JP2019163540A - 高速鉄道車両用焼結摩擦材 - Google Patents
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Abstract
【課題】300km/hを超える高速域においても高い摩擦係数を安定して維持することができる高速鉄道車両用焼結摩擦材の製造方法の提供。【解決手段】Cuを基材とし、1体積%〜20体積%のFeCrと、5体積%〜20体積%の金属酸化物と、30体積%〜60体積%の潤滑材を混合する混合工程と、加圧成形工程と、プレッシャープレートを重ね合せて焼結する焼結工程とを備え、金属酸化物がMgO、ZrO2、Al2O3から選択され、潤滑剤が黒鉛、MoS2.WS2、CaFから選択される、高速鉄道車両用焼結摩擦材の製造方法。【選択図】図1
Description
本発明は、新幹線などの高速鉄道車両に用いられる焼結摩擦材とその製造方法に関する。
新幹線などの高速鉄道車両は、1車両当たりの重量が40tを超え、300km/hを超える走行速度で運行される。このため、このような高速で運行される車両を、確実に停止可能なブレーキが必要不可欠である。特に、緊急時において、安全かつ短距離で停止可能なブレーキが求められている。
従来、高速鉄道車両用ブレーキとしては、一般的に、モータを発電機として使用することによって制動をかける電気ブレーキと、車軸とともに回転するブレーキロータに、摩擦材を押し付けることによって制動をかける基礎ブレーキ(ディスクブレーキ)とが併用されている。このうち、ディスクブレーキを構成する摩擦材は、通常、銅や鉄などの基材に、摩擦調整材、研摩材および潤滑材などを添加することによって製造される。
たとえば、特開2006−16680号公報には、スズ粉末;0.5wt%〜15wt%、亜鉛粉末;0.1wt%〜30wt%、ニッケル粉末;5wt%〜25wt%、鉄粉末;5wt%〜25wt%、ステンレス鋼粉末;0.1wt%〜20wt%、銅粉末;残部、のマトリックス金属成分が55wt%〜80wt%、潤滑材、摩擦調整材などのフィラー成分が20wt%〜45wt%、の焼結体からなり、(1)鉄粉末とステンレス鋼粉末の合計量が8wt%〜28wt%、(2)鉄粉末が、水素ガスまたはアンモニアガス雰囲気中で600℃〜1200℃の温度で熱処理した粒径範囲が40μm〜150μmの電解鉄粉末であることを特徴とする銅系焼結摩擦材が開示されている。
また、特開2007−126738号公報には、金属材料をマトリックスとし、研削材と潤滑材とを含む焼結摩擦材において、マトリックスの金属材料として、鋳鉄25体積%〜50体積%と、銅1体積%〜7体積%とを含む焼結摩擦材が開示されている。
しかしながら、これらの文献に記載の焼結摩擦材は、高速域における摩擦係数や耐摩耗性に問題がある。具体的には、特開2006−16680号公報に記載の焼結摩擦材は、電解鉄粉末とステンレス鋼粉末を併用することで、鉄成分の焼結を阻害する作用を利用して、摩擦材中に空隙を生じさせ、この空隙によってもたらされる研削作用によって摩擦係数を確保しようとするものであるため、高速鉄道車両のさらなる高速化(350km/h以上)に対応することができない。一方、特開2007−126738号公報に記載の技術は、基材に鉄系合金を使用しているため、銅系焼結摩擦材と比べて熱伝導性に劣り、減速時に急激な温度上昇を伴うという問題がある。また、相手材(ブレーキロータ)との関係で、減速時における摩耗量が大きく、十分な耐摩耗性を確保することが困難であるという問題がある。
これらの焼結摩擦材に対して、特開2012−207289号公報には、7.5質量%以上のFe、50質量%以上のCu、5質量%〜15質量%の黒鉛、0.3質量%〜7質量%の二硫化モリブデンおよび0.5質量%〜10質量%のシリカを含有し、Fe/Cuが0.15〜0.40であることを特徴とする高速鉄道車両用焼結摩擦材料が開示されている。この焼結摩擦材は、銅系の焼結摩擦材に添加されたFeが相手材に含まれるFeと反応し、両者が凝着することにより高い摩擦係数を実現している。また、基材に、熱伝導性に優れる銅を使用しており、減速時における急激な温度上昇を防止している。
しかしながら、このような焼結摩擦材であっても、減速時に生じた摩擦熱によって、その表面は1000℃を超えるような高温となる。このため、摩擦調整材として添加したFeが酸化され、焼結摩擦材の表面に酸化鉄層が形成されると、十分な凝着力を発揮することができなくなる。したがって、この文献に記載の技術では、長期間にわたって、高い摩擦係数を安定して維持することは困難である。
なお、特開昭60−200932号公報には、銅系の焼結摩擦材に、FeCrを1質量%〜20質量%添加することにより、耐熱フェード特性および耐水フェード特性を高め、特に高温域における摩擦係数および耐摩耗性の改善を図る技術が記載されている。
しかしながら、この文献に記載の焼結摩擦材は、二輪車を対象としたものであり、高速鉄道車両を対象としたものではない。すなわち、この文献に記載の技術は、シリカやアルミナなどの金属酸化物のひっかき作用によって摩擦係数を確保しており、FeCrは、基材の溶着(凝着)や塑性流動を防止し、耐摩耗性を向上させるために添加されているにすぎない。したがって、この文献に記載の技術では、上述した特開2006−16680号公報に記載の技術と同様に、高速鉄道車両のさらなる高速化に対応することはきわめて困難である。
本発明は、300km/hを超える高速域においても、高い摩擦係数を安定して維持できる高速鉄道車両用焼結摩擦材を提供することを目的とする。また、本発明は、このような高速鉄道車両用焼結摩擦材を、工業規模の製造において容易に製造可能な方法を提供することを目的とする。
本発明の高速鉄道車両用焼結摩擦材は、Cuを基材とし、1体積%〜20体積%のFeCrと、5体積%〜20体積%の金属酸化物と、30体積%〜60体積%の潤滑材とを含むことを特徴とする。
前記Cuを20体積%以上含むことが好ましい。
前記金属酸化物は、MgO、ZrO2およびAl2O3から選択される1種以上であることが好ましく、MgO、ZrO2およびAl2O3の3種であることがより好ましい。この場合、MgO、ZrO2およびAl2O3の体積比が、MgO:ZrO2:Al2O3=1.5〜2.5:1.5〜2.5:1.0であることがさらに好ましい。
なお、本発明の高速鉄道車両用焼結摩擦材は、15体積%以下のSnおよび/またはZnをさらに含むことができる。
また、本発明の高速鉄道車両用焼結摩擦材の製造方法は、
基材となるCu粉末に、1体積%〜20体積%のFeCr粉末と、5体積%〜20体積%の金属酸化物粉末と、30体積%〜60体積%の潤滑材とを混合することにより混合粉末を得る、混合工程と、
前記混合粉末を成形型に投入し、加圧成形することにより予備成形体を得る、成形工程と、
前記予備成形体とプレッシャプレートとを重ね合わせて焼成することにより、焼結体を得る、焼結工程と、
を備えることを特徴とする。
基材となるCu粉末に、1体積%〜20体積%のFeCr粉末と、5体積%〜20体積%の金属酸化物粉末と、30体積%〜60体積%の潤滑材とを混合することにより混合粉末を得る、混合工程と、
前記混合粉末を成形型に投入し、加圧成形することにより予備成形体を得る、成形工程と、
前記予備成形体とプレッシャプレートとを重ね合わせて焼成することにより、焼結体を得る、焼結工程と、
を備えることを特徴とする。
前記焼結体を、常温、50MPa〜90MPaで、2秒間〜5秒間サイジングした後、所定の厚さに研摩する、加工工程をさらに備えることが好ましい。
前記金属酸化物として、MgO、ZrO2およびAl2O3から選択される1種以上を用いることが好ましく、MgO、ZrO2およびAl2O3の3種を用いることがより好ましい。この場合、MgO、ZrO2およびAl2O3の体積比を、MgO:ZrO2:Al2O3=1.5〜2.5:1.5〜2.5:1.0とすることがより好ましい。
前記混合工程において、15体積%以下のSnおよび/またはZnをさらに混合してもよい。
前記FeCr粉末として、平均粒径が10μm〜300μmであるFeCr粉末を用いることが好ましい。また、前記金属酸化物粉末として、平均粒径が50μm〜400μmである金属酸化物粉末を用いることが好ましい。
本発明によれば、300km/hを超える高速域においても、高い摩擦係数を安定して維持できる高速鉄道車両用焼結摩擦材を提供することができる。また、このような高速鉄道車両用焼結摩擦材を、工業規模の製造において容易に製造可能な方法を提供することができる。このため、本発明の工業的意義はきわめて大きい。
上述したように、焼結摩擦材中のフェロクロム(FeCr)には、高速域からの減速時における基材の凝着を防止する効果があることが知られていたものの、摩擦調整材としての鉄と異なり、それ自体によって、直接的に摩擦係数を向上させる効果はないと考えられていた。
本発明者は、この点について研究を重ねた結果、自動車や二輪車よりもはるかに高重量物である高速鉄道車両を、300km/hを超える高速域から減速させる場合には、焼結摩擦材の表面温度は1000℃を超える高温となるため、FeCrが相手材と凝着し、高い摩擦係数を発揮することができるとの知見を得た。また、FeCrは耐酸化性に優れるため、このような高温にさらされた場合であっても、焼結摩擦材の表面に酸化鉄層が形成されることはないとの知見を得た。
一方、焼結摩擦材と相手材との凝着力によって高い摩擦係数を確保する場合、相手材の表面に移着物や反応生成物が生じることが問題となる。特に、高速鉄道車両の用途では、減速時に要するエネルギが膨大となるため、これらの移着物や反応生成物の影響は大きく、長期間にわたって、高い摩擦係数を安定して維持することが困難となる場合がある。本発明者らは、この点を踏まえて、さらに研究を重ねた結果、摩擦調整材として添加する研削材および潤滑材の添加量や種類などを最適化することにより、移着物や反応生成物の影響を効果的に排除できるとの知見を得た。本発明は、これらの知見に基づき完成されたものである。
以下、本発明の高速鉄道車両用焼結摩擦材(以下、「焼結摩擦材」という)について、「1.高速鉄道車両用焼結摩擦材」と「2.高速鉄道車両用焼結摩擦材の製造方法」に分けて説明する。なお、本発明は、焼結摩擦材の形状や寸法によって制限されることはないが、以下では、図1に示すような、厚さが15mm〜55mm、短手方向の長さが100mm〜200mm、長手方向の長さが350mm〜550mmの範囲にあるブレーキライニングを例に挙げて説明する。
1.高速鉄道車両用焼結摩擦材
(1)組成
本発明の焼結摩擦材は、Cuを基材とし、1体積%〜20体積%のフェロクロム(FeCr)と、5体積%〜20体積%の金属酸化物と、30体積%〜60体積%の黒鉛とを含むことを特徴とする。
(1)組成
本発明の焼結摩擦材は、Cuを基材とし、1体積%〜20体積%のフェロクロム(FeCr)と、5体積%〜20体積%の金属酸化物と、30体積%〜60体積%の黒鉛とを含むことを特徴とする。
[基材]
本発明の焼結摩擦材では、基材としてCuを使用する。これは、Cuは熱伝導性に優れるため、FeやFe合金を基材とする焼結摩擦材に比べて、表面温度の急激な上昇を防止することができるからである。
本発明の焼結摩擦材では、基材としてCuを使用する。これは、Cuは熱伝導性に優れるため、FeやFe合金を基材とする焼結摩擦材に比べて、表面温度の急激な上昇を防止することができるからである。
Cuの含有量は、特に制限されることはなく、焼結摩擦材の基礎となるマトリックスを構成可能な程度であればよい。具体的には、Cuの含有量は、20体積%以上とすることが好ましく、30体積%以上とすることがより好ましい。Cuの含有量が20体積%未満では、他の構成成分との関係で、焼結摩擦材の成形性や強度が低下するばかりでなく、十分な熱伝導性を確保することができない場合がある。一方、Cuの含有量の上限は、後述する摩擦調整材や研削材などの添加成分との関係で定められるべきものであるが、概ね、50体積%以下とすることが好ましく、45体積%以下とすることがより好ましい。
なお、本発明の焼結摩擦材においては、Cuに、焼結助剤として、微量のスズ(Sn)や亜鉛(Zn)などを添加し、基材をCu−Sn合金、Cu−Zn合金またはCu−Sn−Zn合金により構成することもできる。基材をこれらのCu合金で構成することにより、焼結摩擦材の低温焼結が可能となる。ただし、これらの焼結助剤の含有量は、15体積%以下とすることが好ましい。焼結助剤の含有量が15体積%を超えると、液相温度が下がり、焼結摩擦材の耐熱温度が低下してしまうおそれがある。
[摩擦調整材]
本発明では、摩擦調整材としてフェロクロム(FeCr)を用いる。FeCrは、融点が1400℃〜1500℃の範囲にあり、Cuの融点(1083℃)と比べて高温である。このため、高速鉄道車両を300km/hを超える高速域から減速させる際に、摩擦材の表面が1000℃を超えるような高温となった場合においても、相手材との凝着が可能であり、高い摩擦係数を発揮することができる。しかも、FeCrは耐酸化性に優れ、減速時に生じた摩擦熱により酸化することはないため、このような高い摩擦係数を安定して維持することができる。
本発明では、摩擦調整材としてフェロクロム(FeCr)を用いる。FeCrは、融点が1400℃〜1500℃の範囲にあり、Cuの融点(1083℃)と比べて高温である。このため、高速鉄道車両を300km/hを超える高速域から減速させる際に、摩擦材の表面が1000℃を超えるような高温となった場合においても、相手材との凝着が可能であり、高い摩擦係数を発揮することができる。しかも、FeCrは耐酸化性に優れ、減速時に生じた摩擦熱により酸化することはないため、このような高い摩擦係数を安定して維持することができる。
なお、FeCrとしては、高炭素FeCr、中炭素FeCrおよび低炭素FeCrのいずれも用いることができるが、FeCrの耐熱温度の観点から、低炭素FeCrを用いることが好ましい。
FeCrの含有量は、1体積%〜20体積%、好ましくは2体積%〜10体積%、より好ましくは4体積%〜8体積%とすることが必要となる。FeCrの含有量が1体積%未満では、その添加効果を得ることができない。一方、FeCrは、固体状態では硬度が高いため、その含有量が20体積%を超えると、相手材の摩耗量が著しく増加してしまう。
[研削材]
研削材は、摩擦係数を高めるとともに、その研削作用により相手材(ディスクロータ)の摩擦面に生じた移着物や反応生成物を削り取り、摩擦面をクリーンな状態に保つために添加する成分である。本発明の焼結摩擦材では、高速域における高い摩擦係数を確保するために相手材との凝着力を利用しているため、このような研削材および次述する潤滑材の含有量や種類の選択も重要となる。
研削材は、摩擦係数を高めるとともに、その研削作用により相手材(ディスクロータ)の摩擦面に生じた移着物や反応生成物を削り取り、摩擦面をクリーンな状態に保つために添加する成分である。本発明の焼結摩擦材では、高速域における高い摩擦係数を確保するために相手材との凝着力を利用しているため、このような研削材および次述する潤滑材の含有量や種類の選択も重要となる。
本発明の焼結摩擦材では、研削材として、金属酸化物を使用することができ、その含有量を、5体積%〜20体積%、好ましくは6体積%〜15体積%、より好ましくは7体積%〜13体積%とすることが必要となる。金属酸化物の含有量が5体積%未満では、上述した機能を十分に発揮することができない。一方、金属酸化物の含有量が20体積%を超えると、相手材に対する攻撃性が過度に大きくなってしまう。
このような金属酸化物としては、焼結摩擦材に要求される性能に応じて種々のものを選択することができる。しかしながら、本発明のような高速鉄道車両での用途では、相手材であるディスクロータの寿命を確保する観点から、マグネシア(MgO)、ジルコニア(ZrO2)およびアルミナ(Al2O3)から選択される1種以上を使用することが好ましく、これら3種の金属酸化物を組み合わせて使用することがより好ましい。
金属酸化物として、MgO、ZrO2およびAl2O3を使用する場合、これらの体積比を、MgO:ZrO2:Al2O3=1.5〜2.5:1.5〜2.5:1.0とすることが好ましく、1.8〜2.3:1.8〜2.3:1.0とすることがより好ましく、2:2:1とすることがさらに好ましい。これにより、焼結摩擦材に適度な研削作用を付与し、高速域からの減速時における摩擦係数を、さらに安定させることができる。
[潤滑材]
潤滑材は、相手材との焼き付きを防止するとともに、焼結摩擦材の寿命(耐久性)を向上させるために添加する成分である。本発明の焼結摩擦材では、このような潤滑材として、従来技術と同様に、黒鉛、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、フッ化カルシウム(CaF2)などから選択される少なくとも1種を使用することができる。これらの中でも、環境に対する負荷が少ない、黒鉛を使用することが好ましい。
潤滑材は、相手材との焼き付きを防止するとともに、焼結摩擦材の寿命(耐久性)を向上させるために添加する成分である。本発明の焼結摩擦材では、このような潤滑材として、従来技術と同様に、黒鉛、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、フッ化カルシウム(CaF2)などから選択される少なくとも1種を使用することができる。これらの中でも、環境に対する負荷が少ない、黒鉛を使用することが好ましい。
潤滑材として黒鉛を使用する場合、天然黒鉛のほか、膨張黒鉛や人造黒鉛も使用することができるが、これらの中でも天然黒鉛や人造黒鉛を使用することが好ましく、天然黒鉛と人造黒鉛を組み合わせて使用することがより好ましい。なお、天然黒鉛としては、鱗状黒鉛を使用することが好ましい。
鱗状黒鉛と人造黒鉛を組み合わせて使用する場合、鱗状黒鉛と人造黒鉛の体積比を、2.5〜3.5:1.0とすることが好ましく、2.8〜3.2:1.0とすることがより好ましい。これにより、高速域からの減速時における耐摩耗性を改善することができる。
潤滑材の含有量は、合計で、30体積%〜60体積%、好ましくは35体積%〜50体積%、より好ましくは37体積%〜48体積%とすることが必要となる。潤滑材の含有量が30体積%未満では、その添加効果を十分に得ることができない。一方、潤滑材の含有量が60体積%を超えると、焼結摩擦材の強度を十分に確保することができなくなる。
(2)特性
[摩擦係数]
上述したように、本発明の焼結摩擦材は、摩擦調整材としてFeCrを使用しているため、高速域においても、高い摩擦係数を発揮することができる。また、減速時に生じた摩擦熱により酸化鉄層が形成されることがなく、かつ、研削材や潤滑材の含有量および種類を適切に規制することにより、相手材の表面に生じた移着物や反応生成物を除去することが可能であるため、このような高い摩擦係数を、長期間にわたって安定して維持することができる。
[摩擦係数]
上述したように、本発明の焼結摩擦材は、摩擦調整材としてFeCrを使用しているため、高速域においても、高い摩擦係数を発揮することができる。また、減速時に生じた摩擦熱により酸化鉄層が形成されることがなく、かつ、研削材や潤滑材の含有量および種類を適切に規制することにより、相手材の表面に生じた移着物や反応生成物を除去することが可能であるため、このような高い摩擦係数を、長期間にわたって安定して維持することができる。
具体的には、本発明の焼結摩擦材を用いて、以下の条件でダイナモ試験(非常ブレーキ相当)を行った場合において、365km/hにおける摩擦係数の平均値(平均摩擦係数)μaveを0.30以上、好ましくは0.33以上とすることができる。また、この速度における瞬間の摩擦係数の最小値(最小摩擦係数)μminを0.25以上、好ましくは0.30以上とすることができる。
(ダイナモ試験の条件)
・慣性モーメント :121kg・m2
・初速度 :365km・h-1
・試験回数 :3回
・相手材 :新幹線用鍛鋼ディスクロータ
(ダイナモ試験の条件)
・慣性モーメント :121kg・m2
・初速度 :365km・h-1
・試験回数 :3回
・相手材 :新幹線用鍛鋼ディスクロータ
[摩耗量]
上述のように、FeCrは、固体状態においては硬質であるため、その含有量が増加するほど、焼結摩擦材の攻撃性が高くなり、相手材の摩耗量が大きくなるおそれがある。このような問題に対して、本発明の焼結摩擦材では、FeCrの含有量を適宜調整することで、高い摩擦係数を維持したまま、相手材の摩耗量を抑制することが可能である。なお、相手材の摩耗量は、たとえば、断面測定機を用いて測定することができる。
上述のように、FeCrは、固体状態においては硬質であるため、その含有量が増加するほど、焼結摩擦材の攻撃性が高くなり、相手材の摩耗量が大きくなるおそれがある。このような問題に対して、本発明の焼結摩擦材では、FeCrの含有量を適宜調整することで、高い摩擦係数を維持したまま、相手材の摩耗量を抑制することが可能である。なお、相手材の摩耗量は、たとえば、断面測定機を用いて測定することができる。
2.高速鉄道車両用焼結摩擦材の製造方法
本発明の焼結摩擦材の製造方法は、基材となるCu粉末に、1体積%〜20体積%のFeCr粉末と、5体積%〜20体積%の金属酸化物粉末と、30体積%〜60体積%の潤滑材とを混合することにより混合粉末を得る、混合工程と、この混合粉末を成形型に投入し、加圧成形することにより予備成形体を得る、成形工程と、この予備成形体とプレッシャプレートとを重ねわせて焼成することにより、焼結体を得る、焼結工程とを備えることを特徴とする。以下、工程ごとに、本発明の焼結摩擦材の製造方法を説明する。
本発明の焼結摩擦材の製造方法は、基材となるCu粉末に、1体積%〜20体積%のFeCr粉末と、5体積%〜20体積%の金属酸化物粉末と、30体積%〜60体積%の潤滑材とを混合することにより混合粉末を得る、混合工程と、この混合粉末を成形型に投入し、加圧成形することにより予備成形体を得る、成形工程と、この予備成形体とプレッシャプレートとを重ねわせて焼成することにより、焼結体を得る、焼結工程とを備えることを特徴とする。以下、工程ごとに、本発明の焼結摩擦材の製造方法を説明する。
(1)混合工程
混合工程は、基材となるCu粉末に、1体積%〜20体積%のFeCr粉末と、5体積%〜20体積%の金属酸化物粉末と、30体積%〜60体積%の潤滑材とを混合し、混合粉末を得る工程である。
混合工程は、基材となるCu粉末に、1体積%〜20体積%のFeCr粉末と、5体積%〜20体積%の金属酸化物粉末と、30体積%〜60体積%の潤滑材とを混合し、混合粉末を得る工程である。
a)原料粉末
本発明の製造方法において使用することができる原料粉末は、特に制限されることはないが、以下で説明するものを使用することが好ましい。なお、各原料粉末の混合比や、金属酸化物粉末としてMgO粉末、ZrO2粉末およびAl2O3粉末を使用する場合の体積比などについては、上述した焼結摩擦材における組成比と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明の製造方法において使用することができる原料粉末は、特に制限されることはないが、以下で説明するものを使用することが好ましい。なお、各原料粉末の混合比や、金属酸化物粉末としてMgO粉末、ZrO2粉末およびAl2O3粉末を使用する場合の体積比などについては、上述した焼結摩擦材における組成比と同様であるため、ここでの説明は省略する。
[Cu粉末]
Cu粉末としては、平均粒径が10μm〜200μmのものを用いることが好ましく、30μm〜100μmのものを用いることがより好ましい。これにより、混合工程において、混合粉末中に各原料粉末を均一に分散させることができ、得られる焼結摩擦材を均一な組成とすることが可能となる。
Cu粉末としては、平均粒径が10μm〜200μmのものを用いることが好ましく、30μm〜100μmのものを用いることがより好ましい。これにより、混合工程において、混合粉末中に各原料粉末を均一に分散させることができ、得られる焼結摩擦材を均一な組成とすることが可能となる。
なお、SnやZnなどの焼結助剤を使用する場合、平均粒径が5μm〜100μmのものを用いることが好ましく、10μm〜80μmのものを用いることがより好ましい。
また、本発明の製造方法においては、Cu粉末に代えて、Cu−Sn合金粉末、Cu−Zn合金粉末あるいはCu−Sn−Zn合金粉末などのCu合金粉末を用いることも可能である。この場合、Cu合金粉末として、平均粒径が5μm〜100μmのものを用いることが好ましく、10μm〜80μmのものを用いることがより好ましい。
[FeCr粉末]
FeCr粉末としては、平均粒径が10μm〜300μmのものを用いることが好ましく、30μm〜100μmのものを用いることがより好ましい。FeCr粉末の平均粒径が10μm未満では、焼結摩擦材の表面に露出するFeCrの割合が減少し、摩擦性能が低下するおそれがある。一方、FeCr粉末の平均粒径が300μmを超えると、焼結摩擦材の表面に露出するFeCrに偏りが生じるため、局所的に、高摩擦領域が形成されるおそれがある。
FeCr粉末としては、平均粒径が10μm〜300μmのものを用いることが好ましく、30μm〜100μmのものを用いることがより好ましい。FeCr粉末の平均粒径が10μm未満では、焼結摩擦材の表面に露出するFeCrの割合が減少し、摩擦性能が低下するおそれがある。一方、FeCr粉末の平均粒径が300μmを超えると、焼結摩擦材の表面に露出するFeCrに偏りが生じるため、局所的に、高摩擦領域が形成されるおそれがある。
[金属酸化物粉末]
金属酸化物粉末としては、平均粒径が50μm〜400μmのものを用いることが好ましい。金属酸化物粉末の平均粒径が50μm未満では、ディスクロータの摩擦面に対するクリーニング性が不足する場合がある。一方、金属酸化物粉末の平均粒径が400μmを超えると、焼結摩擦材の表面に露出する金属酸化物に偏りが生じるため、局所的に、高摩擦領域が形成されるおそれがある。
金属酸化物粉末としては、平均粒径が50μm〜400μmのものを用いることが好ましい。金属酸化物粉末の平均粒径が50μm未満では、ディスクロータの摩擦面に対するクリーニング性が不足する場合がある。一方、金属酸化物粉末の平均粒径が400μmを超えると、焼結摩擦材の表面に露出する金属酸化物に偏りが生じるため、局所的に、高摩擦領域が形成されるおそれがある。
なお、本発明において、Cu粉末、FeCr粉末および金属酸化物粉末の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布計により測定される値(メジアン径)を意味する。
[潤滑材]
潤滑材として、黒鉛粉末を用いる場合、平均粒径が10μm〜2000μmのものを用いることが好ましい。ただし、黒鉛粉末として人造黒鉛を用いる場合には、平均粒径が500μm以上2000μm以下の範囲にある大粒径の人造黒鉛(CL)と、平均粒径が50μm以上500μm未満の範囲にある小粒径の人造黒鉛(Cs)とを、体積比(CL/CS)が、1.5〜2.5となるように混合して用いることが好ましく、1.8〜2.4となるように混合して用いることがより好ましい。これにより、潤滑特性が優れるばかりでなく、黒鉛を比較的多く含む場合であっても、高強度の焼結摩擦材を得ることができる。
潤滑材として、黒鉛粉末を用いる場合、平均粒径が10μm〜2000μmのものを用いることが好ましい。ただし、黒鉛粉末として人造黒鉛を用いる場合には、平均粒径が500μm以上2000μm以下の範囲にある大粒径の人造黒鉛(CL)と、平均粒径が50μm以上500μm未満の範囲にある小粒径の人造黒鉛(Cs)とを、体積比(CL/CS)が、1.5〜2.5となるように混合して用いることが好ましく、1.8〜2.4となるように混合して用いることがより好ましい。これにより、潤滑特性が優れるばかりでなく、黒鉛を比較的多く含む場合であっても、高強度の焼結摩擦材を得ることができる。
なお、本発明において、黒鉛の平均粒径は、ふるい分け法やレーザー回折式粒度分布計により測定される値(メジアン径)を意味する。
b)混合方法
混合方法は、上述した原料粉末が均一に混合される限り、特に制限されることはなく公知の方法を利用することができる。具体的には、上述した原料粉末に適量の有機溶剤を添加し、これらの原料粉末が均一に分散するように回転混合機などを用いて湿式混合する方法を利用することができる。
混合方法は、上述した原料粉末が均一に混合される限り、特に制限されることはなく公知の方法を利用することができる。具体的には、上述した原料粉末に適量の有機溶剤を添加し、これらの原料粉末が均一に分散するように回転混合機などを用いて湿式混合する方法を利用することができる。
(2)成形工程
成形工程は、混合工程で得られた混合粉末を成形型に投入し、加圧成形することにより予備成形体を得る工程である。なお、成形工程では、成形型を加熱する必要はなく、常温(15℃〜25℃程度)で加圧成形する。
成形工程は、混合工程で得られた混合粉末を成形型に投入し、加圧成形することにより予備成形体を得る工程である。なお、成形工程では、成形型を加熱する必要はなく、常温(15℃〜25℃程度)で加圧成形する。
成形工程における加圧力は、250MPa〜350MPaとすることが好ましい。また、加圧時間は、2秒間〜5秒間とすることが好ましい。このような条件で加圧成形することにより、成形密度が十分に高い予備成形体を、効率的に得ることができる。
(3)焼成工程
焼成工程は、成形工程で得られた予備成形体とプレッシャプレートとを重ねわせて焼成することにより、焼結体を得る工程である。
焼成工程は、成形工程で得られた予備成形体とプレッシャプレートとを重ねわせて焼成することにより、焼結体を得る工程である。
この際、焼結温度を800℃〜1000℃とすることが好ましい。また、加圧力を0.1MPa〜2.0MPaとすることが好ましい。さらに、焼成時間(焼成温度での保持時間)を10分間〜400分間とすることが好ましい。このような条件で焼成することにより、焼結摩擦材の機械的強度を高め、制動時に生じる接線力に対する耐性を向上させることが可能となる。
(4)加工工程
焼成工程で得られた焼結体は、加工工程を経て、所定のサイズに調整される。この際、焼結体の加工方法は、特に制限されることはないが、たとえば、焼結体を、常温、50MPa〜90MPa、2秒間〜5秒間、サイジングした後、所定の厚さに研摩する方法が好ましい。これにより、焼結体を所定の寸法に矯正するばかりでなく、その機械的強度をさらに改善することが可能となる。
焼成工程で得られた焼結体は、加工工程を経て、所定のサイズに調整される。この際、焼結体の加工方法は、特に制限されることはないが、たとえば、焼結体を、常温、50MPa〜90MPa、2秒間〜5秒間、サイジングした後、所定の厚さに研摩する方法が好ましい。これにより、焼結体を所定の寸法に矯正するばかりでなく、その機械的強度をさらに改善することが可能となる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を具体的に説明する。
[焼結摩擦材]
原料粉末として表1に示すものを用意し、これらの原料粉末を表2に示すように混合することにより混合粉末を得た。この混合粉末を成形型に投入し、常温、300MPaで3秒間加圧成形することにより予備成形体を得た。次に、この予備成形体を、銅めっきした金属板(プレッシャプレート)と重ね合わせた上で、焼結炉に投入し、800℃〜1000℃、1MPaで60分間焼成し、焼結体を得た。この焼結体を室温まで冷却し、常温、70MPaで3秒間サイジングした後、焼結体の表面を研摩し、厚さが20mm、外形が60mmの焼結摩擦材を得た。その後、トルク受けプレートにリベットで取り付け、図1に示すようなブレーキライニングを得た。
原料粉末として表1に示すものを用意し、これらの原料粉末を表2に示すように混合することにより混合粉末を得た。この混合粉末を成形型に投入し、常温、300MPaで3秒間加圧成形することにより予備成形体を得た。次に、この予備成形体を、銅めっきした金属板(プレッシャプレート)と重ね合わせた上で、焼結炉に投入し、800℃〜1000℃、1MPaで60分間焼成し、焼結体を得た。この焼結体を室温まで冷却し、常温、70MPaで3秒間サイジングした後、焼結体の表面を研摩し、厚さが20mm、外形が60mmの焼結摩擦材を得た。その後、トルク受けプレートにリベットで取り付け、図1に示すようなブレーキライニングを得た。
[摩擦材の評価]
上述のようにして得られたブレーキライニングを用いて、以下の条件でダイナモ試験(非常ブレーキ相当)を実施した。この結果、平均摩擦係数μaveが0.33以上かつ最小摩擦係数μminが0.30以上のものを「優(◎)」と、μaveが0.30以上かつμminが0.25以上のもの(ただし、μaveが0.33以上かつμminが0.30以上のものを除く)を「良(○)」と、μaveが0.30未満またはμminが0.25未満のものを「不良(×)」と評価した。以上の結果を表3に示す。
上述のようにして得られたブレーキライニングを用いて、以下の条件でダイナモ試験(非常ブレーキ相当)を実施した。この結果、平均摩擦係数μaveが0.33以上かつ最小摩擦係数μminが0.30以上のものを「優(◎)」と、μaveが0.30以上かつμminが0.25以上のもの(ただし、μaveが0.33以上かつμminが0.30以上のものを除く)を「良(○)」と、μaveが0.30未満またはμminが0.25未満のものを「不良(×)」と評価した。以上の結果を表3に示す。
また、ダイナモ試験後、断面測定機(株式会社小坂研究所製、SP−46D)を用いて、相手材の摩耗量を測定した。この結果、相手材の摩耗量が10μm未満であったものを「優(◎)」、10μm以上30μm未満であったものを「良(○)」、30μm以上であったものを「不良(×)」と評価した。以上の結果を表3に示す。
(ダイナモ試験の条件)
・慣性モーメント :121kg・m2
・初速度 :365km・h-1
・試験回数 :3回
・相手材 :新幹線用鍛鋼ディスクロータ
(ダイナモ試験の条件)
・慣性モーメント :121kg・m2
・初速度 :365km・h-1
・試験回数 :3回
・相手材 :新幹線用鍛鋼ディスクロータ
[総合評価]
表1〜3より、実施例1〜5の焼結摩擦材は、高速域における平均摩擦係数μaveを0.30以上、かつ、摩耗量を30μm未満とすることが可能であることが確認できる。特に、実施例2および3の焼結摩擦材は、相手材の摩耗量を抑制しつつ、高い摩擦特性を発揮していることが確認できる。
表1〜3より、実施例1〜5の焼結摩擦材は、高速域における平均摩擦係数μaveを0.30以上、かつ、摩耗量を30μm未満とすることが可能であることが確認できる。特に、実施例2および3の焼結摩擦材は、相手材の摩耗量を抑制しつつ、高い摩擦特性を発揮していることが確認できる。
これに対して、摩擦調整材としてFeを使用した比較例2〜5の焼結摩擦材は、高速域における平均摩擦係数μaveが低下していることが確認できる。これは、高速域からの減速時に発生した熱によりFeが酸化し、焼結摩擦材の表面に酸化鉄層が形成され、摩擦力が低下したためと考えられる。
Claims (7)
- 基材となるCu粉末に、1体積%〜20体積%のFeCr粉末と、5体積%〜20体積%の金属酸化物粉末と、30体積%〜60体積%の潤滑材とを混合することにより混合粉末を得る、混合工程と、
前記混合粉末を成形型に投入し、加圧成形することにより予備成形体を得る、成形工程と、
前記予備成形体とプレッシャプレートとを重ね合わせて焼成することにより、焼結体を得る、焼結工程と、
を備え、
前記金属酸化物が、MgO、ZrO2およびAl2O3から選択される1種以上であり、
前記潤滑材が、黒鉛、二硫化モリブデン、二硫化タングステンおよびフッ化カルシウムから選択される少なくとも1種以上である、高速鉄道車両用焼結摩擦材の製造方法。 - 前記焼結体を、常温、50MPa〜90MPaで、2秒間〜5秒間サイジングした後、所定の厚さに研摩する、加工工程をさらに備える、請求項1に記載の高速鉄道車両用焼結摩擦材の製造方法。
- 前記金属酸化物として、MgO、ZrO2およびAl2O3を用いる、請求項1または2に記載の高速鉄道車両用焼結摩擦材の製造方法。
- 前記MgO、ZrO2およびAl2O3の体積比を、MgO:ZrO2:Al2O3=1.5〜2.5:1.5〜2.5:1.0とする、請求項3に記載の高速鉄道車両用焼結摩擦材の製造方法。
- 前記混合工程において、15体積%以下のSnおよび/またはZnをさらに混合する、請求項1〜4のいずれかに記載の高速鉄道車両用焼結摩擦材の製造方法。
- 前記FeCr粉末として、平均粒径が10μm〜300μmであるFeCr粉末を用いる、請求項1〜5のいずれかに記載の高速鉄道車両用焼結摩擦材の製造方法。
- 前記金属酸化物粉末として、平均粒径が50μm〜400μmである金属酸化物粉末を用いる、請求項1〜6のいずれかに記載の高速鉄道車両用焼結摩擦材の製造方法。
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