JPH06143512A - 複合管状物およびその製造法 - Google Patents

複合管状物およびその製造法

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JPH06143512A JP29443492A JP29443492A JPH06143512A JP H06143512 A JPH06143512 A JP H06143512A JP 29443492 A JP29443492 A JP 29443492A JP 29443492 A JP29443492 A JP 29443492A JP H06143512 A JPH06143512 A JP H06143512A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリイミド樹脂製管状内層とフッ素樹脂製管
状外層から成る複合管状物であり、複写機、ファクシミ
リ、プリンタのような画像形成装置の定着用ベルトに使
用する際のリブ付け加工時の接着力を大きくして耐久製
性を向上させる。 【構成】 ポリイミド樹脂製管状物の片端または両端外
周面上にクリアランスを有するように遮蔽材を配置し、
次いで、該管状物にフッ素樹脂含有液をスプレー塗布し
て加熱し、ポリイミド樹脂製管状物の片端部または両端
部以外の外周面にフッ素樹脂製管状外層を形成すると共
に該片端部または両端部をフッ素樹脂製管状外層の非形
成部とし、この非形成部へのリブ付け加工時の接着力を
大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複写機、ファクシミリ、
プリンタような画像形成装置の定着用ベルト等に使用で
きる複合管状物およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】画像形成装置における転写紙への画像の
定着方式として熱ロール定着法が知られている。この熱
ロール定着法は、例えば、図3に示すように、駆動ロー
ル6とロール7の間に定着用ベルト8を掛け渡してこれ
を駆動すると共に、上記両ロール6、7間に配置された
定着ヒータ9により定着用ベルト8を局所的に加熱し
て、定着用ベルト8と加圧ロール10の間に送り込まれ
た転写紙11上にトナー12を定着するものである。
【0003】かような定着用ベルトとしてはポリイミド
樹脂製管状内層とその外周面に設けられたフッ素樹脂製
管状外層とから成る複合管状物を使用できる。そして、
この複合管状物の製造法としては、例えば、本出願人が
特開平3−130149号公報において提案した方法が
知られている。
【0004】この方法は、シリンダー内にポリアミド酸
(ポリイミド樹脂の前駆体)溶液を供給し、次いで、シ
リンダー内を弾丸状体ないし球状体を走行させることに
よりシリンダー内周面にポリアミド酸溶液を塗布し、そ
の後加熱して溶媒を除去すると共にポリアミド酸をイミ
ド転化させてポリイミド樹脂製管状物を形成させ、これ
をシリンダー内から取り出し、この該管状物外周面にフ
ッ素樹脂含有液を塗布し、次いで加熱することによりポ
リイミド樹脂製管状物の外周面上にフッ素樹脂製管状外
層を形成するものである。
【0005】ところで、このような複合管状物から成る
定着用ベルトには蛇行防止のためリブ付け加工を施すこ
とがある。このリブ付け加工は、例えば、複合管状物の
片端または両端の外周面上にポリウレタン等から成る環
状体を接着する方法で行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記複合管状
物においては、ポリイミド樹脂製管状内層の外周面全面
にフッ素樹脂製管状外層が形成されているので、この片
端または両端にリブ付け加工を施してもその接着強度を
大きくできず耐久性が不足するという問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は従来技術の有す
る上記問題を解決するための複合管状物に係り、ポリイ
ミド樹脂製管状内層とその外周面に設けられたフッ素樹
脂製管状外層から成る複合管状物であって、前記フッ素
樹脂製管状外層がポリイミド樹脂製管状内層の片端部ま
たは両端部以外の外周面に設けられて成ることを特徴と
するものである。
【0008】図1は本発明に係る複合管状物の実例を示
し、ポリイミド樹脂製管状内層1の片端部以外の外周面
にフッ素樹脂製管状外層2が設けられている。本発明に
おいては、ポリイミド樹脂製管状内層の両端部以外の外
周面にフッ素樹脂製管状外層を形成してもよい。なお、
ポリイミド樹脂製管状内層1、フッ素樹脂製管状外層の
厚さは適宜設定できるが、通常、前者が約10〜150
μm、後者が約1〜20μmである。
【0009】かような複合管状物は、ポリイミド樹脂製
管状物の片端外周面上または両端外周面上に遮蔽材を配
置し、次に遮蔽材を回転させながら該ポリイミド樹脂製
管状物外周面にフッ素樹脂含有液をスプレー塗布し、そ
の後加熱することにより、ポリイミド樹脂製管状物の片
端部または両端部以外の外周面にフッ素樹脂製管状外層
を形成することを特徴とする方法により得ることができ
る。
【0010】このような本発明に係る方法に用いるポリ
イミド樹脂製管状物はポリイミド樹脂から成るものであ
れば何ら限定されることなく使用できるが、シームレス
タイプのものが好ましいものである。
【0011】このシームレスタイプのポリイミド樹脂製
管状物は、例えば、特開平3−130149号公報に記
載されているように、ガラス、金属等の耐熱性材料から
成るシリンダー内にポリアミド酸(ポリイミド樹脂の前
駆体)溶液を供給し、次いで、シリンダー内を弾丸状体
ないし球状体を走行させることによりシリンダー内周面
にポリアミド酸溶液を塗布し、その後加熱して溶媒を除
去すると共にポリアミド酸をイミド転化させてポリイミ
ド樹脂製管状物を形成させ、これをシリンダー内から取
り出す方法により得ることができる。ここで用いるポリ
アミド酸の合成、ポリアミド酸溶液のシリンダー内周面
への塗布、塗布されたポリアミド酸溶液の加熱によるイ
ミド転化、シリンダー内周面に形成されたポリイミド樹
脂製管状物のシリンダー内周面からの除去等についても
該公報に詳細に記載されているので、これらの記載に基
づいてポリイミド樹脂製管状物を得ることができる。
【0012】本発明の方法においては、上記のようにし
て得られるポリイミド樹脂製管状物の外周面にフッ素樹
脂含有液がスプレー塗布される。この塗布作業は、ポリ
イミド樹脂製管状物の片端外周面上または両端外周面上
に、該管状物外周面との間にクリアランスを有するよう
にして遮蔽材を配置し、該遮蔽材を回転させながら行
う。遮蔽材はそれで覆ったポリイミド樹脂製管状物の片
端外周面または両端外周面へのフッ素樹脂含有液の到達
をなくし、該個所以外にフッ素樹脂含有液を塗布するた
めに配置するものである。このようにして塗布作業を行
うことにより、ポリイミド樹脂製管状物の片端部または
両端部以外の外周面にフッ素樹脂製管状外層を形成でき
るのである。
【0013】遮蔽材の配置によるポリイミド樹脂製管状
物の片端外周面または両端外周面へのフッ素樹脂含有液
の到達阻止効果は、該外周面におけるフッ素樹脂含有液
塗布前後の純水接触角を測定することによって知ること
ができる。遮蔽材を配置してフッ素樹脂含有液の塗布を
行えば、塗布後におけるポリイミド樹脂製管状物の片端
外周面または両端外周面の純水接触角は塗布前の値に比
べ著しく大きくなることはなく、通常、約100度以下
に抑制できる。
【0014】上記フッ素樹脂含有液としてはポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレ
ン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テ
トラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロ
エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオ
ロエチレン(PCTFE)等の所望のフッ素樹脂の溶液
または分散液(ディスパージョン)を使用できる。この
フッ素樹脂含有液におけるフッ素樹脂濃度や粘度は特に
限定されないが、塗布作業性の点から濃度を約5〜80
重量%、粘度を約0.1〜100ポイズとするのが好ま
しいことが判明している。
【0015】また、複写機等の定着用ベルトとしては導
電性を有することが好ましいので、フッ素樹脂含有液と
して導電性物質を溶解または分散させたものを用いるこ
とができる。かような導電性物質としては、カーボン、
グラファイト、金属粉末等の導電性粉末、導電性を有す
る有機化合物あるいは無機化合物等が挙げられる。これ
ら導電性物質を用いる場合、その使用量は種々の要因に
よって決定するが、通常はフッ素樹脂100重量部に対
し、約50重量部以下である。導電性物質の使用量が多
過ぎる場合には、ポリイミド樹脂製管状物の外周面に形
成されるフッ素樹脂製管状外層の強度低下を招くことが
ある。
【0016】図2はポリイミド樹脂製管状物外周面への
フッ素樹脂含有液の塗布作業の実例を示し、ポリイミド
樹脂製管状物3の片端外周面上には該管状物3の外径よ
りもやや大きな内径を有する円筒状の遮蔽材4(この材
質は金属等のようにフッ素樹脂含有液に侵されず且つ該
液を浸透させないものであれば、特に限定されない)が
同心円状に配置されている。なお、ポリイミド樹脂製管
状物3と遮蔽材4との間のクリアランスは、管状物3の
片端部外周面へのフッ素樹脂含有液の到達防止のため
に、10mm以下とするのが好ましい。このクリアラン
スが大き過ぎるときは遮蔽材外周面に付着したフッ素樹
脂含有液が遮蔽材内周面に回り込んでポリイミド樹脂製
管状物に付着し易くなる。このようにポリイミド樹脂製
管状物の外周面上に遮蔽材4を配置した後、該遮蔽材4
を回転させながら、スプレー装置5からフッ素樹脂含有
液をスプレー塗布する。
【0017】このときスプレー装置は複数用意してもよ
い。また、スプレー装置をポリイミド樹脂製管状物の長
さ方向に沿って走行させるか、該管状物上を螺旋弧を描
くように走行させながら塗布作業を行ってもよい。かよ
うに遮蔽材4を配置し、これを回転させながらフッ素樹
脂含有液の塗布を行うと、遮蔽材4の外周面にもフッ素
樹脂含有液が付着するが、この付着液は遠心力により遮
蔽材の外周面から速やかに分離されるので、ポリイミド
樹脂製管状物の片端外周面への到達が防止できる。遮蔽
材の回転速度はフッ素樹脂含有液の粘度、ポリイミド樹
脂製管状物の径等種々の要因に応じて設定するが、通
常、約100〜10000rpmである。
【0018】なお、スプレー装置が固定タイプで移動し
ないような場合には、均一塗布のために遮蔽材を回転さ
せると共にポリイミド樹脂製管状物も回転させるのが好
ましい。また、ポリイミド樹脂製管状物を回転させると
共にその長さ方向に移動させながら塗布するようにして
もよい。そして、該管状物を回転させる場合には、作業
性を考慮して、遮蔽材と同方向に同期回転させるのがよ
いが、回転方向や回転数を遮蔽材のそれと異なるように
設定することもできる。このポリイミド樹脂製管状物の
回転は、スプレー装置が移動タイプの場合にも採用でき
る。
【0019】このようにしてポリイミド樹脂製管状物の
外周面にフッ素樹脂含有液を塗布した後、加熱を行え
ば、溶媒が除去されてフッ素樹脂管状外層が形成され、
図1に示されるようなポリイミド樹脂製管状物の片端部
以外の外周面にフッ素樹脂製管状外層を有する構造の複
合管状物が得られる。フッ素樹脂製管状外層は焼成され
ているほう強度が大きいので、この加熱はフッ素樹脂の
融点以上の温度で行うのが好ましい。なお、フッ素樹脂
含有液の塗布に際し、ポリイミド樹脂製管状物の両端外
周面上に遮蔽材を配置すれば、ポリイミド樹脂製管状物
の両端部以外の外周面にフッ素樹脂製管状外層を有する
複合管状物を得ることができる。
【0020】かような本発明の方法によって得られる複
合管状物を複写機の定着用ベルトとするには、外周面の
両端または片端(即ち、フッ素樹脂製管状外層の非形成
部)にポリウレタン等から成る環状体を接着するという
リブ付け加工をして用いる。この接着に際しては、所望
により粗面化処理、コロナ放電処理、アルカリ金属処
理、ブラズマ処理、紫外線照射処理等の接着処理を施す
ことができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0022】実施例1 3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物とP−フェニレンジアミンの等モルをフラスコ中で
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解し(これ
ら両モノマーの合計重量の溶液中における濃度は20重
量%)、窒素ガス雰囲気下において温度を20℃に保ち
5時間攪拌しながら反応させてポリアミド酸溶液を得
る。このポリアミド酸溶液の回転粘度(温度20℃、B
型粘度計で測定)は34000ポイズ、対数粘度[η]
は2.8であった(毛細管粘度計により測定)。次に、
このポリアミド酸溶液を60℃の温度に加熱してエージ
ングを行い、回転粘度2420ポイズ、対数粘度[η]
2.4に調整する。
【0023】一方、これとは別にPFA粉末濃度35重
量%の水性ディスパージョン(デュポン社製、商品名5
00CL)とカーボン濃度16.5重量%の水性ディス
パージョン(ライオン社製、商品名W−311N)を同
重量で混合することにより導電性フッ素樹脂ディスパー
ジョンを得る。。
【0024】そして、内径50mm、肉厚5mm、長さ
500mmの円筒状鉄製シリンダーの片端開口部に前記
の粘度調整したポリアミド酸溶液を供給し、次いで、シ
リンダーを垂直に保持し、シリンダー内を外径49.6
mmの弾丸状体を自重により下降走行させることによ
り、シリンダー内周面にポリアミド酸を塗布する。な
お、鉄製シリンダーの内周面には硬質クロムメッキを施
し、その表面粗さ(Rz)を1μm以下に調整して用い
た。
【0025】塗布後、シリンダーを100℃で30分間
加熱し、次に30分間かけて350℃まで昇温させ、こ
の温度で更に30分間加熱することにより、NMPおよ
び閉環水を除去すると共にイミド転化を行いポリイミド
樹脂製管状物を形成する。次いで、シリンダー片端部に
予め設けておいた小貫通孔から空気を圧送し、シリンダ
ー内周面からボリイミド樹脂製管状物を剥離して取り出
す。この管状物は長さ約500mm、外径50mm、肉
厚20μmであり、外周面の純水接触角は80度であっ
た。
【0026】このポリイミド樹脂製管状物の外周面全面
にプライマー(デュポン社製、商品名K−001−0
2)を塗布し、150℃で10分間加熱してプライマー
層を形成する。プライマー層の形成により、該管状物外
周面の純水接触角は76度となった。
【0027】次に、図2に示すように該管状物の片端外
周面上に内径52mm、肉厚2mm、長さ40mm(図
2中におけるC)のステンレス製の円筒状遮蔽材を同心
円状に配置し(管状物と遮蔽材との間のクリアランスは
1mm)、ポリイミド管状物および遮蔽材を同方向に1
000rpmで回転させながら、スプレー装置から上記
導電性フッ素樹脂ディスパージョンをスプレー塗布し、
風乾10分間、100℃で10分間、400℃で10分
間の順序で乾燥加熱した。これにより図1に示すのと同
構造の複合管状物を得た。
【0028】得られた複合管状物におけるフッ素樹脂製
管状外層の厚さは8μm、フッ素樹脂層非形成部の長さ
(図1中のA)は約40mmであった。また、該フッ素
樹脂層非形成部の純水接触角は76度であり、フッ素樹
脂ディスパージョン塗布作業前と変わらず、遮蔽材の配
置によりポリイミド樹脂製管状物片端外周面へのフッ素
樹脂ディスパージョンの到達が確実に防止されたことが
確認された。
【0029】この複合管状物のフッ素樹脂層非形成部に
対し、出力45kw、電極間距離1mmの条件でコロナ
放電処理を行った後、厚さ2mm、幅5mmのポリウレ
タン製環状体を接着剤(セメダイン社製、商品名EP−
001)により接着させることによりリブ付け加工を施
し、定着用ベルトを得た。
【0030】そして、このベルトを市販の複写機の定着
用ベルトとして組み込んでコピーしたところ、オフセッ
ト性は良好で、得られた画像は良質であった。また、連
続通紙試験を行ったところ、10万枚までベルトの蛇行
やリブの剥離等の不都合は生じなかった。
【0031】実施例2 内径68mm、肉厚2mm、長さ40mmのステンレス
製の円筒状遮蔽材を配置する(ポリイミド樹脂製管状物
と遮蔽材との間のクリアランスは9mm)こと以外は実
施例1と同様に作業して、図1に示すのと同構造の複合
管状物を得た。この複合管状物におけるフッ素樹脂層非
形成部の純水接触角は88度であり、フッ素樹脂ディス
パージョン塗布作業前よりもやや低下していたが、遮蔽
材の配置によりポリイミド樹脂製管状物片端外周面への
フッ素樹脂ディスパージョンの到達は未だ充分に防止さ
れていることが確認された。
【0032】この複合管状物に対し、実施例1と同様に
コロナ放電処理およびリブ付け加工を行って定着用ベル
トを得た。そして、このベルトを市販の複写機の定着用
ベルトとして組み込んでコピーしたところ、オフセット
性は良好で、得られた画像は良質であった。また、連続
通紙試験を行ったところ、10万枚までベルトの蛇行や
リブの剥離等の不都合は生じなかった。
【0033】比較例1 遮蔽材を使用しないこと以外は実施例1と同様に作業
し、ポリイミド樹脂製管状物の外周面前面にプライマー
層および導電性フッ素樹脂層の形成された複合管状物を
得た。この複合管状物外周面の純水接触角は118度で
あった。
【0034】この複合管状物に対し、実施例1と同様に
コロナ放電処理およびリブ付け加工を行って定着用ベル
トを得た。そして、このベルトを市販の複写機の定着用
ベルトとして組み込んでコピーしたところ、オフセット
性は良好で、得られた画像は良質であった。しかし、連
続通紙試験では1000枚でリブの剥離が生じて走行不
能となった。
【0035】比較例2 遮蔽材を回転させないこと以外は実施例2と同様にして
導電性フッ素樹脂ディスパージョンの塗布作業を行った
ところ、遮蔽材にて覆ったポリイミド樹脂製管状物の片
端外周面の純水接触角は105度となり、該個所にも導
電性フッ素樹脂ディスパージョンが塗布されてしまっ
た。
【0036】この複合管状物に対し、実施例2と同様に
コロナ放電処理およびリブ付け加工を行って定着用ベル
トを得た。このベルトを市販の複写機の定着用ベルトと
して組み込んでコピーしたところ、オフセット性が悪
く、画像不良を生じた。そして、連続通紙試験では10
00枚でリブの剥離が生じて走行不能となった。
【0037】
【発明の効果】本発明は上記のように構成され、ポリイ
ミド樹脂製管状内層の片端部または両端部以外の外周面
にのみフッ素樹脂製管状外層を形成したので、片端部ま
たは両端部にリブを強力に接着でき、耐久性の優れた定
着用ベルト等として使用でき、また、本発明の方法によ
れば複合管状物を容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合管状物の実例を示す断面図で
ある。
【図2】本発明に係る複合管状物の製造法におけるスプ
レー塗布工程の実例を示す説明図である。
【図3】定着ベルトを用いる熱ロール定着法の実例を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 ポリイミド樹脂製管状内層 2 フッ素樹脂製管状外層 4 遮蔽材 5 スプレー塗布装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 時男 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 中村 正雄 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミド樹脂製管状内層とその外周面
    に設けられたフッ素樹脂製管状外層から成る複合管状物
    であって、前記フッ素樹脂製管状外層がポリイミド樹脂
    製管状内層の片端部または両端部以外の外周面に設けら
    れて成る複合管状物。
  2. 【請求項2】 ポリイミド樹脂製管状物の片端外周面上
    または両端外周面上に遮蔽材を配置し、次に遮蔽材を回
    転させながら該ポリイミド樹脂製管状物外周面にフッ素
    樹脂含有液をスプレー塗布し、その後加熱することによ
    り、ポリイミド樹脂製管状物の片端部または両端部以外
    の外周面にフッ素樹脂製管状外層を形成することを特徴
    とする複合管状物の製造法。
  3. 【請求項3】 遮蔽材を回転させると共にポリイミド樹
    脂製管状物を回転させる請求項2記載の複合管状物の製
    造法。
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