JPH06145106A - α−ヒドロキシイソ酪酸メチルの製造法 - Google Patents
α−ヒドロキシイソ酪酸メチルの製造法Info
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- JPH06145106A JPH06145106A JP4298780A JP29878092A JPH06145106A JP H06145106 A JPH06145106 A JP H06145106A JP 4298780 A JP4298780 A JP 4298780A JP 29878092 A JP29878092 A JP 29878092A JP H06145106 A JPH06145106 A JP H06145106A
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- JP
- Japan
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- acid amide
- hydroxyisobutyric acid
- alkali metal
- metal hydroxide
- methyl
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C69/00—Esters of carboxylic acids; Esters of carbonic or haloformic acids
- C07C69/52—Esters of acyclic unsaturated carboxylic acids having the esterified carboxyl group bound to an acyclic carbon atom
- C07C69/533—Monocarboxylic acid esters having only one carbon-to-carbon double bond
- C07C69/54—Acrylic acid esters; Methacrylic acid esters
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C67/00—Preparation of carboxylic acid esters
- C07C67/18—Preparation of carboxylic acid esters by conversion of a group containing nitrogen into an ester group
- C07C67/20—Preparation of carboxylic acid esters by conversion of a group containing nitrogen into an ester group from amides or lactams
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】α−ヒドロキシイソ酪酸アミドとギ酸メチルか
らα−ヒドロキシイソ酪酸メチルを効率的に製造する方
法の提供。 【構成】触媒となるα−ヒドロキシイソ酪酸アミドとア
ルカリ金属水酸化物との脱水縮合物を連続式の蒸留塔を
用いて調製しつつ、次いで蟻酸メチルと反応させるα−
ヒドロキシイソ酪酸メチルの製造方法。
らα−ヒドロキシイソ酪酸メチルを効率的に製造する方
法の提供。 【構成】触媒となるα−ヒドロキシイソ酪酸アミドとア
ルカリ金属水酸化物との脱水縮合物を連続式の蒸留塔を
用いて調製しつつ、次いで蟻酸メチルと反応させるα−
ヒドロキシイソ酪酸メチルの製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、αーヒドロキシイソ酪
酸アミドとギ酸メチルからαーヒドロキシイソ酪酸メチ
ルを製造する方法に関する。αーヒドロキシイソ酪酸メ
チルは、メタクリル酸メチルの原料となるものであり、
工業的に重要な用途がある。
酸アミドとギ酸メチルからαーヒドロキシイソ酪酸メチ
ルを製造する方法に関する。αーヒドロキシイソ酪酸メ
チルは、メタクリル酸メチルの原料となるものであり、
工業的に重要な用途がある。
【0002】
【従来の技術】カルボン酸アミドからのカルボン酸エス
テルの製造法としては、従来硫酸の存在下においてカル
ボン酸アミドとアルコールを反応させる方法が知られて
おり、メタクリル酸メチルの工業的製造法として広く実
施されている。しかしながら、この方法では膨大な量の
酸性硫安が副生しその処理に多大の費用を要すること、
及び高価な耐蝕性の製造装置を要すること等の問題があ
る。これらの欠点を解消する方法として、硫酸を使用せ
ずにカルボン酸アミドとアルコールを接触的に反応させ
てカルボン酸エステルを製造する方法が提案されてい
る。しかしながら、目的とするカルボン酸エステルの収
率及び選択率が低いことに加えて、多量のアンモニアが
生成し、その分離回収が必要なこと、及びカルボン酸の
アンモニウム塩を生じること等の問題があり、工業的に
は満足できるものではない。
テルの製造法としては、従来硫酸の存在下においてカル
ボン酸アミドとアルコールを反応させる方法が知られて
おり、メタクリル酸メチルの工業的製造法として広く実
施されている。しかしながら、この方法では膨大な量の
酸性硫安が副生しその処理に多大の費用を要すること、
及び高価な耐蝕性の製造装置を要すること等の問題があ
る。これらの欠点を解消する方法として、硫酸を使用せ
ずにカルボン酸アミドとアルコールを接触的に反応させ
てカルボン酸エステルを製造する方法が提案されてい
る。しかしながら、目的とするカルボン酸エステルの収
率及び選択率が低いことに加えて、多量のアンモニアが
生成し、その分離回収が必要なこと、及びカルボン酸の
アンモニウム塩を生じること等の問題があり、工業的に
は満足できるものではない。
【0003】一方、アンモニアが生成しない方法として
は、特開昭58ー55444、特開昭60ー78937
において、有機酸や無機酸の金属塩、又は金属カルボニ
ル化合物に、窒素又はリンを含む有機化合物等を組み合
せた触媒を使用して、カルボン酸アミドと蟻酸エステル
の反応によりカルボン酸エステルとホルムアミドを製造
する方法が提案されている。しかしながら、これらの方
法では触媒系が複雑で高価なこと、及び触媒回収の費用
が嵩むこと等の問題がある。
は、特開昭58ー55444、特開昭60ー78937
において、有機酸や無機酸の金属塩、又は金属カルボニ
ル化合物に、窒素又はリンを含む有機化合物等を組み合
せた触媒を使用して、カルボン酸アミドと蟻酸エステル
の反応によりカルボン酸エステルとホルムアミドを製造
する方法が提案されている。しかしながら、これらの方
法では触媒系が複雑で高価なこと、及び触媒回収の費用
が嵩むこと等の問題がある。
【0004】本発明者らは、先に、カルボン酸アミドと
蟻酸エステル等の反応において、カルボン酸アミドとア
ルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物との
脱水縮合物を触媒とすることにより、公知の方法と比較
して極めて温和な条件で反応を進行させ、且つ高選択率
を以て目的物のカルボン酸エステルを得る方法を見出
し、特開平3ー48637に開示した。しかしながら、
その後の検討の結果、この方法によりαーヒドロキシイ
ソ酪酸メチルを工業的に製造する場合には、触媒である
αーヒドロキシイソ酪酸アミドとアルカリ金属水酸化物
との脱水縮合物を効率良く調製する必要があるが、脱水
縮合の際に生成する水によるαーヒドロキシイソ酪酸ア
ミドの加水分解反応が併発しやすく、これにより生成す
るαーヒドロキシイソ酪酸がアルカリ金属水酸化物との
塩を生じる為、アルカリ金属水酸化物が触媒として有効
に利用されなくなると云う欠点があった。しかも、操作
上、アルカリ金属水酸化物は水溶液としての使用が好ま
しいが、この場合には加水分解反応が一段と助長される
為、触媒となる脱水縮合物だけを効率良く調製するには
不都合であった。
蟻酸エステル等の反応において、カルボン酸アミドとア
ルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物との
脱水縮合物を触媒とすることにより、公知の方法と比較
して極めて温和な条件で反応を進行させ、且つ高選択率
を以て目的物のカルボン酸エステルを得る方法を見出
し、特開平3ー48637に開示した。しかしながら、
その後の検討の結果、この方法によりαーヒドロキシイ
ソ酪酸メチルを工業的に製造する場合には、触媒である
αーヒドロキシイソ酪酸アミドとアルカリ金属水酸化物
との脱水縮合物を効率良く調製する必要があるが、脱水
縮合の際に生成する水によるαーヒドロキシイソ酪酸ア
ミドの加水分解反応が併発しやすく、これにより生成す
るαーヒドロキシイソ酪酸がアルカリ金属水酸化物との
塩を生じる為、アルカリ金属水酸化物が触媒として有効
に利用されなくなると云う欠点があった。しかも、操作
上、アルカリ金属水酸化物は水溶液としての使用が好ま
しいが、この場合には加水分解反応が一段と助長される
為、触媒となる脱水縮合物だけを効率良く調製するには
不都合であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、αーヒ
ドロキシイソ酪酸アミドと蟻酸メチルの反応において触
媒となるαーヒドロキシイソ酪酸アミドとアルカリ金属
水酸化物との脱水縮合物の調製に関して、上述の如き種
々の不都合を解消した触媒調製法を開発し、工業的なα
−ヒドロキシイソ酪酸メチルの連続製造法の確立を図る
必要があった。
ドロキシイソ酪酸アミドと蟻酸メチルの反応において触
媒となるαーヒドロキシイソ酪酸アミドとアルカリ金属
水酸化物との脱水縮合物の調製に関して、上述の如き種
々の不都合を解消した触媒調製法を開発し、工業的なα
−ヒドロキシイソ酪酸メチルの連続製造法の確立を図る
必要があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、連続多段蒸留塔を用いて、該蒸留塔内部
においてαーヒドロキシイソ酪酸アミドとアルカリ金属
水酸化物を脱水反応させ、同時に脱水蒸留を行う反応蒸
留方式で触媒となる脱水縮合物を調製し、次いでその缶
出液に蟻酸メチルを反応させることにより、上述の不都
合を解消できることを見出し、本発明を完成させるに至
った。即ち、本発明はαーヒドロキシイソ酪酸アミドを
塔頂と塔底との間の適当な段数の位置に供給し、アルカ
リ金属水酸化物をαーヒドロキシイソ酪酸アミドの供給
口と塔底との間の適当な段数の位置に供給することによ
り、効率的な触媒調製が可能となり、本発明を完成させ
ることができた。
を重ねた結果、連続多段蒸留塔を用いて、該蒸留塔内部
においてαーヒドロキシイソ酪酸アミドとアルカリ金属
水酸化物を脱水反応させ、同時に脱水蒸留を行う反応蒸
留方式で触媒となる脱水縮合物を調製し、次いでその缶
出液に蟻酸メチルを反応させることにより、上述の不都
合を解消できることを見出し、本発明を完成させるに至
った。即ち、本発明はαーヒドロキシイソ酪酸アミドを
塔頂と塔底との間の適当な段数の位置に供給し、アルカ
リ金属水酸化物をαーヒドロキシイソ酪酸アミドの供給
口と塔底との間の適当な段数の位置に供給することによ
り、効率的な触媒調製が可能となり、本発明を完成させ
ることができた。
【0007】本発明においては、アルカリ金属水酸化物
をαーヒドロキシイソ酪酸アミドの供給口と塔底との間
の適当な位置に供給するが、これによって、瞬時に塔頂
より水を留去でき、αーヒドロキシイソ酪酸アミドの加
水分解が抑制できるため触媒が効率よく調製でき、高収
率及び高選択率で目的とするαーヒドロキシイソ酪酸メ
チルを製造することができる。一方、αーヒドロキシイ
ソ酪酸アミドの供給ラインに、又は供給口と同段にアル
カリ金属水酸化物を供給した場合には、αーヒドロキシ
イソ酪酸アミドの加水分解が起こるので、触媒の効率的
調製の観点からは好ましくない。また、アルカリ金属水
酸化物を塔底に供給した場合には、水分の除去が不完全
となり、脱水縮合物の生成が低下するので好ましくな
い。
をαーヒドロキシイソ酪酸アミドの供給口と塔底との間
の適当な位置に供給するが、これによって、瞬時に塔頂
より水を留去でき、αーヒドロキシイソ酪酸アミドの加
水分解が抑制できるため触媒が効率よく調製でき、高収
率及び高選択率で目的とするαーヒドロキシイソ酪酸メ
チルを製造することができる。一方、αーヒドロキシイ
ソ酪酸アミドの供給ラインに、又は供給口と同段にアル
カリ金属水酸化物を供給した場合には、αーヒドロキシ
イソ酪酸アミドの加水分解が起こるので、触媒の効率的
調製の観点からは好ましくない。また、アルカリ金属水
酸化物を塔底に供給した場合には、水分の除去が不完全
となり、脱水縮合物の生成が低下するので好ましくな
い。
【0008】本発明の方法に用いられる原料αーヒドロ
キシイソ酪酸アミドは、アセトンと青酸により製造され
るアセトンシアンヒドリンを水和することにより得られ
る。一般に、このαーヒドロキシイソ酪酸アミド中には
多少の水が含まれるため、青酸が水和されて生成したホ
ルムアミドが含有されている場合が多いが、その場合に
も、本発明のアルカリ金属水酸化物をαーヒドロキシイ
ソ酪酸アミドの供給口と塔底との間の適当な位置に供給
すると云う方法をとれば、何ら支障なく触媒を調製する
ことができる。
キシイソ酪酸アミドは、アセトンと青酸により製造され
るアセトンシアンヒドリンを水和することにより得られ
る。一般に、このαーヒドロキシイソ酪酸アミド中には
多少の水が含まれるため、青酸が水和されて生成したホ
ルムアミドが含有されている場合が多いが、その場合に
も、本発明のアルカリ金属水酸化物をαーヒドロキシイ
ソ酪酸アミドの供給口と塔底との間の適当な位置に供給
すると云う方法をとれば、何ら支障なく触媒を調製する
ことができる。
【0009】次に本発明の方法を、図1に示すフロ−シ
−トにより説明する。図1において(1)は脱水蒸留塔
の全体を示す。αーヒドロキシイソ酪酸アミドをライン
(4)より蒸留塔中段に供給する。ここで、αーヒドロ
キシイソ酪酸アミドは単独または、水を0〜50wt%含
有してもよい。アルカリ金属水酸化物をライン(5)よ
り供給する。ライン(5)の供給口に結晶が析出して閉
塞しないように液溜(3)を設けることも可能である。
ここで使用するアルカリ金属水酸化物としては、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの各
水酸化物が挙げられるが、経済性の面で水酸化ナトリウ
ムが好適である。また、アルカリ金属水酸化物は、粉体
のまま蒸留塔に供給することも可能であるが、取扱上、
水溶液として供給するのが好ましく、その濃度は5〜3
0wt%の範囲で、特に20〜30wt%が好適であり、α
ーヒドロキシイソ酪酸アミド1モルに対し、アルカリ金
属水酸化物を0. 005〜0. 1モルの割合で供給する
のが望ましい。これ以上の使用量では、αーヒドロキシ
イソ酪酸アミドの加水分解が促進されること、留去すべ
き水分量が増加すること等から実用的に不利である。蒸
留塔の頂部よりライン(6)を経て水分が留去される。
−トにより説明する。図1において(1)は脱水蒸留塔
の全体を示す。αーヒドロキシイソ酪酸アミドをライン
(4)より蒸留塔中段に供給する。ここで、αーヒドロ
キシイソ酪酸アミドは単独または、水を0〜50wt%含
有してもよい。アルカリ金属水酸化物をライン(5)よ
り供給する。ライン(5)の供給口に結晶が析出して閉
塞しないように液溜(3)を設けることも可能である。
ここで使用するアルカリ金属水酸化物としては、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの各
水酸化物が挙げられるが、経済性の面で水酸化ナトリウ
ムが好適である。また、アルカリ金属水酸化物は、粉体
のまま蒸留塔に供給することも可能であるが、取扱上、
水溶液として供給するのが好ましく、その濃度は5〜3
0wt%の範囲で、特に20〜30wt%が好適であり、α
ーヒドロキシイソ酪酸アミド1モルに対し、アルカリ金
属水酸化物を0. 005〜0. 1モルの割合で供給する
のが望ましい。これ以上の使用量では、αーヒドロキシ
イソ酪酸アミドの加水分解が促進されること、留去すべ
き水分量が増加すること等から実用的に不利である。蒸
留塔の頂部よりライン(6)を経て水分が留去される。
【0010】蒸留塔の操作条件としては、真空度5〜2
0torr、塔底温度130〜160℃好ましくは真空度1
0〜15torr、塔底温度140〜150℃において、α
ーヒドロキシイソ酪酸アミドとアルカリ金属水酸化物を
脱水縮合させ、塔底よりライン(7)を通じて反応器
(2)に供給する。これ以上の温度ではαーヒドロキシ
イソ酪酸アミドの留出や変質、及び生成した脱水縮合物
の分解が生じやすく、これ以下の温度では脱水が不十分
となり、触媒となる脱水縮合物の生成量が低下するので
好ましくない。
0torr、塔底温度130〜160℃好ましくは真空度1
0〜15torr、塔底温度140〜150℃において、α
ーヒドロキシイソ酪酸アミドとアルカリ金属水酸化物を
脱水縮合させ、塔底よりライン(7)を通じて反応器
(2)に供給する。これ以上の温度ではαーヒドロキシ
イソ酪酸アミドの留出や変質、及び生成した脱水縮合物
の分解が生じやすく、これ以下の温度では脱水が不十分
となり、触媒となる脱水縮合物の生成量が低下するので
好ましくない。
【0011】ライン(8)より蟻酸メチルを供給する。
ここで供給する蟻酸メチルの供給量は、αーヒドロキシ
イソ酪酸アミド1モルに対して0. 5〜20モルであ
り、好ましくは1. 5〜8モルの範囲である。これ以下
の量ではαーヒドロキシイソ酪酸アミドの転化率が低
く、これ以上の量では未反応の蟻酸メチルの回収量が増
加し、実用的でない。またαーヒドロキシイソ酪酸アミ
ドの取扱上、必要に応じてメタノールを使用するのが望
ましい。メタノールの使用量はαーヒドロキシイソ酪酸
アミド1モル当り、1〜30モルであり、好ましくは2
〜20モルの範囲である。これ以下の量ではαーヒドロ
キシイソ酪酸アミドの溶解が困難であり、また、これ以
上の量では反応液からのメタノールの回収量が増加し、
実用上不利である。
ここで供給する蟻酸メチルの供給量は、αーヒドロキシ
イソ酪酸アミド1モルに対して0. 5〜20モルであ
り、好ましくは1. 5〜8モルの範囲である。これ以下
の量ではαーヒドロキシイソ酪酸アミドの転化率が低
く、これ以上の量では未反応の蟻酸メチルの回収量が増
加し、実用的でない。またαーヒドロキシイソ酪酸アミ
ドの取扱上、必要に応じてメタノールを使用するのが望
ましい。メタノールの使用量はαーヒドロキシイソ酪酸
アミド1モル当り、1〜30モルであり、好ましくは2
〜20モルの範囲である。これ以下の量ではαーヒドロ
キシイソ酪酸アミドの溶解が困難であり、また、これ以
上の量では反応液からのメタノールの回収量が増加し、
実用上不利である。
【0012】上記の割合で混合した溶液を反応器(2)
に供給し、ライン(9)を通して目的とするαーヒドロ
キシイソ酪酸メチルを得ることができる。反応温度と反
応時間は、アルカリ金属水酸化物の供給量及び目標転化
率によって広い範囲を選び得るが、一般的な反応条件と
しては反応温度20〜150℃、特に30〜100℃の
範囲が好ましい。これ以下の温度では実用的な反応速度
が得られず、これ以上の温度では脱水縮合物が分解しや
すく不利である。反応時間は0. 1〜10hr、実用的に
は2〜5hrの範囲で十分である。
に供給し、ライン(9)を通して目的とするαーヒドロ
キシイソ酪酸メチルを得ることができる。反応温度と反
応時間は、アルカリ金属水酸化物の供給量及び目標転化
率によって広い範囲を選び得るが、一般的な反応条件と
しては反応温度20〜150℃、特に30〜100℃の
範囲が好ましい。これ以下の温度では実用的な反応速度
が得られず、これ以上の温度では脱水縮合物が分解しや
すく不利である。反応時間は0. 1〜10hr、実用的に
は2〜5hrの範囲で十分である。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、αーヒドロキシイソ酪
酸アミドと蟻酸メチルの反応において、触媒となるαー
ヒドロキシイソ酪酸アミドとアルカリ金属水酸化物との
脱水縮合物を、反応蒸留方式にて効率的に調製すること
により、高い選択率を以てαーヒドロキシイソ酪酸メチ
ルを得ることができる。
酸アミドと蟻酸メチルの反応において、触媒となるαー
ヒドロキシイソ酪酸アミドとアルカリ金属水酸化物との
脱水縮合物を、反応蒸留方式にて効率的に調製すること
により、高い選択率を以てαーヒドロキシイソ酪酸メチ
ルを得ることができる。
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明する。尚、本発明はこれらの実施例に制限されるもの
ではない。
明する。尚、本発明はこれらの実施例に制限されるもの
ではない。
【0014】実施例1 充填物としてマクマホンパッキング( サイズ:6mm、ス
テンレス製 )を使用した蒸留塔( 内径20mm )中段より
10wt%含水αーヒドロキシイソ酪酸アミドを115g/
h で、また、この原料供給口と塔底との中間から30wt
%水酸化ナトリウム水溶液を4g/h で供給した。塔底温
度150℃、塔頂圧力10torr で塔頂より水を留去
し、塔底から脱水縮合物とαーヒドロキシイソ酪酸アミ
ドとの混合物を得た。さらに連続的に、この混合物に対
し、モル比2:3の蟻酸メチルのメタノール溶液を21
6g/h で加えて反応器に供給し、滞留時間2h、温度6
0℃で反応させた。その結果、αーヒドロキシイソ酪酸
アミドの転化率は61%、αーヒドロキシイソ酪酸メチ
ルへの選択率は99%であった。
テンレス製 )を使用した蒸留塔( 内径20mm )中段より
10wt%含水αーヒドロキシイソ酪酸アミドを115g/
h で、また、この原料供給口と塔底との中間から30wt
%水酸化ナトリウム水溶液を4g/h で供給した。塔底温
度150℃、塔頂圧力10torr で塔頂より水を留去
し、塔底から脱水縮合物とαーヒドロキシイソ酪酸アミ
ドとの混合物を得た。さらに連続的に、この混合物に対
し、モル比2:3の蟻酸メチルのメタノール溶液を21
6g/h で加えて反応器に供給し、滞留時間2h、温度6
0℃で反応させた。その結果、αーヒドロキシイソ酪酸
アミドの転化率は61%、αーヒドロキシイソ酪酸メチ
ルへの選択率は99%であった。
【0015】比較例1 水酸化ナトリウム水溶液をαーヒドロキシイソ酪酸アミ
ドと同段に供給した以外は実施例1と同様にして反応さ
せた。その結果、αーヒドロキシイソ酪酸アミドの転化
率は49%、αーヒドロキシイソ酪酸メチルへの選択率
は92%であった。
ドと同段に供給した以外は実施例1と同様にして反応さ
せた。その結果、αーヒドロキシイソ酪酸アミドの転化
率は49%、αーヒドロキシイソ酪酸メチルへの選択率
は92%であった。
【0016】比較例2 水酸化ナトリウム水溶液を蒸留塔の塔底に供給した以外
は実施例1と同様にして反応させた。その結果、αーヒ
ドロキシイソ酪酸アミドの転化率は43%、αーヒドロ
キシイソ酪酸メチルへの選択率は90%であった。
は実施例1と同様にして反応させた。その結果、αーヒ
ドロキシイソ酪酸アミドの転化率は43%、αーヒドロ
キシイソ酪酸メチルへの選択率は90%であった。
【0017】
【図1】本発明を実施する場合の装置のフロ−シ−トを
示す。
示す。
(1)脱水蒸留塔 (2)反応器 (3)液溜 (4)αーヒドロキシイソ酪酸アミド供給ライン (5)アルカリ金属水酸化物供給ライン (6)水抜き出しライン (7)缶出液抜き出しライン (8)蟻酸メチル供給ライン (9)反応液抜き出しライン
Claims (5)
- 【請求項1】αーヒドロキシイソ酪酸アミドと蟻酸メチ
ルからαーヒドロキシイソ酪酸メチルを製造する方法に
おいて、触媒となるαーヒドロキシイソ酪酸アミドとア
ルカリ金属水酸化物との脱水縮合物を連続式の蒸留塔を
用いて調製つつ、次いで蟻酸メチルと反応させることを
特徴とするαーヒドロキシイソ酪酸メチルの製造方法。 - 【請求項2】αーヒドロキシイソ酪酸アミドと蟻酸メチ
ルからαーヒドロキシイソ酪酸メチルを製造する方法に
おいて、(1)αーヒドロキシイソ酪酸アミドを塔頂と
塔底との間の適当な段数の位置に供給し、(2)アルカ
リ金属水酸化物をαーヒドロキシイソ酪酸アミドの供給
位置と塔底との間の適当な段数の位置に供給し、(3)
αーヒドロキシイソ酪酸アミドとアルカリ金属水酸化物
とを接触させることにより脱水縮合物を生成させ、塔頂
より水を留去し、塔底よりαーヒドロキシイソ酪酸アミ
ドと、αーヒドロキシイソ酪酸アミドとアルカリ金属水
酸化物との脱水縮合物を抜き出し、(4)この缶出液を
蟻酸メチルと反応させ、αーヒドロキシイソ酪酸メチル
を製造することを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】αーヒドロキシイソ酪酸アミドに対するア
ルカリ金属水酸化物の供給割合が0. 5〜10モル%で
ある請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】使用するアルカリ金属水酸化物が水酸化ナ
トリウムである請求項1に記載の方法 - 【請求項5】蒸留塔の塔底温度が130〜160℃、真
空度5〜20torrである請求項1に記載の方法。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4298780A JPH06145106A (ja) | 1992-11-09 | 1992-11-09 | α−ヒドロキシイソ酪酸メチルの製造法 |
US08/135,247 US5391813A (en) | 1992-11-09 | 1993-10-12 | Process for producing methyl α-hydroxyisobutyrate |
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