JPH06146655A - 建物用動吸振装置 - Google Patents

建物用動吸振装置

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JPH06146655A
JPH06146655A JP30358992A JP30358992A JPH06146655A JP H06146655 A JPH06146655 A JP H06146655A JP 30358992 A JP30358992 A JP 30358992A JP 30358992 A JP30358992 A JP 30358992A JP H06146655 A JPH06146655 A JP H06146655A
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JP
Japan
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dynamic vibration
building
vibration
horizontal member
horizontal
Prior art date
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Application number
JP30358992A
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English (en)
Inventor
Toshiro Takeda
敏郎 武田
Atsushi Takeuchi
淳 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 建物の水平振動を防振するため、構成簡素
で、工業化住宅等に簡便かつ安価に採用できる建物用動
吸振装置を提供すること。 【構成】 建物用動吸振装置において、動吸振器10
が、横架材11の側面におもり12を取着して構成さ
れ、該横架材11を水平配置するように該横架材11の
両端部を天井構造体の天井小梁13に固定し、該横架材
11の水平方向の曲げ振動により吸振するもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、風、地震、交通振動に
よる建物の主として水平方向の振動(横揺れ)を抑制す
る、建物用動吸振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】建物用防振装置として、特開昭63-76932
号公報に記載の如くの動吸振器を用いるものがある。こ
の動吸振器は、おもり、ばね、抵抗の各要素を組合わせ
たものを建物に設置することにて構成されている。
【0003】また、建物の床構造体の防振装置として、
特開平2-194240号公報に記載の如く、床の大梁間に配列
固定された各小梁の、低減したい振動数の振動の腹に相
当する部分の側面に、質量体を直接又は粘弾性板を介し
て取付けるものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来技術
では、動吸振器を構成するばねと抵抗の各要素を別異の
ものにて構成している。従って、構成複雑であり、工業
化住宅等に簡便かつ安価に採用できなかった。
【0005】また、従来の床構造体の防振装置は、床衝
撃力等に起因して床に生ずる垂直振動(50〜60Hz)を減
衰するものであり、各階全ての床構造体に設ける必要が
あるばかりか、建物の風、地震、交通振動による水平振
動( 3〜 8Hz)を防振することができない。
【0006】本発明は、建物の水平振動を防振するた
め、構成簡素で、工業化住宅等に簡便かつ安価に採用で
きる建物用動吸振装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、建物の主として水平方向の振動を抑制するための動
吸振器を用いてなる建物用動吸振装置において、動吸振
器が、横架材の側面におもりを取着して構成され、該横
架材を水平配置するように該横架材の両端部を天井構造
体の天井小梁に固定し、該横架材の水平方向の曲げ振動
により吸振するようにしたものである。
【0008】請求項2に記載の本発明は、建物の主とし
て水平方向の振動を抑制するための動吸振器を用いてな
る建物用動吸振装置において、動吸振器が、横架材の側
面におもりを取着して構成され、該横架材を水平配置す
るように該横架材の両端部を天井構造体に固定し、該横
架材の水平方向の曲げ振動により吸振するものであり、
複数の上記動吸振器を建物内に分散配置するに際し、複
数の動吸振器の天井構造体に対する取付部を一部共有さ
せてなるようにしたものである。
【0009】請求項3に記載の本発明は、建物の主とし
て水平方向の振動を抑制する建物用動吸振装置におい
て、一方向の振動を吸振し得る一方向動吸振器を用い、
複数の一方向動吸振器のそれぞれを建物内に分散配置
し、かつ一部の動吸振器の吸振方向と他の動吸振器の吸
振方向とを、水平面内で互いに直交し、かつ天井梁に斜
交する方向に設定し、該一部の動吸振器の個数と該他の
動吸振器の個数とを略同数とするようにしたものであ
る。
【0010】請求項4に記載の本発明は、建物の主とし
て水平方向の振動を抑制するための動吸振器を用いてな
る建物用動吸振装置において、動吸振器が、複数の制振
材層を積層してなる横架材の側面におもりを取着して構
成されてなるようにしたものである。
【0011】
【作用】請求項1に記載の本発明によれば、下記の作
用がある。 おもりを横架材で支え、該横架材の曲げ剛性をばね要
素とするとともに、該横架材の曲げ振動による内部損失
を抵抗要素とする。即ち、横架材がばねと抵抗の 2つの
要素を代行することとなり、構成簡素な動吸振器を提供
できる。従って、この動吸振器の固有振動数が建物の水
平方向1次固有振動数に一致するように、おもりと横架
材を形成し、該横架材を天井構造体に固定することによ
り、建物の水平方向の振動(横揺れ)を動吸振作用によ
り防振できる。
【0012】また、横架材の両端部を天井構造体の天井
小梁に固定することにより、該横架材が配置される長手
方向での両側天井大梁間隔が該横架材長さより大なる場
合にも、該横架材を両側天井大梁間の所望位置に固定配
置でき、所望の動吸振作用を得ることができる。
【0013】請求項2に記載の本発明によれば、下記
の作用がある。 おもりを横架材で支え、該横架材の曲げ剛性をばね要
素とするとともに、該横架材の曲げ振動による内部損失
を抵抗要素とする。即ち、横架材がばねと抵抗の 2つの
要素を代行することとなり、構成簡素な動吸振器を提供
できる。従って、この動吸振器の固有振動数が建物の水
平方向1次固有振動数に一致するように、おもりと横架
材を形成し、該横架材を天井構造体に固定することによ
り、建物の水平方向の振動(横揺れ)を動吸振作用によ
り防振できる。
【0014】また、複数の動吸振器の天井構造体に対す
る取付部を一部共有させることにより、動吸振器の取付
構造、取付工数を簡易化できる。
【0015】請求項3に記載の本発明によれば、下記
の作用がある。 一方向性動吸振器は比較的構成簡素にできる。他方、
現実の建物の制振は全方向に対して必要である。然る
に、一方向性動吸振器を建物内に分散配置し、かつそれ
らの動吸振器の吸振方向が互いに直交するように配置し
ておけば、全方向での制振作用を容易に達成できる。
【0016】また、水平面で互いに直交する2方向のそ
れぞれにて有効に制振作用する動吸振器の個数を、略同
数配置するものとすることにより、全方向での制振対応
を極めて容易に実現できる。また、各動吸振器を天井梁
に斜交配置することにより、同一寸法の動吸振器を用い
て、上述の如くに互いに直交配置できる。
【0017】請求項4に記載の本発明によれば、下記
の作用がある。 おもりを横架材で支え、該横架材の曲げ剛性をばね要
素とするとともに、該横架材の曲げ振動による内部損失
を抵抗要素とする。即ち、横架材がばねと抵抗の 2つの
要素を代行することとなり、構成簡素な動吸振器を提供
できる。従って、この動吸振器の固有振動数が建物の水
平方向1次固有振動数に一致するように、おもりと横架
材を形成し、該横架材を天井構造体に固定することによ
り、建物の水平方向の振動(横揺れ)を動吸振作用によ
り防振できる。
【0018】このとき、横架材が複数の制振材層を積層
して構成されるものとすることにより、水平方向の剛性
を余り大きくすることなく、鉛直方向の剛性を十分に大
きくでき、尚かつ横架材に要求される特性、即ち(a) 水
平方向に容易に曲げ振動を生じ、(b) 曲げによる内部損
失を大とし、(c) 鉛直方向にはおもりを安全確実に支持
し得ること、をより確実に達成することができる。
【0019】尚、本発明にあっては、動吸振器を天井構
造体に設けることが必須であり、最上階の天井構造体に
設けるのが最適である。但し、該動吸振器を各階の天井
構造体のいずれか、もしくは全てに設けるものであって
も良いことはもちろんである。本発明の実施において、
動吸振器を床構造体に設ける場合には、建物の水平方向
の振動を抑制するための効果が小さい。
【0020】
【実施例】図1は本発明の第1実施例を示す模式図、図
2は本発明の第2実施例を示す模式図、図3は本発明の
第3実施例を示す模式図、図4は本発明の第4実施例を
示す模式図である。
【0021】(第1実施例)(図1) 動吸振器10は、図1(A)〜(C)に示す如く、 2階
建ユニット建物1の 2階小屋裏部に設置され、建物1の
主として水平方向の振動(横揺れ)を抑制する。そし
て、動吸振器10は、横架材11の両側面のそれぞれに
おもり12、12を取着して構成され、該横架材11を
水平配置するように該横架材11の両端部を建物1の天
井構造体に固定し、該横架材11の水平方向の曲げ振動
により吸振する。
【0022】このとき、横架材11は、芯材11Aの両
側に被着材11B、11Bを接着して積層した複合材に
て構成した。芯材11Aとしては、木材、制振用ゴム
材、アスファルト系制振材を採用できる。被着材11B
としては、鉄板を採用できる。
【0023】更に、本発明にあっては、 4個の動吸振器
10のそれぞれを建物1内に分散配置し、かつ 2個の動
吸振器10の吸振方向(x方向)と他の 2個の動吸振器
10の吸振方向(y方向)とを、水平面内で互いに直交
する方向に設定し、吸振方向をx方向とする動吸振器1
0の個数( 2個)と吸振方向をy方向とする動吸振器1
0の個数( 2個)とを同数とした。
【0024】このとき、本発明では、x方向を長手方向
として配置される動吸振器10の横架材11の両端部を
天井小梁13に設けた取付具14に固定し、y方向を長
手方向として配置される動吸振器10の横架材11の両
端部を天井大梁15に固定するものとしている。
【0025】そして、具体的には、各動吸振器10は、
横架材11の芯材11Aを木材にて形成すると共に、被
着材11Bを鉄板(厚み1.0mm )にて形成し、横架材1
1の断面寸法を高さ100mm 、厚み30mm、長さ2300mmとし
た。また、 4個の動吸振器10の全おもり重量を建物総
重量(12トン)の 1%とし、結果として各動吸振器10
の横架材11の両側面に 2個設けられるおもり12の各
1個の重量を15kgに設定した。これにより、建物1のx
方向1次固有振動数4.3Hz 、y方向1次固有振動数4.5H
z に対し、動吸振器10のx方向固有振動数4.3Hz 、y
方向固有振動数4.5Hz となるようにした。
【0026】然るに、建物1の屋根上に据付けた小型加
振器で加振し、共振テストした結果、動吸振器10を設
けない場合に比して、建物1の横揺れはx方向、y方向
とも約1/2.5 に低減した。
【0027】即ち、本実施例によれば、以下の作用があ
る。 一方向性動吸振器10は比較的構成簡素にできる。他
方、現実の建物1の制振は全方向に対して必要である。
然るに、一方向性動吸振器10を建物1内に分散配置
し、かつそれらの動吸振器10の吸振方向が互いに異な
るように配置しておけば、全方向での制振作用を容易に
達成できる。
【0028】水平面の2方向のそれぞれ(x方向とy
方向)にて有効に制振作用する動吸振器10の個数を、
略同数(各 2個)配置するものとすることにより、全方
向での制振対応を極めて容易に実現できる。
【0029】おもり12を横架材11で支え、該横架
材11の曲げ剛性をばね要素とするとともに、該横架材
11の曲げ振動による内部損失を抵抗要素とする。即
ち、横架材11がばねと抵抗の 2つの要素を代行するこ
ととなり、構成簡素な動吸振器10を提供できる。従っ
て、この動吸振器10の固有振動数が建物1の水平方向
1次固有振動数に一致するように、おもり12と横架材
11を形成し、該横架材11を天井構造体に固定するこ
とにより、建物1の水平方向の振動(横揺れ)を動吸振
作用により防振できる。
【0030】また、横架材11の両端部を天井構造体
の天井小梁13に固定することにより、該横架材11が
配置される長手方向での両側天井大梁15、15の間隔
が該横架材11の長さより大なる場合にも、該横架材1
1を両側天井大梁11、11間の所望位置に固定配置で
き、所望の動吸振作用を得ることができる。
【0031】(第2実施例)(図2参照) 図1は本発明の第1実施例を示す模式図である。動吸振
器20は、図2(A)〜(C)に示す如く、 2階建ユニ
ット建物1の 2階小屋裏部に設置され、建物1の主とし
て水平方向の振動(横揺れ)を抑制する。そして、動吸
振器20は、横架材21の両側面のそれぞれにおもり2
2、22を取着して構成され、該横架材21を水平配置
するように該横架材21の両端部を建物1の天井大梁に
固定し、該横架材21の水平方向の曲げ振動により吸振
する。
【0032】このとき、横架材21は、芯材21Aの両
側に被着材21B、21Bを接着して積層した複合材に
て構成した。芯材21Aとしては、木材、制振用ゴム
材、アスファルト系制振材を採用できる。被着材21B
としては、鉄板を採用できる。
【0033】更に、本発明にあっては、 8個の動吸振器
20のそれぞれを建物1内に分散配置し、かつ 4個の動
吸振器20の吸振方向(x方向)と他の 4個の動吸振器
20の吸振方向(y方向)とを、水平面内で互いに直交
する方向に設定し、吸振方向をx方向とする動吸振器2
0の個数( 4個)と吸振方向をy方向とする動吸振器2
0の個数( 4個)とを同数とした。
【0034】このとき、本発明では、各建物ユニット内
において、x方向を長手方向として配置される動吸振器
20の一端部を天井大梁25Aに固定するとともに、そ
の他端部を天井大梁25Bに設けた取付部材26に固定
した。また、y方向を長手方向として配置される動吸振
器20の一端部を天井大梁25Cに固定するとともに、
その他端部を上述の取付部材26に固定した。即ち、 2
個の互いに直交配置される動吸振器20、20の取付部
を、取付部材26として共有させた。
【0035】そして、具体的には、各動吸振器20は、
横架材21の芯材21Aを木材にて形成すると共に、被
着材21Bを鉄板(厚み1.0mm )にて形成し、横架材2
1の断面寸法を高さ100mm 、厚み30mm、長さ2300mmとし
た。また、取付部材26として厚み30mmの鉄板を用い
た。また、各動吸振器20の横架材21の両側面に 2個
設けられるおもり22の各1個の重量を15kgに設定し
た。これにより、建物1のx方向1次固有振動数4.3Hz
、y方向1次固有振動数4.5Hz に対し、動吸振器20
のx方向固有振動数4.3Hz 、y方向固有振動数4.5Hz と
なるようにした。
【0036】然るに、建物1の屋根上に据付けた小型加
振器で加振し、共振テストした結果、動吸振器20を設
けない場合に比して、建物1の横揺れはx方向、y方向
とも約1/2.5 に低減した。
【0037】即ち、本実施例によれば、以下の作用があ
る。 一方向性動吸振器20は比較的構成簡素にできる。他
方、現実の建物1の制振は全方向に対して必要である。
然るに、一方向性動吸振器20を建物1内に分散配置
し、かつそれらの動吸振器20の吸振方向が互いに異な
るように配置しておけば、全方向での制振作用を容易に
達成できる。
【0038】水平面の2方向のそれぞれ(x方向とy
方向)にて有効に制振作用する動吸振器20の個数を、
略同数(各 2個)配置するものとすることにより、全方
向での制振対応を極めて容易に実現できる。
【0039】おもり22を横架材21で支え、該横架
材21の曲げ剛性をばね要素とするとともに、該横架材
21の曲げ振動による内部損失を抵抗要素とする。即
ち、横架材21がばねと抵抗の 2つの要素を代行するこ
ととなり、構成簡素な動吸振器20を提供できる。従っ
て、この動吸振器20の固有振動数が建物1の水平方向
1次固有振動数に一致するように、おもり22と横架材
21を形成し、該横架材21を天井構造体に固定するこ
とにより、建物1の水平方向の振動(横揺れ)を動吸振
作用により防振できる。
【0040】また、複数の動吸振器20、20の天井
構造体に対する取付部を取付部材26において一部共有
させることにより、動吸振器20、20の取付構造、取
付工数を簡易化できる。
【0041】(第3実施例)(図3) 動吸振器30は、図3(A)、(B)に示す如く、 2階
建ユニット建物1の 2階小屋裏部に設置され、建物1の
主として水平方向の振動(横揺れ)を抑制する。そし
て、動吸振器30は、横架材31の両側面のそれぞれに
おもり32、32を取着して構成され、該横架材31を
水平配置するように該横架材31の両端部を建物1の天
井大梁に固定し、該横架材31の水平方向の曲げ振動に
より吸振する。
【0042】このとき、横架材31は、芯材31Aの両
側に被着材31B、31Bを接着して積層した複合材に
て構成した。芯材31Aとしては、木材、制振用ゴム
材、アスファルト系制振材を採用できる。被着材31B
としては、鉄板を採用できる。
【0043】更に、本発明にあっては、 4個の動吸振器
30のそれぞれを建物1内に分散配置し、かつ 2個の動
吸振器30の吸振方向(a方向)と他の 2個の動吸振器
30の吸振方向(b方向)とを、水平面内で互いに直交
し、かつ天井梁35に45度で斜交する方向に設定し、吸
振方向をa方向とする動吸振器30の個数( 2個)と吸
振方向をb方向とする動吸振器30の個数( 2個)とを
同数とした。
【0044】そして、具体的には、各動吸振器30は、
横架材31の芯材31Aを木材にて形成すると共に、被
着材31Bを鉄板(厚み1.0mm )にて形成し、横架材3
1の断面寸法を高さ100mm 、厚み30mm、長さ2300mmとし
た。また、 4個の動吸振器30の全おもり重量を建物総
重量(12トン)の 1%とし、結果として各動吸振器30
の横架材31の両側面に 2個設けられるおもり32の各
1個の重量を15kgに設定した。これにより、建物1のx
方向1次固有振動数4.3Hz 、y方向1次固有振動数4.3H
z に対し、動吸振器30のx方向固有振動数4.3Hz 、y
方向固有振動数4.3Hz となるようにした。
【0045】然るに、建物1の屋根上に据付けた小型加
振器で加振し、共振テストした結果、動吸振器30を設
けない場合に比して、建物1の横揺れはx方向、y方向
とも約1/2.5 に低減した。
【0046】即ち、本実施例によれば、以下の作用があ
る。 一方向性動吸振器30は比較的構成簡素にできる。他
方、現実の建物1の制振は全方向に対して必要である。
然るに、一方向性動吸振器30を建物1内に分散配置
し、かつそれらの動吸振器30の吸振方向が互いに異な
るように配置しておけば、全方向での制振作用を容易に
達成できる。
【0047】水平面の2方向のそれぞれ(x方向とy
方向)にて有効に制振作用する動吸振器30の個数を、
略同数(各 2個)配置するものとすることにより、全方
向での制振対応を極めて容易に実現できる。また、各動
吸振器30を天井梁35に斜交配置することにより、同
一寸法の動吸振器30を用いて、上述の如くに互いに直
交配置できる。
【0048】おもり32を横架材31で支え、該横架
材31の曲げ剛性をばね要素とするとともに、該横架材
31の曲げ振動による内部損失を抵抗要素とする。即
ち、横架材31がばねと抵抗の 2つの要素を代行するこ
ととなり、構成簡素な動吸振器30を提供できる。従っ
て、この動吸振器30の固有振動数が建物1の水平方向
1次固有振動数に一致するように、おもり32と横架材
31を形成し、該横架材31を天井構造体に固定するこ
とにより、建物1の水平方向の振動(横揺れ)を動吸振
作用により防振できる。
【0049】(第4実施例)(図4) 動吸振器40は、図4(A)に示す如く、横架材41の
両側面のそれぞれにおもり42、42を取着して構成さ
れ、該横架材41を水平配置するように該横架材41の
両端部を建物1の天井構造体に対し前述の第1実施例〜
第3実施例の如くに固定し、該横架材41の水平方向の
曲げ振動により吸振する。
【0050】このとき、横架材41は、 2枚の各制振材
41A、41Aの各両側に薄板41Bを接着して積層し
た複合材にて構成されている。制振材41Aとしては、
制振用ゴム材、アスファルト系制振材を採用でき、薄板
41Bとしては鉄板を採用できる。
【0051】動吸振器40によれば、横架材41が複数
の制振材41A、41Aの層を積層して構成されるか
ら、水平方向の剛性を余り大きくすることなく、鉛直方
向の剛性を十分に大きくでき、尚かつ横架材41に要求
される特性、即ち(a) 水平方向に容易に曲げ振動を生
じ、(b) 曲げによる内部損失を大とし、(c) 鉛直方向に
はおもりを安全確実に支持し得ること、をより確実に達
成することができる。この動吸振器40によれば、 2枚
の制振材41Aを具備することにより、 1枚のみの制振
材41Aを具備するものに比して、減衰係数を 3倍程度
にまで向上できることが認められた。
【0052】動吸振器50は、図4(B)に示す如く、
横架材51の両側面のそれぞれにおもり52、52を取
着して構成され、該横架材51を水平配置するように、
該横架材51の両端部を建物1の天井構造体に対し前述
の第1実施例〜第3実施例の如くに固定し、該横架材5
1の水平方向の曲げ振動により吸振する。
【0053】このとき、横架材51は、 3枚の各制振材
51A、51A、51Aの各両側に薄板51Bを接着し
て積層した複合材にて構成されている。制振材51Aと
しては、制振用ゴム材、アスファルト系制振材を採用で
き、薄板51Bとしては鉄板を採用できる。
【0054】動吸振器50によれば、横架材51が3枚
の制振材51Aの層を積層して構成されるものとから、
水平方向の剛性を余り大きくすることなく、鉛直方向の
剛性を十分に大きくでき、尚かつ横架材51に要求され
る特性、即ち(a) 水平方向に容易に曲げ振動を生じ、
(b) 曲げによる内部損失を大とし、(c) 鉛直方向にはお
もりを安全確実に支持し得ること、をより確実に達成す
ることができる。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、建物の水
平振動を防振するため、構成簡素で、工業化住宅等に簡
便かつ安価に採用できる建物用動吸振装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施例を示す模式図であ
る。
【図2】図2は本発明の第2実施例を示す模式図であ
る。
【図3】図3は本発明の第3実施例を示す模式図であ
る。
【図4】図4は本発明の第4実施例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
10、20、30、40 動吸振器 11、21、31、41 横架材 12、22、32、42 おもり 13 天井小梁 26 取付部材(取付部)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の主として水平方向の振動を抑制す
    るための動吸振器を用いてなる建物用動吸振装置におい
    て、 動吸振器が、横架材の側面におもりを取着して構成さ
    れ、該横架材を水平配置するように該横架材の両端部を
    天井構造体の天井小梁に固定し、該横架材の水平方向の
    曲げ振動により吸振することを特徴とする建物用動吸振
    装置。
  2. 【請求項2】 建物の主として水平方向の振動を抑制す
    るための動吸振器を用いてなる建物用動吸振装置におい
    て、 動吸振器が、横架材の側面におもりを取着して構成さ
    れ、該横架材を水平配置するように該横架材の両端部を
    天井構造体に固定し、該横架材の水平方向の曲げ振動に
    より吸振するものであり、 複数の上記動吸振器を建物内に分散配置するに際し、複
    数の動吸振器の天井構造体に対する取付部を一部共有さ
    せてなることを特徴とする建物用動吸振装置。
  3. 【請求項3】 建物の主として水平方向の振動を抑制す
    る建物用動吸振装置において、一方向の振動を吸振し得
    る一方向動吸振器を用い、複数の一方向動吸振器のそれ
    ぞれを建物内に分散配置し、かつ一部の動吸振器の吸振
    方向と他の動吸振器の吸振方向とを、水平面内で互いに
    直交し、かつ天井梁に斜交する方向に設定し、該一部の
    動吸振器の個数と該他の動吸振器の個数とを略同数とす
    ることを特徴とする建物用動吸振装置。
  4. 【請求項4】 建物の主として水平方向の振動を抑制す
    るための動吸振器を用いてなる建物用動吸振装置におい
    て、 動吸振器が、複数の制振材層を積層してなる横架材の側
    面におもりを取着して構成されてなることを特徴とする
    建物用動吸振装置。
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