JPH06143476A - 低変形アラミドボード - Google Patents

低変形アラミドボード

Info

Publication number
JPH06143476A
JPH06143476A JP29716592A JP29716592A JPH06143476A JP H06143476 A JPH06143476 A JP H06143476A JP 29716592 A JP29716592 A JP 29716592A JP 29716592 A JP29716592 A JP 29716592A JP H06143476 A JPH06143476 A JP H06143476A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aramid
sheet
board
fiber
fibrids
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP29716592A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2994156B2 (ja
Inventor
Takanori Shinoki
孝典 篠木
Shiro Yamamoto
至郎 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP4297165A priority Critical patent/JP2994156B2/ja
Publication of JPH06143476A publication Critical patent/JPH06143476A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2994156B2 publication Critical patent/JP2994156B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paper (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸湿による寸法変化が小さく、熱伝導性のよ
い電気絶縁性の耐熱アラミドボードを提供する。 【構成】 m―アラミドフィブリッドとm―アラミド繊
維とから実質的になるシート(A)とm―アラミドフィ
ブリッドとp―アラミド繊維、ガラス繊維又は粒状雲母
から実質的になるシート(B)とを、各シートの水分率
を45%未満の状態に調整し、かつ、それぞれシート
(B)の各層間にシート(A)が少くとも1層介在する
如く積層して、加熱加圧して一体化してなるアラミドボ
ード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はm―アラミドフィブリッ
ドを含むシートを積層し、加熱加圧して一体化したアラ
ミドボード、特に吸湿時の寸法安定性に優れかつ良好な
電気絶縁性を有するアラミドボード、に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器の高容量化、小型化が求
められるようになり、特に変圧器、電動機、変換器等の
密閉系発熱機器の高温化が不可避になってきた。そのた
め、従来のセルロース系絶縁ボードに代り、耐熱性に優
れたアラミドボードが広く用いられ、なかんずく原料的
に入手し易いポリ(m―フェニレンイソフタルアミド)
で代表されるm―アラミドのボードが最も多量に利用さ
れるようになってきた。
【0003】例えば、m―アラミド等の芳香族重合体か
らなるパルプ状粒子と該重合体からなる短繊維及び/又
は無機質の短繊維とを混合抄紙した湿紙を任意の枚数積
層し加熱加圧する油浸絶縁用ボードの製造方法(特公昭
57―46163号公報参照)、あるいは、芳香族ポリ
アミドフィブリッド(例えばm―アラミドフィブリッ
ド)及び高温抵抗性フロックからなる高密度プレスボー
ド(特開昭60―209100号公報参照)、もしく
は、アラミド繊維を用いて表面が比較的平滑な低密度ボ
ードを製造し、自動車客室とエンジン隔室を分離する防
火壁に利用しようという提案(特開平4―257400
号公報参照)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近の
経済発展の結果、電気消費量の増大ひいては変圧器等の
大容量化が進み、使用される絶縁ボードの大型化も指摘
されている。その場合、従来公知のm―アラミドボード
は、絶乾状態でプレス成形された後、室温放置される
と、平衡水分を吸って自己伸長するのが普通であり、大
型ボードの場合変形量が10mmを越えることも少くな
い。
【0005】あるいは鉄道車輌トランス用の絶縁ボード
のように、立体成形された部品は、その後の吸湿により
長さ変化のほか、形状変化も惹起する。そのため、プレ
ス品を使用直前に再度乾燥しなければ所定の変圧器ケー
ス収納できなくなったり、所望の乾燥器が組立て工場に
ない場合、プレス品を絶乾状態で保管し、かつ輸送を行
わなければならない等、工程上の困難が多い。
【0006】その解決策に関連して、ポリ(m―フェニ
レンイソフタルアミド)から得られるパルプ状粒子すな
わちm―アラミドフィブリッド及び短繊維の系にポリ
(p―フェニレンテレフタルアミド)から得られるp―
アラミド短繊維を任意に組合せた含浸用シートが提案さ
れているが(特開昭62―41400号公報参照)、こ
のシートはm―アラミドフィブリッドとポリ(p―フェ
ニレンテレフタルアミド)短繊維との接着性が劣るた
め、ボードの強伸度等機械的性質が不足する。
【0007】他の手段として、粒状雲母と実質上溶融さ
れていないアラミド(芳香族ポリアミド)フィブリッド
のもつれ合った混合物からなるシート状構造物も提案さ
れているが(特公昭43―20421号及び特開昭64
―51460号公報参照)、このものは、熱伝導率の低
い雲母を加えるためアラミドボードに蓄熱が生じ好まし
くない。
【0008】かかる現状にかんがみ、本発明者らは、m
―アラミドフィブリッド及びm―アラミド繊維を主体と
するアラミドボードの基本性能を損うことなく、吸湿変
形を抑制した、実用性に優れたアラミドボードを提供す
べく鋭意研究の結果、本発明に到達した。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は上述の
目的を達成する新規なアラミドボードであって、m―ア
ラミドフィブリッドとm―アラミド繊維から主としてな
るシート(A)の複数枚と、m―アラミドフィブリッド
とp―アラミド繊維又は/及びガラス繊維とから主とし
てなるシート(b―1)あるいはm―アラミドフィブリ
ッドと粒状雲母とから主としてなるシート(b―2)か
ら選ばれる少くとも1種のシート(B)の複数枚とを、
それぞれ水分率45%未満の状態で、シート(B)の各
層の間に少くとも1層のシート(A)が介在する如く積
層し、加熱加圧して一体のボード状にしたことを特徴と
する低変形アラミドボードにかかるものである。
【0010】本発明で言う「m―アラミドフィブリッ
ド」とは、ポリマー繰返し単位の少くとも80モル%以
上がm―フェニレンイソフタルアミドである全芳香族ポ
リアミドの溶液を、例えば特公昭35―11851号公
報、特公平3―39539号公報等に記載の如く、攪拌
下の沈殿剤中に供給し、剪断力を加えながら析出・沈殿
させて得たパルプ状粒子を指し、該フィブリッド中に
は、少量の改質剤、充填剤等の添加剤を含んでも差しつ
かえない。
【0011】一方、「m―アラミド繊維」とは、ポリマ
ー繰返し単位の少くとも80モル%以上がm―フェニレ
ンイソフタルアミドである全芳香族ポリアミドの繊維を
称し、例えば「コーネックス」、「NOMEX」等の登
録商標で市販されているものがこれに該当する。該繊維
は通常、繊維長0.3〜30mmの短繊維として用いられ
る。
【0012】一方、「p―アラミド繊維」とは、実質的
にポリマー繰返単位が下記式(I)に示されるポリ(p
―フェニレンテレフタルアミド)からなる繊維、
【0013】
【化1】
【0014】あるいは、実質的にポリマー繰返単位が下
記式(II)と下記式(III )からなる共重合体であるポ
リ(p―フェニレン/3,4′―ジフェニルエーテルテ
レフタルアミド)からなる繊維、
【0015】
【化2】
【0016】を総称する。これらのp―アラミド繊維
は、「ケブラー」、「トワロン」、「アクノーラ」等の
登録商標名で試販されている。
【0017】また、「ガラス繊維」とは、実質的にガラ
スからなる繊維である。これらのp―アラミド繊維、ガ
ラス繊維は2種以上併用することもできる。これらの繊
維も、通常はm―アラミド繊維と同様に短繊維状にて用
いられる。
【0018】「粒状雲母」は、各種の雲母を粒状にした
ものであり、なかでも硬質焼成雲母を10〜80メッシ
ュ程度の粒径にしたものが好ましい。
【0019】本発明のアラミドボードは、本質的にm―
アラミドフィブリッドを含むシートを合計4枚以上、好
ましくは8枚以上、更に好ましくは10枚〜数十枚、積
層して加熱加圧し、一体のボードとしたものであるが、
m―アラミドフィブリッドとm―アラミド繊維から主と
してなるシート(A)の少くとも2枚と、m―アラミド
フィブリッドとp―アラミド繊維又は/及びガラス繊維
とから主としてなるシート(b―1)あるいはm―アラ
ミドフィブリッドと粒状雲母とから主としてなるシート
(b―2)から選ばれる少くとも1種のシート(B)の
少くとも2枚とを、組合せて積層したことを第1の特徴
とする。
【0020】上記シート(A)は主としてm―アラミド
フィブリッドとm―アラミド繊維とからなるシート(ウ
ェブ)であるが、上記2成分以外に他の成分を少量(例
えば20重量%以下)含んでも差支えない。シート
(A)におけるm―アラミドフィブリッドとm―アラミ
ド繊維との割合(重量比)は通常90/10〜10/9
0、好ましくは70/30〜30/70である。m―ア
ラミドフィブリッド量が下限未満の場合はシートの接着
性に問題があり、繊維量が下限未満の(フィブリッド量
が上限を越える)場合はボードの吸湿寸法安定性の効果
発現が不充分なので好ましくない。
【0021】一方、上記シート(B)は、主としてm―
アラミドフィブリッドとp―アラミド繊維とからなるシ
ート(b―1)と、主としてm―アラミドフィブリッド
の粒状雲母とからなるシート(b―2)とに分類でき、
本発明では、シート(B)として、上記(b―1)、
(b―2)のいずれか一方あるいは両者を使用すること
ができる。シート(b―1)におけるm―アラミドフィ
ブリッドとp―アラミド繊維又はガラス繊維との割合
(重量比)も、上記シート(A)と同様に、通常90/
10〜10/90、好ましくは70/30〜30/70
とする。
【0022】雲母混抄シート(b―2)においては、m
―アラミドフィブリッドと粒状雲母のほかに、少量のア
ラミド繊維を含むのが好ましく、この場合、30〜70
(重量)%のm―アラミドフィブリッドと70〜30
(重量)%の粒状雲母と20重量%以下のアラミド繊維
で構成するのが好適である。
【0023】この雲母混抄シート(b―2)中の雲母の
含有量が、シート全量の30(重量)%未満のときは、
ボードの吸湿伸長抑制に対する寄与が充分でないし、7
0(重量)%を越えると、シートひいてはボードの電気
絶縁性を損うので好ましくない。
【0024】この雲母混抄シート(b―2)には、20
重量%までのアラミド繊維を共存させると、シートひい
てはボードの機械的性質を向上するので好ましい。
【0025】なお、ここでアラミド繊維を構成する芳香
族ポリアミドとしては、m―アラミド及びp―アラミ
ド、例えばポリ(m―フェニレンイソフタルアミド)、
ポリ(p―フェニレンテレフタルアミド)、ポリ(p―
フェニレン/3,4′―ジフェニルエーテル・テレフタ
ルアミド)等を挙げることができる。
【0026】本発明のアラミドボードにあっては、上記
シート(A)及びシート(B)の積層順序(配置)が重
要であり、積層する各シート(B)の間には少くとも1
枚のシート(A)が介在するように積層されていること
が必要である。例えば、10枚のシートを積層してボー
ドを成型する際、奇数番目又は偶数番目のシートは、シ
ート(B)となし、残りのシートをシート(A)とした
組合せとする。この際、シート(A)は2枚以上が互い
に接するように重ね合せても差支えないが、シート
(B)が互いに接するよう2層以上連続して重ね合せた
場合は、本発明の目的を達成し難いので、シート(B)
の間には必ず1層以上のシート(A)が存在する積層順
序とする。
【0027】多くの場合、積層の最上層(表面)及び最
下層(底面)にはシート(A)を配置し、シート(A)
の間にシート(B)がそれぞれ相離れた層となる如く挟
み込まれたサンドイッチ状とするのが好ましい。
【0028】積層される上記シート(A)(B)の製造
法は、特に制限されないが、本発明のアラミドボードが
高密度の電気絶縁用途を目指すことから、公知の湿式
(抄造)法によるウエブ化が好ましい。湿式法として
は、長網、円網あるいは短網抄紙機を用いて抄造し、必
要なら準備工程として解離、叩解を行うことも可能であ
る。また、電気絶縁性を損わない範囲で、糊剤、樹脂等
各種添加剤を加えることも可能である。
【0029】湿式法で製造されるウエブは、通常、繊維
が流れ方向に配向するためタテ/ヨコ異方性を示すの
で、これらウエブを所定の大きさに切断(シート化)
し、ボードに積層する際交互に直交させると、得られる
ボードの性質に等方性が出るので好ましい。
【0030】上記シート(B)としてp―アラミド繊維
を含むシート(ウエブ)を用いる場合、隣接するm―ア
ラミドフィブリッドとm―アラミド繊維からなるシート
(ウエブ)との接着性を向上させる目的で、少量のN―
メチル―2―ピロリドン、N,N―ジメチルホルムアミ
ド、N,N―ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチル尿
素、等の有機溶媒で表面洗浄することも可能である。
【0031】本発明のアラミドボードにおいては、積層
する各シートの水分率が重要であり、積層する際のシー
ト(ウエブ)の水分率は、シート重量をベースにして1
〜45(重量)%の範囲に入るように予備乾燥し調整す
ることが必要である。予備乾燥温度は、常圧の場合10
0〜180℃が適当であり、好ましくは130〜150
℃である。
【0032】後述するように抄造した水分含有率50〜
95(重量)%の湿紙を積層した後、加熱加圧下に徐々
に脱水乾燥して一体化するという従来公知(例えば特公
昭57―46163号公報)の方法では、得られるボー
ドの吸湿伸長が小さくならない。従って予め本発明では
湿紙を充分乾燥し、速かに積層、熱圧着させることが必
要である。ただし、少量の水分の存在は、熱圧着の場
合、フィブリッド表面の可塑化を促進し接着効果を向上
させるので好ましいことがある。したがって本発明にお
いて積層時のシートの水分率は45(重量)%未満、好
ましくは30(重量)%未満、最も好ましくは0.5〜
5(重量)%とする。その際シート中に包含される空気
あるいは過剰の水分等を逃すため、プレス途中で瞬間的
な放圧を数回繰返すいわゆる「エア抜き」操作を入れる
ことはボード中の空気膨れ(ブリスター)発生を防止す
る見地から推奨される。
【0033】水分の一部に、アラミド用有機溶媒、例え
ばN―メチル―2―ピロリドン、N,N―ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド等を共存させるとシー
トの接着性を向上させる場合がある。好ましい有機溶媒
の存在量は、シートに対して3(重量)%以下である。
【0034】熱圧着は通常平板プレスあるいはロールプ
レス積層体を加熱加圧することにより行うことができ
る。熱圧着温度は225〜335℃特に好ましくは、2
70〜320℃であり、圧力は、ボードの所要密度に応
じて変化させることが可能であるが、平板プレスで、2
0〜1,000kg/cm2 、ロールプレスで50〜300
kg/cm(線圧)程度が好ましい。
【0035】かくして本発明のアラミドボードは、後述
する方法で測定される吸湿伸長率が0.5%以下で寸法
安定性が良好であり、しかも、熱伝導性が良好なため、
使用時に局所的な蓄熱が起らず、又、耐熱性、電気絶縁
性、機械的性質も優れている。
【0036】
【発明の効果】本発明のアラミドボードは、上述の如き
構成とすることにより、吸湿時の伸長変化を有効に抑制
できるため、ボード製造後の在庫管理、運搬及び電気機
器組立て直前の湿度管理を行う必要がなく、生産工程の
合理化、コストダウンが可能になる。
【0037】更にm―アラミドボード本来の性質を保っ
ているので、材料選択上の制約がなく、従来のm―アラ
ミドボードと同様の取扱いが可能である。
【0038】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を詳述する。以下
の例に示す特性値は以下の測定方法で求めた値である。
なお、例中に単に「部」とあるは重量部を表わす。 (a) 対数粘度:95%硫酸中で濃度0.5g/10
0mlの対数粘度を30℃で測定した。(単位dl/g) (b) 吸湿伸長率:熱圧着直後のボードの縦及び横方
向の寸法(L1 ,L2 )を測定した後20℃、相対湿度
65%恒温恒湿の部屋で15日間調湿したサンプルの縦
及び横方向の寸法(l1 ,l2 )を測定し、下記の式に
より算出した。
【0039】なお、長さの測定には、武藤工業(株)製
二次元座標測定装置(MA―1 BLTV)を用いた。
(単位%)
【0040】
【数1】
【0041】(c) 絶縁破壊電圧(BDV):JIS
―C2111に準拠・交流電圧で測定。(単位KV/mm) (d) 熱伝導率:「サーモラボI型」(カトーテック
社製)で測定。試料上下面の温度差(Δt)10℃に設
定。(単位 cal/cm・sec ℃)
【0042】
【実施例1〜4、比較例1】 (ア) パルプと繊維の作成 界面重縮合で作成したポリ(m―フェニレンイソフタル
アミド)重合体(対数粘度1.6)から通常の方法でカ
ナディアン標準濾水度(CSF)105ml のm―アラミド
フィブリッド(パルプ状粒子)と、繊度2.0デニー
ル、長さ6mm、強度5.8g/d、伸度40%のm―ア
ラミド繊維とを得た。
【0043】(イ) シートの製造 上記(ア)で作成したm―アラミドフィブリッド60部
とm―アラミド繊維40部を約200倍量の水中に分散
させた後25cm×25cmのワイヤーメッシュを持つ角型
抄紙機で抄造した。得られたシートをドラム式回転乾燥
機で140℃、100秒間乾燥した。得られたシートの
坪量は80g/m2 、厚さ0.205mm、水分率2.5
%であった。(このシートをシートAとする)
【0044】上記m―アラミドフィブリッド60部とポ
リ(p―フェニレンテレフタルアミド)繊維(繊度1.
5デニール、長さ3mm、強度22g/d、伸度4.0
%)40部を約200倍量の水中に分散させた後、同様
の方法により抄造、乾燥した。得られたシートの坪量は
80g/m2 、厚さ0.198mm、水分率1.8%であ
った。(このシートをシートBとする)
【0045】シートBのポリ(p―フェニレンテレフタ
ルアミド)繊維の代りにポリ(p―フェニレン/3,
4′―ジフェニルエーテルテレフタルアミド)繊度(繊
度1.5デニール、長さ3mm、強度25g/d、伸度
4.4%)を用いる外はすべてシートBと同様の方法で
シートを作成した。得られたシートの坪量81g/
2 )、厚さ0.196mm、水分率1.1%であった。
(このシートをシートCとする)
【0046】全く同様に40部のガラス繊維[直径6μ
m、長さ3mm、日本電気硝子(株)製]を用いたシート
を作成した。得られたシートの坪量78g/m2 、厚さ
0.240mm、水分率0.9%であった。(このシート
をシートDとする) 同様に40部の硬質焼成集成雲母[粒径32〜60メッ
シュ (株)日本マイカ製作所]を用いたシートを作成
した。シートの坪量77g/m2 、厚さ0.188mm、
水分率0.8%であった。(このシートをシートEとす
る)
【0047】(ウ) ボードの成型 上記のシートA及びシートBの形状を22cm×22cmに
調整した後、 A/B/A/B/A/A/B/A/B/A の順序で10枚重ね、このシートA6層シートB4層の
積層体を平板プレス上におき、270℃、50kg/cm2
で5分間熱圧着しボードを作成した(実施例1)。
【0048】シートBの代りにシートC,シートD,シ
ートEを用いたボードも同様の方法で作成し、(実施例
2〜4)、さらに比較例のためシートAのみを10枚積
層して同様に熱圧着したボードも作成した(比較例
1)。
【0049】得られた各ボードの吸湿伸長率、BDV、
熱伝導率を以下の表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1に示すとおり本発明による実施例1〜
4のアラミドボードはBDV、熱伝導率が損われずに吸
湿伸長率のみ改良されていることが確認された。
【0052】
【実施例5、比較例2】 (エ) シートの製造 実施例1〜4の(ア)で作成したm―アラミドフィブリ
ッド40部とm―アラミド繊維10部及び実施例1〜4
の(イ)のシートEで使用した硬質焼成集成雲母50部
を約200倍の水中に分散させ上記(イ)に記述の方法
でシート化したところ、坪量76g/m2 、厚さ0.1
88mm、水分率1.2%のシートが得られた(シート
F)。
【0053】(オ) ボードの成型 上記(イ)のシートA6枚とこのシートF5枚を下記の
如く積層し実施例1〜4の(ウ)と同様の方法で熱圧着
しボートを作成した(実施例5)。 A/F/A/F/A/F/A/F/A/F/A
【0054】比較のためシートF11枚からなる積層体
を同様に熱圧着してボードを作成した(比較例2)。
【0055】各ボードの特性値を以下の表2に記す。
【0056】
【表2】
【0057】シートFのみからなるボードは、熱伝導率
が劣るが、本発明のボードでは、シートAのみのボード
と熱伝導率において殆んど差のないこと確認された。
【0058】
【実施例6、比較例3】 (カ) シートの製造 実施例5の(エ)の方法において脱水を調節してシート
の水分含有率を90%に保つ以外同様の方法でパルプ/
繊維/雲母=40/10/50(坪量77g/m2 )の
シートを得た(シートY)。
【0059】同様にシートAにおいて脱水を調節し水分
含有率90%のシートを作成した。(シートX)。
【0060】(キ) ボードの成型 上記のシートX(3枚)とシートY(2枚)を下記の如
く積層し脱水を容易に X/Y/X/Y/X するため積層物の上下に80メッシュ綾織ステンレス
(SUS304)金網をはさみ、圧力50kg/cm2 (一
定)で、140℃から10分間で270℃に昇温加熱し
5枚積層のボードを得た(比較例3)。一方、実施例5
と同じシートA(3枚)とシートF(2枚)の合計5枚
をA/F/A/F/Aの順に積層し、その上下に上記金
網を挿入し、50kg/cm2 、270℃で10分間熱圧着
しボードを得た(実施例6)。これらの各ボードの測定
結果を表3に記す。
【0061】
【表3】
【0062】表3より、積層する各シートの水分率が高
い場合には、吸湿伸長率が0.5%を超え、寸法安定性
に劣ることが理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 27/30 17/63 13/26 H05K 1/03 H 7011−4E 7199−3B D21H 5/20 E 7242−4J C08K 7/02 KLC 7242−4J 7/14 KLC 7199−3B D21H 5/20 E 7242−4J C08K 7/02 KLC 7242−4J 7/14 KLC

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 m―アラミドフィブリッドとm―アラミ
    ド繊維から主としてなるシート(A)の複数枚と、m―
    アラミドフィブリッドとp―アラミド繊維又は/及びガ
    ラス繊維とから主としてなるシート(b―1)あるいは
    m―アラミドフィブリッドと粒状雲母とから主としてな
    るシート(b―2)から選ばれる少くとも1種のシート
    (B)の複数枚とを、それぞれ水分率45%未満の状態
    で、シート(B)の各層の間に少くとも1層のシート
    (A)が介在する如く積層し、加熱加圧して一体のボー
    ド状にしたことを特徴とする低変形アラミドボード。
  2. 【請求項2】 m―アラミドフィブリッドが、実質的に
    ポリ(m―フェニレンイソフタルアミド)からなるフィ
    ブリッドである請求項1記載の低変形アラミドボード。
  3. 【請求項3】 m―アラミド繊維が、実質的にポリ(m
    ―フェニレンイソフタルアミド)からなる短繊維である
    請求項1記載の低変形アラミドボード。
  4. 【請求項4】 シート(A)におけるm―アラミドフィ
    ブリッドとm―アラミド繊維との割合(重量比)が90
    /10〜10/90である請求項1、2又は3記載の低
    変形アラミドボード。
  5. 【請求項5】 p―アラミド繊維が、実質的にポリ(p
    ―フェニレンテレフタルアミド)又はポリ(p―フェニ
    レン/3,4′―ジフェニルエーテル・テレフタルアミ
    ド)からなる短繊維である請求項1記載の低変形アラミ
    ドボード。
  6. 【請求項6】 シート(b―1)におけるm―アラミド
    フィブリッドとp―アラミド繊維及びガラス繊維の合計
    量との割合(重量比)が90/10〜10/90である
    請求項1又は5記載の低変形アラミドボード。
  7. 【請求項7】 シート(b―2)にm―アラミドフィブ
    リッドと粒状雲母に加え少量のm―アラミド繊維を含む
    請求項1記載の低変形アラミドボード。
  8. 【請求項8】 シート(b―2)が、30〜70(重
    量)%のm―アラミドフィブリッドと70〜30(重
    量)%の粒状雲母と20重量%以下のm―アラミド繊維
    とから構成される請求項1又は7記載の低変形アラミド
    ボード。
  9. 【請求項9】 積層シートの加熱加圧が、225〜33
    5℃で行われる請求項1〜8のいずれかに記載の低変形
    アラミドボード。
  10. 【請求項10】 吸水伸長率が0.5%以下である請求
    項1〜9のいずれかに記載の低変形アラミドボード。
JP4297165A 1992-11-06 1992-11-06 低変形アラミドボード Expired - Lifetime JP2994156B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4297165A JP2994156B2 (ja) 1992-11-06 1992-11-06 低変形アラミドボード

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4297165A JP2994156B2 (ja) 1992-11-06 1992-11-06 低変形アラミドボード

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06143476A true JPH06143476A (ja) 1994-05-24
JP2994156B2 JP2994156B2 (ja) 1999-12-27

Family

ID=17843033

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4297165A Expired - Lifetime JP2994156B2 (ja) 1992-11-06 1992-11-06 低変形アラミドボード

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2994156B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012508835A (ja) * 2008-11-14 2012-04-12 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 改善された圧縮性能を有するシート構造体の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012508835A (ja) * 2008-11-14 2012-04-12 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 改善された圧縮性能を有するシート構造体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2994156B2 (ja) 1999-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1756360B1 (en) Aramid paper blend
EP2661457B1 (en) Electrical insulating paper
EP2588304B1 (en) Multilayer structure useful for electrical insulation
US4273825A (en) Electric insulating sheet
CN105189115A (zh) 特别适用于电路板的板材
CA2455078C (en) Solid sheet material especially useful for circuit boards
EP2222918B1 (en) Papers containing floc derived from diamino diphenyl sulfone
WO2010056659A1 (en) Processes for making sheet structures having improved compression performance
CN111295479A (zh) 绝缘片
JPH06143476A (ja) 低変形アラミドボード
JP3027273B2 (ja) シート状全芳香族ポリアミド成形物
JPH086276B2 (ja) 絶縁用プレスボ−ド
JP2986632B2 (ja) 吸湿変形の少ないアラミドボード
CN108778736B (zh) 芳族聚酰胺纸与聚酰亚胺膜的层合体及其制造方法
US20040132372A1 (en) Solid sheet material especially useful for circuit boards
JPH0821270B2 (ja) ガス絶縁変圧器用スペーサーの製造法
JP3279796B2 (ja) シート状全芳香族ポリアミド成形物及びその製造方法
JPH0874194A (ja) アラミドボード及びその製造法
JPH07101569B2 (ja) ガス絶縁変圧器用スペーサの製造方法
JP2562529B2 (ja) 成形物の製造方法
JP3399551B2 (ja) 屈曲状プレスボード
JPH04162305A (ja) 充填材
JPH03133194A (ja) プリント配線板用シート
JPH07331600A (ja) 改良されたボードの製造方法
JPH11293586A (ja) ガス絶縁用のプレスボード用乾紙とその乾紙を用いたプレスボード及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081022

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091022

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091022

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101022

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111022

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111022

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 13

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121022

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131022

Year of fee payment: 14

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131022

Year of fee payment: 14