とが共に電気的
に開放状態にあるものと、圧電磁器薄板6のガラス側板
面が電気的に短絡状態にあって空気側板面が電気的に開
放状態にあるものを用いた。零次モードではfd値が零
のときガラス基板5のレイリー波速度に一致していて、
kd値が大きくなるにつれて圧電磁器薄板6のレイリー
波速度に収束している。1次以上のモードではカットオ
フ周波数が存在し、kd値がそれぞれの最小のときガラ
ス基板5の横波速度に収束している。本図において○印
は実測値を示す。
【0034】図14は圧電磁器薄板6の異なる2つの電
気的境界条件下での位相速度差から算出した実効的電気
機械結合係数k2 とkd値との関係を示す特性図であ
る。但し、圧電磁器薄板6は、圧電磁器薄板6のガラス
側板面にすだれ状電極(IDT)を設け空気側板面を電
気的に短絡状態にしたものを用いている。高次モードの
2 は零次モードに比べて大きな値を示す。特に1次モ
ードではkd=1.8においてk2 =17.7%という
最大値を示している。
【0035】図15は圧電磁器薄板6の異なる2つの電
気的境界条件下での位相速度差から算出した実効的電気
機械結合係数k2 とkd値との関係を示す特性図であ
る。但し、圧電磁器薄板6は、圧電磁器薄板6のガラス
側板面にすだれ状電極を設け空気側板面を電気的に開放
状態にしたものを用いている。高次モードのk2 は零次
モードに比べて大きな値を示す。
【0036】図16は圧電磁器薄板6の異なる2つの電
気的境界条件下での位相速度差から算出した実効的電気
機械結合係数k2 とkd値との関係を示す特性図であ
る。但し、圧電磁器薄板6は、圧電磁器薄板6のガラス
側板面を電気的に短絡状態にし空気側板面にすだれ状電
極を設けたものを用いている。
【0037】図17は圧電磁器薄板6の異なる2つの電
気的境界条件下での位相速度差から算出した実効的電気
機械結合係数k2 とkd値との関係を示す特性図であ
る。但し、圧電磁器薄板6は、圧電磁器薄板6のガラス
側板面を電気的に開放状態にし空気側板面にすだれ状電
極を設けたものを用いている。
【0038】図12〜17より、1次以上のモードでは
図1のパネルゲーム装置を伝搬する弾性表面波の速度が
ガラス基板5単体を伝搬する弾性表面波の速度と等しい
ときk2 が最大値を示すことがわかる。
【0039】図14〜17より、圧電磁器薄板6のガラ
ス側板面にすだれ状電極を設け空気側板面を電気的に短
絡状態にした構造においてすだれ状電極に加えられる電
気的エネルギーが弾性表面波に変換される度合が大きく
なることがわかる。
【0040】図1に示すパネルゲーム装置においてガラ
ス基板5に弾性表面波を励振する場合、圧電磁器薄板6
とガラス基板5との界面で音響インピーダンスの不整合
等によって生じる反射等を考慮する必要がある。反射係
数を最小にする手段としては、パネルゲーム装置におけ
る表面波速度とガラス基板5単体の表面波速度とが等し
くなるようにパネルゲーム装置を設計すること、表面波
の波長λに対する圧電磁器薄板6の厚さdの割合(d/
λ)が小さくなるようにパネルゲーム装置を設計するこ
と等が挙げられる。d値が一定である場合には3次より
は2次、2次よりは1次モードの方が有効である。
【0041】
【発明の効果】本発明のパネルゲーム装置によれば、超
音波デバイスAのすだれ状電極Pi(i=1,2,…
…,N)から電気信号を入力する構造を採用することに
より、すだれ状電極Piに接触する部分の非圧電基板の
板面Z1に1次モードまたは2次以上のモードの弾性表
面波を励振させることができる。このときこの弾性表面
波の位相速度が非圧電基板単体における弾性表面波の伝
搬速度にほぼ等しくなるような構造を採用することによ
り、すだれ状電極Piから加えられる電気的エネルギー
が弾性表面波に変換される度合を大きくすることができ
るだけでなく、圧電薄板と非圧電基板との界面での音響
インピーダンスの不整合等によって生じる反射等を除去
することができる。このようにして、低消費電力で高電
圧を印加すること無しに効率良く弾性表面波を非圧電基
板の板面Z1に励振することができる。
【0042】本発明のパネルゲーム装置によれば、超音
波デバイスBとしてすだれ状電極Piそれぞれに対応し
て少なくとも2組のすだれ状電極Qi-1(i=1,2,
……,N)およびQi-2(i=1,2,……,N)を備
えた構造を採用し、すだれ状電極Qi-1およびQi-2を出
力用としている。すだれ状電極Qi-1およびQi-2のそれ
ぞれをすだれ状電極Piに対し弾性表面波の送受波の指
向軸が共通になるよう配置する構造を採用することによ
り、非圧電基板の板面Z1に励振されている弾性表面波
をすだれ状電極Qi-1およびQi-2から電気信号として出
力させることができる。板面Z1における弾性表面波の
伝搬路(すなわちすだれ状電極PiとQi-1との間および
iとQi-2との間)を触指することにより板面Z1に励
振されている弾性表面波が消滅または減衰するから、す
だれ状電極Qi-1およびQi-2に出力される電気信号も消
滅または減衰する。このようにして、本発明のパネルゲ
ーム装置は応答時間が短く感度が良い。
【0043】すだれ状電極Piにすだれ状電極Piの電極
周期長にほぼ対応する少なくとも2種類の周波数の電気
信号を入力する構造を採用することにより、非圧電基板
の板面Z1に該電極周期長にほぼ等しい波長を有する少
なくとも2種類の弾性表面波を励振することができる。
また、板面Z1に励振された弾性表面波をその波長に応
じてすだれ状電極Qi-1およびQi-2から電気信号として
出力することができる。すだれ状電極Pi,Qi-1および
i-2として少なくとも2つの電極周期長L1およびL
2を有する構造を採用することにより、すだれ状電極P
iに電極周期長L1またはL2にほぼ相応する周波数の
電気信号を入力することができる。従って、非圧電基板
の板面Z1に電極周期長L1またはL2にほぼ等しい波
長の弾性表面波を励振することができる。また、非圧電
基板の板面Z1に励振されている電極周期長L1または
L2にほぼ等しい波長を有する弾性表面波をすだれ状電
極Qi-1およびQi-2から電気信号として出力させること
ができる。超音波デバイスAおよびBを電極周期長が小
さい方の電極指が互いに内側になるように、つまり電極
間距離が小さくなるように配置することにより、非圧電
基板に励振する弾性表面波の減衰を抑制することができ
る。これは、電極周期長が小さいほど高周波の弾性表面
波が非圧電基板に励振され、高周波の弾性表面波ほど減
衰されやすいことを解決するためのものである。
【0044】表示画面が少なくとも2種類の色で情報を
表示するような構造を採用し、すだれ状電極Piに入力
する電気信号の周波数と表示画面の色とを対応させる構
造を採用することにより、表示画面の同一箇所に周波数
を切り換えることによって別々に色分けされた情報を入
力することが可能になる。
【0045】超音波送受波装置を少なくとも2つ備えた
構造を採用し、しかも1つの超音波送受波装置における
超音波デバイスA,B間の弾性表面波の伝搬路と、別の
超音波送受波装置における超音波デバイスA,B間の弾
性表面波の伝搬路とを互いに直交させる構造を採用する
ことにより、板面Z1における触指部分の特定ができ
る。これは超音波送受波装置の数が多い程きめ細かな特
定が可能となる。従って、すだれ状電極Piに入力する
電気信号の周波数を切り換えることにより別々に色分け
された情報を入力することが可能となる。
【0046】すだれ状電極Qi-1のそれぞれの出力端を
互いに電気的に接続点N1で接続し、すだれ状電極Q
i-2のそれぞれの出力端を互いに電気的に接続点N2で
接続した構造を採用し、それぞれの接続点N1およびN
2に出力される遅延電気信号を感知できる構造を採用す
ることにより回路構成が簡略化される。すだれ状電極P
iに電気信号を入力する手段として、出力端がすだれ状
電極Piの入力端にそれぞれ接続されたN個のスイッチ
i(i=1,2,……,N)を設けスイッチSiを順次
に所定の周期で電気的にそれぞれ断続する構造を採用す
ることにより、スイッチSiを断続すればすだれ状電極
iに順次に所定の周期で電気信号を入力することがで
きる。スイッチSiのそれぞれの入力端を互いに電気的
に接続点NSで接続し、接続点N1を増幅器を介して接
続点NSに電気的に接続する構造を採用することによ
り、すだれ状電極PiからQi-1に至る間の板面Z1で成
る弾性表面波の伝搬路Di(i=1,2,……,N)を
遅延素子とする発振器Hi(i=1,2,……,N)を
構成することができる。発振器Hiの信号ループはすだ
れ状電極Piと、伝搬路Diと、すだれ状電極Qi-1と、
増幅器とから成る。このようにして、回路構成がさらに
簡略化されることから装置の小型軽量化が可能となり、
しかも低消費電力で低電圧での駆動が可能となる。板面
Z1上における弾性表面波の伝搬路のうちたとえばすだ
れ状電極P1とQ1-1との間を触指した場合には、すだれ
状電極P1に電気信号が入力されているときに限って接
続点N1に出力される遅延電気信号が減衰または消滅す
る。このようにして触指位置を明確に指定することが可
能になる。
【0047】超音波デバイスにおける圧電薄板の厚さを
すだれ状電極の電極周期長以下にし、すだれ状電極の電
極周期長を1次モードまたは2次以上のモードの弾性表
面波の波長にほぼ等しくする構造を採用することによ
り、すだれ状電極から加えられる電気的エネルギーが弾
性表面波に変換される度合を大きくすることができるだ
けでなく、圧電薄板と非圧電基板との界面での音響イン
ピーダンスの不整合等によって生じる反射等を除去する
ことができる。なお、すだれ状電極の電極周期長すなわ
ち弾性表面波の波長λに対する圧電薄板の厚さdの割合
(d/λ)が小さいほど効果は大きい。
【0048】圧電薄板として圧電セラミック、PVDF
その他の高分子圧電フィルムを採用することにより、非
圧電基板に効率よく1次モードまたは2次以上のモード
の弾性表面波を励振することができる。圧電セラミック
はその分極軸の方向を厚さ方向と一致させる構造を採用
することにより、非圧電基板に効率よく1次モードまた
は2次以上のモードの弾性表面波を励振することができ
る。
【0049】すだれ状電極を圧電薄板と非圧電基板との
界面に設けた構造を採用することにより、すだれ状電極
に加えられる電気的エネルギーを効率よく弾性表面波に
変換することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパネルゲーム装置の一実施例を示す平
面図。
【図2】図1のパネルゲーム装置における超音波デバイ
ス1および3を示す平面図。
【図3】図1のパネルゲーム装置の断面図。
【図4】図1のパネルゲーム装置に用いられているすだ
れ状電極の代わりに用いられるすだれ状電極の一実施例
を示す平面図。
【図5】図1のパネルゲーム装置を遅延線発振器を形成
して駆動する場合の構成図。
【図6】図5の構成図における各部〜における波形
図。
【図7】すだれ状電極T1,R11間における周波数に対
する挿入損失の関係を示す特性図。
【図8】すだれ状電極T1,R11間における周波数に対
する挿入損失の関係を示す特性図。
【図9】3.96MHzのrfパルスを印加した場合の
すだれ状電極T1,R11間における応答特性を示す図。
【図10】3.96MHzのrfパルスを印加した場合
のすだれ状電極T1,R11間における応答特性を示す
図。
【図11】図5に示す遅延線発振器における発振のスペ
クトルを示す特性図。
【図12】図1のパネルゲーム装置のガラス基板5を伝
搬する弾性表面波の速度分散曲線を示す特性図。
【図13】図1のパネルゲーム装置のガラス基板5を伝
搬する弾性表面波の速度分散曲線を示す特性図。
【図14】圧電磁器薄板6の異なる2つの電気的境界条
件下での位相速度差から算出した実効的電気機械結合係
数k2 とkd値との関係を示す特性図。
【図15】圧電磁器薄板6の異なる2つの電気的境界条
件下での位相速度差から算出した実効的電気機械結合係
数k2 とkd値との関係を示す特性図。
【図16】圧電磁器薄板6の異なる2つの電気的境界条
件下での位相速度差から算出した実効的電気機械結合係
数k2 とkd値との関係を示す特性図。
【図17】圧電磁器薄板6の異なる2つの電気的境界条
件下での位相速度差から算出した実効的電気機械結合係
数k2 とkd値との関係を示す特性図。
【符号の説明】
1,2,3,4 超音波デバイス 5 ガラス基板 6 圧電磁器薄板 7 表示画面 T1,T2,T3,T4 すだれ状電極 R11,R12,R13,R14,R21,R22,R23,R24
すだれ状電極 R31,R32,R33,R34,R41,R42,R43,R44
すだれ状電極

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波デバイスAおよびBで成る超音波
    送受波装置を非圧電基板の一方の板面Z1に少なくとも
    2つ設け、前記非圧電基板のもう一方の板面Z2に少な
    くとも2種類の色で表示される表示装置の表示画面を設
    けて成るパネルゲーム装置において、 前記超音波デバイスAはN組のすだれ状電極Pi(i=
    1,2,……,N)を圧電薄板aに備えて成り、前記超
    音波デバイスBは前記すだれ状電極Piにそれぞれ対応
    するN個のすだれ状電極群Qi(i=1,2,……,
    N)を圧電薄板bに備えて成り、これらのすだれ状電極
    群Qiはそれぞれ少なくとも2組のすだれ状電極Qi-1
    よびQi-2で成り、 前記すだれ状電極Piの電極周期長にほぼ対応する少な
    くとも2種類の周波数の電気信号を前記すだれ状電極P
    iに入力し、前記電極周期長にほぼ等しい波長を有する
    少なくとも2種類の弾性表面波を前記板面Z1に励振す
    る手段と、 前記板面Z1に励振された該弾性表面波の波長に応じて
    前記すだれ状電極Qi- 1およびQi-2に現れる電気信号を
    出力する手段とが設けてあり、 1つの前記超音波送受波装置における前記超音波デバイ
    スA,B間の弾性表面波の伝搬路と、別の前記超音波送
    受波装置における前記超音波デバイスA,B間の弾性表
    面波の伝搬路とが互いに直交していて、 前記板面Z1における前記弾性表面波の伝搬路の一部に
    人指または物体が接触したことを、前記すだれ状電極Q
    i-1およびQi-2に出力される前記電気信号の大きさから
    感知し、 前記すだれ状電極Piに入力する電気信号の周波数と前
    記表示画面の前記色とを対応させる手段が設けられてい
    ることを特徴とするパネルゲーム装置。
  2. 【請求項2】 前記すだれ状電極Qi-1のそれぞれの出
    力端は互いに電気的に接続点N1で接続されており、前
    記すだれ状電極Qi-2のそれぞれの出力端は互いに電気
    的に接続点N2で接続されており、 前記すだれ状電極Piに電気信号を入力する手段は、出
    力端が前記すだれ状電極Piの入力端にそれぞれ接続さ
    れたN個のスイッチSi(i=1,2,……,N)と、
    該スイッチSiを順次に所定の周期で電気的にそれぞれ
    断続するスイッチ制御手段とを含み、 前記スイッチSiのそれぞれの入力端は互いに電気的に
    接続点NSで接続され、前記接続点N1は増幅器を介し
    て前記接続点NSに電気的に接続され、 前記すだれ状電極Piから前記すだれ状電極Qi-1に至る
    間の前記非圧電基板で成る弾性表面波の伝搬路Di(i
    =1,2,……,N)を遅延素子とする発振器Hi(i
    =1,2,……,N)が構成されていて、 前記発振器Hiの信号ループは前記すだれ状電極Piと、
    前記伝搬路Diと、前記すだれ状電極Qi-1と、前記増幅
    器とから成り、 前記板面Z1における弾性表面波の伝搬路の一部に人指
    または物体が接触したことを、前記接続点N1および前
    記接続点N2に現れる電気信号の大きさから感知するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のパネルゲーム装置。
  3. 【請求項3】 前記すだれ状電極Pi,Qi-1およびQ
    i-2における電極周期長にはそれぞれ少なくともL1と
    L2との2つが有り前記電極周期長L1またはL2にほ
    ぼ対応する周波数の電気信号を前記すだれ状電極Pi
    入力し、前記電極周期長L1またはL2にほぼ等しい波
    長の弾性表面波を前記板面Z1に励振する手段と、 前記板面Z1に励振された該弾性表面波の波長に応じて
    前記すだれ状電極Qi- 1およびQi-2に現れる電気信号を
    出力する手段とが設けてあることを特徴とする請求項1
    または2に記載のパネルゲーム装置。
  4. 【請求項4】 前記圧電薄板aの厚さは前記すだれ状電
    極Piの電極周期長以下であり、前記圧電薄板bの厚さ
    は前記すだれ状電極Qi-1およびQi-2の電極周期長以下
    であって、 前記すだれ状電極Pi,Qi-1およびQi-2の電極周期長
    は1次モードまたは2次以上のモードの弾性表面波の波
    長にほぼ等しいことを特徴とする請求項1,2または3
    に記載のパネルゲーム装置。
  5. 【請求項5】 前記1次モードまたは2次以上の前記モ
    ードの弾性表面波の位相速度は前記非圧電基板単体に励
    振される弾性表面波の伝搬速度にほぼ等しいことを特徴
    とする請求項4に記載のパネルゲーム装置。
  6. 【請求項6】 前記圧電薄板aまたはbが圧電セラミッ
    クで成り、該圧電セラミックの分極軸の方向は該圧電セ
    ラミックの厚さ方向と平行であることを特徴とする請求
    項1,2,3,4または5に記載のパネルゲーム装置。
  7. 【請求項7】 前記圧電薄板aまたはbがPVDFその
    他の高分子圧電フィルムで成ることを特徴とする請求項
    1,2,3,4または5に記載のパネルゲーム装置。
  8. 【請求項8】 前記圧電薄板aまたはbは前記すだれ状
    電極が設けられている方の板面を介して前記板面Z1に
    固着されていることを特徴とする請求項1,2,3,
    4,5,6または7に記載のパネルゲーム装置。
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