JPH06143518A - 積層体フィルムおよびそれを用いた箱形成用包装材 - Google Patents

積層体フィルムおよびそれを用いた箱形成用包装材

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JPH06143518A
JPH06143518A JP31556292A JP31556292A JPH06143518A JP H06143518 A JPH06143518 A JP H06143518A JP 31556292 A JP31556292 A JP 31556292A JP 31556292 A JP31556292 A JP 31556292A JP H06143518 A JPH06143518 A JP H06143518A
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ethylene
film
resin
laminate film
laminate
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JP31556292A
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English (en)
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Yoshinobu Nagaoka
義信 長岡
Yoshinori Hashimoto
美則 橋本
Hisao Takizawa
久夫 滝沢
Masahiro Miyazaki
正博 宮崎
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WADA KAGAKU KOGYO KK
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
WADA KAGAKU KOGYO KK
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明性、耐ブロッキング性、偏肉性に優れ、
窓孔紙との熱接着が可能であり、しかも窓貼り部の透明
性や印刷部分との光沢、接着性等に優れた積層体フィル
ムを用いた包装材の提供。 【構成】 窓孔を有する印刷紙基材と積層体フィルムを
熱融着させる。該積層体フィルムとして、熱可塑性樹脂
からなる基材の片面に、エチレン含有量が70重量%以
上のエチレン系樹脂が積層され、該エチレン系樹脂の表
面が小さな山谷のパターンの規則正しいのエンボス形状
を有し、該エンボスの十点平均粗さ(Rz)が4〜8.5μ
m未満で、かつ該表面粗さの中心線における凸部断面の
面積率(Sr)が55%未満であり、しかも該表面の平滑度
が500秒以内であるものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性、低温ヒートシ
ール性に優れた袋形成用の積層体フィルム、および該積
層体フィルムが窓枠が設けられた印刷パルプ紙に熱圧着
ラミネートされた中身が透視できる窓枠を有する箱形成
用包装材に関する。このものは、菓子、食品や雑貨、及
び医療や電子部品等の高速充填できる袋形成材、および
玩具、カメラ、電卓箱の包装箱形成材として有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、中身が透視でき、印刷が表面に施
された箱形成包装材の製造においては、表面が印刷さ
れ、窓孔を有するパルプ紙等に、ポリウレタン系樹脂や
エチレン−酢酸ビニル共重合体の溶剤型接着剤を塗布
し、乾燥機で溶剤を乾燥後、該接着剤を塗布したパルプ
紙面と透明な合成樹脂フィルムの積層体を熱圧着するド
ライラミネート法が主流である。また、光硬化性接着剤
をパルプ紙の印刷面に塗布したパルプ紙印刷面にドライ
ラミネート法で透明な積層体をラミネートしたプリント
ラミネート品に、紫外線や電子線を照射して光硬化性接
着剤を硬化させる方法も提案されている(特開昭63−
307945号、特開平2−90973号公報)。
【0003】透明性が要求される積層体フィルムとして
は、延伸されたポリプロピレンやポリエチレンテレフタ
レート等の熱可塑性樹脂フィルムの基材にポリウレタン
系樹脂の溶剤型接着剤を塗布後、溶剤を乾燥し、該接着
剤塗布面に透明性のあるエチレン・メタクリル酸共重合
体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリ
ル酸共重合体、サーリン、エチレン・アクリル酸メチル
共重合体等のエチレン系樹脂の無延伸フィルム面を熱圧
着で貼りあわせるドライラミネート法により製造されて
いるものが主流である。
【0004】このドライラミネート法では、溶剤型接着
剤の乾燥時に発生する溶剤臭の飛散に伴う作業環境の悪
化や工場周辺への環境問題、火災の危険性があったり、
該環境対策として溶剤回収装置や紫外線、電子線照射装
置等の設備費用が莫大である等の欠点もある。また、中
身が透視できる印刷紙の箱においては、印刷紙に浸透、
残存した溶剤で印刷色の変色や印刷ボケ、合成樹脂フィ
ルム積層体面との接着ムラが生じるという品質面の問題
も生じている。
【0005】一方、袋形成用のポリプロピレンやポリエ
チレンテレフタレートの二軸延伸フィルムの基材表面
に、エチレン系樹脂接着層を押出融着ラミネートして得
られる袋形成用の透明性が要求される積層体は、使用さ
れる透明性の無延伸フィルムのエチレン含有量が少なく
なるとフィルムの耐ブロッキング性が悪くなるため、シ
リカ粉末、タルク粉末等のアンチブロッキング剤がエチ
レン系樹脂に0.5〜1重量%配合されるが、その場
合、エチレン系樹脂のエチレン含有量に限界があり、エ
チレン含有量が90重量%未満のフィルムの使用は困難
であった。そのため、低温ヒートシール性や高速充填等
が要求される積層体は、エチレン含有量の少ないエチレ
ン系樹脂を基材にラミネートし、該エチレン系樹脂表面
を不規則なエンボス形状(サンドショット法)にした
り、該エチレン系樹脂にアンチブロッキング剤等を添加
して離ロール性や耐ブロッキング性を向上させているこ
とから、透明性のある積層体が得られなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
達成できなかった技術的課題および問題点の改良を満た
すべくなされたものであって、その目的の第1は、押出
しラミネートによって製造される積層体おいて、エチレ
ン系樹脂のエチレン含有量が少なくても積層体の透明性
や耐ブロッキング性、低温ヒートシール性等に優れた積
層体フィルムの提供にある。本発明の目的の第2は、こ
の積層体フィルムを窓孔を有する印刷紙と貼りあわせ加
工しても、溶剤臭が発生しなく、印刷インクの変色やボ
ケ、或は印刷紙と積層体の接着ムラが生じない光沢やツ
ブレの優れた積層体フィルムを用いた箱形成用包装材を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、熱可塑
性樹脂からなる基材の片面に、エチレン含有量が70重
量%以上のエチレン系樹脂が積層された2層以上の積層
体フィルムであって、前記エチレン系樹脂の表面が小さ
な山谷のパターンの規則正しいのエンボス形状を有し、
該エンボスの十点の平均粗さ(Rz)が4〜8.5μm未満
で、かつ該表面粗さの中心線における凸部断面の面積率
(Sr)が55%未満であり、しかも該表面の平滑度が50
0秒以内である積層体フィルムである。本発明の第2
は、窓孔を有する紙基材の表面に、該積層体フィルムの
エチレン系樹脂接着層側が熱融着された箱形成用包装材
である。
【0008】[発明の具体的説明] 1.積層体フィルムの基材 本発明に用いられる基材としては、ポリエチレンテレフ
タレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチ
レンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリスチレン
フィルム等の熱可塑性樹脂の無延伸または延伸フィルム
であるが、透明性、剛性、強度等の面から延伸フィルム
が好ましい。また、基材の肉厚は通常6〜100μmで
ある。
【0009】2.エチレン系樹脂 前記の基材に積層されるエチレン系樹脂とは、エチレン
と、エチレンと共重合可能な単量体、例えば酢酸ビニ
ル、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸メタクリル、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン等との共重合体樹脂であれば特に制限
はなく、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共
重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等が例示
される。また、共重合後加水分解や金属イオンによる架
橋等により変性されたもの、無水マレイン酸等をグラフ
ト重合させたものも利用できる。これら樹脂および共重
合体は単独のみならず、二種以上の混合して用いること
もできる。
【0010】該エチレン系樹脂は、そのエチレン含有量
が70重量%以上であることが必要であり、70重量%
未満の場合は、得られる積層体フィルムの滑り性、耐ブ
ロッキング性が悪くなり、しかも製造時の離ロール性も
悪く積層体にシワが発生し、かつラミネート製造時のネ
ックインも大きくなったり、樹脂の熱劣化も生じやすく
なる。。特に箱形成用の積層体に使用されるエチレン系
樹脂のエチレン含有量は、70〜90重量%が良好であ
る。また、該エチレン系樹脂層には、滑剤、アンチブロ
ッキング剤、安定剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤、そ
の他各種添加剤等を透明性、基材及び印刷紙等との接着
性を極度に変化させない範囲(0.01〜3重量%)の
量で必要に応じて添加できる。
【0011】基材に積層されるエチレン系樹脂フィルム
の厚さは、8μm以上、好ましくは8〜20μmとする
のが好ましい。厚さが8μm未満であるとエンボス形状
の転写が悪くなり、耐ブロッキング性が劣り、しかも積
層体のヒートシール強度も弱くなる傾向がある。また、
エチレン系樹脂の表面は、印刷紙等との熱接着性を付与
したり、積層体のヒートシール性を良好にするため、酸
化処理(コロナ放電、オゾン処理、フレーム処理等)す
るのが好ましく、表面の濡れ張力は36〜55dyne/cm
の範囲に表面処理するのが好ましい。なお、積層体フィ
ルムの製造方法は、ダイ外での押出ラミネート法、共押
出ラミネート法等の押出ラミネート法であるが、本エン
ボス形状がエチレン系樹脂に転写できる方法であれば特
に制限はない。
【0012】3.エンボス模様の形成およびその構造 基材に積層されたエチレン系樹脂フィルムの表面に形成
されるエンボス模様は、例えば規則正しい山谷のあるヘ
リオクラッショ型または型押型の逆エンボスパターンか
らなる金属ロールに溶融したエチレン系共重合体樹脂を
ゴムロール等で圧着し、逆ピラミッド型の形状を転写さ
せて得る方法で形成されるものであり、該エンボスの十
点の平均粗さ(Rz)が4.0〜8.5μmからなり、か
つ該表面粗さの中心線(エンボスの山頂と谷底の高さの
1/2を通る水平面)における凸部断面の面積率(S
r)が55%未満であり、しかも該表面のベック平滑度
(JIS−P8119)が500秒以下、好ましくは8
0〜400秒の構造を有するものである。
【0013】該エチレン系樹脂におけるエンボス形状の
Rz値が4.0μm未満になると、特にエチレン系樹脂の
官能性モノマーが高含量(14〜30重量%)の場合
に、エチレン系樹脂フィルムを基材上に押し出しラミネ
ートする際の積層体のロール離れが悪くなり、この積層
体を紙管に巻き取ると、シワが発生したり、ブロッキン
グが生じ、印刷紙へのプリントラミネート時、残存シワ
や積層体フィルムの切断等による不良品が発生する。ま
た、該エチレン系樹脂のRzが8.5μmを越え、或はS
rが55%以上、かつ平滑度が500秒を越えると、感
熱接着層のエチレン系共重合体フィルムのエンボスの凹
凸形状及び面積が大きくなるため、積層体フィルム製造
時、冷却ロール部に設けたエンボス形状の転写が溶融樹
脂に不完全の状態で転写されたり、冷却ムラが生じ、積
層体フィルムに模様や偏肉が生じ、透明性が悪くなった
り、巻き取り製品に段差(骨と称す)が発生する。
【0014】更に得られた積層体フィルムは、プリント
ラミネート時に表面の凹凸内に空気をかみ込み、空気が
抜けきらないままプリントラミ製品の印刷色部分上に残
存するため、印刷色が美麗に見えなかったり、光沢が悪
くなったり、印刷部分との接着が劣ったものになる。エ
ンボス形状の点、又は線の数は、Rz、Sr、平滑度の
範囲内を満足するものであれば特に限定しないが、1イ
ンチ(2.54cm)当り120〜300本となるエン
ボス模様が良好である。特に好ましい表面形状は、十点
の平均粗さ(Rz)が5〜8μm、凸部の面積率(S
r)が10〜45%、ベック平滑度は80〜400秒で
ある場合に達成される。積層体フィルムの肉厚は14〜
120μmである。
【0015】4. 袋の製造 菓子、電子部品等の高速充填可能な袋の形成は、ピロー
充填方式、二方シール充填方式、三方シール充填方式の
袋形成機を用いて行われる。ヒートシール温度は90〜
160℃である。
【0016】5.箱形成用包装材の製造 本発明の箱形成用包装材は、上記の積層体フィルムのエ
チレン系樹脂接着層側を、窓枠を有する紙基材の表面に
熱融着することにより製造される。積層体フィルムと紙
基材の熱融着は慣用の方法により行うことができる。例
えば、窓孔を有する印刷された紙基材と積層体フィルム
とを、90〜120℃の温度に加熱されたロール間に連
続的に供給して、両者を圧着させることにより、容易に
製造することができる(図1参照)。
【0017】[図面の説明]図1は、熱圧着装置を用い
て、本発明の積層体フィルムを窓孔を設けた印刷紙へ熱
圧着する概略図と、得られた窓貼りプリントラミ品の断
面を示す概略図である。図中、1は積層体フィルム、2
はそれを構成する熱可塑性樹脂からなる基材で、3はエ
チレン含有量が70重量%以上のエチレン系樹脂からな
る熱圧着用接着層であり、4は該熱接着層3に付与され
たヘリオクラッシヨ法で得たエンボス形状の凹部面で、
6は窓孔を有する印刷紙、7は印刷部分、8は窓孔、9
は加熱ロール、10は圧着ゴムロール、11及び12は
ガイドロール、13は窓貼り部分、14は窓貼り紙のプ
リントラミ品である。図2は窓貼りプリントラミ品を箱
形成用に打ち抜いた展開図(左図)、及びそれを組み立
てて箱体としたもの(右図)の概略図を示す。図3は、
積層体フィルムの断面の概略図である。図3において、
5は、該エンボス形状の凸部を示すものである。図4
は、実施例1で得られた積層体フィルムの表面の500
倍電子顕微鏡写真である。図5は、図4のエンボス形状
の表面を3次元化表面粗さ計で測定した、粗さ計のチャ
ートである。図6は、比較例5で得られた積層体フィル
ム表面の500倍電子顕微鏡写真であり、図7は比較例
5で得られた積層体フィルムの表面の表面粗さを示す、
粗さ計のチャートである。図8は、実施例7で得られた
積層体フィルム表面の500倍電子顕微鏡写真であり、
図中15はマイクロメッキ腐食ロールで形成された谷部
の微細なエンボス模様を示す。図9は、実施例7で得ら
れた積層体フィルムの表面の表面粗さを示す、粗さ計の
チャートである。
【0018】
【実施例】以下に実施例および比較例を示して本発明を
より具体的に説明する。 実施例1〜3および比較例1〜2 MFRが15g/10分、酢酸ビニル(VA)の含有量
が19重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂〔三
菱油化社製“三菱EVA V401S”(商品名)融点
99℃〕を口径90φmmの押出機に装着したTダイか
ら、樹脂温度240℃、幅1300mm、肉厚15μmで
フィルム状に溶融押し出した。次いで、押出ラミネート
ルの基材繰り出し部より厚さ12μmのポリエチレンテ
レフタレート二軸延伸フィルム〔ダイヤホイル社製Sタ
イプ(商品名)〕を繰り出し、この片面にイソシアネー
ト系アンカーコート剤〔日ソー社製、チタンボード(商
品名)T−120〕を5g/m3の量塗布し、乾燥後、
該塗布面と前記溶融フィルムのオゾン処理面を接着面と
して圧着ロールに導き、1インチ当たり、250本の線
数からなる規則正しいエンボス形状の冷却ロール(表面
凹部の深さが10μm、14μm、17μm、26μm
および30μmで凹部の面積比率が34%、42%、5
1%、55%および59%に変更したエンボスロール)
と圧縮ゴムロールで圧着ラミネートし、ポリエチレンテ
レフタレートフィルムに5種類のエンボス形状が製出さ
れたエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂との積層体を得
た。得られた前記5種類の積層体フィルムの表面粗さベ
ック平滑度、およびブロッキング性、偏肉性等を測定
し、結果を表1に示す。次に、各積層体フィルムとオフ
セット印刷した窓孔を有したアート紙とをロール温度が
110℃、線圧が22.2kg、速度が20m/分の圧着
機で熱圧着し、窓貼りプリントラミネート品の加工性、
窓部の透明性、印刷紙との光沢性、接着性等を評価した
結果を表1に示す。
【0019】実施例4〜6,及び比較例3 基材及びエチレン系樹脂の種類、および該樹脂の表面特
性を表1に示したように変更した他は、実施例1と同様
にして積層体と窓貼りプリントラミ品を得、その評価結
果を表1に示す。尚、使用した詳細材料を下記に示す。 OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム(15μ) 二村化学工業社製 FOR EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂 三菱油化社製 三菱ポリエチEVA(X700) EMA:エチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂 三菱油化社製 ユカロンEMA XG500S
【0020】比較例4〜5 エンボスの深さが±2.5〜5μmのサンドシヨット法
にて加工した冷却ロールを用いた他は、実施例1と同様
にして積層体と窓貼りプリントラミ品を得た。その評価
結果を表1に示す。
【0021】比較例6 坪量が80g/m2の窓孔を設けた印刷アート紙にポリ
イソシアネート、ポリエーテルポリオール系アンカーコ
ート剤をドライラミネーター機で10g/m2の量塗布
し、乾燥後、ポリエチレンテレフタレートフィルム(1
2μm)と圧着し、窓貼りプリントラミ品を得た他は、
実施例1と同様評価を行い、その結果を表1に示す。
【0022】実施例7 ヘリオクラッショ型の冷却ロールに、マイクロメッキ加
工からなる微細なエンボス形状を施した冷却ロールを使
用した外は、実施例1と同様にして積層体フィルムを
得、その評価結果を表1に示す。
【0023】実施例8〜11 表面凹部の深さが10μm、凹部の面積比率が14%の
エンボス冷却ロールを用い、下記の接着層用樹脂の厚み
を25μmにした他は、実施例1と同様にして積層体フ
ィルムを得た。次にこの積層体フィルムのヒートシール
強度を測定し表2に示す。また、得られた積層体フィル
ムを用い、幅14cm、長さ21.5cmの袋を作り、
その袋の透視性を測定し、その結果を表2に示す。 (接着層用樹脂) エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA): 実施例8:MFR=8g/10分、酢ビ含量=10重量
%(三菱ポリエチEVA V302M) 実施例9:MFR=15g/10分、酢ビ含量=19重
量%(三菱ポリエチEVA V401S) 実施例10:MFR=15g/10分、酢ビ含量=28重
量%(三菱ポリエチEVA V601S) エチレン・メチルアクリレート共重合体(EMA): 実施例11:MFR=15g/10分、メチルアクリレー
ト含量=20重量%(三菱油化ユカロンEMA XG500S)
【0024】比較例7〜8 MFRが8g/10分、酢酸ビニル含量が7重量%のエ
チレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(三菱ポリエチEVA X3
54:融点=103℃)と、エンボス形状の凹部の深さが
5μm、あるいは10μmのサンドショット法にて加工
した冷却ロールを用いた他は、実施例8と同様にして積
層体フィルム及び袋を得、その評価結果を表2に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】上記の実施例及び比較例で得られた積層体
フィルム、窓貼りプリントラミ品および袋の評価は、下
記方法で行った。 1.エチレン系樹脂表面の表面特性 (1)表面粗さ:積層体フィルムのエンボス形状が付与
されたエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂面を3次元化
表面粗さ計〔小坂研究所製サーフコーダー ET−30
HK(商品名)〕にて、表面凸部の平均粗さ(Rz)と
中心線における表面凸部断面の面積率(Sr)を測定し
た。 Rz =1mmのエンボス長さ測定内における凸部の最高か
ら5番目までの山頂の標高抜取り部分の和を、該エンボ
ス内凹部の最深から5番目までの谷底の標高抜取り部分
の和で割った値(JIS B−0601)。 Sr =0.1mm2のエンボス加工面積内の中心面におい
て、凹凸の山と谷の面積が等しくなる中心線で凸部を切
断したときの各山部切断面積の和がしめる値。 (2)ベックの平滑度 JIS−P8119に準拠。
【0028】2.積層体の特性 (1)透明性 JIS−K7105に準拠し、東洋精機製作所製直読ヘ
イズメーターでHAZEを測定し、下記範囲で◎〜×と
判断した。 HAZE値 評価 0〜25%未満 ◎ 25〜50%未満 ○ 50〜75%未満 △ 75%以上 ×
【0029】(2)耐ブロッキング性 幅21cm×長さ29cmの積層体フィルムのポリエチレン
テレフタレートフィルム面(2)とエンボス形状が付与
されたエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(3)を重ね
合わせ、温度が60℃のオーブン中で幅15cm×長さ2
0cmにわたって0.05kg/cm2の荷重を負荷して24時
間放置した後、重ね合わせた積層体フィルムの剪断剥離
面積が10cm2(幅2cm×長さ5cm)になるようにカッ
トし、引張試験機で剥離に要する荷重を測定した。この
値が小さい程耐ブロッキング性は優れており、値が大き
い程悪い方向を示し、下記の範囲で×〜◎と判断した。 剥離荷重(kg/10cm3) 評価 2kg以上(積層体フィルムが切断) × 1.5〜2kg未満(積層体フィルムが伸びきる) △ 1.0〜1.5kg未満(積層体フィルムの伸びが復元) ○ 1.0kg未満 ◎
【0030】(3)偏肉性 積層体フィルムを2000m製造し、ロール状に巻き上
げた時の外観および偏肉状態を測定し、下記の範囲で◎
〜×と判断した。 外観と偏肉状態 評価 巻き外観が良好で偏肉幅が±0.5μm以内 ◎ 巻き外観が良好で偏肉幅が±1.0μm以内 ○ 巻きロールにシワがあり偏肉幅が±1.5μm以内 △ 巻きロール段差(骨)が発生し偏肉幅が±2.0μm以内 ×
【0031】3.窓貼りプリントラミネート品の特性 (1)透視性 熱圧着プリントラミネート機で得られた窓貼りプリント
ラミネート製品の窓部積層体フィルム面のHAZEをJ
IS−K7105に準拠し、(株)東洋精機製作所製の
直読ヘイズメーター(商品名)で測定した値と、目視に
よる窓部の外観観察を下記範囲で○〜×と判断した。 HAZE値 窓部観察 評価 0〜5%未満 透視性が良好 ○ 5〜10%未満 縁が完全に圧着されず白っぽさが残存 △ 10%以上 窓部全体が白っぽくなり透視性が不良 ×
【0032】(2)光沢性およびツブレ性 熱ラミ機で得られた窓貼り製品の印刷部分の光沢性を、
スガ試験機社製のUGV−5DP(商品名)で測定した
値を示し、また、ツブレ性(印刷面とエチレン系樹脂と
の密着性)を目視で観察し、下記の評価基準で評価し
た。 外観のツブレ状態 評価 残存空気が全く無く、印刷色が鮮明 ○ 印刷色上に空気及び接着剤がスジ状や斑点として残存 △ 印刷色上に空気が帯状に残存し、印刷色が不鮮明 ×
【0033】(3)接着性 光沢性を評価した窓貼り製品を、幅25mm、長さ100
mmの試験片に切断し、長さ方向50mmを手で剥離した
後、島津製作所製引張試験機で180度方向に300mm
/分の引張速度で剥離した値を下記の範囲で判断した。 引張強度(g/25mm) 評価 150以上 ◎ 100〜150未満 ○ 50〜100未満 △ 50未満 ×
【0034】5.ヒートシール強度 得られた各積層体フィルムのエチレン系樹脂面を重ね合
わせ、温度が90℃と120℃において圧力が2kg/c
m2、圧着時間が1秒の条件に設定した幅5mmのヒート
シール機でヒートシールし、ヒートシール強度を測定し
た。
【0035】6.袋の透視性 得られた積層体フィルムのラミネート層同志を富士イン
パルスシーラーで幅14cm、長さ21.5cmの袋を
作り、その袋の中に電卓(キャノン社製LS31II)と腕時
計(CASIO COMPUTER社製DB-310)を入れ、該電卓と腕時
計の文字と数値を目視で観察し、下記基準で判定した。 文字や数値がはっきりと見える・・・・・・・○ 文字や数値が霞んでわかりにくい・・・・・・△ 文字や数値が判断できない・・・・・・・・・×
【0036】
【発明の効果】
1) 本発明の積層体フィルムは、その最内層表面に規則
正しい特定なエスボン形状を規定することで、積層体フ
ィルムの透明性、耐ブロッキング性、低温ヒートシール
性、加工性等に優れ、従来のエチレン含有量が10重量
%未満と少ないエチレン系樹脂接着層を備える積層体フ
ィルム製造から生じた不透明さが解消できることから、
透明性のある低温ヒートシール性に優れ、高速充填可能
な袋製造が可能である。 2) また、該積層体フィルムの最内層は、熱接着が可能
なエチレン系樹脂からなり、従来の溶剤型接着剤を使用
しないことから、作業環境が良好でしかも溶剤乾燥装
置、回収装置、紫外線や電子線等を必要としなく、更に
印刷インクの変色やボケ、或は接着ムラを生じさせるこ
ともなく従来品より印刷部分の光沢や接着等の優れたも
のが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱圧着装置を用いて、積層体フィルムを窓孔を
設けた印刷紙へ熱圧着する概略図と、得られた窓貼りプ
リントラミ品の断面をしめす概略図である。
【図2】本発明の窓貼りプリントラミ品を箱形成用に打
ち抜いた展開図、及びそれを組み立てて箱体としたもの
の概略図である。
【図3】本発明に用いられる積層体フィルムの断面の概
略図である。
【図4】実施例1で得られた積層体フィルムの表面の5
00倍電子顕微鏡写真である。
【図5】実施例1で得られた積層体フィルムのエンボス
形状の表面を3次元化表面粗さ計で測定した、粗さ計の
チャートである。
【図6】比較例5で得られた積層体フィルムの500倍
電子顕微鏡写真である。
【図7】比較例5で得られた積層体フィルムの表面の表
面粗さを示す、粗さ計のチャートである。
【図8】実施例7で得られた積層体フィルムの500倍
電子顕微鏡写真である。
【図9】実施例7で得られた積層体フィルムの表面の表
面粗さを示す、粗さ計のチャートである。
【符号の説明】
1 積層体フィルム 2 基材 3 エチレン系樹脂 4 エンボス形状の凹部 5 エンボス形状の凸部 6 窓孔を有する印刷紙 7 印刷部分 8 窓孔 9 加熱ロール 10 圧着ゴムロール 11 ガイドロール 12 ガイドロール 13 窓貼り部分 14 窓貼り紙のプリントラミ品 15 微細なエンボス模様
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝沢 久夫 千葉県香取郡栗源町岩部179の93 和田化 学工業株式会社成田工場内 (72)発明者 宮崎 正博 千葉県香取郡栗源町岩部179の93 和田化 学工業株式会社成田工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなる基材の片面に、エ
    チレン含有量が70重量%以上のエチレン系樹脂が積層
    された2層以上の積層体フィルムであって、前記エチレ
    ン系樹脂の表面が小さな山谷のパターンの規則正しいの
    エンボス形状を有し、該エンボスの十点の平均粗さ(Rz)
    が4〜8.5μm未満で、かつ該表面粗さの中心線にお
    ける凸部断面の面積率(Sr)が55%未満であり、しかも
    該表面の平滑度が500秒以内である積層体フィルム。
  2. 【請求項2】 窓孔を有する紙基材の表面に、請求項1
    記載の積層体フィルムのエチレン系樹脂接着層側が熱融
    着されてなる、箱形成用包装材。
JP31556292A 1992-11-02 1992-11-02 積層体フィルムおよびそれを用いた箱形成用包装材 Pending JPH06143518A (ja)

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