JPH0614494U - ポンプ用樹脂インペラ - Google Patents
ポンプ用樹脂インペラInfo
- Publication number
- JPH0614494U JPH0614494U JP5399592U JP5399592U JPH0614494U JP H0614494 U JPH0614494 U JP H0614494U JP 5399592 U JP5399592 U JP 5399592U JP 5399592 U JP5399592 U JP 5399592U JP H0614494 U JPH0614494 U JP H0614494U
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- Japan
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- key groove
- impeller
- key
- resin
- pump
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- Pending
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- Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 キ−溝のコーナ部に発生する応力集中が緩和
されるとともに、トルク伝達の低下が発生せず、ボス部
も含めたインペラ全体を樹脂で形成することができ、し
かも製造が容易で安価なポンプ用樹脂製インペラ。 【構成】 キ−溝38のコーナ部に、このキ−溝38の
上面中央部43を残して逃げ凹部44を設け、これら逃
げ凹部44は所定の半径を有する曲面とし、この曲面の
曲率中心Fをキ−溝38の上面と一致またはこの上面よ
り高い位置に設定した。
されるとともに、トルク伝達の低下が発生せず、ボス部
も含めたインペラ全体を樹脂で形成することができ、し
かも製造が容易で安価なポンプ用樹脂製インペラ。 【構成】 キ−溝38のコーナ部に、このキ−溝38の
上面中央部43を残して逃げ凹部44を設け、これら逃
げ凹部44は所定の半径を有する曲面とし、この曲面の
曲率中心Fをキ−溝38の上面と一致またはこの上面よ
り高い位置に設定した。
Description
【0001】
この考案は、例えば深井戸用水中ポンプに使用される樹脂製のインペラに関す る。
【0002】
一般に、深井戸用水中ポンプ等においては、ポンプケーシング内にインペラを 回転自在に収容し、このインペラをモータに連結された駆動軸により回転駆動す るようになっており、このインペラの回転により吸込口から水を吸入して吐出口 より圧送するようになっている。
【0003】 上記インペラは、通常、キーにより駆動軸に対して一体的に回転するように結 合されている。このため、インペラのボス部には軸穴が形成されているとともに 、この軸穴にはキー溝が形成されており、このキー溝にキーを嵌合することによ りこのインペラは駆動軸に係合されている。
【0004】 従来のキー溝について、図6ないし図8に示すインペラにもとづき説明する。 図中1および2は軸方向に間隔を存して対向するインペラの一対の側板、3… はこの側板1、2の間に介在しそれぞれ周方向に等間隔に配設された複数(図は 6枚の場合)の渦巻状羽根、4はボス部、5はボス部4に形成された軸穴である 。この軸穴5にはキー溝6が形成されている。このキ−溝6は断面形状がコ字形 に形成されている。
【0005】 このようなキ−溝6には、駆動軸7に固定されたキ−8が嵌合しており、モー タにより回転される駆動軸7の回転トルクをキー8によりインペラに伝えるよう になっている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、従来のキー溝6は、キー溝6の天井面9と側面10とがコーナ 部11で直角に交差しており、キー8から伝えられるトルクは側面10で受ける のでコーナ部11に応力が集中し、コーナ部11で損傷し易い。
【0007】 特に最近では、防錆、軽量化、コストダウン等の目的でインペラをポリアミド 樹脂などのような合成樹脂により形成する場合があり、このような合成樹脂製イ ンペラの場合は、コーナ部11発生する集中応力のために、コーナ部11に亀裂 が入り、破損し易くなる不具合がある。
【0008】 このような欠点を回避するため、側板1、2や羽根部3を樹脂で形成し、ボス 部4だけを鋳鉄等の金属で形成するような構造のインペラも開発されているが、 ボス部だけを鋳鉄等の金属で形成すると、組立て工程が増えたり、材料コストや 加工コストが上昇し、さらにボス部に錆が発生するという問題がある。
【0009】 本考案はこのような事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは 、キ−溝のコーナ部に発生する応力集中を緩和するとともに、トルク伝達を良好 に保ち、ボス部も含めたインペラ全体を樹脂で形成することができ、しかも製造 が容易で安価なポンプ用樹脂製インペラを提供しようとするものである。
【0010】
本考案は上記の目的を達成するため、ポンプ用樹脂製インペラにおいて、キ− 溝のコーナ部に、このキ−溝の上面中央部を残して逃げ凹部を設け、これら逃げ 凹部は所定の半径を有する曲面形状とし、この曲面の曲率中心を上記キ−溝の上 面と一致またはこの上面より高い位置に設けたことを特徴とする。
【0011】
このような構成の本考案においては、キ−溝のコーナ部に曲面形状の逃げ凹部 を設けたので、コーナ部に発生する応力が分散され、よって応力の集中が避けら れる。このため、コーナ部に亀裂などのような破損を生じることがなくなる。
【0012】 しかも、上記コーナ部に形成された曲面形状の逃げ凹部は、キー溝の上面中央 部を残し、これら逃げ凹部の曲率中心を上記キ−溝の上面と一致またはこの上面 より高い位置に設定したから、キー溝の側面面積を従前と同等大きさに確保する ことができ、キーからインペラに伝えられるトルクを受ける面積が従前と同等な 大きさに保たれ、よってトルク伝達能力の低下を生じない。
【0013】
以下本考案について、図1ないし図5に示す第1の実施例に基づき説明する。
【0014】 図5は深井戸ポンプを示すもので、同図中20は吸入側ケ−シングである。こ の吸入側ケ−シング20の下部側面には吸込み口21が形成されているとともに この吸込み口21を覆ってストレ−ナ22が取着されており、ポンプの上方には 吐出側ケ−シング23が設けられている。そしてこの吐出側ケ−シング23の上 面には吐出し口24が形成されている。これらの吸入側ケ−シング20と吐出側 ケ−シング23の間には軸方向に複数の中間ケ−シング25…が配設されている 。
【0015】 また26は締結バンドであり、この締結バンド26の一端は前記吸入側ケ−シ ング20にボルト27で螺着されており、他端は前記吐出側ケ−シング23にボ ルト28で螺着されている。これらの両方のボルト27、28を締付けることに よって中間ケ−シング25…は、吸入側ケ−シング20と吐出側ケ−シング23 との間に挟着されている。
【0016】 これら各中間ケ−シング25…内にはそれぞれインペラ32…が回転自在に収 容されている。これらインペラ32…は駆動軸31によって回転される。すなわ ち前記吸入側ケ−シング20の下方には電動機部29が連結されており、この電 動機部29の電動機軸30には駆動軸31が接続されている。この駆動軸31は 中間ケ−シング25…内に導入されており、上記インペラ32…を回転するよう になっている。 インペラ32はポリアミド樹脂などから成る樹脂製インペラであり、これにつ いて図1ないし図4に基づいて説明する。
【0017】 図3および図4中、33および34は軸方向に間隔を存して対向する樹脂製イ ンペラの一対の側板、35…はこの側板33、34の間に介在し、それぞれ周方 向に等間隔に配設された複数(図は6枚の場合)の樹脂製渦巻状羽根、36は樹 脂製ボス部、37はボス部36に形成された軸穴である。この軸穴37にはキー 溝38が形成されており、このキ−溝38は断面形状がコ字形に形成されている 。
【0018】 このようなキ−溝38には、上記駆動軸31に固定されたキ−39が嵌合して おり、このモータ29により駆動軸31の回転トルクをインペラ32に伝えるよ うになっている。
【0019】 前記キー溝38は、図1に示すように、天井面41と側面42とが交差するコ ーナ部に、このキ−溝の上面中央部43を残して逃げ凹部44が形成されており 、これら逃げ凹部44は所定の半径を有する曲面形状を成している。そしてこの 曲面の曲率中心Fはキ−溝38の上面と一致またはこの上面より高い位置に設定 されている。この逃げ凹部44によって天井面41と側面42とのコーナ部は滑 らかにつながるようになっている。
【0020】 このような構成の本実施例においては、モ−タ29を駆動すると、吸込み口2 1からストレ−ナ22を介して井戸水が吸入され、この吸入した井戸水は、各イ ンペラ32…によって加圧され、吐出側ケ−シング23の吐出し口24から吐出 される。
【0021】 このときインペラ32は、駆動軸31の図4に示す矢印E方向への回転に基づ く回転トルクを、キ−溝38の側面42に当接されたキ−39を介して伝達され る。
【0022】 この場合、キ−溝38のコーナ部に曲面形状の逃げ凹部44を形成したので天 井面41と側面42とのコーナ部は滑らかにつながり天井面41と側面42との 境界では従来のインペラのように応力集中が生じることはない。
【0023】 しかもこのような逃げ凹部44において、例えば、もしも図4に示すように、 曲面60をキ−溝38の上面よりも低い位置に設定すると、キ−溝38の天井面 近くでは、その幅が小さくなるため、従来よりも低い位置までしかキ−39を挿 入することができない。このためキ−39とキ−溝38の側面42との接触面積 S2 は従来よりも小さくなり、よって回転トルクを伝達するのに有効な面積が従 来よりも小さくなることから、伝達トルクが低下してしまうという不具合が生ず る。
【0024】 これに対し、本実施例のように逃げ凹部44の曲率中心をキ−溝38の上面と 一致またはこの上面よりも高い位置に設定すれば、キ−39とキ−溝38の側面 42との接触面積S1 は従来と同様の大きさとなり、よって回転トルクを従来と 同様に保つことができる。 また上面中央部によって、キ−27はキ−溝26の深さ方向に位置決めされる ので、回転中に遠心力でキ−27が深さ方向にガタつくことがない。
【0025】 さらにキ−溝38に生ずる応力集中が緩和できることにより、ボス部もインペ ラと同様の合成樹脂で形成することができ、インペラ全体を合成樹脂で一体加工 できることから、製造が容易で安価な樹脂インペラが提供できるという大きなメ リットがある。 ここで、従来のインペラと本実施例のインペラとを比較して、キ−溝に生じる 最大引張応力と最大圧縮応力とを求めた実験結果を示す。
【0026】 モデル1は図8に示す従来のインペラのキ−溝の場合であり、モデル2は図2 に示す本実施例のインペラのキ−溝の場合である。これらの実験に使用したイン ぺラの具体的寸法を同図に基づいて示すと次のようになる。 なお、両者ともポリアミド樹脂により形成した。 モデル1: ボス部の外径 ;D=20mm 軸穴 ;d=14mm キ−溝の高さ ;H=1mm キ−溝の幅 ;W=5mm モデル2: ボス部の外径 ;D=20mm 軸穴 ;d=14mm キ−溝の高さ ;H=1mm キ−溝の幅 ;W=5mm 逃げ凹部の曲率半径;r=0.5mm これらのモデルに対してシャフトの全面に3.7kgf・cmの回転トルクを 負荷したときの実験結果を表1に示す。
【0027】
【表1】 この表1に示すように、キ−溝に逃げ凹部を設けた本考案に係るモデル2の方 が最大引張応力が小さくなり、よって応力集中が緩和されていることがわかる。
【0028】
【考案の効果】 以上詳述したように本考案によれば、キ−溝のコーナ部に発生する応力集中が 緩和されるとともに、トルク伝達の低下が発生せず、上面中央部が存在している のでキ−のガタつきもない。このようなことからボス部も含めたインペラ全体を 樹脂で形成することができ、しかも製造が容易で安価なポンプ用樹脂製インペラ を提供できるものである。
【図1】本考案の第1の実施例にかかるインペラのボス
部の横断面図。
部の横断面図。
【図2】同実施例にかかるインペラのキ−溝の拡大図。
【図3】本実施例にかかるインペラの縦断面図。
【図4】図3のB−B断面に沿った図。
【図5】同実施例にかかる深井戸用水中ポンプの縦断面
図。
図。
【図6】本考案の従来例にかかるインペラの断面図。
【図7】図6のA−A断面に沿った図。
【図8】図7に示すボス部の拡大図。
31…駆動軸、32…インペラ、36…ボス部、37…
軸穴、38…キ−溝、39…キ−、43…上面中央部、
44…逃げ凹部。
軸穴、38…キ−溝、39…キ−、43…上面中央部、
44…逃げ凹部。
Claims (1)
- 【請求項1】 軸穴を有するボス部を備え、この軸穴に
キー溝を形成し、このキー溝に嵌合されるキーにより上
記軸穴に挿入された駆動軸と係合されるポンプ用樹脂イ
ンペラにおいて、 上記キ−溝のコーナ部に、このキ−溝の上面中央部を残
して逃げ凹部を設け、これら逃げ凹部は所定の半径を有
する曲面を形成し、この曲面の曲率中心を上記キ−溝の
上面と一致またはこの上面より高い位置に設けたことを
特徴とするポンプ用樹脂インペラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5399592U JPH0614494U (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | ポンプ用樹脂インペラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5399592U JPH0614494U (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | ポンプ用樹脂インペラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0614494U true JPH0614494U (ja) | 1994-02-25 |
Family
ID=12958195
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5399592U Pending JPH0614494U (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | ポンプ用樹脂インペラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0614494U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005537420A (ja) * | 2002-08-28 | 2005-12-08 | 株式会社荏原製作所 | 遠心式羽根車及びポンプ装置 |
-
1992
- 1992-07-31 JP JP5399592U patent/JPH0614494U/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005537420A (ja) * | 2002-08-28 | 2005-12-08 | 株式会社荏原製作所 | 遠心式羽根車及びポンプ装置 |
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