JPH06145975A - 炭素フィルムをスパタリングする方法及びその製造物 - Google Patents

炭素フィルムをスパタリングする方法及びその製造物

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JPH06145975A
JPH06145975A JP5077740A JP7774093A JPH06145975A JP H06145975 A JPH06145975 A JP H06145975A JP 5077740 A JP5077740 A JP 5077740A JP 7774093 A JP7774093 A JP 7774093A JP H06145975 A JPH06145975 A JP H06145975A
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carbon
nodules
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Tsutomu Yamashita
ツトム・ヤマシタ
Kyou Haeng Lee
キョウヘング・リー
Rajiv Y Ranjan
ラジブ・ワイ・ランジャン
Yuri Trachuk
ユリ・トラチック
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Komag Inc
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小塊がターゲット表面に形成されることを
防止し、スパタリング装置を連続して運転可能にするこ
とを目的とする。 【構成】 直流電力を炭素ターゲットに供給し、かつ
前記炭素ターゲットの表面に小塊が形成されることを防
止するべく、前記直流電力に交流電力を重畳する過程を
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気媒体を保護するた
めに用いられる炭素フィルムを堆積する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】記憶装置に用いられる、金属製の磁性薄
型フィルムディスクは、概ね、記録媒体として働く磁性
合金で被覆された基板材料からなる。概ね、そのような
ディスクに用いられる記録媒体は、1984年1月に、
Journal of Vacuum Science and Technology に発表さ
れた、“Thin Films for Magnetic Recording Technolo
gy : A Review ”で、J.K. Howard によって述べられた
ように、真空スパタリングによって堆積させられた、C
oNi、CoCr、CoCrNi、CoPt及びCoN
iPtのようなコバルトを基礎とした金属である。この
文献は、ここで言及したことによって本出願の一部とさ
れたい。
【0003】通常、炭素の上塗りのような保護用の上塗
りをスパタリングすることによって、そのような磁気記
録媒体を保護することが必要である。そのようなスパタ
リングされた炭素の上塗りの例は、1981年7月の I
EEE Transactions on Maganetics に発表された、“Dat
apoint Thin Film Media ”で、F.K. King によって述
べられている。この文献は、ここで言及したことによっ
て本出願の一部とされたい。Yamashita による米国特許
第5,045,165号明細書に記載されたように、水
素−アルゴン混合ガス内で炭素フィルムをスパタリング
することによって、水素を含んだ炭素フィルムを提供す
ることもまた知られており、この米国特許第5,04
5,165号明細書は、ここで言及したことによって本
出願の一部とされたい。
【0004】炭素フィルムのスパタリングに用いられる
炭素ターゲットは概ね、ほぼ純粋な黒鉛からなる。ター
ゲットは導電性を有する。ターゲットの原料は、世界中
の多くの売り主から容易に入手可能である。
【0005】フィルム磁気ディスクは概ね、米国特許第
5,045,165号明細書に開示されたように、大型
のインラインスパタリング装置で製造される。生産性を
向上させ、製造コストを減少させるためには、高い利用
状態で連続的にスパタリング装置を運転することが重要
である。しかし、スパタリング装置の連続した運転を制
限する幾つかの要因が存在する。第1の要因は、ターゲ
ットが結局使いきられ、ターゲットの交換のために、装
置を開けなければならないということである。第2の要
因は、スパタリングされた電極材料を基板に向けるため
の保護用シールドが被覆され、この被覆が結局薄片にな
ってはがれ落ちるということである。シールドからの過
度の被覆の剥離は、ディスク表面の欠陥を増加させるこ
とになる。従って、シールドは定期的に取り外され、洗
浄されなければならない。第3の要因は、連続的なスパ
タリング操作の間、炭素ターゲットの表面に、一般に、
“こぶ(warts)”または、“茸(mushrooms)”として
知られている小塊(nodule)が発達することである。こ
れらの小塊は、ターゲットのスパタリング効果を低下さ
せる。小塊は、実際にスパタリングが行われているター
ゲットの領域に形成され、小塊が形成された領域では、
スパタリングが行われなくなる。小塊の形成による、ス
パタリングの効率の低下を補うために、小塊によって覆
われていないターゲット領域からのスパタリングを増加
するべく、ターゲットへの電力の入力を増加させなけれ
ばならない。しかしながら、陰極が、非常に高い電力の
入力に対してしばしば不安定になるため、電力の入力を
無制限に増加させることはできない。高い電力の入力に
対して、ターゲットを冷却することもまた問題となる。
しばしば、炭素ターゲットでの小塊の形成によって、ス
パタリング装置の停止が早められ、停止中に、スパタリ
ング装置は通気され、炭素ターゲットの表面は小塊を除
去するべく洗浄される。しばしば、ターゲットは新しい
ものに交換される。ターゲットの交換または洗浄に必要
な時間は、スパタリング装置の利用率の低下をもたら
す。スパタリング装置は概ね、ディスクを製造するため
に用いられる最も高価な、かつ重要な装置なので、利用
率の低下は、ディスクの製造コストを上昇させる。
【0006】小塊は、Journal of Vacuum Science and
Technology の1990年7・8月号の“Surface-Defec
t Formation in Graphite Targets During Magnetron S
puttering”で Chen らによって説明されている。この
文献は、ここで言及したことにより本出願の一部とされ
たい。今日までのところ、小塊の形成されるメカニズム
は充分に解明されておらず、また小塊の形成を防止する
充分な手段も存在しない。小塊の形成は、炭素ターゲッ
トの純度、または陰極の周りのアースされたシールドの
ような、陰極の周りの構造の幾何学的な配置に関連する
と一般には理解されている。しかしながら、炭素ターゲ
ットの純度とは無関係に、多くの型式の炭素ターゲット
に、小塊が形成されることが確認されている。陰極の構
造及び幾何学的な配置は、ある程度の効果を有するが、
しかし、小塊は概ね、我々の研究したほとんどの型式の
陰極で容易に形成される。小塊は、専ら炭素の直流マグ
ネトロンスパタリング装置内で発生する。高周波スパタ
リング及び高周波マグネトロンスパタリングによって炭
素をスパタリングすることが可能であるが、しかし、直
流マグネトロンスパタリングに比べ、スパタリング速度
が非常に低いために、高周波スパタリング及び高周波マ
グネトロンスパタリングは、概ね製造装置には用いられ
ない。より高いスパタリング速度は、スパタリング装置
の生産性を向上させる、ディスクのためのより高いスル
ープットと言い換えることができる。
【0007】プレーナ直流マグネトロンスパタリングで
は、ターゲットの下に配置された磁石からの電磁界が、
ターゲットの表面に対して水平な領域の上で、スパタリ
ングが発生する。概ね、このスパタリング領域は、ター
ゲット表面の上の半円型の領域であって、かつその形か
ら一般に“長円形(race-track)”と呼ばれている。プ
レーナ直流マグネトロン陰極の構造は、Academic Pres
s, Inc. の John L. Vossen と Werner Kern によって
編集された、“Thin Film Processes”(1978年)
のある章で Robert K. によって説明されており、この
文献はここで言及したことによって本出願の一部とされ
たい。概ね小塊は、ターゲットの何れの場所に於ても、
数mmから1または2cmまでの大きさである。小塊の断面
の分析は、図1に示すように幾つかの解決の手がかりと
なる特徴を明らかにする。小塊の基部には、ターゲット
の最初の表面の下に形成された非常に固くかつ密度の高
いガラス質の物質の領域(21)が存在する。領域(2
1)内の物質のX線解折によって、その物質は、結晶質
の黒鉛であるターゲットの物質ではなく、非結晶質の炭
素であることが明らかになった。ガラス質の物質は、電
気的な絶縁体である。ガラス質の相の上には、小塊が成
長する。小塊の成長(23)は、繊細であって、かつ空
気の強い一吹きによって容易に吹き払われる。小塊の成
長(23)もまた、X線解折によって非結晶質であると
分析されている。
【0008】小塊が形成される原因及びその様子を説明
するためには、スパタリングの過程自体を説明しなけれ
ばならない。スパタリングは、低圧のアルゴンガスの雰
囲気中にターゲットを配置し、ターゲットに負の高電圧
を印加することによって行われる。ターゲットの表面
は、アルゴンガス中に電子を放出する。放出された電子
は、バイアス電圧によって加速され、アルゴン原子を照
射する。そして、アルゴン原子は電子を取り除かれ、正
にイオン化する。正に荷電したアルゴン原子が、上述し
たように負にバイアスされたターゲットに向かって加速
され、かつターゲット表面を照射し、それによって、ス
パタされるべき物質がターゲットから放出される。二次
電子と呼ばれる、更なる電子が、アルゴンの照射の結果
として、ターゲットの表面から放出され、より多くのア
ルゴン原子をイオン化する。イオン化されたアルゴン原
子のプラズマが、ターゲット表面の上に形成されたと
き、その過程は、“自己保持”状態となる。プレーナ直
流マグネトロンスパタリングでは、電子は磁界によって
ターゲット表面上の狭い領域に閉じ込められる。この磁
界によって、電子はターゲット上の長い螺旋状の軌道を
通ることになり、アルゴン原子との更なるイオン化のた
めの衝突の確率を増加させる。従って、プラズマは他の
いかなる手段によって得られるものよりもより高濃度に
なり、非常に高いスパタリング速度を得ることが可能で
ある。
【0009】直流スパタリングに関する1つの問題は、
絶縁物質がターゲットの表面に堆積したとき、その絶縁
物質が、正電荷を急速に発達させ、アルゴンがターゲッ
トを照射することを妨げ、スパタリングが発生しないと
いうことである。更に悪いことには、もし電荷が散らさ
れなければ、非常に高い電圧が、絶縁物質内に発達し、
絶縁破壊が起こる可能性がある。絶縁破壊が起きた場
合、大電流が絶縁物質とターゲットを通して流れ、電源
とターゲットに損傷を与える。スパタリング用の最近の
直流電源は、電荷を散らすべく電源を瞬時に遮断するこ
とによって、アークが引き起こす損傷を抑制する特徴を
有する。電源の設計に関する難点の1つは、損傷を与え
る大きいアークと、損傷を与えない小さいアークとを区
別する能力である。概ね、電源は、局所的な絶縁破壊に
よるアークを無視し、薄片またはターゲットとアースと
を短絡するより大きな金属によって引き起こされる、よ
り大きな損傷を与えるアークが発生したときにのみ遮断
される。もしターゲット自体が導電性を有し、スパタさ
れた物質(species)が非導電性ならば、状況は悪くな
る。この状況は、ある反応性スパタリングシステム内で
起こり、酸化金属または窒化金属を生産するべく酸素ま
たは窒素が存在するなかで金属ターゲットがスパタされ
る。スパタされたフィルムは、通常非導電性であって、
スパタされた物質が、ターゲットの表面の上にバックス
パタ(back sputter)され、ターゲットのスパタリング
領域の上に形成されたときに、アークが発生する。
【0010】バックスパタリングは、スパタされる物
質、プロセス圧力、陰極の配置、及び電力の入力の関数
である。
【0011】小塊は、以下のように炭素ターゲット上に
形成されると考えられている。スパタリングの間、ター
ゲット上のある局所的な異質性または、小さな異物が、
局所的なアークを引き起こす。ターゲットは、高い負の
電位を有し、絶縁されたターゲットの表面上の異物また
は局所的な異質性は、正の電荷である。もし、電荷の形
成が非常に大きければ、絶縁破壊が異物または異質性を
通して発生し、大電流が異物または異質性を通して流れ
る。局所的なアークは、明らかに、非常に激しい温度上
昇を引き起こし、隣接する黒鉛を硬質のガラス質の炭素
に変化させる。この硬質のガラス質の炭素は、高い抵抗
性を有し、周囲の黒鉛のようにはスパタされない。スパ
タリングが長く続くとき、バックスパタリング過程がガ
ラス質相の上及び周りにスパタされた炭素を堆積するべ
く始まる。このバックスパタリングされた炭素は、小塊
の特徴である、ひげ(whisker)のような外見を有す
る。バックスパタリングされた炭素フィルムは、概ね高
い抵抗性を有し、従って一度炭素の表面の上に成長を始
めると、再びスパタされることはない。更なるアークが
小塊の成長する間に発生し、バックスパタリング過程が
何度も繰り返される。実際に、繰り返されるアーク及び
小塊の成長が起こるにつれて、ひげの成長は、非常に複
雑な姿を呈する。小塊は、スパタリングが発生する領域
全体で成長するので、小塊の形成によってより多くのタ
ーゲット領域がスパタリング過程から取り除かれるため
に、全体のスパタリング効率(堆積速度/ターゲットの
面積)は減少する。
【0012】概ね連続的なスパタリング過程中で、被覆
されるべき基板は、ある決められた時間間隔の間、ター
ゲットの近傍を通過する。スパタリング効率が減少した
とき、ターゲットへの電源電圧は、減少分を補うべく増
加される。ターゲットへの電源電圧を増加したスパタリ
ングのために利用可能なより狭い領域は、ターゲットに
印加される電圧を増加させる。より高い電圧が、アーク
のより高い速度を引き起こし、それによってより多くの
小塊が形成されることになる。アークの強度が充分に大
きくなり、電源が離脱を始め、自己を保持するために電
源を遮断する。実際、アークの頻度は非常に高くなり、
スパタリングが継続不可能になる。この時点で、チェン
バは開けられ、ターゲットの表面が洗浄されなければな
らない。
【0013】ターゲットの表面上の小塊の形成の分布
は、一様でないこともある。そのような場合、ディスク
表面の堆積の均一性が低下し、ディスクは再び、ターゲ
ット表面の洗浄または、ターゲットの交換のために開け
られなければならない。小塊の形成及びその後の更なる
アークは、小塊の一部をターゲットの表面から飛び散ら
せ、かつディスクの表面上に堆積させる。これは、ディ
スクの一部が保護用の炭素の上塗りを備えない原因であ
り、かつディスクの性能に対して好ましくない。炭素の
ターゲットの表面が、全ての小塊を掻き取られてから、
ターゲットは、その始めの状態に戻ることができる。
【0014】米国特許第5,045,165号明細書に
開示されているように、大量の水素のなかでの炭素の堆
積は、炭素フィルムの摩耗抵抗を改善することが知られ
ている。そのような工程では、堆積されたフィルムは、
水素なしに堆積されたフィルムよりも高い抵抗率を有す
る。米国特許第5,045,165号明細書では、スパ
タリング中に水素を加えることにより、300オングス
トロームの厚みのフィルムの電気抵抗率が、500Ω/
m2から20MΩ/m2以上に増加することが記載されてい
る。水素を使用した、炭素の堆積の間、アークの頻度及
びターゲットに形成される小塊の量は、非常に増加す
る。これはおそらく、ターゲットに再び堆積するべく剥
がれ落ちたバックスパタされた小片が、より高い電気抵
抗率を有し、かつこれがより多くのアークを導くためで
あろう。従って、製造中に、水素と化合した炭素フィル
ムを効果的にかつ豊富に堆積するために、アークは抑制
され、かつ小塊の形成が妨げられなければならない。
【0015】ターゲット表面の絶縁層の効果に対して、
より鋭敏でない、他のスパタリング方法が存在する。高
周波スパタリングは、アークを発生させずに、絶縁物を
スパタでき、かつ炭素ターゲットの表面上の小塊の形成
及び成長を大幅に除去する。高周波スパタリングは、上
述の“Thin Film Processes”の J.L. Vossen 及び J.
J. Cuomo によって記述された章に記載されている。こ
の章はここで言及したことにより本出願の一部とされた
い。典型的な高周波スパタリングで用いられる振動周波
数は、5MHzから30MHzの間である。高周波スパタリン
グでは、グロー領域の電子は、二次電子に依存せずに、
アルゴン原子をイオン化するべく、非常に高いエネルギ
を有して振動する。高周波電圧は、いかなる種類のイン
ピーダンスによっても接続可能なので、絶縁物を含む任
意の種類の物質をスパタすることが可能である。高周波
スパタリングの1つの重要な不利益は、概ね50Ωであ
る発振器の出力インピーダンスに整合させるために、複
雑な整合回路が、陰極の近くに備えられなければならな
いことである。更に、高周波スパタリングによる炭素の
スパタ速度は、直流マグネトロンスパタリングによるス
パタ速度に比べ、非常に遅い。高周波スパタリングは、
ターゲットからある距離だけ離れた位置であって、かつ
基板の近傍に、プラズマを発生するので、等しい入力電
力での、直流マグネトロンスパタリングに比較した場
合、電子の照射によるより多くの、基板を加熱する機会
が存在する。スパタ速度は、高周波電圧をマグネトロン
陰極に印加することによって増加し、この場合、このス
パタリングは高周波マグネトロンスパタリングと呼ばれ
る。スパタ速度は増加するが、しかし、直流マグネトロ
ンスパタリングによって得られる速度には到達せず、か
つ整合回路が依然として必要である。また、高周波マグ
ネトロンスパタリング法では、フィルムの均一性を得る
ことも概ねより一層困難である。(Vossen と Kern に
よる“Thin Film Processes”の164頁を参照のこ
と。)
【0016】代わりに、数百kHzの範囲の低周波スパタ
リングを使用することもできる。このスパタリングは概
ね整合回路を簡単にするが、しかしスパタ速度は、やは
り低いので、実用的でない。パルス直流スパタリング
(Pulsed DC Sputtering)は、アークに関する問題を緩
和することを目的とした、他の蒸着方法である。これ
は、反応性スパタリング装置内で用いられることが多
い。パルス直流スパタリングは、陰極電圧が0になる短
い間隔で隔てられた、直流電圧の短いパルスを用いてい
る。“オフ”の期間に、ターゲットの上に形成されたい
かなる絶縁物の電荷も消去され、従って大きい損傷を与
えるアークを防止することができる。パルス直流スパタ
リングは、第1にターゲット表面上に絶縁物質が堆積す
ることを防止しないので、結局ターゲットは交換または
洗浄されなければならない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、小塊
がターゲット表面に形成されることを防止し、スパタリ
ング装置を連続して運転可能にすることである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述された目的は、直流
電力を炭素ターゲットに供給し、かつ前記炭素ターゲッ
トの表面に小塊が形成されることを禁止するべく、前記
直流電力に交流電力を重畳する過程を有することを特徴
とする炭素フィルムをスパタリングする方法、及び前記
方法に基づいて製造された炭素フィルムからなる製造物
を提供することによって達成される。
【0019】
【作用】炭素フィルムの堆積の間に、スパタリングのタ
ーゲットに印加される直流電圧に、交流電圧(例えば4
50kHz)を重畳することによって、スパタリング中の
アークはほぼ完全に消去され、それによって小塊の形成
が非常に減少することが確認された。これによって、よ
り長期間の連続した、炭素のスパタリングが可能とな
り、スパタリング装置の生産性が向上する。ある実施例
では、交流電圧の周波数は、300KHzから500KHzの
間であるが、100KHzから1000KHzの範囲の周波数
の交流電圧が、使用可能であることが確認されている。
交流電圧を重畳するためには、交流電流が直流電源に流
れ込むことを防ぐための適切なフィルタが使用される必
要がある。直流電源と交流電源との組合せを得るために
必要な電気的なブロック図が、図2に描かれている。交
流電圧の周波数は、概ね、通常の高周波スパタリングの
周波数よりも低いので、インピーダンス整合のための複
雑な回路は不要となり、従ってスパタリングの操作及び
制御が簡単になる。
【0020】交流電圧を重畳することは、アークと小塊
の形成が特に多発している、水素と化合した炭素フィル
ムを堆積する場合に於て、特に効果的である。
【0021】
【実施例】図3は、本発明に基づいて、概ね使用される
スパタリング装置を模式的に描いた図である。磁気ディ
スクを製造するために用いられる基板(1)は、概ねア
ルミニウムであって、その両面はニッケルアモルファス
合金をメッキされている。基板(1)はパレットの上に
配置され、パレットは一定の速度でターゲットの集合の
側を通過する。ターゲットの第1の組(6a、6b)
は、CrまたはNixP合金である下塗りを形成するた
めに用いられ、それは言及したことによって本出願の一
部とされる、Chen 等による米国特許第4,786,5
64号明細書で説明されている。ターゲットの第2の組
(7a、7b)は、コバルト合金であり、第3のターゲ
ットの組(8a、8b)は炭素(黒鉛)である。各陰極
は、プロセスガスの入口(9、10、11)を有し、か
つガスは概ねアルゴンである。ある実施例では、アルゴ
ンと混合された水素ガスは、Yamashita による米国特許
第5,015,165号明細書で説明されたように、入
口(22)を通して炭素の陰極に導入されても良い。図
4は、図3の装置によって形成された磁気ディスクの断
面を描いた図である。
【0022】炭素をスパタリングするために用いられる
直流マグネトロンの陰極の構造が図5に描かれている。
ターゲット(31)は、背面板(32)に取着されてい
て、背面板(32)は陰極アセンブリにボルト締めされ
ている。ターゲットの後方には、スパタリングがターゲ
ット表面の上で発生する領域を決定する、磁石アセンブ
リ(33)が存在する。概ね図6に示すように、スパタ
リングは、ここでは“長円形”と呼ばれる長円形のバン
ド領域(34)で起きる。小塊(35)は長円形の内側
で成長する。
【0023】従来技術に基づくプレーナ直流マグネトロ
ンスパタリングによる水素と化合した炭素フィルムの堆
積のための陰極電圧とスパタ時間との関係が、図7の曲
線(36)によって描かれている。図7に示されたデー
タは、20%のH2と80%のAr(体積百分率)の雰
囲気中のスパタリングのためのデータである。スパタリ
ングチェンバ内の圧力は、6mTorrであり、その圧
力はスパタリング過程のためのおおよその値であり、約
1mTorrから約10mTorrまで変えることがで
きる。プロセスガスの流れ速度は、約60SCCMであ
る。本発明の過程はまた、CH4やC26のような水素
を基礎としたガスとArとの混合ガスと同様に、純粋な
Arにも適用可能である。
【0024】5日間の連続した堆積の期間を表す、図7
の曲線に示された全体の時間の間、ディスク上の炭素フ
ィルムの厚みは、堆積の終了時には、300オングスト
ロームに保持されている。ターゲットが使いきられたと
き、電圧レベルは連続的に540Vから650Vへ増加
されなければならないことが分かる。これは、等しい堆
積速度を保持するために実行され、電力の入力の増加
は、小塊の形成による堆積効率の低下を原因とする。5
日間の終わりには、更なる電源電圧の増加を妨げる、タ
ーゲット上での過度のアークの発生を原因として、スパ
タリングは終了する。
【0025】図8は、等しい時間間隔での、ターゲット
上に発生する大きい損傷を与えるアークの頻度を示した
グラフである。最初、アークはかなり高い頻度で発生す
る。概ねターゲットの表面は、種々の異質物、埃、吸収
されたガス等を含み、それらがアーク放電の過程を開始
させることがその原因である。この時点で、小塊の成長
はおそらく既に開始しているのであろう。図8に記録さ
れたアークの発生は、直流電源を遮断するのに充分な強
度のアークであることに注目するべきである。より小さ
いアークの発生は、記録されずかつそれらのアークの発
生はおそらくより頻度が高いが、それらの頻度は、電源
を遮断するより強度の高いアークの発生に比例するはず
である。最初の数時間の後、アーク発生の頻度は、ほぼ
0にまで減少し、これはスパタリングが開始されてから
数日間保持される。その後、アークはその頻度を増加し
始め、最後にはスパタリングが継続できないほどその頻
度が高くなる。
【0026】交流電源を直流電源に重畳するために用い
られる回路が図2に示されている。各陰極に対して、2
つの分離した電源、即ち従来の直流電源と、300KHz
から500KHzの範囲の周波数、典型的には概ね400K
Hzの周波数の中間周波数の交流電源とが必要である。2
つの電源からの出力電圧は、“結合器(combiner)”へ
供給される。直流出力電圧は、交流電圧が直流電源にフ
ィードバックするのを防止するLCフィルタを通過す
る。交流電源は、陰極と容量性結合されている。図2に
示された静電容量とインダクタンスの値は、単なる例示
に過ぎない。
【0027】出力電圧は、図9に模式的に描かれてい
る。交流電源からの450KHzの交流電圧が、直流電源
からの直流電圧に重畳されている。直流電圧に重畳され
る交流電圧の、直流電圧に対する比率は調節可能であ
る。(ここで用いられているように、“百分率交流電
力”とは、直流電力の大きさに対する交流電力の大きさ
の百分率を意味する。例えば、30%交流電力は、もし
直流電力が2kWならば、2kWの直流電力に重畳され
た600Wの交流電力を意味する。)
【0028】交流電力をターゲットに印加することによ
って、ターゲットのインピーダンスは低下する。このこ
とは、直流電力が一定に保たれた状態での交流電力の百
分率の関数としての、即ち交流電力が直流入力電力の百
分率として調節されたときの、ターゲットの直流電圧を
描いた図10に、明らかに示されている。交流電力のレ
ベルが増加するに従い、陰極上の直流バイアス電圧は着
実に減少する。アークの抑制は、ターゲット電圧を低下
させる、陰極のインピーダンスの低下を原因とする。交
流電力がより多く加えられるほど、スパタリング速度
は、ターゲットの電圧の低下を原因として低下する。ス
パタリングは、交流電力のみによっても可能であるが、
この状況は、13.56MHzの周波数の従来の高周波ス
パタリングと等しい。交流スパタリングのスパタリング
速度は非常に低いので、通常の製造環境では実用的では
ない。直流電力に高周波電力(13.56MHz)を結合
することもまた可能であるが、この場合複雑な整合回路
が必要となる。更に、高周波の交流電力を重畳すること
によって、安定したプラズマを得ることは困難である。
従って、高周波の交流電力を重畳することは、製造の観
点から実用的でないと認められる。
【0029】30%から40%の交流電力に於て、アー
クは非常に減少する。ほぼ連続したスパタリングの5日
間に亘るテストでは、(電源を遮断するような種類の)
概ね全てのアークが抑制された。炭素ターゲットをスパ
タリングする5日間の後に、ターゲットの表面は試験さ
れ、小塊の密度は非常に減少していた。直流電圧は、監
視され、その様子は図7に(曲線37として)描かれて
いる。試験期間内で、ターゲット電圧の極小の変化が存
在することが分かる。直流のみのスパタリング(曲線3
6)では、20%以上のターゲット電圧の増加が起こ
り、一方交流電力を重畳された直流電力によるスパタリ
ングでは、ターゲット電圧の増加はほぼ5%にしか過ぎ
ない。
【0030】顕著な小塊の減少は、百分率交流電力が、
30%から60%の範囲内にあるときに得られ、かつ幾
つかの利点が20%から80%の範囲内で得られること
になる。
【0031】交流電力を重畳された炭素フィルム及び重
畳されない炭素フィルムの構造及び化学的な組成が測定
された。図11は、百分率交流電力の関数としての、フ
ィルム内の水素含有量のSIMS(二次イオン質量分析
計)による測定結果を示す。フィルムの厚さは、300
オングストロームに保持され、20%の水素と80%の
アルゴンの混合ガス内でスパタされる。図11は、百分
率交流電力が増加するに従って、フィルム中に混合した
水素の量も増加することを示す。
【0032】交流電力のみでスパタされたフィルム、直
流電力に40%の交流電力を加えてスパタされたフィル
ム、及び直流電力のみでスパタされたフィルムのラマン
スペクトラムが図12に示されている。ラマンスペクト
ラムは、J. Mater. Rev., Vol.2(1989年3・4
月)の“Characterization of diamond films”で D.S.
Knight によって、また Wadsworth Publisihing Co.
(1981年)の“Instrumental Methods of Analysi
s”の6訂版で Willard らによって説明ている。上記2
つの文献は、言及したことによって本出願の一部とされ
たい。図12の各直線の上部に描かれたスペクトラム
は、未処理のラマンスペクトラムであり、そのすぐした
に描かれた曲線は、分解されたスペクトラムである。ラ
マンスペクトラムは、フィルムの化学的な構造を感知
し、ラマンスペクトラムの炭素フィルムの分析への応用
は Yamashita による米国特許第5,045,165号
明細書に開示されている。図13は、Gピークの位置を
スパタリング状態の関数として描いている。図12及び
図13の結果は、次のように解釈される。百分率交流電
力が増加するに従って、Gピークがより高い周波数にシ
フトすることが分かり、これはフィルムのsp3結合に
応答する。図14は、Dピークの強度のGピークの強度
に対する比率を示している。交流電力のみでスパタされ
た炭素は、より高いDピークの強度を有することがわか
る。より高いDピークの強度は、フィルム内のより大き
な結晶化の程度と関連し、このフィルムは、水素の存在
無しにスパタされた炭素フィルムの形式により近い共通
点がある。
【0033】ラマンスペクトラムを分解するために、1
200cm-1付近の第3のピークが使用されなければなら
ない。それは、非常に広いピークであって、かつ直流電
圧のみによって堆積されたフィルム内でより顕著であ
る。図15は、1200cm-1ピークの強度を百分率交流
電力の関数として表している。このピークの原因は、良
く理解されていない。炭素フィルムのラマン分光器に関
する文献は、1990年に Jouranl of Materials Rses
earch に発表された、S. C. Sharmaらによる“Growth o
f diamond films and Characterization by Raman, sca
nning electron microscopy and x-ray photoelectron
spectroscopy ”の2426頁に記載されているよう
に、微結晶の大きさの効果またはsp3炭素ネットワー
クの乱雑さに関連する1133cm-1のピークについて説
明している。ラマンスペクトラの解釈は定性的なもので
あり、この時点では交流電力の重畳が炭素の化学的性質
を変えるということだけが言える。雰囲気内に加えられ
た更なる水素によってもたらされた変化を減少させるよ
うに、増加した百分率交流電力が化学的性質を変化させ
る傾向があることが結果から明らかである。その傾向は
水素と化合されていない炭素の化学的性質へ向かう。こ
れは、フィルム自体が、交流電力の重畳が増加するに従
って、より多くの水素を含有するという事実にもかかわ
らずそうなる。その理由は、未だに明らかにされていな
い。水素と化合させることは、炭素フィルムの機械的性
能を改善することが知られているので、水素と化合され
ない状態に向かう任意の化学的変化は、フィルムのCS
S(contact start-stop)性能をおそらく決定すること
になるであろう。この観点から、交流電力の重畳の量を
制限するべきことが明らかになる。
【0034】CSS試験が、百分率交流電力が0%から
100%に変化するディスクに関して実施された。標本
の間には重要な相違は検知されなかった。従って、ラマ
ン分光器によって観測されるように、百分率交流電力の
関数として炭素の構造に一定の変化が存在するにもかか
わらず、CSS試験は、その変化を検知することができ
ない。(CSS試験の間、炭素で被覆されたディスク
は、静止位置から1分間に300回転の回転速度まで繰
り返し回転させられる。読み出し/書き込みヘッドは、
9gの力で炭素を被覆されたディスクに押し付けられ
る。読み出し/書き込みヘッドからディスクに加えられ
る横方向の摩擦力は、CSS試験の間に測定される。C
SS試験中の摩擦の増加は、概ね保護用の炭素フィルム
が摩耗していることを意味する。CSS試験は、米国特
許第5,065,165号明細書に記載されている。)
【0035】概ね、CSS試験の結果は、基板の表面の
粗さ(表面の質)、潤滑剤の状態及び厚み、及び使用さ
れている記録ヘッドなどのより多くの要因に依存する。
交流電力の重畳による微妙な化学的変化は、CSS試験
によって容易に検知できない可能性がある。従って、C
SS試験に対する等しい性能を維持するために重畳可能
な交流電力の範囲には、ある自由度が存在することが明
らかである。これは、重畳されるべき百分率交流電力
が、アークの抑制及びスパタ速度を考慮して決定できる
ことを意味する。ここで研究されたターゲットに対して
機能するおおよその値は、30%から60%の間にあ
る。この範囲では、アークは全てかつ完全に除去され、
かつ充分なスパタ速度が依然として得られる。印加され
る全体の直流電力、陰極の幾何学的配置及び堆積状態に
依存して、他の環境を用いることも可能である。
【0036】様々な実施例に基づいて、本発明が説明さ
れてきたが、本発明の技術的視点を逸脱することなしに
変更が可能なことは当業者には明らかである。例えば、
本発明は磁気媒体以外の構造に炭素フィルムを堆積する
ために用いることができる。従って、それら全ての変更
は本発明の技術的視点を逸脱するものではない。
【0037】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、小塊が
ターゲット表面に成形されることを防止でき、スパタリ
ング装置を連続的に運転することが可能となり、磁性薄
型フィルムディスクの生産性を向上させ、製造コストを
減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続してスパタされた場合に、炭素ターゲット
の表面に発達する“小塊”の構造の垂直断面を模式的に
示す図である。
【図2】本発明の方法に基づくスパタリングのために、
交流電圧を直流電圧に重畳するために必要な回路の模式
図である。
【図3】薄型フィルムの媒体を製造するために用いられ
る、概ねインライン型のスパタリングシステムを模式的
に描いた図である。
【図4】概ね薄型のフィルム媒体の構造の断面を描いた
図である。
【図5】概ねプレーナ型の直流マグネトロンの陰極の断
面図である。
【図6】スパタリング(及び小塊の形成)が行われる
“長円形”を示す、プレーナ型直流マグネトロンの陰極
のターゲット表面の模式図である。
【図7】典型的な直流マグネトロンと、直流電圧に重畳
された交流電圧を用いたマグネトロンの、直流電圧対時
間のグラフである。
【図8】直流マグネトロンでの、炭素ターゲットで発生
する損傷の大きいアークの頻度を時間の関数として表し
たグラフである。
【図9】結合した交流/直流電源からの出力電圧の波形
を表す図である。
【図10】6mTorrの圧力の水素20%、アルゴン
80%の混合ガス中で炭素をスパタリングするための、
直流電圧対百分率交流電力の重畳の関係を表したグラフ
である。
【図11】百分率交流電力の重畳の関数としての、炭素
フィルムの水素含有量のSIMS(二次イオン質量分析
計)による分析を表したグラフである。
【図12】交流電力のみの場合、直流電力に40%の交
流電力を加えた場合、及び直流電力のみの場合の3つの
炭素フィルムのラマンスペクトラムを示す。各部の上部
に描かれた曲線は、未処理のラマンスペクトラムであっ
て、下部に描かれた曲線は分解されたスペクトラムであ
る。
【図13】交流電力のみの場合、直流電力に40%の交
流電力を加えた場合、及び直流電力のみの場合という3
つのスパタリング状態の関数のとしてのラマンスペクト
ラム内のGバンドの極大の位置の曲線を表したグラフで
ある。
【図14】交流電力のみの場合、直流電力に40%の交
流電力を加えた場合、及び直流電力のみの場合という3
つのスパタリングの状態の関数としてのラマンスペクト
ラム内のDバンドの強度とGバンドの強度の割合の曲線
を表したグラフである。
【図15】交流電力のみの場合、直流電力に40%の交
流電力を加えた場合、及び直流電力のみの場合という3
つのスパタリングの状態の関数としての1200cm-1
ーク強度とGピーク強度の割合の曲線を表したグラフで
ある。
【符号の説明】
1 基板 2 下層陰極 3 磁気層陰極 4 炭素層陰極 6a、6b ターゲットの第1の組 7a、7b ターゲットの第2の組 8a、8b ターゲットの第3の組 9、10、11 プロセスガスの入口 20 インラインスパタシステム 21 ガラス質の物質の領域 22 水素ガスの入口 23 小塊の成長 31 ターゲット 32 背面板 33 磁石アセンブリ 34 バンド領域 35 小塊 36、37 曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラジブ・ワイ・ランジャン アメリカ合衆国カリフォルニア州95119・ サンノゼ・ラドコドライブ 6560 (72)発明者 ユリ・トラチック アメリカ合衆国カリフォルニア州95012・ ミルピタス・イーストジュリアンストリー ト 180

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電力を炭素ターゲットに供給し、
    かつ前記炭素ターゲットの表面に小塊が形成されること
    を防止するべく、前記直流電力に交流電力を重畳する過
    程を有することを特徴とする炭素フィルムをスパタリン
    グする方法。
  2. 【請求項2】 前記直流電力に重畳される前記交流電
    力の割合が、前記直流電力の入力の20%から80%の
    範囲であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記直流電力に重畳される前記交流電
    力の割合が、前記直流電力の入力の30%から60%の
    範囲であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記交流電力が、100kHzから10
    00kHzまでの周波数の信号であることを特徴とする請
    求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記スパタリングが、水素または水素
    遊離ガスからなる雰囲気中で実施されることを特徴とす
    る請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記スパタリングが、少なくとも体積
    百分率20%の水素からなる雰囲気中で実施されること
    を特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 炭素ターゲットに直流電力を供給し、
    かつ炭素フィルムが物質で汚染されることを減少するべ
    く前記直流電力に交流電力を重畳させる過程を有するこ
    とを特徴とする前記炭素フィルムをスパタリングする方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1の方法に基づいて製造された
    炭素フィルムからなる製造物。
  9. 【請求項9】 前記製造物が磁気データ記憶ディスク
    からなることを特徴とする請求項8に記載の製造物。
JP5077740A 1992-03-20 1993-03-10 炭素フィルムをスパタリングする方法及びその製造物 Pending JPH06145975A (ja)

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