JPH06147244A - 電磁吸着式ブレーキ用摩擦材 - Google Patents

電磁吸着式ブレーキ用摩擦材

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JPH06147244A
JPH06147244A JP32262092A JP32262092A JPH06147244A JP H06147244 A JPH06147244 A JP H06147244A JP 32262092 A JP32262092 A JP 32262092A JP 32262092 A JP32262092 A JP 32262092A JP H06147244 A JPH06147244 A JP H06147244A
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JP
Japan
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less
brake
friction
sintered
iron
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Pending
Application number
JP32262092A
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English (en)
Inventor
Takanori Obara
孝則 小原
Akihiro Ota
明宏 太田
Katsuhiro Onodera
勝弘 小野寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Akebono Brake Industry Co Ltd
Railway Technical Research Institute
Original Assignee
Akebono Brake Industry Co Ltd
Railway Technical Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レールに吸着させてレールとの摩擦力によっ
てブレーキ力を得る高速鉄道車両用の電磁吸着式ブレー
キに用いられる摩擦材を提供する。 【構成】 0.5〜2wt%のフェロシリコン、 0.5〜3wt
%の金属酸化物あるいは金属炭化物、3wt%以内の銅、
2wt%以内の錫、1〜3wt%の黒鉛を含み、残部鉄より
成り、焼結体密度 5.7g/cm3 以上に焼結した焼結摩擦材
料。 【効果】 透磁率を高く保ち、かつ摩擦係数及び摩耗量
においても良好な摩擦材が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車両用の電磁吸着
式ブレーキのレールとの摩擦面に使用する摩擦材に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】鉄道車
両において、電磁石をレールに吸着させて電磁石側の摩
擦材とレールとの摩擦力によってブレーキ力を得る電磁
吸着式ブレーキは、わが国においては極めて特殊な例を
除いて使用されていなかった。しかし、欧州では高速運
転を行う車両において非常ブレーキ用として、多く使用
されており、わが国においても鉄道車両の高速化にとも
ない、このようなブレーキ装置の必要性が生じてきた。
【0003】現在、これらのブレーキのレールとの摩擦
面には、磁気性能を重要視することから鋼や鋳鉄が使用
されている。しかし、これらの材料は、摩擦材という観
点からみると摩擦係数が低く、耐摩耗性が低いという問
題点がある。
【0004】一方電磁吸着式ブレーキ用摩擦材に要求さ
れる性質としては次のようなものがあげられる。 電磁吸着力を高く保つため、高い透磁率を有するこ
と。一方、残留磁気は小さい方がよい。 降雨時の摩擦面への水の介入を含めてレールに対し
て高い摩擦係数を有すること。 摩擦材の耐摩耗性が高いこと。 摩擦時にレール踏面を損傷しないこと。
【0005】これらを満足させるためには、従来ブレー
キ用摩擦材として広く使用されている有機系摩擦材や銅
系焼結摩擦材では論外であり、鉄系焼結摩擦材が必要で
ある。しかしながら、現状の鉄系焼結摩擦材は、ディス
クブレーキやドラムブレーキ等のライニング材として開
発されたものであるため前述の特性は備えていない。し
かもこの用途に対しては、特に高温域での摩擦性能を調
整するために耐熱性の高い非金属材料や、潤滑性を確保
するために黒鉛等が多量に添加され、また物性としても
低密度の範囲にある。これらの性質は、高い透磁性を得
るという点では相反するものであり、このままでは電磁
吸着ブレーキ用摩擦材としては使用できない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、これらの問題
点を解決しようとするものである。焼結摩擦材は、摩擦
調整材としての潤滑成分及び研削成分の添加量がある程
度多く、多孔質である(換言すれば低密度である)方が
安定した摩擦性能を確保し易い。一方、磁性材料として
透磁率を高く保つためには緻密で非鉄金属及び非金属成
分を含まないことが望ましい。
【0007】しかし、摩擦調整成分としての非金属成分
を含まないと高速域から(高温域において)のブレーキ
力が安定して確保できない。そのため、本発明では、非
金属成分の添加量を最小限に抑え、且つ透磁率を阻害す
るセラミックス材の一部を、透磁率を阻害しないで、摩
擦の際セラミックスと類似の効果(研削効果)を期待で
きる硬質な合金鉄(下記実施例ではFe−75%Siのフ
ェロシリコン、Fe−75%Mnのフェロマンガン、F−
63%Crのフェロクローム)を用いることとした。
【0008】即ち本発明の摩擦材は、 0.5〜2wt%のフ
ェロシリコン、又は1〜7wt%のフェロマンガン(ある
いはフェロクローム)と、 0.5〜3wt%の金属酸化物あ
るいは金属炭化物と、3wt%以内の銅と、2wt%以内の
錫と、1〜3wt%の黒鉛を含み、残部鉄より成り、焼結
体密度 5.7g/cm3 以上に焼結したことを特徴とするもの
であり、さらにまた3wt%以内の銅及び2wt%以内の錫
を5wt%以内のNiに置換えたものである。
【0009】上記の合金鉄は、セラミックス類よりは軟
質であるが、ベースとなる鉄よりは硬質であり、研削成
分としての効果を期待できる。フェロシリコンの場合、
焼結材に添加すると焼結の際、焼結体を膨張させ、焼結
力を阻害することが知られているが、実験では、添加量
を3wt%まで確認した。フェロマンガン、フェロクロー
ムの場合は、焼結体の膨張に及ぼす影響が少ないので、
これらの添加量は5wt%までとした。いずれの場合も3
wt%以内のセラミックス粉末と併用することが好まし
い。
【0010】一方、鉄系焼結材の焼結補助材には5wt%
程度のCu、及びさらにSnを用いることが多いが、透
磁率に及ぼす影響の少ないNiを使用することも有効で
あると考えた。
【0011】
【実施例】本発明の実施例を以下に説明する。
【0012】(実施例1)摩擦材は、表1に示す組成の
材料を成形圧力 400〜500MPa、焼結温度1100℃、還元気
流中で焼結時間60分焼結して製作した。
【0013】
【表1】
【0014】評価は、透磁率を直流磁化曲線試験法によ
り、また摩擦性能は、定速式摩擦試験機により実施し
た。摩擦試験の条件は、相手材:タイヤ鋼、摩擦速度:
27.8m/s (100km/h 相当)、摩擦材の面圧:1MPa 、ブ
レーキ開始時の相手材温度:40℃、摩擦時間:10秒と
し、これを 100回繰り返した。それらの結果を表2に示
した。
【0015】
【表2】
【0016】ここに、試料10, 11はディスクブレーキ用
ブレーキライニングを対象とした一般の焼結摩擦材の例
(従来例)である。これに対して試料1〜4は、単に非
金属成分の添加量を減じたものであるが、結果としては
透磁率が、試料10, 11よりは上昇するもののまだ低い値
である。試料5はフェロシリコン(Fe−Si)を3%
の添加であるが焼結時の焼結体の膨張が大きく、低密度
化するため透磁率が低下し、摩擦材の摩耗も増大する結
果となり、この添加量では不適といえる。
【0017】試料6の添加量であればセラミックスの代
替としての効果が期待できる。試料8,9は、それぞ
れ、セラミックス代替材としてのFe−Mn,Fe−C
rの効果をみたものであるが、摩擦係数、摩耗量の点か
らセラミックスと同等の効果を期待でき、且つ、透磁率
の点でも高い値が示された。
【0018】しかし、これらの添加材料は硬質であるた
め、添加量を本発明の範囲を越えて多くすると粉末成形
時の成形性を低下させ、これに起因して低密度化、焼結
力の低下につながるため、好ましい結果は得られない。
【0019】(実施例2)上記試料8の摩擦材組成の焼
結体として、成形圧力を変えることにより2種類(5.92
g/cm3 と5.63g/cm3 )の密度の焼結体摩擦材を製作して
各性能を評価し、それらの結果を表3に示した。
【0020】
【表3】
【0021】表3より焼結体密度が低いと透磁率が急激
に低下することが確認された。焼結体密度については他
の例からも 5.7g/cm3 以上にする必要がある。
【0022】
【発明の効果】このように、本発明によれば、鉄系焼結
摩擦材の添加材として透磁率を比較的高く保ち、研削効
果の高いセラミックス材の役割を有する材料としてFe
−Si,Fe−Mn及びFe−Crの効果が確認され、
電磁吸着式ブレーキのレールとの摩擦面に使用するのに
適した摩擦材を供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野寺 勝弘 埼玉県羽生市東5丁目4番71号 曙ブレー キ工業株式会社開発本部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.5〜2wt%のフェロシリコン、 0.5〜
    3wt%の金属酸化物あるいは金属炭化物、3wt%以内の
    銅、2wt%以内の錫、1〜3wt%の黒鉛を含み、残部鉄
    より成り、焼結体密度 5.7g/cm3 以上に焼結した焼結摩
    擦材料。
  2. 【請求項2】 1〜7wt%のフェロマンガンあるいはフ
    ェロクローム、 0.5〜3wt%の金属酸化物あるいは金属
    炭化物、3wt%以内の銅、2wt%以内の錫、1〜3wt%
    の黒鉛を含み、残部鉄より成り、焼結体密度 5.7g/cm3
    以上に焼結した焼結摩擦材料。
  3. 【請求項3】 請求項1及び請求項2において3wt%以
    内の銅、2wt%以内の錫を5wt%以内のニッケルに置換
    えた焼結摩擦材料。
JP32262092A 1992-11-06 1992-11-06 電磁吸着式ブレーキ用摩擦材 Pending JPH06147244A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09301256A (ja) * 1996-05-09 1997-11-25 Toshiba Tungaloy Co Ltd 車両用ローラーブレーキ
EP0875691A1 (de) * 1997-04-28 1998-11-04 Knorr-Bremse Systeme für Schienenfahrzeuge GmbH Sinterwerkstoff für eine magnetische Schienenbremse
JPH1178882A (ja) * 1997-04-28 1999-03-23 Alliedsignal Bremsbelag Gmbh 磁気レールブレーキ用焼結材料

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