JPH06148690A - 強誘電性共重合体膜と電極からなる電気部品 - Google Patents

強誘電性共重合体膜と電極からなる電気部品

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JPH06148690A
JPH06148690A JP29884292A JP29884292A JPH06148690A JP H06148690 A JPH06148690 A JP H06148690A JP 29884292 A JP29884292 A JP 29884292A JP 29884292 A JP29884292 A JP 29884292A JP H06148690 A JPH06148690 A JP H06148690A
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JP
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copolymer
structural unit
mol
ferroelectric
trifluoroethylene
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JP29884292A
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Kazuhiko Maeda
一彦 前田
Satoru Hayase
悟 早瀬
Kentaro Tsutsumi
憲太郎 堤
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Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明導電膜などの電極上に強誘電性共重合体
の膜を接着した場合に、界面が剥離するという問題を生
じない共重合体を提供する。 【構成】 本発明の共重合体は、フッ化ビニリデン構造
単位、トリフルオロエチレン構造単位およびフッ化ビニ
ル構造単位を必須成分とする共重合体であって、フッ化
ビニリデン構造単位が70モル%〜87モル%、トリフ
ルオロエチレン構造単位が10モル%〜30モル%、フ
ッ化ビニル構造単位が0.3モル%〜20モル%である
共重合体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示装置、薄膜トラ
ンジスター、集積回路などの電気部品において使用され
る強誘電性共重合体に関し、さらに詳しくは電極と強誘
電体層の接合構造に適した強誘電性共重合体に関するも
のである。
【0002】
【従来技術】近年、液晶デバイスの発展が目ざましく、
そのための駆動用素子の開発も盛んに行われている。こ
の駆動用素子としては、アクティブマトリックス方式が
良好な性能を有しており、高画質、大面積化が期待され
ている。このアクティブマトリックス方式は現在のとこ
ろ薄膜トランジスター(TFT)が主流である。しか
し、このタイプでは高画質が達成される反面、製造プロ
セスが複雑、工程数が多い、歩留まりが悪い、コストが
高いなどの欠点を有している。一方、アクティブマトリ
ックス方式のもう1つの方式として薄膜ダイオード(M
IM:Metal-Insulator-Metal の3層構造)が挙げられ
る。この場合は、工程数が少ない、歩留まりが高いなど
の製造プロセス上の長所のある反面、画質においてTF
Tに劣るという欠点を有している。
【0003】このような欠点は、従来のMIMが、絶縁
層にTa2O5 を用いており、このTa2O5 層が陽極酸化法に
より作成されるために、大面積の均一な膜の形成が困難
である点にあった。そこで、これを解決する手段とし
て、絶縁層にスピンコート法による成膜が可能な高分子
強誘電体であるフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレ
ン共重合体の使用が提案されている(特開平2−178
633号公報)。
【0004】
【発明の解決すべき問題点】フッ化ビニリデン−トリフ
ルオロエチレン共重合体などの高分子膜を用いる場合、
スピンコート法による成膜が可能であり、均一かつ大面
積の強誘電体膜を容易に形成できる点で製造上のメリッ
トが大きいが、ITOまたはNESAで作成されている
透明導電膜を初め金属電極とこの様な高分子膜との接着
性には問題があり、長時間の経過により該膜間の剥離が
生じるという問題点がある。この問題点を回避する手段
としてSi系やTi系有機物のプレコート層を介在さ
せ、接着力を向上させる方法が提案されているが(特開
昭63−293729号)、この場合にはプレコート層
の影響によって電気物性が低下してしまう欠点があらた
に生じる。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、かかる
問題点について鋭意検討を重ねたところ、フッ化ビニリ
デン−トリフルオロエチレンからなる2成分共重合体を
強誘電体層として用いた液晶駆動素子においては、非駆
動状態での接着性の経時変化と比較して駆動状態での接
着性の劣化が著しいことから、かかる強誘電体において
は避けることのできない双極子反転による体積変化が強
誘電体層の剥離の主たる原因であるとの推定に至り、さ
らに検討を続けた結果、フッ化ビニリデン−トリフルオ
ロエチレンからなる2成分共重合体に第3成分としてフ
ッ化ビニルを加えた特定の組成比を有する3成分共重合
体においては液晶駆動用素子の誘電体層として要求され
る電気特性を有しながら、透明導電膜との接着性が実用
上問題とならないという事実を見出し、本発明に到達し
たものである。
【0006】すなわち本発明に必須の共重合体は、フッ
化ビニリデン構造単位、トリフルオロエチレン構造単位
およびフッ化ビニル構造単位の3成分を必須成分とし、
フッ化ビニリデン構造単位が70モル%〜87モル%、
トリフルオロエチレン構造単位が10モル%〜30モル
%、フッ化ビニル構造単位が0.3モル%〜20モル%
であることを特徴とする強誘電性共重合体である。
【0007】本発明の目的とする電気部品、特にアクテ
ィブマトリックス方式の液晶駆動素子用の誘電体層に要
求される基本的な物性は残留分極値があり、この値が大
きいほど望ましい。そのためには結晶内で双極子が配向
する必要があり、ポリフッ化ビニリデン系強誘電体では
β型結晶を持たなければならない。そこで、安定したβ
型結晶を得ることのできるフッ化ビニリデン−トリフル
オロエチレン共重合体が液晶駆動素子などの強誘電体層
としての使用に適するものとなる。しかし、フッ化ビニ
リデン−トリフルオロエチレンからなる2成分共重合体
では双極子反転による体積変化があり(日本結晶学会誌
26巻,103頁(1984))、これが電子部品と
して使用した場合の剥離の原因となるものと考えられ
る。ところが、フッ化ビニル−トリフルオロエチレンの
2成分共重合体は体積変化のない2次の強誘電転移を示
す(Polym.Prepr.Jpn.,41巻,12
71頁(1992))ことから、本発明における第3成
分のフッ化ビニルは体積変化を伴わない転移に変化させ
る効果に寄与しているものと推察される。
【0008】また、一般的にフッ素系ポリマーはフッ素
含有量が大きい程基体に対する接着性に劣ることが経験
的に知られているが、本発明の第3成分であるフッ化ビ
ニルはフッ素含有量を減少させることにも有効であり、
接着性の面で好ましい効果を発揮している物と考えられ
る。
【0009】本発明の共重合体は、フッ化ビニリデン、
トリフルオロエチレンおよびフッ化ビニルを主たる原料
として製造されるが、その製造においては通常のラジカ
ル重合法が採用でき、その重合形態には溶液重合、懸濁
重合、乳化重合などが可能である。かかる重合工程の温
度は、ラジカル重合開始剤により適宜選択されるが、通
常0〜130℃で行われる。溶媒としては、例えば水、
t−ブタノール、エチルアルコールなどのアルコール
系、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの飽和炭化水素
系、トリクロロトリフルオロエタン、ジクロロテトラフ
ルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素系、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケ
トン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系など
の各溶媒が使用できる。前記ラジカル開始剤としては、
例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−
n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチ
ルヘキシルパーオキシジカーボネートなどのジカーボネ
ート類、またはn−ヘプタフルオロブチリックパーオキ
シド、ラウロイルパーオキシピバレート、t−ブチルオ
キシネオデカノエートなどのジアシルパーオキシド類、
ジーt−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオ
キシドなどのアルキルパーオキシド類などの通常のラジ
カル開始剤が使用できる。
【0010】本発明の3成分共重合体の組成比は、分極
の大きさ、β型結晶の量、双極子反転における必要電界
強度、双極子反転時の体積変化、フッ素含量などのバラ
ンスによって決定される。例えば、分極の大きさはDS
Cのキュリー点のピーク面積から求めたエンタルピー変
化(△Hc)によって判定できるが、本発明の共重合体で
は△Hcは5J/g以上であることが好ましい。
【0011】したがって、フッ化ビニリデン構造単位の
含有量は、双極子の量(分極の大きさに影響する)に直
接関わっており、70モル%未満では充分な分極を生じ
ることなく、また、逆に87モル%を超えた場合におい
てもβ型結晶の量が低下するため、70〜87モル%の
含有量以外では好ましくない。
【0012】トリフルオロエチレン構造単位はポリフッ
化ビニリデンの結晶をβ型で安定にするための必須成分
であり、その量が結晶構造に大きく影響する。30モル
%より多いと分極の大きさが低下し、また10モル%よ
り少いとβ型安定にならず、やはり分極の大きさが低下
するので好ましくない。
【0013】また、フッ化ビニルの添加量が0.3モル
%以下では特に接着性の向上という効果は顕著ではな
く、一方、20モル%を超える添加量では、ポリフッ化
ビニリデンの有する強誘電性が不十分となるので好まし
くない。
【0014】本発明の共重合体の分子量は3万から30
万の範囲が好ましく、この範囲未満では膜自体の機械的
強度が低下し、強誘電転移の繰り返しに耐えることがで
きない。またこの範囲を越えると、溶液粘度が高くなる
ため塗膜の厚みむらが大きくなり、薄膜の形成には好ま
しくない。
【0015】本発明の共重合体のキュリー点は70℃以
上であることが好ましい。この範囲未満では分極の量が
小さくなる。本発明の強誘電体は一般に薄膜として使用
されるものであり、スピンコート法、ディッピング法、
印刷法で膜は形成されるが、主としてスピンコート法が
採用される。この場合の溶媒としては、樹脂の溶解力に
優れたものであれば特に制限されないが、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケト
ン系、酢酸エチルや酢酸ブチルなどのエステル系、テト
ラヒドロフランやジオキサンなどのエーテル系溶媒が好
ましい。共重合体濃度は溶媒の種類、目的とする膜厚に
応じて適宜変更するが、1〜30重量%が好ましく、3
〜15重量%がより好ましい。
【0016】スピンコート法などの方法で塗布した溶液
から溶媒を完全に除去したのち、キュリー点以上の温度
である80〜160℃の範囲で焼成を行い、強誘電体膜
を結晶化、緻密化させる。強誘電体膜の膜厚は目的に応
じ500A〜10μmである。
【0017】以下、本発明を実施例により具体的に説明
する。
【0018】
【実施例】実施例1 内容積1Lのオートクレーブに1,1,2−トリクロロ
−1,2,2−トリフルオロエタン(フロン113)を
600cc仕込んだ。次いで攪拌を行いながら窒素置換
/脱気の操作を3回繰り返した後、フッ化ビニリデン5
4.8g、トリフルオロエチレン29.2g、フッ化ビ
ニル0.16gをガス状態で仕込み、オートクレーブの
内温を20℃に調整した。次ぎに、重合開始剤としてヘ
プタフルオロブチリックパーオキサイドをフロン113
の5重量%溶液として18gを仕込んで反応温度を25
℃に保ち、20時間攪拌を続けた。反応修了後残存ガス
をパージし、生成物を取り出した。
【0019】この生成物はメタノールで攪拌洗浄した
後、真空乾燥した。この共重合体の共重合組成をCHN
元素分析と19F核磁気共鳴スペクトルで分析したとこ
ろ、フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン/フッ化
ビニルの各構造単位はモル基準で、70.0/29.7
/0.3であった。また、融点とキュリー点をDSC測
定によって求めた。さらに、各共重合体の分極の大きさ
はDSCのキュリー点のピーク面積から求めたエンタル
ピー変化(△Hc)によって測定した。各測定結果は表1
に示す。
【0020】また、得られた共重合体の分子量をGPC
で測定したところ、スチレン換算98000であった。
次いで、この共重合体10.0gをジオキサン90.0
gに溶解し、ITO基板上に5000rpmでスピンコ
ートし、室温で20分間放置した後、120℃で焼成し
約7000Aの薄膜を得た。この膜に約80MV/mの
強度の電界を三角波(0.01Hz)で100サイクル
印加し、その前後の接着性を碁盤目試験によって評価し
た。結果を表1に示す。
【0021】
【表1】 実施例2〜6 実施例1と同様の方法で、組成の異なる共重合体を製造
し、各共重合体およびそれから形成した膜について同様
の測定を行い、その結果を表1に示した。
【0022】比較例1〜5 実施例1と同様の方法で、組成の異なる2成分または3
成分の共重合体を製造し、各共重合体およびそれから形
成した膜について同様の測定を行い、その結果を表1に
示した。
【0023】
【発明の効果】表1に示す結果から明らかなように、液
晶駆動素子用として必要なΔHcを有する強誘電体であり
ながら、実用上最も重要な製品の長期安定性にかくこと
のできない透明導電膜を初め、電極との接着性が改善さ
れるという効果を奏する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強誘電性共重合体膜が電極を被覆するよう
    に設けられた電気部品において、該強誘電性共重合体が
    フッ化ビニリデン構造単位、トリフルオロエチレン構造
    単位およびフッ化ビニル構造単位を必須成分とする共重
    合体であって、フッ化ビニリデン構造単位が70モル%
    〜87モル%、トリフルオロエチレン構造単位が10モ
    ル%〜30モル%、フッ化ビニル構造単位が0.3モル
    %〜20モル%であることを特徴とする電気部品。
  2. 【請求項2】電極が透明基板上に形成された透明導電膜
    であることを特徴とする請求項1記載の電気部品。
  3. 【請求項3】電気部品が液晶駆動素子である請求項1記
    載の電気部品。
JP29884292A 1992-11-09 1992-11-09 強誘電性共重合体膜と電極からなる電気部品 Pending JPH06148690A (ja)

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