JPH0614911A - X線診断方法及びその装置 - Google Patents

X線診断方法及びその装置

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JPH0614911A
JPH0614911A JP4175776A JP17577692A JPH0614911A JP H0614911 A JPH0614911 A JP H0614911A JP 4175776 A JP4175776 A JP 4175776A JP 17577692 A JP17577692 A JP 17577692A JP H0614911 A JPH0614911 A JP H0614911A
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Michitaka Honda
道隆 本田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被写体へのX線照射量を増加することなく、
高精度の定量性をもって診断を行うことができるX線診
断方法及びその装置を提供すること。 【構成】 本発明のX線診断方法は、被写体を透過する
X線を検出する検出器から出力されるX線データに基づ
いて画像を表示するX線診断装置において、前記被写体
を構成する物質のそれぞれの厚さに基づいて前記被写体
を構成する物質毎に散乱X線像の分布をそれぞれ推定す
るステップと、物質毎に推定された前記散乱X線像の和
をとって得られた散乱X線像を前記原画像から除去する
ステップと、を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線を被写体に照射す
ることにより得られる透過X線情報に基づく可視画像に
より医用診断を可能とするX線診断方法及びその装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、2次元X線撮影装置において、撮
影された画像から被写体に含まれる特定の物質の量を高
精度で測定すること、例えば、骨塩定量装置により骨の
中のカルシウム量を正確に測定すること等が要求されて
いる。しかし、X線撮影装置では、散乱X線の影響によ
り被写体中に含まれる各物質量の正確な測定が困難であ
った。
【0003】これを図6を参照して説明する。図6は、
物質a、bからなる均一な厚さt1の被写体で、物質b
が中心のみに位置する場合を示している。このような被
検体にX線を照射して物質bの厚さt2 を求める例を以
下に示す。この場合、被写体中に含まれる物質bの厚さ
は、被写体を通過したX線量I1及びI2 を用いること
によって、次の式で求められる。
【0004】
【数1】 上式において、物質aの吸収係数(μ1 )と物質bの吸
収係数(μ2 )は予め求められているものと仮定する。
【0005】ここで、骨塩定量を行う場合にμ1 を筋
肉、皮膚などの軟部組織の吸収係数、μ2 をカルシウム
の吸収係数として予め求めておくことにより、被検体の
各物質の厚さを推定することができる。更に、エネルギ
ーを2種類変えて被写体を撮影することにより、より正
確に各物質の厚さを推定する方法も知られている。
【0006】図6では、t1 に対するI1 の測定値は正
確に測定できるが、図7に示すように被写体の厚みが均
一でない場合には、t1 に対するI1 の測定値が正確に
測定できない。なぜならば、図7では、図6に対応する
被写体の厚さt1 のみに対応する部分がないので、図6
に対応するようなt1 の測定ができない。
【0007】図7によれば、被写体の厚さt1 はL1
パス上のみで与えられている。従って、被写体の厚さt
1 中に物質bの厚さt2 が含まれている場合の測定値で
あるI2 は測定することが可能である。しかし、物質a
のみのt1 の厚さの箇所は図6と異なり、図7中には該
当する箇所ないので、t1 に対応するI1 の測定値は得
られない。このような場合には、X線エネルギーを変え
て2回X線撮影を行うことによって問題を解決する方法
が知られている。X線のエネルギーを変えて、2回X線
撮影を行うことによって、上記のt1 及びt2 が推定で
きる理由を以下に記載する。高エネルギー撮影(記号と
してサフィックスHを用いる)と低エネルギー撮影(サ
フィックスL)で被写体を2度撮影すると、前述(2)
式の替わりに、
【0008】
【数2】 が得られる。(2)′式及び(2)″式からt1 を消去
すると、
【0009】
【数3】 が得られる。
【0010】(3)′式より、X線の照射量X0H及びX
0Lと、測定値I2H及びI2Lと、予め各エネルギーで求め
ていた物質a及び物質bの吸収係数μ1H、μ1L、μ2H
及び、μ2Lとからt2 を推定することができる。この方
法によれば(2)′式及び
【0011】(2)″式からt2 の項を消去し、t1
厚みを求めることもできる。更に、本方法によれば、L
1 を移動させて画面全体に対してt1 及びt2 の厚みを
求めることも可能であるので、厚み分布を推定するため
にも用いられる。上記のように、一般にX線装置におい
ては、被写体の物質やその厚みを推定する場合は、すべ
て上記(1)式から(3)の式を中心に展開、応用され
る。しかし、現実には、上記(1)式及び(2)式は、
散乱X線成分を考慮していないので、厳密には成立しな
いことが多い。散乱X線を考慮した場合の(1)式及び
(2)式は、
【0012】
【数4】 のように更にS1 及びS2 の散乱線成分が加わる式で表
現される。従って、(3)式にはS1 及びS2 による誤
差が生じることになる。この散乱X線を補正する技術と
してフィルタ法が知られている。この補正方法は、原画
像を撮影した条件をもとに、散乱X線分布を推定し、原
画から散乱X線成分を減じる方法である。
【0013】しかし、この補正技術は、被写体を均一な
物質で構成されると仮定した方法である。すなわち、物
質bが実際には被写体に含まれていても物質aとみなし
て補正する方法である。本補正技術は被写体の多くが筋
肉などの軟部組織のみで構成されていたり、骨が軟部組
織に比べ少量の場合は補正の精度は高い。しかし、例え
ば、骨髄定量の対象として距骨(かかとの骨)や骨髄部
を撮影する場合には、軟部組織に比べて骨の量は無視で
きない。このため、補正精度が悪くなる。
【0014】一方、鉛アレイを通した場合の撮影と通さ
ない場合の撮影の2回の撮影を行って、散乱X線を空間
的にサンプリングし、それを補間することによって全体
の散乱X線分布を求める手法も知られている。この手法
は被写体にいかなる物質が含まれていても、実際の散乱
X線量をサンプリングするため、フィルタ法のような欠
点はない。しかし、鉛アレイを通した場合の撮影と通さ
ない場合の撮影の2回の撮影を行う必要があり(通して
撮影すると散乱線分布が得られ、通さない撮影の画像か
ら減じることによって散乱X線を除去する)、被写体へ
のX線防護とX線管球への負荷が2倍になるという欠点
があった。この手法では、2回のエネルギー変化による
撮影でも、各々に更に2回ずつX線を当てて散乱X線を
補正しなければならない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
補正法は、以下のような問題があった。
【0016】(1) フィルタ法では、被写体が均一な
物質で構成されると仮定していることから、補正対象と
なる物質以外の物質が多く含まれている場合は、補正精
度の低下を招く。 (2) 鉛アレイを使用した補正法では、補正精度は高
められるが、撮影する回数が多くなるので、被写体への
被ばく量及びX線管への負荷が増加する。
【0017】本発明は、上記の事情に基づいてなされた
もので、被写体へのX線照射量を増加することなく、高
精度の定量性をもって診断を行うことができるX線診断
方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために次のような手段を講じた。
【0019】本発明のX線診断方法は、被写体を透過す
るX線を検出する検出器から出力されるX線データに基
づいて画像を表示するX線診断装置において、前記被写
体を構成する物質のそれぞれの厚さに基づいて前記被写
体を構成する物質毎に散乱X線像の分布をそれぞれ推定
するステップと、物質毎に推定された前記散乱X線像の
和をとって得られた散乱X線像を前記原画像から除去す
るステップと、を備えた。
【0020】本発明のX線診断装置は、被写体を透過す
るX線を検出する検出器から出力されるX線データに基
づいて画像を表示するX線診断装置であって、前記被写
体にX線を照射し、得られた画像を原画像として格納す
る原画像格納手段と、前記前記被写体を構成する各物質
の厚みに基づいて、前記被写体を構成する各物質毎の散
乱X線像の分布を推定する散乱X線像分布推定手段と、
前記散乱X線像分布推定手段によって推定された各物質
毎の散乱X線像の分布の和をとり、前記原画像格納手段
に格納された原画像から減算する散乱X線除去手段と、
を備えた。
【0021】本発明方法及びその装置は、基本的には、
フィルタ法に基づく散乱X線補正の方法である。前述し
たようなX線のエネルギーを2回変えることによって、
求めたい物質の厚み(t2 )を推定する際の本発明の基
本アルゴリズムを示す。但し、本アルゴリズムは、物質
の種類を2種類として記載する。 (1) X線エネルギーを少なくとも2回変えて撮影す
る。 (2) 各々に従来の散乱X線補正を施す(フィルタ
法)。 (3) 散乱X線補正を施した結果でt1 、t2 の各々
の厚み分布を求める。 (4) 物質aの厚み分布(t1 の分布)に対して従来
の散乱X線補正法を用いて散乱X線分布を推定する(各
々のX線エネルギーに対して)。 (5) 同様に物質bに対しても行う。 (6) (4)と(5)の結果の和をとる。 (7) 高エネルギーの撮影による画像からは(6)で
得られた高エネルギーの散乱X線分布を減じ、低エネル
ギーの画像に対しても同様に行う。 上記のような方法により、高エネルギー、低エネルギー
別々に散乱X線補正が精度良く行われた画像が得られ
る。
【0022】
【作用】上記手段を講じることにより、各物質毎に、散
乱線分の寄与を補正するので、高精度に被写体の定量的
な診断ができる。
【0023】
【実施例】図面を参照して、以下本発明に係るX線診断
方法及びその装置の一実施例を示す。図1は本発明の一
実施例に係るX線診断装置の概略構成を示すブロック図
である。
【0024】図1において、本発明のX線診断装置は、
X線管1と、検出器2と、照射条件設定部4と、アナロ
グ/テジタル変換器5(以下、A/D変換器5)と、原
画像格納部6と、厚み推定部7と、基準散乱X線像格納
部8と、散乱X線像除去部9と、表示部10とを具備す
る。各部の機能は以下の通りである。
【0025】X線管1は、照射条件設定部4で設定され
たX線管の照射条件(例えば、管電圧、照射時間、系の
ゲイン等)により、X線を発生する。検出器2はX線管
に対向して配置されていて、X線管1との間に被写体3
が配置されるようになっている。A/D変換器5は検出
器2で検出された信号をテジタル信号に変換して、原画
像格納部6に出力する。原画像格納部6は前記A/D変
換器5で変換された信号を原画像として格納する。厚み
推定部7は前記原画像から前記被写体3を構成する各物
質の厚さをそれぞれ推定する。基準散乱X線像格納部8
は各物質の各X線エネルギーに対する基準散乱X線像を
格納する。基準散乱X線像とは、ここでは、物質の種類
及び厚さが既知であって、所定のX線のエネルギーに対
応するペンシルビームを照射した場合に得られる散乱X
線像をいう。また、この基準散乱X線像に対応するX線
量を基準散乱X線像の散乱X線レスポンス量という。散
乱X線像除去部9は、前記照射条件及び各物質の厚みに
基づいて、前記照射条件及び前記各物質の厚みに対応す
る前記基準散乱X線像を前記基準散乱X線像格納部8か
ら抽出して、その和をとり、原画像から前記得られた和
を除去する。表示部10はこの散乱X線像除去部9で得
られた画像を表示する。
【0026】まず、前記基準散乱X線像格納部8に格納
される前記基準散乱X線像を得る方法について図2を参
照して説明する。図2は前記基準散乱X線像格納部8に
格納される前記基準散乱X線像を得る手順を示すフロー
チャートである。
【0027】まず、基準となる被写体3を用意する。こ
の被写体3は予め正確に厚さが設定された数種類の厚さ
のものを用意する(ステップS11)。また、被写体3
の物質についても、診断で使用する可能性があると考え
られる数種類の物質を用意する。例えば、軟部組織に対
応するものとして水のファントム(厚み1〜30c
m)、骨部組織に対応するものとしてカルシウムファン
トム(厚み1〜20cm)を用意する。この厚さは例え
ば、1cmきざみの厚さものをそれぞれ各物質について
用意する。
【0028】次に、1番目の物質、例えば、水のファン
トム1cmに対し、X線を照射して、散乱X線データを
取得する(ステップS12)。この場合、例えば、X線
のエネルギーを60kVpとする。ステップS12の操
作をX線のエネルギーを変えて、例えば、100kVp
として行う(ステップS13)。1番目の物質の厚さを
変えて、例えば、水のファントム2cmとして、ステッ
プS12及びステップS13の操作を繰り返す(ステッ
プS14)。そして、2番目の物質、例えば、カルシウ
ムファントムについてステップS12からステップS1
4の操作を繰り返す(ステップS15)。最終的に、基
準となるすべての物質の散乱X線データを取得した時点
で、所望の基準散乱X線像が得られる(ステップS1
6)。
【0029】上記の操作において、基準散乱X線像の基
準散乱X線像格納部8への格納は特に示していないが、
X線の照射の都度基準散乱X線像を基準散乱X線像格納
部8に格納させても良いし、一定量のデータが得られた
時点で格納するようにしても良い。
【0030】また、上記の操作において、X線はペンシ
ルビームとし、この時、X線ペンシルビームのX線強度
p0H,L も同時に基準散乱X線像格納部8に記憶させて
おく。上記のようにして、基準散乱X線像が得られる。
次に、診断を行う場合の方法を図3に基づいて説明す
る。図3は、本発明の流れを説明するための示すフロー
チャートである。
【0031】本発明の流れを説明するに当たり、次のよ
うに仮定する。被写体を構成する物質は2種類であり、
物質の種類も既知であって、被写体の撮影条件は、高エ
ネルギー(第1のエネルギー、例えば、100kVpの
管電圧)と低エネルギー(第2のエネルギー、例えば、
60kVpの管電圧)の2つのエネルギーで撮影を行う
ものと仮定する。但し、本実施例の説明は便宜上被写体
に含まれる物質の種類を2種類とするが、被写体に含ま
れる物質の数に応じて、X線のエネルギーも変化させる
(例えば、被写体に含まれる物質の数が3種類であれ
ば、X線のエネルギーも3種類とする)。
【0032】まず、照射条件設定部4により、管電圧、
照射時間等の条件を設定し、この条件でX線管1によ
り、被写体3を照射する(ステップS21)。この被写
体3を通過したX線を検出器2で検出し、A/D変換器
5により、前記検出信号をテジタル信号に変換する。こ
のテジタル信号に変換された信号を原画像として原画像
格納部6に格納する(ステップS22)。
【0033】次に、前記原画像に基づいて厚み推定部7
により被写体3に含まれる各物質の厚みの推定を行う
(ステップS23)。本ステップは厚み分布測定を行う
ための前処理として行われる。本ステップにおいて、厚
み分布の推定は誤差を低くするために行われるので、厚
み分布の推定が完全に行われる必要はない。この厚み分
布の推定は次のように行われる。まず、撮影条件から従
来技術で使用されているフィルタ法を用いて散乱X線像
を推定する。次に、X線の各エネルギー毎に得られた原
画像からそれぞれのX線のエネルギーに対応する散乱X
線像を減じて散乱X線補正像を得る。本ステップでは、
被写体が均一でない物質で構成されていても、均一とみ
なして行っても良い。なぜならば、ここでは、厚み分布
推定の誤差低減を目的としており、完全に誤差をなくす
ことはできなくても補正を行わない場合に比べて低減す
る程度のものでよいからである。
【0034】ステップS23においてラフに散乱X線補
正を行った散乱X線補正像をもとにして(3)′式など
をもとにして被写体中に含まれる物質に対し、更に高低
エネルギー別に各物質の厚さに応じた散乱X線像を推定
する(ステップS24)。本ステップにおいて、被写体
に含まれる物質が物質aと物質bとした場合のそれぞれ
の散乱X線像を求める方法を、図4及び図5を参照して
詳細に説明する。物質aの厚み分布は、例えば、図4に
おける各位置での物質aの厚み分布をいう。図4におけ
る位置xに対する物質aの厚みt1xに対して、物質aの
厚みt1xと同じ厚みの基準散乱X線像の散乱X線レスポ
ンス量(図5参照)を基準散乱X線像格納部8から取り
出し、そのまま位置xにおける物質aの散乱X線レスポ
ンス量とする。次に、位置xから位置を少しずらして
(x+Δx)、この位置の厚みに対応する散乱X線レス
ポンス量を位置xと同様に求め、位置x+Δxにおける
物質aの散乱X線レスポンス量とする。以後、位置を変
えながら、物質aに対する散乱X線レスポンス量を所定
の位置について求める。最終的に、前記各位置において
求められた散乱X線レスポンス量をそれぞれの位置で加
えることにより物質aの散乱X線分布が求められる。こ
の時、散乱X線分布はX線強度Xp0H,L で正規化してお
く必要がある。例えば、高エネルギーに対しては、X線
0Hを照射しているので、予め測定しておいたレスポン
ス量はX0H/Xp0H を乗じて、上記の操作を行う必要が
ある。この操作を物質a及び物質bの各々の高低エネル
ギーに対して行うことにより、各々の散乱X線像が求め
られる。
【0035】次に、高エネルギーX線照射によって上記
のようにして得られた物質aと物質bの散乱X線像を加
えることによって、高エネルギーX線照射時の全体の散
乱X線像を求める(ステップS25)。低エネルギーX
線照射においても、高エネルギーX線照射と同様に散乱
X線像を求める。被写体は物質aと物質bで構成されて
おり、全体の散乱線像は物質aと物質bの散乱X線像の
和で表されるので、本ステップにより、被写体の正確な
散乱X線像が得られる。
【0036】最終的に、この散乱X線像を原画像から減
じることによって、高エネルギー及び低エネルギー照射
によって得られた原画像のそれぞれについて散乱X線補
正が行われる(ステップS26)。
【0037】上記のようにして、散乱X線を補正するこ
とにより、(1)式〜(3)式及び(2)′式、
(2)″式及び(3)′式が成立する。従って、本発明
により、骨塩定量装置やその他のX線定量診断に対して
高精度の定量を可能にすることができる。本発明は、上
記実施例に限定されない。
【0038】実施例では、被写体の物質a及び物質bの
各々のラフな厚み分布を推定するために従来の散乱X線
補正法を用いた例で説明したが、従来の散乱X線補正法
により厚み推定の正確さを必要としない被写体の厚みが
薄い場合などは、原画像をそのまま用いてラフな厚みを
求めて本発明を適用しても良い。
【0039】また、被写体を構成する複数の物質の厚み
が予め計測できる場合には、この計測された厚みをその
まま用いても良い。この場合は、高エネルギーX線と低
エネルギーX線との2種類のエネルギーのX線を用いる
必要はなく、1種類のエネルギーのみで撮影された画像
に対して本発明を適用することもできる。
【0040】更に、本実施例は、被写体の中に物質が2
種類ある場合について述べたが、3種類以上ある場合に
ついても同様である。構成する物質がn種類の時は、X
線エネルギーもn種類必要になるが、本実施例と同様、
n種の物質毎に厚みを求め、散乱X線分布を各々求める
ことによって、n種のエネルギーの各々の像に対して補
正を行うことが可能である。その他、本発明の要旨を変
更しない範囲で種々変形して実施できるのは勿論であ
る。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、各物質毎に散乱線分の
寄与を補正するので、高精度に被写体の定量的な診断が
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る概略構成を示すブロッ
ク図。
【図2】基準散乱X線像を求めるためのフローチャー
ト。
【図3】本発明の流れを説明するための示すフローチャ
ート。
【図4】散乱X線像の算出について説明するための図。
【図5】散乱X線像の算出について説明するための図。
【図6】従来の技術を説明するための図。
【図7】従来の技術において物質の厚さが測定できない
例を示す図。
【符号の説明】
1…X線管、2…検出器、3…被写体、4…照射条件設
定部、5…A/D変換器、6…原画像格納部、7…厚み
推定部、8…基準散乱X線像格納部、9…散乱X線像除
去部、10…表示部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体を透過するX線を検出する検出器
    から出力されるX線データに基づいて画像を表示するX
    線診断方法において、 前記被写体を構成する物質のそれぞれの厚さに基づいて
    前記被写体を構成する物質毎に散乱X線像の分布をそれ
    ぞれ推定するステップと、 物質毎に推定された前記散乱X線像の和をとって得られ
    た散乱X線像を原画像から除去するステップと、を具備
    することを特徴とするX線診断方法。
  2. 【請求項2】 被写体を透過するX線を検出する検出器
    から出力されるX線データに基づいて画像を表示するX
    線診断装置において、 前記被写体にX線を照射し、得られた画像を原画像とし
    て格納する原画像格納手段と、 前記前記被写体を構成する各物質の厚みに基づいて、前
    記被写体を構成する各物質毎の散乱X線像の分布を推定
    する散乱X線像分布推定手段と、 前記散乱X線像分布推定手段によって推定された各物質
    毎の散乱X線像の分布の和をとり、前記原画像格納手段
    に格納された原画像から減算する散乱X線除去手段と、
    を具備することを特徴とするX線診断装置。
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