JPH06148843A - 写真用処理組成物および処理方法 - Google Patents

写真用処理組成物および処理方法

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JPH06148843A
JPH06148843A JP30131692A JP30131692A JPH06148843A JP H06148843 A JPH06148843 A JP H06148843A JP 30131692 A JP30131692 A JP 30131692A JP 30131692 A JP30131692 A JP 30131692A JP H06148843 A JPH06148843 A JP H06148843A
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JP
Japan
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group
acid
solution
compounds
processing
Prior art date
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JP30131692A
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English (en)
Inventor
Hisashi Okada
久 岡田
Morio Yagihara
盛夫 八木原
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】生分解性を有し、金属イオンの混入による沈殿
やスラッジの発生、処理液成分の分解等を防止する。 【構成】式の化合物を含有する写真用処理液及びそれを
用いた処理方法。(式中、R1 及びR2 は水素原子、脂
肪族基等を、L1 〜L4 はアルキレン基を、Wはアルキ
レン基等を、nは0又は1を、A1 〜A4 はカルボキシ
ル基等を表わす。) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料用の処理組成物及びそれを用いた処理方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ハロゲン化銀黒白写真感光材
料は、露光後、黒白現像、定着、水洗等の処理工程によ
り処理され、ハロゲン化銀カラー写真感光材料(以下、
カラー感光材料という。)は、露光後、発色現像、脱
銀、及び水洗、安定化等の処理工程により処理される。
ハロゲン化銀カラー反転感光材料は露光後、黒白現像、
反転処理後に発色現像、脱銀、水洗、安定化等の処理工
程により処理される。
【0003】カラー現像において発色現像工程では、感
光したハロゲン化銀粒子が発色現像主薬により還元され
て銀となるとともに、生成した発色現像主薬の酸化体
は、カプラーと反応して画像色素を形成する。引き続き
行われる脱銀工程では、現像工程で生じた現像銀が酸化
作用を有する漂白剤により銀塩に酸化され(漂白)、さ
らに可溶性銀を形成する定着剤によって未使用のハロゲ
ン化銀とともに、感光層より除去される(定着)。漂白
と定着は、それぞれ独立した漂白工程、定着工程として
行われる場合と、漂白定着工程として同時に行われる場
合とがある。これらの処理工程及びその組成の詳細は、
ジェームス著「ザ・セオリー・オブ・フォトグラフィッ
ク・プロセス」(第4版)(James, "The Theory of Pho
tographic Process" 4'th edition)(1977)、リサ
ーチ・ディスクロージャーNo. 17643の28〜29
頁、同No. 18716の651左欄〜右欄、同No. 30
7105の880〜881頁等に記載されている。上記
の基本的な処理工程のほか、色素画像の写真的、物理的
品質を保つため、あるいは処理の安定性を保つため等の
目的で、種々の補助的な工程が付け加えられる。例え
ば、水洗工程、安定化工程、硬膜工程、停止工程等が挙
げられる。
【0004】上記の処理工程は、自動現像機により行わ
れるのが一般的で、大型の自動現像機を設置した大規模
な現像所から、近年ではミニラボと呼ばれる小型の自動
現像機を店頭に設置する写真店まで、写真処理はさまざ
まな所で行われるようになり、これにともなって、処理
性能の低下が起きる場合が生じてきた。その大きい原因
のひとつに、金属イオンの処理液への混入が挙げられ
る。種々の金属イオンがさまざまな経路を通じて処理液
に混入する。例えば、処理液を調合する際に用いる水を
通じて、カルシウム、マグネシウム、またある場合には
鉄イオンが、また、感光材料のゼラチンにふくまれるカ
ルシウムが処理液に混入する。また、漂白定着液に用い
ている鉄キレートが、液がはねて前浴の現像液に混入し
たり、またフィルムに含浸した液が持ち込まれること
で、前浴に含まれるイオンが持ち込まれる事もある。混
入したイオンの影響は、イオンと処理液により異なる。
現像液に混入したカルシウム、マグネシウムイオンは、
緩衝剤として用いられる炭酸塩と反応し、沈澱やスラッ
ジを生じ、現像機の循環系のフィルターの目詰まりや、
フィルムの処理汚れなどの問題を引き起こす。また鉄イ
オン等の遷移金属塩の現像液への混入では、パラフェニ
レンジアミン系発色現像主薬やハイドロキノン、モノー
ルのような黒白現像主薬、又、さらにはヒドロキシルア
ミンや亜硫酸塩等の保恒剤の分解を通じて、著しい写真
性の低下が起こる。
【0005】また、過酸化水素、過硫酸塩を用いた漂白
液に鉄イオン等の遷移金属が混入すると、やはり液の安
定性が著しく低下し、漂白不良などの問題が起こる。定
着液においても、通常用いられるチオ硫酸塩の定着液で
は、遷移金属塩の混入で安定性の低下が起こり、液に濁
りや、スラッジが発生する。その結果として、自動機の
フィルターの目詰まりにより、循環流量が低下し、定着
不良が起こったり、フィルムに汚染汚れを発生したりす
る。このような定着液における現象は、定着液に後続す
る水洗水においても発生し、特に水洗水量を削減すると
タンク内の液交換率が低下し、硫化と呼ばれるチオ硫酸
塩の分解、硫化銀の沈殿生成の問題が極端に発生しやす
くなる。このような状態を呈するとフィルム表面に致命
的な汚れを生じることが多い。多量のカルシウム、マグ
ネシウムを含む硬水を用いて調液した安定液では、これ
らを栄養源としてバクテリアが発生し、液に濁りを発生
し、フィルム汚れを引き起こす。また、鉄イオンをはじ
めとする遷移金属系のイオンの混入では、これらがフィ
ルムに残留することで処理後のフィルムの保存性が悪化
する。以上述べてきたように、処理液への金属イオンの
混入は、様々な弊害を引き起こすため、有効なイオンの
隠蔽剤が強く望まれてきた。
【0006】前述の問題を解決する方法として、金属イ
オンを隠蔽するキレート剤が用いられてきた。例えば、
特公昭48−30496号、同44−30232号記載
のアミノポリカルボン酸類(例えば、エチレンジアミン
四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、等)、あるい
は、特開昭56−97347号、特公昭56−3935
9号及び西独特許第2,227,639号記載の有機ホ
スホン酸類、或いは特開昭52−102726号、同5
3−42730号、同54−121127号、同55−
126241号、同55−65956号等に記載のホス
ホノカルボン酸類、その他、特開昭58−195845
号、同58−203440号及び特公昭53−4090
0号等に記載の化合物を挙げる事が出来る。これらの化
合物のうちのいくつかは実用に供されているものの、そ
の性能は十分に満足すべきものではなかった。例えばエ
チレンジアミン四酢酸はカルシウムイオンに対する隠蔽
能は大きいものの、現像液に添加すると、鉄イオンの存
在下で現像薬や現像薬の保恒剤の分解を促進し、画像濃
度低下、かぶりの上昇などの写真性の悪化を招く。また
例えば、アルキリデンジホスホン酸は、鉄イオンの存在
下でも、このような悪作用を起こすことがないが、カル
シウムの多い硬水で調合された処理液で固形物を発生し
現像機の故障を起こすといったトラブルが発生してい
る。
【0007】また、近年、環境保全の観点から、写真処
理から発生する写真処理廃液の無害化が望まれ、特に生
分解容易な処理組成物が望まれてきたが、これまで実用
に供されている化合物では、生分解性と性能を充分に満
足するものはなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、金属イオンの混入によっても沈澱やスラッジの発生
しない写真用処理組成物及びそれを用いた処理方法を提
供することにある。本発明の第二の目的は、金属イオン
の混入によっても、処理液中の有効成分の減少や、写真
的な悪作用を及ぼす成分の生成がない、安定な処理組成
物及びそれを用いた処理方法を提供することである。本
発明の第三の目的は、生分解性や環境保全の観点から好
ましい処理組成物及びそれを用いた処理方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の方
法によって達成された。即ち、下記一般式(I)で表さ
れる化合物の少なくとも一種を含有する処理組成物及び
処理方法。 一般式(I)
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1 及びR2 は、水素原子、脂肪
族基、アリール基又はヘテロ環基を表す。L1 、L2
3 及びL4 はそれぞれアルキレン基を表す。Wはアル
キレン基、アリーレン基及び/又は二価のヘテロ環基を
含む連結基を表す。nは0又は1を表す。A1 、A2
3 及びA4 はそれぞれカルボキシ基、ホスホノ基、ス
ルホ基又はヒドロキシ基を表す。)
【0012】まず、一般式(I)で表される化合物につ
いて以下に詳細に説明する。R1 及びR2 で表される脂
肪族基としては、直鎖、分岐又は環状であってもよく、
好ましくは直鎖又は分岐のものである。また脂肪族基と
してはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げ
られるが、好ましくはアルキル基であり、より好ましく
は炭素数1ないし4のアルキル基である。脂肪族基は置
換されていてもよく、置換基としては、例えばアルキル
基(例えばメチル、エチル、iso−プロピル)、アラ
ルキル基(例えばフェニルメチル)、アルケニル基(例
えばアリル)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキ
シ)、アリール基(例えばフェニル、p−メチルフェニ
ル)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、スル
ホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ)、ウ
レイド基(例えばメチルウレイド)、アルコキシカルボ
ニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ア
リールオキシ基(例えばフェニルオキシ)、スルファモ
イル基(例えばメチルスルファモイル)、カルバモイル
基(例えばカルバモイル、メチルカルバモイル)、メル
カプト基、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、カル
ボキシルメチルチオ)、アリールチオ基(例えばフェニ
ルチオ)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル)、
スルフィニル基(例えばメタンスルフィニル)、ヒドロ
キシ基、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フ
ッ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ホ
スホノ基、アリールオキシカルボニル基(例えばフェニ
ルオキシカルボニル)、アシル基(例えばアセチル、ベ
ンゾイル)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシ
カルボニル)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ)、
アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、スルホンア
ミド基(例えばメタンスルホンアミド)、ニトロ基、ヒ
ドロキサム酸基などが挙げられる。
【0013】上記置換基で炭素原子を有する場合、好ま
しくは炭素数1〜10のものであり、より好ましくは1
〜4のものである。R1 及びR2 で表されるアリール基
は、置換基を有してもよい、単環又は二環の芳香族炭化
水素基である。好ましくは、置換基を有してもよいフェ
ニル基若しくはナフチル基であり、更に好ましくは置換
基を有してもよいフェニル基である。 R1 及びR2
表されるアリール基の置換基としては、例えばR1 及び
2で表される脂肪族基が有してもよい置換基として挙
げたものが適用できる。
【0014】R1 及びR2 で表されるヘテロ環基は、窒
素原子、酸素原子又は硫黄原子のうち少なくとも一つを
含む3〜10員のヘテロ環基であり、飽和であっても不
飽和であってもよく、これらは単環であっても、さらに
他の芳香環もしくはヘテロ環と縮合環を形成してもよ
い。ヘテロ環としては、好ましくは5〜6員の不飽和ヘ
テロ環である。ヘテロ環としては、例えばピリジン、ピ
ラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、テトラ
ジン、チオフェン、フラン、ピラン、ピロール、イミダ
ゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オ
キサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チ
アジアゾール、チアントレン、イソベンゾフラン、クロ
メン、キサンテン、フェノキサチイン、インドリジン、
イソインドール、インドール、トリアゾール、トリアゾ
リウム、テトラゾール、キノリジン、イソキノリン、キ
ノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キ
ナゾリン、シンノリン、プテリンジン、カルバゾール、
カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、プテリジ
ン、フェナントロリン、フェナジン、フェノチアジン、
フェノキサジン、クロマン、ピロリン、ピラゾリン、イ
ンドリン、イソインドリンなどが挙げられる。好ましく
は、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、チ
オフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾー
ル、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソ
オキサゾールである。
【0015】R1 及びR2 で表されるヘテロ環基は置換
基を有してもよく、置換基としては、例えばR1 及びR
2 で表される脂肪族基が有してもよい置換基として挙げ
たものが適用できる。又、R1 及びR2 は連結して環を
形成してもよい。
【0016】L1 、L2 、L3 及びL4 で表されるアル
キレン基は直鎖、分岐又は環状でもよく、好ましくは直
鎖のアルキレン基である。アルキレン基としては炭素数
1〜6のものが好ましい。アルキレン基は置換されてい
てもよく、置換基としては、例えばR1 及びR2 で表さ
れる脂肪族基が有していてもよい置換基として挙げたも
のが適用できる。置換基として好ましくはアルコキシ
基、スルホ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホスホノ
基であり、更に好ましくはカルボキシ基である。L1
4 の好ましい具体例としては以下のものが挙げられ
る。
【0017】
【化3】
【0018】特に好ましくはメチレン基又はエチレン基
である。Wで表される二価の連結基は、好ましくは下記
一般式(W)で表すことができる。
【0019】一般式(W) −(W1 −D)t −W2 − 式中、W1 及びW2 は同じであっても異なっていてもよ
く、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜10、直鎖、
分岐若しくは環状のアルキレン基)、アリーレン基(好
ましくは炭素数6〜10)、アラルキレン基(好ましく
は炭素数7〜10)又は二価のヘテロ環基を表わす。D
は−O−、−S−、−N(Rw) −、二価のヘテロ環基
を表わす。Rwは水素原子又は−COOM1 、−PO3
2 3、−OHもしくは−SO3 4 で置換されても
よい炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数6〜10
のアリール基を表わす。M1 、M2 、M3 及びM4 はそ
れぞれ水素原子又はカチオンを表し、カチオンとして
は、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムな
ど)、アンモニウム(アンモニウム、テトラエチルアン
モニウムなど)、ピリジニウムなどを挙げることができ
る。これらWで表される連結基は置換基を有していても
よく、置換基としてはR1 及びR2 で表される脂肪族基
が有してもよい置換基として挙げたものが適用できる。
【0020】二価のヘテロ環基としてはヘテロ原子が窒
素である5〜6員環のものが好ましく、イミダゾリル基
の如き隣あった炭素原子にて二価になっているものが更
に好ましい。W1 及びW2 としては炭素数1〜4のアル
キレン基が好ましい。tは0〜3の整数を表わし、tが
2又は3の時にはW1 −Dは同じであっても異なってい
てもよい。tは0〜2が好ましく、0又は1が更に好ま
しく、0が特に好ましい。Wの具体例としては例えば以
下のものが挙げられる。
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】nは0又は1を表わし、好ましくは0であ
る。A1 、A2 、A3 及びA4 はそれぞれカルボキシ
基、ホスホノ基、スルホ基又はヒドロキシ基を表す。好
ましくはカルボキシ基又はホスホノ基であり、より好ま
しくはカルボキシ基である。一般式(I)で表される化
合物は塩を形成していてもよく、塩としてはナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩などがあげられる。以
下に一般式(I)で表される化合物及びそれらの塩の具
体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0024】
【化6】
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】上記一般式(I)で表される化合物は、例
えば下記に示すようにヒドラジン誘導体とジケトン誘導
体を反応させることにより合成できる。
【0030】
【化11】
【0031】(式中、R1 、R2 、L1 、L2 、L3
4 、W、n、A1 、A2 、A3 及びA4 は一般式
(I)のそれらと同義である。)原料となるヒドラジン
誘導体は、ハロゲン置換されたカルボン酸誘導体、ホス
ホン酸誘導体、スルホン酸誘導体あるいはアルコール誘
導体又はα,β−不飽和化合物とヒドラジンとの反応に
より合成できる。この場合、溶媒を使用してもよく、溶
媒としては反応に関与しない限り限定されないが、例え
ば水、アルコール(例えばメタノール、エタノール、イ
ソプロパノール等)、アセトニトリル、ジメチルホルム
アミド等が挙げられる。
【0032】また、ハロゲン置換されたカルボン酸誘導
体、ホスホン酸誘導体、スルホン酸誘導体あるいはアル
コール誘導体から合成する場合は、塩基存在下で行うこ
とが好ましく、塩基としてはアルカリ(水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
等)または三級アミン(トリエチルアミン等)が挙げら
れる。この反応は通常0〜100℃で行うが、好ましく
は10〜80℃である。
【0033】ヒドラジン誘導体とジケトン誘導体との反
応は、通常0〜100℃で行うが、好ましくは10〜5
0℃である。この反応では溶媒を使用してもよく、溶媒
としては反応に関与しない限り限定されないが、例え
ば、水、アルコール(例えばメタノール、エタノール、
イソプロパノール等)、アセトニトリル、ジメチルホル
ムアミド等が挙げられる。合成例、化合物1の合成
【0034】
【化12】
【0035】化合物1aの合成 ヒドラジン硫酸塩506g(3.89モル)を水1リッ
トルに溶解し、室温下、クロロ酢酸ナトリウム934g
(8.02モル)を加えた。少量のフェノールフタレン
を加え、攪拌下、水酸化ナトリウム622g(15.6
モル)の1リットル水溶液を、溶液が淡赤色を保つよう
にゆっくり滴下した。
【0036】滴下終了後、室温で更に3時間反応させた
後、濃塩酸約670ml(7.81mol)を加えた。一夜放
置後、析出した結晶を濾取し、水4リットルで洗浄した
後、減圧乾燥することにより白色結晶1aを415g
(2.80モル)得た。収率72%
【0037】化合物1の合成 上記で合成した化合物1a 29.6g(0.20モ
ル)とグリオキサール40%水溶液14.5g(0.1
0モル)とを水60mlに懸濁させ、窒素雰囲気下、室温
にて6時間反応させた後、固体を濾取した。水で洗浄
後、減圧乾燥することにより淡黄色結晶1を29.0g
(0.0911モル)得た。収率91%、融点176〜
177℃(分解)。他の化合物も同様にして合成するこ
とができる。
【0038】本発明の化合物は、ハロゲン化銀黒白感光
材料やハロゲン化銀カラー感光材料を処理するためのあ
らゆる処理組成物に適用することができる。例えば、黒
白感光材料用の処理組成物としては一般用黒白現像液、
リス・フィルム用伝染現像液、定着液及び水洗水等、カ
ラー感光材料用の処理組成物としては発色現像液、漂白
液、定着液、漂白定着液、調整液、停止液、硬膜液、水
洗水、安定液、リンス液、かぶらせ液、調色液等が挙げ
られるが、これに限定されるものではない。本発明の化
合物の添加量は、添加する処理組成物によって異なる
が、処理組成物1リットル当たり10mg〜50gの範囲
で用いられる。さらに詳しく述べると、例えば、黒白用
現像液または発色現像液に添加する場合は、好ましい量
としては該処理液1リットル当り0.5〜10gであ
り、特に好ましくは0.5〜5gである。黒白用現像液
や発色現像液への使用は、沈澱やスラッジの発生の防止
の効果の他、現像主薬や保恒剤の分解を防止することで
感度や階調等の写真性の変動を防止する効果等がある。
漂白液に添加する場合は、該漂白液1リットル当り0.
1〜20gであり、特に好ましくは0.1〜5gであ
る。漂白液への使用は、液の安定性や漂白不良の改善等
の効果がある。定着液もしくは漂白定着液に添加する場
合は該処理液1リットル当り1〜40gであり、特に好
ましくは1〜20gである。定着液や漂白定着液への使
用は、液安定性の改良、液の濁りやスラッジの発生の防
止、処理後の非画像部でのステインの発生の防止等の効
果がある。水洗液や安定液に添加する場合は、該処理液
1リットル当り50mg〜1gで特に好ましくは50〜3
00mgである。水洗液や安定液への使用は、液の濁りの
発生防止、得られた色素画像の保存性低下の防止、処理
後の非画像部でのステインの発生の防止等の効果があ
る。
【0039】本発明の化合物は単独で用いても、また2
種以上を組み合わせて使用してもよい。また、本発明の
化合物の効果を害しない範囲において各種キレート剤を
併用することができる。併用することのできるキレート
剤の好ましい化合物としては、エチレンジアミン四酢
酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三酢酸、ト
ランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミ
ノプロパン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、
グリコールエーテルジアミン四酢酸、イミノジ三酢酸、
メチルイミノジ三酢酸、カルバモイルメチルイミノジ三
酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、エチレンジアミ
ン−N−(β−ヒドロキシエチル)−N,N’,N’−
三酢酸などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロキシエ
チリデン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロ−N,N,
N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,
N,N′,N′−テトラメチレンホスホン酸などの有機
ホスホン酸、あるいは、欧州特許345172A1に記
載の無水マレイン酸ポリマーの加水分解物などをあげる
ことができる。
【0040】黒白現像液には現像主薬として、ハイドロ
キノン、ブロモハイドロキノン、メチルハイドロキノ
ン、2,5−ジクロロハイドロキノンの如きハイドロキ
ノン系現像主薬が好ましい。また補助現像主薬としてN
−メチルーp−アミノフェノールの如きp−アミノフェ
ノール系現像主薬や1−フェニル−4−メチル−4−ヒ
ドロキシメチル−3−ピラゾリドンの如き3−ピラゾリ
ドン系現像主薬を併用するのが好ましい。また、保恒剤
として亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナ
トリウム、メタ重亜硫酸カリウム、ホルムアルデヒド重
亜硫酸ナトリウムの如き亜硫酸塩系の化合物を用いるの
が好ましい。
【0041】黒白現像液のpHは9から13までの範囲
のものが好ましく、pHの設定のために用いるアルカリ
剤には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウムなどがある。現像液にはその他、ほ
う酸、ホウ砂、ケイ酸塩、第三リン酸ナトリウム、第三
リン酸カリウムの如きpH緩衝剤を用いることもでき
る。また、臭化カリウム、沃化カリウムの如き現像抑制
剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ジメチルホルムアミド、メチルセ
ロソルブ、ヘキシレングリコール、エタノール、メタノ
ールの如き有機溶剤、インダゾール系化合物、ベンツイ
ミダゾ−ル系化合物、ベンツトリアゾール系化合物等の
カブリ防止剤を含んでもよく、Research Disclosure 第
176巻、No.17643、第XXI項(12 月号、1978年) に記
載された現像促進剤を含んでもよい。また米国特許4,
269,929号、特開昭61−267759号及び特
願平1−29418号に記載されているアミン化合物を
含有してもよい。更に必要に応じて色調剤、界面活性
剤、硬膜剤などを含んでもよい。また現像液には銀汚れ
防止剤、例えば特開昭56−24347号に記載の化合
物を用いることができる。また、ヨ−ロッパ特許公開1
36582号、英国特許第958678号、米国特許第
3232761号、特開昭56−106244号に記載
のアルカノ−ルアミンなどのアミノ化合物を現像促進、
コントラスト上昇などの目的で用いることができる。
【0042】黒白用の定着液は定着剤としてチオ硫酸塩
を含むPH4.2〜7.0の水溶液である。チオ硫酸塩
としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムな
どがある。チオ硫酸塩に加えて特開昭57−15084
2号記載のメソイオン化合物を併用することも好まし
い。定着液には硬膜剤(例えば、水溶性アルミニウム
塩);酒石酸、クエン酸、グルコン酸あるいはそれらの
誘導体;保恒剤(例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩)、p
H緩衝剤(例えば、酢酸、ホウ酸)pH調整剤(例え
ば、硫酸)を含むことができる。
【0043】発色現像液は、芳香族第一級アミンカラー
現像主薬を主成分とするpH9〜12のアルカリ性水溶
液である。このカラー現像主薬としては、アミノフェノ
ール系化合物も有用であるが、p-フェニレンジアミン系
化合物が好ましく使用され、その代表例としては、3-メ
チル-4- アミノ-N,N- ジエチルアニリン、3-メチル-4-
アミノ-N- エチル-N- β- ヒドロキシエチルアニリン、
4-アミノ-N- エチル-N- β- ヒドロキシエチルアニリ
ン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N- β- メタンスル
ホンアミドエチルアニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エ
チル- β- メトキシエチルアニリン及びこれらの硫酸
塩、塩酸塩もしくはp-トルエンスルホン酸塩などが挙げ
られる。発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩(例え
ば、炭酸カリウム)、ホウ酸塩もしくはリン酸塩のよう
なpH緩衝剤;塩化物塩(例えば、塩化カリウム)、臭化
物塩(例えば、臭化カリウム)、沃化物塩(例えば、沃
化カリウム)、ベンズイミダゾール類、ベンゾトリアゾ
ール類、ベンゾチアゾール類もしくはメルカプト化合物
のような現像抑制剤またはカブリ防止剤などを含むのが
一般的である。また必要に応じて、ヒドロキシルアミ
ン、ジエチルヒドロキシルアミン、ビス(スルホナート
エチル)ヒドロキシルアミンの如きヒドロキシルアミン
類、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウムの如き亜硫
酸塩等の各種保恒剤;エチレングリコール、ジエチレン
グリコールのような有機溶剤;ベンジルアルコール、ポ
リエチレングリコール、四級アンモニウム塩、アミン類
のような現像促進剤;色素形成カプラー;競争カプラ
ー;1-フェニル-3- ピラゾリドンのような補助現像主
薬;ナトリウムボロンハイドライドやヒドラジン系化合
物のような造核剤;粘性付与剤;4,4'- ジアミノ-2,2'-
ジスルホスチルベン系化合物のような蛍光増白剤;アル
キルスルホン酸、アリールスルホン酸、脂肪族カルボン
酸、芳香族カルボン酸のような各種界面活性剤等を添加
することができる。
【0044】漂白液や漂白定着液に用いられる漂白剤と
しては、例えば鉄(III )などの多価金属の化合物;過
酸類;キノン類;鉄塩等があげられる。代表的な漂白剤
としては、塩化鉄;フェリシアン化物;重クロム酸塩;
鉄(III )の有機錯塩(例えばエチレンジアミン四酢
酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3-ジアミノプロパ
ン四酢酸などのアミノポリカルボン酸類などの金属錯
塩);過硫酸塩などを挙げることができる。アミノポリ
カルボン酸鉄(III)錯塩を用いた漂白液又は漂白定着液
は、3.5〜8のpHで使用される。漂白液や漂白定着
液には、臭化アンモニウム、臭化ナトリウム、臭化カリ
ウムや塩化アンモニウムのような再ハロゲン化剤;硝酸
アンモニウムのようなpH緩衝剤;硫酸アンモニウムの
ような金属腐食防止剤などが公知の添加剤を添加するこ
とができる。漂白液や漂白定着液には上記の化合物の他
に、漂白ステインを防止する目的で有機酸を含有させる
ことが好ましい。特に好ましい有機酸は、酸解離定数
(pKa)が2〜5.5である化合物で、具体的には酢酸、
グリコール酸、プロピオン酸などが好ましい。カラー感
光材料用の定着液や漂白定着液に用いられる定着剤とし
てはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテル系化合
物、チオ尿素類、メソイオン系化合物、多量の沃化物塩
等をあげることができるが、チオ硫酸塩の使用が一般的
であり、特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用で
きる。また、チオ硫酸塩とチオシアン酸塩、チオエーテ
ル系化合物、チオ尿素などの併用も好ましい。定着液や
漂白定着液には、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、カルボニル重
亜硫酸付加物或いは欧州特許第294769A号に記載
のスルフィン酸化合物の如き保恒剤;各種の蛍光増白
剤;消泡剤;界面活性剤;ポリビニルピロリドン;メタ
ノール;イミダゾール等の緩衝剤;米国特許第3,893,85
8 号、西独特許第1,290,812 号、特開昭53-95,630 号に
記載のメルカプト基またはジスルフィド基を有する化合
物の如き漂白促進剤等を含有することができる。
【0045】水洗液及び安定液には、無機リン酸、イソ
チアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソ
シアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤;Mg塩、A
l塩、Bi塩のような金属塩;界面活性剤;硬膜剤など
を含有させることができる。また水洗水及び/又は安定
液には、水アカの発生や処理後の感光材料に発生するカ
ビの防止のため、種々の防バクテリア剤、防カビ剤を含
有させることもできる。これらの防バクテリア剤、防カ
ビ剤の例としては特開昭57−157244号及び同5
8−105145号に示されるような、チアゾリルベン
ズイミダゾール系化合物、あるいは特開昭54−274
24号や特開昭57−8542号に示されるようなイソ
チアゾロン系化合物、あるいはトリクロロフェノールに
代表されるようなクロロフェノール系化合物、あるいは
ブロモフェノール系化合物、あるいは、有機スズや有機
亜鉛化合物、あるいは、チオシアン酸やイソチオシアン
酸系の化合物、あるいは、酸アミド系化合物、あるいは
ダイアジンやトリアジン系化合物、あるいは、チオ尿素
系化合物、ベンゾトリアゾールアルキルグアニジン化合
物、あるいは、ベンズアルコニウムクロライドに代表さ
れるような4級アンモニウム塩、あるいは、ペニシリン
に代表されるような抗生物質等、ジャーナル・アンティ
バクテリア・アンド・アンティファンガス・エイジェン
ト(A.Antibact.Antifung.Agents)Voll.No. 5、p.2
07〜223(1983)に記載の汎用の防バイ剤を1
種以上併用してもよい。又、特開昭48−83820に
記載の種々の殺菌剤も用いることができる。
【0046】安定化液に用いることができる色素安定化
剤としては、一般にホルムアルデヒドが使用されるが、
作業環境安全の点から、N−メチロールアゾール、ヘキ
サメチレンテトラミン、ホルムアルデヒド重亜硫酸付加
物、ジメチロール尿素、アゾリルメチルアミン誘導体な
どが好ましい。これらについては、特開平2−1533
48号、特開平4−270344号、欧州特許公開第0
504609A号2号等に記載されている。特に1,4
−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)
ピペラジンの如き欧州特許公開第0504609A号2
号記載のアゾリルメチルアミン誘導体と1,2,4−ト
リアゾールの如きアゾール類の併用が、画像安定性が高
く、且つホルムアルデヒド蒸気圧が少なく好ましい。ま
た安定液には、その他ホウ酸、水酸化ナトリウムのよう
なpH調節用緩衝剤;アルカノールアミンのような硫化
防止剤;蛍光増白剤;などを含有させることができる。
【0047】本発明の処理組成物で処理することのでき
る写真感光材料としては、通常の黒白ハロゲン化銀写真
感光材料(例えば、撮影用黒白感材、Xレイ用黒白感
材、印刷用黒白感材)、通常の多層ハロゲン化銀カラー
写真感光材料(例えば、カラーネガティブフィルム、カ
ラーリバーサルフィルム、カラーポジティブフィルム、
映画用カラーネガティブフィルム、カラー印画紙、反転
カラー印画紙、直接ポジカラー印画紙)、レーザースキ
ャナー用赤外光用感材、拡散転写感光材料(例えば、銀
拡散転写感光材料、カラー拡散転写感光材料)などを挙
げることができる。本発明に係わる写真感光材料は、そ
の感光材料の目的に応じて片面又は両面に種々の層構成
(例えば、赤緑青のそれぞれに感光性を有するハロゲン
化銀乳剤層、下塗り層、ハレーション防止層、フィルタ
ー層、中間層、表面保護層)や配列をとることができ
る。
【0048】本発明に係わる写真感光材料の支持体;塗
布方法;ハロゲン化銀乳剤層、表面保護層などに用いら
れるハロゲン化銀の種類(例えば、沃臭化銀、沃塩臭化
銀、臭化銀、塩臭化銀、塩化銀)、その粒子形(例え
ば、立方体、平板、球状)、その粒子サイズ、その変動
率、その結晶構造(例えば、コア/シェル構造、多相構
造、均一相構造)、その製法(例えば、シングルジェッ
ト法、ダブルジェット法)、バインダー(例えば、ゼラ
チン)、硬膜剤、カブリ防止剤、金属ドーピング剤、ハ
ロゲン化銀溶剤、増粘剤、乳剤沈降剤、寸度安定剤、接
着防止剤、安定剤、汚染防止剤、色素画像安定剤、ステ
イン防止剤、化学増感剤、分光増感剤、感度上昇剤、強
色増感剤、造核剤、カプラー(例えば、ピバロイルアセ
トアニリド型やベンゾイルアセトアニリド型のイエロー
カプラー、5−ピラゾロン型やピラゾロアゾール型のマ
ゼンタカプラー、フェノール型やナフトール型のシアン
カプラー、DIRカプラー、漂白促進剤放出型カプラ
ー、競争カプラー、カラードカプラー)、カプラー分散
法(例えば、高沸点溶媒を使用した水中油滴分散法)、
可塑剤、帯電防止剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤、
増白剤、ホルマリンスカベンジャー、光散乱剤、マット
剤、光吸収剤、紫外線吸収剤、フィルター染料、イラジ
ェーション染料、現像改良剤、艶消剤、防腐剤(例え
ば、2−フェノキシエタノール)、防バイ剤等について
は特に制限はなく、例えばプロダクトライセンシング誌
(Product Licensing )92巻107〜110頁(19
71年12月)及びリサーチ・ディスクロージャー誌
(Research Disclosure、以下RDと記す)No. 176
43(1978年12月)、RD誌No. 18716(1
979年11月)、RD誌No. 307105(1989
年11月)、特開平4−34548号第15頁左下欄1
行目〜第20頁右下欄3行目、同4−184432号第
7頁右欄32行目〜第9頁右欄26行目、同4−274
237号第6頁右欄30行目〜第9頁右欄49行目の記
載を参考にすることが出来る。
【0049】
【実施例】以下に、実施例により本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらより限定されるものではな
い。 実施例1 以下の処理液を準備した。 (発色現像液) 単位(g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 キレート化合物(第1表記載) 0.01モル 亜硫酸ナトリウム 4.0 炭酸カリウム 30.0 臭化カリウム 1.4 ヨウ化カリウム 1.5mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 4−(N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアミノ)− 2−メチルアニリン硫酸塩 4.5 水を加えて 1000ml pH 10.05
【0050】上記発色現像液に塩化第二鉄を第二鉄イオ
ンとして5ppm 、また硝酸カルシウムをカルシウムイオ
ンとして150ppm 添加し、試料101〜111とし
た。これらの各試料5リットルを縦10cm、横25cm、
深さ30cmの硬質塩化ビニール製容器に充填し、容器内
の液をポンプで毎分3リットルの割合で連続的に循環し
つつ、38℃に温度調整して30日間の経時試験をおこ
なった。なお、この容器には200cm2 の液表面を被覆
する浮き蓋を設け、空気に開放された液表面積は50cm
2 とした。次に特開平4−274236号実施例1記載
の多層カラー感光材料試料101を35mm幅に裁断し、
色温度4800Kで5CMSのウェッジ露光を与えた。
これを発色現像液として、試料101〜111の調液直
後(新液)及び経時試験後のものを用い、下記の処理工
程によって処理した。
【0051】 (漂白液) 単位(g) 1,3−プロパンジアミンテトラ酢酸鉄(III) アンモニウム 0.55モル 臭化アンモニウム 85 硝酸アンモニウム 20 グリコール酸 55 水を加えて 1000ml pH 4.0 (定着液) 単位(g) エチレンジアミン四酢酸第二アンモニウム塩 1.7 亜硫酸アンモニウム 14.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル) 260.0ml 水を加えて 1000ml pH 7.0
【0052】(水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交
換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−
120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同ア
ンバーライトIRA−400)を充填した混床式カラム
に通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3
mg/リットル以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌー
ル酸ナトリウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム15
0mg/リットルを添加した。この液のpHは6.5〜
7.5の範囲にあった。
【0053】 (安定液) 単位(g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニル エーテル(平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル) ピペラジン 0.75 水を加えて 1000ml pH 8.5
【0054】新液で処理した場合に青色光(B光)で測
定したB濃度が2.5になる露光量において、経時試験
後の液で得られたB濃度をエックスライト310型フォ
トグラフィックデンシトメーターで測定し、新液との差
△DB を求めた。また、経時後の現像主薬及びヒドロキ
シルアミンの残存率を分析により求めた。更に、経時後
の発色現像液について、目視により沈澱の発生の有無を
調べた。以上の結果を表1に示した。
【0055】
【表1】
【0056】表1から明らかなように、従来のキレート
剤を添加した場合には、沈澱生成の防止と液安定性の確
保が不十分なレベルであるが、本発明の化合物の添加に
よって大きな効果が得られる事がわかる。
【0057】実施例2 実施例1の定着液に、本発明の化合物1、2、4、7、
12、20又は21を3g/リットル添加し、さらに前
浴の漂白液からの持ち込みに相当する第二鉄イオンを添
加して、試料201〜207とした。これらの試料を開
口率0.1cm-1にて38度で30日間経時させ、液の濁
りを観察した。無添加のものは経時後著しい濁りを生じ
たが、本発明の化合物を添加した定着液では、いずれも
透明な状態を維持し、沈澱物の発生が無いことが示され
た。
【0058】実施例3 実施例1の安定液について、そのままのものを比較用試
料301とし、これに対し例示化合物1、2、7、1
0、12、13、21をそれぞれ100mg/リットルの
割合で添加し試料302〜308を用意した。これらの
安定液を用い、安定液の他は、実施例1の試料101の
カラー現像液等の新鮮液を用いて、実施例1に記載の方
法で多層カラー感光材料試料101の処理を行った。処
理後の多層カラー感光材料試料101を45℃70%R
Hの湿熱条件下で1週間経時し、経時前後でのマゼンタ
のステイン増加(△Dmin)を求めた。得られた結果を表
2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】本発明の化合物を添加した本発明になる安
定液により、ステインの増加が抑えられ、画像保存性が
向上することがわかる。
【0061】実施例4 下記の発色現像液を準備した。 〔発色現像液〕 水 600ml 臭化カリウム 0.015g 塩化カリウム 3.1g トリエタノールアミン 10.0g 炭酸カリウム 27g 螢光増白剤(WHITEX・4B・住友化学製) 1.0g 保恒剤(ジナトリウム−N,N−ビス(スルフォナートエチル) ヒドロキシルアミン) 45mmol N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3 −メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 5.0g 水を加えて 1000ml pH(25℃) 10.05
【0062】上記発色現像液を試料401とし、これに
本発明の化合物及び比較化合物を表3に示した量添加し
たものを試料402〜408とした。これらの発色現像
液のそれぞれに第二鉄イオン5ppm とカルシウムイオン
150ppm を加え、開口率0.10cm-1となるようにビ
ーカーで、38℃にて20日経時させた。特開平4−1
45433号記載の試料103に感光計(富士写真フイ
ルム株式会社製FWH型)を使用し、センシトメトリー
用3色分解フィルターの階調露光を与えた。露光は0.
1秒の露光時間で250CMSの露光量となるように行
った。露光後、上記で準備した調液直後の(新鮮液)と
経時させた発色現像液(経時液)を用いて各々下記の工
程に従って処理した。
【0063】 〔漂白定着液〕 水 400ml チオ硫酸アンモニウム(700g/リットル) 100ml 亜硫酸ナトリウム 17g エチレンジアミン四酢酸鉄(III) アンモニウム 55g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 5g 臭化アンモニウム 40g 水を加えて 1000ml pH(25℃) 6.8 〔リンス液〕イオン交換水(カルシウム、マグネシウム
は各々3ppm以下)
【0064】新鮮液で処理した時のイエローの最低濃度
(Dmin )及びマゼンタの感度(濃度0.5を与える露
光量の対数log E)に対して経時液で処理した時のイエ
ロー最低濃度Dmin の増加量(△Dmin)及びマゼンタの
感度の変化量(△S)を計算した。また、経時液の主薬
の残存量を高速液体クロマトグラフィーにより定量し
た。また、経時液の沈澱の生成の有無を観察した。
【0065】
【表3】
【0066】表3から明らかなように、本発明の化合物
においては、△Dmin や△Sの値が小さく写真性の変動
が抑制されている。更には、沈澱の発生に関しても比較
の化合物に比べて大幅に改良されている。特に比較の化
合物では沈澱生成防止効果の大きいものは主薬の保恒性
が悪く、他方、主薬の分解の少ないものは沈澱生成防止
が不充分であった。これに対して本発明の化合物は沈澱
を生成することなく、且つ安定な現像液を提供すること
がわかる。
【0067】実施例5 特開平3−174148号の実施例のサンプルNo.B
−6を用いて、下記現像液(A)中のエチレンジアミン
四酢酸二ナトリウムを同モル量の例示化合物1と置き換
えた現像液(B)を作成し、それぞれの現像液を40℃
で4日経時させてからランニング処理を行ったところ沈
殿性に改良がみられた。また、経時後の現像液のハイド
ロキノン、亜硫酸カリウムの残存量とpHを測定したと
ころ、ハイドロキノンと亜硫酸カリウムの空気酸化によ
る減少が最小限に抑えられ、これによるpHの上昇も抑
制されていることが、判った。
【0068】 現像液(A) ハイドロキノン 45.0g N−メチル−p−アミノフェノール1/2硫酸塩 0.8g 水酸化ナトリウム 18.0g 水酸化カリウム 55.0g 2−スルホサリチル酸 45.0g 硼酸 25.0g 亜硫酸カリウム 110.0g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 1.0g 臭化カリウム 6.0g 5−メチルベンツトリアゾ−ル 0.6g n−ブチル−ジエタノールアミン 15.0g 水を加えて1リットルとする (pH=11.6とする)
【0069】実施例6 OECD化学品テストガイドラインに定められた302
B修正Zahn−Wellens法に基づいて生分解性
試験を行った結果を表4に示す。
【0070】
【表4】
【0071】上記の結果より、本発明の化合物は生分解
性の点で優れていることが確認された。
【0072】
【発明の効果】本発明の化合物を含有する処理液は、金
属イオンの作用による、処理液成分の酸化あるいは分解
が抑制され、長期に渡って処理液の性能が保たれ、ま
た、金属イオンの蓄積によっても液中に沈澱の発生がな
く、従ってフィルムの汚れや、自動現像機のフィルター
の目詰まり等のトラブルがない。また、本発明の化合物
は生分解性を有する化合物であり、環境保全に寄与して
いる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】また、過酸化水素、過硫酸塩を用いた漂白
液に鉄イオン等の遷移金属が混入すると、やはり液の安
定性が著しく低下し、漂白不良などの問題が起こる。定
着液においても、通常用いられるチオ硫酸塩の定着液で
は、遷移金属塩の混入で安定性の低下が起こり、液に濁
りや、スラッジが発生する。その結果として、自現機の
フィルターの目詰まりにより、循環流量が低下し、定着
不良が起こったり、フィルムに汚染汚れを発生したりす
る。このような定着液における現象は、定着液に後続す
る水洗水においても発生し、特に水洗水量を削減すると
タンク内の液交換率が低下し、硫化と呼ばれるチオ硫酸
塩の分解、硫化銀の沈殿生成の問題が極端に発生しやす
くなる。このような状態を呈するとフィルム表面に致命
的な汚れを生じることが多い。多量のカルシウム、マグ
ネシウムを含む硬水を用いて調液した安定液では、これ
らを栄養源としてバクテリアが発生し、液に濁りを発生
し、フィルム汚れを引き起こす。また、鉄イオンをはじ
めとする遷移金属系のイオンの混入では、これらがフィ
ルムに残留することで処理後のフィルムの保存性が悪化
する。以上述べてきたように、処理液への金属イオンの
混入は、様々な弊害を引き起こすため、有効なイオンの
隠蔽剤が強く望まれてきた。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】
【化3】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】
【化5】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】本発明の化合物は単独で用いても、また2
種以上を組み合わせて使用してもよい。また、本発明の
化合物の効果を害しない範囲において各種キレート剤を
併用することができる。併用することのできるキレート
剤の好ましい化合物としては、エチレンジアミン四酢
酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三酢酸、ト
ランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミ
ノプロパン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、
グリコールエーテルジアミン四酢酸、イミノジ酢酸、メ
チルイミノジ酢酸、カルバモイルメチルイミノジ酢酸、
ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、エチレンジアミン−N
−(β−ヒドロキシエチル)−N,N’,N’−三酢酸
などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロキシエチリデ
ン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロ−N,N,N−ト
リメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,
N′,N′−テトラメチレンホスホン酸などの有機ホス
ホン酸、あるいは、欧州特許345172A1に記載の
無水マレイン酸ポリマーの加水分解物などをあげること
ができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正内容】
【0068】 現像液(A) ハイドロキノン 45.0g N−メチル−p−アミノフェノール1/2硫酸塩 0.8g 水酸化ナトリウム 18.0g 水酸化カリウム 55.0g 5−スルホサリチル酸 45.0g 硼酸 25.0g 亜硫酸カリウム 110.0g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 1.0g 臭化カリウム 6.0g 5−メチルベンツトリアゾ−ル 0.6g n−ブチル−ジエタノールアミン 15.0g 水を加えて1リットルとする (pH=11.6とする)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される化合物若し
    くはその塩の少なくとも一種を含むことを特徴とする写
    真用処理組成物。 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、水素原子、脂肪族基、アリー
    ル基又はヘテロ環基を表す。L1 、L2 、L3 及びL4
    はそれぞれアルキレン基を表す。Wはアルキレン基、ア
    リーレン基及び/又は二価のヘテロ環基を含む連結基を
    表す。nは0又は1を表す。A1 、A2 、A3 及びA4
    はそれぞれカルボキシ基、ホスホノ基、スルホ基又はヒ
    ドロキシ基を表す。)
  2. 【請求項2】 像様露光されたハロゲン化銀写真感光材
    料を請求項1記載の一般式(I)で表される化合物の少
    なくとも一種を含有する処理液で処理することを特徴と
    するハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
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